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一般演題5-1 グリオーマの抗癌剤感受性に対する高気圧 酸素療法の
第 45 回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会 プロシーディング 一般演題 5-1 グリオーマの抗癌剤感受性に対する高気圧 酸素療法の増強効果 −ヒトグリオーマ株スフェロイドを用いた検 討− なかった。一方,Day7でのスフェロイドではCDDP及 びCBDCAにおいて 2群間での生細胞率に優位な差 (P<0.05)が得られたが,TMZでは 2群間に有意な差 は得られなかった。 【考察】腫瘍内酸素化による抗癌剤感受性の増加の 機序として,HBOによる低酸素細胞の減少と細胞周 1) 1, 2) 内田将司 田中克之 1) 1) 吉田泰之 1) 田中雄一郎 橋本卓雄 期の変化が関与していると考えられている。Grayらは 低酸素腫瘍細胞の存在が化学療法に抵抗性を示す 1) 聖マリアンナ医科大学 脳神経外科 ものと述べており,AlagozらはHBO治療により腫瘍の 2) 川崎市立多摩病院 脳神経外科 乏血部における細胞分裂が促進していることを実験 的に報告している。 【はじめに】第 44回本学会で発 表したように,悪性 実際にスフェロイドを用いて,HE染色とG0期以外 神経膠腫患者に対する高気圧酸素(以下HBO)併用 の細胞周期に特異的に染色するKi-67の免疫染色を 化学療法は,多変量解 析によるKaplan-Meier法を 行い,病理学的に検討してみた。腫瘍塊の中止部は 用いたLogrank検定(p<0.01)及びWilcoxon検定(p Ki-67にて染色されず,外周部に特異的に染色される <0.05)において有意な差を得ている。このような臨 所見であった。つまり,腫瘍塊の中心部は休止期の 床結果を元に,現在当教室では基礎実験にてHBO 細胞が存在し,外周部に活動期にある腫瘍細胞が多 の抗癌剤の感受性増強効果の裏付けを検討してい く存在していることを意味している。よって,大気圧 る。HBO下で抗癌剤を投与した場合,大気圧(以下 の条件下では,外周部の活動期の細胞に抗癌剤は作 NBO)中の状態と比較し血漿中の濃度が高濃度に保 用するが,中止部にある休止期の細胞は抗癌剤に抵 たれることは,これまで昭和薬科大学との共同研究 抗を示すと思われ,HBO環境下に置き,腫瘍中心部 にて立証済みである。今回,HBO条件下での腫瘍内 の休止期にある細胞周期を回転させることで,抗癌 酸素化による抗癌剤の感受性増強効果を実証するた 剤の感受性が増加するものと思われた。 め,実際のヒトグリオーマ株の三次元培養スフェロイ 今回使用した抗 癌 剤のうちCDDP・CBDCAは細 ドを用い,HBO・NBO環境下での抗癌剤の感受性の 胞周期依存性の抗癌剤であり,HBO・NBOの 2群間 比較検討を行った。 で有意な差が得られたものと考えられるが,TMZは 【方法】ヒトグリオーマ細胞にはA172株を使用した。 A172細胞浮遊液を住友ベークライト株式会社製の DNA障害性の抗腫瘍薬でありHBOによる効果が有 意に得られなかったものと考えられた。 96well U底プレートを用い,1wellあたり1×104/100 今後の展望として,腫瘍中心部の低酸素細胞の存 μlずつ散布し,インキュベーター内(5% CO2 37℃の 在とHBO・NBO各々の環境下でのKi-67染色の比較 条件下)に静置させ,スフェロイドを作成した。 検討を行い,2群間での差を証明したいと考えている。 スフェロイドはDay3・Day7のものを用い,抗 癌剤 は Cisplatine(CDDP)・Carboplatine(CBDCA)・ Temozolomide(TMZ)の 3種類を各々の濃度で使用 した。HBO群は抗癌剤添加後,直ちに高気圧酸素 タンクに 2ATA(加圧 5分・維 持 30分・減 圧 5分のス ケジュール)に置いた。抗癌剤添加から96時間後に WST-8を用いて,吸光度を測定し,生細胞率におけ る有意差をstudent t検定を用いて比較検討を行った。 【結果】Day3でのスフェロイドの比較検討では 3種の抗 癌剤全てにおいてHBO・NBO群で有意な差は得られ 207 日本高気圧環境・潜水医学会雑誌 一般演題 5-2 拡散テンソル画像を用いたCO中毒後大脳白 質障害の評価 別府高明 西本英明 藤原俊朗 小笠原邦昭 鎌田 桂 1) 岩手医科大学 脳神経外科 高気圧環境医学 2) 花巻市石鳥谷医療センター 【緒言】救命された一酸化炭素(CO)中毒症例の約 10 %を占め,清明期の後に精神神経症状を発症する間 歇型中毒は,発症予測が困難なことが臨床的問題と されている。