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第15回ライフエンス学会スライド - 中医学研究所

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第15回ライフエンス学会スライド - 中医学研究所
第15回ライフエンス学術研究大会
2016
「認知症専門鍼灸師育成プロジェクト」
~ 平成26年度、27年度文部科学省委託事業&継続事業~
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」の問題であったが、
2015年以降は高齢化率の「高さ」、つまり高齢者数の多さが問題になると
されている。
(2016年9月18日総務省発表:9月15日時点の65歳以上の人口 3461万人)
(代表機関:学校法人後藤学園 東京衛生学園専門学校)
☯
学校法人後藤学園/ライフエンス総研 中医学研究所
兵頭明・齋藤隆裕・猪狩賢二・鎌田剛・渡辺明春・太田祐志
軽度認知障害(MCI)
認知症の人の将来推計(apitalより引用)
MCIになると、4年後50%の人が認知症を発症
認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)の状態になると、4年
後50%の人が認知症を発症するという研究があります。このMCI
の人数は、少なくとも国内に400万人はいると言われています。
出典:認知症ネット
時代的・社会的な背景・課題・ニーズ等
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
・高齢者、認知症の人が急増(2025年問題)
・コ・メディカル分野、特に介護職員の深刻な人材不足
・社会保障費の増加
・さらなる多職種医療連携の必要性が望まれている
↓
↓
【問題・課題解決のための方略(試案)】
・認知症の人に対する全人的総合的なアプローチの必要性
・予防医学(認知症予防)の重要性・必要性
・認知症の人およびそのご家族を支えることができる専門鍼灸師養成の必要性
・多職種医療連携に向けた鍼灸師育成のための
認知症の人対応型教材開発の必要性
【本プロジェクトの目的】
• 認知症の人およびそのご家族、介護者を支えることができる
認知症専門鍼灸師の育成
【養成する人材像】
・多職種医療連携のもとで認知症の予防と改善に貢献することがで
きる鍼灸専門人材
・鍼灸医学の長所である全人的・総合的な角度から認知症の人を
「心と身体」の両サイドからサポートができる鍼灸専門人材
・認知症の人およびそのご家族、介護者を支えることができる鍼灸
専門人材
・社会保障費削減のための新たな選択肢の創出
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
① 全国1741市区町村に対する「認知症対策」アンケート調査内容
【方法】
① 1741市区町村に対する認知症対策アンケート調査
(認知症に対する各種療法の認知度調査、期待度調査)
② 鍼灸師養成施設(101校)における認知症教育実態調査
③ 西洋医学系・介護福祉系・鍼灸医学系3分野連携による
認知症対応型モデル教材・DVD教材の開発
【方法】
1.対象および方法
平成26年11月14日~28日にかけて、東京特別区を含む全国の1741市区町
村の高齢者対策担当課に対し、郵送法によるアンケート調査を実施した。
2.質問紙の構成
(1)市区町村の人口と高齢化率
(2)認知症対策取り組み状況
(3)認知症にかかわる各種療法の認知度および期待度
(4)多職種連携の現状と課題
(5)認知症対策の課題
(6)超高齢社会に対するイメージ
【結果】
・ 回答847市区町村(回収率48.7%)
(調査協力機関: (公財)未来工学研究所)
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
【結果】地方自治体の認知症にかかわる各種療法「認知度」の比較調査結果
【結果】
① 1741市区町村に対する認知症対策アンケート調査結果
(調査協力機関: (公財)未来工学研究所)
(3)認知症にかかわる各種療法の認知度および期待度
(認知症に対する鍼灸マッサージ治療の認知度・期待度調査結果)
運動療法
11.9
レクリエーション
10.9
作業療法
9.3
61.5
回想法
8.9
61.5
音楽療法
7.9
4.1
漢方薬
3.5
マッサージ 0.9
(6)超高齢社会に対するイメージ
9
19.6
41.6
36.2
19.2
52.4
31.4
55.1
37.5
8.3
63.9
27.8
10
3.8
33.3
39.2
鍼灸 0.4 6.5
0
8.5
22.4
53.2
14.8
20
よく知っている
30
知っている
1.9
11.9
20.8
37.1
その他
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
16.5
65.5
アロマテラピー 2.5
2.5
14.8
72.7
西洋薬
1.5
16.5
69.8
10
園芸療法
14.8
71.4
40
50
あまり知らない
60
知らない
70
80
90
100
無回答
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
【結果】 自治体の認知症にかかわる各種療法「期待度」の比較調査結果
運動療法
作業療法
5.9 0.6
71.7
20.4
音楽療法
3.10.2
71.5
23.1
レクリエーション
3.30.1
67.4
27.9
9.2
71
17.4
回想法
15.7
68.6
11
園芸療法
15.3
70.2
10.7
西洋薬
アロマテラピー
5
鍼灸
3.7
10
20
大変期待する
7.7
38.6
43.1
9.7
2.8
55.6
38.9
0
4.6
