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Title Author(s) 真正ラベンダーの精油吸入とフットマッサージがもつリラクセー ション効果 : 自律神経機能を指標とした生理的効果と心理的効果 の検討 別宮, 直子; 佐保, 美奈子 Editor(s) Citation Issue Date URL 大阪府立大学看護学部紀要 .2014 ,20 (1) ,p.47-56 2014-03-15 http://hdl.handle.net/10466/13747 Rights http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/ 4 7 J o u r n , l a Sc h .o fN u r s , O s a k apref.U凶.v.V o L2 0No . l 大阪府立大学看護学部紀要 2 0巻 l号. 2 0 1 4 研究報告 真正ラベンダーの精油吸入とフットマッサージがもっ リラクセーション効果 一自律神経機能を指標とした生理的効果と心理的効果の検討- D i s t i n c t i v er e l a x a t i o ne f f e c t so fl a v e n d e ro i l a n df o o tm a s s a g e -P h y s i o l o g i c a l( a u t o n o m i cn e r v ea c t i v i t y )andp s y c h o l o g i c a li n d i c e s一 別宮直子1)・佐保美奈子1) NaokoBEKKU1),MinakoSAHO1) キーワード:真正ラベンダー.フットマッサージ,自律神経機能, POMS ,リラクセーション効果 Keyword s :l a v e n d e r0礼 f ∞tmassage,autonomicnervoussystemfunction,POMS,relaxation A b s t r a c t T h i ss t u d yi n v e s t i g a t e d由ei n d i v i d u a lr e l a x a t i o ne f f e c t so fl a v e n d e rC L a vandulaa n g u s t i f o l i a ) andf o o tmassageonm∞dandona u t o n o m i cn e r v o u ss y s t 怠m f u n c t i o n . Fort h i sr a n d o m i z e d c r o s s o v e rc o n 仕o l l e ds t u d y ,1 8h e a l t h ywomenwerep u ti n t oal a v e n d e ri n h a l a t i o ng r o u p( n=9) o raf o o tmassageg r o u p( n= 9 ) .L a v e n d e ri n h a l a t i o ng r o u ps u b j e c t swere仕 e a t e dw i t hl a v e n d e r o i . lCo n t r o l su s e dr e f i n e dJ o j o b ao i l . Thef o o tmassageg r o u ps u b j e c t sweree x a m i n e di ntwo c o n d i t i o n s :w i t hmassageandw i t h o u tm a s s a g e . Asp h y s i o l o g i c a li n d i c e s ,仕l i se 玄p e r i m e n t measuredh e a r tr a t ev a r i a t i o nr e f l e c t i n ga u t o n o m i cn e r v ea c t i v i t y ,andm easuredf i n g e r t i pb l o o d f l o w . Asp s y c h o l o g i c a li n d i c e s ,t h ep r o f u eo fmoods 也 也s( POMS) andt h eFaceS c a l et e s t e d b e f o r eanda f t e rt h earomao rf o o tmassages t i m u l a t i o n . Thes t u d yp r o d u c e dt h e s emajor s :( 1 )L a v e n d e ro i 1d i dn o ti n c r e a s ep a r a s y m p a t h e t i cn e r v ea c t i 吋t y ,b u tm o d u l a t e d出e f i n d i n g a c t i o n so ft h ea u t o n o m i cn e r v o u ss y s t e m .