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旧版学科 - 埼玉大学理学部物理学科
物 理 Department of Physics, Faculty of Science, Saitama Univ. 学 科 物 理 学 埼玉大学理学部 物理学科案内 Let’s Study/Enjoy Physics !!! 科 物理学科@埼玉大学 物 理 学 科 埼玉県さいたま市の西部、荒川沿いの緑に囲まれた地に埼玉大学のキャンパスはあり ます。キャンパスのある旧浦和市は明治以来、関東圏の中でも有数の文教都市としてその 歴史を刻んできましたが、埼玉大学も戦後発足した新制大学として、すでに60年を超える 長期にわたり、この地で教育・研究活動の歴史を歩んできました。物理学科は埼玉大学発 足以来、文理学部、理工学部、理学部の変遷の中で、1500人を超える卒業生と多くの研 究成果を輩出、創出してきました。そして現在、大学院理工学研究科の中で、最先端の研 究活動とそれを背景にした特色ある学部・大学院教育のもと、物理学を志す多くの学生の ニーズに応えてきています。 埼玉大学の最寄り駅は北浦和駅・南与野駅で、北関東方面からのキーターミナルである 大宮駅からそれぞれ10分ほど、また都心からは30分ほどでアクセスできます。最寄り駅か らはバス/自転車を利用し、10-15分ほどで大学に到着します。首都圏には多くの物理 系学科を有する大学がありますが、私たち物理学科は、物理専門教育についての充実した カリキュラム、教育と切り離せない高度な研究活動レベル、また教育環境としての各種設 備、広く落ち着いたキャンパスに自信があります。受験生の皆さん、“さいたま”で「自然の 謎」を物理学の側面から探求してみませんか。また、広く自然科学に興味をお持ちの皆さ ん、私たちは素粒子・原子核・宇宙・超伝導・物質物性など最先端の物理に関わる 研究を行っています。その成果をご紹介する企画もありますのでその際にはぜひお立ち寄 りください。また何かご質問がありましたらお問い合わせください。より多くの方々が「自然」 に対する興味を深めてもらえることを願っています。 「受験生」の皆さんへ 理学部で何を学ぶか? 理学は私たちを取り巻く自然現象の根底にある真理や原理を探求する学問です。埼玉大学理学部は数学科、物理学科、 基礎化学科、分子生物学科、生体制御学科を有し、それぞれの分野での基本的知識や技術を修得した上で、さらに論理的、 抽象的思考能力、課題探求・解決能力を身につけていきます。 物理学科では何を学ぶか? 私たちは様々な自然現象を観察したり経験します。そのそれぞれについて「どうしてそのような現象が起こるのか」、その 必然性を自然の成り立ちの基本に戻って理解しようとするのが物理学です。ですから、 物理学では様々な自然現象を、より統一的な法則性を求めて探求します。このため、極 微の素粒子や原子核をはじめ、これらがたくさん集まってできた超伝導体や磁性体など の多様な物質群、さらには宇宙の構造や進化まで、あらゆる自然現象が物理学の対象 になります。素粒子の性質を詳しく調べていくと、宇宙の進化にまで話が進みます。逆に 宇宙を研究すると、素粒子の未解明な性質のヒントが得られることもあります。身近な物 質の中に新しい「宇宙」を見つけることもあります。このことは統一的に自然現象を観察 し、そこに潜む普遍性を見いだすことの重要性を示しています。 また、自然現象を基本に戻って考えれば、物質の新しい性質の発見・応用にもつなが ります。携帯電話、コンピュータ、CDなどの現代生活になくてはならない技術の基礎は、 物質の持つ様々な性質を、それを構成する原子や電子の集団のふるまいとして理解す ることによって成り立っています。また、このような技術の進歩によって観測機器や実験 装置、理論計算のためのコンピュータも進歩し、さらに深く自然を理解することができるよ うになります。 物理学科での教育は、このような現代物理学を理解するための基礎を身につける事を 目標にしています。 