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よりよい明石の教育に向けて

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よりよい明石の教育に向けて
よりよい明石の教育に向けて
【あかし教育懇話会 第8回会議資料】
あかし教育懇話会
目
次
1.前回会議より
P1
2.小中一貫教育について
P2
3.学校配当予算について
P6
1.前回会議より
前回(第7回)会議では、教育環境の整備について話し合いを行った。具体的には、前々回(第6回)会議にお
ける委員からの意見等を踏まえ作成した「学校予算」、「部活動の状況」、「教員の複数校兼任事例」に関する資
料について、事務局から説明した後、学校規模適正化に向けた取組として、通学区域の変更や、調整区域の設置、
学校の統廃合などについて意見交換が行われた。
教育環境の整備については、委員から、電子黒板等のIC機器の活用や学校予算の付け方、部活動に係る金銭面で
の負担のあり方などについて意見が出されたほか、英語教育の推進等のための小中連携や教員の兼任の必要性につ
いても意見が出された。
また、学校の統廃合については、将来を見据え、スケジュールを含めた早期対応の必要性のほか、統廃合を行う
場合にいかに地域とのつながりを維持していくかという指摘があったほか、モデルケースとしての小中一貫校設置
や通学区域の見直し等、付加価値をつけた統廃合を行う必要性について意見が出された。
≪教育環境の整備に関する主な意見≫
◆ 少しずつでも中学校の先生が小学校に行けば、小中学校の連携がとれるようになると思う。
◆ 一般市民の目線からは、教員の兼任という教育制度についてもニーズがあると考えている。
◆ やる気や能力のある臨時教員には、できるだけ早く安定した職場を提供してほしい。
≪学校規模適正化に関する主な意見≫
◆ 学校の統廃合は計画的に行う必要があり、早めにスケジュールを組んで取り組んでほしい。
◆ 学校選択制のうち、「隣接区域選択制」について、従来の通学区域は残したままで、隣接だけでなく、ブロックとして選択できる
ようにしてはどうか。
◆ 学校の耐震化や新築工事などは、統廃合の可能性も考慮し、予算の無駄遣いとならないよう、早めに計画を立てる必要がある。
◆ 統廃合は、個別の学校名をあげて議論すると利害関係が出て実施しにくくなるため、長期的なビジョンのもとで、客観的な視点
で地区ごとの学校数を見直すやり方でなければ、先に進まなくなる。
◆ 統廃合で廃校になった学校があると別の学校に行かなければならないという気持ちになるようではうまくいかないため、新しい
1校が生まれるという希望が生まれるように整備していくことが重要である。
◆ 付加価値をつけて統廃合を行うという面では、小中一貫校の設置や通学区域の見直し、明石市全体から募集できるような特色
ある中学校のモデル校を作ることも、それぞれアイデアであり、様々な選択肢がある。
1
2.小中一貫教育について
■小中一貫教育とは義務教育9年間という観点に基づいた教育活
動や交流活動の取組み
■小中連携教育とは小・中学校それぞれの教育活動を充実させるた
めの連携活動の取組み
(但し進学時等の情報交換や連携を目的としていない単発的な交
流活動は除く)
①小中一貫教育の現状
「小中一貫教育全国連絡協議会※」が平成22年度に実施した「小中一貫教育全国実施状況調査」によれば、回答
市区町村のほぼ半数が小中一貫または連携教育を実施/実施を検討と回答し、うち、小中一貫教育を実施していると
ころは全体のほぼ1割(106市区町村)となっている。(調査対象:1,750市区町村、回答数:1,121市区町村、
回答率:64%)
また、小中一貫教育を実施しているところで、「施設一体型」の小中一貫校を設置していると回答しているとこ
ろは44市区町村、設置を予定していると回答しているところは78市区町村となっている。回答のあった設置済校
数は42校、設置予定校数は54校となっている。
※小中一貫教育全国連絡協議会とは、既に小中一貫教育に取り組む京都市、奈良市、 呉市、品川区の4自治体が発起人となり、小中一貫教
育、小中一貫校の研究・開発に取り組む自治体、学校、個人、企業が情報を交換し、研究・実践を深化させることを目的とする団体
小中一貫・連携教育の実施状況
0%
(複数回答)
10%
小中一貫教育を実施
小中連携教育の実施を検討
実施していない
30%
40%
50%
60%
9.5%
小中連携教育を実施
小中一貫教育の実施を検討
20%
33.4%
6.4%
