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阿賀野市基本計画 1 産業集積の形成又は産業集積の活性化

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阿賀野市基本計画 1 産業集積の形成又は産業集積の活性化
阿賀野市基本計画
1 産業集積の形成又は産業集積の活性化に関する目標
(1)地域の特色と目指す産業集積の概要について
【地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色について】
①地理的条件
本市は、新潟市の東に位置し、平成 16 年 4
図1
新潟県
月に隣接する安田町・京ヶ瀬村・水原町・笹
2
神 村 が 新 設 合 併 し 総 面 積 192.7km 、 人 口
45,569 人(平成 22 年国勢調査)の阿賀野市が
阿賀野市
誕生した。
南側には大河阿賀野川が流れ、東側には標
高 1,000m 級の山々が連なる五頭連峰を背に
して形成された扇状地に約 5,800ha 余りの水
田が広がる穀倉地帯で、自然環境豊かな地域
である。
こうした豊かな大地・豊富な水を活用して
農業や酪農、窯業土石などが地場産業として
発展してきた。
また、本市の中央部に国の天然記念物「白鳥渡来地」として有名な瓢湖があり、平成 20 年
10 月 30 日にラムサール条約登録湿地として指定され、年間約 30 万人の観光客で賑わって
いる。
交通体系としては、新潟市から南東へ約 20km、北は新発田市、東は阿賀町、南は五泉市
2
にそれぞれ接している。東西約 18.5km、南北約 15.3km、面積 192.7km を有し、磐越自動車
道と国道 49 号が東西に国道 460 号と国道 290 号、JR 羽越本線が南北に整備されている。
新潟県東部産業団地から磐越自動車道安田 IC まで約 4km、新潟空港まで約 31km、新潟東
港まで約 37km の位置にあり、高速道路を利用してのトラック輸送、大量輸送が可能な新潟
東港コンテナ航路では、ロシア、韓国、中国、東南アジア、空路では、ハバロフスク、ハル
ビン、ウラジオストク、ソウル、グアム、上海便が就航して海外にもアクセスが良好である。
②既存の産業集積の状況
本市の人口は、平成 22 年に実施した国勢調査では 45,569 人、労働力人口は 24,025 人と
なっている。また、産業別就業人口の割合は、第 1 次産業 10.2%、第 2 次産業 34.7%、第 3
次産業 55.2%となっている。
-1-
図2
次に、平成 22 年工業統計調査(従業員数 4 人以上)によると事業所数 112 社、従業員 4,129
人、製造品出荷総額 908 億 6,099 万円にのぼっている。製造品出荷額の構成比率及び従業員
比率では、食料品製造業が 35.5%、(従業員比率 31.7%)で一番多く、次に化学工業が 20.1%(従
業員比率 4.1%)、家具・装備品製造業が 7.4%(従業員比率 9.5%)
、電気機械器具製造業が 5.7%
(従業員比率 4.7%)、はん用機械器具製造業が 5.2%(従業員比率 6.5%)、金属製品製造業が
4.7%(従業員比率 5.4%)、窯業土石製造業が 4.4%(従業員比率 6.4%)と続いている。この統計
から食料品製造業のウエイトが高い地域である。
図3
図4
【食料品製造・バイオ関連産業】
本市は、コシヒカリを中心とした稲作が盛んで、野菜、果樹については、ほうれんそう、
さといも、おけさ柿、完熟いちご越後姫、ブルーベリーなど多品目を生産している。新潟県
主要指標から、平成 23 年の米の収穫量は 28,300t、新潟県の 4.5%を占める。また、安田地
区(旧安田町)は、古くから新潟県酪農発祥の地として酪農が根ざしており、平成 19 年の飼
養頭数(乳用牛)は 1,170 頭、新潟県の 10.3%を占め、加工乳製品の製造につながっている。
平成 23 年度から新潟県東部産業団地内おいて、「完熟いちご越後姫」のハウス栽培が始ま
った。冬季間から春にかけて収穫するもので、糖度が高く本市の新しいブランド果物になり
つつある。
また、本市の一正蒲鉾(株)栽培センターでは、舞茸を生産している。当工場は、舞茸の育
成環境を最適にコントロールするために工場の温度・湿度をコンピュータ管理し、検査・包
装センターを施設内に設置するなど一貫生産体制を行っている。
食料品製造業では、①米菓製造を行っている亀田製菓㈱水原工場、②乳製品製造を行って
-2-
いる(有)ヤスダヨーグルト、③小麦・米粉を原料に製麺製造を行っている(株)めんつうの各
社が、地域農産物等を利用して食料品を製造している。
畜産加工品の製造では、①鶏卵加工を行っている(株)ワイエムフーズ、②食肉加工を行っ
ている(株)佐藤食肉がある。
また、植物性乳酸菌メーカーの(株)バイオテックジャパンは、独自の低タンパク米を製
造・販売を行っている。平成 23 年 6 月には工場の増設を行い、年間 4,800 万食生産してい
る。低タンパク米は、腎臓疾患で食事制限を行っている人に大変好評で病院食や介護食にも
利用されている。
本市は、良質の米を生産していることから昔から日本酒の生産が盛んで、白龍酒造(株)、
越後桜酒造(株)、越つかの酒造(株)の 3 酒蔵がある。最近は、モンドセレクションの金賞を
博するなど地域ブランドから世界のブランドになった。海外に大吟醸を輸出しジャパニーズ
ワインとして飲まれている。最近は、この日本酒をヤスダヨーグルトとのコラボに成功し、
新しいブランドのリキュール酒を製造販売している。
【先端型加工組立・機械器具関連産業】
電子部品・デバイス・電子回路製造業では、①パソコン・デジタル家電・携帯電話の半導体用
リードフレームを製造している新光電気工業(株)京ヶ瀬工場、②微小精密成形技術により携
帯電話やパソコン、電子制御装置に使用する超小型のコイル用セラミックボビンなどを製造
している(株)フォノン明和、また③家電製品、OA 機器、計測機器の制御装置など電子部品・
デバイス製品を製造しているイオカ電子(株)がある。
生産用機械器具製造業では、①精密可変抵抗器の専門メーカーとして独自の高い技術を持
ち、産業用ジョイスティックなどを製造している栄通信工業(株)阿賀野工場、②半導体製造
装置、工作機械、各種精密電子部品製造装置、産業用ロボットに使用する精密ボールスプラ
イン(直動ベアリング)を製造している THK 新潟(株)、(株)クボ製作所前山工場、(有)ブライト
等がある。
また、デジタルカメラ部品、OA 機器の部品、車や航空機の部品の開発用試作モデルや量
産用の金型の設計・製造を行っている共栄エンジニアリング(株)がある。
金属製品製造業では、①アモルファス合金製の自動車部品や携帯電話などのリチウムイオ
ン電池部品を製造している(株)仲代金属、②難削材加工や風力発電機の軸受けなどを製造し
ている(有)阿部鐵工所、③自動車部品や自家発電機の部品を製造している藤中工業(株)、④
排気ダクトや道路標識の支柱、風力太陽光のハイブリッド型街路照明の支柱を製造している
水島鉄工(株)がある。
輸送用機械器具製造業としては、①最新鋭中型旅客機の内装品を製造している(株)クボ製
