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【図2-9】生活で困っていること(複数回答) 資料:平成19年度高齢者実態

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【図2-9】生活で困っていること(複数回答) 資料:平成19年度高齢者実態
【図2-9】生活で困っていること(複数回答)
12.3%
買 い物が大 変である
15.6 %
ふ とん干しなど大物の取 り扱いが大 変である
7.2%
墓参りが大 変である
12.0%
通院が大 変である
8.4%
役所の手続きな どが大 変である
相談相 手がいな い
1. 4%
同居者との関係 が難しい
0.9%
0.3%
財 産管理をまか せてもらえな い
2.8%
寂しい、生 活に張りがな い
10.4%
経済的に苦しい
1. 2%
その他
5 3. 3%
特にな い
0%
10%
20%
30%
4 0%
50%
60%
70%
資料:平成19年度高齢者実態調査
【図2-10】1週間あたりの外出頻度
ほとんど
外出しな
い
7.3%
週に1~2
回
26.8%
ほとんど
毎日
42.2%
週に3~4
回
23.7%
資料:平成19年度高齢者実態調査
【図2-11】自宅以外でよく過ごす場所(複数回答)
友人・親 戚の家
3 2.1%
勤 め先・ 仕事場
10 .9 %
医 療機関
8 .6 %
デパート・ スーパ ー・コンビニ
11 .0 %
娯 楽施設
3 .1 %
福 祉施設( 老人福祉セ ンターなど)
3 .1 %
図書館
1 .3 %
趣味活 動を行う場所
14 .1 %
市 町村が行って いる学級等
3.5 %
老人クラブの活動
8. 9%
そ の他
6 .4%
特にな い
28 .0 %
0%
1 0%
2 0%
3 0%
4 0%
料:平成19年度高齢者実態調査
-20-
3
生きがいの状況
平成19年度高齢者実態調査によると, 図2-12のとおり,高齢者が生きがいを感じることは
「働くこと」が41.6%で最も高く,「近所の人や友人,知人とのつきあい」が 41.1%,「趣味
活動」が22.8%,「孫の世話や家族との交流」が21.3%の順となっています。
性別では,男性では「働くこと」が,女性では「近所の人や友人,知人とのつきあい」が第1
位となっています。
また,図2-13のとおり,働いている人の就労理由は「健康によいから」が37.1%で,「収入
を得たいから」が30.9%で,「生きがいを得たいから」が15.2%となっています。
【図2-12】高齢者が生きがいを感じること(複数回答)
60.0
(%)
48.0
50.0
41.6
40.0
36.9
20.0
10.0
女性
22.9
23.0
21.319.8 19.9
16.7
11.1
11.0 11.0
6.5
2.3
6.8 8.8 5.2 4.9
3.6 2.6 2.8
特 にな し
そ の他
知 識 や技 能 を 活 か し
た活動
自 治 会 等 の活 動
買 い物 や 旅 行
孫 の世 話 や 家 族 と の
交流
近 所 の 人 や 友 人 、知
人 と の つき あ い
ボ ラ ン テ ィア
老人ク ラブ
子 供 た ち と の交 流
見守り活動
趣味活動
スポ ー ツ や レク レー
シ ョ ン活 動
学 習 や教 養
働 く こと
0.0
男性
32.4
26.1
22.8
20.3
17.6
15.6 14.9 16.3
15.1 13.2
6.6 6.1 7.1
5.6 5.9 5.5
3.5 3.1 3.8 2.42.52.4
30.0
全体
48.8
41.1
資料:平成19年度高齢者実態調査
【図2-13】高齢者の就労理由
何もしないで居ると
退屈だから
10.6%
その他
2.3%
健康によいから
37.1%
生きがいを得たい
から
15.2%
自分の能力を活か
したいから
3.4%
友人が欲しいから
0.5%
収入を得たいから
30.9%
資料:平成19年度高齢者実態調査
-21-
4
就業の状況
平成19年就業構造基本調査によると,65歳以上の就業者数は97,700人で,65歳以上人口
444,842人のうち22.0%が何らかの仕事に従事しており,これを性別にみると,男性は
176,622人のうち57,000人(32.3%),女性では268,220人のうち40,700人(15.2%)
が就業しています。
また,従業上の地位別割合をみると,雇用者37.4%,自営業主45.8%,家族従業者16.8%と
なっており,全国平均(雇用者52.9%,自営業主35.9%,家族従業者11.2%)に比べ,雇用者
の割合が低く,自営業主の割合が高くなっています。
65歳以上の高齢者の就業構造は図2-14のとおりで,第1次産業48.1%,第2次産業12.4%,
第3次産業38.9%となっており,全国平均(第1次産業21.6%,第2次産業20.1%,第3次産
業55.3%)に比べ,第1次産業就業者の割合が著しく高く,第2次及び第3次産業就業者の割合
が低くなっています。
【図2-14】65歳以上の高齢者の就業構造
分類不能の産業
0.6%
サービス業
11.2%
第3次産業
38.9%
第1次産業
農業 48.1%
46.1%
卸売・小売業
11.7%
製造業
6.8%
第2次産業
12.4%
資料:平成19年就業構造基本調査
-22-
5
健康の状況
①
健康状態
日常生活の状況
平成19年度高齢者実態調査によると,高齢者の日常生活については,「大変健康」
又は「普通に生活している」と回答した人が49.6%,また,「日常生活・外出も一人
で可能」と回答した人が44.0%となっています。
性別では回答傾向に大きな差はありませんが,年齢別にみると,特に「85歳以上」
で「何らかの病気や障害などがあって,家の中での生活はおおむね自分で行っているが
外出は一人でできない」が16.3%と多くなっており,加齢に伴いなんらかの支援や介
助が必要になっています。
【図2-15】日常生活の状況
全体
6.4
65~69歳
8.2
70~74歳
7.0
75~79歳
4.7
80~84歳
5.3
43.2
53.3
0%
50.0
51.0
33.5
5.5
85歳以上
20%
大変健康
外出は一人でできない
30%
40%
50%
普通に生活している
日中もベッド上が中心
2.6
16.3
60%
1.0
9.1
44.9
29.1
10%
0.4
3.4 0.2
0.6
5.9 0.2
43.3
38.6
70%
0.3
0.1
2.5 0.1
35.7
45.8
0.6
5.5
44.0
80%
90%
0.2
1.6
100%
日常生活・外出も一人で可能
一日中ベッドの上にいる
資料:平成19年度高齢者実態調査
②
治療・通院の状況
ア 平成19年度高齢者実態調査によると,高齢者の治療状況については,現在治療を
受けている病気が「ある」と回答した人は,78.5%であり,「ない」は21.5%とな
っています。
性別では回答傾向に大きな差はありませんが,年齢別にみると,「65~74歳」で