★小中一貫教育に関する制度について
小中一貫教育は、「学校教育法等の一部を改
正する法律」に基づく中高一貫教育のように
制度化されているものではなく、いわゆる
「中1ギャップ」などの課題などをふまえ、
各自治体がそれぞれの考え方で取り組みを
行っているものである。なお、実施にあたっ
ては、小中一貫教育特区の認定(構造改革特
別区域)を受けたり、研究開発校の指定(研
究開発学校制度)を受けるなど、国の制度を
活用した実践例も多い。
※構造改革特別区域(特区):制度上の規制等で実施で
きない事業などを、認定を受けた特定の区域で特別
に実施可能とする国の制度
3.4%
51.5%
※研究開発学校制度:新しい教育課程や指導方法等を
開発するため、学習指導要領等の基準によらない教
育課程の編成・実施を認める国の制度
2
②小中一貫校の事例
姫路市 白鷺小学校・中学校
小中一貫教育
の取組
姫路市では、平成18年度より教育改革に取り組み、平成20年12月に策定(平成24年3月改
訂)した「魅力ある姫路の教育創造プログラム」の主要事業の一つに、小中一貫教育を位置づけ
ている。小中一貫教育の3要素として(1)小中共通の教育目標(めざす子ども像)の設定(2)
9年間を見通した一貫した指導(3)小中教職員による協働実践を掲げ、中学校ブロック単位で設
置されている小中一貫教育推進委員会を核とした取組や「小中一貫教育標準カリキュラム」を活
用した取組などを中心に、平成23年度より市内全35中学校ブロックで小中一貫教育を展開して
いる。なお、標準カリキュラムは、義務教育9年間を前期4年、中期3年、後期2年に区分し、子
どもの発達段階を重視したうえで、学習の系統性や連続性を保証する構造としている。
姫路市は、PTAや地域の理解を得た学校から小中一貫教育を順次導入し、小学校の統廃合も
併せて行う方針で進めてきた。
小中一貫校の
概要
白鷺小学校・中学校は、姫路城を望む市の中心部に位置し、同一敷地内で小学校と中学校が隣接
する形態となっていた(白鷺小学校は旧城南小学校と旧城巽小学校が統合し開校した小学校)。
また、姫路市内で一番の小規模校であった。教職員定数に基づくと全教科に対応できるだけの教
職員が揃わず、免許外申請による対応を実施していたこともあり、地理的、人的要件において小
中一貫教育の取り組みが比較的行いやすい条件が整っている白鷺小・中において、平成19年7月
に、隣接した校舎を渡り廊下でつなぎ一体化した施設として改修、先導的な小中一貫教育の実践
を行う拠点校として、小中一貫教育推進モデル校に指定された。
なお、白鷺小学校では、小中一貫教育推進モデル校として、小学校第1学年において市全域を
対象に校区外入学枠を設けている。
<特色ある教育の充実>
■児童・生徒数(平成24年5月)
白鷺小学校
白鷺中学校
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
1年生
2年生
3年生
児童・生徒数
135
104
123
106
76
79
70
78
74
○小中学校教職員による相互乗り入れ授業
学級数
4
3
4
4
2
2
2
2
2
○小中学生の合同勉強会、合同行事
○~理数教育の充実~
・・理数的思考力 、科学的問題解決力、情報活用力、コミュニ
ケーション力
○兵庫県立大学の学生がサタデースクールなどの課外教育をボ
ランティアで担当
3
奈良市 富雄第三小中学校
小中一貫教育
の取組
奈良市では、世界遺産の指定を契機に、「世界遺産に学び、ともに歩むまち-なら」をテーマ
に、小中一貫教育の推進を図ることとした。平成27年度には小中一貫教育を全市展開することを
視野に入れてそれぞれの中学校区の実態に応じた小中一貫教育のあり方について研究を進めてい
る。平成16年度に国から小中一貫教育特区の認定を受け、平成17年度から田原小中学校をパイ
ロット校として実践研究に取り組んできており、現在、さらに市内各エリアにパイロット校を増
やし(6箇所)、施設一体型、施設分離型などの各形態における小中一貫教育の展開を進めている。
カリキュラムとしては、義務教育9年間を見通し、前期4年、中期3年、後期2年のブロック制と
し、子どもの発達段階に応じた指導を行うものとしている。「豊かな人間性の育成」「個性と人
間力を伸ばす教育」「信頼される学校づくり」の理念のもと、異年齢交流、教科の新設(英会話
科、情報科、郷土「なら」科)、地域協働の推進などに取り組んでいる。
小中一貫校の
概要
施設一体型の小中一貫校として、既存の富雄第三小学校の敷地内に中学校を新設し、富雄第三
小中学校として設置された。平成20年4月に、先導的な小中一貫教育の実践を行う拠点校として、
