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音刺激を用いた感情投影表情描画法による 心理アセスメントツールの
人 間 看 護 学 研 究 12:33-42(2014) 33 研 究 ノー ト 音 刺 激 を用 いた感 情 投 影 表 情 描 画 法 に よ る 心 理 ア セ ス メ ン トツ ー ル の有 用 性 の検 討 七 山(田 中)知 佳1),比 嘉 勇 人2),松 本 行 弘3) 1)摂南 大 学 看 護 学 部 2)富山 大 学 大 学 院 医 学 薬 学 研 究 部 3)滋賀 県 立 大 学 人 間 看 護 学 部 本 研 究 の 目的 は、 我 々 が 作 成 した 【FACED】assessment て 検 討 す る こ とで あ る。 実 験 協 力 者 と して8名 ず っ3群 tool(2012)の 有 用 性 を、 音 刺 激 を 用 い に別 けた 大 学 生24名 と、 評 価 者 ・回 答 者 と して 大 学 院 生 ら12名 を 対 象 者 と した 。 実 験 協 力 者 に対 し各 群1分 間 の 「安 静 」 後 、 群 別 に異 な る順 で 「鎮 静 音 」 「活 性 音 」 「無 音 」 の 環 境 を 各3分 間 保 持 す る よ う指 示 し、 各 環 境 下 前 後 に 「気 分 プ ロ フ ィ ール 』 『二 次 元 気 分 尺 度 』 「表 情 描 画 シ ー ト(本 法)」 を 実 施 した 。 ま た 、 『表 情 描 画 シ ー ト」 と既 存 尺 度 で 最 小 質 問 項 目数 で あ る 「二 次 元 気 分 尺 度 」 にっ いて 、 評 価 者 に対 し回 答 済 質 問 紙10名 分 中 正 し く評 価 で きた 数 を 、 評 価 者 と回 答 者 に 対 し評 価 ・回 答 所 要 時 間 を 調 査 した。 そ の 結 果 、 本 法 の信 頼 性 は 整 合 性(操 作 的 環 境 下 で の反 応 率:8.3∼25.0%)、 連 関 性:φ=0.60,p<0.10)、 同 等 性(評 定 者 間 の 正 答 一 致 率:73.8%)で 性(類 似概 念 との指 標一 致 率:70.8∼75.0%)と 類 似 性(再 検査 による 確 認 され た。 妥 当性 は同 質 効 率 性(情 報 量/所 要 全 時 間:90.2%)で 確 認 され た。 回 答 お よ び評 価 の 全 所 要 時 間 は2.2分 で 、 短 時 間 で の 実 施 が 可 能 とな った 。 以 上 よ り、 本 法 は実 施 にお け る評 価 ・解 釈 の 客 観 性 お よ び簡 便 性 を 備 え 有 用 性 が 高 い と示 唆 され た。 キ ー ワ ー ド 感 情 、 表 情 、 描 画 、 ア セ ス メ ン ト ッ ー ル 、 音 刺 激 1.緒 言 て い る2)。文 部 科 学 省 にお い て もい じめ 対 策 を講 じて い 厚 生 労 働 省 で は うっ 病 性 障害 等 の気 分 障 害 が 自殺 の要 る が、 校 内暴 力 の 発 生 数 は2006年 に急 増 して以 来 高 い数 因 と して 特 に重 要 で あ る と しメ ン タル ヘ ル ス対 策 の充 実 値 で あ り、 い じめ 発 生 数 も近 年 増 加 傾 向3)で あ る。 こ を め ざ して い るが 、 うっ 病 罹 患 者 数 は1993年 以 降 増 加 傾 向 で1)、 自殺 数 は2012年 に は15年 ぶ り に3万 人 を 下 回 っ れ ら は さ らな る対 策 の 余 地 が あ る。 うっ や 自殺 、 非 行 、 い じめ等 は、 個 体 条 件 内 ま た は環 境 場 面 の ど こか で う ま た もの の 、1998年 に3万 人 を超 え て以 降 高 水 準 で 推 移 し くい か な い 状 態9)で あ り、 様 々 な体 験 や 環 境 等 へ の 適 応 問題 を適 切 に 扱 う こ と に失 敗 す る こ とで、 一 般 的 に困 Study of utility using facial of a psychological expression drawing Chika Nanayama(Tanaka) "Setsunan University 'Graduate School 連 絡 先:七 , Faculty of Medicine 受 付 、2013年1月9日 山(田 中)知 by sound 受理 佳 摂南大学看護学部 住 所:大 阪 府 枚 方 市 長 尾 峠 町45番1号 e-mail : c-nanaya@nrs. setsunan. ac. jp 難 や ス ト レス の徴 候 で あ る5)、 と示 され て い る不 適 応 の 一 っ と考 え られ る 。 Yukihiro Matsumoto of Nursing Pharmaceutical , School tool stimulus 1), Hayato Riga'', h, University of Toyama 'University of Shiga Prefecture 2012年9月30日 assessment Science of Human for Nursing Researc あ る 自治 体 にお いて 、高 齢者 を対 象 に うつ状 態 ス ク リー ニ ング お よ び うっ 病 の 早 期 発 見 ・早 期 対 応 に関 す る健 康 教 育 を 実 施 した結 果 、 自殺 率 が 有 意 に低 減 したs)こ と が 明 らか に な って い る。 ま た教 育 現 場 に お い て は、 保 健 室 とい う場 所 に お い て 養 護 教 諭 と関 わ る こ とで 気 持 ち の 安 定 を 図 り心 の 回 復 を促 す7)こ とが 多 く、 問 題 行 動 が 起 き た り長 期 化 した り しな い よ うに生 徒 の情 動 反 応 レベ ル で の状 態 の 変 化 を 敏 感 に と らえ、 早 急 に対 応 す る こ と が 極 め て 重 要 で あ る8)と 示 さ れ て い る。 