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高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法
Akita University 素材物性学雑誌 総 第11 巻 第 2号 7 7-87( 1 9 98) 説 高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法 小 潮 寿, *熊 茂 田 誠, *荒 井 康 彦* * Me as ur e me ntandPr e di c t i onorMut ualDi f f us i onCoef f i c i e nt sf orPol yme r Sol ve ntSys t ems by †,Makot oKuMADAIandYas uhi koARAI I I Shi ge t os hiKo BUCHI Abs t r ac t Var i ousmet hodst ome as ur eandpr e di c tbi nar ymut ualdi f f us i onc oef f i c i e nt s f orpol yme rs ol ve nts ys t e msar er e vi e we d. Typi c alc onc e nt r at i on de pe nde nt mut ualdi f f us i onc oe f f i c i e nt sar ei l l us t r at e d and t he i rf eat ur e sar ede s c r i bed. Se ve r alme t hodst omeas ur et he m ar eal s os hown. I naddi t i on,oneoft heus er ul me t hodsbas e donadi s s ol ve ds ol i dc oor di nat et e c hni quei se xpl ai ne di nde t ai l andane xampl ei sgl Ve nf ort heac r yl i cadhe s i ve ac e t ones ys t e m. Fur t he r mor e, t hr e et he or et i c almode l st opr e di c tt hemut ualdi f f us i onc oef f i c i e nt sar ei nt r oduc e dandt hepr e di c t i veabi l i t yofe ac hmode li sdi s c us s ed. Ke yWor ds:Mut ualDi f f us i onCoe f f i c i e nt ,Pol yme rSol ut i on,Or gani cSol ve nt このような有害物質を含む高分子成形品を廃棄す るこ 1 . は じめに とは,地球の環境汚染 にもつなが る。 したが って,高 高分子製造過程 において,高分子中に取 り残 された 分子中に残存す る溶媒 ( 以下では,モノマーも含 めて 微量なモノマーや溶媒 は,高分子成形品の品質 の低下 溶媒 と呼ぶ)を 0濃度 まで短時間で効率的 に除去す る を もた らすだけでな く,人体 に悪影響を与え るなど安 装置の開発 はひとつの重要な課題である。 このような 全性の面か らも問題 とな っている。たとえば,ポリカー 分離装置の設計 には,相互拡散係数 データが必要不可 ボネー トやポ リア リレー トの原料であるビスフェノー 欠 となる。 ル A などは,環境 ホルモ ンと して あげ られ,動物 の 生殖機能 に異常を もた らす ことが最近指摘されている。 平成 1 0 年 7月1 3日受付 *山口大学工学部応用化学工学科 〒7 5 5 -8611 宇部市常盤台2 5 57 これまで,ポ リスチ レンやポ リエチ レンのような工 業上代表的な高分子 に対 して,比較的多 くの相互拡散 係数データが報告 されている。 