( 2 )Them硝 s a g es t i m u l u si n c r e a s e dt h ea c t i o n so ft h e s y m p a t h e t i cn e r v o u ss y s t e m .P a r 槌 戸n pa 白e t i cn e r v ea c t i v i t yw槌 ob 配 r v e da f t e rt h em硝 s a g e . ( 3 ) ThePOMSt e s t sr e v e a l e d也a ts m e l l i n ga na r o m a t i co d o rc h a n g e dt h emoods t a t e .F o o t m踊 s a g ei n c r e a s e dt h ev i g o r o u smoods t a t e s .R e s u l t sshowd i s t i n c t i v er e l a x a t i o ne 丘町t sw i t h l a v e n d e ro i landI ∞tm出 sageusing也 i sm e t h o d . 要 旨 本研究の目的は.統一された実験条件下での真正ラベンダーの精油吸入とフットマッサージによ る生理的・心理的効呆を検討し,精油吸入とマッサージそれぞれのリラクセーション効呆を明かに することである。健康な成人女性 ( 1 8名)を対象に.精油吸入群 (9名)とマッサージ群 (9名) に分け,対照群とのクロス実験を行った。リラクセーションの生理的効果をみる自律神経機能にお いて, ( 1 ) 真正ラベンダ}の吸入は副交感神経の活動克進といった影響ではなく,自律神経を安定 維持させることが示唆された。 ( 2 ) フットマツサ}ジでは刺敬介入により交感神経の活動が克進す るが,刺君主介入終了後から副交感神経の活動も賦活される。 ( 3 ) POMSによる心理的効果では, 受付日:2 0 1 3年 9月 2 : l日 受 理 日 :2 0 1 3年 1 2月 68 1) 大阪府立大学看護学部 48 芳香する行為も心理的影響があること,マッサージでは特に活気を強める効果が明らかとなった。 本研究方法における,精油,マッサージ,それぞれのリラクセーション効呆の特性が得られた。 I.はじめに アロマセラピーは,エッセンシヤ J レオイル(精 油)を用いて香を楽しみ,リラクセーションを得た りするだけでなく,補完代替医療としての関心も高 く.さまざまな医療・看護の分野で取り入れられて ∞ ,3 ,今西, 2 0 1 0 )。補完代替医療の いる(谷田, 2 ーっとして確立しているといっても過言ではない。 しかし一方で,アロマセラピーといっても,その方 法には芳香浴,全身浴,部分浴,塗布,マッサージ といった方法があるなど使用部位・使用方法は多様 である。アロママッサージだけでも,看護における mani 油 ie ta l . ,2 0 0 9 ,S h i ne ta l . , 対象はがん患者(I 2 0 1 2 ),産縛婦(岡村, 2 0 0 7 ,古賀ら, 2 ∞8 ),高齢 0 0 7 ,八木樺・稲垣, 2 ∞8 ) と幅広く 者(高田ら, 2 臨床の場で行われている。リラクセーション効果の 科学的根拠を求めた場合,統制された実験研究が少 なく.精油の使用方法など実験条件の方法論の違い Herz , もあり,十分な見解が得られていない ( 2 0 0 9 ,酒井・乗松, 2 0 1 0 )。また,アロママッサー ジの場合,マッサージによる効果と精油による効果 が混在し.精油によるリラクセーション効果の機序 0 0 0 )。 を複雑にしている(吉田・佐伯, 2 ラベンダーは,精抽の中でも最も広く使用きれ (WangandChen,2 ∞5 ),その有用性からアロマ セラピーの研究において多用されている精油の一つ である。真正ラベンダーを用いた研究だけでも,芳 0 0 4 ,伊藤ら, 2 ∞4 ,浅野 香による効果(大久ら, 2 ,中部ら, 2 0 1 3 ),アロママッサージによ ら , 2ω9 9 9 8 . 真鍋ら, 2 α)9,木村ら, る効果(殿山・黒田, 1 2 0 1 2 ) を検討した研究はあるが,同一条件下で比較 検討したものは少ない。同一条件下で比較検討した 2 0 1 0 ) による真正ラベ 先行研究では,酒井・乗松 ( ンダー精油を用いたアロママッサージ(両下肢)の リラクセーション効果を,コントロール群,芳香 群,マッサージ群,アロママッサージ群に独立型無 作為化多試料実験により検討したものがある。統制 条件下で 4群の比較実験を行った意義は大きい。た た芳香群はマスク装着によって芳香を行い,コン トロール群はマスク装着がない。マスク装着による 呼吸法が生体反応や心理的変化に影響すると考えら れ,芳香群に対するコントロール群が必要といえ る 。 そこで,本研究では.精油の吸入とマッサージで はリラクセ ーション効果の発現に相違があると考 え,同一の実験条件下で真正ラベンダーとコント ロールの芳香によるリラクセーション効果とフット マッサージの介入の有無によるリラクセーション効 呆を無作為クロス実験により検討することとした。 リラクセ}ション効果の検討には,自律神経機能の 変化を捉える指標として先行研究で多く用いられて 0 0 0, いる心拍変動スペクトル解析(吉田・佐伯, 2 S a e k i ,2 ( 削,伊藤ら, 2 ∞4 ,大久ら, 2ω4 ,井草ら, 2 ∞8 . 真鍋ら, 2 0 ω . 酒井・乗松, 2 0 1 0 ) と抹消血 流量(吉田・佐伯, 2 目 ) ( ) , S a e k i,2 目旧)を生理的 指標として用い,心理的指標として日本版 POMS や FaceS c a l eを用いることとした。 I I . 研究目的 統ーされた実験条件下での真正ラベンダーの精油 吸入とフットマッサージによる生理的・心理的効果 を検討し,精油吸入とマッサージそれぞれのもつリ ラクセーション効果を明かにすることである。 m .研究方法 1.対象者 口頭や掲示により参加を募り,参加協力の得られ た健康な成人女性 1 8名(非喫煙者)を対象とした。 