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衣笠禄栄会 琵琶湖例会
衣笠禄栄会 琵琶湖例会 福 井 (養蚕科 ス 忠 勝 昭和26年卒) マ 養蚕科 26 年卒と 28 年卒の合同クラス会であ 格が漂う。都久夫須磨神社の本殿は伏見城の遺 る「衣笠禄栄会」は毎年一回、全国持ち回りで 構で棧唐戸の彫刻は立派で国宝にふさわしい。 気楽に開催している。今年は京都 A 班が幹事 船内ではびわこボランティアグループの人達 となって、長く続いた猛暑が少し下火になった が湖岸に自生する葦草で作った笛で琵琶湖にま 9 月 11 日㈯遊覧船で琵琶湖周航にでかけるこ つわる歌を次々と演奏し我々を楽しませてくれ ととなった。傘寿を越した者とは思えぬくらい た。 元気な姿で全国から 14 名 (前夜泊まり 5 名あ り)遠くは札幌からも参加してくれた。 午前 9 時 30 分リオ・グランデ号に乗船し浜 大津港を出航した。左には比叡山、右には近江 “遠くかすむは彦根城 三井の晩鐘 千鳥” 音絶えて 波に暮れゆく竹生島 なにすすり鳴く浜 (びわこ周航の歌より) ミ カミヤマ 富士と呼ばれる美しい三上山を眺めながら船は 北へと進む。気がかりだった湖面の藻草が徐々 ジッと目を閉じて演奏を聴くうちに勝手に口 に消え、水がきれいになっていく。左手に浮御 ずさんでいた。日本一大きな湖の上をのんびり 堂をみて琵琶湖大橋をくぐり抜けた頃から水深 と船を走らせていると自然に明治時代にタイム 40m と深くはないが湖面が段々と澄み切って スリップし逞しく生き抜いた近江商人の晴れ姿 いく。 を想い浮かべていた。比良の山々から吹きおろ 最初の上陸地は沖の島。周囲 6.8km、450 名 す涼しい風に秋が近づきつつあることを感じな の人が住んでいて漁業中心の暮らしと聞く。湖 がら終点の長浜港へ上陸した。5 時間ばかりの 沼の島で人が住む例は世界でも少なく、学術的 船旅だったが絶好の天気に恵まれ、今更ながら にも注目されているらしい。更に北へ進むと湖 琵琶湖の偉大さを感じ満喫することが出来た。 面に突出した「沖のしら石」と呼ばれる四つの 来年度例会の世話人も全員の合意で内定した。 裸岩が我々を迎えてくれる。その頃右手には泰 京都嵐山で豪商角倉了以翁の別邸を借りて開催 然とした姿の多景島が目に入る。昔、竹が茂っ することとなった。元気な姿で再会することを ていたので別名竹島とも云うらしい。湖面は 誓い合いながら散会した。 徐々に濃さを増し最も深い 104m 地点を通過す る。 楽しみの昼食は船内弁当、ビールで乾杯。喉 を潤しそれぞれの席で昔話がはずんでいる。船 は更に北へ進み、“竹に生まるる鶯の竹生島詣 急がん…”と謡曲でうたわれている竹生島もう でを強行した。古くから信仰を集めてきた竹生 島には国宝や重要文化財が数多く点在する。湖 岸から 6km の沖合いに浮かぶ周囲 2km の小島。 165 段の急勾配の石段が我々を苦しめる。大弁 才天を祀る宝巌寺。唐門や船廊下など 1300 年 前に行基上人が開いた古刹であちらこちらに風 会 誌 17