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全文PDF - 感染症学雑誌 ONLINE JOURNAL
167
症例報告
Vibrio vulnificus 敗血症型の 1 救命例
1)
医療法人八木厚生会八木病院外科,2)高気圧治療室,3)国立九州医療センター外科
八木 博司1)
山口亜由美2)
竹智 義臣1)
吉里美智也2)
開
慎司2)
古山 正人3)
(平成 14 年 9 月 17 日受付)
(平成 14 年 11 月 28 日受理)
Key words:
Hyperbaric Oxygen, Vibrio vulnificus, Necrotizing fasciitis
はじめに
激しい下痢に襲われ,二日酔の状態と思っていた
Vibrio vulnificus 感染症の敗血症型は生の魚介
が,夜便所へ行こうとして左足の疼痛と腫脹に気
類(牡蠣・貝など)を摂取した後,肝障害(肝硬
付いた.そのため物に掴まりながら足を引きずる
変やアルコール性肝炎など)
,易感染性の慢性疾患
ようにして排尿した.
(糖尿病など)を有する人に発生し易い重症感染症
8 月 7 日,左足の痛みは残っていたが,捻挫した
である.数時間から数日の潜伏期を経て発病し,
ものと思いそのまま放置した.ところが,夕方か
四肢とくに下肢に壊死性筋膜炎を伴う特徴があ
ら急に左下腿部,夜中には右下腿部に激痛が出現
る.激しい進行性の経過を辿り,ショック,DIC
し,翌朝(8 月 8 日)両下腿から足部にかけて浮腫
か ら 多 臓 器 障 害 multiple organ damage syndro-
性に腫脹し,紫色に変色しているのに気付いた.
me(以下 MODS と略す)を惹起し,死の転帰を迎
激痛のため急遽下山,その日の午後,前医療機関
える事が多い.
を受診したが,ガス壊疽を疑われて高気圧酸素
私達は下痢を初発症状とした本感染症の 1 例に
抗生物質と外科的処置に加えて高気圧酸素 hyperbaric oxygen(以下 HBO と略す)療法を行い,
罹患肢の救助(limb salvage)と救命に成功した症
例を経験したので報告する.
症
例
症例:62 歳,男性.
(HBO)
療法を目的とし,翌 8 月 9 日当院へ転送さ
れた.
既往歴:59 歳の時, 肝機能障害を指摘された.
生活歴:アルコールはよく摂取するが,晩酌の
習慣はなく,30 年間 1 日 5 本程度の喫煙歴があ
る.
前医療機関での経過:平成 12 年 8 月 8 日午後
主訴:両下肢の激痛と皮膚壊死.
入院.Japan coma scale(JCS)I-1,
体温 38℃,血
現病歴:平成 12 年 8 月 5 日の夜,久住高原で
圧 90!
50mmHg,脈拍数 130!
分,呼吸数 24 回!
分
キャンプ中,持参したあげ巻貝を仲間は充分火を
で洞性頻脈と発汗を認めた.眼球結膜は軽度黄味
通して食べたが,患者は半生の状態でアルコール
をおびていたが,眼瞼結膜に貧血の所見はなく,
を飲みながら食べた.
両下腿から足部にかけて疼痛と浮腫性腫脹,およ
翌朝(8 月 6 日)食欲がなく,吐気はないものの
別刷請求先:(〒812―0054)福岡市東区馬出 2―21―25
医療法人八木厚生会八木病院
八木 博司
平成15年 3 月20日
び斑点状に赤紫色の変色を認めた.両側前・後"
骨動脈の拍動はドプラーで聴取できたが,左足は
壊死状態であった.
以上の所見から壊死性筋膜炎を疑い,輸液ルー
168
八木
博司 他
Fig. 1 Photographs of lower extremities on admission(a)and at six months after the
discharge from the hospital(b).
(a)
(b)
トを確保後,抗生物質として piperacillin sodium
Table 1 Laboratory data on admission
(PIPC)4g!
日の投与,ショック,DIC に対して治
療を開始した.
午後 8 時 30 分,両側足背動脈の拍動を触知し難
くなったため,全身麻酔下に左側は下腿から足部
にかけ,右側は下腿に減張切開術を施行した.右
下腿皮下には膿汁と漿液性の滲出液および脂肪壊
死の所見を認めたが,筋壊死の所見は認められな
かった.一方,左足は壊死状態で,神経に伴走す
る血管の全てに血栓形成を認めた.
創分泌物,罹患肢の皮下脂肪組織から V. vulnificus が検出された.病理組織学的検査の結果,壊
死性筋膜炎と診断された.