自然現象を根本的、統一的に理解するのが物理学の目的ですから、教育においても、断片的知識の 集積でなく、常に基本にもどって考える手法を身につけるところに重点が置かれています。 私たち物理学科は 物理学科には物性物理から、素粒子、原子核、宇宙線・宇宙物理の分野まで、幅広い分野を研究するスタッフがいて、 協力して学部・大学院の教育にあたっています。物理学はあらゆる自然科学の基礎をなす学問であり、自然現象を根本的、 統一的に理解することを目的としていますので、教育カリキュラムにおいても、学ぶべき科目は体系的に学年別に組み立て られています。また、学生の学習・生活等に関わる相談に応えるため、物理学科では平成 15 年度より担任制を導入し、年数 回の面談を行うなど、きめ細かな学生指導に努めています。 皆さんはどちらにお住まいですか?どこに高校はありますか?埼玉大学に通えますか?“さいたま”で物理を学ぶこと、そ れにふさわしい場を私たちは提供します。毎年8月に開催される埼玉 大学説明会の一環である「理学部説明会」においては、物理学科全 体の教育カリキュラムや卒業後の進路についての説明に加え、私た ちが行っている研究についても説明を行います。また、相談デスクを 設けて大学での勉学、生活、研究、入試などについてのいろいろな質 問を受け付けています。是非お立ち寄りください。 物理学科では、物理について幅広い基礎学力を持ち、英語・数学 にもしっかりとした学力を持つ学生を求めています。そして、なにより 物理についての好奇心・興味が向学心を維持する原動力です。その 気持ちを持ち続けている、柔軟な思考力と勉学意欲に満ちた皆さんの 入学を期待しています。 「教育」にたずさわる皆さんへ 理学部はいろいろな方面から社会との連携をはかる取り組みを行ってきてい ます。その中で物理学科も中学・高校の現場への出張授業、高校での理科教 育への支援活動(SSH・SPP活動)、物理学科学生のアウトリーチ活動等を 積極的に実施してきています。また、「埼玉理数科教育連絡協議会」を通して 理科教育面での埼玉県内各高校との連携も深め、各校で理学部・物理学科 の紹介、入試情報、加えて各教員の行っている先端研究をわかりやすく紹介 する模擬講義を開講してきています。また、「埼玉大学見学」として高校生の受 け入れ、大学院学生の高校側企画への参加を行ってきています。物理学科教 員による「出張授業」の講義内容につきましては埼玉大学理学部HPに掲載し てあります。各学校からのご依頼には、進路指導の一環として、理科への好奇心を高めるための一助として、今後とも積極 的に答えて行きたいと思っています。お気軽にお問い合わせください。 「物理に興味がある」すべての皆さんへ 中学・高校生向けの出張授業等 とは別に、より広い年代の方を対 象にした最先端物理学の研究内 容の紹介、物理の謎を含んだ公開 実験も行ってきています。小学生・ 中学生には、より「自然の謎」につ いて興味を深めてもらい、理科を 好きになってもらうため、また、より 高い年代の皆さんの持つ、自然や 物理に対する好奇心をさらに喚起 し、疑問にお答えするために、「理 学部オープンキャンパス」など、さ まざまな機 会に「パネ ル展示」、 「講演会・セミナー」をはじめ、「高 温超伝導体を用いた電車の磁気 浮上実験」「液体窒素を用いた急 速冷凍」などの公開実験を行って きています。また、「理学部公開セ ミナー」や「物理学科学術講演会」も随時開催しています。今後とも様々な機会に物理学のおもしろさを皆さんにご紹介して いきたいと思います。企画については理学部HPをご覧ください。また、講演、実験実演につきましてはご要望があれば対応 したいと思いますので、お問い合わせください。 カリキュラムについて 物理学科では 1 年次から 4 年次にわたって、“基礎から応用へ”順に段階を追って科目を履修するようにカリキュラムが組 まれています。これは自然現象の論理的理解は一足飛びには容易ではなく、一段階ごとに進めていく方が効率的で理解度 も深まることからくるものです。物理基礎科目・数学科目から始めて、それらを専門科目理解のための助力とし、さらに演習 にて理解を深め、2 年次・3 年次の物理学実験を通して物理現象を実験的に解明する方法を学び、4 年次における高度な専 門科目、卒業研究にて物理学の核心に迫ります。