っ ま り、 うっ や 自殺 、 非 行 、 い じめ 等 の 不 適 応 状 態 は、 気 持 ちや 心 の 七山 知佳 34 内面(感 情)を 把 握 す る こ とで予 防 で き、 同 時 に、 感 情 を把 握 す る ア セ ス メ ン トッ ー ル は 不適 応 状 態 の 予 防 対 策 大 学 院生 ・高 校 教 員21∼48歳 の計12名(女 性8名 、 男 性 4名)を 評 価 者 お よ び回 答 者 と した。 な お、 こ こで の 評 を よ り効 果 的 にす る もの と な る と考 え られ る。 価 者 と は回 答 済 質 問紙 を 特 別 の ス キ ル な く採 点 す る者 、 心 の 内 面 を 理 解 す る の に有 効 な言 葉 、 表 情 、 し ぐさ な ど の情 報 は、 質 問 紙 法 や投 影 法 な どの心 理 検 査 法 で 集 め 回 答 者 とは 質 問 紙 へ 回 答 す る者 を示 す。 る こ とが で き る。 質 問 紙 法 と して 、 日本 語 版POMS短 2.調 査 内容 縮 版9)や 複 数 の感 情 状 態 を 同 時 に 測 定 で き る 多 面 的 感 情 1)調 査1 状 態 尺 度 短 縮 版1°)な どが あ る。 質 問 紙 法 は実 施 と解 釈 が (1)感 情 変 化 を もた らす状 況 設 定 の選 定 容 易 で 客 観 的 だ が 検 査 意 図 が悟 られ や す い")点 が 短 所 で 日常 的 に 気 分 転 換 を図 る 目 的 で音 楽 を 用 い る こ と あ る。 投 影 法 と して は個 人 の 内面 を把 握 す るた め のバ ウ ム テ ス トや ロ ー ル シ ャ ッハ テ ス トな どが あ る。 投 影 法 で が あ るた め 、 本 研 究 に お い て音 刺 激 を用 い て 感 情 変 の表 現 は独 創 的 で 、 対 象 者 が 自 由 に 反 応 で き検 査 意 図 が の 回 を重 ね る ご と に実 施 前 よ り実 施 後 の快 感 情 や リ 悟 られ に くい た め適 用 範 囲 が広 い が、 結 果 の 処 理 や 解 釈 ラ ッ ク ス感 が 有 意 に増 加 し15)、音 楽 聴 取 前 後 で 快 の が難 し く主 観 的 に な りやす い、 結 果 分 析 の 信 頼 性 ・妥 当 性 の 検 討 が 難 しい11)点が 短 所 で あ る。 ま た、 一 般 的 な投 影 法 は感 情 に焦 点 を当 て た もの で は な い 。 表 情 描 画 を指 そ の逆 に な る16)ことが 明 らか にな って い る。 さ らに、 標 と した アセ ス メ ン トッ ー ル に は、 気 管 内 挿 管 中 の早 産 児 を 対 象 と した痛 み に関 す る フ ェ イ ス ス ケ ー ル'2)や医 療 き る17)項目が 挙 げ られ て お り、 音 楽 と表 情 変 化 の 関 現 場 に お け る患 者 満 足 感 度 評 価 の た め の2次 元 フ ェ イ ス ス ケ ール'3)など が あ る。 これ ら は図 式 化 さ れ た 顔 表 情 の 関 す る研 究 で は音 刺 激 を研 究 者 が提 示 す るが 、 ジ ャ 中 か ら状 況 に合 う も の を選 択 す る形 式 で 質 問 紙 よ り も簡 便 だ が 、 限 定 され た表 情 の 図画 で は個 人 の 多 彩 な感 情 把 聞 き慣 れ た 音 楽 の 違 いが 脳 機 能 に反 映 す る可 能 性 が 握 に は限 界 が あ る。 あ る19)ため、 同一 の 音 楽 で あ って も個 人 に よ って そ そ こで 、 我 々 は 自 由 な表 現 が可 能 な 描 画 法 を 用 い た評 の感 じ方 は異 な る と い う点 が 指 摘 で き る。 価 基 準 の あ る感情 投 影表 情 描 画法 に よ るア セス メ ン トッー ル 【FACED】assessment tool14)を開 発 した。 これ は、 質 問紙 法 と投 影 法 の長 所 を生 か した個 人 の 多 彩 な感 情 を した感 情 変 化 を も た らす 状 況 設 定 を す るの に実 験 協 把 握 で き る ツ ール と な った。 しか し、 そ の 信 頼 性 や 妥 当 力 者 が 選 択 した音 刺 激 を用 い た。 「こち らが 示 した 性 を十 分 検 討 で きて お らず 、 実 用 に は至 って い な い。 そ こで 、 本 研 究 で は 【FACED】assessment tool(以 下 、 本 法)の 有 用 性 に関 し音 刺 激 を使 い検 討 す る こ と を 目的 と した 。 感 情 に関 し日常 の用 法 で は情 動 ・気 分 ・情 操 な 況 で あ り、 「音 刺 激 」 と は 「自然 環 境 音 や 楽 曲(音 楽)な ど 含 め た総 合 的名 称 で あ る4)と さ れ て い る こ とか ら、 こ こで の 感 情 を 「短 期 的 に も長 期 的 に もみ られ る、 情 的 な 聴 取 す る聴 覚 刺 激 の こ と」 を示 す。 実 験 協 力 者 に は 部 分 で の 動 きや 変 化 の あ り うる心 の 状 態 全 て 」 と定 義 す ヒー リン グ ミュ ー ジ ックで 使 用 さ れ るよ うな 自然 の る。 化 を もた らす こ とが で き な い か と考 え た。 音 楽 療 法 感 情 が上 昇 す れ ば 不 快 の感 情 が低 下 す る、 あ る い は 音 楽 療 法 の 有 効 性 の 一 っ と して表 情 の変 化 を 誘 発 で 係 性 も明 らか に され て い る。 一 方 、 一 般 的 に音 楽 に ンル の 異 な る音 楽 の 聴 取 で情 動 変 化 に違 い が あ り、 音 楽 経 験 の 有 無 が 楽 曲 に よ る情 動 変 化 に影 響 し18)、 以 上 よ り、 音 楽 の 感 情 面 へ の は た ら き は個 人 の 嗜 好 や状 態 に よ って 異 な る とい え るた め、 こ ち らが 示 状 況 」 と は実 験 協 力 者 に不 快 な思 い を させ る こ と の な い よ う 「心 が 落 ち 着 く」 「心 が 活 性 化 され る」 状 どの 音 源 媒 体 で 、 実 験 協 力 者 が選 択 ・提 示 し 「心 が 落 ち着 い た り活 性 化 され た りす る音 で あ れ ば、 音 で もポ ップ スの よ うな楽 曲 で も どの よ うな もの で もい い」 と伝 え 、 心 を落 ち着 か せ る音(以 II.