作所、②航空機の操縦桿を輸出している THK 新潟(株)がある。
化学工業では、①半導体製造工程で微細回路形成に欠かせないレジスト(感光剤)を製造し
ているローム・アンド・ハース電子材料(株)、②産業用ガス、医療用ガスを製造している新
-3-
潟エア・ウォーター(株)がある。
【グリーンイノベーション・資源リサイクル関連産業】
平成 18 年 2 月に「阿賀野市地域新エネルギービジョン」を策定し、住宅用太陽光発電設備
の補助制度の創設、電気自動車の導入、電気自動車用充電スタンドの整備を進めている。
また、本市には大規模分譲が可能な新潟県東部産業団地がある。新潟県では「新潟版グリ
ーンニューディール政策」を推進し、平成 21 年度から再生可能エネルギーを活用した安全・
安心な社会システムの構築を目指してきた。平成 23 年 10 月、低炭素社会の実現に有効な
再生可能エネルギー源の確保や、今後成長が見込まれる新エネルギー関連産業の育成に向
け、雪国におけるメガソーラー発電所建設の第 2 弾として、1Mw の太陽光発電所が発電を
開始した。
さらに、平成 24 年 7 月には 1Mw の太陽光発電所を増設し、再生可能エネルギーの活用を
推進する取組を加速することで、次世代におけるエネルギー選択の幅を広げるとともに、県
内の産業経済への波及を図っている。また、平成 24 年度から農業用水路を利用し、小水力
発電の実証実験を行っている。
平成 22 年 2 月には、「阿賀野市バイオマスタウン構想」を策定し、堆肥化事業、食品廃油
を原料としたバイオディーゼル燃料の利活用事業、食品汚泥の炭化事業などを進めている。
廃棄物処理業では、①食品廃油から BDF を製造している(株)愛和産業笹神工場、②食品製
造会社の排出する汚泥を回収、固化、炭化を行い土壌改良剤、活性炭、炭化燃料を製造して
いる新潟特殊企業(株)バイオマスエコセンターがある。
【医療・介護関連産業】
本市には、人工空気、酸素ガス、液体窒素、窒素ガス、酸化エチレン、二酸化炭素、亜酸
化窒素などの医療用ガスを製造している新潟エア・ウォーター(株)がある。また、医療機器
用として高気圧酸素治療装置、新生児・小児用人工呼吸器、保育器、レーザーメス、MRI に
も同社のガスが使われている。
また、THK 新潟(株)が製造している精密ボールスプライン(直動ベアリング)が、血液分析
装置、CT スキャナー等の医療機器に使われている。
③インフラ整備の状況
市営工業団地としては、赤坂工業団地、中山工業団地、保田工業団地、ツベタ工業団地、
十二神工業団地、大室工業団地、勝屋工業団地、京ヶ瀬工業団地、西部工業団地、沖工業団
地の合計 10 工業団地がある。総面積は 66.9ha で、全て完売の状況である。
また、本市の南東部には新潟県東部産業団地があり、総面積 126.5ha、工場用地としては
100ha を有し、平成 24 年 8 月末現在約 87ha が分譲可能用地となっている。
新潟県における当該産業団地の位置付けは、県外の優良企業を誘致することにより、新潟
-4-
県下越地域の工業構造の転換と周辺地域への関連産業の派生的立地を促すために整備され
たもので、既存工業団地及び既存工業との連携を図りながら、地域社会経済への波及力をよ
り高揚させるねらいがある。
この産業団地は、阿賀野市総合計画においても「新たな産業振興の中枢拠点」となる重要な
工業ゾーンとして位置付けされており、バイオ関連産業など社会・時勢ニーズに即応した多
種多様な産業を積極的に誘致することとしている。
更に自然環境や地域環境と調和した(地域に優しい・地域に融和した・働く人が快適な)内
陸型工業団地の形成を目指して整備された産業団地であり、特徴としては、1 区画当り 7ha
を超える大区画が用意されている。
また、この産業団地に立地している新潟東部太陽光発電所が、合計 2 Mw の再生可能エネ
ルギーによる電力の供給を行っている。
交通インフラでは、①釜山航路、中国・釜山航路、中国航路、ザルビノ・琿春航路、ロシア
極東航路へコンテナ航路を持つ新潟東港、②札幌、成田、名古屋(中部国際空港)、名古屋(小
牧空港)、大阪、福岡等の主要都市と結ぶ国内線、③ハバロフスク、ウラジオストク、ハル
ビン、ソウル、上海、グアムと結ぶ国際線を有する新潟空港に近く、④磐越自動車道により
関東・関西へ、磐越自動車道により東北へ接続している。
当該産業団地から車で新潟駅まで約 30 分、新潟空港まで約 35 分、新潟東港まで約 35 分、
新潟中央 IC まで(磐越自動車道利用)約 20 分、磐越自動車道安田 IC まで 5 分の距離である。
また磐越自動車道安田 IC を利用して東京(練馬)へは 320km(4 時間)、仙台 220km(2 時間 50
分)、名古屋(小牧)460km(5 時間 50 分)、大阪(豊中)620km(7 時間 40 分)で結ばれている。
情報通信インフラについては、FTTH が市内全域をカバーし、高速通信を可能にしている。
* FTTH:Fiber To The Home の略。通信事業者の収容局から加入者宅まで光ファイバーを
結び光速通信を可能とする技術。
【目指す産業集積の概要について】
本市において、従業員数或いは製造品出荷額等(平成 22 年工業統計調査)の構成比率 5%以
上の業種は、食料品の他、繊維、家具・装備品、印刷・同関連、化学、地場産業である窯業・
土石製品、金属製品、はん用機械器具、電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具の 10
業種が挙げられ、幅広い分野の「ものづくり産業」が集積している。これらは地域の特性・強
みとして長年にわたり、本市経済の活性化と就労の場としての役割を担ってきた。
しかしながら、「ものづくり産業」は経済のグローバル化が進む中で、国内企業は厳しい国
際競争の時代に突入したことから、工場立地がアジアを中心とした海外へと展開している状
況を踏まえると、本市の「ものづくり産業」の更なる発展のためには、「より高い技術力」、「超
精密加工」、「高度な部品加工技術」を駆使した高付加価値製品を生み出す産業構造の構築を
-5-
目指すことが必要であり、これが更なる魅力ある産業の集積に繋がると考えている。集積に
ついては、大企業を中心とした関連産業の集積が理想であるものの、現在の経済情勢から大
企業の進出は難しく、むしろ技術力のある堅実な企業進出がみられることから中小企業のク
ラスター集積を図り、大企業誘致に繋げる手法を進める。
現在、分譲が進んでいない新潟県東部産業団地(分譲率約 12%)に産業集積を進めるために
重点的な企業誘致活動を行う。
特に、国の日本再生戦略の中でも①医療・介護、②環境・エネルギー、③農林水産業の 3
分野に優先的に予算配分する見込みであることから、この 3 分野と当市の強みである農業、
食料品製造・バイオ関連産業、先端型加工組立・機械器具関連産業、化学産業、再生可能エネ
ルギー産業、環境リサイクル産業とのマッチングを図り、相互連携した新たな産業の創出に
結びつけていく。
① 食料品製造・バイオ関連産業
本市は自然環境が豊かな地域で、農産品の加工技術を活かした「食」に関係した企業のウエ