73.3%,「75歳以上」で85.0%が治療を受けている病気が「ある」と回答してい
ます。
【図2-16】治療状況
78.5
全体
21.5
73.3
65~74歳
26.7
85.0
75歳以上
0%
20%
40%
15.0
60%
治療を受けている病気あり
80%
100%
なし
資料:平成19年度高齢者実態調査
-23-
イ
高齢者の治療状況を疾病別にみると,「高血圧」54.4%,「心臓病」15.1%,
「高脂血症・高コレステロール血症」13.4%の順となっています。
年齢別では,年齢にかかわらず「高血圧」が最も多くなっていますが,「65~74
歳」では「高脂血症・高コレステロール血症」15.0%,「75歳以上」では「心臓
病」17.9%が2番目に多い疾病となっています。
【図2-17】高齢者の治療状況(疾病別内訳)
(重複回答)
54.4%
高血圧
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)
5.5%
15.1%
心臓病
糖尿病
11.7%
13.4%
高脂血症・高コレステロール血症
悪性新生物(がん)
2.5%
4.3%
肝臓病・肝機能障害
呼吸器疾患(気管支炎・気管支喘息)
5.7%
転倒による骨折・外傷等
5.2%
1.0%
うつ病
7.0%
歯周病・義歯調整等
18.8%
その他
不明
1.2%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
資料:平成19年度高齢者実態調査
【図2-18】高齢者の治療状況(疾病別・年齢(65~74歳,75歳以上)別内訳)
(重複回答)
52.7 56.3
高血圧
5.9
5.1
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)
心臓病
12.4
10.1
13.1
11.7 15.0
糖尿病
高脂血症・高コレステロール血症
17.9
2.5
2.6
3.8
4.8
6.5
5.0
4.36.2
悪性新生物
肝臓病・肝機能障害
呼吸器疾患(気管支炎・気管支喘息)
転倒による骨折・外傷等
0.9
1.2
うつ病秒
5.9
歯周病・義歯調整等
8.0
17.720.0
その他
1.2
1.2
不明
0.0
10.0
20.0
65~74歳
30.0
40.0
50.0
60.0
75歳以上
資料:平成19年度高齢者実態調査
-24-
ウ
通院回数は,「月に1~2回通院している」が86.3%,次に「1週間に1~2回
通院している」が9.8%,「1週間に3回以上通院している」は3.9%となっていま
す。
また,性別・年齢別では,回答傾向に大きな差はみられませんでした。
【図2-19】通院回数
86.3
全体
9.8
88.0
65~74歳
75歳以上
8.4
84.7
0%
20%
11.2
40%
月に1~2回通院している
60%
1週間に1~2回通院している
80%
3.9
3.6
4.1
100%
1週間に3回以上通院している
資料:平成19年度高齢者実態調査
③
健康のために気をつけている状況等
平成19年度高齢者実態調査によると,図2ー20のとおり健康のために気を使っていること
として「食事」82.1%,「睡眠や休養」61.5%,「運動」43.9%となっています。
また,図2ー21のとおり健康について知りたいことでは,「生活習慣病にならないための工
夫」44.4%,「望ましい食生活」32.4%,「認知症について」19.0%となっています。
図2ー22のとおり健康づくりのために運動を習慣的(定期的)に行っている人は46.4%で,
喫煙については,9.6%が「吸っている」と回答しています。
【図2-20】健康のために気をつけていること (重複回答)
82.1%
食事に気をつけている
運動をしている
43.9%
61.5%
睡眠や休養を十分とるようにしている
規則正しい生活をするようにしている
41.9%
ストレスをためこまないようにしている
32.2%
その他
1.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
資料:平成19年度高齢者実態調査
-25-
【図2-21】健康のために知りたいこと(重複回答)
がんや脳卒中などの生活習慣病にならないための工夫について
44.4%
望ましい食生活について
32.4%
運動の方法について
17.3%
ストレスのことや休養について
16.3%
検診の内容や受け方などについて
12.0%
寝たきり予防について
16.1%
6.8%
歯の健康について
介護予防について
9.8%
認知症について
19.0%
その他
0.8%
16.7%
特にない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
資料:平成19年度高齢者実態調査
【図2-22】健康づくりのために,運動を習慣的
(定期的)に行っているか
【図2-23】現在,たばこを吸っているか
健康上の
理由で運
動ができ
ない
12.8%
運動の習
慣がない
40.8%
吸って
いる
9.6%
運動の習
慣がある
46.4%
吸って
いな い
90.4%
資料:平成19年度市町村高齢者実態調査
資料:平成19年度市町村高齢者実態調査
-26-
入院・入院外患者受診状況等
本県の受療率を年齢階級別に見ると,0~4歳と55歳以上が入院・外来ともに高くなっています。
特に入院においては,55~64歳,外来では65歳以上で急増傾向にあります。
一方,歯科においては,逆に低くなる傾向が見られます。
【図2-24】本県の年齢階層別入院・外来・歯科外来受領率(人口10万対)
1 6 ,0 0 0
1 4 ,0 0 0
1 2 ,0 0 0
1 0 ,0 0 0
入院
8 ,0 0 0
外来
6 ,0 0 0
4 ,0 0 0
歯科外来
2 ,0 0 0
0
入院
外来
歯科外来
①
0~ 4
歳
5~ 14 15~ 24 25~ 34 35~ 44 45~ 54 55~ 64 65~ 74 75歳 以
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
上
579
7,060
487
192
2,835
543
259
1,915
459
527
2,984
759
683
3,229
889
1,285
4,407
1,304
2,074
6,942
1,550
3,221 7,610
11,793 13,462
1,505
795
入院患者の状況
平成17年の「患者調査」によると,県においては,65歳以上の入院患者数は23.7千人で,
65歳以上人口(平成17年10月1日現在434,559人)の5.5%を占めています。
なお,全国の65歳以上の入院患者数は875.7千人で,65歳以上人口の3.7%となってい
ます。
疾病別の構成比(県計)は,65歳未満では,「精神及び行動の障害」が47.5%と最も多い
ですが,65歳以上では「循環器系の疾患」が27.0%と最も多く,次いで「精神及び行動の障
害」17.3%,「損傷,中毒等」10.0%,「新生物」8.9%,「神経系の疾患」8.0%,「筋