また、集中講義を年 4 回開講しており、学外の研究者を招いて様々な分 野の最先端研究を紹介しています(最近の例:複雑系生命科学、電波天文学、強相関電子系、摩擦の物理、宇宙と元素、 太陽物理学など)。 一方で、物理学の考え方を学んだ学生が他の分野の講義を聴講し、幅広い知識を得ることは有意義であると考えていま す。理学部他学科および工学部で開講している科目を聴講して、修得すべき単位の一部を充足することもできます。卒業研 究では各自の希望に応じて理論系教員の指導するセミナーや輪講に参加したり、実験系教員の指導のもとにそれぞれの分 野の最先端の研究に参加することになります。 物理学科を卒業するには、教養教育科目として外国語(英語)科目 8 単位、人文・社会・自然・情報・外国語・体育系科目 の中から 24 単位以上を修得し、また、物理専門科目からは 92 単位以上、合計 124 単位以上を修得する必要があります。 専門科目のうち、57 単位は必修科目となっています。 力学、振動・波動、電磁気学Ⅰ・Ⅱ、解析力学、熱力学、統計力学 Ⅰ・Ⅱ、量子力学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、物理数学Ⅰ・Ⅱ、卒業研究などが必修科目です。これらの基礎的な科目の講義には対応する 演習科目が用意されており、それぞれの講義の担当教員が指導に当たっています。 また、物理学実験Ⅰ・Ⅱ・Ⅲも必修科 目で、実験系教員が指導します。 これらの他、代数及び幾何、解析学、相対論、電気力学、固体物理学、素粒子物理学、 量子物性学などを選択科目として開講しています。 この他、教職に関する専門科目等を履修することにより、 中学校および高等学校「理科」の教育職員免許状を取得する ことができます。 必修科目 理学部物理学科カリキュラムの流れ 力学・量力 1 年 電磁気 熱・統計 実験 物理数学 微分 積分学Ⅰ 代数及び 幾何Ⅰ 物理学 演習ⅠB 微分 積分学Ⅱ 代数及び 幾何Ⅱ 物理学 演習ⅡA 物理 数学Ⅰ 解析学 Ⅰ 物理学 実験Ⅰ 物理学 演習ⅡB 物理 数学Ⅱ 解析学 Ⅱ 量子力学Ⅱ演習 振動・波 動 電磁気 学Ⅰ 2 解析力学 電磁気 学Ⅱ 年 量子 力学Ⅰ 3 量子 力学Ⅱ 統計 力学Ⅰ 物理学 実験Ⅱ 量子 力学Ⅲ 統計 力学Ⅱ 物理学 実験Ⅲ 年 演習 物理学 演習ⅠA 力学 熱力学 電気力学 選択科目 4 卒業研究Ⅰ 年 卒業研究Ⅱ 統計力学Ⅰ演習 量子力学Ⅲ演習 統計力学Ⅱ演習 物理 数学Ⅲ 卒業後の進路 平成 16~20 年度について、物理学科卒業生の進路は下の表の通りで す。物理学科卒業生は、4 年間の教育を通して養われた高度の知識と専 門性を生かして、幅広い分野の民間企業、官公庁等に就職しています。 根元的かつ統一的に自然現象を把握しようとする考え方を身につけるとこ ろに重点をおいている物理学科の教育は、多様な企業・社会活動の場で 活かされてきています。技術の発展が目覚ましい現代にあって、新しい原 理にもとづく革新が次々と要求されるとき、これに柔軟に対処できる能力 をもった物理学科卒業生は各方面で高く評価されています。また、教員を 目指す学生は、教職単位を加えて取得し、卒業と同時に教員免許状の交 付を受け、中学・高等学校の「理科」(「数学」も可)の教員に採用されてい ます。卒業生の就職先、進学先は下の表をご覧ください。理学部物理学 科では学部学生・博士前期課程学生向けの就職支援として、種々のガイダンスや講演会を行ってきています。また、学科に は就職担当教員(進路指導委員)がおり、学生の個別の相談に対応するとともに、4 年次学生には卒業研究での指導教員 が進路についての相談に対応しています。また、埼玉大学主催の学生向け各種就職支援企画も年度を通して数多く開催さ れています。 最近の傾向としては、更に高度な専門的知識及び研究能力を養うため、大学院博士前期課程に進学し、修士の学位の 取得を目指す学生が増加しています。現在では卒業生の約 60%が本学大学院理工学研究科をはじめ、多くの国公私立大 学の大学院に進学しています。