間歇型や遷延性症状を呈する症例にお ける精神神経症状は,大脳白質の過酸化脂質による 神経線維ミエリンの変性が自動免疫反応を引き起こ し,ミエリン崩壊による脱髄を来たすことが原因とされ ている。間歇型症例における大脳白質線維の脱髄は 徐々に進行することから,清明期に相当する亜急性期 における大脳白質神経線維の脱髄を評価することは, 間歇型中毒の発症を予見できる可能性につながる。 脳脊髄液中のmyelin basic protein(MBP)の上昇 が,間歇型中毒の予測に有用であると提案されてい る1, 2)。しかし,脳脊髄液の採取は侵襲的であること から,他の低侵襲,客観的,定量的な検査が期待さ れている。拡散テンソル画像(DTI)は,脳白質神経 線維の状態を評価可能なMRI手法である。我々は, 亜急性期におけるDTIが大脳白質神経線維脱髄を鋭 敏に測定でき,間歇型予測に有用である可能性を検 討してきた 3)。本学会では症例を追加し再検討した結 果を報告する。 【症例と方法】 CO中毒で入院となり,高気圧酸素治療 (HBO2)を行った29例を対象とした。HBO2は原則的 に入院後24時間以内に2.8atm, 60minを1 session行い, 暴露後1週間継続し,症状に応じて継続した。暴露後 2週目に拡散テンソル画像と腰椎穿刺によって髄液採 取しMBP測定を行った。DTIでは,両側半卵円中心 に関心領域をとり両側のfractional anisotropy(FA) 値を計測し,両側の平均値をその症例のFA値とした。 また正常者10名において同様に半卵円中心のFA値 を計測しCO中毒症例と比較した。MBPは102pg/ml 以上を異常とし,測定不能な低値の場合,測定値は 40pg/ml未満と計測された。CO暴露 6週間症状を継 続して観察し,症状がない群(急性型) ,6週間症状が 継続した群(遷延型) ,症状が改善後に清明期を経て 症状が再燃した群(間歇型) の3群に分類し,HBO2施 行回数, MBP値, FA値を統計学的に比較した。 【結果】 病型分類の結果は,急性型 20例,遷延型 6例, 間歇型3例であった。HBO2施行回数は遷延型が26.1 ±9.1日で有意に長かったが,急性型,間歇型の間で Fig. 1 C omparisons between mean FA value for each clinical groups and controls. NS, no significant. 208 Vol.45( 4 ), Dec, 2010 有意 差はなかった(3.0± 1.0vs.2.6± 0.9)。MBP値 は,遷延型の全例と間歇型 3例中 2例が異常値を示し たのに対し,急性型では異常値を示した症例はなく, Chi-square testで3群間に有意差を認めた。FA値は, 正常者が最も高かったが,急性型と有意差はなかっ た。急性型−遷延型間,急性型−間歇型間で有意差 を認めた(Fig. 1)。急性型 20例と間歇型 3例のFA値 を比較したところ,0.38をカットオフ値とした時,間歇 型を鑑別できる精度は感度 100%,特異度 65%であっ た(Fig. 2)。MBP値が 41pg/ml以上を示した11症例 において, MBPとFA値は正の相関を示した(Fig. 3)。 Fig. 2 C omparison of FA values between patient groups with acute symptoms alone and“ delayed neuropsychiatric sequelae”. When established a cut off of 0.38, the sensitivity and specificity for distinguishing patients with“ delayed neuropsychiatric sequelae”were 100% and 65%,respectively. Fig. 3 A linear correlation between FA values and MBP in patients with MBP concentration in the cerebrospinal fluid ≥41 pg/ml. 【結論】 DTIによるFA値は,大脳白質神経線維のダメ ージが強いほど低値となる。CO中毒による大脳白質 障害の評価は,慢性期において有用であることが示さ れている 4)。今回の検討では,遷延型,間歇型症例 のFA値は急性型に比較して有意に低値であった。