研 究方 法 本 研 究 は、 調 査1お よ び調 査2で 構 成 され た 関 連 検 証 音)と 活 性 化 させ る音(以 下 、 活 性 音)の2種 類の 音 源 を準 備 して も らっ た。 ま た、 音 刺 激 の あ る場 合 とな い場 合 の 感 情 変 化 の 相 違 も考 え、 「無 音 」 と い 的研 究 で あ る。 1.調 査 対 象 う状 況 設 定 も行 っ た。 ② 質 問項 目 1)調 a.日 査1 下、鎮静 本 語 版POMS短 と した 。 を元 に構 成 され た もの で あ る。5質 2)調 「緊 張 一 不 安 」 「抑 醒 一 落 ち込 み」 「怒 り一 敵 意 」 「活 査2 研 究 に関す る説 明 を行 い協 力 の意 思 を得 られ た大 学生 ・ 米 国 でMcNairに 縮 版9) 研 究 に 関 す る説 明 を行 い協 力 の意 思 を 得 られ た大 学 生 19∼33歳 の 計24名(女 性17名 、 男 性7名)を 実験協力者 よ って 開 発 され た気 分 を評 価 す る 質 問 紙 法 のPOMS〔Profile 気 」 「疲 労 」 「混 乱 」 の6っ of Mood States〕 問項 目か らな る の気 分 尺 度 を 同 時 に評 価 音 刺 激 を用 い た感 情 投 影 表 情 描 画 法 に よ る心 理 ア セ ス メ ン トッー ル の有 用 性 の検 討 35 で き る と い う 特 徴 を 有 し て い る。 得 点 範 囲 は 各 気 分 【FACED】assessment 尺 度 と も0∼20で ト(図1)と 、 得 点 が高 い ほ ど各 気 分 の 程 度 が 強 い こ と を 示 す 。 質 問 数30項 目に 短 縮 され 測 定 時 間 toolで あ る 。 表 情 描 画 シ ー 表 情 描 画 ス コ ア(図2・3)で 構成 さ れ て い る 。 実 験 協 力 者 に は 、 「図 を 用 い て 今 の 感 情 の 短 縮 が 実 現 し、 信 頼 性 ・妥 当 性 と も に 確 認 さ れ て い る た め 、 臨 床 ・職 場 ・学 校 な ど 多 くの 場 面 で 活 用 が 進 ん で い る。 b.二 次 元 気 分 尺 度2°)2') ス ポ ー ッ トレー ニ ング場 面 で の 活 用 を 目的 に開 発 さ れ た 心 理 状 態 を 測 る 尺 度 で あ る。 「快 適 度(H)」 「覚 醒 度(A)」 覚 醒(N)」 8一 項 目3一 目1一 「ポ ジ テ ィ ブ覚 醒(P)」 の4指 標 に 注 目 し、Pを 項 目7>、Nを 「ネ ガ テ ィ ブ く 項 目4一 ト項 目 く 項 目2+項 目6一 項 目5>、Hを<(P-N)/2>、 +N)/2>で 10∼+10で Aを 項 〈(P 算 出 す る。 得 点 範 囲 は各 指 標 と も 一 、 得 点 が 高 い ほ ど各 指 標 の 程 度 が 強 い こ と を 示 す 。 質 問 数 は全8項 目と回答 が容 易 で信 頼性 ・ 妥 当 性 の 検 討 も行 わ れ て い る た め 、 ト レー ニ ング場 面 以 外 で も 広 く活 用 が 可 能 で あ る と 思 わ れ る 。 C.表 情 描 画 シ ー ト14) こ れ は 、 「感 情 投 影 表 情 描 画 」 の 英 語 表 記 で あ る Facial Expression Drawingの 図1 表情 描 画 シー ト 略 か ら命 名 さ れ た 1.実 施後の表II青 描画と表情描画 スコアの 〈ネガテ ィブサ イン〉〈ポ ジテ ィブサイ ン〉の 顔パーツ ごとに類似する顔パ ーツがあれ ば、 その番号 にOE口 を付けて ください。評価 者(あ なた)か ら見て左側が、 ここでの左眉 ・左目にな ります。パー ツごとに見て、 ○印があれば1ポ イン ト、な けれ ば Oポ イ ン トとな ります。 ネガテ ィブサ インおよびポ ジテ ィブサイ ンの合計をそれぞ れ算出 して ください。合計 ポイン トはそれ ぞれO∼5点 で す。 ポイン ト ネガティブサイン 左眉 ・直線で水平に N-1 描かれてい るもの 右眉 N-2 ・上 と 同様 ノ 説明 左目 るもの ・上 と 同様 N-2 説明 口 でう 逸 上が っていて直線の もの ・上 と 同様 表情描画 シー トの中にある小さな○の上部にあるものを眉と見なす ・直線で水平に N-1 描かれてい 右目 ・顔の外側 に向かって ・全て曲線の谷型 逸 ㊥㊥ N2 ・両端が同 じ高さの も ・外側が内側よ り低いもの ・外側 が内側より高 いものの3種 類全て含む 0(⑳(⑳ 表情描画シー トの中にある小さな○の中に描いて いるものを目と見なす N-1 今ロ を の も い 近 に 円 楕 の 型 縦 と 円 む ・波線全て を含 む N-2 N-3 N-4 ・曲線の山型で両端の高さが異なる , ・直 線 で 角 張 って い る 両 端 の高 さ が 同 じ山型 ・も しく は 、 への 字 の 山 型 もの ネガ テ ィブサイ ンポ イン ト合計 図2 表 情 描 画 ス コア 七山 知佳 36 ポジテ ィブサイン ポイン ト 左目 ・直線で角張 っているものは除く両端が同 じ高さあるいは真正面から見て右側の方が高い山型 右目 ・上 と 同様 説明 ネガティブサインの眉と同様 左目 。小さな○の中を塗りつぶして 両端の長さが同 じであれ P-1 ば角張 りのある直線で いるもの も曲線でも含む 中に黒丸のあるものは含まない ・外側が下が っている曲線や外側が内側よ り高い山型 も含む 右目 ・上 と 同 様 上と同様 説明 ネガティブサインの目と同様。 ・両端が同じ高さで曲線の山型 口 :灘 蹴 、 、 ても構わな、 、 ポジテ ィブサ インポイ ン ト合計 2.下 の 計算 式 に 基 づ いて 結 果 を 出 して くだ さ い。 そ の 結 果 を 見てA・B・Cの 中で 当 て は ま るも の が 最終 結 果 で す 。A・B・Cの 内 当て はま る も の に○ 印 を 付けてください。 ネガティブサイン合計 ポジティブサイン合計 A.0点:ポ 結果 の数値 f B.マ / C.