対象者の実験条件として,月経周期による自律神経 0 0 2 ),月経期間外 系への影響があり(真栄城ら, 2 を条件設定とした研究(井草ら, 2 ∞8 ,酒井・乗松, 2 0 1 0 ) もある。しかし一方で,近藤ら ( 1 9 8 9 ) は RR間隔変動係数を用い月経周期における自律神経の 変動を検討,その中で月経周期による心拍数, RR間隔変動係数への有意な影響はなく,考慮する必 要がないことを指摘している。そこで,本研究では 全月経周期の女性を対象とすることとした。 2 . 実験手順 実験は,環境調整を制御できる所属機関内にある 人工気候室(室温 25 主 1 度,湿度5O~60% ,照度 約制O1u x ) で行った。 1 8名を無作為に精油吸入群 (9名)とマッサージ群 (9名)に分け.それぞれ の対照群とのクロス実験を行った。被験者に,同意 ∞%の半そで膝丈のワンピース型衣 を得た後,綿 1 類に更衣してもらい,調査用紙と FaceS c a l e,日 本版 POMSといった心理的指標に回答してもらう。 その後,測定機器を装着し,セミフ ァーラー位 ( 3 0 4 9 度)の楽な姿勢を保持してもらう。実験開始時に血 圧を測定し,その後 1 0分間の安静をとり,開始 1 0 分後. 5分間の刺激介入を行う。 5分間の刺激介入 後は 3 0分間の安静をとり.終了時に再び血圧を測 定する。その後,心理的指標への記入を行ってもら う。実験中.楽な姿勢で良いが開眼しておくことを 伝える。実験は,起床直後,食後,空腹時を避け. 測定前 2時間はカフェイン類の摂取を控えてもらっ た 。 1回の実験の所要時聞は 60分程度であり,同 一被験者への 2回目の実験は. 24時間以上を空け 実施した。 3. 精油吸入刺激 刺激介入時に,真正ラベンダー ( L av a n d u l a a n g . 凶o l i a :サノフロール社)をコーヒーファイル ター(カリタ社)に 0 . 0 5ml滴下し.ろ紙をテント 状に聞き,鼻先から 1 0cmほど離れた位置に固定 型ホックで,口と鼻を覆いかぶせるような形に留め る。その後 5分間の吸入を行ってもらい. 5分経過 後,ろ紙を速やかに除去する。対照群には精製ホホ の平均値として算出した。 2) 抹消血流動態の測定 左手第 3指先部の抹消血流量 ( B l ∞dFlow. 以 下 BF) を測定した。長時間の測定が求められるた めプロープの装着による接触型レーザー血流計 (FLO-Cl/オメガウェープ社製)を用いた。解析 には 1分間の平均値を用いた。 3) 調査用紙 日本版 POMS( P r o 直l eo fMoodS t a t e s ) (以下, POMS) は. 緊張一不安 J(9項目), 抑うつ一落 1 5項目), 怒 り 敵 意 J( 1 2項目), 活 ち込み J( 気 J(8項目). 疲労J(7項目). 混乱J(7項目) 5項目に, の 6つの下位尺度とダミー項目の合計 6 「全くなかった」から「非常に多くあった」までの r r r r r r 5 段階 (O~4 点)で回答を求める質問紙である。 過去一週間の気分状態をみる尺度であるが,実験介 入前後の変化をとらえる尺度としても汎用されてい )。アロマセラピーを用いた実験 る(横山ら, 2 2 , ∞ パオイルを用い,同条件下で行った。 研究でも多く用いられており ( Kurodae ta l . .2 0 0 5 . 池田ら, 2 0 0 7,浅野ら, 2 卿,真鍋ら.2 { 胸.酒井・ 4. フットマッサージ刺激 乗松, 2 0 1 0 ) . 本研究でも POMSを用いることとし た 。 刺激介入時に,両下肢のマッサージを抹消から心 臓に向かつて擦りあげる軽擦法を各下肢 2 . 5分の計 5分間行う。フットマッサージは,毎回アロママッ サージに熟練した同一施術者が実施した。対照群に は,マッサージをせず安静を保持してもらった。 FaceS c a l eは , 2 0段階に分けられた顔の表情か ら,現在の気分を短時間(数秒)で容易に選択でき ( L o r i s handM a i s i a k .1 9 8 6 ) . 被験者への負担がき わめて少ないスケールである。点数が低いほど気分 状態が良いことを示す。 5. 評価方法 生理的指標として,心拍数(以下 H R ) . 高周波 成分(以下 HF). 低周波成分/高周波成分(以下 作成した質問項目は,現時点でのストレス,緊 張.疲労の程度を.全くない: 1から非常に強い: 7の 7段階で回答を求めた。実験後には,精油の晴 LF/HF). 抹消血流量を用い,安静時の介入 5分 好性やマッサージの快・不快についても 7段階で回 前を介入前とし,介入開始.介入中(介入開始 3分 答を得た。 後).介入終了時,介入終了 5 .1 0 .1 5 .2 0 .2 5 . 3 0分後の各時点の 1分間の値を解析の対象とした。 6 . 倫理的配慮 心理的指標として. 日本版 POMS. FaceS c a l e ,作 成した質問項目を測定機器装着の前後を実験前後と して評価した。 1 ) R-R間隔変動スベクトル解析 対象者には,研究目的・方法とともに,安全性お よび研究協力,途中辞退への自由意思の保障,匿名 性の保持等について紙面を用い説明し署名による 同意を得て実施した。本研究は研究者の所属する機 関の倫理審査委員会の承認を得て行った。 R-R間隔変動スペクトル解析は,胸部双極誘導 法で採取した心電図データを TA WARA/WIN(諏 訪トラスト製)に読み込み,周波数解析を MemCalc法により行い,副交感神経の指標ときれ ている高周渡成分 (HF:O.l5~0.4 H z) と交感神経 7 . 統計解析 対象となる標本数が少ないこと,各群すべてで正 規性が確認できなかったことから,ノンパラメト リック法を用いることとした。