しか しなが ら, これ ら 以外の高分子 に対す る相互拡散係数 データの蓄積 は十 分でな く,特 に共重合体系 については,その報告 はほ **九州大学大学院工学研究科化学 システム工学専攻 〒81 2 -85 81 福 岡市東区箱崎 6 -1 0 -1 IDe pa r t me n to fAp p l l e dCh e ml S t r ya n dCh e mi c a l En g i n e e r i ng, Fa c u l t yo fEn ine g e r i n g,Ya ma g u c h i k i wa d a i , Ub e ,7 55 -861 1 , Un i v e r s l t y,2557To I TDe p a r t me n to fCh e mi c a lS y s t e msa n dEng i n e e r i ng , Gr a d u a t eS c h o o lo fEn g i n e e r l n g,Ky u s h uUn l V e r S l t y, 6 -1 0 -1Ha k o z a k l , Hl g a S h i k u,Fu k u o ka812-8581 とんど見当た らない。また,代表的な高分子系でさえ, 温度や濃度範囲が限定 されている現状 にある。 この よ うなことか ら,広 い温度 な らびに濃度範囲で通用可能 な相関あるいは推算法の開発が強 く望 まれている。 ここでは,濃度依存性を示す高分子 と溶媒か らな る 2成分系の相互拡散係数の測定法な らびに推算法 につ 7 7 Akita University 7 8 小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦 いて紹介す る。 2 . 相互拡散係数 の特徴 高分子-溶媒系 の相互拡散係数 は,温度 に依存す る だけでな く,一般 に濃度 に も依存す る。特 に低濃度域 において は数桁 にわたる変化 を示す場合 も珍 しくはな い。典型的な濃度変化 を示す例 として,ポ リスチ レンー エチルベ ンゼ ン系 の相互拡散係数 1) を Fi 9.1に示 す。 エチルベ ンゼ ンの濃度が低 いところで は,相互拡散係 数が 2- 3桁 にわた り変化 して い る ことが Fi g.1よ りわか る。 また,温度 の低下 に伴 い,その変化 が著 し くな っていることがわか る。Fi g.2は, スチ レンー ブ タジェ ン共重合体 ( SBR)系 の共重合組成 の変化 によ る1 3 0 ℃ における相互拡散係数 の濃度依存性 2 〕を示 す。 0. 00 0. 05 0. 1 0 0. 1 5 Ma s sf r ac t i o no f nno na ne I-] ルベ ンゼ ン系 とは逆 に,溶媒濃度 の増加 に伴 い相互 拡 散係数 は減少す る傾 向を示 してい る。 また,共重 合体 組成 におけるブタジェ ンの増加 につれ,相互拡散係数 は溶媒濃度 の増加 に伴 い増加す る方向か ら減少す る方 向に変化す る様 子がわか る。高分子 と溶媒 の組み合 わ Fi g.2 I nf lu e nc eofpol yme rc ompos i t i ononc onc e nt r at i onde pe nde nc eofmut ualdi f f us l On c oe f f l C l e nt Sf orS t yr e ne but adi e ner ubbe r ( SBR) 一 nnOnaneS ys t e m at1 3 0 o C t yr e nei n ( SBR( 3 0)de not e s3 0mas s% s SBR) ナ ン系 のよ うに,拡散係数が濃度 の増加 と共 に減少 す 子系 の相互拡散係数 は液体系のそれ と比較 して 2-4 る特異的な挙動 を示す系 も存在す る。 しか しなが ら, 桁 はどもその値 は小 さい。 したが って,微量 の溶媒 を -椴 に低濃度域 の相互拡散係数 は濃度の増加 に伴 い増 効率的 に除去す るために,乾燥操作 や抽 出操作 などを 加 し, しか も大 き く変化す る場合が多 い。 また, 高分 行 う分離装置 の設計 において は, この領域での正確 な デー タが特 に重要 とな る。 1 01 9 相互拡散係数 が濃度 に依存す る場合 の測定 は複雑で あ り,濃度域 によ り種々の測定 法 が提 案 されて い る。 