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NEWSLETTER July 2006

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NEWSLETTER July 2006
NEWSLETTER
July 2006
CRESTEC EUROPE
ニュースレター
2006 年 7 月(5th)
ドイツでのサッカーW 杯も終了し、会期中の Europe でのヒートアップも収まった今、今度
は例年にない猛暑に見舞われ、違う意味でのヒート(異常気象)が起きております。弊社が
居を構えますオランダでも 7 月において 100 年ぶりの猛暑という事で、死者も出る状況とな
っております。普段は、夏があったのかどうかも気がつかないまま終わってしまうため、サ
マーバケーションは太陽を求めて南下するのが常ですが、今夏はその必要もないくらいです。
とは言え、日本に比べればまだまだ過ごしやすい暑さですので、駐在の日本人にとっては気
持ちの良い夏かもしれません。長い梅雨を乗り越え、激暑の夏を迎えます日本の皆様には、
心から暑中お見舞い申し上げます。
さて、今回はクレステックグループのひとつのビジネスファクターでありますアメリカにお
ける組織変更、そして BRICs の中でも経済成長が著しいインドでの言語事情についての特集
をお届けします。最後に、前号から始めました弊社のスタッフ紹介です。今回はプロジェク
トコーディネーターのひとりをご紹介します。
【アメリカ地区事業の組織変更】
CRESTEC は、このたびアメリカ地区事業の組織変更として、カリフォルニア州 CRESTEC
Los Angeles Inc.とニュージャージー州マウントローレルの CRESTEC Digital Inc.のふたつの会
社経営を統合しました。新会社の名称は、CRESTEC USA Inc.となります。この統合により、
スタッフと経営資源が一体となりひとつの組織の中でビジネスレンジを広げることが可能に
なりました。これによりお客様の幅広いニーズへの対応が迅速に実現できるものと確信して
おります。
今回の統合の母体となります CRESTEC Los Angeles は、地
元の印刷会社(1972 年創業)を 1984 年に吸収して、オフセッ
ト印刷とオンデマンド印刷(デジタル印刷)を融合した会
社です。そして、CRESTEC の他事業所と同様、技術マニュ
アルの翻訳及び DTP などのコンテンツ管理事業も行ってい
ます。さらに制作しましたドキュメントをお客様の要求に
合わせキッティング、フルフィルメントへの展開を行い、
総合サービスを提供しております。
この統合により、グループの東海岸事業所の持つ経験と技術を西海岸でも利用することが容
易になります。
さて一方の CRESTEC Digital は、東海岸地区において 10 年以
上にわたり B to C のビジネス展開を企業ウェブをベースにマ
ーケティングするという革新的なソリューションでマーケッ
トをリードしてきました。最先端のウェブ・ソリューション
の制作、開発、メンテナンスの技術を擁し、お客様のマーケ
ティングと販売促進に寄与してまいりました。
今回の統合で、両事業所はお互いの技術と経験を独自のリソースとして活用することができ
ます。そして、今までアメリカでお互いの地域活動の範囲が東と西の点として限定されてい
ましたが、今回の統合によりアメリカ大陸を線で結ぶだけではなく、アメリカ全土をカバー
するネットワーク構築が可能となってきました。
新生 CRESTEC USA のサービスにおいては、前述しました様にウェブを通してのマーケテ
ィングから始まり、その結果を基にした販促物の創作、テクニカルドキュメントの作成、ユ
ーザーへの販売活動とその後のドキュメントのサポートを一貫して行うことが出来ます。単
なるテクニカルドキュメントの制作会社ではなく、製品のマーケティングからテクニカルド
キュメントの顧客サポートまでワンストップサービスを実現した新たなビジネスモデルとな
ります。
新しいビジネスモデルとしては、具体的には4つの顧客ニーズ
を基本とします。つまり、印刷(オフセットとデジタル)、フ
ルフィルメント、コンテンツ管理、マーケティングのサービス
です。この 4 つの融合により、皆様へより充実したサービス提
供が可能となります。
なお、統合後のアメリカ地区事業の責任者として、元
CRESTEC Los Angeles の社長 金子 剛が就任し、両オフィスを
統括する事になります。
金子社長としては、これからの1年は、まずお客様に CRESTEC USA の幅広い製品・サー
ビスを認知していただく事から始めたいと考えております。そして、CRESTEC USA のサー
ビスを活用していただく事により、皆様の販促活動のお手伝いが出来ることを心から望んで
おります。
最後に、CRESTEC USA では、トータルドキュメントソリューションとしてコスト削減、リ
ードタイム短縮、在庫管理機能の削減・廃止等、成功事例の紹介及び、分析・提案も行って
おります。何かお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
CRESTEC USA Inc.
