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3 本の接線が引ける点の存在範囲
3 本 の接 線が 引ける 点の 存在 範囲 有名 問題 3 本の接線が引くことの できる点の存在範囲 p.1 類題:チャート式 数学Ⅱ p.312 32 3 次関数 y = x3-x のグラフに 3 本の接線が引くことのできる点 P の存在範 囲を図示せよ。 《解答》 y'= 3x2-1 3 次関数 y = x3-x のグラフ上の点 (t,t3-t)における接線の方程式は y =(3t2-1)(x-t)+t3-t =(3t2-1)x-2t3 この接線が P(a,b)を通るとして、b =(3t2-1)a-2t3 + y=f(x) 2t3-3at2+(a+b)= 0 … ① β 3 次関数のグラフにおいては α x (接線の本数)=(接点の個数) であるので - ①が異なる 3 つの実数解をもつ条件を求めればよい。 (α,β)=(a,0) または (0,a) f(t)= 2t3-3at2+(a+b) とおく。 f'(t)= 6t3-6at = 6t(t-a) 求める条件は、a≠0 かつ f(0)f(a)< 0 ⇔ a≠0 かつ (a+b)(b-a3+a)< 0 y 以上より、求める点 P の存在範囲を表す不等式は (y+x)(y-x3+x)< 0 求める点 P の存在範囲は、右図の斜線部の領域で 境界を含まない。 《別法》 (途中から) [1] a<0 のとき f(a)>0 かつ f(0)<0 ⇔ -a3-a+b > 0 かつ a+b < 0 ⇔ a3-a < b < -a すなわち、x<0 のとき、x3-x < y < -x [2] 0<a のとき f(0)>0 かつ f(a)<0 ⇔ a+b > 0 かつ -a3-a+b < 0 ⇔ -a < b < a3-a すなわち、x>0 のとき、-x< y < x3-x O y = x3-x [1] + [2] - + - x y=f(x) a 0 y = -x y=f(x) 0 a x x 《解説》 3 次関数のグラフにおいては、接線と接点は 1 対 1 に対応するので、接線の本数は 接点の個数と一致する。その接点の個数は、3 次方程式①の実数解の個数になる。 3 本 の接 線が 引ける 点の 存在 範囲 p.2 また、求める領域の境界は、元の 3 次関数 y = x3-x のグラフと、 x=0 のとき y'= -1 より、元の 3 次関数 y = x3-x のグラフの原点(変曲点)におけ る接線 y = -x が境界になっている。別の言い方をすると、2 つの式の連立方程式を 解いて、x3=0 ∴ x=0 (3 重解) よって、2 つのグラフは原点で接している。 3 次方程式①が異なる 3 つの実数解をもつ条件は 「(極大値)> 0 かつ (極小値)< 0」 である。(本文の図 参照) すなわち、x=αで極大、x=βで極小とすると 「f(α)>0 かつ f(β)<0」 ⇔ f(α)f(β)<0 である。 《解答》 では、f(α)f(β)<0 を用いた。x=0,a のどちらで極大、極小をとるか分か らないときは場合分けしないで済む。 《別法》 のように、x=0,a のどちらで極大、極小をとるかをはっきりさせる場合分け をした。この場合、3 本の接線が引くことのできる点 P の存在範囲を図示しやすいと いう利点もある。 3 次関数に引ける接線の本数については、下記の 【参考】 を参照しよう。 【参考】 3 次関数に引ける接線の本数 一般に、3 次関数は、y = ax3+kx (a≠0 ) … ① の形をしていると仮定してよい。 このとき、点 P(p,q)から①に引いた接線の本数を考える。 接点を Q(t,at3+kt)とおくと、接線の方程式は ( y'= 3ax2+k ) y = (3at2+k)(x-t)+at3+kt =(3at2+k)x-2at3 これが点 P を通るので、q =(3at2+k)p-2at3 2at3-3apt2+q-kp = 0 3 2 f(t)= 2at -3apt +q-kp とおいて、f(t)= 0 の実数解の個数を考えると (実数解の個数)=(接点の個数)=(接線の本数) である。 f'(t)= 6at2-6apt = 6at(t-p) で、f'(t)=0 より、t=0,p [1] p≠0 のとき、f(0),f(p)は極値であり ① f(0)と f(p)が異符号、f(0)f(p)< 0 すなわち (q-kp)(q-ap3-kp)< 0 のとき 3 q < kp,q > ap -kp または q > kp,q < ap3-kp f(t)= 0 の実数解の個数は 3 個で 接線の本数は 3 本 ② f(0)または f(p)が 0、f(0)f(p)= 0 すなわち (q-kp)(q-ap3-kp)= 0 のとき ( q = kp または q = ap3-kp ) f(t)= 0 の実数解の個数は 2 個で 接線の本数は 2 本 a>0 の場合 a<0 の場合 f (t ) + f(t) + α β - β α t - a>0 の場合 + f(t) α α β t β f(t) - a<0 の場合 f(t) + α α t t α=0,β=p または α=p,β=0 β t β t - f(t) α=0,β=p または α=p,β=0 3 本 の接 線が 引ける 点の 存在 範囲 ③ f(0)と f(p)が同符号、f(0)f(p)> 0 すなわち (q-kp)(q-ap3-kp)> 0 のとき p.3 a>0 の場合 a<0 の場合 + f(t) q < kp,q < ap3-kp または q > kp,q > ap3-kp α α f(t)= 0 の実数解の個数は 1 個で 接線の本数は 1 本 f(t) + + + β t α β - β t β α t - f(t) - α=0,β=p または α=p,β=0 t - f(t) [2] p=0 のとき、f'(t)= 6at2 で a>0 のとき f(t)は単調増加 a<0 のとき f(t)は単調減少 いずれにしても、f(t)= 0 の実数解の個数は 1 個で、接線の本数は 1 本 q = ap3+kp … ② は、曲線①と同じ 3 次関数、 q = kp … ③ は、曲線②の原点 (変曲点)における接線であるので [1],[2]より、接線の引ける本数で、平面を領域に分けると次のような図になる。 a>0 の場合 ③ 1本 3本 a>0 の場合 3本 ③ O 1本 ② 3本 a<0 の場合 ② 1本 3本 O 3本 3本 1本 O 1本 3本 1本 1本 a<0 の場合 ② 1本 3本 1本 3本 ② a<0 の場合 ② 3本 1本 ③ O 1本 O ③ ② ③ a>0 の場合 O 3本 ③ 境界線上は 2 本、変曲点では 1 本 1本 3本