また、本学大学院理工学研究科は日本でトップクラスの研究所である理化学研究所と連携 大学院を構成しており、大学院生は理化学研究所の連携教員の指導を受けることもできます。なお、大学院修了後の進路 につきましては埼玉大学理学部案内をご参照ください。 物理学科卒業生 進路 卒業年度 大学院進学 就職 その他 計 平成 16 年 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 28 22 19 24 20 6 8 12 10 11 6 3 3 5 2 40 33 34 39 33 平成 16~20 年度卒業生 就職先・進学先 日立製作所、日本ビクター、木原製作所、東京エレクトロンFE、日立ハイシステム21、カシオ計算機、ダイキン空調東京、日立コン ピュータ機器、KSK、みずほ情報総研、秋田銀行、国際学院高等学校、栄光ゼミナール、ブレーンバンク四谷学院、三洋電機、SR A、富士テクニカルリサーチ、ドルチェ楽器、三菱UFJリース、りそなホールディングス、渋川市立金島小学校、日川高等学校 など 埼玉大学:理工学研究科、北海道大学:理学研究科、東北大学:理学研究科、筑波大学:数理物質科学研究科、東京大学:理学系 研究科 総合理工学研究科 工学研究科 総合文化研究科、総合研究大学院大学:物理化学研究科、東京工業大学:理工学研究 科 総合理工学研究科、名古屋大学:理学研究科 工学研究科、大阪大学:理学研究科、首都大学東京:理工学研究科 など 物理学科・卒業研究学生から [坂口さん] 物理学科では、3年生までに様々な分野の物理学の勉強する 事ができます。4年生になると研究室に入り、自分の勉強したい分野を専門 的に勉強・研究します。授業は難しいですが、教授は魅力的な方ばかりで、 授業でわからない所などがあれば個人的に聞きに行くと丁寧に教えてくれ ますし、進路についても親身になって相談にのってくださいます。学科の人 とは同じ授業をとる事が多く、高校のクラスのような感覚で仲良くなれます。 飲み会なんかもあって、違う学年の人や教授、院生の人とも話す機会がた くさんありますよ。 [神頭さん] 私は科学、とくに宇宙の分野に興味があって、埼玉大学理学 部物理学科に入学しました。実際に講義を受け物理を学んでいくうちに、科 学のベースの多くは物理学であるということを実感しました。物理学は現代 社会のさまざまな分野で生かされているので、それにともない講義も、量子 力学、統計力学、相対論など多岐にわたっています。先生方や生徒のみな さんも意欲的に自分の興味ある分野について学んでいます。科学に興味の ある人なら、きっと好きな分野が見つけられると思います。 [八木くん] 埼玉大学物理学科の特長は、少人制の学科という事です。人 数が少ないので、学校のクラスのような雰囲気で、そのまま四年間過ごすこ とができるので、自然と仲良くなれます。また、授業と演習が一体となってい るので、授業の進行具合にあった演習問題が解け、しっかり授業の予習と 復習を行えば、学力も自然とつきます。分からないところがあっても、先生 に気軽に聞きにいくことができるので、疑問を残さずに次に進むことができ ます。 [天川くん] 僕は工学にも興味があり、実際に応用できそうな物質の面白い 性質を調べる、物性物理に興味を持ち入学しました。大学に入りたての頃 は慣れない環境で、見慣れない数式が出てきたりと、色々大変です。でも学 年があがるにつれて、それまで勉強してきた知識が色々な所でリンクしてき て楽しくなってくるし、また考える力もつきます。色々な数式を使って自然現 象を解明していく理論分野、また色々な事象を測定し新しい発見をしていく 実験分野、どちらも魅力的だと思います。 [谷口さん] 私が物理学科を選んだ理由は中高の教員免許がほしかったか らです。教師=教育学部ですが、専門的な知識があった方が科学のおもし ろさを伝えられるのではないかと思って理学部を受験しました。物理学科の 教授は堅苦しいイメージを待たれがちですが、実際はやさしい方ばかりで す。また、先生方は研究活動のサポートをしてくださるので充実した4年間 が送れると思います。