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あざやかな赤色ガラス「茜硝子」の紹介(PDF:1.09MB)

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あざやかな赤色ガラス「茜硝子」の紹介(PDF:1.09MB)
平成26年度 研究成果発表会
平成 26 年度
研究成果発表会
あざやかな赤色ガラス「茜硝子」の紹介
○ 大 久 保 一 宏 *1)、 増 田 優 子 *2)、 上 部 隆 男 *2)、 玉 巻 圭 子 *3)、 柴 田 憲 章 *3)
1. 目 的 ・ 背 景
ガラスの素材着色には、主に金属を用いたイオンまたはコロイド着色が多く利用されて
おり、金属の種類によって様々な色の着色が可能である。その中で暖色系に着色できるも
のは限られており、赤色の着色では、カドミウム、金、銅が主に利用されている。この 3
種類の色調は異なり、カドミウムはあざやかな赤色、金はピンクのような紫みの赤色、銅
は暗い赤色になる。そのため、色相や色調の点からは、それぞれを代替することはできな
い。この中で、カドミウムによるあざやかな赤色のガラスは高いニーズがあるが、カドミ
ウムが有害元素であるために、日本を含めた世界各国の食品衛生法などで厳しく規制され
ている。そのため、製品を製造したくてもしにくい状況になっている。
このような背景の中、有害元素を用いずにあざやかな着色ができる方法を見つけるため
に 、東 洋 佐 々 木 ガ ラ ス 株 式 会 社 と 共 同 で 研 究 開 発 を 進 め 、製 品 化 ・商 品 化 す る こ と が で き た 。
今 回 、そ の 共 同 研 究 開 発 品 で あ る「 茜 硝 子 」
( 都 産 技 研 が 使 用 す る 素 材 に 対 す る 名 称 で 、東
洋佐々木ガラス株式会社では、商品ごとに固有の名称を用いる)について紹介する。
2. 研 究 内 容
(1)実験方法
開発にあたっては、主に都産技研側が実験室レベ
ル の 小 規 模 熔 融( 200g 程 度 )で ガ ラ ス の ベ ー ス 組 成
や着色材の選定と添加量、熔融条件などについて検
討し、東洋佐々木ガラス株式会社側が製造レベルの
中 規 模 熔 融 ( 3kg 程 度 ) ・大 規 模 熔 融 ( 100kg 程 度 )
でスケールアップの影響などを踏まえた製造条件を
検討する形で分担して実施した。
(2)結果及び考察
主な着色材にモリブデンを用いて、小規模熔融に
て試作したサンプルを図 1 に示す。暖色系の黄色、
オレンジ色、赤色について、カドミウムを用いた着
色を目標の色としたが、概ね近い色調での着色を実
現できた。小規模熔融から導かれた調合組成を基に
中規模熔融、大規模熔融での試験を実施して製造段
階での課題を解決した。実際のガラス製造ラインで
の試作も終了し、安定した製造が可能であることが
実証できた。
黄
オレンジ
赤
目標の色
試 作品
図 1.
図 2.
目標の色と試作品
「 招 福 杯 ®富 士 山 金 あ か ね 」
3. 今 後 の 展 開
東 洋 佐 々 木 ガ ラ ス 株 式 会 社 に て 製 品 化 ・商 品 化 を 進 め 、 平 成 26 年 1
月 16~ 17 日 に 開 催 さ れ た ジ ャ パ ン グ ラ ス ウ ェ ア・ト レ ー ド シ ョ ウ 2014
に 出 品 し た 。 現 在 、「 招 福 杯 ® 富 士 山 金 あ か ね 」 と し て 製 造 ・販 売 さ れ
て い る( 図 2)。ま た 、こ の あ ざ や か な 赤 色 ガ ラ ス の 名 称 と し て 、都 産
技 研 で は「 茜 硝 子 」を 使 用 す る と と も に 商 標 を 取 得 し た( 図 3)。今 後
も 展 示 会 へ の 出 展 な ど 、 PR を 進 め る 予 定 で あ る 。
図 3.
都産技研が
使用する商標
*1)実 証 試 験 セ ク タ ー 、 *2)環 境 技 術 グ ル ー プ 、 *3)東 洋 佐 々 木 ガ ラ ス 株 式 会 社
H20.10~ H22.9【 共 同 研 究 】 有 害 元 素 を 含 ま な い 着 色 ガ ラ ス の 開 発
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