術前,白血球数は 9,700,血小板数は 15 万,CRP
Biochemical exams
T. P
Alb
T. Bil
GOT
GPT
LDH
CPK
4.5 g/dl
2.7 g/dl
2.5 mg/dl
702
341
1,643
5,019
U/l
U/l
U/l
U/l
Peripheral blood exam
WBC
RBC
Hb
4,700 /ml
379 × 104 /ml
12.7 g/dl
Ht
36.9 %
Platelets
4.1 × 104 /ml
Coagulation factors
AT- Á
30 %
AMY
Fe
213 U/l
65 ug/dl
FDP-T
D dimer
Glu
BUN
251 mg/dl
27.9 mg/dl
T. T
Endotoxin
Cr
Na
K
2.6 mg/dl
140 mEq/l
4.8 mEq/l
Cl
CRP
92 mEq/l
35.8 mg/dl
7.2 ug/ml
3.3 ug/ml
60 %
0.92 pg/ml
(Cut off value <10pg/ml)
は 15.9mg!
dl であったが,術後,白血球数は 4,000,
血小板数は 9 万へ減少し,CRP は 24.9mg!
dl へ上
昇,APTT は 42.7 から 61.4 秒へと延長し,収縮期
血圧は 70mmHg 前後へと低下した.
術後 1 日目(8 月 9 日),血中よりエンドトキシ
ンが 0.9pg!
ml 検出され,IgG. A. M は正常であっ
たがミオグロビンは 3,335.3µg!
l と異常高値を示
感染症学雑誌
第77巻
第3号
Vibrio vulnificus 敗血症型の 1 救命例
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Fig. 2 Changes of vital signs and CVP in 1 week after admission
し,AT-III は 30% であった.罹患肢の状態は術前
より悪化し,両下肢切断はやむを得ないと考えら
Table 2 Antibiotic susceptibilities of V. vulnificus strain isolated from the wound of the patient
(liquid dilution method)
れたが,その前に一度 HBO 療法の効果を試すた
a
b
a
b
ABPC
PIPC
CEZ
CTM
1
≦8
≦8
≦ 16
S
S
S
S
AZT
GM
AMK
MINO
≦8
1
8
≦2
S
S
S
S
にかけて広範囲に認められ,左足は壊死に陥って
CZM
CAZ
≦8
≦8
S
S
FOM
OFLX
≦ 16
≦1
S
S
いた.
CMZ
IPM
≦ 16
≦4
S
S
ST
≦ 10
S
めに,ガス壊疽の診断の下 8 月 9 日午後当院へ転
送された.
当院来院時の所見:Fig. 1 は当院来院時の罹患
肢の状態を示したもので,病変は両下腿から足部
ガス壊疽として転送されてきたが,局所にガス
形成に伴う握雪感はなく,全身状態は pre-shock
の状態で,意識レベルは JCS I-3,体温 37.4℃,脈拍
a: Minimum inhibitory concentration
(μg/ml)by liquid dilution method. b: Sensitivity(S=Sensitive)
数 143 回!
分,整,呼吸数 24 回!
分で,血圧は収縮
期 90mmHg,拡張期 40mmHg であった.
入院後の経過:動・静脈ラインの確保後,緊急
CRP 35.8mg!
dl,T. P 4.5g!
dl,BUN 27.9mg!
dl,Cr
HBO 療法を第 2 種大型治療装置を用いて,2.5 絶
2.6mg!
dl で,低蛋白血症と肝・腎の機能障害およ
対気圧(ATA)90 分 1 日 2 回の条件で開始した.
び凝固系に異常を認めた.血清鉄は 65µg!
dl で正
来院時の臨床検査成績は Table 1 に示す如く
分の条件
常であった.血液ガスは O2 マスク 10 l !
で,白血球数 4,700,
赤血球数 379 万,Hb は 12.7
で pH 7.457,PaO2 133.9mmHg,PaCO2 23.3mmHg,
g!
dl で貧血の所見はなく, 血小板数は 41,000 で,
B.E −5.0 であった.
DIC スコアーは 6 点であった.
Fig. 2 は,本例の入院後 1 週間の経過を示した
生 化 学 検 査 で は 血 糖 が 251mg!
dl で,GOT,
もので,中心静脈圧(CVP)は治療開始時 15cm
GPT,LDH,CPK,total bilirubin はいずれも異常
h の速度で点滴
H2O と高く,電解質輸液を 50 ml!
高値を示し,中でも CPK は 5,019 IU!
l であった.
