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放射線科 1.2014 年度の目標および方針 今回の目標は 4 点である
放射線科 1.2014 年度の目標および方針 今回の目標は 4 点である。 計画① 東芝 3T MRI 装置の共同研究の継続。 昨年度 1 年間の経過観察では東芝サイドの研究推進への努力が希薄であったが、2014 年 5 月には基幹ソフ トの向上が見られ、共同研究の再開することにした。 計画② 消費税対策として、 ここ 3 年ほど見直しがされなかった造影剤の購入価格見直しを購買部と共同で推進し、 増税分をメーカーサイドに協力してもらうよう努力し、2014 年秋までに締結する予定である。 計画③ 放射線治療部門に治療専門医正木先生が着任し、陽子線治療準備を開始する。 勉強会やカンファレンスなど積極的に参加し、陽子線治療の必要性の啓蒙に努める。 また、今後 3 年間継続して陽子線治療開始までに組織の立ち上げを行う。 計画④ 亀田総合病院では豊富な症例が集積しつつある。今までの放射線技術向上を目的とした学会発表だけでな く、画像診断に軸足を置いた学会発表や学術論文を日本語だけでなく、英文の外国雑誌や海外での発表を 推進する。 2.2013 年度 評価 4 つの推進計画をたて、それぞれの目標と最終実績は以下のようであった。 ①当院の東芝製 3T MRI 装置が今年中に日常検査に資することができるよう、東芝との共同研究を推し進め る。これは国への直接的社会貢献の一環と考えられる。 [最終実績] 導入当時、東芝の 3T MRI 装置はシーメンスに比べて 3-4 年の開発の遅れが認められ、導入時より共同研 究を進め、月に 1 回の定例会を開催した。 しかし、東芝の研究陣の人員増加がなく、研究のスピードも遅かった。最大の問題点である①DWI の画像不 良による腫瘍診断ができないこと、②SAR 制限による検査時間の延長、③撮像法の可変性がなく、有効な検 査時間の組み立てないことができないなどの基本的解決がなされないまま、1 年が経過したため、東芝陣営 のやる気のなさから定例会を中止した。2014 年 6 月にこの問題点が解消されるような努力が認められたた め、今後再度共同研究を再開する事にした。 ②放射線治療の臨床における需要が増大している環境を鑑みて、放射線治療医師の確保に努力する。若い 医師の採用が難しければ退官教授へのアプローチも行う。 [最終実績] 経営陣による陽子線治療の併設計画に伴う人事が行われ、2014 年 6 月から放射線治療専門医の正木先生を 常勤顧問として採用することになった。 なお、には琉球大学から放射線治療を目指す羽柴君が 2016 年度初期研修医希望しており、採用して頂くよ うお願いしたい。 ③京橋クリニック、本院、安房地域医療センターとの放射線技師同士での協力関係の推進を図る。 [最終実績] 京橋クリニック立ち上げに際して、放射線技師の本院での採用と数ヶ月の事前トレーニングを行った。安 房地域医療センターへの応援も行い、こちらの放射線技師とは忘年会などでも一緒に参加を頂く関係にな っている。 ④放射線専門医制度の充実が図られている。日本医学放射線学会では放射線科研修医の指導するにあたっ て放射線研修指導医資格の取得を推進している。今後、放射線専門医修練施設認証にあたって必要条件に なると考えられます。本年度中に取得者を一人でも増やす。 [最終実績] 大内敏宏主任部長が日本放射線学会主催の放射線指導医研修会を受講し、2013 年より放射線研修医登録が されている。 また、PET 診断では健康保険適応の条件である核医学会の 4 回の講習会や学会参加、放射線専門医更新条件 での放射線学会参加の条件も満たすよう、各放射線科医師に徹底している。 3.放射線科の年間活動内容と紹介 [放射線専門医修練施設]亀田総合病院およびクリニックの放射線科は、画像診断、治療、核医学の 3 つ の部門で、日本医学放射線学会から専門医修練施設として認定されている。これには最低 3 人の放射線診 断専門医、別に放射線治療医師も一人在籍することが条件となっている。当院では現在、画像診断専門医 4 名、放射線治療専門医 1 名所属し、後進の指導に当たっている。この中には、日本核医学会専門医1名、 放射線腫瘍学会認定医 1 名、日本核医学学会 PET 読影認定医 2 名が含まれている。