プ ジテ ィブ とネガ テ ィブの中 間の感情 イナス:絶 対値だけポ ジテ ィブ感情 が強い ラス:絶 対値だけネ ガテ ィブ感情 が強い 図3 表 情 描 画 ス コア を 表 情 と して 描 い て く だ さ い 」 と 指 示 した 。 表 情 描 画 ス コ ア に は、 ネ ガ テ ィ ブ とポ ジテ ィ ブの 感 情 に特 有 の 眉(左 右)・ 目(左 右)・ 口 に 関 す る ネ ガ テ ィ ブ サ イ ンお よ び ポ ジテ ィブ サ イ ンが 示 され て い る。 表 情 描 画 シ ー トに 描 か れ た3パ ー ッ と 照 ら し合 わ せ 、 ネ ガ テ ィ ブサ イ ンお よ び ポ ジテ ィ ブサ イ ンと同 様 の 形 が あ れ ば1ポ イ ン トと して ネ ガ テ ィ ブサ イ ンポ イ ン トお よ び ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン ポ イ ン トを 算 出 す る。 各 ポ イ ン トの 得 点 範 囲 は0∼5で 、 そ れ らの 得 点 差 を く ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン ポ イ ン トー ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン ポ イ ン ト〉 で 算 出 し、0未 テ ィ ブ 感 情 が 強 く1以 満 であればあ るほどポ ジ 上 で あ れ ば そ の 逆 、0で あれ ば ポ ジ テ ィ ブ と ネ ガ テ ィ ブの 中 間 の 感 情 で あ る と評 価 で き る ッ ー ルで あ る。 3.デ ータ収集方法 1)調 査1 実 験 協 力 者24名 を 無 作 為 に8名 ず っA群 群 の3群 〈質問紙 〉 ・POMS ・二次元気 分尺度 ・表情描画 シート ・B群 ・C に グ ル ー プ別 け した。 実 験 協 力 者 に心 身 を落 図4 調 査 の流 れ 11-_,,1V-MVIitilfigiil,-= JL'_,,fV 7 r'V-J ffi ft OD 37 ち 着 か せ て も ら うた め1分 間 の安 静 を 指 示 した後 、A 答 者 に は 表 情 描 画 シー ト記 入 に っ い て感 想 を 聞 き取 群 は 「無 音 」 「鎮 静 音 」 「活 性 音 」、B群 は 「活 性 音 」 り した。 「無 音 」 「鎮 静 音 」、C群 は 「鎮 静 音 」 「活 性 音 」 「無 音 」 とい う群 別 に異 な る環 境 順 で 音 刺 激 を各3分 間 実 施 し、 4.分 音 刺 激 時 に は安 静 保 持 す る よ う指 示 した 。 各 環 境 下 前 後 に お い て 日本 語 版POMS短 統 計 処 理 ・分 析 に は 、MicrosoftOfficeExcel2007、 SPSS16.0を 縮版、 二次元 気分尺度 、 1)調 表 情 描 画 シ ー トの3種 の質 問尺 度 を 記 載 した 質 問 紙 へ の記 入 お よ び研 究 者 に よ る擁 骨 動 脈 に お け る脈 拍 測 定 用 い た。 査1 (1)既 を実 施 した 。 各 グ ル ー プ の手 順 を 図4に 示 す 。 2)調 査2 (1)使 析方 法 存 尺 度 にお け る鎮 静 音 お よ び活 性 音 へ の 反 応 項 目 の選 出 感 情 変 化 を 確 認 す る た め に 注 目 す る既 存 尺 度 の 下 用尺度 位 気 分 尺 度 を 決 定 す る た め、 鎮 静 音 聴 取 後 お よ び活 本 法 の 回 答 や 評 価 が 簡 便 で あ る こ とを 検 討 す る た め 、 既 存 尺 度 の 中 で最 小 質 問項 目数 で あ り回 答 や 評 性 音 聴 取 後 にお け る既 存 尺 度 の下 位 気 分 尺 度 にっ い 価 が 簡 便 で あ る と思 わ れ る二 次 元 気 分 尺 度 と、 本 法 の 表 情 描 画 シ ー トを使 用 した。 「疲 労 」 と 「快 適 度 」 でr--0.47(p-0.02)、 (2)デ て 相 関 分 析 を 行 っ た。 そ の結 果 、 鎮 静 音 聴 取 後 の 「ネ ガ テ ィ ブ 覚 醒 」 と 「快 適 度 」 でr=-0.55(p=0.01) ー タ収 集 方 法 と な り、 有 意 な 中 等 度 の 負 の 相 関 が 示 さ れ た 。 活 性 上 記 既 存 尺 度 お よ び表 情 描 画 シー トそ れ ぞ れ にっ い て 、 回 答 所 要 時 間 と 回答 済 質 問 紙 の 評 価 所 要 時 間 音 聴 取 後 で は 、 「疲 労 」 と 「ポ ジ テ ィ ブ 覚 醒 」 でr-0 .66(p=0.00)、 「疲 労 」 と 「覚 醒 度 」 でr=-0.6 を 測 定 し比 較 した。 ま た 、 両 尺 度 の 評 価 に お い て 、 4(p-0.00)、 「ネ ガ テ ィ ブ 覚 醒 」 と 「快 適 度 」 でr-0 .44(p-0.03)と な り、 有 意 な 中 等 度 の 相 関 が 全 ケ ー ス正 評 価 数(基 準 正 答 数)中 評 価 で き た数(正 評 価 数)は 、 実 際 に正 し く どれ だ けだ っ たか を正 示 さ れ た 。 詳 し い 結 果 を 表1・2に 評 価 率 と して 算 出 し、 そ れ ぞ れ比 較 した 。 ま た、 回 表1 項 目間(POMS・ 二 次 元気 分 尺 度)相 Pearsonの 相 関 係 数 1.緊 張 一 不 安 POMS 2.抑 欝 一 落 ち 込 み 3.怒 り一 敵 意 4.活 気 5.疲 労 6混 舌1, 7.ポ ジテ ィブ覚 醒 二次 元 気 8.ネ ガ ティブ覚 醒 分尺 度 9.快 適 度 10.覚 醒度 1 z 示 す。 本 研 究 は 、 鎮 静 音 お よ び 活 性 音 へ の 反 応 を 確 認 し、 関係 数 3 鎮 静音 聴 取 後(n=24) 4 5 6 0.69 0.54 0.37 0.29 0.72 0.67 0.01 0.20 0.50 0.57 -0 .02 0.59 0.43 0.38 0.44 0.26 0.47 0.54 0.56 -0 .22 -0 .08 0.42 -0 .34 0.25 0.37 -0 .32 0.21 0.53 -0 .04 0.60 0.23 0.29 0.49 0.34 -0 .47 0.06 0.02 -0 .09 -0 .04 7 8 0.31 0.63 0.82 9 -0 .55 0.79 10 0.08 * 表2 項 目間(POMS・ Pearsonの 相 関 係 数 1.