こ の結果は,DTIが亜急性期においても大脳白質神経線 維の脱髄変化を鋭敏に評価し得えることを示し,さら に,間歇型中毒の発症予測を可能にすることを示唆し た。これらの可能性は,DTIを用いて亜急性期におけ るHBO2適応患者の選別やHBO2の有用性を客観的 かつ定量的に検証しうる可能性につながると考える。 【文献】 1 )Ide T, Kamijo Y:Myelin basic protein in cerebrospinal fluid:a predictive marker of delayed encephalopathy from carbon monoxide poisoning. Am J Emerg Med 2008:26:908-912. 2 )Kamijo Y, Soma K, Ide T:Recurrent myelin basic protein elevation in cerebrospinal fluid as a predictive marker of delayed encephalopathy after carbon monoxide poisoning. Am J Emerg Med 2007:25:483-485. 3 )Beppu T, Nishimoto H, Ishigaki D, et al. Assessment of damage to cerebral white matter fiber in the subacute phase after carbon monoxide poisoning using fractional anisotropy in diffusion tensor imaging. Neuroradiology 2010; 52:735-43. 4 )Terajima K, Igarashi H, Hirose M, et al. Serial assessments of delayed encephalopathy after carbon monoxide poisoning using magnetic resonance spectroscopy and diffusion tensor imaging on 3.0T system. Eur Neurol 2008; 59:55-61. 第 45 回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会 プロシーディング 一般演題 5-3 一酸化炭素中毒によるラット海馬における myelin basic proteinの一過性の変化 渡辺 智1, 2) 松尾洋孝3) 小林 靖4) 佐藤泰司5) 青木 久6) 藤田真敬2) 中山昌喜3) 四ノ宮成祥3) 鈴木信哉2) 1) 新潟大学医学部 第一内科 2) 防衛医科大学校 防衛医学研究センター 異常環境衛生研究部門 3) 防衛医科大学校 分子生体制御学講座 4) 防衛医科大学校 解剖学講座 5) 防衛医科大学校 麻酔学講座 6) 自衛隊中央病院 薬剤課 一酸化炭素(CO)は,赤血球のヘモグロビンと結合し, 組織低酸素症を引き起こす 1, 2)。ヒトにおけるCOとヘモグ ロビンの結合力は,酸素の200-250倍である 3)。急性CO中 毒の続発症である遅発性神経障害は10-30%の割合で発症 し 4, 5),急性CO中毒症状が改善しても数日から4週間後より 記銘力や学習障害,認知障害,抑うつ障害といった症状を 呈するようになる 6, 7)。CO中毒の主たる原因は組織低酸素 症であるが,それ以外にCOが細胞レベルで直接的に障害 を引き起こしている可能性が指摘されている1)。ラットに対 するCO曝露で,脳内のmyelin basic protein(MBP)が炎 症性細胞の浸潤などを伴って変化を起こし,これが遅発性 神経障害の一因となっていると推測されている 8)。しかし, MBP発現の変化を生じる部位までは報告されていない。本 研究は,CO曝露によるMBPの発現を含む組織学的変化と 行動学的変化について検討した。 Wistarラット(雄性,200-250g) を小動物用高気圧酸素治 療装置にてCO曝露した。曝露条件はThomらの方法 8)を参 考に,1,000ppm 40分および 3,000ppm 20分の合計 60分とし た。CO曝露後, 90分, 1, 7および14日後に動物を灌流固定し, 脳組織のパラフィン切片を作成して,HE染色,Nissl染色, Gallyas染色 (灰白質の有髄線維を評価する染色法 9)) を行っ た。また,免疫組織化学染色法によりMBP,リン酸化ニュ ーロフィラメントおよび非リン酸化ニューロフィラメントの評価 を実施した。