骨格系及び結合組織の疾患」6.3%となっています。
【表2-15】入院患者の状況(県計)
(単位:千人,%)
疾 病 分 類
65歳以上
65歳未満
循環器系の疾患
6.4 ( 27.0)
0.7 ( 6.0)
精神及び行動の障害
4.1 ( 17.3)
5.5 ( 47.5)
損傷,中毒等
2.4 ( 10.0)
0.8 ( 6.9)
新生物
2.1 ( 8.9)
0.8 ( 6.9)
神経系の疾患
1.9 ( 8.0)
0.5 ( 4.3)
筋骨格系及び結合組織の疾患
1.5 ( 6.3)
0.5 ( 4.3)
呼吸器系の疾患
1.2 ( 5.1)
0.3 ( 2.6)
消化器系の疾患
1.0 ( 4.2)
0.4 ( 3.4)
尿路性器系の疾患
0.8 ( 3.4)
0.2 ( 1.7)
感染症及び寄生虫症
0.7 ( 3.0)
0.1 ( 0.9)
内分泌,栄養及び代謝系
0.7 ( 3.0)
0.2 ( 1.7)
その他
0.9 ( 3.8)
1.6 ( 13.8)
合
計
23.7 (100.0)
11.6 (100.0)
(注)( )は,合計に対する構成比である。
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「平成17年患者調査」
-27-
②
入院外の受診状況
平成17年患者調査によると,県においては,65歳以上の入院外の受診者数は54.9千人で,
65歳以上人口(平成17年10月1日現在434,559人)の12.6%を占めています。
なお,全国の65歳以上の入院外の受診者数は2,712.8千人で,65歳以上人口の11.5%
となっています。
疾病別の構成比(県計)は,65歳未満では,「消化器系の疾患」が22.3%と最も多く,
次いで「呼吸器系の疾患」17.0%,「循環器系の疾患」8.8%の順となっていますが,65歳
以上では,「循環器系疾患」が最も多く25.1%,「筋骨格系及び結合組織の疾患」22.0%,
「消化器系の疾患」10.4%,「眼及び付属器の疾患」7.1%となっています。
【表2-16】入院外の受診状況(県計)
(単位:千人,%)
疾 病 分 類
65歳以上
65歳未満
循環器系の疾患
13.8 ( 25.1)
4.7 ( 8.8)
筋骨格系及び結合組織の疾患
12.1 ( 22.0)
3.9 ( 7.3)
消化器系の疾患
5.7 ( 10.4)
11.9 ( 22.3)
眼及び付属器の疾患
3.9 ( 7.1)
1.8 ( 3.4)
内分泌,栄養及び代謝系の疾患
3.2 ( 5.8)
1.9 ( 3.6)
呼吸器系の疾患
2.4 ( 4.4)
9.1 ( 17.0)
尿路性器系の疾患
1.9 ( 3.5)
2.0 ( 3.7)
損傷,中毒症等
1.8 ( 3.3)
3.2 ( 6.0)
新生物
1.7 ( 3.1)
1.1 ( 2.1)
感染症及び寄生虫
1.6 ( 2.9)
2.0 ( 3.7)
神経系の疾患
1.4 ( 2.6)
1.0 ( 1.9)
皮膚及び皮下組織の疾患
0.9 ( 1.6)
1.7 ( 3.2)
精神及び行動の障害
0.7 ( 1.3)
2.1 ( 3.9)
その他
3.8 ( 6.9)
7.0 (13.1)
合
計
54.9 (100.0)
53.4 (100.0)
(注)( )内は「合計」に対する構成比である。資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「平成17年患者調査」
③
歯科受療の状況
平成17年患者調査によると,本県の65歳以上の患者総数は3.3千人で,65歳以上人口
(平成17年10月1日現在434,559人)の0.8%を占めています。
なお,全国の65歳以上の患者総数は228.8千人で,65歳以上人口に占める割合は0.9%
となっています。
疾患別(県計)にみると,「その他の歯及び歯の支持組織の障害」が65歳以上が51.5%,
65歳未満が42.6%と最も多くなっています。
【表2-17】歯科受療の状況(県計)
(単位:千人,%)
疾
患
名
65歳以上
65歳未満
歯肉及び歯周疾患
1.0 ( 30.3)
2.8 ( 27.7)
う
蝕
0.6 ( 18.2)
3.0 ( 29.7)
その他の歯及び歯の支持組織の障害
1.7 ( 51.5)
4.3 ( 42.6)
合
計
3.3 (100.0)
10.1 (100.0)
(注)( )内は「合計」に対する構成比である。
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「平成17年患者調査」
-28-
老人医療費の現状
我が国の国民医療費は,近年の急速な高齢化や医療の高度化により,年々増加し,特に,老
人医療費は国民医療費全体の約4割に達しようとしており,医療保険財政を圧迫する大きな要
因となっています。
本県の老人医療費も,平成11年度までは年々増加していましたが,平成12年からは介護保
険制度の導入(平成12年4月)や高齢者医療制度の改正(平成14年10月)等の影響で,
2,400億円程度で推移しています。
なお,1人当たりの老人医療費は,平成4年以降,全国平均を上回って推移しています。
【図2-25】老人医療費の推移(本県)
1人 当 た りの 老 人 医 療 費
(千 円 )
1,200
老 人 医 療 費 (億 円 )
3 ,0 0 0
2,648
2,441
1,000
2,458
2,379
2,281
2,427
2,393
2,417
2,377
2,347
2 ,5 0 0
2,124
1,898
800
2 ,0 0 0
1,708
1,537
600
1 ,5 0 0
400
695
743
798
885
859
912
957
830
829
799
814
900
843
916
1 ,0 0 0
200
5 00
0
0
5年 度
6年 度
7年 度
8年 度
9年 度
10年 度 11年 度 12年 度 13年 度 14年 度 15年 度 16年 度 17年 度 18年 度
1人 当 た りの 老 人 医 療 費 (千 円 )
老 人 医 療 費 (億 円 )
資料:厚生労働省保険局「老人医療事業年報」
【図2-26】1人当たりの老人医療費の推移
入院(食事含む)
全体医療費県平均
(千円)
1,000
859
885
入院外(調剤含む)
全体医療費全国平均
歯科(食事含む)
912
957
900
829
814
830
900
916
780
821
832
478
518
529
843
799
800
700
782
790
801
600
832
758
757
737
442
448
435
355
356
338
336
340
356
362
475
753
453
451
462
337
355
362
18
19
18
20
20
20
19
18
18
18
17
8年度
9年度
10年度
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
500
453
400
384
300
200
100
0
