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小次郎講師の実践チャート分析第14回
小次郎講師の実践チャート分析第14回 「変化を感じよう!」 (5/24分析) ===秘伝のチャート分析特別編=== 皆さん、こんにちは。 小次郎講師です。 助手のムサシです。よろしくお願いします。 さてさて、本日は変化を感じようという話。 変化ですか? 大きなトレンドが変わるとき、その予兆を感じ取らなければいけない。 今日はその訓練。 これからチャートを3つ出すから何のチャートか当ててご覧。 1 ※チャート1 ※チャート2 2 ※チャート3 えーと、同じに見えますが違うチャートなんですね? もちろん。 チャート1はユーロ/ドルですか?後はちょっと・・・。 でもみんな似た動きをしていますね。びっくりです。 3 チャート2は北海ブレント原油。 チャート3はCRB指数。国際的な商品指数のこと。 商品指数ですか? だからチャート2とチャート3が似たような動きをするのはある意味当 然。指数の元となる要素に原油の価格が大きく関わっているからね。 ユーロ/ドルと、北海ブレント原油も動きが似ていますね。 元々、ユーロ/ドルと原油価格は相関関係が高いのだが、その中でも北 海ブレント原油はヨーロッパ向けの原油なので特に相関関係が高い。 ヨーロッパ向けなんですね。 イギリスで採れる原油だからね。 原油の世界3大市場はアメリカ・ヨーロッパ・アジア。アメリカがWTI 原油、ヨーロッパが北海ブレント原油、アジアがドバイ・オマーン原 油。日本の東京商品取引所で取り扱われている原油はドバイ原油なの で、最近は東京原油ではなく、ドバイ原油と呼ぶようになった。 4 東京商品取引所で決まっている原油価格はドバイ原油なんですね。 そうだ。まずは、ユーロ/ドルと北海ブレント原油の相関関係に注目して ほしい。昨年から今年にかけて大きく下落したのはユーロ/ドルと原 油。実はここには大きな関係があった。 ということはFXをやっている人は原油のチャートを注目した方がいいで すし、コモディティ(原油)を取引しいている人はユーロ/ドルのチャ ートをみておくといいということですね。 そういうことだ。 このふたつのチャートがチャート上、底打ちを示している。 確かに。 原油でいえば、1月に大底を付け、2月に戻り高値を付け、3月に再度 下降した価格が1月の底を割れずに上昇。4月に新高値を付けている。 確かに安値切り上げ、高値切り上げの典型的底打ち、上昇波動を示して いますね。 5 これからの値動きに関しての予想はしない。 しかし、昨年までは長期の下降相場に揺らぎはなく、戻せば売っておけ ば大丈夫な展開がずっと続いていた。 その状況に変化が見られることだけはしっかりと頭に入れておこう。 チャートを見ただけで流れの変化は感じられますね。 原油といえば、コモディティの代表商品。ユーロ/ドルといえば、FXの 代表通貨ペア、この二つが流れを変えたとしたら、ありとあらゆるとこ ろに影響が出てくる。 当然でしょうね。 去年、その他の銘柄でどんなことが起こっていたか、その全てが今、変 わりつつあるかもしれないと疑いの目で見なければいけないときに来て いる。 なるほど。 6 そして、ドル円は現在レンジにある。 随分長いもみあい相場になっていますね。 でもそろそろ終わりそうな気配も。 ドル/円相場を過去から眺めて見ると、半年くらいもみ合っては動き出す というパターンの繰り返し。 ということはもうそろそろ動き出すと。 7 いつ動き出してもおかしくない。 じゃあ早く買わなきゃ。 そう短絡的に捉えてはいけない。 流れが変わるということは円高ですか? 結論を急いではいけないよ。今、もみあい半年を経過していつ動き出し てもおかしくない状況がある。ここのところ確かに円安に動きそうなに おいがぷんぷんしている。ファンダメンタルズも円安の要素が強い。し かし、決めつけずに流れを見極めて乗っていこう。 8 上記を見てご覧。こちらはドル/円の月足チャート。 大局を見てみよう。今回の円安相場は2012年からスタートしてい る。そこからはほぼずっと円安相場が続いている。 ところが2012年より前を見てみよう。長期円高相場が続いているの がわかる。 その円高相場の起点が2007年の124円。 ということはもうそろそろ下げ始めのスタートラインに来ているわけで すね。 9 そうだ。ここはやはり、大きな分岐点になる。ここをすんなりとクリア 出来るか、ここで売られるか、運命の分かれ道だ。 でもファンダメンタルズ的にはまだまだ円安だと言っている人が多いで すよね。 もちろん、その可能性は強いし、今現在、もみあいを上放れしそうなム ードはある。 しかし、上に大きな抵抗があることも頭に入れておかなければいけな い。たとえばヘッジファンドなどの勢力はある程度買っても価格が動か なければ、今度は一転して売り出す。 彼らは、上がっても下がっても価格が動けばいいのだ。 なるほど。一度試し買いをする。それで価格が大して上がらなければ、 上の抵抗が厚いと感じて下げ戦略に変えるのですね。それは凄い。 そういったファンドの性質を知っていると、簡単に円安で間違いないと 決めつけてはいけない。 しかし、価格はやがて動き出す。 半年ももみあっている以上、いつ動き出してもおかしくない。 これは事実。そして動き出したら動いた方向についていくのが基本。 円安になるとか円高になるとか事前に決めることはアンテナを曇らせ る。 10 変化を感じて、その変化を正しく読み取り、動き出しをつかむ。 それが鉄則ですね。 そういうこと。本日はここまで。 勉強になりました。ありがとうございました。 起立・礼 11