...

工学部の教育(教務課)

by user

on
Category: Documents
18

views

Report

Comments

Transcript

工学部の教育(教務課)
私たちの教育が目指すもの(学生の質保証)
学生が、自身のことを
他の人に伝えられること
楽しかったか
大学に通って
高められたか
友人
仲間
趣味
スポーツ
教養
問題意識
コミュニケーション能力
意欲(モチベーション)
判断力
何を学んだか
学修内容
どこで学んだか
学部・学科など
どのように学んだか
授業、実験、研究
誰から学んだか
先生、先輩、職員、
友人、仲間
卒業するときに
・今、できることは何か
・どれくらいできるのか
・将来に向けて
どんな努力をするのか
(潜在能力)
いつごろ学んだか
学期中、休暇中、
その期間
私たちの考える質保証は、「学生が自身のことを他の人に伝えられること」です。
この数年間、大学の質保証という表現が散見されるようになりましたが、それをどのように捉え、その実現に向けてどのような考え方
で、どのような努力をしているかをわかりやすく説明している例はあまりありません。
わかりやすい説明ができない理由は大学や教員の姿勢にあると考えます。 勉強させる 、 試験を受けさせる 、 進路を考えさせる
、等のように学生と接していると、質保証をするのも大学や教員ということになります。なぜなら、主体が大学や教員にあるからです。そ
うすると、何をすれば質保証になるのか、成績証明書や取得単位数では不充分なのか、卒業試験でも実施すればよいのか、という議
論になり、質保証は容易なことではない、となってしまいます。
私たちは主体を学生にすることで、冒頭のように、質保証とは「学生が自身のことを他の人に伝えられること」であり、イラストに示した
ようなことを語れればよいという結論を得ました。主体性のある学生は自分で自分に勉強をさせ、自分の考え、判断、見通しでさまざま
な活動に参加するので、質保証は自分自身でする、ということです。
この実に簡単な結論を得る過程で私たち自身の役割についても再構築することができました。私たちに役割は学生の主体性を育
て、認めることです。主体性を育てるために、私たちは責任と管理を徐々に学生に委譲し、学生は徐々に増えていく自己責任を受け
入れなくてはなりません。また、主体性を認めるということは、学生は自分自身の言葉と判断に責任を持たなくてはならず、一方、私た
ちは学生の言葉や判断を信じ、受け入れる責任があります。
さらに主体性を育てることは中等教育~高等教育~企業等が連携して進めるべき重要な課題だと認識しています。本学がこの課題
の探求と解決においてリーダーシップを発揮し、さらなる発展を遂げるために、私たちには不断の努力を続けています。
進捗を実感できるKOUGEIルーブリック/学修セルフポートレートの導入
工学部各学科の授業には進捗を実感できる仕組みがあります。
その仕組みとは?
KOUGEIルーブリックの導入
KOUGEIルーブリックとは、教員が成績をつけるときにチェックする項目です
(評価の観点)
KOUGEIルーブリック
シラバス
授業科目
授業の目的
授業の概要
1回目の授業の準備項目
1回目の授業の準備項目
1回目の授業の到達目標
1回目の授業の到達目標
1回目の授業の到達目標
:
1回目の授業内容
2回目の授業内容
:
:
15回目の授業内容
評価の観点は、毎回の授業について定めた、授業を受ける前に理解しておくべきこ
と(準備項目)とその授業で理解するべきこと(到達目標)で構成されています。
評価の観点は公開されています。学生は評価の観点に沿って自分がそれを理解し
ているかどうかをセルフチェックします。
この仕組みを
特色1
教員と学生との
価値観の共有
番
号
学修セルフポートレート
1
原子の構造、電子殻について説明できる
2
陽イオン、陰イオン、イオンの生成について説明できる
3
特色2
主体性を育てる
セルフチェック
学修セルフポートレイトの例
評 価 項 目
と呼んでいます。
できていな
い(0点)
ある程度で
きている
(1点)
できている
(2点)
評価
✔
2
✔
2
2015/10/5
2015/10/8
原子量、アボガドロ数について説明できる
1
✔
…
10 水素の原子スペクトル及び原子スペクトルから明らかにされた原子の構造について説明できる
✔