資料:厚生労働省保険局「老人医療事業年報」
-29-
要介護(要支援)認定状況
高齢者人口の増加に伴って,要介護(要支援)認定を受けている高齢者(要介護認定者)は,
年々増加傾向にあり,平成20年3月末現在の要介護認定者は80,932人となっています。
65歳以上人口に占める割合(認定率)は,県全体で18.2%と,全国平均の15.9%より高く,
特に,全国平均と比べると軽度者(要支援1から要介護1まで)の割合が高くなっています。
認定率は,平成15年度には18.7%に増加しましたが,それ以降は,ほぼ横ばいの状況にあ
ります。
なお,今後も高齢化の進展に伴い,要介護認定者は一層増加すると見込まれます。
【表2-18】要介護(要支援)認定者の状況
(単位:人)
第1号被
区分
第1号被
要支援
要支援
経過的
要介護
要介護
要介護
要介護
要介護
保険者数
1
2
要介護
1
2
3
4
5
(A)
本県
13,513
10,508
16.7%
13.0%
全国 27,511,882 540,844 605,661
12.4%
同日
占める割
13.8%
111
13,880
11,812
11,884
9,962
9,262
80,932
0.1%
17.2%
14.6%
14.7%
12.3%
11.4%
100.0%
合(B/A)
18.2%
1,681 747,421 767,625 678,775 555,919 478,750 4,376,676
0.1%
17.1%
17.5%
15.5%
12.7%
10.9%
100.0%
15.9%
介護保険事業状況報告(平成20年3月分)による。
要介護(要支援)認定者数は第1号被保険者のみ。
経過的要介護とは,平成18年4月1日の改正介護保険法施行日に旧要支援者であり,
に新たな要介護認定を受けたとみなされた場合の区分である。
【図2-27】要介護(要支援)認定者数等の状況
要介護 (要支 援)認定 者数(人 )
9 0 ,0 0 0
8 0 ,0 0 0
7 0 ,0 0 0
6 0 ,0 0 0
5 0 ,0 0 0
4 0 ,0 0 0
3 0 ,0 0 0
2 0 ,0 0 0
1 0 ,0 0 0
0
保険者に
(B)
445,870
(注)1
2
3
合計
1 5 .3
62,530
(単位:人)
要介護(要支援)認定者数等の状況
16,4
68,373
17,9
7 6 ,0 7 4
要介護認定 率(% )
2 0.0
1 8 ,1
18,2
1 8 ,7
18,5
18,5
8 0 ,2 9 1
81,167
8 0 ,9 3 2
7 9 ,9 7 1
79,994
1 8.0
1 6.0
1 4.0
1 2.0
1 0.0
8 .0
6 .0
4 .0
2 .0
0 .0
平成 12年度 平成 13年度 平成 14年度 平成 15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
要介護( 要支援) 認定者数
要介護認定率
資料:県介護保険課調べ(各年度3月分介護保険事業状況報告)
-30-
第3章
第1節
計画の基本的な方向
基本理念
この計画の基本理念は、
『心豊かで活力ある長寿社会を目指して』
∼高齢者が住み慣れた地域で生きがいを持ってすこやかで安心して暮らせる長寿社会の実現
とします。
高齢者を取り巻く環境変化と時代潮流,現状と将来推計,本県の地理的特性及び市町村高齢者実態
調査,県政モニターアンケート調査等の結果を踏まえ,本県の目指す将来像として,健康で長生きし,
自己の役割を認識・発揮することにより,主体的な活動が活発になり,みのりの多い人生を送れる「高
齢者像」と,住み慣れた地域で,元気で長生きし,社会に参加し,役割を持ち,互いに認め合い,心
豊かに暮らし,互いに助け合い,共に支え合う「高齢社会像」を設定しました。
このような「高齢者像」と「高齢社会像」を念頭に置いて,高齢者が住み慣れた地域で生きがいを
持ってすこやかで安心して暮らせる長寿社会の実現を目指します。
第2節
政策目標
県計画の基本理念を実現するため,次の3点を基本的な政策目標とします。
■
■
■
生きいきと暮らせる長寿社会づくり
高齢者が生きがいを持って,すこやかで心豊かに暮らせる地域社会の実現
安心して暮らせる長寿社会づくり
いつでも,どこでも,だれでも保健・医療・福祉の総合的なサービスを受けられる地域社会
の実現
支え合って暮らせる長寿社会づくり
互いに認め合い,助け合い,共に生きる地域社会の実現
-31-
第3節
施策の展開
■重点目標
今回の計画においては,「地域を支えるマンパワーとしての元気高齢者」を増やすとともに,高
齢者が住み慣れた地域で生きがいを持ってすこやかで安心して暮らせる長寿社会の実現を目指し,
次の二つの重点目標とし,各種施策の有機的な連携を図りながら目標の達成に取り組みます。
● 健康づくり・介護予防対策の推進
● 高齢者の生活を地域で支える仕組みづくり
【図3-1】
重点目標のイメージ
基本理
基
本理 念
心豊かで活力ある長寿社会を目指して
政 策目標
安心して
暮らせる
生きいきと
暮らせる
支え合って
暮らせる
計画の重点 目標
○高齢者の生活を
地域で支える
仕組づくり
○健康づくり・
介護予防対策
の推進
マンパワーとしての
元気高齢者の活用
施策の展開
①高齢者の積極的な
社会参加の推進
④多様な介護サービスの提供と
質の確保・向上
⑦高齢者の快適で安全な
生活の確保
②健康づくり・疾病
予防の推進
③介護予防・地域
支援の推進
⑤認知症高齢者対策
の推進
⑧高齢者医療の適切な推進
⑥人材の育成
・確保
⑨計画の推進
高齢者の現状
高齢化率 26.0%
(全国7位)
高齢者の増加
→ 活動的な高齢者の
増加
健康について知りたいこと
→ 生活習慣病予防(44.4%)
一人あたりの
老人医療費が高い
(H18 全国8位)
高齢者の約2割が
要支援・要介護者
介護を受けたい場所
→ 在宅(49.9%)
一般世帯に占める高齢単身世帯率 13.4%
〃 高齢夫婦世帯率 13.1%
(ともに全国1位)
生きがいを感じること
→ 働くこと(41.6%)
近所の人や友人とのつきあい(41.1%)
-32-
認知症高齢者の増加
(H20推計 約57,000人)
■主要施策
基本的な政策目標や重点目標を達成するため,次のような施策を展開します。
1
高齢者の積極的な社会参加の推進
【背景】 高齢者の豊富な知恵や技能を,各産業分野やボランティア・NPO活動をはじめとす
る社会活動に,主体的・積極的に生かすことができるよう,地域社会における環境づ
くりを推進することが求められています。
【内容】 高齢者が,長年の経験の中で培ってきた知識や技能を生かして,社会の重要な一員
として様々な社会活動へ参加することや,就労及び生きがいづくり等に取り組めるよ
うな環境の整備を図るための施策を推進します。
2
健康づくり・疾病予防の推進
【背景】 生活習慣病による死亡者は本県の全死亡者の約6割を占めており,要介護状態にな
る原因疾患としても生活習慣病によるものが多いことから,高齢者が健康で,生きが