そ こで,次節で は相互拡散係数 の測定法 について述 べ 1 0-10 ▼■ ■ I 帆 …貞 l l 1 0 l l 3 . 相互拡散係数の測定法 溶媒 の低濃度域,すなわち高分子 の濃度が高 い領 域 q l0 での測定法 には,ガスクロマ トグラフ法,透過法, 濃 1 2 度分布測定法,吸収法 などがある。 溶媒 の無限希釈濃度での相互拡散係数を測定す る方 1 0 1 3 法 と して ガスクロマ トグラフ法 3・4) が あ る。 高分子 を 0 0. 2 0. 4 0. 6 Mas sf mc t i onofet h yl benz e ne l-I Fl g.1 Conc e nt r at l Onde pe nde nc eofmut ual di f f us l Onc oe f f i c i e nt sf orpol ys t yr e ne e t hyl be nz e nes ys t e m 薄膜状 に塗布 したカラムを用意 し,キ ャ リアガス中 に 溶媒 を注入 して得 られ る溶 出曲線 の解析か ら相互拡散 g.3にガスクロマ トグ 係数 を求 め ることがで きる。Fi ラフを用 いた測定装置の概略図を示す。キ ャ リアガ ス の流量が大 きい場合,短時間で の測定 が可能 で あ る。 Akita University 第1 1 巻 第 2号 ( 1 99 8) 7 9 高分子一溶媒系の相互拡散係数 の測定な らびに推算法 「 」コ タロ β♂ f く 万 __ 婆 あ ーく 参 ⑦ @J l ⑤ ト t o, v a t ov a ①A i rba t h ⑥ poJ me y r丘I m @ Fa n @ pr e s s ur et r ans duc e r lHy dr o ge n 2Ai r 70ve J 1 8FJ amei o ni z at i on 3He l i um 4FJ o wc o nt r oJ I e r de t e c t o r 9Re c o r de r ③ va po rs ou 1 0Co mpu t e r @ Bal l a s tt ank 5I n j e c t o r 6Col umn 轟忘 r c e r v o L r rese ⑧ pr e s s ur ei ndi c a t or @ Re c e i vi ngt ank @ char tr e c o r de r @ pe r me at i onc e l l Fi g.3 Gasc hr omat ogr aphyus e df orde t e r mi nat i onofmut ualdl f f us i onc oe f f i c e nt Fi g.4 Appar at usus e df orpe r me at l One Xpe r i me ntofpol yme rf l l m その反面,カラムの作製条件,キ ャ リアガス流量 等 の れの方法 も, フイルムが変形 しない,かな り低 い濃度 条件 に左右 されやす く,精度 のよいデータを収集す る 域 に しか適用で きない。 には工夫が必要 とされ る。 高分子中の溶媒 の濃度分布 を測定 し,濃度分布 の解 高分 子 フイルムを透過す る溶媒 の透過量 の時間変化 析 よ り相互拡散係数 を決定す る方法 と して,濃度分布 を測 定 し, 相互 拡散 係 数 を求 め る方 法 と して透 過 測定法 7・8) がある。 この方法 には, サ ン ドイ ッチ法 や 法 5・6) があ る。 この透過法 には,大 別 して異 圧法 と等 スライス法 などがあるが, いずれ も測定精度があま り 圧法がある。異圧法 は,高分 子 フイルムの一方 を高圧 良 くないため,最近で はほとん ど用 い られない。 に,他方 を低圧 にす ることで, フイル ムを透過す る溶 吸収法 9 三 二 .は,一定の温度,圧力 の溶媒 蒸気 中 に高 媒 の量 を測定す る方法であ る。 この方法 には,透過 量 分子 フイルムを置 き, フイルムに収着 され るあ るいは g.4に を圧力変化 と して測定す る圧力法 5) がある。Fi フイルムか ら脱着 され る音 容煤 の質量 を時間の関数 と し 圧力法 による透過実験装置の一例 の概略図を示す。圧 て測定す る方法であ る。 