物理学科は女子が多いと思われますか?20%くらい ですのでまだまだ希少価値高いです。 草津合宿セミナースナップ 2005.12 理学部・物理学科での学生生活は? 理学部新入生向け、また在学生向けに学習・生活のためのガイダンスを4月に開催しています。2-4 年次学生と新 1 年 次生との交流の機会も同時期にありますので、そのなかでカリキュラム・大学生活に関して先輩からのアドバイスを受ける 機会も多いことと思います。また、物理学科には、カリキュラム担当、教育実習担当、進路担当等の教員が学生の皆さんか らの相談に対応しています。講義については各講義担当教員が個別に「オフィスアワー」を設けており、勉強に関する質問 に答える体制をとっています。そのほか、少人数の学生ごとに教員が担任として割り当てられており、学生生活・講義履修に ついてのアドバイス等にきめ細かな対応ができるようにしています。4 年次学生には、卒業研究でそれぞれ所属した研究室 の指導教員が、皆さんのさまざまな相談に対応しています。研究室に所属している大学院学生の皆さんも相談に対して大き な力になってくれるはずです。また、学生生活における精神面での悩みや身体の健康については、埼玉大学保健管理セン ターと学生生活相談室がそれを受け付けています。 前期授業期間は 4 月から 7 月後半までの 15 週間で、引き続いて前期試験期間にて期末試験を行い、実力が試されます。 後期授業期間は 10 月から始まり、1 月末まで続きます。そのあと、後期期末試験期間となっています。前・後期授業期間の 間には集中講義期間が用意されています。1・2 時限目の講義は 9 時 00 分から 10 時 30 分まで、そのあと 10 分の休みを挟 んで 3・4 時限目。お昼休みは 12 時 10 分から 13 時 00 分までで、その間に大学生協レストランなどで食事、もしくはお弁当 をひろげます。午後の講義は 5・6 時限目から 9・10 時限目(17 時 50 分まで)まで時間枠があり、各自のカリキュラムに従っ て講義を受講します。講義終了後は、各種サークル、部活動に参加。もしくはアルバイトに就く学生や図書館での予習復習 に励む学生と様々です。 物理学科では他に、1・2年生向けの合宿セミナー、研究室対抗ソフトボール大会/ボーリング大会、学年縦割り学生/ 教員懇親会などの企画があります。 物理学科教員・研究紹介(大学院理工学研究科・研究部門) 埼玉大学理学部・工学部の上部組織として、博士前期課程と博士後期課程からなる大学院理工学研究科が設置されて います。先端技術、次世代技術、革新技術力が要求される現代の中で、専門的かつ実践的な教育・研究を担う大学院の役 割はますます重要視されてきています。科学技術の先端分野の開拓には、理・工の協奏的発展を促進する体制が必要であ り、同時に、それを担う人材の養成は切り離すことはできません。埼玉大学理工学研究科は、日本で最初の連携大学院とし て理化学研究所を連携先として発足し、現在では 4 研究機関と連携して、理学部と工学部教員の他に理化学研究所他の研 究者を連携教員として迎え、共同して教育・研究に当たっています。 博士前期課程には6つの専攻があり、各専攻の下に、学部教育に対応した領域の基幹教育プログラムとして「コース」を 置いています。物理学科教員は物理機能系専攻(物理学コース)にて教育・研究にあたっています。物理学コースでは素粒 子・原子核のミクロな世界から宇宙の構造、活動天体の解明にわたる研究、また物質の持つ様々な性質を多数の原子や電 子の集合の振舞いという視点から、統一的に理解する物性物理研究を理論・実験両面から行っています。大学院での教育 研究は専門的な講義・輪講等をベースにして、各研究テーマに則した実験・数値計算・理論研究など、各研究室で教員の指 導のもと進んでいきます。大学院学生の皆さんには、研究に対する目的意識を持ち、最先端の研究分野でその研究の一端 を担う自覚を持って、自己の能力をさらに高めていってもらいたいと思います。多彩な研究分野のもとで、皆さんのチャレン ジを期待しています。 