いを持って心豊かに生活できるような施策を推進することが求められています。
【内容】 生活習慣病等を原因とした要医療・要介護状態に陥ることを予防することや,健康
寿命の延伸及び生活の質の向上を図るためには,若い世代からの取組が重要であるこ
とから,生涯を通じた主体的な健康づくりや疾病予防の取組の施策を推進します。
3
介護予防・地域支援の推進
【背景】 一人暮らし高齢者,高齢者夫婦世帯の割合が増加することが予想されることから,
在宅での自立した生活が維持できるように取り組むことや,生活機能の維持・向上の
ため,各種事業を積極的に推進し,要支援・要介護状態への進行を防止する施策が求
められています。
【内容】 要介護状態の発生や悪化をできる限り防ぐとともに,要介護状態となっても自立し
た生活を維持できるよう,一人ひとりの状態に応じたサービスの提供や支援,及び高
齢者や障害のある方が住み慣れた地域で尊厳を持って安心して暮らしていけるよう地
域ケア体制の充実のための施策を推進します。
4
多様な介護サービスの提供と質の確保・向上
【背景】 要介護認定者が増加することが予想されることから,在宅生活者への支援の強化を
はじめ,利用者の多様なニーズに対応できる施策を推進することが求められています。
【内容】 「予防重視型システム」への転換を図る中で,介護や支援を必要とする高齢者に対
する適切なサービス提供基盤の整備の推進や介護サービスの質の確保・向上を図るた
めの施策を推進します。
5
認知症高齢者対策の推進
【背景】 認知症高齢者の増加が予想されることから,認知症高齢者が住み慣れた地域で尊厳
ある生活を営むために,家族や住民の理解を図るとともに,適切なケアと地域全体で
支え合う体制づくりが求められています。
【内容】 認知症の予防,早期発見・早期対応のシステムを構築するとともに,認知症高齢者
が尊厳を保ち穏やかな生活を送り,また,その家族も安心して社会生活を営むことが
できるようにするための施策を推進します。
6
高齢者の快適で安全な生活の確保
【背景】 高齢者が住み慣れた地域で安心して快適に暮らしていくために,住みよい住環境や
防犯・防災対策等が確保された生活環境の整備が求められています。
【内容】 高齢者が,住み慣れた地域や家庭で,快適で安全な生活を送れるようにするための
施策を推進します。
7
人材の育成・確保
【背景】 高齢者が求める保健・医療・福祉に関するニーズに,適切に対応するサービスを提
供できる資質を備えた人材の育成・確保が求められています。
【内容】 高齢者が,質の高い保健・医療・福祉に関するサービスを適時,的確に受けられる
ようにするため,これらのサービスに従事する人材の育成・確保を図るための施策を
推進します。
8
高齢者医療の適切な推進
【背景】 医療保険制度を持続可能なものとしていくため,増大する高齢者医療費が適切なも
のとなるような対策が求められています。
【内容】 高齢者にとって安心できる医療の給付など,医療保険制度の安定的な運営を図ると
ともに,生活習慣病等の予防や医療の効率的な提供を推進し,増大する高齢者医療費
が適切なものとなるような施策を推進します。
9
計画の推進
【背景】 計画の推進に当たっては,行政,住民,保健・医療・福祉の関係者,民間団体など
が密接に連携し,一体となって総合的に取り組んでいくことが必要です。
【内容】 計画を効果的に推進していくための方策を定め,適切な進行管理を行います。
-33-
鹿児島すこやか長寿プラン2009
2015年の推計データ
■県人口 1,656千人 (H17比 △5.5%)
■高齢者人口 479千人(H17比 +10.1%)
■高齢化率 28.9%(H17:24.8%)
■高齢世帯数,高齢世帯割合
高齢単身世帯数 121千世帯,16.8%
高齢夫婦世帯数 118千世帯,16.4%
■要支援/介護認定者数 96千人
■認知症高齢者数 64千人
本県の保健
福祉の現状
■高齢化率が高い
(H19:全国7位)
■一般世帯に占め
る
高齢単身・
夫婦世帯率が高
い
(H17:全国1位)
■1人当たりの
老人医療費が高
い
(H18:全国8位)
本県の目指
す
高齢者像
健康で長生き
し,
本県の特性
自己の役割を
認識・発揮す
ることにより,
主体的な活動
が活発になり,
■温暖な気候
■豊かな自然
■固有の伝統文化
■ゆったりとした
環境
みのりの多い
人生を送れる
■長寿地域である
奄美地域の存在
心豊かで
■地理的条件や自然
条件の厳しい離島
地域の存在
活力ある
長寿社会
高齢者を取り巻く環境変化と
時代潮流
■本格的な高齢社会の到来
(団塊の世代→高齢者世代へ突入)
■高齢単身・夫婦世帯の増加
■認知症高齢者の増加
■活動的な高齢者の増加
■高齢者の価値観の多様化,生活様式の変化
■女性の社会進出と共働きの増加
■少子化の進行
■医療制度改革
高齢者実態調査等の結果
■一般高齢者調査
・日常生活の様子→日常生活・外出も一人で可能(44.0%)
・生きがいを感じること
→ 働くこと(41.6%)
近所の人や友人,知人とのつきあい(41.1%)
・健康について知りたいこと →生活習慣病予防(44.4%)
・介護を受けたい場所 →在宅(49.9%)
■在宅要介護(要支援)者・施設入所者調査
・要介護状態になった原因疾病
→要介護5の47.2%が脳卒中
・今後の介護に対する意向(在宅要介護(要支援)者)
→在宅で介護(75.4%)
■県政モニターアンケート
・高齢者が安心して暮らすために必要だと思うこと
→保健・医療・福祉サービスの充実(23.4%)
・高齢社会において,高齢者に期待する役割
→熟練した仕事の技術を引き継ぐ(32.6%)
→NPO団体,ボランティア等の一員(25.4%)
基本理念
を目指して
本県の目指
す
高齢社会像
~高齢者が
住み慣れた地域で
生きがいを持って
住み慣れた地域で
(分権型,
定住型社会)
元気で長生きし,
(自助努力,予防)
社会に参加し,
役割を持ち,
(貢献,自己実現)
互いに認め合い,
心豊かに暮らし,
(尊厳,安心)
互いに助け合い,
共に支え合う
(共助,協働)
-34-
すこやかで
安心して暮らせる
長寿社会の実現
(平成21~23年度)の構成
政策目標
重点目標
施策の展開
施策の内容
1 高齢者の積極的な
社会参加の推進
①生きがいづくり・社会参加の推進
②就業・就労対策の推進
圏域編
鹿児島
①健康づくりの推進
2 健康づくり・
疾病予防の推進
生きいきと
暮らせる
②特定健康診査・特定保健指導等
各種健診の推進
南薩
長寿社会づくり
1 健康づく
り・介護
予防対策
①介護予防等の推進
3 介護予防・
地域支援の推進
②地域ケア体制の整備
③福祉用具・介護技術等の普及
④生活支援関連サービス等の提供
の推進
川薩
①多様な介護サービスの提供
4 多様な介護サー
ビスの提供と質
の確保・向上
②介護サービスの質の確保・向上
③サービスの種類とサービス量の
見込み
出水
①尊厳を支える認知症ケアの確立
5 認知症高齢者対策
の推進
安心して
暮らせる
②家族等介護者への支援
③高齢者虐待防止対策の推進
姶良・伊佐
長寿社会づくり
①高齢者の住みよいまちづくり