群内の経時変化には の 指 標 と さ れ て い る 低 周 渡 成 分/ 高 周 渡 成 分 フ リ ー ド マ ン の 検定 ( F r i e d m a n ' s民s t ) を行い, (LF:0.04~O.l5 Hz/HF:O.l5~0.4 Hz) の 1分毎 有意差がある場合にはポンフ エロニーによる多重比 回 較 ( B o n f e r r o n i ' sm u l t i p l ecomp a r I s o n ) を行った。 また,群聞の比較にはウイルコクスンの符号付順位 1 i c o x o ns i g n e d r a n k st e s t ) を行った。統 検 定 (W 計解析には, SPSS2 1 .f o rWindowsを用い,すべ . 0 5を有意水準とした。 て pく 0 W . 結果 1.精油吸入群 精油吸入群 (9名)の平均年齢 ( S . D . ) は2 7 . 9 ( 5 .1)歳であり,実験後の精油に対する晴好性につ いて「今回嘆いだ匂いをどのように感じましたか」 の質問に.精油吸入群は 7段階の内 5,6と晴好感 を持った人が 7人と多く,対照群では 4と答えた人 が 6人と多かった。 1)刺激介入による経時的変化(図1) 精 油 吸 入 群 の HRに お い て , 経 時 的 変 化 ( 仕l e 出n a n ' stest} に有意差が認められた(~= 2 8 . ω 7,d f= 9,p= 0 . '1 ) が,その後の検定 ∞ ( B o n f e r r o n i ・ smu 1 t i p l ecomp a r I s o n ) で有意差は認 められなかった。 BFにおいても経時的変化に有意 ∞ x2= 3 6 . 6 6 1 . p= . o0 )が,その 差が認められた ( 後の検定で有意な差は認められなかった。精油吸入 r i e d m a n ' s 群 の HFお よ び LF/HFにおいては, f t e s tで有意差は認められず,経時的変化に影響はな R BFで有意な経 かった。対照群においては, H, 2 x=3 5 . 1 ω ' 5 ,p= 0 . 0 0 0 . x2 = 時的変化がみられた ( 41 . 19 4 . p=0 瓜旧)が,その後の検定で有意差は認 められなかった。 HF ,LF/HFにおいて.有意な 経時的変化はみられなかった。 2) 精油吸入群と対照群の比較 R B F. 刺激介入前の精油吸入群と対照群の H, HF ,LF/HFを比較したところ,すべて 2群間 (W i 1 c o x o ns i g n e d r a n k st e s t ) で差は認められな ,HF ,LF /HF かった。次に, HRは計測値, BF は刺激介入前からの変化率で介入開始,介入中,介 入終了直後, 5,1 0 ,1 5,2 0 ,2 5 ,泊分後の各時 ,BF ,HF ,LF 点での 2群聞の比較を行った。 HR 200 事 、 ー '1 50 u 50 。 1 2 0 600 1 1 ¥ 500 11¥ " # . ~ 80 I 1¥ 1 I¥ I¥ 泊分後 議ω I 四分後 1 I¥ 時 I 300 元 口 図 面 40 。200 20 1 0 0 25 30 後 分 後 分 後 分 後 分 後 分 後 分 。 前 入 介 初分後 2 0 部分後 1 5 ω分 後 1 0 5分 後 5 介入終了 介入前 。 図 1 精油吸入 による A :HR ( 心拍数) . B:BF ( 抹消血流量) ,C:HF (副交感神経活動) ,D:LF /HF ( 交感神経活動) の変化 M e d i a n( 土Q) - :精油吸入群.&-一色:対照群 5 1 /HFに 2群聞で有意差は認められなかった。有意 差はなかったが,それぞれの図をみると.HRでは, p= 精油吸入群に比べ対照群で介入終了直後 ( 0 . 0 6 )や 1 5分後 ( p=0 . 0 5 ) に HRの減少傾向がみ 0分後に られた。 BFの変化率では精油吸入群で 1 上昇がみられていた。また. LF/HFの変化率で は,精油吸入群は対照群より 1 0分 後 ( p=0 . 0 5 ) から 2 0分後 ( p= 0 . 0 7 ) に低い傾向を示した。 3) 心理的評価の実験前後の比較 心理的評価の実験前後の比較を表 1-Aに示し た。精油吸入群.対照群ともに POMSの「活気」 を除く 5つの下位尺度で,実験後,有意に得点が減 a c eS c a l e . 緊張度,蜜労 少し精油吸入群では F 度でも実験後に得点が有意に減少していた。 に. 9名全員が 5以上に回答しており,マッサ}ジ の心地良きを感じていた。 1)マッサージ介入による経時的変化(図 2) マッサージ群の HRの経時的変化を検討したとこ x2=1 9 . 2 1 0 ,p=0 . 0 2 3 ) が認めら ろ,有意な変化 ( れた。しかし,その後の検定で有意差はみられな 7 . 2 4 2, かった。 BFでも有意な経時的変化 (x2= 3 p=0 . 0 0 0 ) が認められたが,その後の検定で有意 差はみられなかった。 HF. LF/HFにおいて.経 時的変化に有意差は認められなかった。マッサージ . BFで有意な経時的変 の対照群においても. HR 2 イ~ ( x =1 9 . 0 2 6 .p=0 . 0 2 5 . x2=2 8 . 8 0 0 .p =0 . 0 0 1 ) がみられたが,その後の検定で有意差は認められな かった。 HF. LF/HFにおいて,有意な経時的変 化は認められなかった。 2 . マッサージ群 マッサージ群の平均年齢 ( S . D . )は2 7 . 