注入し,輸液量が過剰にならぬよう CVP と尿量
平成15年 3 月20日
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八木
博司 他
Table 3 Relation between bacteria isolated from wound and antibiotics used for treatment
8/9
8/11
Arterial
blood
Wound
Antibiotics
Vibrio
vulnificus
8/16
8/18
8/23
OP*
Enterobacter
cloacae
OP*
Staphylococcus
epidermidis
FMOX2g × 2
8/31
Enterobacter
cloacae
9/11
9/19
negative
OP**
9/25 ∼
negative
MRSA
intermit
VCM
0.5g × 2
PAPM/BP1.0 g× 2
* Surgical debridement ** BK amputation and skin transplantation
Fig. 3 Changes of blood and biochemical elements in 2 weeks after admission
を指標にコントロールした.
V. vulnificus に対する抗生物質感受性試験(微
量液体稀釈法)
の結果は Table 2 に示す如くで,感
その後,前述したと同じ条件で,1 日 1 回とし,罹
患肢のデブリドマン後,第 1 回の皮膚移植を行う
までの 41 日間に総計 39 回行った.
受性のある抗生物質 と し て 私 達 は flomoxef so-
入院後 1 週間以内の検査データの推移は Fig. 3
dium(FMOX)4g!
日を 7 日間,その後 panipen-
に示す如くで,低蛋白血症の改善は認められな
em!
betamipron(PAPM!
BP)を 使 用 し(Table
かったが,肝機能は漸次改善し,それとともに
3)
,人免疫グロブリン 2.5g を 4 日間使用した.
CPK は低下し,血小板数は増加した.また,CVP
DIC に対してメルシ酸ガベキセート 2,000mg!
日
は 15cmH2O から 2.0cmH2O へと低下し,HBO 療
と低分子ヘパリン 5,000 単位!
日,および新鮮凍結
法中に前胸壁で測定した TcPO2 は 2.5ATA の環
血漿(FFP)を 1 日 6 単位 7 日間使用し,ショック
境下で最初 400mmHg 前後であったが,1 週目頃
離脱療法として,塩酸ドパミン 20ml!
h,ウリナス
より 800mmHg 以上へと上昇した.
タティン 1 日 30 万単位,ドブタミンハイドロクロ
ライド 20ml!
h を 7 日間使用した.
緊急 HBO 療法は第 4 病日まで 1 日 2 回とし,
Table 3 に 示 す 如 く,入 院 後 7 日 目 の 8 月 16
日に第 1 回のデブリドマン,更に 1 週間後の 8 月
23 日に第 2 回目のデブリドマンを行い,創部から
感染症学雑誌
第77巻
第3号
Vibrio vulnificus 敗血症型の 1 救命例
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は最初表在性ブ菌,ついでグラム陰性桿菌(Enter-
始した.来院時の所見からガス壊疽は否定的で
bactor cloacae)が検出された.第 33 病日目,動脈
あったが,HBO 療法を目的として来院してきた
血と創部からの菌培養が陰性となったところで,
事,および軟部組織の感染症に対して HBO 療法
左下腿の切断と皮膚移植を行った.その後,
MRSA
は補助療法として有効だとする報告4)も少なくな
感 染 に 悩 み な が ら 10 月 11 日 と 10 月 18 日,11
い事から,私共は HBO 療法を続行した.
月 1 日と 11 月 25 日にそれぞれ皮膚移植を追加
し,平成 13 年 1 月末に退院した.
考
察
V. vulnificus は魚介類や海水の中から検出され
その結果,HBO 療法の回数を重ねるにつれて,
全身状態は悪化せず,低蛋白血症に明らかな改善
は認められなかったものの,肝機能,CPK は漸次
改善し,それに伴って血小板数は増加した.また,
るグラム陰性桿菌で,海水温度が 1 日を通じて 17
CVP も 15cmH2O か ら 2.0cmH2O へ と 低 下 し,
℃以上になることが発病条件といわれている.そ
HBO 下 で TcPO2 は 800mmHg 以 上 へ と 改 善 し
のため本感染症の 90% 以上は 7 月から 9 月にか
た.
けて夏場の 3 カ月間に発病することが多い.本邦
これまで報告されている V. vulnificus の敗血症
では関東以西の西日本とくに九州に多いといわれ
型と自験例の大きな相違点は,自験例では肝機能
ている.
障害の既往歴を有していたものの,肝硬変,アル
本感染症には創部感染型と敗血症型の 2 型があ
り,創部感染型は菌が創部から直接侵入する事に
コール性肝炎,糖尿病などはなく,且つ激しい水
様性の下痢を初期症状とした点である.