この方法 は,測定温度 にお い 力法で は,得 られ る透過曲線 ( 時間 に対す る圧力変 化 てかな り高 い蒸気圧を持 ち,対象 とす る高分子 に対 し の曲線)の解析か ら相互拡散係数が求 め られ る。 これに対 し,等圧法 6) 揺,高分子 フイル ムの両側 の 1 てあ る程度 の溶解度 を有す る溶媒 に適用 され る。 この 方法 には,石英 スプ リング法 9,1 0 )や電 子天秤 法 1 1 )が あ 全圧力を同 じに して,片側 には溶媒を含 む蒸気 をキ ャ g.5には,電子天秤法 による測定装置の概略図 る。Fi リヤーガスと共 に流 し,他方 にはキ ャ リヤーガスのみ を示す。 これ らの方法 は,信頼性 の高 い相互拡散係数 を流す ことで,分圧 の差 により生 じる溶媒 の透過量 を データが得 られ,また溶解度 も同時 に測定がで きるメ 熱伝導度検 出器 などを用 いて測定す る方法である。 こ リッ トがあ る。吸収法で は,実験 よ り得 られ る質 量変 の方法 は,真空漏れや圧力差 による膜 のふ くれを気 に 化 デー タの解析か ら,濃度 に依存す る相互拡散係数 が しな くて済むな どの利点がある。 しか しなが ら, いず 決定 され る。決定法 には,種 々の方法が提案 され て い Akita University 8 0 小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦 3 E I ddeu ] 2 1 ① co ns t ant t e mpe r a t ur e ⑦ co mput e r c hambe r @ pe ne t r antr e s e r voi r @ El e c t r o bahnc e @ co ns t ant t e mpe r at ur e ba t h @ pr e s s ur et r ans duc e r @ Ba l l a s tt ank ㊨ pol yme rs amp l e unt e rwe i ht g s @ st r i pI C har tr e c o r de r @ co @ Re adoutc ont r ol @ pr e s s ur ec ont r o l l e r e l e c t r oAi c s 2 3 4 5 me l -] Fi g.6 Re l at i ons hi pbe t we e nm3 , ,andm e f or s or pt l On Fi g.5 Sor pt l Onappar at usus i nge l e c t r obal anc e が,なかで もSc boe v e rら1 2 , 1 3 )が用 いた収縮座標系 に 基づ く方法 1 4 , 1 5 )が有用であろう。すなわち,実験 にお けるフイルムの厚みの変化が考慮 されているため,正 確な相互拡散係数 を求めることがで きるか らである。 小測 ら1 6 , 1 7 )は,収縮座標系 に基づ き,相互拡散係数 0. 0 の濃度依存 の関数形 にべ き乗を仮定 し,収着な らびに 脱着過程 より相互拡散係数を求め る方法 を提案 した。 収縮座標系 に基づ く拡散方程式 を,初期境界条件の も とに数値的に解 き,みかけの相互拡散係数を与える無 0. 2 0. 4 0. 6 0. 8 1. 0 mel -] Fi g.7 Re l at i ons hi pbe t we e nm。 。andme f or de s or pt l On p 次元化 された濃度 ma , 。と無次元化 され た平衡濃度 me の関係を求めた。そ して,濃度依存の型のべ き数 αを この方法による相互拡散係数の算 出手順 を示 す と, パ ラメータとして線図に表 した。Fi g.6は収着,Fi g. 7は脱着 にお ける関係 を表 す。 なお,α - 1の とき, 次のようになる。 収着および脱着 ともこの関係 は,一次式で良好 に表 さ フイルムの収着あるいは脱着実験か ら得 られ るフイル れた。 ムの時間に対す る質量変化 データか ら,次式で示 され 収着の場合 (1≦ m≦ me ) Tn 1)初期溶媒含有率 u。と平衡溶媒含有率 ueの異 な る る平均溶媒含有率 古を計算す る。 a p 。