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廃石膏ボードの埋立時における硫化水素ガスの発生

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廃石膏ボードの埋立時における硫化水素ガスの発生
日本工業大学研究報告 第 45巻 第 1号 (平成 27年6月)
Report of Researches, Nippon Institute of Technology, Vol.45, No.1 (June, 2015)
修士論文概要
廃石膏ボードの埋立時における硫化水素ガスの発生メカニズムとその防止対策†
石井
淳*
(2015 年 03 月 16 日受理)
Mechanism of the hydrogen sulfide gas generating in waste landfill and the preventive measures
Jun Ishii
(Received □□ 16 March, 2015)
コ(a)にメスシリ
1.研究背景
ンダー(b)を接続
平成 11 年 10 月,福岡県筑紫野市の安定型最終処分場(有
し水上置換によりバ
害物質や有機汚濁性のない安定型廃棄物 5 品目の埋立処分
イオガスを捕集し測
場)において,送水槽内で作業していた作業員 3 名が硫化
定した.水上置換の
水素ガス中毒と疑われる症状で死亡する事故が発生した.
液体(f)は,蒸留水
その後の調査により,最高 15,000ppm の高濃度硫化水素
に希塩酸を加えて
ガス(人間の致死濃度は約 700ppm)が検出された.事故
pH1 に調整した溶液
図 2.1 嫌気性培養実験装置
調査の結果,高濃度硫化水素ガスが発生した原因は,安定
を使用し,発生した
表 2.1 因子と水準
型最終処分場に埋め立てられていた廃石膏ボード類が原因
二酸化炭素や硫化水
水準1
水準2
水準3
水準4
石膏粉(g)
A1=0
A2=3
A3=5
A4=10
厚紙(g)
B1=0
B2=1
B3=5
B4=10
糊(g)
C1=0
C2=0.1
C3=1
C4=5
の一つであると推定された.この事故を契機に平成 12 年 9
素ガスがこの溶液に
月には厚生省から硫化水素ガス防止対策(廃棄物最終処分
溶け込むのを防ぐこ
場における硫化水素対策検討会報告書 1))が提示された.
とができる.この装
著者らは,最終処分場での硫化水素ガス対策として,発
置に,活性化させた
生した硫化水素ガスと含鉄資材との反応により硫化水素を
種汚泥(乾燥重量で
硫化鉄として沈殿固定化させる工法が有効と考えた.そこ
15g)と粉砕した石
で本研究では,廃石膏ボードが埋め立てられた最終処分場
膏ボードの原料を入
から発生する硫化水素ガスの抑制を目的に,廃石膏ボード
れ,内部ガスを窒素
から発生する硫化水素ガスの発生メカニズムの解析と,含
置換後に恒温槽内で
鉄資材を用いた防止対策の検討を行った.
一定温度にし
(37℃)
2.石膏ボードから発生する硫化水素ガスの解析
嫌気性培養実験を行
石膏ボードは主に石膏・厚紙・糊で構成されており,こ
水素ガスはガスクロ
れらと硫酸塩還元菌との反応で高濃度硫化水素ガスが発生
マトグラフ法により
する.本節の実験では,石膏ボードに使用されている石膏・
測定し,培養液は採
厚紙・糊を嫌気性培養し,それぞれの持つ硫化水素ガスの
取後直ちに pH,電
発生特性と,硫化水素発生ポテンシャルについて解析・評
気伝導率(EC),酸化還元電位(ORP)を測定し,0.45μ
価を行った.
m メンブレンフィルターでろ過後,ろ液を HPLC により
2.1
有機酸の測定を行った.