3( 1 0 2 ) 歳,実験後のマッサージの快・不快について「今回 のマッサージを気持ち良いと感じましたか」の質問 2) マッサージ群と対照群の比較 マッサージ前のマッサージ群と対照群の HR, BF. HF. LF /HFを比較したところ,すべて 2群 υ , 戸 、 ω M E -副 商 品 聞 記 さ 80 川判 。 。 介 加 介 介 5 1 0 1 5 20 2 5 3 0 入 入 入 入 分 分 分 分 分 分 前 開 中 終 後 後 後 後 後 後 始 了 介 加 介 介 5 1015202530 入 入 入 入 金 分 分 分 分 分 前 開 中 終 後 後 後 後 後 後 始 了 図 2 フットマッサ』ジによる A :HR (心拍数), B:BF (抹消血流量). C:HF (副交感神経活動). D:LF /HF (交感神経 活動)の変化 Med 凶 1( 土 Q) E一 一・:フ ットマ ッサージ群,A-一色:対照群 *: p<0 . 0 5( W i l c o x o ns i g n e d .r a n k st e s t ) ・ 5 2 聞で差は認められなかった。介入開始以降の各時点 での比較では. HRで介入開始時にマッサージ群で z= -2 . 3 8 0 . p=0 . 0 1 7 ) .介 有意に HRが下がり ( 入終了直後まで減少を示した。 LF/HFの変化率に z=ー 2 . 3 1 0 . おいては,介入開始時点で有意な差 ( p=0 . 0 2 1 ) が認められ,マッサージ群で LF/HF の変化率が高かった。その LF/HFの変化率の高 値は介入終了直後まで維持された。 BFでは,介入 z 終了直後のマッサージ群で有意に変化率が高く ( =ー 2. 31 0 . p=ω121). 5分 後 (p=0.07) まで高 い傾向を示した。 HFの変化率で有意差は認められ -Cをみると,マッサージ群で介 なかったが,図 2 V . 考察 本研究では,精袖の吸入とマッサージではリラク セーション効果の発現に相違があると考え,同一の 実験条件下で真正ラベンダーとコントロールの芳香 によるリラクセーション効果とフットマッサージの 介入の有無によるリラクセーション効果を無作為ク ロス実験により検討した。同一実験条件下で行った ことで,それぞれの刺激がもたらす生理的・心理的 影響を検証できた。 1.生理的影響 精油吸入群および対照群の生理的指標の経時的変 化を検討した結果. H F. LF/HFでは経時的変化 はみられなかった。精油吸入群と対照群の比較にお いても.HFの褒化率に精油吸入による影響はなく, 精油吸入群の HFの変化率の変動幅も著明なもので C )。精油吸入による副交感神経 はなかった(図 1 優位が確認された研究はいくつか報告されている . 浅野ら. 2009. Duane ta 1 . 2007. (伊藤ら. 2 4 C h i e ne t乱. 2012. Ma 回 国n oωet乱. 2013) が , 本研究では一致した結果が得られなかった。しか 2 0 0 4 ) の研究では,ラベンダーの香り し大久ら ( 入終了直後から変化率が上が~. 10分後 ( p=0 . 0 5 ) に低下傾向をみせた。 3) 心理的評価の実験前後の比較 心理的評価の実験前後の比較を表 1-Bに示し た。マッサージ群の POMSの「活気」を含む 6つ a c eS c a l e . ストレス度,緊 の下位尺度すべてと F 張度,疲労度で実験後に有意に得点が減少してい た 。 ∞ 表 1・A 精油吸入による心理的な変化 median ( : : ! :Q) 精油吸入刺激 心理的指標 POMS 前 後 緊張ー不安 9 ( 3 . 5 ) 7( 4 . 0 ) 抑うつ一落ち込み 7 ( 3 . 5 ) 怒り一敵意 5 (1 . 5 ) 3( 3 . 0 )* 活気 1 0 (1 . 0 ) 1 . 0 ) 1 1( 疲労 9 ( 2 . 0 ) 混乱 9 ( 2 . 5 ) F a c eS c a l e 7( 1 . 0 ) ストレス度 3 (1 . 0 ) 緊張度 3(1 . 0 ) 2( 0 . 0 ) 疲労度 4 ( 0 . 0 ) 3 ( 0 . 5 ) * 事 : p<0 . 0 1, 対照群 精泊吸入群 p健 2 . 5 3 6 ・ z= p=O . 0 1 1 z=2 . 5 3 3 5( 3 . 5 )・ p = O . 0 1 1 z=2 . 5 沼 p = O . 0 1 1 Z=1 必7 p = 0 . 1 5 1 2 . 3 1 6 ・ z= p = 0 . 0 2 1 z=2 . 2 5 4 8 ( 2 . 0 )・ p=O . 回4 7( 3 . 0 ) p値 前 後 1 0 ( 4 . 0 ) 5( 2 . 5 ) 9 ( 3 . 5 ) 7 ( 3 . 5 ) 1 1( 5 . 0 ) 7 ( 3 . 0 ) . 5 ) 9 (1 2 . 1 1 1 ・ z= p=0 . 0 3 5 z=2 . 3 2 8 4 . 5 )・ 2( p = 0 . 0 2 0 z=2 . 5 5 5 3( 3 . 0 )・ p = O . 0 1 1 1 1( 2 . 0 ) Z = 0 . 9 8 7 p=0 . 3 2 3 2 . 5 5 5 ・ z= p = O . 0 2 4 1 . 9 7 3 6( 2 . 0 )・ z=p = 0 . 0 4 9 . 0 ) 4 (1 2 . 2 5 1 ・ z= p = 0 . 0 1 0 8 ( 2 . 0 ) 6 ( 2 . 0 ) z=2 . 7 1 4 D = 0 . 0 0 7 4 ( 0 . 5 ) 3( 0 . 5 ) z=2 . 2 7 1 p=O . 回3 3 ( 0 . 5 ) 3 ( 0 . 5 ) z=1 . 8 9 7 p = 0 . 0 5 8 -2 . 4 2 8 ・ z= p=Qβ15 3 (1 . 5 ) 3 ( 0 . 5 ) z=-l , . 