なお、放射線科以外に 所属する放線専門医が 2 名いる。放射線治療には医療物理士が 1 名所属している。 [X 線装置] 当院は医療の先端を行くために、画像診断機器の更新に留意し、現在、クリニックと病院を 併せて、シーメンス社製 1.5T MRI 3 台、東芝製 3T MRI 1 台、PET-CT 2 台とサイクロトロン1台、64 チャンネル CT4 台、腹部血管撮影装置 1 台、中枢神経系 IVR 用血管撮影装置(ダブル C アーム)1 台、心 臓血管撮影装置 2 台(シーメンスと東芝)があり、その他に X 線テレビ、多目的 X 線撮影装置、単純写用 の装置、ポータブル撮影装置も装備されている。これらの撮影に携わる放射線技師 45 名、看護師 10 名、 受付 9 名が画像診断センターに所属している。 放射線治療部門では、IMRT施行可能なリニアック2台、治療計画用CT 1台、治療計画装置 2台、高線量率小 線源治療機 1台が設置されている。 [読影システム]CT、MRI、PET などの読影は各専門医が領域を分けてそれぞれ読影している。院内は電子 カルテ化され、どこでも読影できる。現在、画像のほとんどはこの電子カルテのサーバー内に収納され、 比較画像も過去画像を自由に検索できる。通常は電子カルテ用のモニター1 台に 3 台の画像モニターが1セ ットで読影にあたっている。読影に関して後期研修医は一次読影権があり、これを二次読影権がある専門 医がチェックすると電子カルテに表示されるシステムになっている。 常勤医だけでは読影が十分でないことから、亀田メディカルセンターと直接契約を結んだ専門医 6 名ほ どがクリニックや病院と同じ条件で読影できるシステムを各自の自宅に置き、読影して頂いている。読影 は基本的に CT、MRI、PET および核医学画像で、これら全部の読影率はクリニックと病院あわせた全体で 2012 年度が 65%であり、2013 年度は 57%(検査総数 69,320 件、読影件数 39,607 件)と低下している。PET と 核医学はほぼ 100%読影している。読影率の改善が今後の課題である。 2013.4.1~2014.3.31 までの病院(HP)およびクリニック(CL)の CT、 MRI、 RI 検査の検査件数と読影件数は 下記の表の通りである。2012 年度も比較のために記載しておく。なお、2012 年度の読影率葉 2012.3 から 2013.4 までの期間を対象としており、読影枚数の比較はできない。 表1 表2 [放射線治療部門] 各年度の実績は以下の通りである。 1.2001年度(常勤放射線治療専門医が入職したとき)からの患者数の推移 表3 2.スタッフ 医師1人(放射線治療専門医1人)、看護師1人、医学物理士1人、診療放射線技師6人(放射線治療認定技師1 人)、事務職員(放射線治療担当)1人 3.設備 リニアック2台、治療計画用CT1台、治療計画装置3台、高線量率小線源治療機1台 4.補足と分析 2013 年度新患数はやや減少した。原因は不明である。治療計画数は増加しており照射途中でのプラン変更 や再照射が増えていると考えられ、患者ひとりあたりに投入する資源は増えている。IMRT は件数は増減な い。VMAT(回転照射 IMRT)が導入され照射にかかる時間は短くなったため今後の件数増加にも対応できる。 RALS も患者数に波はあるが大きな増減はない。コバルト線源が 5 年経過し来年度に交換が必要となる。来 年度は医師が 1 名増員になるので照射件数を増やしていきたい。 [管撮影・IVR など] 画像診断センター内で行われた血管造影・血管内治療件数は下記の表の通りである。昨年度と比較した。 脳血管撮影は脳神経外科が行っており、下記の表には含まれていない。CT ガイド下生検、腹部脳血管撮影、 肝細胞癌塞栓術、透析患者さまのシャント狭窄部位の拡張術、感染症内科依頼の PICC などを放射線科で 行っている。 表4 表5 [教育、学術関係] 【教育関係】 [放射線科主催のカンファレンス] は以下の通りである。 