った.発生した硫化
実験方法
表 2.2 実験区
実験区No. 石膏(g) 厚紙(g)
1
0
0
2
0
1
3
0
5
4
0
10
5
3
0
6
3
1
7
3
5
8
3
10
9
5
0
10
5
1
11
5
5
12
5
10
13
10
0
14
10
1
15
10
5
16
10
10
糊(g)
0
0.1
1
5
0.1
0
5
1
1
5
0
0.1
5
1
0.1
0
割り付け
A1B1C1
A1B2C2
A1B3C3
A1B4C4
A2B1C2
A2B2C1
A2B3C4
A2B4C3
A3B1C3
A3B2C4
A3B3C1
A3B4C2
A4B1C4
A4B2C3
A4B3C2
A4B4C1
実験装置を図 2.1 に示す.この装置は,三口培養フラス
実験因子を石膏粉・粉砕厚紙・糊の 3 因子とし(表 2.1),
_____________________________________________________________________________________________________________________________________________________
添加量を 4 水準としてラテン方格法(表 2.2)を用いて分
本論文の一部は,第 24 回廃棄物資源循環学会研究発表会
(2013
年 11 月 4 日)等において発表した.
*
所属 環境共生システム学専攻 小野研究室
散分析表を作成し,発生した硫化水素ガス量について有意
†
差判定を行った.
21
日本工業大学研究報告 第 45巻 第 1号 (平成 27年6月)
Report of Researches, Nippon Institute of Technology, Vol.45, No.1 (June, 2015)
2.2
結果及び考察
の遅れと同調して酸化還元電位が低下するため、硫酸塩還
2.2.1 分散分析による有意差判定
元菌がこの有機酸を栄養源として繁殖し始め、多量の硫化
表 2.3 に硫化水素ガス発生量の分散分析表を示す.この
水素ガスを発生し始めるものと考えられた.
表から,厚紙因子のみ 5%以下の危険率で硫化水素ガスの
3.含鉄資材の持つ硫化水素ガス抑制効果検証
発生に関与していることが分かる.石膏因子は有意と判定
されなかったが,石膏(硫酸イオン)は硫酸塩還元菌のエ
廃石膏ボードにより埋立最終処分場から発生する硫化水
ネルギー源として必要であり,石膏粉因子を添加しなかっ
素ガスを抑制するには,硫化水素ガスを硫化鉄として沈殿
た実験区ではほとんど硫化水素ガスは発生していない.厚
固定化できるので,含鉄資材などの金属を廃石膏ボードに
紙 5g 以上,かつ石膏粉 3g 以上で 10mL 以上の硫化水素ガ
混ぜることが有効であると考えられる.
表 2.3 硫化水素ガス発生量の分散分析表
変動因 自由度f
平方和S
分散V
分散比F 判定
そこで,嫌気性培養実験や埋立最終処分場を模したカラ
備考
ムにより,含鉄資材の持つ抑制効果の検証を行った.硫化
全体(T ) f T = 15 S T = 2056.9
石膏(A ) fa = 3
厚紙(B ) f B = 3
fC = 3
誤差(e ) f e = 6
=
=
493.7 V A = 164.6
990.3 V B = 330.1
3.1
6.2
=
252.3 V C =
84.1
1.6
=
320.6 V e =
53.4
*
水素ガスの抑制資材として,鉄粉廃棄物であるグラインダ
5%:3.96
1%:9.78
ーダスト(以後,GD と称す)と,溶液である塩化第二鉄
溶液を使用した.
3.1
スが発生した.
嫌気性培養実験による検証
3.1.1 実験方法
2.2.2 有機物(厚紙,糊)の違いによる影響
この実験は,2 節と同様の実験装置(図 2.1)を使用した.
厚紙と糊により発生する有機酸・硫化水素ガス・メタン
試験溶液として乾燥汚泥(TDS)15g と粉砕した石膏ボード
ガスを考察するため,有機物単体の実験区である No.13(石
80g,蒸留水 300mL を混合したものを使用し,硫化水素ガ
膏粉 10g,厚紙 0g,糊 5g)と No.16(石膏粉 10g,厚紙
化第二鉄溶液を表 3.1 と表
ス抑制剤として,GD と塩
10g,糊 0g)について比較する.
3.2 の条件で添加し,内部ガスを窒素ガスで置換後に 37℃
硫化水素ガスとメタンガス発生量についてみると,No.13
で 66 日間嫌気性培養を行った.発生した硫化水素ガスと
(図 2.2:上図)は有機酸と硫酸イオンが高濃度で存在し
溶液は 2 節と同様に測定した.