イトが高く「食料品製造関連産業」が集積している。最近では「農商工連携」や「6 次産業化」の
取組みと東日本大震災後、安全・安心な食の提供に対するニーズの高まりから「植物工場」と
して新たな農業への取組みも見込まれる。
特に、6 次産業化の取組みについては、農林水産省が、農林漁業生産と加工・販売の一体
化や、地域資源を活用した新たな産業の創出に対して積極的な支援策を打ち出しているので
地域農産物を利用した食料品製造関連産業の起業も期待できる。
また、本市には米を独自の発酵技術で高付加価値を付けた製品開発に取り組んでいる企業
もあることから、地域の特性を活かした企業や優れた技術を持つ企業を核として関連産業の
集積を図る。
② 先端型加工組立・機械器具関連産業
本市には、①各種産業の制御機器やコンピュータなどの機器に用いる IC 関連部品の製造
業、②更に半導体を製造するために必要なレジスト(感光剤)、③産業用ガスを製造している
化学工場、④製造ラインや産業用ロボットに使用する精密ボールスプライン(直動ベアリン
グ)を製造している企業が集積している。また、高度な加工技術により自動車部品や発電機、
風力発電機、リチウムイオン電池の部品を製造している企業が見られることから、これらの
企業を核とした関連企業の集積を図る。
更にこれらの業種は、グリーンイノベーション産業と医療機器関連産業の基盤産業にも繋
がるものである。
③ グリーンイノベーション・資源リサイクル関連産業
東日本大震災では、震災直後から電力が途絶しエネルギーの供給体制に大きな課題を残し
た。更に放射能問題や電力供給への不安が産業、生活面に大きな影響を及ぼし、災害に強い
安定的な電力供給体制の構築やクリーンエネルギー活用への要請が高まっている。
-6-
既に本市では、太陽光発電所が 2 基(2Mw)発電を行っている。このうち 1 基は冬期間の実
証を行い、雪国新潟でも太平洋側と比べても充分な発電量が得られることが実証された。
このことから当地域において、更なる太陽光発電所の集積を図り、一大再生可能エネルギ
ー供給基地の立地を図ると共に、太陽光電池・関連部品などを製造する「グリーンイノベーシ
ョン関連産業」の集積を図る。
また、バイオマスの有効利用として、廃食用油の BDF 燃料化、間伐材等の木質バイオマス
のチップ・ペレット燃料化、食品廃棄物等のバイオガス化及びバイオマス発電などが考えら
れることから、バイオマス関連の資源リサイクル関連産業の集積を図る。
④ 医療・介護関連産業
東日本大震災では、医療・介護に係るサプライチェーンにも大きく影響があった。特に、
人命に係る医療用ガスの供給も重要なものとなった。
今後高齢者の増加に伴い、介護施設・介護サービス利用者の増加が予想される。また、高
齢者向けの医療・介護機器の需要増加は、国内はもとより急激な経済成長を遂げている中国
でも需要が見込まれる。
当市は、医療用ガスの製造拠点があること、また先端型加工組立産業が提供する精密部品
や産業ロボットの技術を基にして医療機器や介護機器への転用が考えられることから、医
療・介護関連産業の集積を図る。
(2)具体的な成果目標
集積区域における集積
業種全体の付加価値額
現状(H22)
計画終了後(H29)
伸び率
408 億円
430 億円
5%
(3)目標達成に向けたスケジュール
産業用共用施設等の整備
取組事項
(取組を行う者)
①アクセス道路整備
(国)
②都市ガス整備
(民間)
③工業用水整備
(県)
④消防署の設置
(市)
25 年度
⑤ 空き工場、遊休地の情報収集及び
活用(市)
-7-
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
人材育成・確保
地域の研究
開発 技術支
援等
⑥ 再生可能エネルギーによるイン
フラの検討(県・市)
① U ターン・J ターン・I ターンによる
人材の確保推進
(県、ハローワーク、市)
② 職業能力開発校による人材育成
(職業能力開発校)
③ 大学による人材育成
(大学)
① 産学官連携の促進
(県・市・公的支援機関・大学)
・
企業誘致の推進
① 企業へのマッチング支援
(県・市・公的支援機関)
② 企業誘致の取り組み
首都圏及び隣県企業誘致活動強化
・アンケート調査
・企業訪問
(県・市)
③ 企業誘致に係る優遇措置
(県・市)
④ 企業誘致に係るワンストップサー
ビス機能の充実と立地済み企業へ
の組織的なフォローアップ体制の
整備
(県・市)
2 集積区域として設定する区域
(区域)
集積区域は、新潟県阿賀野市とする。
設定する区域は、平成 24 年 4 月 1 日現在におけ
新潟県
る行政区画その他の区域又は道路、鉄道等により表
示したものである。
ただし、自然公園法(昭和 32 年法律第 161 号)に
規定する自然公園区域(県立自然公園)、自然環境保
全法(昭和 47 年法律第 85 号)により規定する都道府
県自然環境保全地域、鳥獣の保護及び狩猟の適正化
阿賀野市
に関する法律(平成 14 年法律第 88 号)に規定する鳥
獣保護区、環境省が選定した「日本の重要湿地 500」
及び環境省が実施している自然環境基礎調査において特定植物群落として選定された環境
保全上重要な地域は除外する。
-8-
阿賀野市集積区域
五頭連峰県立
自然公園
日本の重要
県指定鳥獣
湿地 500
国指定特別 保護区(山崎)
(瓢湖)
鳥獣保護区
(瓢湖)
県指定鳥獣保護区
(五頭連峰)
県指定鳥
獣保護区
(宝珠山)
宝珠山自然環境保全地域
特定植物群落
【凡例】
重点企業立地促進区域
集積区域から除外する区域
自然公園・特定植物群落
鳥獣保護区
普通地域(自然公園除外)
自動車専用道路
一般国道
(集積区域の可住地面積)
14,110ha
(各市町村が集積区域に指定されている理由)
指定した区域は、平成 16 年 4 月に隣接する安田町、京ヶ瀬村、水原町、笹神村の旧 4 町村
が合併して出来た阿賀野市内のエリアで、自然的経済的社会的にも一体性が高い地域であるこ
とから、本計画における集積地域として指定するものである。
-9-
3 集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域
(区域)
集積区域の中でも特に重点的に企業立地を促進する区域は次の 12 箇所(200ha)とする。
① 阿賀野市山倉 1912-1 外 4 筆
(阿賀野市西部工業団地)
② 阿賀野市沖字腰廻 315-1
(阿賀野市沖工業団地)
③ 阿賀野市女堂 300-1 外 2 筆
④ 阿賀野市勝屋字横道下 918-5 外 3 筆
(阿賀野市勝屋工業団地)
⑤ 阿賀野市大室字山道 660-3 外 1 筆
(阿賀野市大室工業団地)
⑥ 阿賀野市十二神字貝喰 61-3 外 15 筆
(阿賀野市十二神工業団地)
⑦ 阿賀野市かがやき 257-41 外 202 筆
(新潟県東部産業団地)
⑧ 阿賀野市保田字中山 5836 外 23 筆
(阿賀野市中山工業団地)
⑨ 阿賀野市保田字ツベタ 6951-1 外 27 筆
(阿賀野市ツベタ工業団地)
⑩ 阿賀野市保田字加次免 1213-4 外 40 筆
(阿賀野市保田工業団地)
⑪ 阿賀野市六野瀬字井戸瀬 436-1 外 45 筆