さらに,CO曝露 1及び 14日後の海馬をホモジネ ートし,MBPのWestern blotも行った。行動解析は,Morris 水迷路試験にて実施した。プールを4つの区画に分割し,ひ とつをゴール区画とした。CO曝露 11-13日目にゴール区画を 記憶させるacquisition testを実施し,CO曝露 14日目にその記 憶を確認するprobe testを行い,両群のゴール区画滞在時間 を比較した。 HE染色で炎症細胞の浸潤を認めず,Nissl染色で神経細 胞自体の変化を認めなかった。Gallyas染色では,脱髄の 所見を認めなかった。これとは対照的に,MBPの免疫組織 化学染色ではCO曝露 90分後に海馬の歯状回とCA3領域で の染色性低下を認め,14日後には回復していた(図A, B)。 また,ニューロフィラメントのリン酸化がCO曝露 90分後から 生じ,それに伴い非リン酸化ニューロフィラメントが一時的 に減少した。免疫組織化学染色の所見と同様に,Western blotでもCO曝露 1日後にMBPの量は減少し,14日後には回 復していた(図C)。行動解析の結果はprobe testで両群の ゴール区画滞在時間に有意差はなく,今回の曝露条件では 有意な行動異常を検出できなかった。 今回,我々はCO曝露による海馬のMBP発現の一時的変 化とその局在を示し,Western blotでもMBPの一時的減少を 示した。これらに脱髄の所見は認めなかったが,ニューロフ ィラメントの変化を伴っていた 10)。今回のCO曝露条件は, 脱髄までに至らない軽度の軸索障害とMBPの変化をきたし, そのまま修復過程に移行する程度のものであった。そのた め,行動学的異常をきたさなかったものと考えられる。海馬 は,記銘力や学習能力に関与する部位であるため,海馬に おけるMBP発現の一過性変化をきたした今回の所見は,CO 曝露による神経障害と関連する可能性を示すものである。 引用文献 1 )Ernst A, Zibrak JD:Carbon monoxide poisoning. N Engl J Med 1998; 339:1603-1608. 2 )Raub JA, Mathieu-Nolf M, Hampson NB, et al. Carbon monoxide poisoning-a public health perspective. Toxicology 2000; 145:1-14. 3 )Rodkey FL, O'Neal JD, Collison HA, et al. Relative affinity of hemoglobin S and hemoglobin A for carbon monoxide and oxygen. Uddin, Clin Chem 1974; 20:83-84. 4 )Hart IK, Kennedy PGE, Adams JH, et al. Neurological manifestation of carbon monoxide poisoning. Postgrad Med J 1998; 64:213-216. 5 )Weaver LK, Hopkins RO, Chan KJ, et al. Hyperbaric oxygen for acute carbon monoxide poisoning. N Engl J Med 2002; 347:1057-1067. 6 )Scheinkestel CD, Bailey M, Myles PS, et al. Hyperbaric or normobaric oxygen for acute carbon monoxide poisoning:a randomized controlled clinical trial. Med J Aust 1999; 170:203-210. 7 )Thom SR, Bhopale VM, Han ST, et al. Intravascular neutrophil activation due to carbon monoxide poisoning. Am J Respir Crit Care Med Clark 2006; 174:1239-1248. 8 )T hom SR, Bhopale VM, Fisher D, et al. Delayed neuropathology after carbon monoxide poisoning is immunemediated. Proc Natl Acad Sci 2004; 101:13660-13665. 