ているにも関わらずメタンガスが大量に発生し続け,硫化
3.1.2 結果及び考察
水素ガスがほとんど発生していないことが分かる.一方,
分散分析の結
No.16(図 2.2:下図)の硫化水素ガスは 15 日目頃から急
果を表 3.3 に,
激に発生し,メタンガスは培養開始から 20 日目頃まで発
各培養器の硫化
生し,それ以降はほとんど発生していない.
水素ガス発生量
このことから,糊は分解が早いため埋立初期にメタン菌
を図 3.1 に示す.
のような微生物に消費され,厚紙は糊よりも分解が遅く,
表 3.1 因子と水準
水準1 A0=0.000
B0=0.00
A1=0.008
(石膏ボード重量の0.01%)
A =0.800
水準3 2
(石膏ボード重量の1%)
A =4.000
水準4 3
(石膏ボード重量の5%)
B1=1.43
(鉄分が石膏ボード100gに対し1mg相当)
B2=4.30
(鉄分が石膏ボード100gに対し3mg相当)
B3=7.16
(鉄分が石膏ボード100gに対し5mg相当)
水準2
硫化水素ガスの
糊に比べて遅れて多量の有機酸を長期間放出し続ける.こ
発生抑制に有意
表 3.2 実験区
グラインダーダスト:A
(石膏ボードに対する重量比%)
因子
と判定されたの
は,GD であっ
た. GD は,石
膏ボード重量の
0.01%(0.008g)
10mmol塩化第二鉄溶液(mL)
グラインダーダスト(g)
A0 (0.00%) A1 (0.01%)
塩化第二鉄溶液:B
(石膏ボード100gに対する
鉄重量mg)
糊(C )
SA
SB
SC
Se
A2 (1%)
A3 (5%)
A₀B₀
(No.1)
A₁B₀
(No.5)
A₂B₀
(No.9)
A₃B₀
(No.13)
A₀B₁
(No.2)
A₁B₁
(No.6)
A₂B₁
(No.10)
A₃B₁
(No.14)
(3mg)
A₀B₂
(No.3)
A₁B₂
(No.7)
A₂B₂
(No.11)
A₃B₂
(No.15)
B3
(5mg)
A₀B₃
(No.4)
A₁B₃
(No.8)
A₂B₃
(No.12)
A₃B₃
(No.16)
B0
(0mg)
B1
(1mg)
B2
の添加から硫化
水素ガスの抑制が見られ,添加量の増加に伴い硫化水素ガ
ス発生量が減尐し,石膏ボード重量の 5%(4g)添加区で
硫化水素ガスがほとんど発生しなくなることが分かった.
また,塩化第二鉄溶液は,石膏ボード 100g に対し鉄 5mg
で抑制効果が見られた.
このことから,含鉄資材は廃石膏ボードが埋め立てられ
た際に発生する硫化水素ガスを抑制する資材として有用だ
と判明した.3.2 節では,現場型の実験にて実際の処分場
でも有効かどうか検証する.
図 2.2 硫化水素ガス・メタンガスの発生と有機酸の変化
(上図:No.13,下図:No.16)
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日本工業大学研究報告 第 45巻 第 1号 (平成 27年6月)
Report of Researches, Nippon Institute of Technology, Vol.45, No.1 (June, 2015)
表 3.3 硫化水素ガス発生量の分散分析
3.2.2 結果及び考察
カラム実験 86 日目までの硫化水素ガス濃度を図 3.3 に示
す.対照区(No.1)は,27 日目より 0.012ppm 発生し,
含 鉄 資 材 を 添 加 し た 実 験 区 で は , 50 日 目 で
0.005~0.01ppm の硫化水素ガスが発生した.56 日目に
一度発生が止まるが,64 日目から再び硫化水素ガスの発
生がみとめられた.71 日目以降では各実験区から発生す
る硫化水素ガス濃度が対照区 No.1 と同じか,もしくは
超えていたことから,71 日目頃から GD や塩化第二鉄溶
液の添加による硫化水素ガスの抑制効果が弱まってきて
いると推察される.