緊 張 一 不 安 2.抑 欝 一 落 ち 込 み POMS 3.怒 り一 敵 意 4.活 気 5.疲 労 6.混 乱 7.ポ ジ ティブ覚 醒 二 次 元 8.ネ ガ テ ィブ覚 醒 気 分 尺度 9.快 適 度 10.覚 醒 度 二 次 元 気分 尺 度)相 1 0.66 0.37 0.21 0.54 0.75 -0 .18 0.03 -0 .20 -0 .10 z 関係 数 3 p<0.05 活性 音 聴 取 後(n=24) 4 5 6 7 8 9 10 * * * 0.30 0.11 0.65 0.66 -0 .27 -0 .17 -0 .12 -0 .27 0.59 0.08 0.26 -0 .13 0.38 0.29 0.55 0.74 0.29 * 0.13 0.41 0.48 0.64 * * 0.40 -0 .66 -0 .38 -0 .33 -0 .64 * * 0.11 0.02 0.39 0.08 0.08 0.65 0.86 -0 .44 0.80 0_18 * p<0.05 七山 38 表 情 描 画 か らポ ジテ ィブ感 情 とネ ガ テ ィ ブ感 情 を読 知佳 (4>既 存 尺 度 との 一 致 率(類 似 概 念 との 同 質 性) み 取 る こ との で き る尺 度 の有 用 性 の 検 討 を 目的 に し 各 環 境前 後 にお いて ネ ガ テ ィブ感情 お よび ポ ジテ ィ て い るた め 、 負 の相 関 係 数 が高 く、 か っ 、 異 な る尺 ブ感 情 を構 成 す る項 目 ご と、 実 験 協 力 者 ご と に尺 度 度 の 項 目 と して 、 「疲 労 」 お よ び 「ポ ジテ ィ ブ覚 醒 」 を 選 出 した 。 以 降、 こ の2項 の 得 点 変 化 が あ った 人 数/全 目 に 注 目 し、 「疲 労 」 項 目得 点 と表 情 描 画 得 点 の変 化 を確 認 した 。 〈同 様 実 験 協 力 者 数(24名) お よ び 「ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン」 を ネ ガ テ ィ ブ感 情 、 〉 で既 存 尺 度 との 一 致 率(同 質 性:類 似 概 念 との 指 「ポ ジ テ ィ ブ覚 醒 」 お よ び 「ポ ジテ ィ ブ サ イ ン」 を ポ ジ テ ィ ブ感 情 と して検 討 を進 め た 。 2)調 (2)整 合 性(操 作 的 環 境 下 で の反 応 性) 標 一 致 率)を (1)同 等 性(評 評 価 項 目が ど の程 度 敏 感 に変 化 す るか を 反 応 性 と い う22)ことか ら、 本 研 究 で は 、 操 作 的 環 境 下 にお い て 、 注 目 した各 項 目得 点 変 化 に よ り反 応 の 程 度 を反 算 出 した。 査2 価 者 間 の 評 価 一 致 度) 二 次 元 気 分 尺 度 お よ び表 情 描 画 ス コ アそ れ ぞ れ く 正 評 価 数/基 (2>効 率 性(ッ 準 正 答 数 〉 に よ り算 出 した。 ール の 実 用 性) 応 率 で 確 認 し、 整 合 性 の検 討 を行 っ た。 そ の た め 、 所 要 全 時 間 を 評 価 所 要 時 間 お よ び 回答 所 要 時 間 の 選 出 した 既 存 尺 度 項 目2項 目お よ び 表 情 描 画 ス コ ア 2サ イ ンにつ いて 各 環 境 前 後 の 得 点 比 較 を 行 い、 鎮 和 と し、 二 次 元 気 分 尺 度 お よ び表 情 描 画 ス コ ア それ ぞ れ く情 報 量/所 要 全 時 間 〉 に よ り算 出 した 。 静 音 後 得 点 〉活 性 音 後 得 点 とな った該 当数 を確 認 し、 反 応 率 を く該 当数/全 実 験 協 力 者 数(24名)〉 によ り算 出 した。 (3)類 5.倫 理 的配 慮 本 研 究 の実 施 にあ た り、 滋 賀 県 立 大 学 倫 理 審 査 委 員 会 の承 認 を 得 た(平 成20年2月22日 受 付 第61号)。 研 究 の 似 性(再 検 査 に よ る再 現 性) 各 群 の 安 静 後 に お け る表 情 描 画 の 各 サ イ ンポ イ ン トと無 音 後 にお け る そ れ らの ク ロス 集 計 を 行 い、 関 連 性 を 確 認 す る た め φ係 数 を算 出 した 。 な お 、 こ こ 概 要 ・実 施 所 要 時 間 ・デ ー タ の処 理 お よ び保 存 方 法 等 に っ いて 資 料 を 用 い て 直接 説 明 し調 査協 力 を依 頼 した の ち、 満 と した うえ で 、 投 影 法 心 理 検 書 面 に て 同意 を 得 て 実 施 した。 調 査1に っ い て は、 プ ラ イバ シー が保 て る場 所 にて 不 都 合 や不 調 が な い か 確 認 し 査 で は信 頼 性 の 推 定 が 難 しい11)とい う投 影 法 の 限 界 な が ら実 施 し、 回 答 済 質 問 紙 を入 れ るた め の封 筒 を 準 備 を ふ まえ 、 有 意 水 準5%以 した。 で は有 意 水 準5%未 上10%未 満を有意傾向 と 考 え る。 表3 表 情 描 画 サ イ ンポ イ ン ト記 述 統 計 OQ OQ り乙 り乙 n ∠ n∠ n ∠ n∠ ∩∠ 0 0 0 0 ∩∠ 4 4 皿.研 表4 安静 後 ・無 音 後 の 表 情描 画 サ イ ンポ イ ン ト群 別 関連 性 0.42 0.83 0.88 1.08 0.42 0.78 0.38 0.65 0.21 0.51 0.25 1 0.53 0.21 0.51 0.93 究結果 表 情 描 画 ス コ アの ネ ガ テ ィブ サ イ ンお よ び ポ ジ テ ィ ブ Φ 値 近似有意 確率 A群 B群 C群 全群 ∩V ∩V ∩V ∩V ∩∠ ∩∠ 4 4 4 安静後 無音後 鎮静音 活性音 4 4 ポジテイブ サインポイ ント合計 り乙 り乙 り乙 り乙 ネガティブ サインポイ ント合計 4 度数 最小値 最大値 平均値 標準偏差 安静後 無音後 鎮静音 活性音 サ イ ン の 得 点 に か か る 記 述 統 計 は 表3の お 、 調 査1に お い て 、 実 験 協 力 者1名 .600 .090 .149 - .293 .673 .408 1.