奈良市小中一貫教育パイロット校に指定され、中学校は平成23年4月に開校した。
<特色ある教育の充実>
■児童・生徒数(平成24年5月)
富雄第三
小学校
富雄第三
中学校
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
1年生
2年生
3年生
児童・生徒数
72
75
65
89
68
86
41
64
-
○学力向上に向け、小中学校教員が連携し、全国学力・学習状況調査
等について、実態を分析
学級数
3
3
3
3
2
3
1
2
-
○中学校教員の小学校への乗り入れ授業、英語教育(「いつか使える英
語」から「今使える英語」を目指して) 等
<関係教育機関や地域との連携>
○幼・小の自然な接続を目指した富雄第三幼稚園との連携
○一条高等学校外国語科の生徒による「小学校英語出前授業」
○近畿大学農学部との連携(環境教育、食育、健康)
等
4
呉市 呉中央学園(呉中央小学校・中学校)
小中一貫教育
の取組
広島県呉市では、平成12年度に二河中学校区(現・呉中央学園)が全国初の小中一貫教育に関
する研究開発学校指定を受け、小中一貫教育の研究を進めてきた。この成果をふまえ、平成19年
度より、同一・隣接敷地に小中学校がある中学校区を「小中一貫教育校」(市内5中学校区)、そ
の他の中学校区を「小中一貫教育実践校」として、市内全28中学校区で小中一貫教育を展開して
いる。「子どもの連続した学びと自尊感情の向上」を目標に、義務教育9年間を見通し、前期4年、
中期3年、後期2年の区分とし、特に中期に重点を置いた取り組みとしている。また、こうした取
り組みの検証として、各中学校区で、小中共通の目標設定等を行うとともに、地域と連携した学
校評価等の取り組みも行っている。
小中一貫校の
概要
呉中央学園は、呉市中心部に位置し、同一敷地内で隣接する二河小学校、二河中学校、及び道
路一本隔てた五番町小学校の3校による施設一体型の小中一貫校として、平成19年4月に設置さ
れた(平成19年2小学校は閉校し、中央小学校として開校)。平成23年4月からは、前期棟
(二河小学校改築)、中期棟(新築)、後期棟(二河中学校改築)からなる一体型新校舎での小
中一貫教育を実施している。
<特色ある教育の充実>
○中期指導体制の充実のため、小中兼務辞令6名の教職員に出し、
理・体・社で小中乗り入れ授業を実施
■児童・生徒数(平成24年5月)
呉中央
小学校
呉中央
中学校
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
1年生
2年生
3年生
児童・生徒数
89
79
92
96
97
91
73
80
88
学級数
3
3
3
3
3
3
2
2
3
○6年生では、英、国、算、体、図工、音などの授業で一部教科担任制
を実施している。
○5・6・7年生が一緒に学習する選択学習の実施(総合的学習で、教科
の枠を超え、いろいろな教科が関連した内容のコースの中から一つ選
び、調べたり、試したり、創作したりしながら課題を解決してまとめていく
学習。1回2単位時間(100分)、全部で10回)。
○国語と算数・数学は、3年生から9年生まで授業時間数を年間5時間
程度増やす。
○英会話の時間を5・6・7年生で20時間ずつ設ける。中学校から始ま
る英語科へのスムーズない校を目指し、5年生からの楽しく親しみやす
い「聞く力」をつけることを中心とした授業で、中学校で学ぶ表現や単語
などを組み込んだ内容に編纂している。
5
3.学校配当予算について
市区町村教育委員会から各小中学校に配分される予算(学校配当予算)については、公表されている例は少ない
が、「指定都市教育委員会校園費予算主管課長会議」資料によれば、政令指定都市の1学級あたりの学校配当予算
額は以下のようになっている。なお、配当対象費目は市区町村によってそれぞれ規定されており、内訳の差異があ
るため、金額について単純に比較することはできない。
1000
(千円)
平成23年度当初予算における1学級あたりの学校配当予算額(政令指定都市)
911
900
小学校
800
812
769
中学校
685
700
500
400
616
584
600
442
471
389
339
333
289
300
590
376
309
262
471
449
398
391
322
539
530 516
516
478
452
441
687
655
397 415
340
432
385
360 379
273
243
357
297
229
200
100
明石市