岨3 . 16 1 p=0 4 (1 . 0 ) 3 ( 0 . 5 )* * ・ *: p<0 . 0 5( W i l c o x o ns i g n e dr 回 国 民5 t ) ・ z=1 . 6 2 0 p=0 . 10 5 -2 . 2 5 1 ・ z= p = O . 0 2 4 日 による自律神経機能評価および脳血流量に及ぼす影 響を検討し,自律神経活動性(心拍変動解析)の評 価には有意な影響は認められなかったことを報告し ており,本研究と一致していた。精油の吸入方法や 時間などの実験方法の違いによるものと考えられる が,心拍変動スペクトル解析を用いた評価の難しさ が明らかとなった。交感神経の指標とされる LF/ HFの変化率(図 l-D) をみると,有意な差はない が,精油吸入群は対照群より 10分後から 20分後に 低い傾向を示している。また, BFの変化率の動き ( 図 l-B) をみると, LF/HFで低い傾向をみせた 10分後に上昇をみせている。血管は交感神経のみ の支配を受ける(津田, 1998) ため,交感神経活動 が抑制されたことで抹消血流量の増加が生じたとい え,真正ラベンダーの精油吸入が介入終了 1 0分後 から交感神経の活動充進を抑制したと考えられる。 また,副交感神経・交感神経両方の関与がある HR (稲森, 1998) において,有意差はないが精抽吸入 群に比べ対照群で介入終了直後や 1 5分後に HRの 減少傾向がみられ,精油吸入群では減少が小さい ( 図l A )。本研究の精油吸入群の HFおよび LF/ HFの変化率の経過をみると.副交感神経の活動充 進といった影響ではなく.自律神経の安定維持が生 じたといえ,その働きにより安定した心拍数が維持 されたと考えられる。真正ラベンダーの作用には神 NARDJAPAN, 経バランス回復作用があり ( 26 ),真正ラベンダーを吸入することで安定した と推察する。 ∞ マッサージ群および対照群の生理的指標の経時的 変化を検討した結果, HF,LF/HFの変化率では 経時的変化はみられなかった。マッサージ群と対照 群の比較では,マッサージ介入開始時,対照群に比 ベマッサージ群で LF/HFの変化率(図 2-D) が 有意に高い結果となった。その後,マッサージ群の LF/HFの変化率の高値は介入終了直後まで維持 されている。この結果は,片岡ら (2000) の足部 マッサージと腹式呼吸併用の生理的効果を検討した 研究で,足部マッサージのみでは交感神経が終了後 有意な増加を示し.副交感神経は有意な変化を示さ なかったことと一致していた。フットマッサージと いう刺激の介入が交感神経の活動を克進させたとい える。一方で, 20分間の足部マッサージを行い, マッサージ開始直後より副交感神経の活動充進,終 了 10分後に交感神経の活動充進を報告している研 究(井草ら, 2008) やフットマッサージ直後から心 拍数が低下し副交感神経が優位な状態を確認してい 表l B フットマッサージによる心理的な変化 フットマッサージ刺激 心理的指標 POMS median ( : : ! :Q) マッサージ群 前 後 対照群 p健 前 後 p値 緊張ー不安 1 0 (1 . 5 ) 6 ( 4 . 5 )“ z=2 . 6 舶 p=O .7 8 ( 3 . 0 ) 8 ( 2 . 5 ) Z=-Ll槌 p=0235 抑うつー落ち込み 7( 1 . 5 ) 2( 2 . 0 )•• z=2 . 6 7 3 p = O . 1B 1 0 ( 5 . 0 ) 3 ( 4 . 5 )申. z=2 . 6 7 0 p = O . 18 怒り一敵意 5 ( 忌5 ) 2( 2 . 0 )* z=2 . 却7 p=0.027 7 ( 3 . 5 ) 2 ( 3 . 5 ) z=1 . 3 沼 p=O . l8 1 活気 8 ( 5 . 0 ) 1 3( 4 . 0 ) Z=1 . 9 7 0 p = O . 1 倒9 . 5 ) 1 1( 3 1 3 ( 5 . 5 ) z=0 . 8 辺 p=O 却5 議労 1 1( 3 . 5 ) 5( 3 . 5 )* * z=2 . 6 7 7 p = O . 17 7 ( 3 . 0 ) 4 ( 2 . 0 ) z=1 . 7 ' 錦 p=O. 町2 混乱 1 1( 2 . 5 ) 6( 2 . 5 )* * z=2 . 6 1 5 p=O . α}9 1 0 ( 3 . 0 ) 7( 2 . 0 ) Z=-2 . 似 14 p = 0 . 0 4 1 FaceS c a l e 6 (1 . 5 ) 4 ( 1 z=2 . 5 3 6 l 1 p=O.O . 0 ) 6 (1 5( 1 . 5 ) z=1 . 3 9 4 . l6 3 p=O ストレス度 3 ( 2 . 0 ) 2( 1 . 0 ) 3 ( 0 . 5 ) 1 . 0 ) 2( z=1 . 7 2 5 民w p=O. 緊張度 3 ( 0 . 5 ) 2 ( 0 . 5 ) 1( 0 . 5 ) z=-2 . 1 2 1 p=O.034 疲労度 4 ( 0 . 5 ) . 0 ) 3 (1 2 ( 0 . 5 ) z=-1 . 4 1 4 . l5 7 p=O ・ ・ 局 ∞ ∞ ∞ -2 . . 担8 ・ z= p=0.015 z=2 . 2 5 1 2( 0 . 5 )・ 但 p=O . 14 -2 . 5 6 5 ・ z= p=0 . 0 1 0 2( 0 . 5 ) * 事 :p<0. 0 1,* :p<0.05 (Wil, ∞xons i g n e d r 回 国 国t ) ・ ・ ∞ 5 4 る研究(新田・川端. 1 9 9 9 ) もある。本研究では. HFに有意差はないがマッサージ群で介入終了直後 から変化率が上がり. 1 0分後に低下傾向を示して いた(図 2-C)。