2015/11/12
11 ボーアの理論・ボーアの理論の拡張について説明できる
✔
2
評価項目を
達成できたら、
“できている”
をチェックして、
日付を書いておこう。
“できてない”項目は
いつまでも
残しておいたら大変 !
すぐに勉強しよう
1
…
39 同一周期の原子半径の変化を原子の構造と関連付けて説明できる
混成軌道と電子配置から水分子の形状が直線でない、アンモニア分子が平面でない等の理由を説
40
明できる
合計点の満点が100点でない場合には適宜換算する
2
✔
✔
1
合計点(100点満点)
82
もうちょっと
勉強すれば
達成できそう。
先生に質問してみよう。
教育の特色 (21世紀型市民を育成するカリキュラム)
21世紀型市民を育成する基礎・教養科目~工学基礎科目~専門科目
卒業時に21世紀型市民§に求められる、いわゆる学士力が身につくようカリキュラムを構成しています。学
士力につながるさまざまな勉強ができる初年次の基礎教養科目は、自己を出発点とする3つの分野に科目
を分類し、幅広い教養を身につけられるよう構成しています。
専
門
科
目
大学生
としての教養を
身につける
工
学
基
礎
科
目
【心と身体科目】
基
礎
・
教
養
科
目
メ
デ
ィ
ア
画
像
学
科
生
命
環
境
化
学
科
建
築
学
科
【必修科目】※1
工業英語
物理学実験
化学実験、など
【
】※2
線形代数、微分積分学
物理学、物理学演習
化学、化学演習、など
コ
ン
ピ
ュ
ー
タ
応
用
学
科
電
子
専門分野の
知識・技術を
身につける
機
械
学
科
工学部の
学生としての
素養を身に
つける
【選択科目】※1
解析学、工業数学
コンピュータリテラシー
情報処理演習
工学基礎実験
基礎画像電子工学
多変数の微分積分学
コンピュータ応用基礎セミナー
コンピュータ基礎、など
※1 学科によって開講科目が異なります。
※2 工学部共通の開講科目です。
【コミュニケーション・スキル科目】
自分と他の人との間で知情意を授
受する言語技術を学ぶ
英語リーディング基礎
英語ライティング基礎
英語コミュニケーション
アカデミック・イングリッシュ
TOEIC演習
アカデミック・リサーチ演習
プレゼンテーション演習※4
あつぎアカデミックプロジェクト演習
ロジカル・ライティング演習※4
ドイツ語
中国語
フランス語
国際社会と宗教/日本社会と宗教
人間と哲学/生活と哲学
新時代と文学/伝統と文学
神話と芸術/人間と芸術
教育原理/心の教育
自己理解と心理/生涯発達と心理
言語コミュニティと言語
コミュニケーションと言語
ウェルネス演習/フィットネス演習
スポーツ演習/野外スポーツ
職業指導/進路を考える※4
視覚伝達論※3/形の科学※3
認知科学※3/ジェンダーとアート※3
自己分析と行動計画※4
※3 他学部履修、※4 キャリア科目
【社会の仕組み科目】
自己を取り巻く環境について学ぶ
日本経済と国際社会/金融と経済
企業と経営/社会人と経営
ヨーロッパ・中東の社会学
アジア・日本の社会学
国際社会と歴史
日本社会と歴史
くらしと法律/日本国憲法
現代社会と科学技術
工学倫理/情報倫理
現代社会と人/情報と職業
国際社会とコミュニケーション
文化人類学※3/民族学※3
ビジネスとマナー※4
インターンシップ※4
§21世紀型市民については、21世紀の日本の高等教育のあり方に関する基本的な考えをまとめた2008年の中央教育審議会の
答申に記されている。この答申では今後求められる人材を21世紀型市民とし、その育成のために大学は国際的に通用する高等教
育の質の保証と向上を図らねばならないという指摘がなされている。そして、4年間の勉学を修了した大学生(すなわち21世紀
型市民)が兼ね備えるべき能力を学士力と呼び、その内容は 知識・理解(多文化・異文化に関する知識の理解、人類の文化、社
会と自然に関する知識の理解)、 汎用的技能(コミュニケーション・スキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思考力、
問題解決力)、 態度・志向性(自己管理力、チームワーク、リーダーシップ、倫理性、市民としての社会的責任、生涯学習
力)、 総合的な学習経験と創造的思考力、とされている。
教育の特色 (グローバル化教育の実践)
21世紀型市民に求められるグローバル化教育の実践