(阿賀野市赤坂工業団地)
⑫ 阿賀野市京ヶ瀬工業団地 801-2 外 156 筆
(阿賀野市京ヶ瀬工業団地)
※
詳細な地番は別紙のとおり
設定する区域は、平成 24 年 4 月 1 日現在における地番により表示したものである。
4
工場立地法の特例措置を実施しようとする場合にあっては、その旨及び当該特例措置の
実施により期待される産業集積の形成又は産業集積の活性化の効果
(工場立地法の特例措置を実施しようとする区域)
工場立地法の特例措置を実施しようとする区域は、上記の重点区域とする。
・
工場立地法に定める「特定工場」(一定の敷地面積又は建築面積を有する製造業等を行う
工場)については、同法に基づき原則、敷地面積に対して一定の比 率以上の緑地・環境施
設面積を確保することが求められている。
・
しかしながら、当該区域には既に相当数の企業が立地し集積が進んでおり、緑地を含む
新たな用地の確保が困難であることから、工場立地法の特例を措置することが不可欠な状
況である。
・ 本計画の「重点促進区域」に定められると、市町村が緑地・環境施設等の面積比率につい
て柔軟に緩和する工場立地法の規制の特例措置を設けることができる。
・
集積増加を目標とする業種は高い成長が期待できる企業が多く、また既存事業所におい
ても、新たな設備投資や生産能力拡充、生産人員増強が必要な場合が増えており、効率的
な用地確保が求められている。
・
特例措置の適用により工場用地の効率的活用が進み、①農地転用面積の縮小、②新規立
地企業の工場用地への配分増加等が期待され、13 件程度の新規企業立地や増設によって
- 10 -
新たに雇用が 400 人程度の増加が期待できる。なお、既存工場については、敷地内での
生産・研究施設の増設、増加従業員の駐車場、冬期の雪捨て場の確保などが可能となる。
また新規立地工場については、工場の取得用地が縮小するなど用地の効率的な活用が可能
となる。
・
なお、当該特例措置の適用にあたっては、地域の実情、住民の意思を踏まえ、特定工場
周辺の生活環境の保持を適切に図るとともに、県・市の環境保全の部局や関係機関との調
整を行うものとする。
5 集積業種として指定する業種(以下「指定集積業種」という。)
(1) 業種名
業種名又は産業名
①食料品製造・バイオ
関連産業
②先端型加工組立・機
械器具関連産業
日本標準産業分類上の業種名
01 農業(植物工場のみ)
09 食料品製造業
10 飲料・たばこ・飼料製造業(105 たばこ製造業を除く)
14 パルプ・紙・紙加工品製造業
15 印刷・同関連業
26 生産用機械器具製造業
28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
44 道路貨物運送業
47 倉庫業
48 輸送に附帯するサービス業
52 飲食料品卸売業
88 廃棄物処理業(8822 産業廃棄物処分業に限る)
14 パルプ・紙・紙加工品製造業
15 印刷・同関連業
16 化学工業(1624 塩製造業を除く)
17 石油製品・石炭製品製造業
18 プラスチック製品製造業
19 ゴム製品製造業
20 なめし革・同製品・毛皮製造業
21 窯業・土石製品製造業
22 鉄鋼業
23 非鉄金属製造業
24 金属製品製造業
25 はん用機械器具製造業
26 生産用機械器具製造業
27 業務用機械器具製造業
28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
30 情報通信機械器具製造業
31 輸送用機械器具製造業
32 その他の製造業
- 11 -
③グリーン イノベー
ション・資源リサイ
クル関連産業
④医療・介護関連産業
(2)
39 情報サービス業
54 機械器具卸売業
10 飲料・たばこ・飼料製造業(105 たばこ製造業を除く)
14 パルプ・紙・紙加工品製造業
15 印刷・同関連業
16 化学工業(1624 塩製造業を除く)
29 電気機械器具製造業
33 電気業
53 建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
88 廃棄物処理業(8822 産業廃棄物処分業に限る)
11 繊維工業
13 家具・装備品製造業
15 印刷・同関連業
16 化学工業(1624 塩製造業を除く)
21 窯業・土石製品製造業
27 業務用機械器具製造業
29 電気機械器具製造業
32 その他の製造業
55 その他の卸売業
(1)の業種を指定した理由
本市の目指している産業集積と国の日本再生戦略の中で①医療・介護、②環境・エネルギー、
③農林水産業に対して力を入れていることから、この 3 分野を包括する産業集積を設定し関
連業種を指定した。
① 食料品製造・バイオ関連産業の集積形成
食料品製造業は、本市の工業統計調査結果(平成 22 年)による事業所数、従業員数、製造品
出荷額等の全体に占める割合でいずれも 10%以上となっており、特に従業員数、製造品出荷
額等では 30%を超えている。また関連産業を含めると更に高い割合になるものと推定され
る。
食料品製造関連産業を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化等により厳しい状況にある
が、①食料品製造業は本市の主力業種の1つであること、②製造品出荷額等でみると、食品
産業は全般的に景気変動の影響が少なく比較的安定していること、③「食」に対する消費者の
嗜好が健康・安心安全・本物へ変化していく中、それに対応した新たな設備投資が期待され
ること、④地元農業生産物を活かした、「農商工連携」や「6 次産業化」の取組みも活発化して
いることから、
「植物工場」など新たな産業が発生することも期待できる。併せて既存企業の
事業拡張や関連企業の新規立地を進めるために、食料品製造関連の業種を指定する。
また、米を独自の発酵技術で高付加価値を付けた製品開発に取り組んでいる企業があるこ
とからバイオ関連産業の業種も指定する。
- 12 -
②
先端型加工組立・機械器具関連産業の集積形成
先端型加工組立・機械器具関連産業とは、例えば、情報家電等のセット機器やそれらの基
幹部品、電子材料等を製造する産業分野などを想定しており、産業中分類では、主に化学、
プラスチック製品、金属製品、はん用機械、生産用機械、電子部品・デバイス・電子回路、電
気機械器具、情報通信機械に含まれるものと考えている。
本市の工業統計調査(平成 22 年)において、プラスチック製品、金属製品、はん用機械、
生産用機械、業務用機械、電子部品・デバイス・電子回路、電気機械の 8 業種の合計は、従
業員数で 32%、製造品出荷額等で 41.6%にのぼり集積が認められる。
特に、生産用機械部品製造として、製造ラインや産業用ロボットに使用する精密ボールス
プライン(直動ベアリング)を製造している企業が集積している。
化学工場として、フォトレジストを生産している企業や産業用ガスを製造している企業が
立地している。
電子部品の製造としては、①半導体用リードフレームを製造している企業、②超小型セラ
ミックコア・フェライトコアなどを製造している企業が立地している。
以上のことから、既に立地している先端型加工組立・機械器具関連産業の業種の指定に加