毎週金曜 16:00 肝カンファレンス 毎週金曜 17:30 神経内科カンファレンス 毎月第 3 木曜 17:30 小児科カンファレンス 毎月最終木曜 17:30 救急部カンファレンス 毎月第 1、3 水曜 8:00 脳外科カンファレンス [参加カンファレンス] ・院内 モータリティカンファレンス 消化器・病理 CPC 胸部カンファレンス 乳腺カンファレンス ・院外(学会は除く)] 画像診断の基礎と臨床 学術講演会(年 2 回、亀田総合病院 13 階、代表世話人 大内敏宏) 関東 MR 画像研究会(年 11 回、東京、名誉顧問 大内敏宏) 千葉神経画像懇話会(年 3 回、千葉市、代表世話人 大内敏宏) 関東 NR 画像研究会(月1回平均 年 11 回) 千葉県画像カンファレンス(年 4 回 代表世話人 大内敏宏) 千葉県消化器病研究会(年 3 回) 千葉県MR研究会(年 1 回 代表世話人 大内敏宏) Radiology forum (年 1 回放射線学会年次総会に合わせて開催、代表世話人 大内敏宏) [画像センターパラメディカル勉強会] 画像センターでは毎月 1-2 回の勉強会がパラメディカル・スタッフを対象に開催されており、日 1 月 1 回講義を放射線科医師が担当した。 4.学術関係 腎原発 Ewing 肉腫の 1 例 Author:大内 恵理(亀田メディカルセンター 放射線科), 河村 泰孝, 十川 圭司, 宇山 直人, 山崎 郁郎, 大内 敏宏, 船田 哲, 太田 智則, 中村 能章, 大山 優, 星 和栄 Source:Japanese Journal of Radiology(1867-1071)31 巻 Suppl.I Page26(2013.02) 【Frontiers in CT Colonography】(Part 2) Clinical Report 最新の CTC テクノロジー 大腸 3D-CT の 多施設共同臨床試験の検証から任意型検診への応用 AZE ワークステーション大腸解析ソフトの有用性 Author:永田 浩一(亀田総合病院 放射線科), 藤原 正則, 馬嶋 健一郎, 田島 太一, 齋田 愛, 金崎 有祐, 山崎 郁郎, 大内 敏宏 Source:Rad Fan(1348-3498)11 巻 8 号 Page55-59(2013.06) 【治療に直結する大腸腫瘍診断のストラテジー】 スクリーニングとしての大腸 3D-CT(仮想内視鏡) Pitfall と今後の展望 Author:永田 浩一(亀田総合病院 放射線科), 木島 茂喜, 加藤 貴司, 平山 眞章 Source:消化器内視鏡(0915-3217)25 巻 8 号 Page1087-1096(2013.08) REVIEW & PREVIEW 大腸 3D-CT(仮想大腸内視鏡) 大腸がんとガラパゴスシンドローム Author:永田 浩一(亀田総合病院), 松本 啓志, 野崎 良一 Source:Medicina(0025-7699)50 巻 9 号 Page1683-1686(2013.09) シャントは動静脈奇形の本態ではない。静脈狭窄が動静脈奇形の原因である Author:菊池 陽一(亀田総合病院 放射線科), 倉本 憲明 Source:JNET: Journal of Neuroendovascular Therapy(1882-4072)7 巻 6 号 Page244(2013.11) 2013.5.16-5.18 第 42 回日本 IVR 学会総会(軽井沢) ・Detachable metallic coils を併用した B-RTO により治療しえた下腸間膜静脈-大循環短絡による肝性脳 症の 1 例 亀田総合病院 同 放射線科 山崎 郁郎, 十川 圭司, 大内 恵理, 菊池 陽一, 大内 敏宏 総合診療科 藤本 剛志, 桂田 雅大, 八重樫 牧人 東海大学医学部付属八王子病院 放射線科 長谷部 光泉 2013.9.21-9.22 第 17 回日本アクセス研究会学術集会・総会(川越) ・内シャント PTA 直後の血栓形成に対するウロキナーゼおよびヘパリン持続動注療法の有用性 亀田総合病院 腎臓高血圧内科 下村浩祐, 望月 隆弘 同 放射線科 山崎 郁郎, 大内 敏宏 2013.10.12-10.14 第 49 回日本医学放射線学会秋季臨床大会(名古屋) ・膵頭部から肝十二指腸間膜内に発生した Chronic expanding hematoma の一例 亀田総合病院 同 救命救急科 今本 俊郎, 伊藤 憲佐, 葛西 猛 放射線科 山崎 郁郎, 金崎 有祐, 菊池 陽一, 大内 敏宏 同 神経内科 梶 誠兒 同 臨床病理科 乳井 美樹 2014.3.6-3.10 