卒業生が海外で活躍するためのグローバル化教育は既に多くの取り組みがなされています。それらに加
え、21世紀型市民の重要な素養の一つとして海外からの来訪者を迎え入れることが注目されています。本
学工学部では、コミュニケーションそのものを学ぶこと、語学を学ぶこと、自身と相手のことを学ぶこと、これを
グローバル化の三要素として明確にし、語学科目だけでなく基礎・教養科目と連動させて魅力ある科目を系
統的に開講しています。
グ
コミュ ニケー ショ ン=語学ではありま せ
ロ
自身と相手の社会的、文化的背景の内容や
コミュニケー
三 ー
ん。コミュニケーシ ョンそのものを学ぶ科
ションを学ぶ
差異を心得ておくことは、特にグローバル環
要 バ
目が2015年度より新規開講されました。
境では新しい人間関係を速やかに構築する
素 ル
化
ための重要な要素です。
の
国際共通語の地位を得ている英語の技能(リーディング、ライティング、スピーキング)ごとに学び、総括と
して英語プレゼンテーションの指導を行います。また、工学部の学生として身につけたい工業英語、広く
認知されているTOEIC受験を想定した演習、より実践的な大学院での英語科目までを系統的に開講して
います。
2009年度
より開講
大学院
グローバル感覚を涵養する
基礎・教養科目を強化(1~4年次)
再編成
英会 話に必要な
能力を鍛える
新設
国際社会と経済
世界にはさま ざま なコミュニケーシ
ョ ンスタイル がある こと を学び、国
際的 視点から 考えるスキルを養う
演習をします。
2014年度
より開講
必修
必修
心と身体
関連資格
工業英検
新設
第2外国語
科目
工業英語Ⅱ
必修
心と身体
国際社会と宗教
必修
工業英語Ⅰ
(Sociolinguistics)の視点から概説します。
心と身体
新設
心と身体
日本社会と宗教
再編成
心と身体
必修 科目で全員
が英語プレゼン
を体験
必修
必修
必修
必修
第2外国語
科目
こと ばを用いて実際に私たちはど の
ように意志疎通を行い、他の人と社
会的 関係を結んでいる かを言語の
使 用 法の基 礎 理論 である 語 用 論
(Pragmatics )の視 点か ら概 説し ま
す。
2006年度
より開講
TOEIC演習
再編 成
国際社会と歴史
心と身体
日本社会と歴史
関連資格
TOEIC
教育の特色 (ユニット制を取り入れた時間割)
ユニット制を導入した時間割
工学基礎科目、基礎・教養科目のうち重点科目(ユニット科目)を1、2年次のうちに確実に履修するための
仕組みです。
1年次生の場合、400~450名を4分割し、100名強ずつの4つのグループを作ります。このグループのこと
をユニットと呼び、ユニットごとにユニット科目を受講します。
1年次
1年次のユニット科目
英語ライティング基礎
英語リーディング基礎
線形代数、微分積分学
物理学/物理学演習
化学/化学演習、
フィットネス演習
プレゼンテーション演習
自己分析と行動計画
月
火
水
木
金
1時限
ユニット科目
ユニット科目
2時限
ユニット科目
ユニット科目
3時限
ユニット科目
ユニット科目
4時限
ユニット科目
ユニット科目
5時限
2年次
1つのユニットはさらに4組に
分かれ、語学科目は25~30
名程度 のクラ スで 勉強 し ま
す。
1時限
ユニット科目
2時限
3時限
ユニット科目
ユニット科目
4時限
5時限
ユニット制で科目を配置している時限
下表のように曜日ごとに科目をローテーションすることで、少人数クラスでの授業を実現しています。
ユニット1
ユニット2
ユニット3
ユニット4
表: ユニット科目の曜日ごとのローテーション
月曜日
水曜日
木曜日
語学科目
数学
キャリア科目
物理学/化学
語学科目
数学
キャリア科目
物理学/化学※2
語学科目
数学
キャリア科目
物理学/化学※2
金曜日
物理学/化学
キャリア科目
数学
語学科目
1 時間割に示すように、ユニット科目は他の科目と重ならないように配置されています。
2 物理学と化学を同時に履修する場合には一部の科目を火曜日または木曜日に履修します。
2年次生の場合は、全体を3ユニットに分割し、各ユニットに以下の科目を配置しています。
2年次のユニット科目
アカデミック・イングリッシュ、工業英語
ビジネスとマナー(前期)、ロジカル・ライティング演習(後期)
土
Fly UP