1010 Knox Street, Torrance, California 90502
Tel: USA +1 310-771-8115 (日本語可)
Fax: USA +1 310-532-0361
Web site: www.crestecusa.com
お問合せ: [email protected] (日本語可)
【インド:言葉の迷路】
インドは、著しい経済発展を遂げている国です。現在、実質経済成長率は、年間 7.6 %との
予測です。BRICsが注目を集めるきっかけとなりました 2003 年のゴールドマン・サックス
の報告(“BRICsとともに見る夢:2050 年への道”)によれば、インドは、2050 年までに
ブラジル、ロシア、中国と共に、世界の先進各国をしのぐほどの経済力を持つと予想されて
います。
インドに、このような明るい見通しがあるなら、巨大な市場への進出を狙う企業が増え続け
ているのは当然でしょう。現在、インドの人口は 10 億人あまりで、増加の一途をたどって
います。
インドは確かに潜在的なビジネスチャンスのある国ですが、それなりに難しい部分もありま
す。そのひとつは言葉で、ほかの新興市場よりも問題が大きいかもしれません。インドでは、
1652 種類以上の言語が使われ、方言も入れると数えられないほどです。そのうち 24 言語は、
100 万人以上に使われています。
この言葉の迷路に近づくには、極めて信頼度の高い、慎重に練られたローカライズ戦略が必
要です。この複雑な世界を知っていただくために、インドの言語状況とローカライズに関す
る問題をご紹介します。
「母なるインド」の言葉の中で、現在憲法(第 8 付則)により連邦公用語として指定されている
のは、18 言語です。列挙すれば、デーヴァナーガリー文字表記によるヒンディー語に加え、
アッサム語、ベンガル語、グジャラート語、カンナダ語、カシミール語、コーンカニー語、
マラヤーラム語、マニプル語、マラーティー語、ネパール語、オリヤー語、パンジャブ語、
サンスクリット語、シンディー語、タミル語、テルグ語、ウルドゥー語です。
連邦制国家インド各州の境界は、主に、社会と言語の違いをもとに引かれており、それぞれ
の州は、州内の行政、教育にどの言語を使うか自由に選択できます。
インドの言語史で、重要な役割を果たしてきたのは特に3つの言語です。タミル語に近いイ
ンドの古典言語サンスクリット、ペルシア語、そして英語です。英語は、植民地時代とつな
がりますが、今でも重要な言語で、憲法でも補助公用語と定められています。英語は、ほぼ
あらゆる分野の高等教育で使用される唯一の言語で、実質的にインドエリート層の共通語と
なっています。
次の表は、母語として使う人の多い順にインドのおもな言語を一覧にしたものです。
Language(言語)
First-language speakers(母語人口)
337 million
Hindi(ヒンディー語)
70 million
Bengali(ベンガル語)
Telugu(テルグ語)
66 million (Dravidian)(ドラビダ語族)
63 million
Marathi(マラーティー語)
Tamil (classical)(タミル語)(古典語)
53 million (Dravidian)(ドラビダ語族)
43 million
Urdu(ウルドゥー語)
41
million
Gujarati(グジャラート語)
Kannada(カンナダ語)
33 million (Dravidian)(ドラビダ語族)
Malayalam(マラヤーラム語)
30 million (Dravidian)(ドラビダ語族)
28 million
Oriya(オリヤー語)
23 million
Punjabi(パンジャブ語)
23
million
Bhojpuri(ボジュプリー語)
13 million
Assamese(アッサム語)
8 million
Maithili(マイティル語)
2.1 Million
Sindhi (シンディー語)
1.7 Million
Konkani(コーンカニー語)
1.2
Million
Manipuri (マニプル語)
1 Million
Nepali (ネパール語)
Kashmiri(カシミール語)
0.5 million
Sanskrit (classical)(サンスクリット語)(古典語)
<0.1 million
中央政府の公用語であるヒンディー語は、インドの諸言語の中でも圧倒的に広い範囲で使用
されています。
■ヒンディー語
ヒンディー語は、印欧語族のひとつで、主に北部、中部インドで話されます。英国、米国な
どの国々にも、ヒンディー語を話す人が多く住んでいます。
ヒンディー語の文字は、デーヴァナーガリー文字で、アブギダと呼ばれる音節文字です。子
音とそれに続く母音を示す文字で構成されます。これらは、母音記号や発音区分符を使って、
別の母音を示すよう変更されます。デーヴァナーガリー文字は、横書で左から右に書きます。
数字を表す文字もあります。
中央政府は、ヒンディー語の使用を奨励してきましたが、社会的に重要視されているとは言
えません。エリート層では、ヒンディー語を母語とする人たちは、通常社会ステータスに見
合った言語である英語にも長けています。
形式ばらない場所では、ヒンディー語の使用が広がっています。言語的背景が違う場合、特
に、よい英語教育が受けられない社会層の出身者同士が話す場合は、ヒンディー語が使われ
るケースがしばしばあります。
■ヒンディー語のローカライズ
インドには 5060 万人のインターネットユーザーがいると推定されます。しかし、インター
ネット、ソフトウェアの世界で使われる言語として、ヒンディー語はまだ弱い立場にありま