このことから実際の処分場でも,含鉄資材は有用である
と考えられる
図 3.1 硫化水素ガス発生量の分散分析
最終処分場埋立カラムによる検証
3.2
3.2.1 実験方法
本実験で
使用した埋
立模擬カラ
ムを図 3.2
に示す.最
終処分場の
埋立深さを
1/10 スケー
ルとし,底
部覆土層を
図 3.2 埋立模擬カラム
5cm,廃棄
物層を 30cm とした.この実験では還元状態における硫化
水素ガス発生状況を調べるため,実際の最終処分場を想定
し,カラム内に内部保有水が貯まり嫌気性となるように,
連通管により廃棄物層を水没させて嫌気性状態とした.
廃棄物には粉砕した石膏ボードを使用し,覆土には鶴ヶ
図 3.3 硫化水素ガス濃度の変化
(上図:底部覆土 GD 無添加,下図:GD 添加)
島表土を使用した.硫化水素ガスを抑制する因子として,
①石膏ボードへの GD 混合,②石膏ボードへの塩化第二鉄
溶液浸漬,③底部覆土層への GD 混合を行った.因子と水
4.硫化水素抑制効果を持つ含鉄資材の検討
準及び実験区を表 3.4 と表 3.5 に示す.
前節より,石膏ボードから発生するガスの抑制には,含
表 3.4 因子と水準
因子
処理層
W
廃棄物層
添加材
GD
(グラインダーダスト)
水準1
W0
L
FeCl3溶液
L0
S
GD
(グラインダーダスト)
S0
底部覆土層
W1
無添加
L1
S1
鉄資材(GD,塩化第二鉄溶液)が有効であることが判明
水準2
添加
(5%GD)
添加
(1mmol FeCl3)
添加
(5%GD)
した.本節では,複数の含鉄資材を用い,石膏ボードから
発生する硫化水素ガスを抑制できる含鉄資材について検討
を行った.
4.1 実験方法
表 3.5 実験区
S0
W0
W1
L0
W0L0S0
No.1
W1L0S0
No.2
本実験では,1L デュランビンにガス採取口と培養液採取
S1
L1
W0L1S0
No.3
W1L1S0
No.4
L0
W0L0S1
No.5
W1L0S1
No.6
L1
W0L1S1
No.7
W1L1S1
No.8
口を取り付けた培養器を用いた(図 4.1).この培養器に,
約 10×10mm に切った石膏ボード(厚さ:12.5mm)70g,
含鉄資材,蒸留水 680mL,硫酸塩還元菌培養液 20mL を
入れ,窒素置換後に 37℃で嫌気性培養を 121 日間行った.
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含鉄資材とし
そこで本節では,切削旋盤切粉に付着した有機物を燃やし
ては,工場か
酸化させることにより,硫化水素ガス抑制能力を増強でき
ら廃棄物とし
ないか追加実験を行った.表 4.2 に含鉄資材添加条件を,
て排出される
その結果を図 4.3 に示す.
GD や旋盤切
最も硫化水素ガス濃度の高かった実験区は,燃焼してい
削切粉,鉄含
ない旋盤切削切粉(No.2,最大 25000ppm)を添加させた
有量の大きい
実験区であり,燃焼した旋盤切削切粉(No.3)はその半分
天然資材であ
程度であった(最大 12000ppm).このことから,燃焼さ
る鶴ヶ島土壌
の含鉄資材でも燃焼させることで,その効果を高められる
表 4.1 含鉄資材添加条件
さらに液状試
薬の塩化第二
せることで高い抑制効果が出ることが分かった.また,他
図 4.1 嫌気性培養実験装置
やリモナイト,
実験区
鉄溶液の 5 種
含鉄資材
石膏ボード70g
に対する鉄添加率(%)
対照区
無
No.1
グラインダーダスト
類を使用した. No.2
(GD)
No.3
鉄含有率:65.2%
各含鉄資材は No.4
No.5
旋盤切削切粉
石膏ボードに No.6
(2mm>)
No.7
鉄含有率:94.9%
対する鉄添加 No.8
No.9
鶴ヶ島心土
量が 0.5%, No.10
(2mm>)
No.11
鉄含有率:7.5%
1%,5%,10% No.12
No.13
リモナイト
になるように No.14
(2mm>)
No.15
鉄含有率:35.8%
添加した.た No.16
No.17
塩化第二鉄
だし,塩化第 No.18
溶液
No.19
100g-Fe/Lに調整
二 鉄 溶 液 は No.20
0.5
1.0
5.0
10.0
0.5
1.0
5.0
10.0
0.5
1.0
5.0
10.0
0.5
1.0
5.0
10.0
0.05
0.1
0.5
1.0
と考えられる.