え、半導体製造に欠かせない化学工業の業種も指定する。
③ グリーンイノベーション・資源リサイクル関連産業の集積形成
平成 23 年 3 月の東日本大震災のエネルギー供給体制の教訓を踏まえて、災害時の電力供
給への不安が産業や生活面に大きな影響を及ぼし、安定的な電力供給体制の構築やクリーン
エネルギーへの要請が高まっている。既に 2Mw の太陽光発電所が、立地しているものの更な
る太陽光発電所の増設、バイオマス発電、小水力発電などの発電事業の推進を図るとともに、
部材等を供給するグリーン イノベーション関連産業の業種を指定する。
また、本市は、平成 22 年 2 月に「阿賀野市バイオマスタウン構想」を策定し、環境に優
しい循環型社会の形成と環境保全の充実を“まちづくり”の基本目標の一つとして、廃棄物
の減量化と再利用施設の整備、地球温暖化防止対策の推進、新エネルギーの計画的導入を掲
げていたことから、資源リサイクル関連の業種を指定する。
④
医療・介護関連産業の集積形成
当市は、医療用ガスの製造拠点であること、また、精密部品の製造や産業ロボットの製造
技術を持っている企業が集積しており、医療機器・介護機器への製造技術の転用が期待でき
ること、今後高齢者の増加に伴い医療機器や介護機器の需要が見込まれることなどから、医
療・介護関連業種を指定する。
- 13 -
6 指定集積業種に属する事業者の企業立地及び事業高度化の目標
目標数値
指定集積業種の企業立地件数又は新規事業件数
20 件
指定集積業種の製品出荷額の増加額
70 億円
指定集積業種の新規雇用創出件数
7
1,000 人
工場又は事業場、工場用地又は業務用地、研究開発のための施設又は研修施設その他の
事業のための施設の整備(既存の施設の活用を含む。)、高度な知識又は技術を有する人材
の育成その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備の事業を実施す
る者及び当該事業の内容
(産業用共用施設の整備等に関する事項)
本市には磐越自動車道と国道 49 号に隣接した新潟県東部産業団地があり、未だに分譲率
12%程度であることから、当団地に企業誘致を進めることが最大の課題になっている。
(1)アクセス道路整備
一般国道 49 号の阿賀野市六野瀬と同市下黒瀬の間を阿賀野バイパスで結ぶもので、本市
の交通渋滞が大幅に緩和される。当バイパスは、新潟市から新潟県東部産業団地までを最
短距離に結ぶ形となるため、早期実現に向けて国に働きかけを行っていく。
(2)都市ガスの整備
本市の工業団地には、一部を除いて都市ガスの整備がされていない。特に新潟県東部産
業団地に食品関連産業を始めとする熱処理を行う事業所誘致には、都市ガスが欠かせない
ものであるため、都市ガス供給事業所と協議を進め実現を目指す。
(3)工業用水整備
大規模分譲を進める新潟県東部産業団地には、工業用水が整備されていない。このため
大量に水を使う事業所の進出が見込めないことから、県の協力のもとで速やかに対応して
いく。
(4)消防署の設置
本市に消防署を建設する計画があるため、新潟県東部産業団地に設置を進める。消防署
設置により安心安全な産業団地をアピールすることができる。
(5)空き工場、遊休地の情報収集及び活用
空き工場、遊休地に関する情報の収集と一元化を行い、進出企業の検討材料としての情
報提供を行う。
(6)再生可能エネルギーによるインフラの検討
スマートグリッドや蓄電池等を活用して安定的に再生可能エネルギーを供給することを
可能とする設備や、共用の水サイクル施設等の資源を有効活用等に資する新たな産業イン
フラの充実に向けて検討を進める。
- 14 -
(人材の育成・確保に関する事項)
人口減少社会において、経済成長を続けていくには生産性の向上が必要であるが、近年、
特に製造業に就職する若年者の減少、熟練技能者の高齢化により、次代を担う産業人材の不
足が懸念されている。
(1)U ターン・J ターン・I ターンによる人材確保のための取り組み
企業誘致を進める上で、優秀な人材の確保が欠かせない要素である。それには、本市の
強みである自然環境あふれる中での就業と技術力のある既存産業を広報する必要がある。
このことから地元企業の魅力について、ホームページなどを利用して広く情報発信し、
都会で専門知識を持つ人材の確保や地方で暮らしたいと考えている人の「U ターン就職」、
「J ターン就職」、「U ターン転職」を促す。特に、表参道・新潟館ネスパス内の「にいがた U
ターン情報センター」などを通じて U ターン・J ターン・I ターン者に対する情報提供を行う。
また、地元企業や進出予定企業が必要とする人材について情報収集し、大学や専門学校
等への情報提供を行う。
(2)職業能力開発校における地域産業につながる人材育成の取り組み
① 新潟県立新潟テクノスクール(所在地:新潟市)
機械、電気、自動車整備、溶接等の分野で高度な整備技術に対応できる人材を育成し
ている。特に、3 次元 CAD なども取り入れ、より高度な技能を身につけさせるための訓
練を実施している。また、企業からのニーズに応じたオーダーメイド型の在職者訓練を
実施するなど企業の人材育成も支援している。
② 新潟職業能力開発短期大学校(所在地:新発田市)
工科系短期大学校として発足し、機械、メカトロニクス、電気、電子、情報、建築の
各分野において、設計や開発にも携わることの出来る実践技術者を養成している。
(3)大学における地域産業につながる人材育成の取り組み
① 新潟工業短期大学(所在地:新潟市)
昭和 43 年 4 月に開学した新潟工業短期大学は、2 級自動車整備士を養成する自動車工
業科と 1 級自動車整備士養成施設に指定された専攻科を設置し次世代のエンジニアリン
グを育成している。
② 新潟国際情報大学(所在地:新潟市)
情報文化学科では、北東アジアを中心とした国々の言語・異文化を理解し、国際社会
に対応できる人材を育成している。また、情報システム学科では、最新の情報技術(IT)
情報システム(IS)を創造し、自在に活用できる人材を育成している。
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(技術支援等に関する事項)
以下の県内の大学及び産業支援機関などと連携し、立地企業等に対する技術支援等を行
う。
(1)新潟大学(所在地:新潟市)
新潟大学の産学地域連携推進センターにおいては、最先端の設備を有しており、人材の
育成と企業における未解の問題や課題に対し、助言や知識、情報、研究成果などの提供を
行っている。また、産学共通の課題についても共同研究を実施する場となっている。
(2)長岡技術科学大学(所在地:長岡市)
長岡技術科学大学は、実践的な技術開発を主眼とした教育研究を行う工学系の大学とし
て設置され、創造的・実践的な技術者・研究者の養成を行いながら地域社会との連携を図っ
ている。特に産業界との連携を行う「産学官・地域連携/知的財産本部」があり、企業と教員
との間のコーディネートを行い、共同技術開発の推進などの事業を実施している。
(3)新潟薬科大学(所在地:新潟市)
新潟薬科大学産官学連携推進センターでは、医薬品や健康食品・サプリメント食品の開