6 高齢者の快適で
安全な生活の確保
②高齢者の安全な暮らしづくり
③要援護高齢者対策の推進
曽於
①人材の養成研修の推進
7 人材の育成・確保
2 高齢者の
②県福祉人材・研修センターの充実等
③NPO等多様な主体との協働の推進
等
生活を地
肝属
域で支え
支え合って
8 高齢者医療の
る仕組み 適切な推進
暮らせる
づくり
①老人医療費の現状と特色
②長寿医療(後期高齢者医療)制度の
円滑な運用
③「鹿児島県医療費適正化計画」の
推進
熊毛
長寿社会づくり
①相談体制の充実
②情報提供・広報の充実
9 計画の推進
③関係機関・団体等との連携
④推進体制の充実
⑤進行管理(評価システム)
-35-
大島
■各論■
第1章
高齢者の積極的な社会参加の推進
高齢者が,長年の経験の中で培ってきた知識や技能を生かして,社会の重要な一員として様々
な社会活動へ参加することや,就労及び生きがいづくり等に取り組めるような環境の整備を図る
ための施策を推進します。
第1節
1
生きがいづくり・社会参加の推進
すこやか長寿社会運動の推進
【現状・課題】
高齢者が長年の経験の中で培ってきた知識や技能を生かして積極的に社会参加し,自己の役
割を認識し発揮することにより生きがいのある生活が送れるよう,地域社会の担い手として生
活づくり,地域づくり,健康づくりへの主体的参加を促進する県民総ぐるみの「すこやか長寿
社会運動」を積極的に展開しています。
平成20年10月には高齢者 を中心としたスポーツ,文化,健康,福祉の総合祭典である
「ねんりんピック鹿児島2008」が開催され,高齢者の生きがいづくり,健康づくりの気運
が醸成されました。
今後は,いわゆる「団塊世代」の高齢化など,本格的な高齢社会に対応するため,新たなニ
ーズも踏まえ,今後とも,県民総ぐるみの「すこやか長寿社会運動」を積極的に展開する必要
があります。
【表1-1】すこやか長寿社会運動推進事業実績
区
分
平成17年度
シルバー文化作品展
423点
いきいきシルバースポーツ大会
9,997人
全国健康福祉祭(ねんりんピック)選手派遣
171人
平成18年度
平成19年度
381点
370点
8,189人
9,133人
151人
156人
資料:県長寿社会課調べ
【施策の方向】
本県は,全国平均に比べ約10年先行する形で高齢化が進んでいることから,地域を支える
マンパワーとして活躍する意欲と能力のある元気高齢者を増やし,高齢者の社会参加を促進す
るとともに,生きがいを持って暮らせる地域社会づくりに取り組んでいくこととしています。
さらに「すこやか長寿社会運動」を推進していくため,「ねんりんピック鹿児島2008」
の成果を活かしながら,これまでの事業体系を見直し,一定の期間に県下全域でスポーツ・文
化や健康づくり事業などを集中的に行うことで,県民の「すこやか長寿社会運動」の意識高揚
を図るなど,今後も引き続き県民総ぐるみの「すこやか長寿社会運動」を積極的に推進します。
このため,次のような施策を実施します。
すこやか長寿社会運動推進体制の整備
ポスターやパンフレット等,様々な広報手段による長寿社会に対する意識啓発の推進
健康づくり支援事業の実施等による地域リーダーの育成や健康づくり活動の促進
「シルバー文化作品展」,「いきいきシルバースポーツ大会」の開催や「全国健康福祉祭
(ねんりんピック)」への選手派遣等による健康・生きがいづくり活動の促進
「元気高齢者チャレンジ推進事業」の実施等による地域づくりの促進
-36-
【図1-1】事業体系
推進体制の整備
・長寿社会推進センター
(県社会福祉協議会内)の設置
す
こ
や
か
長
寿
社
会
運
動
広報・啓発
長寿社会意識啓発
・広報・啓発
人づくり
地域リーダーの育成
・健康づくり支援事業(21年度新規)(再掲)
健康づくり推進員の設置・養成
・高齢者中央大学運営事業
健康・生きがいづく 健康・生きがいづくり活動の促進
り
「高齢者元気・ふれあい推進月間」(仮称)
・いきいきシルバースポーツ大会
・シルバー文化作品展
・健康づくり支援事業 (21年度新規)
・全国健康福祉祭派遣事業
・スポーツ,文化,健康づくりの県下各
地での取組
地域づくり
(健康づくり)
す
こ
や
か
長
寿
社
会
運
動
推
進
事
業
地域活動促進
・元気高齢者チャレンジ推進事業(20年度新規)
・鹿児島シルバー110番設置事業
・地域間・世代間交流事業
健康づくり活動の促進
・全国健康福祉祭事業
高齢者の健康・生きがい
(ねんりんピック鹿児島2008)
づくりの気運の醸成
ふれあいプラザ なのはな館
・ふれあいプラザ なのはな館運営事業
2
高齢者の交流や文化・スポーツ活動等の推進
【現状・課題】
すこやか長寿社会運動として,県内外の高齢者が世代を越えて交流活動や文化・スポーツ活
動等を行うことにより,高齢者の生きがいづくり,ふれあいづくり,健康づくりを推進してい
ます。
引き続き,これらの事業について実施していく必要があります。
-37-
【表1-2】高齢者中央大学,地域間・世代間交流事業実績
講 座 名
平成17年度
平成18年度
中高
一般教養学科
25
27
央齢
保健福祉学科
25
23
大者
生きがい創造講座
37
43
学
夏期講座
25
19
公開講座
198
415
陶芸体験教室
317
396
間地
ふれあい料理教室
115
135
交域
アクアビクス教室
188
197
流間
クラフト教室
38
85
事・
ニュースポーツ教室
334
367
業世
ふれあい映画劇場
748
1,357
代 三世代ふれあいゲートボール大会
21チーム
16チーム
ふれあい春フェスタ
2,390
2,227
(単位:人)
平成19年度
28
29
83
31
613
280
128
165
92
258
1,198
18チーム
1,989
【施策の方向】
すこやか長寿社会運動として,引き続き,次のような事業を行います。
高齢者中央大学の開講
一般教養学科,保健福祉学科,生きがい創造講座(陶芸,木工,絵画,茶道),夏期講
座,公開講座等
地域間・世代間交流事業
三世代なのはなふれあいゲートボール大会,各種体験教室(陶芸,料理,アクアビクス
等)等
自主的活動団体支援事業
高齢者団体等の自主的活動に対する支援
余暇支援事業
余暇相談・診断,余暇情報の提供,健康相談
3
元気高齢者チャレンジ推進事業における地域貢献活動の推進
【現状・課題】
少子・高齢化が急速に進行し,いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる昭和22~24年に生まれた
方々が高齢者世代に加わる時期を目前に控え、社会の活性化のためには高齢者を支える貴重な
マンパワーとして高齢者自身を位置付けていくことが重要であり,「元気高齢者チャレンジ推
進事業」を実施し,高齢者の方々による地域貢献活動の促進を図る必要があります。
「高齢者を中心とした地域貢献活動団体」の選定
各地域振興局・支庁ごとに管内の「元気高齢者を中心とした地域貢献活動団体」を募集
し,1団体ずつ選定する。
-38-
表彰式及び事例発表会等の開催