-0 . 6 2 5 me+0. 3 7 5 脱着の場合 (0≦ m ≦ 1) ma p p-0 . 6 4 9 me+0. 3 5 1 u -㌔ 苧 (3) ここで,Wtは時間 tにおけるフイルムの質量, Ⅳ p は Akita University 81 高分 子のみの フイルム質量である。 また,初期溶 媒含 を終了 し, この時の aの値 に対す る u a , ,と次式で定義 有率 u。と平衡溶媒含有率 ue を次式 よ り求 め る。 され る psの値 を計算す る。 u0 - ㌔ (4) 芦 ds dp P s =u d p+ds 通 日 i l E ここで,dsと dpはそれぞれ溶媒 と高分子 の密度 で あ u e- ( 5) 誓 ここで,W.と Weはそれ ぞれ初 期 フ イル ム質 量 と平 衡時の フイルム質量 であ る。 Dps 2 ) a , ,の値を ps 2で割 ることによ り u る。最後 に,( a,, に対す る相互拡散係数 D を求 める。 なお,脱着 に対 して αの値が 1と異 な る場合,新 し 2)次 に,次式で示 され る√デ と Eの値 を計算 し,普 い aの値 に対す る ma, pの値を0. 2 7 %以内の平均誤差で, 通 グラフにプロッ トす る。収縮座標系では,このプロッ 次式 よ り求 め ることがで きる。 トを収着 に対 して収着曲線,脱着 に対 して脱着曲線 と 呼ぶ。 げ -豊 E -若 ( 菜 6 ) (7) -三 三㌢ ma p p-me b 】 +b2(1-me)ba;0<a≦ 7 ( 1 2 ) b1-0. 8 3 7-0. 5 3 5a+0. 6 9 1a8 9 ( 1 3 ) b 2 - ㌔) 1 ( 1 4 ) (孟 a b。- 1 . 1 8 3+0. 0 6 0a-0. 2 5 2ao 2 5 98' ( 1 5 ) ここで,Aはフイルムの面積 で あ る。Fi c k型 拡散 に 次 に, この方法 による具体的な計算例 を示す。Fi g. 0℃ で の種 々の 8は,アク リル粘着剤- アセ トン系の4 対 して,収着 あるいは脱着曲線 (E v s.v r T の曲線 ) 初期溶媒含有率 と平衡溶媒含有率 における脱着曲線 の は,初期部分 において直線 とな るので, この部分 よ り 一例である。 これ らの曲線 は,いずれ も初期部が直線 傾 き β′( -dE/ d√デ )を得 る。 で,それに続 く部分 が上 に凸 の曲線 で あ る ことか ら 3) 先 に求 め た u 。と ueよ り,無 次元平 衡溶 媒含 有 Fi c k型であることがわか る。 したが って, これ ら脱 率 m eを計算 す る。 また, グ ラフの図微 分 よ り得 た 着曲線 の直線部 の勾配 よ り,各実験 に対す るβ′ の値 β′の値か ら,収縮座標系 における見か けの拡 散 係数 g.9は,各実験 よ り求 め られ た ( Dp三)a p , を求めた。Fi ( Dps 2 )印を求 めるo と u ap,のプロ ッ トを示す.Fi g.9の白丸 は,篇 l近 似 me-ue /u。 ( 8 ) (a- 1を仮定 して求 めた ( Dp書)B P ,と ua , ,の関係) の 結果 を示すo各 データは 1つの直線上 にまとまって い ( Dpg )p-言 β′ 2 ( 9 ) ることがわか る。ゆえに, この直線 の傾 きよ り,新 し 4)Eq.(1)あるいは Eq.(2) よ り meに対応す る , pの値を第1 次近似 (aみか けの無次元溶媒含有率 ma 1 . 0 1を仮定す ることに相当す る) として計 算 し, みか け の溶媒含有率 u ap, 0. 8 ,を次式 よ り求 め る. ua p - ma 。 pu。 ( 1 0 ) 5) ( Dps Z )a , pと ua p ,の値 を両対数 グラフに プ ロ ッ ト T O ・ 6 す る。 この両対数 グラフの傾 きが,べ き数 αの値 を与 叫 0 . 4 え るo この傾 きを求 め るには, u。 あ るい は ueの異 な る 2つ以上 のデータが必要であ る。 αの値 が仮定 した 0. 2 Dps 2 )ap,vs.ua , 。の プ ロ ッ ト aの値 と異 な る場合 は,( か ら得 られ る新 しい aの値 に対 す る m叩 。