32.9
49.8
その他
3
27.3
56.7
7.1
マッサージ
30
期待する
40
50
あまり期待しない
60
期待しない
1.4
2.5
20.4
65.5
7.7
1.9
11.9
69.4
13.1
漢方薬
0.5
70
無回答
80
90
100
【結果】
今回の調査からは、認知症の予防、治療、ケアに関連して市区町
村担当者レベルでは「鍼灸」の役割はほとんど認知されていないこ
とが明らかになった。しかし認知度が低かった「鍼灸」あるいは「マッ
サージ」ではあるが、「大変期待する」「期待する」を合わせると、
50%近くの自治体が認知症に対する鍼灸マッサージ治療に期待を
寄せていることがわかった。
【考察】
この自治体の鍼灸マッサージ治療に対する期待に応えるために
は、今後の臨床成果の蓄積と周知活動が重要であると考えられ
た。そのためには認知症の人に対応できる鍼灸マッサージ専門人
材の育成と地域への積極的参加が必要であることが示唆された。
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
【結果】 超高齢社会に対するイメージ調査結果
医療・介護費などの高負担社会になる
86.8
【考察】
地域ぐるみで相互支援の時代になる
66
サービスの格差が拡大する
医療・介護費等の高負担社会が予想されており、予防を含めた総
合戦略が不可欠であることが示唆された。在宅ケア、地域での相
互支援には多様な認知症支援人材の育成が課題であることが示
唆された。
48.4
ハンディを持った人が社会の多数派になる
33.2
高齢者が増え、地域から活力がなくなっていく
21.5
新たな地域雇用が発生する
19.2
モデル長寿国としての役割が期待される
15.7
その他
2.8
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
② 鍼灸師養成施設における認知症教育実態調査
【目的】認知症専門鍼灸師育成にあたり潜在的人的資源の調査
【方法】
1.対象および方法
平成26年11月14日~28日にかけて、全国の鍼灸師養成施設(大学、専門学
校)101校の学科長(学科主任)に対し、郵送法によるアンケート調査を実施した。
2.質問紙の構成
(1)卒前教育で認知症に関する授業の現状の総時間数
(2)卒前教育で認知症に関して必要と思われる総時間数
(3)鍼灸教育における認知症患者に特化した教材、動画教材に対する要望
(4)その他
【結果】
・ 回答 50校(回収率49.5%)
認知症に関する現状の授業時間(N=50)
認知症に関する必要な授業時間(N=50)
【結果・考察】
・認知症に関する現状の授業時間数は、6時間以上が30%、3~5時間が22%、3
時間未満が48%であった。約50%が3時間未満であり、卒前教育での認知症に関
する時間数が少ない事がわかった。
・認知症に関して必要とされる授業時間数は、6時間以上が56%、3~5時間が
18%、3時間未満が26%であった。認知症に関する鍼灸教育の必要性を感じてい
ることが伺われたが、教育方針やカリキュラムの内容によって実際の教育時間と
は違いがあることが示唆された。
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
【方法③】
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
中核的鍼灸専門人材育成のための実践型・連携型
スキルアップ教材の開発
西洋医学系・鍼灸医学系・介護福祉系3分野連携による
認知症対応型モデル教材・DVD教材の開発
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
【結果③】文部科学省委託事業・事業成果物
西洋医学系・介護福祉系・鍼灸医学系3分野連携による
認知症患者対応型モデル教材・DVD教材の開発
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
• 認知症患者対応型モデル教材の開発
西洋医学系・介護福祉系・鍼灸医学系の3分野連携のもとで認知症
の人に対する医療・介護連携型の中核的鍼灸専門人材育成のた
めの教育プログラムを策定し、3分野が一体となった各分野横断型
のモデル教材の開発を行った。
• 認知症患者対応型DVD教材の開発
認知症専門鍼灸師を大々的に育成することを目的として、本モデル
教材のIT化をはかり、特に実技系(実地研修系)の動画を活用した
卒前教育および認知症専門鍼灸師のスキルアップ、キャリアアップ
を多面的に支援する学習支援環境の整備をはかった。
2016年9月1日からインターネット上で無料視聴ができる環境が整った。
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
【教材一般公開】平成26年度に開発した認知症対応型モデル教材
~文部科学省委託事業・継続事業~
(代表機関:学校法人後藤学園 東京衛生学園専門学校)
【現在&今後の取り組み】
• 認知症患者対応型モデル教材・DVD教材の一般公開(済)
• 鍼灸医療系教員のための認知症セミナー開催(済)
•
•
•
•
教育カリキュラムに認知症関連講座を導入予定校への導入協力
認知症専門鍼灸師認定講座の開催
鍼灸治療による認知症患者に対するRCT臨床研究
その他
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
【教材一般公開】平成27年度に開発した認知症対応型DVD教材
【information】
【information】
平成26年度文部科学省委託事業で
医・介・鍼3分野連携により開発され
た日本初(世界初)となる
『鍼灸師のための認知症の人・対応
型モデル教材(264頁)』
後藤学園中医学研究所HPから無料
でダウンロードができます!!
