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赤外域における放射照度分布測定の検討(PDF:918KB)
平成26年度 研究成果発表会 平成 26 年度 研究成果発表会 赤外域における放射照度分布測定の検討 ○ 磯 田 和 貴 *1)、 中 島 敏 晴 *1)、 澁 谷 孝 幸 *1) 1. 目 的 ・ 背 景 近年、赤外放射を利用した加熱手法が一般に普及している。その加熱の量的特性は、被 照 射 面 を 単 位 面 積 あ た り に 通 過 す る エ ネ ル ギ ー 量 を 表 す 放 射 照 度( 単 位:W/m 2 )に よ り 評 価することができる。一方で、その放射照度の空間的な分布の測定に関しては、手法や問 題点について詳細な検討がなされた例は少ない。そこで本研究では、相対的な放射照度分 布の測定を目的に、熱型検出素子を多点で配置する手法について検討を行った。 2. 研 究 内 容 (1)実験方法 測定系を図 1 に示す。試作した金属治具を用 い た 熱 型 検 出 素 子 ( MIR-1002S : 感 度 波 長 1m~18m、SSC( 株 )製 )を 1 次 元 的 に 配 置 し 、 出 力 を A/D 変 換 器 に よ り 取 り 込 ん だ 。ま た 、測 定サンプルは、1 軸自動ステージ上に設置し、 任 意 の 離 間 距 離 で の 測 定 を 可 能 と し た 。 A/D 変 換器及び自動ステージは、コンピュータ制御に より距離毎の放射照度分布の測定が可能である。 なお、本研究では、測定サンプルとして出力 300W の 家 庭 用 暖 房 機 を 用 い た 。 測定 サンプル 検出素子n A/D変換器 一軸ステージ 制御PC 図 1. 放射照度分布測定系 相対放射照度 水 平 距 離 [ mm] (2)結果及び考察 サンプル正面での測定値を 1 と して計算した場合の、相対放射照 度分布測定結果を図 2 に示す。な お、サンプル正面と検出面との距 離を離間距離とし、その検出面で のサンプル正面を原点とした水 平方向の距離を水平距離とした。 測定結果から、離間距離の増加 に従い、赤外放射が広がっていく 分布を確認した。このとき、正面 での測定値の時間的な安定性は± 3% /30min で あ り 、測 定 基 準 と し た 放 射 計( E-6、Eppley Laboratory Inc. 製 ) と の 測 定 値 の 差 は 約 5% 以 内 であった。 検出素子1 離 間 距 離 [mm] 図 2. 放射照度分布測定結果 3. ま と め ・ 今 後 の 展 開 熱型検出素子による多点放射照度分布測定手法を検討した。家庭用の暖房機を測定サン プルとして実際に測定し、その相対放射照度分布を明らかにした。本研究成果は、暖房や 樹脂の加熱など赤外放射加熱を利用する分野での広い活用が期待できる。今後は、より熱 量の大きい至近距離での分布測定や面積の広い対象物の測定を可能とするために検討を重 ねる。 *1)光 音 技 術 グ ル ー プ H24.4~ H25.3【 基 盤 研 究 】 放 射 照 度 分 布 測 定 手 法 の 開 発 | 102 |