で 選 定 し た 団 体 に 対 す る 表 彰 を 行 い、 あ わ せ て 地 域 貢 献 活 動 の 事 例 発 表 会 を
開催する。
② 高齢社会における地域づくりの基調講演会を開催する。
③ 県内の男女最高齢者を、元気高齢者の励みや生きがい、あるいは目標となる存在とし
て位置付け、毎年9月15日の老人の日に合わせて、知事祝状と祝品を贈呈する。
①
活動事例集の作成
表彰団体の地域貢献活動の取組を中心とした事例集を作成し、市町村、市町村社協
等に配布する。
② 県のホームページに、活動事例集の内容を掲載する。
①
【施策の方向】
高齢者がその能力を最大限に発揮し,生きがいを持ちつつ生活への意欲を高めていくことの
できる環境を構築するため,高齢者を中心とした地域貢献活動の取組を支援し,高齢者の積極
的な社会参加を促進します。
【図1-2】元気高齢者チャレンジ推進事業のイメージ
生 涯 を 通 じ て 安 心 し て
暮らせる地域社会づくり
高齢者がいきいきと暮らせる地域社会づくり
「支えられる高齢者」から「支える高齢者」へ
○高齢者が地域を支えるマンパワーとして活躍
○高齢者が積極的に社会参加
今後の展開
元気高齢者チャレンジ推進事業(平成20年度~)
目的:高齢者がその能力を最大限に発揮し,生きがいを持ちつつ生活への意欲を
高めていくことのできる環境構築を目的として,高齢者を中心とした地域
貢献活動の取組を支援し,高齢者の積極的な社会参加を促進する。
活動事例の募集
事例発表・基調
講演会の開催
-39-
事例集の作成
4
老人クラブ活動の促進
【現状・課題】
高齢者の自主的な組織である老人クラブは,日頃から,それぞれの地域において「健康・友
愛・奉仕」の三大運動をはじめ,一人暮らしの高齢者への声かけなど多様な活動を積極的に展
開しています。
県内の老人クラブ数は,ここ数年の傾向を見ると急速な高齢化の進行と相反して,クラブ数,
会員数,加入率ともに減少傾向にあることを踏まえ,平成19年度に,保健福祉部に「老人クラ
ブ活性化研究会」を,県老人クラブ連合会に「老人クラブ活動研究会」を設置し,老人クラブ
活動の活性化について検討を行いました。
県老人クラブ連合会では,検討結果を受けて,広報活動の充実(機関誌の紙面充実及び発行
部数の増)や,健康づくり支援事業を実施しています。
今後とも,増加が予想されるいわゆる「団塊の世代」のニーズへの対応などにより,会員数
の増加及び老人クラブの活性化につながる活動を推進する必要があります。
【表1-3】県老人クラブ数等の推移(鹿児島市を含む)
区
分
平成17年度
ク ラ ブ 数
2,593
会
員
数
146,941
加入率(60歳以上人口に占める割合)
27.4
(単位:クラブ,人,%)
平成18年度
平成19年度
2,512
2,445
141,532
135,053
26.4
24.8
資料:県長寿社会課調べ
【施策の方向】
県では,引き続き,県老人クラブ連合会,市町村老人クラブ連合会,単位老人クラブに助成
を行い,高齢者の知識及び経験を生かし,生きがいと健康づくりのための多様な社会参加活動
を促進することで,高齢者の生活を豊かなものにするとともに,明るい長寿社会づくりの促進
を図ります。
5
生涯学習の推進
【現状・課題】
県民が,いつでも,どこでも,だれでも学べる学習の場を提供できるよう,市町村,大学,
民間教育機関等と連携し,県下全域を生涯学習のキャンパスとする「かごしま県民大学」構想
に基づき,学習機会の提供に努めています。
今後も,多様化・高度化する県民の学習ニ-ズに応え,県民の主体的な学習活動を支援する
ため,生涯学習推進の総合的機能を有する「かごしま県民大学中央センター」を拠点に,県民
が生涯を通じてそれぞれの目的に応じて自由に学び,多様なライフスタイルを確立することが
できるよう,市町村,大学,民間教育機関等と連携しながら,学習機会の拡充等に努めていく
必要があります。
【施策の方向】
高齢者がすこやかで生きがいのある生活を送るためには,いつでも,どこでも,だれでも参
加できる多様な学習機会を提供するとともに,長年の経験の中で培ってきた知識や技能を生か
し,社会の重要な一員として生きがいを持って活躍できるよう,ボランティア活動をはじめと
する社会活動に主体的・積極的に参加できる環境を総合的に整備することが必要です。
このため,次のような施策を積極的に推進します。
-40-
「かごしま県民大学」の活性化を図るため,学習機会の拡充や学習情報の収集・提供及
び指導者・講師情報の充実,各種指導者の養成・活用を促進します。
生涯学習推進の総合的機能を有する「かごしま県民大学中央センター」を拠点として,多
様化・高度化する学習ニ-ズに応える機会や場を提供するとともに,学習した成果をボラ
ンティア活動等へ生かせるような環境づくりを進めます。
① 県下全域をキャンパスとする生涯学習講座等の実施
② かごしま県民大学中央センター主催講座や連携講座の実施
③ 指導者・講師情報の充実
6
生涯スポーツの推進
【現状・課題】
現在,県では県民が主体的・継続的にスポーツ・レクリエーション活動に親しめるよう,
「健やかスポーツ100日運動」を推進し,県民のスポーツへの参加意欲を喚起しています。
高齢者が,明るく充実した生活を送り,社会の担い手として元気に社会参加し,生きがいづ
くりを進めるためには,日常生活においてスポーツ・レクリエーション活動に親しみ,体力の
維持に努める必要があります。
「健やかスポーツ100日運動」の推進
① 運動の普及・啓発
② 推進運動体制の整備
③ 学校体育施設開放の推進
④ 広域スポーツセンター事業の推進
⑤ スポーツ・レクリエーション活動リーダーの養成
⑥ スポーツ・レクリエーション「フェスティバル」等の開催
【表1-4】コミュニティスポーツクラブの設立数
平成17年度
平成18年度
平成19年度
8市3町
9市4町
12市7町
22クラブ
27クラブ
37クラブ
資料:県教育庁保健体育課調べ
その他の事業
① 県民体育大会の開催
② 県民レクリエーション祭の開催
③ 全国スポーツ・レクリエーション祭等への選手派遣
【施策の方向】
高齢者が主体的・継続的にスポーツ・レクリエーション活動に親しめるよう,「健やかスポ
ーツ100日運動」の推進を図ります。
また,県体育協会及び広域スポーツセンターと連携を図りながら,全市町村にコミュニティ
スポーツクラブの設置を促進し、地域のスポーツ環境を整備します。
-41-
7
共生・協働の地域社会づくり活動への参加の促進
【現状・課題】
県では,行政だけでなく,地域の自治会,ボランティア, NPO,企業などの様々な団体や
グループが連携・協力し,地域に必要なサービスを提供する新しい仕組みづくりを進め,地域
のことは地域で解決できるような,助け合い,支え合う共生・協働の地域社会づくりを推進し
ています。
共生・協働の取り組みを進める中で,高齢者が長年培ってきた知識や技能,経験を生かし,
地域の自治会や老人会,NPO等において地域活動を行うことや地域のリーダーとなることは,
高齢者のいきがいづくりにつながる一方,共生・協働の地域社会づくりを進めるための有効な
