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“ジュネーブから今を見る”
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2013年8月23日
したたかユーロ、その背景を探る
ユーロは昨年後半から概ね堅調な展開が続いています。背景はECBドラギ総裁が昨年ユーロを守る姿勢を明確に
したことなどですが、特筆すべきはECBのバランスシートはFRBに比べ規模が縮小している点です。
ECBバランスシート縮小
ユーロ圏中銀純外貨資産減少
欧州中央銀行(ECB)が8月20日発表した8月16日時点の
ECBとユーロ圏17ヵ国の中央銀行のバランスシートは、前
週比108億ユーロ(約1兆4,300億円)縮小し、2兆3,690億
ユーロ(約313兆1,200億円)となりました。
背景に返済が続いていることがバランスシート縮小の要因
です。その結果、銀行システムの健全さの回復と共に、ECB
は金融政策を運営する上で、バランスシートの規模に余裕
があるため、必要に応じて対策を打てる柔軟性を確保してい
るとも見られます。
ユーロ回復の背景にはこのような理由もあると見ています。
図1:円/ユーロ(右軸)とドル/ユーロ(左軸)の推移
(日次、期間:2012年6月22日~2013年8月22日)
(文中為替レートは1ユーロ=132円20銭)
ピクテ投信投資顧問株式会社
円/ユーロ
ドル/ユーロ
135
125
115
1.3
安
通貨ユーロは昨年後半から概ね堅調な展開が続いていま
す。最悪期にはユーロ崩壊が懸念される局面さえありまし
たが、様変わりの様相を示しています。背景には昨年7月に
ECBドラギ総裁がユーロを守る姿勢を明確にしたことや、
ユーロ圏経済の底打ち期待が高まったことが背景と見られ
ます(図1参照)。
しかもユーロで特筆すべきことは、米国の量的金融緩和第
3段(QE3)の債券購入ペース縮小懸念を背景に新興国通貨
や様々な資産が大幅に下落している期間でも、ユーロは上
昇傾向を維持していることです。この背景のうち見逃せない
のは(ユーロの発券銀行である)ECBのバランスシートの相
対的な規模が縮小していることです(図2参照)。米国の中
央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)やECBは金融
システム危機への対応として、国債などの資産購入や長期
性資金供給オペ(LTRO)により自らのバランスシートを拡大
させてきました。しかし、最近のFRBとECBのバランスシート
の規模の推移を見てみると、FRBは出口戦略を検討しては
いますが依然高水準であるのに比べ、ECBはバランスシー
トの規模を縮小させており、方向的には通貨高の要因とな
る金融引き締めの様相となっています。FRBが金融緩和の
出口戦略に苦労しているのに比べ、ECBはLTROを通じて
銀行に供給していた資金が、民間銀行の健全性の回復を
1.4
高 ユーロ
どこに注目すべきか
ユーロ回復、ECB、バランスシート規模
1.2
12年6月
ドル/ユーロ(左軸)
円/ユーロ(右軸)
12年12月
105
95
13年6月
図2:ECBとFRBのバランスシートの規模の推移
(週次、期間:2007年8月第4週~2013年8月第3週)
4
3
2
1
兆ドル
量的金融緩和
第1弾(QE1)
量的金融緩和 兆ユーロ 3.5
第3弾(QE3)
量的金融緩和
第2弾(QE2)
LTRO
返済開始
長期性資金供給
オぺ(LTRO)
2011年11月、
FRB資産規模(左軸) 2012年2月
ECB資産規模(右軸)
0
07年8月 08年8月 09年8月 10年8月 11年8月 12年8月
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と
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