9 )G allyas F. Silver staining of myelin by means of physical development. Neurol Res 1979; 1:203-209. 10 )Watanabe S, Matsuo H, Kobayashi Y, et al. Transient degradation of myelin basic protein in the rat hippocampus following acute carbon monoxide poisoning. Neurosci Res 2010; 68:232-240. 図B 脳海馬の弱拡大像 (HE染色) 四角は,MBPが一時的に変化し た図 Aの歯状回および CA3 領域 の部分を示している。 図 A 抗 MBP 抗体免疫組織化学 染色所見 (引用文献10より改変) CO 曝露 90 分後には海馬のうち 図 C Western blotによるMBPの 歯状回および CA3 領域の染色 所見(引用文献10より引用) 性が低下していた。この変化は, CO 曝露によりMBPの発現が著 7日後まで続き,14日後には回 明に低下し,14日後には回復傾 向にあった。 復した。 209 日本高気圧環境・潜水医学会雑誌 一般演題 5-4 ラット出血性ショックモデルに対するデキサ メタゾン投与と高気圧酸素療法による治療 効果の検討 Vol.45( 4 ), Dec, 2010 する。HBO+Dex群は 141.0,136.4,137.4の変化で ありHBO後に2群間に有意差が見られる。K+は,両 群とも増加となり,終了時にHBO群 8.26± 0.75mM, HBO+Dex群 7.12±1.61mMと著しい増加であった。 Ca2+は 2群間に有意な差は見られず,脱血前値に対 砂川昌秀1) 井上 治1) 上江洲安之2) し終了時に両群とも有意な低下となる。HBO群の 1) 琉球大学医学部附属病院 高気圧治療部 NO2-は,3時間目より著しく増加し,6時間後に最大値 2) 琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部 0.56± 0.23μモル/mlであるが,HBO+Dex群は増加 が僅かで最大値 0.11± 0.06μモル/mlである。NO3 - 【目的】 出血性ショック時に過剰生成されるnitric oxide は,7時間後においてHBO群に減少傾向はなく,最 (NO) 抑制と抗炎症活性による各臓器保護目的にデキ 大値 25.4±4.4μモル/mlとなりNO2-の約 40倍以上で サメタゾン(Dex)を投与し,高気圧酸素療法(HBO) あった。HBO+Dex群は,NO2-同様に増加が僅かで との相乗効果を血中NO2-,NO3 -および平均動脈 圧 5時間から7時間は 4.7μモル/ml前後であった。HBO (MAP)を指標とした生存時間にて比較検討した。 +Dex群におけるMAP変化は,HBO後から4時間に至 【方法】Wistar系ラット雄(250-300g)を対象とし2群 りHBO群より低めであったが,3時間後より回復が見 (HBO群,HBO+Dex群)に分けた。出血性ショックラ られ,その後MAPは終了時まで安定する。HBO群 ットの作成およびHBOは以前と同じ手技に施行した。 は,4時間の採血後より有意な血圧低下傾向である。 出血性ショック後の代用血漿剤投与時に,HBO+Dex HBO+Dex群の生存数は 5匹中 4匹,HBO群は 6匹中 - 群は 3mg/kgのDexを同時に投与した。採血はNO2 , - NO3 とヘマトクリットは脱血前後,HBO後,その後は 【結語】DexはNO2-/NO3 -産生を抑制し,HBO+Dex群 1時間毎とし,電解質と血液ガス等は脱血前,HBO の治療効果により有効性が伺えられる。しかし,両 後,7時間またはMAPが 40mmHg以下にて採血し終 群には未だ高カリウム血症が見られる為,更なる治療 了時とした。 効果を今後も模索,検討していきたい。 - 【結果】2群ともHCO3 ,ABEは,脱血前と比較しHBO 【参考文献】 後,終了時と低下するが,HBO+Dex群は低下が僅 Thiemermann C, et al:Proc Natl Acad Sci USA 90: かで,終了時には 2群間に有意 差が見られた。pH 267,1993 はHBO群が脱血前 7.47から終了時 7.27と低下しアシ ドーシスへの移行が見られ,HBO+Dex群は脱血前 7.45,終了時 7.49であった。Na+は,HBO群 140.4か ら130.8と減少し,HBO後から139.4mM と著しく回復 図 1 MAP の推移 210 2匹であった。