また. BF ( 図 2-B) は対照群と 比べ介入終了直後に有意に変化率が高く. 5分後ま で高い傾向を示している。マッサージ群における LF/HFと HF. BFの動きから,介入終了直後を 境に交感神経の活動は一旦抑制され,血流量の維持 と副交感神経優位が生じたと考えられる。介入終了 直後から 5分程度は副交感神経の活動が賦活される 図 2-A) はマッ と推察する。本研究において .HR( サージ群で刺激介入開始時の早期から有意に低下 し,交感神経の影響はみられなかった。 LF/HFの 自律神経バランスの変化は心拍数で観察きれない ( S a e k i,20 ∞)とも指摘されており,交感神経の活 動克進による心拍への影響がないことがわかる。 真鍋ら ( 2 0 0 9 ) は,ラベンダー精油を用いた上肢 のマッサージによる自律神経活動への影響を検討 し,ラベンダー精油を用いた上肢マッサージは副交 感神経活動を克進し,交感神経活動においては,上 肢マッサージは活動を徐々に克進,ラベンダー精油 は克進された交感神経を抑制する効果を報告してい る。交感神経の活動においては,本研究の精油吸入 とマッサージによる動きと一致していた。しかし, 副交感神経の活動においては,精油吸入で真鍋ら ( 2 0 0 9 ) の研究結呆と異なっていた。精油の経皮か らの循環促進に伴う吸収と経鼻・肺胞からの吸収に よる違いと考えられ,吸収経路の違いによる検討が 課題といえる。 2 . 心理的影響 心理的指標として POMSや F a c eS c a l e . ストレ ス度・緊張度・寂労度の得点を表 l-A (精油吸入 刺激)に示したように.精油吸入群と対照群ともに POMSの活気を除き 5つの下位尺度で実験後に得 点が減少していた。このことから,今回のような実 験方法の場合,何らかの精袖を吸入したであろう心 理効呆が働き. POMSにおいて両群で活気を除く nd 下位尺度で得点が減少したと考える。 Howarda Hughes( 2 ぽ泡)は.三重盲検法により,精油の効 果を促進する教示と抑制する教示,非教示による違 いを研究し,ラベンダーを用いたアロマセラピーへ の期待が主観的なリラクセーション効果に影響する ことを指摘しており,本研究の対照群においても. アロマセラピーへの期待が心理効果として現れたと いえる。本研究の気分状態を短時間で測定する F a c eS c a l eやストレス.緊張,疲労の程度を尋ね た質問では,精油吸入群でのみ気分状態が有意に改 善し,緊張や疲労の程度が有意に低下していた。こ れらの結果も吸入時にラベンダーの匂いと認知され たことが影響したと考えられる。しかし Kuroda e ta l .( 2 0 0 5 ) は,芳香への晴好が影響しないほど に徴弱な匂いで,ラベンダーとその成分であるリナ ロールに, POMSすべての下位尺度での影響を確 認している。本研究結果もラベンダーの鎮静効果 (谷田. 2 0 0 3,NARDJAPAN,2 航路)による働き aceSc a l eや緊張度,痕労度の結 とも考えられ, F 果から対照群に比ベラベンダー吸入は主観的にリラ クセーションを f 尋やすいといえる。 フットマッサージによる心理的指標を表 l-B (フットマッサージ刺激)に示したように,マッ サージ群で POMSすべての下位尺度で気分状態の 改善がみられ,精油吸入群と異なり,活気の下位尺 度で得点が上昇していた。フットマッサージによる POMSの「活気」の上昇は,先行研究(松岡・ 0 0 0 ,米山・八塚, 2 0 0 9 ) でも確認されて 佐々木, 2 おり,活気といった気分状態には,精油吸入より人 の手で実施きれるマッサージの効呆が高いことが示 唆された。真鍋ら ( 2 瓜ゆ)も,気分への影響には精 油よりマッサージの効果が相対的に大きいと指摘し ており,活気というポジテイプな気分の変動効果が マッサージにはあるといえる。また,フットマッ サージでは F a c eS c a l eやストレス,緊張,疲労の 程度が有意に減少していたことから,主観的にリラ クセーションを得られたといえる。 V I . 結論 ( 1 ) 真正ラベンダーの吸入では,副交感神経の活動 充進といった影響ではなく,自律神経を安定維持さ せることが示唆された。 ( 2 )フットマッサージでは刺 激介入により交感神経の活動が克進するが.刺敬介 入終了後から副交感神経の活動も賦活される。 ( 3 ) . 心 理的効果では,何らかの精油を吸入したという行為 が気分状壊に影響し.芳香する行為も心理的なリラ クセ}ションに繋がるといえる。真正ラベンダーの 吸入およびフットマッサージともに主観的なリラク セーション効果はあり.フットマッサージでは特に 活気といった気分を上昇させる効果がある。 精油の効果,マッサージの効果,それぞれの特性 を踏まえたアロマセラピーの実施に繋がる所見が得 られたと考える。 咽.研究の限界と課題 心拍のゆらぎは安静時に変動幅が大きくなるた 日 め,安静な姿勢を保持して行う本研究のような場 合,より対象数の確保が求められ,対象者を増やし ての検討が必要である。また.同一実験条件下で. アロママッサージによる影響の検討等を行うことも 重要と考える。臨床の場でアロマセラピーを有効活 用できるよう,さらに基礎的研究を深める必要があ る 。 片岡秋子,北川裕子,渡遁憲子,柳原久孝(劉犯防)足部マッ サージと腹式呼吸併用の生理的効果,日本看護医療学会 雑誌, 2 ( 1 ) ,1 7 2 4 . 木村真理,渡港映理,岸田聡子,今西二朗(加 1 2 )鎮静・覚 醒作用のある精油を用いたハンド・フットマッサージの 健常成人女性の心身に及ぼす効果,女性心身医学, 1 6 ( 3 ) ,2 6 8 2 8 2 . 