よって起り,その予後は比較的良好といわれてい
Klontz ら5)によれば,V. vulnificus 敗血症型の初
る.一方,敗血症型は汚染食品を経口摂取する事
期症状として,発熱,悪寒などの全身症状を伴う
によって,腸から菌が血管内に入り発病する.肝
もの 100%,吐気,嘔吐などの消化器症状を伴うも
硬変やアルコール性肝炎,易感染性の慢性疾患(糖
の 71% と報告し,下痢の頻度は 42% であったと
尿病)
などを持っている人に発病する頻度が高く,
述べている.また,Nakafusa ら6)は自験 8 例中 25
その予後は極めて不良である1)∼3).
%,Johnston ら7)は 17∼40% と報告している.
本感染症の潜伏期間は 4 時間から 3 日,平均 1
日で,好発年齢は 50 歳代の男性に多い.
初期症状として,発熱,悪寒,下痢などのほか,
ま た,Blake ら8),Tacket ら9)は,V. vulnificus
敗血症型の便中から V. vulnificus を検出してお
り,Johnston ら10)は V. vulnificus の胃腸型で下痢
四肢とくに下肢に壊死性筋膜炎を伴う特徴があ
の起炎菌は V. vulnificus だったと報告している.
り,症状の進行は極めて激烈で,ショックから
HBO 療法が嫌気性菌感染によるガス壊疽に対
MODS,つ い で 不 幸 の 転 帰 を と る も の が 多
して著効を示す事は嫌気性菌に対する HBO の殺
い1)∼3).
菌効果の面から広く知られている.しかし,HBO
3)
矢吹ら の報告によると,本症の敗血症型は本邦
療法を V. vulnificus による壊死性筋膜炎に用いた
でこれまで 67 例報告されているが,その死亡率は
報告は私達が調べた範囲内で見当たらない.ビブ
60∼70% である.
リオ属細菌に関しては,Norton ら16)が Vibrio chol-
自験例は 62 歳男性で,肝機能障害の病歴を有す
era non-01 facial cellulites に HBO 療 法 を 用 い た
るも肝硬変や糖尿病はなく,加熱不充分のあげ巻
症例報告のみである.その原因として,V. vulnifi-
貝をアルコールと一緒に摂取後,激しい水様性の
cus の敗血症型は病像の進行が極めて急速で重篤
下痢を主症状として発病した.
なため,HBO 療法を行う時間的余裕がなかった事
両下肢に皮膚壊死を認め,前医療機関から HBO
などが考えられる.通性嫌気性菌である V. vulni-
の依頼を受けたため,2.5ATA 90 分,1 日 2 回の条
ficus に対して HBO が直接的殺菌効果を有するか
件で HBO 療法を行い,それと同時に抗生物質,
否かは今後の検討を待たねばならないが,私たち
ショック離脱療法および DIC に対する治療を開
は大腸菌,クレブジエラ,エンテロバクターなど
平成15年 3 月20日
172
八木
の通性嫌気性菌による蜂窩織炎に対して HBO が
11)
有効である事を報告している .
さらに,HBO 療法を行えば!動脈血中の酸素分
圧が著しく上昇し,"細菌の増殖が抑制されて#
局所の炎症性浮腫が軽減し,$局所への血流量が
改善される事などから,創傷治療が促進されると
いわれている.すなわち HBO 療法には抗炎症と
抗浮腫性作用があると考えられている4)14).私達
もこれまで炎症性の湿性壊死に HBO 療法を 6∼7
回行うと湿性壊死が乾性壊死へ変り,demarcation line が完成して激痛の緩解とともに全身状態
が好転した症例を経験している12).
自験例では HBO 療法を重ねるにつれて,肝機
能は漸次改善し,CPK の正常化と共に血小板数は
増加した.また,以前私達は肝切除後の術後急性
肝不全に対して,血漿交換その他の治療が奏効し
なかった症例に HBO 療法を行い,L-CAT の上昇
とともに肝機能が改善し,救命しえた症例を経験
している13).最近,有川ら14)も術後の急性肝不全や
多臓器不全に対して HBO 療法を行い有効だった
という成績を報告し,その理由として HBO の抗
炎症性抗浮腫性作用を指摘している.
一 方,V. vulnificus に は 肺 動 脈 の 血 管 透 過 性
(permeability)を高めるという報告がある15).も
し,そうだとするなら自験例で高い CVP 値を示
した原因の一つとなるかも知れないと考えられ
た.
以上の結果と考察から,HBO 療法は V. vulnificus による壊死性筋膜炎に対しても他の壊死性筋
膜炎と同様補助療法として有効である可能性が示
唆された.