す。その理由は、社会エリートが英語を使用できるからであり、コンピュータの世界での言
語の扱い方に問題があるからでもあります。
しかし、ソフトウェアやウェブサイトでの英語支配は、インド国民の大半にとっての言語的
障壁であり、いわゆる「情報貧困層」とよばれる巨大な社会階層を作り出しかねないとの懸
念が広がっています。このため、ヒンディー語によるコンピュータへのアクセスを容易にす
るため、近年はさまざまなツールやオープンソース・アプリケーションが開発されるように
なりました。
ヒンディー語のローカライズの問題点は、デーヴァナーガリー文字にあります。ヒンディー
語は、いわゆる CTL(複雑テキスト レイアウト)と呼ばれる、テキスト入力と表示の間に
複雑な変換を必要とする言語です。
ヒンディー語には最近まで標準フォントや標準キーボードが存在しませんでした。これが障
害となり、エンドユーザーのコンピュータ上で正しい表示を保証するアプリケーションやウ
ェブコンテンツの制作が困難でした。使用されるソフトウェアによって、入力を出力に変換
するプロセスが全く異なるからです。
もうひとつの問題は文の長さです。ヒンディー語の文章は、同じ内容の英文に比べて最大
80%も長くなることがあり、プロジェクトの設計段階から厳しい文字数制限を設けることは
避けなければなりません。
どのローカライズプロジェクトでもそうですが、巨大市場インドをターゲットにするときに
は、社会的禁忌や習慣も考慮する必要があります。理想的には、計画・設計段階の早い時期
に問題点を検討しておくべきです。
【スタッフ紹介】
今回のニュースレターの最後になりますが、プロジェクトコー
ディネーター(Project Coordinator)の Sónia Mota (30) をご紹介し
ます。
彼女はポルトガルのリスボンで育ち、技術文書および経済文書
を専門とする翻訳を学びました。CRESTEC EUROPE では 2002
年 10 月以来プロジェクトの入稿から納品まですべてを管理す
る Project Coordination Section にて働いており、納期の厳しい複
合プロジェクトのローカライズに携わっています。
「複合ローカリゼーションプロジェクトを担当する上での最大の課題は、必ずクライアント
の納期(製品ローンチ)に間に合わせ、プロジェクトのすべての過程を間違いなく遂行して
完全な物として納品することです。そして、最大の難関はマニュアル内で使用する用語とソ
フトウェア用語を統一させることです。」
Sónia は、入社以来弊社主要クライアントの 1 社を担当しており、いかに納期と仕事の状況
が厳しくても Q(Quality)と D(Delivery)を達成してきております。
製品の開発期間が益々短くなる昨今、ソフトウェアの開発とマニュアルの作成はどうしても
製品ローンチの間際に集約されてきます。操作説明をするマニュアルでは、ローカライズさ
れたソフトウェアの UI 用語が必要なのですが、この様な状況下では、実際のソフトウェア
がローカライズされ確定する前に、製品に付随するマニュアルの翻訳を開始せざるを得ない
ことがあります。
例えば、マニュアルの翻訳中にローカライズされたソフトウェアがリリースされた場合は、
その UI 用語を翻訳者に渡し、作業途中からプロジェクトファイルに適用するように致しま
す。その後、翻訳ファイルを社内で編集する際、ネイティブの社内校正者が再度 UI 用語が
間違いなく適用されているかどうかをチェックします。
一方、マニュアルの翻訳後にローカライズされたソフトウェアがリリースされることもあり
ます。この場合は、社内校正者がチェックし、ローカライズされたマニュアルに UI 用語を
適用します。さらに、最終レイアウトデータにおいて、各国語の画面ショットとの整合性を
再確認して行きます。
すべてのチェックが終わり、翻訳ファイルと最終レイアウトファイルに修正が加えられると、
プロジェクトの最終段階、すなわち実際の印刷または、他のメディア(CD・Web 等)の作
成に入ります。
この様に、製品がソフトウェア用語とか実機画面を有したものですと、それに付随するマニ
ュアルのハンドリングは非常に複雑な工程を踏む事になります。ソフトの開発・ローカライ
ズ状況を見ながらマニュアルのスケジュールを組み上げ、関連部署とお客様との連携を図り
ながらプロジェクトを進行していきます。この進行には、Project Coordinator の力量が大きく
影響してきます。その中で、Sónia はさまざまな課題を克服しながら、完璧な Q&D を目指し
て日々の業務を遂行しています。
CRESTEC EUROPE B.V.
Teleportboulevard 110, 1043 EJ Amsterdam, The Netherlands
Tel: 00 31 (0) 20 585 4640
Fax: 00 31 (0) 20 585 4646
Note:
弊社 Europe オフィスの情報につきましては、英語版 web site(www.ceu.crestec.com)を、そして
(株)クレステック(日本)につきましては、日本語版 web site(www.crestec.co.jp)を参照ください。
さらに、弊社 Europe オフィスについてご意見・ご希望のある方は、弊社担当者もしくは、
[email protected]へご連絡ください。
なお、今回のニュースレターは弊社メーリングリストより配信しております。配信中止をご希望の方
は、[email protected]まで連絡頂きます様お願い致します。
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