物理学科で皆さんの教育を担当する各教員は、それぞれの研究分野で最先端の理論・実験的研究を行っています。学部 学生がその物理学研究に触れるのは4年次の卒業研究になります。研究分野の一覧は以下の通りですが、より詳細な研 究内容の紹介は「物理学科HP」より「各教員のHP」をご参照ください。 素粒子理論 教授 谷井 義彰 弦理論や超対称性理論など、重力を含めた素粒子の統一理論、および、重力の量子論 に関連した研究。 准教授 佐藤 丈 大統一理論に基づくクオーク/レプトンの世代構造 についての研究。 特にニュートリノ 振動現象を手がかりに、レプトンの世代対称性の破れについて研究している。 原子核物理(理論) 教授 吉永 尚孝 原子核理論・天体核物理・ハドロン物理/集団運動模型、殻模型および GCM 計算による 原子核構造の研究。中性子星の状態方程式とその構造。ハドロン・クォーク相転移の乱 雑行列による研究。 物性理論 教授 助教 佐宗 哲郎 今井 剛樹 物性理論/とくに相関の強い電子系における多体問題。有機導体、遷移金属および希土 類化合物における近藤効果、重い電子系、近藤絶縁体、超伝導などの研究。 教授 飛田 和男 物性理論、統計物理学/アボガドロ数もの原子が集まると、磁性や超伝導のように一つ の原子の性質からは想像もできない多様な現象が起きます。このような現象について理 論的に研究しています。 物性実験 教授 片野 進 教授 佐藤 一彦 准教授 小坂 昌史 准教授 谷口 弘三 物性実験/強相関電子系が示す多彩な物性の解明-低温とともに高圧力や強磁場など 試料環境を極限にまで変化させ、新しく現れる物質の姿を探っています。 物性実験/超伝導体・磁性体などの低温物性実験。低温における輸送現象や熱的・磁 気的測定、冷凍機の開発、μSR実験など。 物性実験/物性実験:金属元素を含む様々な物質を作成し、その電子状態を研究してい ます。電子状態を明らかにするためには物質を極限的な状況下に置いて、電気 的性質 磁気的性質を調べることが有効です。そこで研究室では 10 万気圧を越える高圧力、10T の強磁場、0.4K の極低温環境を駆使して研究を進めています。 物性実験/伝導性有機物質の物性研究。有機結晶合成、低温高圧実験、輸送特性測定 などの実験を通して、金属物理、電子相関物理、超伝導物理などを対象として研究を行っ ています。 原子核物理(実験) 教授 准教授 鈴木 健 山口 貴之 原子核実験/原子の周りを回っている電子を剥ぎ取り、元素を加速器という装置で光速 の70%位まで加速して標的に衝突させる原子核反応を研究しています。 宇宙物理実験 教授 井上 直也 教授 田代 信 准教授 寺田 幸功 宇宙線実験/宇宙から飛来する原子=宇宙線に関して、特に最高エネルギー領域での 宇宙線観測によるその生成起源と宇宙伝搬の研究。中エネルギー領域宇宙線のボリビ ア高地(5200m)での観測による粒子相互作用と化学組成の研究がテーマです。 宇宙物理実験:X 線、ガンマ線、可視光での宇宙観測。超新星爆発やブラックホール、中 性子星、白色矮星などの相対論的天体にみられる超高温プラズマからのX線を測定し、 強磁場やプラズマ加熱機構、100 年の謎とされる粒子の加速メカニズムの研究などを行っ ています。また、超広視野自動望遠鏡システムを構築して天体観測したり、次世代 X 線観 測衛星やロケット実験に搭載する X 線観測装置の開発も行っています。 問い合わせ先:埼玉大学理学部物理学科 〒338-8570 さいたま市桜区下大久保 255 事務室 TEL 048-858-3362 FAX 048-858-3362 物理学科ホームページ http://phy.saitama-u.ac.jp/ 理学部ホームページ http://www.sci.saitama-u.ac.jp/ 埼玉大学ホームページ http://www.saitama-u.ac.jp/ アクセス: JR 京浜東北線「北浦和駅」西口下車→バス「埼玉大学」行き(終点) JR 埼京線「南与野駅」下車→バス「埼玉大学」行き(終点) 東武東上線「志木駅」東口下車→バス「与野駅」行き(「埼玉大学」下車) 2009 年 8 月 1 日発行 埼玉大学理学部物理学科