結
語
V. vulnificus の敗血症型の 1 例に,抗生物質と
外科的処置に加えて HBO 療法を行い,limb salvage と救命に成功した 1 例を経験したので,2,
3
の文献的考察を加えて報告した.
(稿を終るにあたり,九州大学医学部細菌学教室吉田眞
一教授のご指導ご校閲に深謝する)
文
献
1)小屋敷啓子,定光大海,今井一彰,井上 健,鶴
田良介,前川剛光,他:Vibrio vulnificus による壊
博司 他
死性敷部組織感染症の 2 例 日救急医会誌
1998;9:102―7.
2)黒木美鈴,河野 茂:Vibrio vulnificus 感染症最新
医学 1999;54:586―93.
3)矢吹 輝,石倉宏恭,弘津喜史,津田雅庸,中谷
健治,田中孝也:劇症型 Vibrio vulnificus 感染の 2
例―本邦報告例 67 例の集計検討を含めて―日臨
救医誌 2000;3:258―64.
4)Jain KK:Textbook of hyperbaric medicine. Part
II. Clinical applications. Hyperbaric oxygen therapy in infections and wound healing P. 171∼202.
Hogrefe & Huber Publishers, Toronto, Lewiston,
N.Y, Bern, Gottingen, Stuttgart. 1990.
5)Klontz KC, Lieb S, Schreiber M, Janowski HT,
Baldy LM, Gann PA:Syndrome of Vibrio vulnificus infections . Clinical and epidemiological features in Florida cases . 1981 ∼ 1987. Ann Intern
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Tanaka T, Narisawa Y:The importance of serum creatine phosphokinase level in the early diagnosis, and as a prognostic factor, of Vibrio vulnificus infection. Brit J Dermat 2001;145:280―4.
7)Johnston JM, Becker SF, McFarland LM:Vibrio
vulnificus:men and the sea. JAMA 1985;253:
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New Engl J Med 1979;300:1―5.
9)Tacket Co, Brenner F, Blake PA:Clinical feafures and an epidemiological study of Vibrio vulnificus infections. J Infect Dis 1984;149:558―61.
10)Johnston JM, Becker SF, McFarland LM:Gastroenteritis in patients with stool isolates of Vibrio
vulnificus. Am J Med 1986;80:336―8.
11)八木博司,荒木貞夫,笠井道生,江上 純:ガス
形成菌感染症について.日外傷研究会誌 1989;
3:123―32.
12)八木博司:四肢難治性潰瘍に対する高気圧酸素
療法について.日高圧医誌 1987;22:27―40.
13)江崎卓弘,兼松隆之,松股 孝,園田孝志,古田
斗志也,八木博司,他:高気圧酸素療法が有効で
あ っ た 術 後 肝 不 全 の 1 例.肝 臓 1984;25:
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14)有 川 和 宏:高 気 圧 酸 素 療 法 の 最 近 の ト ピ ッ ク
ス―多 臓 器 不 全 に 対 す る 高 気 圧 酸 素 療 法 の 応
用―.麻酔 1998;47:S46―51.
15)Rho Hye-Won, Choi Min-Ji, Lee Ji-Na, Park JinWoo, Kim Jong-Suk Park Byung-Hyun, et al .:Cytotoxic mechanism of Vibrio vulnificus cytolysin in
CPAE cells. Life Sciences 2002;70:1923―34.
感染症学雑誌
第77巻
第3号
Vibrio vulnificus 敗血症型の 1 救命例
16)Norton R, Vucak M, Stalewski H:Vibrio cholera
non-01 facial cellulites in a North Queensland ,
173
Australian child. Pediat Inf Dis J 2001;20:550―
1.
A Life Saving Case of Vibrio vulnificus(Septic Type)
Hiroshi YAGI1), Yoshiomi TAKECHI1), Shinji HIRAKI2), Ayumi YAMAGUCHI2),
Michiya YOSHIZATO2)& Masato FURUYAMA3)
1)
YAGI-Koseikai YAGI Hospital. Dept. of Surg.
YAGI-Koseikai YAGI Hospital. Division of HBO.
3)
National Kyushu Medical Center. Dept. of Surg.
2)
After eating raw shellfish, 62-year-old man suffered from watery diarrhea and leg pain. The disease developed to septicemia and necrotizing fasciitis of bilateral lower extremities.Vibrio vulnificus
was isolated from wound. He was treated with antibiotics, surgical debridement and hyperbaric oxygen therapy, and consequently was saved. Effect of hyperbaric oxygen therapy on V. vulnificus infection was discussed.
平成15年 3 月20日
Fly UP