http://old.gto.ac.jp/tc_med/mki/modeltext1.php
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
【教材一般公開】平成27年度に開発した認知症対応型DVD教材
【information】
平成27年度文部科学省委託事業で
医・介・鍼3分野連携により開発され
た日本初(世界初)となる
『鍼灸師のための認知症の人・対応
型DVD教材』スライド・テキスト
平成27年度文部科学省委託事業で
医・介・鍼3分野連携により開発され
た日本初(世界初)となる
『鍼灸師のための認知症の人・対応
型DVD教材』
後藤学園中医学研究所HPから無料
でダウンロードができます!!
動画学習サイト「ノバセル」にて無料
で視聴ができます!!
https://novacell.tv/products/list.php?category_id=101
https://novacell.tv/products/list.php?category_id=103
http://old.gto.ac.jp/tc_med/mki/seikahoukokuH27_1.pdf
認知症の人およびそのご家族を支えることが
できる認知症専門鍼灸師の育成
・鍼灸医療系教員のための認知症セミナーの開催(2016/9/25)
参加15校、参加者34名
10:00~11:00
兵頭明先生((学)後藤学園中医学研究所所長)
1、教員のための認知症セミナー開催の目的
2、本日の配布資料の内容と、それぞれの役割と可能性について
11:10~12:10
中村真通先生((学)呉竹学園東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科科長)
1.地方自治体における認知症対策と鍼灸の認知度
2.認知症に対する三焦鍼法治療の効果
3.鍼灸師養成施設における認知症教育の現状とeラーニング学習支援の検討
13:00~15:00
河原保裕先生((公社)埼玉県鍼灸師会会長、アコール鍼灸院院長)
1、認知症に対する鍼治療の標準化の必要性について (なぜ標準化が必要なのか)
2、標準化された手技によるエビデンスの必要性について
3、三焦鍼法の実技指導のコツ
15:10~16:00
兵頭明先生((学)後藤学園中医学研究所所長)
1、卒前教育に認知症教育をどのように導入するか
2、その他
16:00~16:30 質疑応答
医・介・鍼の連携
2025年問題解決に挑む!
認知症対策(急務!)
• 老人医療費が毎年1兆円ずつ増大している今日においては、予防医学の重
視とともに全身調整をベースとした有効なエコ医療の発掘と開発が必要とされ
ることであろう。本事業で育成する中核的鍼灸専門人材は、高齢者と急増する
認知症の人に対して「心身一如」の観点に基づき、全人的・総合的な角度から
サポートが行える新たな人的資源の1つとして充分期待される。全身調整を
ベースとし、高齢者と認知症の人の「心と身体」に対して同時に優しくサポートを
行うことが有効なエコ医療実現につながれば、社会保障費の削減に対しても一
定の貢献が期待される。
(出典)総務省「ICT超高齢社会構想会議報告書」
(厚生労働白書(平成24年)、厚生労働省 医療費等の将来見通し及び財政影響試算平成22年10月より)
ご高齢者を支える未来を一緒に創ろう
不定愁訴の全人的ケア
認知症の予防と改善
鍼灸による認知症対策の実施意義と可能性
健康長寿
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