古賀洋子,斉藤秀子,井上充(笈犯賂)産祷ケアにアロママツ 1( 1 ) , サージを導入して,佐賀母性衛生学会雑誌, 1 1 6 1 9 . 謝辞 本研究の実施にあたり.ご協力いただいた皆様に 深謝いたします。 なお.本研究は大阪府立大学大学院看護学研究科 「 魅 力 あ る 大 学 院 教 育Jイ ニ シ ア テ イ プ 事 業 に よ る 共同研究補助金の助成を受け行った研究成果の一部 であり,日本健康心理学会第 2 0回 大 会 で 発 表 し た ものを加筆修正したものである。 文献 浅野智絵美,伊藤輝子,Jl]野直子 ( 2 瓜ゆ)グレ}プフルーツ およびラベンダーの匂い刺殺による生理・心理機随への 影響, 日本味と匂学会誌, 16(3),臼3~36. C h i e nL,ChengSL ,L i uC F .( 却1 2 ) Thee f f e c to fl a v e n d e r a r o m a t h e r a p yonau 旬n omicn e r v o 田 s y s t e mi nm i d l i f e ,E vidBasedComplement womenwithinsomnia Al t e r n a tMe , d1 8 . DuanX,T a s h i r oM,WuDe ta l( 2 0 0 7 )A utonomicnぽ vous f u n c t i o nandl o c a l i z a t i o no fc e r e b r a la c t i v i t yd u r i n g 滋o n ,T e c h n o lH e a l t hC a r e ,1 5 l a v e n d e ra r o m a t i cimmer ,6 9 7 8 . ( 2 ) HerzR S .( 2 0 0 9 ) Aromatherapyf a c t sandf i c t i o n s:A , s c i e n t i f i ca n a l y s i so fo l f a c t o r ye f f e c t sonmood p h y s i o l o g yandb e h a v i o r .I n tJNeurosci ,1 1 9( 2 ) , 2 6 3 2 伺. HowardS,HughesBM. ( 2 0 0 8 )E x p e c t a n c i e s ,D o t釘 om , a e x p l a i D impacto flavender aromatherapyon p s y c h o p h y s i o l o g i c a li n d i c e so fr e l a x a t i o ni nyoung 孔 B rJH e a l t hP s y c h o L1 3 ,印36 1 7 . h e a l t h ywome ∞ 池田三紀,松田久子,藤田愛ほか ( 2 7 )精油を用いたマッ サージが運動後の身体的疲労の回復と気分の改善に与え o u r n a lo fJ a p a n e s eSoc i e t yo fAromatherapy , る影響, J 6( 1 ) ,3 6 4 0 . 井草理江,青木健,亀田真美ら ( 2 0 0 8 ) 看護ケアとしての足 部マッサージ中および終了後における自律神経活動指標 の評価,日本看護研究学会, 3 1( 5 ) ,2 1 2 7 . ImanishiJ ,KuriyamaH,S higemoriIe ta . 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S a e k iY .(剖∞)Thee f f e c to ff c ∞t-bathwithorwithout出巴 e s s e n t i a lo i 1o fl a v e n d e ront h ea u t o n o m i cn e r v o u s l .C o mplementTherMe , d8 s y s t e m:ar a n d o m i z e d凶 a ( 1 ) , 2 7 . 酒井康子.采松貞子 ( 2 0 1 0 )真正ラベンダー精油を用いたア ロママッサージのリラクセーション効果一生理的反応と 心理的反応による検証一, J o u r n a lo fJ a p a n e s eSo c i e t y o fAromatherapy ,1 0( 1 ) ,1 7 . ・ 2 4 . 津田幸展 ( 1 9 9 8 ):9章心拍の計測と処理.宮田洋監修,新 生理心理学 1巻 , 1 5 8 1 7 1 ,北大路書房,京都, S h i nES ,Le eSH ,S e oKHe ta l .( 2 0 1 2 )Arom a t h e r a p yand massagef o rsymptomr e l i e fi np a t i e n t sw i t hc a n c e r 田 0, ) 1 TheC o c h r a n eL i b r a r y , I s s ue6 . ( P r o t l 田 ∞ 高田ゆき,前野ひろみ,中尾薫ら ( 2 7 ) フットマッサージ が高齢者の身体的精神的苦痛に及ぼす影響,日本看護学 会論文集:地域看護, 3 7 ,1 0 8 -1 1 0 . 谷田恵子 ( 2 0 0 3 ) 代替療法のエピデンス一芳香療法(アロマ セラピー)一,臨床看護, 2 9( 13 ),却44-加5 4 . 殿山望,黒田哲也 ( 1 9 9 8 ) アロママッサージの抹消循環に及 l ます影響について(第 2報), 日本手技療法学会雑誌, 9 ( 1 ) ,5 1 6 1 . 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