表 4.2 追加実験:含鉄資材添加条件
含鉄資材
添加量(g)
実験区
No.1
No.2
No.3
No.4
0.54
1.07
5.37
10.73
0.37
0.74
3.69
7.38
4.69
9.37
46.85
93.71
0.98
1.96
9.78
19.55
0.35mL
0.7mL
3.5mL
7mL
含鉄資材
対象区
旋盤切削切粉
旋盤切削切粉(燃焼)
グラインダーダスト
添加量
無し
3.5g(石膏ボードの5% 鉄分量3.3g相当)
3.5g(石膏ボードの5% 鉄分量3.3g相当)
3.5g(石膏ボードの5% 鉄分量2.2g相当)
図 4.3 追加実験:硫化水素ガス濃度の変化
5.今後の硫化水素ガス対策の在り方について
発生する硫化水素ガスを防止する第一段階として,石膏
100g-Fe/L になるように調整した溶液を用い,石膏ボード
に対する鉄添加率が 0.05%,0.1%,0.5%,1% になるよう
に添加した(表 4.1).発生した硫化水素ガスと溶液は 2 節
と同様に測定した.
4.2
結果及び考察
含鉄資材添
加時の最大硫
化水素ガス濃
度表 4.2 に示
す.含鉄資材
によってバラ
つきがあるも
のの,全ての
実験区で硫化
水素ガス抑制
効果があるこ
とがわかる.
このことから,
今回使用した
表 4.2 最大硫化水素ガス濃度
含鉄資材
鉄添加率
対照区
無
無
No.1
Fe:0.5%
No.2
グラインダー Fe:1%
No.3
ダスト
Fe:5%
No.4
Fe:10%
No.6
Fe:1%
旋盤切削
No.7
Fe:5%
切粉
No.8
Fe:10%
No.9
Fe:0.5%
No.10
Fe:1%
鶴ヶ島心土
No.11
Fe:5%
No.12
Fe:10%
No.13
Fe:0.5%
No.14
Fe:1%
リモナイト
No.15
Fe:5%
No.16
Fe:10%
No.17
Fe:0.05%
塩化第二鉄 Fe:0.1%
No.18
溶液
No.19
Fe:0.5%
No.20
Fe:1%
ボードから厚紙を剥がし,更にリサイクルすることで最終
最大濃度(ppm)
42,000
7,600
1,200
350
160
17,000
3,700
5,400
12,500
6,800
410
800
20,700
3,200
1,500
470
13,000
22,000
34
15
処分量を減尐させる必要がある.しかし,埋立処分量を 0
にすることは出来ないため,埋立処分する際は有機性廃棄
物(有機汚泥,木材等)と同時に埋め立てないようにする
ことが重要である .
最終処分場での硫化水素ガス対策としては,覆土層に鶴
ヶ島土壌などの天然の含鉄土壌を用い,廃棄物層には燃焼
させた鉄粉廃棄物を混合する工法が有効である.また,硫
化水素ガスが発生してしまった処分場では,ボーリング孔
を空け,そこから塩化第二鉄溶液を注入する工法が有効と
考えられる.
参 考 文 献
1)
含鉄資材は全て有効であることが判明した.
4.3
追加実験
厚生省:廃棄物最終処分における硫化水素対策検討会報告書
骨子(2000)
審査委員(主査)
小野
4.2 節で全ての含鉄資材は有効であったが,旋盤切削切
指導教授
審査委員(副査)
八木田
粉は他の資材よりも抑制効果が低かった.鉄添加率 1%以
審査委員(副査)
雨宮
下では,硫化水素ガス濃度が対照区を超える時期もあった.
24
雄策
浩史
隆
教授
教授
教授
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