信 頼 性 の検 討 .237 .357 1)整 合性(操 時 間 は 約40∼60分 通 りで あ る。 な あ た りの 実 施 所 要 で あ った 。 作 的 環 境 下 で の反 応 性) 音 刺 激 を用 い た感 情 投 影 表 情 描 画 法 に よ る心 理 ア セ ス メ ン トッー ル の有 用 性 の検 討 39 実 験 協 力 者24名 分 の 「疲 労 」 「ポ ジ テ ィ ブ覚 醒 」 「ネ ガ 「疲 労 」 「ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン」 得 点 の 変 化 が 一 致 し た の は テ ィ ブ サ イ ン 」 「ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン」 得 点 を 鎮 静 音 後 と 24名 中17名 で 、 一 致 率 は70.8%で 活 性 音 後 で 比 較 し た 。 鎮 静 音 後 得 点 〉活 性 音 後 得 点 と な っ 情 を示す た の は 、 疲 労6名 の 変 化 が 一 致 した の は24名 中18名 で 、 一 致 率 は75.0%で イ ン5名 、 ポ ジ テ ィ ブ覚 醒2名 、 ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン6名 下 で の 各 反 応 率 は 、 疲 労25.0%、 ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン20.8%、 、 ネ ガ テ ィブ サ で あ った 。 操 作 的 環 境 あ った。 2)効 ポ ジ テ ィ ブ 覚 醒8.3%、 ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン25.0%で あ っ た。 率 性(ツ ー ル の 実 用 性) 二 次 元 気 分 尺 度 の 平 均 回 答 所 要 時 間 は57秒 、 平 均 評 価 所 要 時 間 は686秒(69秒/枚)で 2)類 似 性(再 検 査 に よ る 再 現 性) あ った。 ポ ジ テ ィ ブ感 「ポ ジ テ ィ ブ 覚 醒 」 「ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン」 得 点 所 要 時 間 は126秒(2.1分)で 、1枚 あ った。 二 次 元 気 分 尺 度 の 対 象 者 の 群 別 に安 静 後 と無 音 後 の 表情 描 画 ス コ ア に関 情 報 量 は 「覚 醒 度 」 と 「快 適 度 」 の2情 し φ 係 数 を 算 出 し た と こ ろ 、 表4の ら、 効 率 性 は95.2%と (p-0.09)、B群 0.41)、 通 り 、A群 φ 一〇.60 φ 一〇.15 (p-0.67)、 C君羊φ 一 一〇.29 (p- 全 群 φ=0.24(p=0.36)で あ った 。 等 性(評 ま た 、 表 情 描 画 シ ー トの 平 均 回 答 所 要 時 間 は61秒 、 平 均 評 価 所 要 時 間 は710秒(70秒/枚)で ー ス で 、 評 価 一 致 度 は65.0%で 、1枚 当た りの あ った。 表 情 描 画 ス コ ア の 情 報 量 は 「ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン」 と 「ポ ジ テ ィ ブ サ 価 者 間 の 評 価 一 致 度) 二 次 元 気 分 尺 度 の 平 均 正 評 価 数 は 、 全 正 評 価 数10ケ ス 中6.5ケ 報 で あ る こ とか な った 。 平 均 全 所 要 時 間 は132秒(2.2分)で 3)同 当 た りの平 均 全 ー あ った 。 一 方 、 表 情 描 画 ス コ ア の 平 均 正 評 価 数 は 、 全 評 価 数20ケ イ ン」 の2情 報 で あ る こ と か ら、 効 率 性 は90.9%と た 。 詳 し い 結 果 を 表6に な っ 示す。 ース 研 究 協 力 者 の 感 想 と して 、 「文 章 が い く っ も並 ん で い (10ケ ー ス × ポ ジ テ ィ ブ サ イ ン お よ び ネ ガ テ ィ ブ サ イ ン る 質 問 紙 よ り 、 シ ンプ ル な 絵 が 描 い て あ る だ け の 表 情 描 の2情 ースで、 表情描 画ス コアに関す る 画 シ ー トの 方 が 気 分 的 に 楽 で あ る 」 「例 え ば 、 こ れ(表 あ っ た 。 詳 し い 結 果 を 表5に 情 描 画 シ ー ト)を 報)中14.75ケ 評 価 一 致 度 は73.8%で 示 す。 学 校 の 子 ど も た ち を 対 象 に す る な ら、 楽 し くで きそ う」 な どが 挙 が った。 表5 評価者別正評価数 正評価数/基 準正答 数 二次 元気分尺度 表情 描画スコア 9/10 3/10 8/10 6/10 IV.考 察 1.【FACED】assessment toolの 有 用 性 の 検 討 15/20 17/20 整 合 性 の検 討 に お い て 、 操 作 的 環 境 下 で の反 応 率 は既 存 13/20 14/20 両 感 情 と もに 数 値 が 高 く、 本 法 の反 応 が相 対 的 に よか っ た と判 断 で き る。 しか し、 各反 応 率 と も低 値 で あ るた め、 尺 度 と本 法 の 数 値 に差 異 が あ った もの の、 本 法 にお いて 再 度 、 「操 作 的 環 境 下 で の 反 応 性 」 にっ い て 検 討 す る必 要 性 が あ る。 2.妥 1)既 当性の検討 存 尺 度 と の一 致 率(類 似 概 念 との 同 質 性) 類 似 性 の検 討 にお いて 表 情 描 画 得 点 に 関 し φ係 数 を確 認 した と こ ろ、 安 静 と無 音 が 連 続 し干 渉 刺 激 の少 な いA 鎮 静 音 お よ び活 性 音 聴 取 後 に お い て 各 得 点 変 化 が 同 様 群 で は有 意 傾 向 にあ る中 程 度 の相 関 が認 め られ る値 を得 か ど うか 照 合 し、 既 存 尺 度 との一 致 率(同 質 性:類 似 概 る こ とが で きた 。 