の値 を線 図 ( Fi g.6あるいは Fi 9.7) よ り第 2近似 と して求める。 この操作 を新 しい αの値 と前 回 の αの値 が一致 す る まで繰 り返す。 6)αの値が変化 しな くな った時, ステ ップ 5の操 作 0. 0 0 100 200 300 400 JfT【n2 ・s l r 2 ・kg lI Fi g.8 De s or pt l OnC ur v e sf orac r yl i cadhe s i ve ac e t ones ys t e m at4 0 ℃ Akita University 8 2 小測茂寿 ・熊 田 誠 ・荒井康彦 0. 00 0. 01 0. 1 ua p p【kg s ol ・ ・kg p ol m y / 11 Fi g.9 Re l at l OnS hi pbe t we e n( Dps 2 ) 郷anduap p f orac r yl i cadhe s i v e ac et ones ys t e m at 4 0 ℃ 0. 04 0. 08 0. 12 M as sf ract i onofacet onel-] Fi g.1 0 Mut ualdi f f us i onc oe f f i c i e nt sf orac r yl i c adhe s I Ve aC e t OneS ys t e m at4 0 o C 散係数 の濃度依存性 は比較的弱 い ことが Fi g.1 0よ り 確認 で きる。 また,Tabl elには,相互拡散 係数 の計 い αの値 を読 み取 り α-0. 6 8を得 た。次 に,α-0. 6 8 算結果 を示 した。以上 のように して,相互拡散係数 を に対す る m叩 pの値 を Eqs.( 1 2 )∼ ( 1 5 )を用 いて求め, 決定す ることがで きる。 Eq.( 1 0 ) よ り ua p pを計算 し同様 のプロッ トを行 った。 この操作 は 3回で終了 し,最終的に得た αの値は,α - さて, これまで述べた方法 に比べて,比較的高濃度 域 まで相互拡散係数 を容易 に測定 で きる方 法 と して, 0. 6 2 であ った。Fi g.9の黒丸 は a-0. 6 2での結果 を示 乾燥実験 1 8 ノがある。高分子溶液を等温 下で熱風 な どに す。 この α-0. 6 2に対す る u a。 。の値 を用 いて,Eq.( l l ) よ り乾燥 させ ることで得 られ る乾燥速度曲線 の解析 よ よ りpsの値 を求 め,( Dp書 ) a p pの値 を p2 ,で割 ることで り,相互拡散係数 を求 め ることがで きる。解析方 法 に 相互拡散係数 を算 出 したOなお, psの計算 に使用 し つ いて は,吸収法 の ところで述べた方法 12 15) が適用 で たアク リル粘着剤 とアセ トンの4 0 ℃ での密度 は, それ きる。 7 2 kg・ m ぞれ9 3 と7 6 7 kg・ m 3 であ る。 その他 の測定法 として は,屈折率法 19 2 1 つなどがある。 FI ' 9.1 0には,決定 され た相互拡 散係数 と溶媒 の濃 皮 ( 質量分率)の関係 を示 した。 この系で は,相互 拡 これ らの方法で は, よ り高 い濃度域での相互拡散係数 が得 られ る。 Tabl e1 Cal c ul at e dr e s ul t sofmut ualdi f f us l Onc oe f f i c i e nt sf orac r yl i cadhe s I V e aC e t OneS ys t e m at4 0 ℃ [ kgs ol ・ kgpol ymJ ] uE 」 kgs ol ・ kgpol ym∴ ] me [ -] β′ [ kg・ m 2 ・S 12二 ( Dpg ) a , , [ kg2 ・ m 4 ・S 1] ma p p(a-0. 6 2 )[ -] ua r , [ kgs ol ・ kgpol ym/1] ] β5 [ kg・ m3 ∽ 1 [ - ] D [ m2・sl] 0. 0 8 2 9 O 0 4. 5 5×1 03 1 . 6 2×1 05 0. 3 1 4 0. 0 2 6 1 9 41 0. 0 2 5 4 1 . 8 3×1 01 1 uo d -972kg・ m ,ds -7 6 7 kg・ m p 3 3 0. 