平均
福岡市
北九州市
広島市
岡山市
神戸市
堺市
大阪市
京都市
名古屋市
浜松市
静岡市
新潟市
相模原市
横浜市
川崎市
千葉市
さいたま市
仙台市
札幌市
0
※本データには特別支援学級は含まれていない。
※政令指定都市のデータは堺市HPより入手したもの(平成23年度予算)。明石市のデータは平成24年度予算。
なお、堺市の小学校の額には教科書指導書改訂にかかる予算額を含むため、中学校よりも高くなっている。
6
横浜市では、各学校が学校配当予算を校長判断で自由に運用できる「総額裁量制度」を導入するとともに、使途
の透明化等のために各学校の予算計画・決算等を公表するしくみとしている。以下にその一例を示す。予算計画書で
「学校運営費(総額裁量制予算)」となっているものが、費目間で流用できる予算である。
横浜市小中学校の学校配当予算計画書の例
不動丸小学校(児童数828人、学級数28学級;H24.5)
学校運営費(総額裁量制予算)
費目
金額(円)
報償費
252,000
消耗品費
6,876,400
食糧費
50,000
印刷製本費
136,000
修繕料
279,000
通信運搬費
119,000
手数料
60,000
委託料
85,000
使用料及び賃借料
398,000
学用器具費
2,336,000
図書費
586,000
負担金等
19,600
小破修繕料
722,950
校庭整備修繕料
64,500
計
11,984,450
学校運営費(その他)
費目
金額(円)
使用料及び賃借料
38,000
その他配当
費目
金額(円)
外国語教育消耗品費
20,000
光熱水費
費目
金額(円)
電気
3,338,000
ガス
2,326,000
水道
9,564,000
プール
2,164,000
計
17,392,000
総計
備考
宿泊学習ボランティア謝金、外部講師謝金、学校経営推進用
文具・紙等一般、個別支援、管理、給食消耗品
学校行事来賓用弁当、校長室来賓用茶…上限51,000円
封筒印刷、写真DPE等
教材教具、施設管理備品修繕、給食備品修繕
児童交通費(児童音楽会、特設クラブ等)
図書整備手数料、ストーブ取付・取外、ピアノ調律、給食裁断機プレート刃砥
大型ごみ処分
学校行事、清掃用具賃借、緊急時タクシー借上代、体験学習バス代等
教材教具・個別支援・給食備品
児童用図書(図書室整備)
学校行事での各団体への負担金
小破修繕、ガラス修繕
校庭整備、校庭遊具修繕
備考
学校行事における教職員施設入場料
備考
備考
29,434,450
※1学級あたりの配当予算額(光熱水費除く):430千円
仲尾台中学校(生徒数445人、学級数12学級;H24.5)
学校運営費(総額裁量制予算)
費目
金額(円)
報償費
120,000
消耗品費
9,430,000
食糧費
50,000
印刷製本費
130,000
修繕料
500,000
通信運搬費
123,000
手数料
60,000
委託料
137,000
使用料及び賃借料
980,000
学用器具費
1,800,000
図書費
650,000
負担金等
34,600
小破修繕
830,300
校地修繕
64,500
計
14,909,400
学校運営費(その他)
費目
金額(円)
燃料費
6,000
学校巡回員報償費
200,000
使用料及び賃借料
38,000
計
244,000
研究校事業に対する配当予算
費目
金額(円)
夜間学級(消耗)
53,680
夜間学級(図書)
27,195
中区教育研究会
18,000
計
98,875
光熱水費
費目
金額(円)
電気
3,110,000
ガス
876,000
水道
1,930,000
プール
2,173,000
計
8,089,000
総計
備考
行事協力者の謝礼等
教授物品・保健・事務・維持管理用の消耗品
体育祭、卒業式での来賓用弁当
封筒印刷
備品修理
楽器運搬、学校用携帯電話使用料、切手購入
図書館用の図書装備料、ピアノ調律
大型ごみ廃棄委託料
自然教室バス借り上げ料、リースモップ
教材・事務・維持管理用の備品購入費
図書館用の生徒用図書購入費
中区の負担金とりまとめ校として
ガラス修繕、校内施設設備修繕
スプリンクラー他校庭関連施設修繕
備考
刈払機用ガソリン
夕刻時の施錠業務を行う、学校巡回員への謝礼
卒業遠足に伴う、引率教員用の入場料
備考
夜間学級に必要な消耗品の購入
夜間学級に必要な図書の購入
備考
23,341,275
※1学級あたりの配当予算額(光熱水費除く):1,271千円
7
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