今 回 、 信 頼 性 の推 定 が 困難 で あ る描 画 念 との 指 標 一 致 率)を 確 認 した。 ネ ガ テ ィ ブ感 情 を示 す 法 に お い て 、 φ一〇.60(p<0.10)が 確 認 で き た こ と に大 表6 回答 者 ・評 価 者 別 回答 所 要 時 間(秒) 二次 元気分尺 度 回答所要時間 評価所要時間 表情 描画シート 回答所要 時間 評価 所要 時間 90 708 100 750 55 750 35 720 55 600 80 660 55 55 40 35 七山 知佳 40 い に意 味 が あ る と考 え る。 この結 果 よ り、 表 情 描 画 につ い て安 静1分 後 お よ び無 音3分 後 に お い て 同 様 の 回 答 を した とい う こ とが 考 え られ、 本 法 は検 査 間 隔 の 短 い使 用 が可 能 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た。 一 方 、 無 音 の 前 に他 の V.結 語 本 研 究 で は、 開 発 した 【FACED】assessment tool の有 用 性 に つ い て 、 音 刺 激 を用 い た実 験 へ の 協 力 者24名 音 刺 激 が あ った異 条 件下 での2群 で は低 い相 関係 数 で あ っ た。 これ は、 条 件 の違 い に よ って本 法 が 反 応 した こと を お よ び評 価 者 ・回 答 者12名 を対 象 に検 討 した。 示 して い る と考 え られ 、 本 法 は刺 激 に 反 応 し変 化 した感 性)」 「類 似 性(再 検 査 に よ る再 現 性)」 「同 等 性(評 価 情 を反 映 で き る こ とが 示 唆 さ れ た。 者 間 の評 価 一 致 度)」 で確 認 され た。 同 等 性 の検 討 に お い て 評 価 一 致 度 を 算 出 した と ころ 、 二 次 元 気 分 尺 度 は65%、 本 法 で は74%で あ り、 表 情 描 画 度)J14)の他 に、 「既 存 尺 度 と の 一 致 率(類 ス コア を用 い た評 価 は よ り簡 便 で あ る こ とが示 唆 され た。 同質 性)」 「効 率 性(ッ 二 次 元 気 分 尺 度 は一 般 的 な質 問 紙 法 の評 価 法 とは異 な り、 3.「 類 似 性 」 の 検 討 よ り、 本 法 は検 査 間 隔 の短 い 使 用 加 算 以 外 の 計 算 が 必 要 で あ る た め ミス が 多 く起 こ った と が可 能 で あ り、 刺 激 反 応 性 の感 情 状 態 を反 映 す る可 能 考 え られ る。 一 方 、 本 法 に お い て は評 価 す る こ とが 難 し い顔 パ ー ツの形態 が あ る こと は予 測 され る もの の、 顔パ ー 性 の あ る こ とが 示 唆 され た。 4.本 法 の 回 答 所 要 時 間 は約1分 、 評 価 所 要 時 間 は1∼ ッの形 態 を 表 情 描 画 ス コ ア に示 して い る こ とで 評 価 が 簡 2分 で あ り、 本 法 は短 時 間 で 感 情 を把 握 で き る ッ ー ル 便 化 で きた と考 え られ る。 で あ る。 5.本 法 は、 信 頼 性 ・妥 当 性 を検 討 した 「評 価 の 一 定 基 回帰 分 析 に よ る妥 当 性 の検 討 に お い て 決 定 係 数 が70∼ 80%以 上 あ れ ば 回 帰 式 が よ くあ て は ま る こ とを 参 考 に、 既 存 尺 度 との 一 致 率 を検 討 した。 意 図 的 な 感 情 変 化 喚 起 の元 で 、 ネ ガ テ ィ ブ感 情 得 点 変 化 お よ び ポ ジ テ ィブ感 情 得 点 変 化 の 一 致 率 は と もに一 致 率70%を 超 え て い る こ と か ら、 既 存 の 感 情 に関 す る尺 度 で測 定 で き る情 報 を本 法 に お い て も同 様 に測 定 可 能 で あ る こ とが 示 され た。 効 率 性 の 検 討 に お い て、 二 次 元 気 分 尺 度 で95%、 本 法 で91%と 本 法 の効 率 性 は既 存 尺 度 よ り若 干 低 い こ とが 明 らか に な った が 、 そ の差 は4%で 1.本 2.本 法 の信 頼 性 は、 「整 合 性(操 作 的環 境 下 で の 反 応 法 の妥 当 性 は、 「回 帰 モ デ ル(感 情 判 別 の 的 中 精 似概念 との ー ル の実 用 性)」 で 確 認 さ れ た。 準 を設 け た投 影 法 ア セ ス メ ン トッー ル」 で あ る。 謝 辞 本 研 究 に ご協 力 い た だ き ま した皆 様 と研 究 指 導 い ただ い た諸 先 生 方 に 深 く感 謝 い た します 。 な お、 本 研 究 は滋 賀 県 立 大 学 大 学 院 人 間 看 護 学 専 攻 科 に提 出 した 修 士 論 文 (平 成20年 度)を 加 筆 ・修 正 した もの で す 。 あ り既 存 尺 度 と同 様 の 効 率 性 が あ る と考 え られ る。 2.【FACED】assessment toolの 特 徴 と今 後 の 課 題 文 献 本 法 の 特 徴 と して 、 特 に 「倦 怠 」 「抑 鯉 ・不 安 」 の 把 1)厚 握 に適 し、 ネ ガ テ ィ ブ感 情 の側 面 の方 が よ り相 対 的 に捉 え られ る こ と14)以外 に、 刺 激 反 応 性 の 感 情 の反 映 や 検 査 生 労 働 省,平 成23年 患 者 調 査(傷 3.7.18,http://www. /hw/kanja/IOsyoubyo/ 病 分 類 編),201 mhlw, go. jp/toukei/saikin 間 隔 の 短 い 使 用 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ た。 これ らの ことか 2)警 ら、 意 図 的 に感 情 を変 化 させ る プ ロ グ ラ ム に対 す る評 価 19,http://www,npa,go,jp/safetylife/seianki/ や感 情 コ ン トロ ー ル の た め の指 標 と して 、 本 法 の 使 用 が 期 待 で き る。 