発、機能評価、バイオ関連技術のアドバイザーとして、企業・官公庁・研究機関と共同研究・
技術相談を行っている。また、当大学は、阿賀野市五頭薬用植物園の管理組合委員として、
当植物園の事業運営に協力しており、今後とも多方面にわたって連携していく。
(4)新潟工科大学(所在地:柏崎市)
新潟工科大学地域産学交流センターでは、機械、制御、電気、電子、情報、化学、バイ
オテクノロジー、建築および土木等に関する基礎研究、応用研究および実用化研究など広
い範囲で企業等からの共同研究、受託研究、奨励寄附、技術相談および各種調査等を受け
入れている。
(5)新潟医療福祉大学(所在地:新潟市)
新潟医療福祉大学の研究推進機構プロジェクト研究センターでは、企業・団体などから受
託研究や共同研究を受け入れている。
(6)新潟市バイオリサーチセンター(所在地:新潟市)
新潟市が進める「新潟バイオリサーチパーク構想」の展開エリア内の共同研究施設であ
る。同センターでは、同構想に基づき、新潟薬科大学と共同し、バイオ関連産業に役立つ
新技術開発とその有効利用に関する研究を、産学官連携で行っている。
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(7)(財)にいがた産業創造機構(所在地:新潟市)
(財)にいがた産業創造機構では、企業の新商品・新技術の研究開発に対し、助成金による
支援行うほか、企業と大学との研究開発に関するコーディネートも実施していく。
また、中小企業の経営革新を促進することにより、自立型企業を創出し、県内産業の活
性化を図るため、中小企業新事業活動促進法に基づき、経営革新計画の事前指導、審査、
承認及びフォローを引き続き行っている。
(8)新潟県工業技術総合研究所(所在地:新潟市)
県内中小企業の技術的支援、企業単独では解決困難な問題に向けた分析調査や、製品開
発、技術開発を行う際に必要な高精度な計測や信頼性評価、特性評価など実施している。
また、同下越技術支援センターにおいては、技術指導、実用研究、依頼試験、試験研究
機器の開放などとともに情報提供、企業間リンケージなど企業活動に密着した総合的な技
術支援も行っている。
(9)新潟県農業総合研究所食品研究センター(所在地:加茂市)
農業と食品産業のさらなる発展のため、米の消費拡大の研究、本作・転作産物である大豆
の利用拡大の研究、今後生産増が見込まれる県特産農産物の利用の研究、米菓・餅・漬物等
の既存食品の高品質・高付加価値化の研究、機能性食品等の新規加工食品の研究などを重要
なテーマとし、技術開発に取り組んでいる。また、研究成果の技術移転や企業等への技術
支援をさらに進展させるとともに、産学官連携の共同研究などへの積極的な取り組みによ
る研究の高度化・効率化を行っている。
(その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備に関する事項)
(1)企業へのマッチング支援
(財)にいがた産業創造機構では、製造業に対する受発注取引の紹介・あっせんを行うとと
もにホームページを活用し、受発注情報の収集と提供に努める。
また、新規取引先開拓のため、製造業を中心とした技術提案型の商談会を開催するほか、
幅広い「新潟のモノづくりの技術力」を展示・提案し、商談成約などに繋げていく。
平成 24 年度から本市の職員を(財)にいがた産業創造機構(NICO)に派遣して、県内外の企
業との人的つながりの構築を行っている。
(2)企業誘致に係る取り組み(阿賀野市、新潟県)
本市では、企業誘致活動の経験のある人材を産業立地監として採用し、誘致活動を積極
的に行っている。また、市外の企業に対して、立地アンケート調査を実施し、進出意欲の
ある企業の発掘に取組んでいる。
平成 24 年度から新潟東部太陽光発電所説明員を 2 名採用し、発電所の説明と共に新潟県
- 17 -
東部産業団地の宣伝を行っている。また、本市のホームページに新潟県東部産業団地を掲
載し、情報発信している。
新潟県では、毎年「新潟県東部産業団地」専用のパンフレットと「にいがた企業立地ガイ
ド」を作成し、本県の工業団地の PR を行うとともに、DM によるアンケート調査の中で企業
の投資動向を継続的に把握し、企業訪問活動を行っていく。また、企業誘致のホームペー
ジを随時更新し、最新の情報を発信している。
また、事業者のニーズにきめ細かく対応するため、本市と新潟県は緊密な連携と適切な
役割分担を図っていく。
(3)企業誘致に係る優遇措置(阿賀野市・新潟県)
本市では、立地企業に対して、3 年間固定資産税の課税免除又は不均一課税により支援
する。
助成金としては、新潟県東部産業団地に進出する企業に対して、用地リース料(10 年間)
助成金、用地取得助成金(50%)、雇用促進奨励助成金、用地取得資金の利子補給などの制度
で立地企業を支援する。
新潟県では、県が指定する産業立地促進地域内への立地企業に対する不動産取得税課税
免除、事業税の不均一課税及び産業集積条例に基づいて同意集積区域への立地企業に対す
る不動産取得税の課税免除措置により、本市の企業誘致を支援する。
(4)企業誘致に係るワンストップサービス機能の充実と立地済み企業への組織的なフォロー
アップ体制の整備(阿賀野市・新潟県)
事業者にとっては、経営戦略に関する意思決定から実行にかけてのスピードがますます
重要となっている。このため、本市では事業者の事務負担軽減や企業誘致に関する許認可、
各種手続の迅速化等を進める実効性の高いワンストップサービスを提供するために、以下
の事項に取組む。
① 手続に関する標準処理期間を定め、各種規則の運用を可能な限り事前に明確化し、
事業者の予見可能性の確保に努める。
② 申請書類の記載方法や建築確認の申請時期等、事業計画の円滑な遂行に必要なアド
バイスを行う。
③ 企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律に基
づく事業者の計画に対する承認について、30 日以内に対応することを原則とする。
企業誘致にあたっては、市を挙げて企業誘致に取り組むためには、首長のリーダーシッ
プが不可欠であり、企業立地の重要性を庁内に浸透させながら、全庁的な支援体制を構築
することが必要であり、案件に応じて関係部署との連絡会議を開き、速やかな対応を行う
とともに、企業誘致の意義を共有していくものである。
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市長・副市長
企業
商工観光課
関係課
企業誘致係
また、立地後においても十分なフォローを行い、お客様としての企業ニーズに的確に応
えていくことも重要である。その一例として、市では毎年立地企業が開催する地域関係企
業連絡協議会や企業と地元自治会を対象とした協議会などに積極的に参加している。この
ような取り組みの中で相互の信頼関係が構築され、「立地企業に優しい地域」を更に推進す
るものである。
県においては、企業立地の速やかな推進を図るため、東京事務所、大阪事務所にそれぞ
れ企業誘致の担当スタッフを配置して、本県に企業進出する場合に必要な情報(工場・事業