European Congress of Radiology (ECR) 2014 (Viana) 学会発表 庄司一寅他「肺癌に対する SBRT、50Gy/5fr 連日法と 60Gy/6fr 週1回法の比較」日本放射線腫 瘍学会第 26 回学術大会 2013 年 10 月 18 日[金]~10 月 20 日[日] 青森 文責:大内 敏宏 2013年度読影率 2013年度 総件数 CL-CT CL-MR CL-RI PET 計 20,263 14,460 645 3,060 38,428 HP-CT HP-MR HP-RI PET 計 23,992 5,220 971 709 30,892 読影数 読影率 ①常勤 ②非常勤 ③乳腺 ① ①+② ①+②+③ 4,689 9,300 183 23.14% 69.04% 69.94% 5,514 1,489 1,679 38.13% 48.43% 60.04% 641 0 0 99.38% / / 3,060 0 0 100% / / 13,904 10,789 1,862 36.19% 64.26% 69.11% 6,801 2,633 599 709 10,742 2,121 94 0 0 2,215 21 74 0 0 95 28.35% 50.44% 61.69% 100% 34.78% 37.19% 52.24% / / 41.95% 37.27% 53.66% / / 42.25% 2012年度読影率 2012年度 総件数 CL-CT CL-MR CL-RI PET 計 18,696 14,447 302 3,031 36,476 HP-CT HP-MR HP-RI PET 計 23,113 5,097 1,162 927 30,299 読影数 読影率 ①常勤 ②非常勤 ③乳腺常勤 ① ①+② ①+②+③ 4,717 9,225 257 25.23% 74.57% 75.98% 5,573 2,179 1,943 38.58% 53.66% 67.11% 301 0 0 99.67% 99.67% 99.67% 3,030 0 0 99.97% 99.97% 99.97% 13,621 11,404 2,200 37.35% 68.41% 74.64% 7,911 2,862 786 927 12,486 3,440 109 0 0 3,549 23 68 0 0 91 34.23% 56.15% 67.64% 100% 41.21% 49.11% 58.29% 67.64% 100% 52.93% 49.21% 59.62% 67.64% 100% 53.23% 年度 新規登録患者数 治療計画数 脳定位照射患者数 体幹部定位照射患者数 IMRT患者数 全身照射患者数 RALS患者数 前立腺小線源患者数 2001 186 251 0 1 2002 264 365 10 10 2003 274 348 2 9 2004 340 534 3 12 2005 389 624 4 7 2006 482 702 0 8 2007 427 684 0 8 2008 451 712 0 10 2009 465 721 0 17 1 N/A N/A 7 N/A N/A 8 9 N/A 8 14 N/A 13 9 1 27 15 4 20 8 1 14 13 1 17 12 2 2010 542 786 N/A 17 25 14 10 0 2011 546 786 N/A 9 88 24 8 0 2012 545 853 N/A 25 63 17 18 N/A 2013 505 872 N/A 15 64 16 13 N/A 2013年度 期間 2013/04/01~2014/03/31 CT ガイド下 174 カテ留置 腹部AG 39 塞栓術 102 ※CTガイド下生検=CTガイド下生検+ドレナージCT+マーキングCT+凍結療法CT ※カテ留置=PICC+腹部動注 ※腹部AG=塞栓術+シャントPTA+その他のAG シャント PTA 47 175 2012年度 期間 2012/04/01~2013/03/31 CT ガイド下 103 カテ留置 腹部AG 56 ※CTガイド下生検=CTガイド下生検+ドレナージCT+マーキングCT ※カテ留置=PICC+腹部動注 ※腹部AG=PICC+塞栓術+シャントPTA+その他のAG 320 塞栓術 シャント PTA 61 161