3)文 しか し、 各 年 齢 期 に お け る精 神 保 健 活 動 現 場 で の ス ク 察 庁,平 成24年 中 に お け る 自 殺 の 状 況,2013.7. H24_jisatunojoukyou_03. 部 科 学 省,平 成23年 度 pdf 「児 童 生 徒 の 問 題 行 動 等 生 徒 指 導 上 の 諸 問 題 に 関 す る 調 査 」 結 果 に つ い て,20 リー ニ ン グや 面 接 時 の補 助 具 と して使 用 価 値 を 高 くす る 13.7.19,http://www. に は、 大 学 生 以 外 の他 の年 齢 期 に お い て も同 様 の 検 討 を 要 し、 各 年 齢 期 に適 した表 情 描 画 ス コ アを 開 発 しな けれ ば な らな い。 類 似 性 に関 して は、 今 回 は少 人 数 で の検 討 4)大 9刷,238-239,1984,有 斐 閣,東 で あ るた め 、 全 て の群 に関 し人 数 を増 や して 再 検 討 の必 5)Andrew 編),藤 要 が あ る。 ま た、 自 由 な描 画 ゆ え特 殊 な 描 画 形 態 が あ っ た場 合 の 対 応 を 考 え て い く と同 時 に、 気 分 障 害 や 不 適 応 岡 ノ 谷 一 夫,他(監 障 害、 認 知 症 な ど に特 有 の 「表 情 描 画 サ イ ン」 を 特 定 す る必 要 もあ る。 6)大 dou/24/09/1325751. 山 正,藤 永 保,吉 mext. go. jp/b_menu/hou htm 田 正 昭:心 M. Colman(原 616,2004,丸 山 博 史,渡 理 学 小 辞 典,初 永 保,仲 修 ・編 ・訳):心 善 出 版 株 式 会 社,東 邉 洋 一,坂 版第 京. 真 紀 子, 理 学 辞 典, 京. 下 智 恵,他:わ が 国 の 自殺 予 防対 策 と最 近 の エ ビデ ンスー 地 域 介 入 に よ る高 齢 者 自 殺 予 防 活 動 の レ ビ ュ ー 一.青 (1), 157-160, 2006. 森 保 健 大 学 雑 誌7 音 刺 激 を用 い た感 情 投 影 表 情 描 画 法 に よ る心 理 ア セ ス メ ン トッー ル の有 用 性 の検 討 7)塩 崎 万 里:学 校 教 育 現 場 に お け る心 の ケ ア ー 現 状 と 今 後 の 展 望 一.鎌 8)岡 田 佳 子:中 2005. 16)奥 倉 女 子 大 学 紀 要11,13-27,2004. 学 生 の 心 理 的 ス ト レス ・プ ロ セ ス に 関 村 由 香,井 た 検 討 一.日 育 心 理 学 研 究50,193 2005. 2005,金 10)堀 203,2002. 山 和 仁:POMS短 子 書 房,東 洋 道,山 田 英 次:臨 92-93,2006,秀 12)横 尾 京 子,阿 本 音 楽 療 法 学 会 誌5(2),177-178, 17)菊 キ ン ソ ン病 患 者 に対 す る音 楽 療 法 の有 効 性 音 楽 活 理 測 定 尺 度 集1一 人間 の内 京. 山 由 紀,他:気 畑 道 子:痴 動 評 価 ス ケ ー ル を 用 い て 一.日 18)大 床 心 理 士 試 験 対 策 心 理 学 標 準 テ キ ス ト, 部 明 子,大 藤 早 苗,北 管内挿管 中 場 公 博,戸 田 須 恵 子:音 変 化 に 関 す る 研 究.北 133-146, 2004. 19)貫 田 乾,川 行 子,長 楽 鑑 賞 領 域 に お け る情 動 上 央:音 ス ・ス ケ ー ル の 試 案 作 成 一.日 理 学 会 研 究 報 告111,35-40,2004. 本新 生児看護学会誌 8 (1), 41 48, 2001. 雲 陽 子,後 検 討.医 14)田 藤 恵 子,堤 20)坂 俊 也,他:患 者満足度評価 元 フ ェ イ ス ス ケ ー ル の 考 案 と有 用 性 の 療 薬 学32(10),1021-1026,2006. 中 知 佳,比 嘉 勇 人,牧 野 耕 次:感 情投影表情描画 間看護 谷 正 子,磯 田 公 子:在 宅 高 齢 者 に 対 す る能 動 的 音 楽 療 法 の 長 期 継 続 実 施 が認 知 機 能 と感 情 に及 ぼす 改 善 効 果.日 本 音 楽 療 法 学 会 誌5(2),198-206, 楽 聴 取 に よ る脳 波 変 動 楽 選 好 と 性 格 特 性 の 関 連 性.情 矢 栄 昭:新 育 の 科 学53(11),845-850,2003. 21)坂 田 英 次,川 入 洋 右,徳 報処 しい感 性 指 標 ∼運 動 時 の 気 分 測 定 ∼.体 原 正 人,谷 木 龍 男,征 矢栄 理 的 覚 醒 度 ・快 適 度 を 測 定 す る二 次 元 気 分 尺 度 の 開 発.筑 波 大 学 体 育 科 学 系 紀 要26,27 36, 2003. 22)奥 学 研 究10,33-42,2012. 15)関 入 洋 右,征 昭:心 法 に よ る 心 理 ア セ ス メ ン ト ッ ー ル の 開 発.人 本看護 学 会論文 集 海 道 教 育 大 学 紀 要55(1), と気 分 変 化.音 の た め の2次 呆症 を伴 ったパ ー (老 年 看 護)33,141143,2002. 京. 和 シ ス テ ム,東 池 百 合,内 の 早 産 児 の 痛 み を 伴 う処 置 に 対 す る 顔 表 情 一 フ ェ ー 13)南 衆音楽聴 京. 面 を 探 る く 自 己 ・個 人 内 過 程 〉 ,242254,2012, 11)徳 波 謙 一,他:大 縮 版 手 引 と 事 例 解 説,1-7, 本 眞 理 子:心 サ イ エ ン ス 社,東 川 原 弘 一,松 取 に よ る 感 情 の 変 化 一 脳 波 解 析 法 と質 問 紙 法 を 用 い す る 研 究 一 二 次 的 反 応 の 生 起 に っ い て の 検 討 一.教 9)横 41 田 千 恵 子:医 薬 研 究 者 の た め の評 価 ス ケ ール の 使 い 方 と 統 計 処 理,第1版,115,2007,金 都. 芳 堂,京 七山 42 (Summary) Key Words sessment feeling, tool, facial sound expression, stimulus drawing, as- 知佳