手段の一つとなると考えられます。
【表1-5】共生・協働リーダー養成講座実施状況
区 分
平成20年度
受講者数
83名 ( うち65才以上 29名 )
資料:県共生・協働推進室
【施策の方向】
高齢者が,地域活動に参加することで生きがいを感じるとともに,共生・協働の地域社会づ
くりを推進するためには,地域の自治会,ボランティア,NPO等が行う地域の活動に気軽に
参加できる環境づくりを進めることや,高齢者の中から地域リーダーを発掘・養成し,活動の
場を提供するとともに,そのような人材を地域につないでいく必要があります。
特に,団塊の世代と呼ばれる世代は,現役時代の就労形態から,地域とのつながりが希薄で
あると指摘される一方で,地域社会への貢献志向は高く,豊かな経験や知識も有しているとい
われています。
このことから,地域活動への関心を高める取組を行い,地域デビューへつなげ,地域コミュ
ニティの担い手として活動しやすい環境づくりに努めます。
8
その他各種生きがいづくり活動への支援等
だれもが生きがいを持って生きいきと暮らせるような社会づくりを目指しますが,生きがい
は個人によってその感じ方も様々であることから,生きがいづくりへの支援も多種多様です。
これまで記述した社会参加,世代間交流,学習,スポーツなどの活動への支援だけでなく,
文化,伝統,芸能などその他各種の活動への支援も積極的に推進することとしており,郷土の
先輩に学ぶ活動など様々な活動の場と機会を提供する「かごしま地域塾」等を,引き続き実施
します。
-42-
第2節
1
就業・就労対策の推進
雇用の促進
高齢者の生きがいづくり・健康づくりの促進のために,就業・就労対策の推進は重要な施策
の一つです。
平成19年度高齢者実態調査でも,要介護(要支援)認定を受けていない65歳以上の一般高齢
者の41.6%が「働くこと」で生きがいを感じると回答し,その理由として,「健康によいか
ら」(37.1%),「収入を得たいから」(30.9%)と回答しています。(P21「図2-12」
参照)
県では,高齢者の就業・就労対策として,現在,次のような施策を推進しています。
【現状・課題】
高齢者の継続雇用の促進
高齢者は,いったん離職すると再就職が厳しいことから,少なくとも年金の支給開始年
齢までは働き続けることができる環境を整備する必要があり,定年の引き上げや継続雇用
制度の導入等による65歳までの雇用確保を促進するとともに,今後労働力人口の減少が見
込まれる中で,社会の活力を維持するため,意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働
き続けることができる環境を整備する必要があります。
このことから,県では「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき,事業主を
はじめ広く県民の理解と協力を求め,高齢者の雇用・就業機会の確保の促進を図っています。
このような中で,平成20年6月1日現在の県内 51人以上規模企業1,124社のうち,希
望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は45.9%となっており,今後とも,高齢者の安
定した雇用の確保を促進する必要があります。
再就職の促進
継続雇用の促進とともに,離職を余儀なくされた高齢者の早期再就職に努める必要があ
ります。
【施策の方向】
高齢者の継続雇用の促進
少子高齢化の進行に加え,2007年にはいわゆる「団塊の世代」が60歳代に到達し,
今後労働力人口の減少が見込まれる中で,高い就労意欲を有する高齢者が長年培ってきた
知識と経験を活かし,社会の支え手として意欲と能力のある限り活躍し続けることので
きる社会の実現を図るため,「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が一部改正され,
事業主に対し平成18年4月1日から段階的な65歳までの定年の引き上げや継続雇用制度の
導入等により高齢者の安定した雇用の確保が義務づけられました。
このため,事業主をはじめ広く県民に改正法の趣旨・内容等を周知・啓発するとともに,
財団法人鹿児島県雇用支援協会と連携し,事業主に対して定年引き上げ等にかかる助成金
の周知と活用促進を図りながら,高齢者の安定した雇用の確保に努めます。
再就職の促進
高年齢離職者が早期に再就職できるよう,鹿児島労働局や財団法人鹿児島県雇用支援協
会との連携を図りながら,定年・解雇等により離職が予定されている高齢者への求職活動
支援書の作成・交付や助成制度等の周知・啓発による高年齢離職者の再就職の促進に努め
ます。
-43-
2
農林漁業における就労促進
【現状・課題】
農山漁村地域では,若年層の流出もあり,平成17年の国勢調査によると,農林漁業就業人口
に占める高齢者の割合が,農業分野で53.1%,林業分野で21.8%,漁業分野で22.8%と,他
産業に比べ高くなっています。
農山漁村の高齢者が,豊かな自然や地域資源の中で生きいきと生産に携わり,地域に暮らす
喜びを一層享受できるよう,①経験を生かした農林漁業の推進,②豊かな生活基盤づくりと地
域活動への参画,③活動しやすい環境づくりなどの農山漁村の高齢者対策を推進しています。
農業分野
現在,高齢者が現役で働くために取り組みやすい作物の選定や振興,活動しやすい環境
整備,作業の一部委託や安全で快適な農作業の啓発等に取り組んでいます。
今後とも,高齢者が生産活動や農村づくりへ参加しやすい環境づくりを進める必要があ
ります。
林業分野
現在,高齢者の就労につながる特用林産物の生産振興に取り組んでいるほか,森林整備
の推進にあたっては,知識と経験を持つ高齢者の活用を図るなど,山村地域の高齢者の活
動を促進しています。
今後とも,特用林産物の生産基盤の整備や山村地域の高齢者が活動しやすい環境づくり
を進める必要があります。
漁業分野
現在,漁業技術の改善や低利用資源の加工技術の開発等を推進するとともに,漁業後継
者の指導など高齢者の知識と技術を活かした取組を促進しています。
今後とも,高齢者が漁業に従事できる就労環境の整備や漁村地域の高齢者が活動しやす
い環境づくりを進める必要があります。
【施策の方向】
農業分野
意欲ある高齢農業者の活動を促進するため,高齢農業者の有する知識や技能,経験を活
かして生産,加工・販売活動を行うグループの育成や都市住民などとの交流及び食育,地
産地消等の取組における高齢農業者の活動を促進します。
林業分野
特用林産物の生産に高齢者でも取り組めるよう,竹林改良や作業路,しいたけの人工ほ
だ場等の整備を促進するとともに,森林整備の推進における集落のリーダーや相談役とし
ての活動を促進します。
漁業分野
高齢漁業者が漁業生産活動に取り組めるよう,漁業活動における操船・操業の省力化の
ための技術の改善・普及や低利用資源を活かした共同加工活動を推進するとともに,後継
者や新規着業者の育成指導としての活動を促進します。
-44-
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