所用地、支援体制、地域のインフラ情報等)を一元的に提供し、各種サポートを行うワン
ストップサービス体制の強化に取り組んでいる。
また、立地済み企業のフォローアップのために定期的な企業訪問を行い、要望等の聞き
取りを行っている。
(5)東日本大震災の教訓を踏まえた地域が一体となった継続計画の策定
東日本大震災を教訓に、地域企業の供給網(サプライチェーン)全体の可視化や物流ルー
トの多重化、域内の企業間取引の断絶等への対応について、企業や行政等地域の一体的な
継続計画の策定を検討していく。(県・市・民間事業者)
(6)阿賀野市地域産業活性化協議会の開催(阿賀野市・新潟県・関係機関等)
本市の産業集積の形成の進捗状況を把握するため、阿賀野市地域産業活性化協議会を年
1 回年度末の 2 月頃に開催し、以下の項目について協議するものとする。
①
集積全体の実態把握
②
目標項目の進捗状況を確認し、評価の実施
③
必要により計画の改訂を行う
④
その他、本計画に係ること
(7)基本計画期間終了後の取扱い
基本計画終了後に継続して事業を実施する場合には、それまでの計画の評価等を踏まえ
て改めて基本計画を策定する。
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8 環境の保全その他産業集積の形成又は産業集積の活性化に際して配慮すべき事項
(1) 環境保全への配慮
産業集積の形成及び活性化を図るに当たっては、新潟県環境基本条例第 3 条に規定する
基本理念等を踏まえて策定した新潟県環境基本計画に基づき、本県の優れた環境を保全し、
より良いものとして将来に継承していくため、事業者は次のように事業特性や地域の環境
特性に配慮する必要がある。
①
企業の事業活動に伴う周辺住民の生活環境への影響を軽減するため、本市と県が密
接な連携を図りながら、関係法令等に基づき、大気・水質等の排出抑制や騒音・振動の
発生等に関して助言・指導を行うなど、集積区域における環境負荷低減に向けた取り
組みを促進し、地域環境保全に十分な配慮を行う。
また、集積区域の事業活動によって発生する廃棄物の減量化と有効利用を推進する
とともに、併せてエネルギーの有効利用、省エネルギー対策の実施など地球環境の保
全への配慮を促す。なお、県営及び市営工業団地へ新たに立地する企業に対しては、
本市と環境保全協定を締結し、事業活動に伴って発生する公害等の防止対策に取り組
むよう求める。
②
集積区域内住民に対しては、必要に応じて環境保全について住民説明会やシンポジ
ウムの他、工場内の視察受け入れを行うなど、企業に対する十分な理解を図っていく。
③ ゼロ・エミッションや CO2 削減など先進的な取組みの企業又は団体を推奨し、その
普及啓発を図るほか、市では、環境基本計画・地球温暖化対策実行計画に「地球温暖化
に関する知見の普及」「温室効果ガスの排出抑制」などの具体的な取組みを盛り込むと
ともに、住民、企業及び行政の協働による取組みを進める。
(2) 安全な住民生活の保全への配慮
本市では、犯罪のない安全で安心して暮らすことができる社会の実現のため、
「新潟県犯
罪のない安全で安心なまちづくり条例」及び「阿賀野市犯罪のない安全で安心なまちづく
り推進条例」に基づき、行政並びに住民、企業及びこれらの者の組織する民間の団体によ
る犯罪の防止のための自主的な行動、犯罪の防止に配慮した生活環境の整備、その他犯罪
の発生する機会を減らすための取り組みを推進している。
企業立地を始めとする様々な事業活動に当たっては、犯罪及び事故の防止並びに地域の
安全と平穏の確保に配慮することが重要であり、両条例の趣旨も勘案し、地域住民等が安
全で住みよい地域社会を実現するため、次の事項に留意し、犯罪を未然に防止する活動や
防犯意識の高揚等に取り組むこととする。
・防犯設備の整備
犯罪被害防止のための防犯カメラ、照明の設置等
・防犯に配慮した施設の整備・管理
植栽の適切な配置及び剪定による見通しの確保や施設管理の徹底等
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・従業員に対する防犯指導
法令遵守や犯罪被害の防止に関する指導等
・地域における防犯活動への協力
地域住民等が行う防犯ボランテイア活動等への参加や、これに対する必要な物品・場
所の提供等の協力
・交通安全施設の整備
交通事故防止のための道路照明、カーブミラー、視線誘導標の設置等
交通渋滞の発生を見据えた導流帯、右折レーンの設置等
・不法就労の防止
外国人を雇用しようとする際における旅券等による当該外国人の就労資格の確認等
・地域住民との協議
企業立地や事業高度化の際における地域住民・自治会等への事前説明や意見聴取等
・警察への連絡体制の整備
防犯設備や防犯体制、犯罪や事故の発生時における警察への連絡体制の整備、災害発
生時を想定した地域が一体となった継続計画の策定等、地域の安全と平穏等を確保する
ために効果を有する取組を住民の理解を得ながら行っていく。
この他、基本計画を通じた産業集積の形成及び活性化にあたっては、国、県、市で定
める次の計画との調和を保持する。また、都市機能の無秩序な拡散の防止や農林漁業の
健全な発展と調和の確保に十分配慮し、実施していくものとする。
①国土形成計画
②都市計画(都市計画法第 18 条の 2 の市町村の都市計画に関する基本的な方針を含
む。)
③中心市街地の活性化に関する法律に想定する基本方針及び基本計画
④河川、鉄道、港湾、空港等の施設に関する国又は地方公共団体(法務局を含む)の
計画
⑤ 農業振興地域整備基本方針及び農業振興地域総合計画
・消防署の整備
本市の消防署は、消防本部と 3 箇所の分遣所が設置されている。平成 25 年度に 2 箇
所の分遣所の統廃合を行い、新潟県東部産業団地内に分遣所の建設計画を進めている。
このことにより災害に対する安心安全な団地として取り組んでいく。
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9 法第 5 条第 2 項第 3 号に規定する区域における同項第 7 号の施設の整備が、農用地等とし
て利用されている土地において行われる場合にあっては、当該土地を農用地等以外の用途
に供するために行う土地の利用の調整に関する事項
特になし。
10
計画期間
本計画の計画期間は計画同意の日から平成 29 年度末日までとする。
- 22 -
別紙
①
「3 集積区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域」の詳細地番
阿賀野市西部工業団地
阿賀野市山倉 1912-1~4、1912-6
② 阿賀野市沖工業団地
阿賀野市沖字腰廻 315-1
③ 阿賀野市女堂 300-1、300-2、301-22
④ 阿賀野市勝屋工業団地
阿賀野市勝屋字横道下 918-5、918-112、918-113、918-125
⑤ 阿賀野市大室工業団地
阿賀野市大室字山道 660-3、大室字新山 666-2
⑥ 阿賀野市十二神工業団地
阿賀野市十二神字貝喰 61-3、66-2、77-1、77-6、77-25、79-3、79-14、79-17
同
大室字十二神 244、247-1、247-2、1248
同
大室字貝喰 2139-223、2139-229、2142、2143
⑦ 新潟県東部産業団地
阿賀野市かがやき 257-41、257-105、257-107、257-109、356-1、356-66~356-70、
395-1、395-3~395-5、5911-1、5911-3~5911-27、5911-29、5917-1、
5917-4 ~ 5917-27 、 5917-32 、 6168-2 、 6168-4 、 6168-6 、 6168-8 ~ 6168-43 、
6170-3、6306-4~6306-21、6308-3、6308-5、6310-4、6310-5、6472-2、
6473-2 ~ 6473-4 、 6490-6 ~ 6490-8 、 6490-12 、 6495-9 、 6495-10 、 6513-2 、
6515-3、6516-3、6518-3~6518-7、6545-2、6545-3、6550-2~6550-4、6552-3、
6553-2、6553-3、6554-3~6554-5、6577-2、6577-3、6584-3、6584-4、6585-2、
6586-2、6586-4、6586-6~6586-8、6592-4、6597-3、6604-3、6606-3、
6606-6~6606-8、6607-2、6607-4~6607-7、6608-3、6621-3、6621-4、6623-2、
6623-6 、 6645 、 6652-3、 6654-2 、 6668-3 、 6670-4 、 6670-5 、 6697-6 、 6697-7 、
6698-3、6699-3、6700-3、7183-3、7184-3、7268-3、7431-2、7431-3、7436-2、
7438-1
⑧ 阿賀野市中山工業団地
阿賀野市保田字中山 5836、5837、5838、5839、5854-1、5855-1、5855-2、
5856-1、5856-2、5859-1、5859-2、5860-1、5866-3、5866-7、6320-5
同
羽多屋字火箱沢 327-1、328、333、350、358、359、360、361、366-138
- 23 -
⑨ 阿賀野市ツベタ工業団地
阿賀野市保田字ツベタ 6951-1~6951-4、6951-13、6952-10、6952-13、7107-1~
7107-4、7107-7~7107-9、7107-13~7107-15、7108-1、7108-2、7110、7111、
7113-1~7113-5、7114-1、7115
⑩ 阿賀野市保田工業団地
阿賀野市保田字加次免 1213-4
同 保田字老ケ池 1214-1、1214-2、1214-5~1214-7、1223-3
同 保田字蓼瀬 1267-3、1267-7、1280-2、1280-3、1280-5、1280-6、
1283-3、1284-3、1285-3、1285-4、1286-3、1298-3、
1301-3、1302-3、1303-3、1304-3、1305-3、1306-2、
1309-3、1322-4、1330-3、
同
保田字草刈場 1270-1、1340-1、1340-5~1340-7、1344-1~1344-5、
1348
同
小浮字老ケ池 7-2
同
野田字老ケ池 1-1
⑪ 阿賀野市赤坂工業団地
阿賀野市六野瀬字井戸瀬 436-1、436-5、436-6、437-2、437-12、437-13
同
久保字井戸瀬 1231-1~1231-3、1281-2、1281-7、1281-9、
1281-12~1281-14、1695-1、1695-3~1695-6、1695-11、1695-16
同
久保字向 1732-2、1732-6、1732-8~1732-10、1732-12
1764-2、1765-1、1765-2、1765-5~1765-7、1776-1、1776-4、1776-5、
1780-24、1780-27、1780-31、1780-33
1780-35、1790-33、1790-34、1790-43、1790-51
⑫ 阿賀野市京ヶ瀬工業団地
阿賀野市京ヶ瀬工業団地 801-2~801-5、801-9~801-54、801-59~68、
1045-1、1045-5~1045-26、1045-29、1062-1~1062-5、
1062-8~1062-15、1062-17、1062-22~1062-39、1147-1、1147-4、1192-1、
1192-4、1193-1、1194-1、1195、1196-1、1197-1、1197-4、1198-1、1199-1、
1200-1、1265、1266、1267、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、
1275-1 、 1288 、 1289 、 1289-1 、 1290 、 1291 、 1291-1 、 3610-2 、 3610-102 、
3610-118~3610-123
同
下里 3610-99~3610-101
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阿賀野市地域産業活性化基本計画の概要
・本市は、県都新潟市の東に隣接し農業が盛んである。その農産物を利用した米菓・乳製品などの食料品製造関連産業が集積し、
製品出荷額・従業員数のいずれも産業の一位を占める。
・電子部品とその関連産業、先端型加工組立・機械器具関連産業の集積、医療・産業用ガスを製造している事業所が立地している。
・雪国型メガソーラーの太陽光発電所が2基立地し、クリーンエネルギーや資源リサイクルの取組みが盛んである。
集積業種
成果目標(達成年次2017)
①食料品製造・バイオ関連産業
(健康・安心安全・本物志向のための新商品開発、バイオ産業に
よる高付加価値製品)
② 先端型加工組立・機械器具関連産業
(産業用ロボット、電子部品、航空機)
③ グリーン イノベーション・資源リサイクル関連産業
(太陽光発電所、小水力発電、資源循環型リサイクル)
④医療・介護関連産業
(医療機器、介護機器)
対象となる地域
新潟県阿賀野市
○付加価値額増加額
対象となる関連産業
430億円
伸び率
5%
○指定集積業種の製品出荷額の増加額
70億円
○企業立地件数
20件
○指定集積業種の新規雇用創出件数
1,000人
目標に向けた事業環境整備等
●インフラ整備
国道49号阿賀野バイパスの早期実現、都市ガス整備、工業用水整備などの推進
●空き工場、遊休地等の情報収集及び活用
各種企業ニーズに対応するための空き工場、遊休地等の情報収集及び情報提供
●人材育成・確保
・企業に対する大学・短期大学等の技術協力のサポート事業
・Uターン・Jターン・Iターン者への情報提供
・既存産業の情報発信事業
●技術支援・研究開発支援
大学、(財)にいがた産業創造機構、新潟県工業技術総合研究所、新潟県農業総合
研究所食品センター等と連携した共同研究・技術支援
●企業誘致活動の強化
優遇制度の周知、企業間のマッチング支援、ワンストップサービスの推進、フォ
ローアップ体制の強化
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