1 1 5 0 0 0 3 5. 0 0×1 1. 9 6×1 05 0. 3 1 4 0. 0 3 6 0 9 3 0 0. 0 3 4 7 2. 2 7×1 01 1 0. 1 9 4 0 0 5. 8 8×1 0 3 2. 7 2×1 0 5 0. 3 1 4 0. 0 6 0 8 9 0 2 0. 0 5 7 4 3. 3 4×1 01 1 -mas sf r ac t i onofs ol v e nt W 1 0. 1 5 1 0. 0 4 6 1 0. 3 0 6 6. 3 3×1 0 3 3. 1 5×1 05 0. 5 4 2 0. 0 81 5 8 81 0. 0 7 5 4 4. 0 5×10 1- 0. 1 8 2 0. 0 6 4 5 0. 3 5 4 7. 0 9×1 0 3 3. 9 5×1 05 0. 5 7 5 0. 1 0 5 8 5 8 0. 0 9 4 8 5. 3 6×1 01 1 Akita University 8 3 いずれにせ よ,1つの測定法で広 い濃度域 にわたり, 相互拡散係数 を得 ることは不可能である。現在 の と こ V FV ろ, これ らの方法 を併用す ることによ り,広 い濃度域 K1 2 +-IW2( K2 2+T- Tg 2 ) にわたる相互拡散係数 を求 め る以外 に方法 はないよ う である。 Kl l /γ-- Wl( K2 ⊥ +T- Tg 二 ) ( 1 7 ) ここで,Kl ユ ,K12 ,K2 1 ,K2 2は自由体 積 パ ラメー タ, TgLは成分 乙のガラス転移 温度 で あ る。 また, 4 5 1は, 4 . 相互拡散係数の推算法 成分 1の体積分率であ り,次式 で与 え られ る。 L l lVl 種 々の高分 子 と溶媒の組み合わせ が存在 す るた め, 必要 とす る系 の相互拡散係数 データを入手で きること はまれで,多 くの場合実験 を行 ってデータを得てい る L ¢ 1 ( 1 8 ) wIVl +W2V2 )は, ここで,V,は成分 iの比 体積 で あ る。Duda ら1 のが現状である。 したが って,相互拡散係数 を純物 質 の入手可能 な物性値な どか ら,計算 によ り求 めること ンゼ ン系 に適用 し,広 い温度 と濃度範囲で良好 な結果 を得ている。岩井 ら22 42 5 )は,溶 媒 お よび高分 子 に関 数 を計算 によ り求 める相関あるいは推算法 と呼ばれ る す る自由体積パ ラメータを,Dool l t t l eの提案 した体 ものには, 自由体積理論 による方法,分子 の形状 や複 積依存型 の粘度式 2 6 )によ り求 め ることで,パ ラメータ 雑 な拡散過程を考慮 した拡散 モデル ( 分子 モデル) に 数 を少 な くした推算式 を提案 した。彼 らは,平均 空孔 よる方法 などがあ る。 自由体積 を次式で与 えた。 以下 で は, これ らの方法 について簡単 に紹介す る。 4 .1 自由体積理論 による方法 7 ' 高分 子中 に存在す る自由体積 に着 目 し,分子 の詳細 γ1 7 ' 2 ここで, 7 , 1と γ2 は,それぞれ溶媒 と高分子のオ-バー 構造 に立 ち入 らず 巨視的 に拡散 を取 り扱 い,相互拡散 ラップファクターである。Dool i t t l eの提案 した粘性 係数 を求 め る方法 として 自由体積理論がある。 方程式 か ら粘度 デー タを用 いて, 臨界空孔比 体積 V ; 2 )によ り提案 され,Vr e nt as 自由体積理 論 は藤 田 2 とオ-バ ーラ ップファクター 7 , Lの値 を決 定 した。 岩 と Duda1 23〕によ り改良 され,発展 させ られて来 て い る。Vr e nt as らの 自由体積 理論 に よ る 2成 分系 (高 ンー炭化水素系 2 5 ), スチ レンー ブタジェ ン共重合体 - 分子 と溶媒か らな る) の相互 拡散係 数 β は, 次式 で n-ノナ ン系 2) に適用 し,良好 な結果 を得て い る。 しか 表 され る。 刀 しなが ら, これ らの式 は多 くのパ ラメー タを必要 とす -かo e xp 1 るため,パ ラメータを決定す る方法が重要 とな る。 ( -か )2( 1-2x¢1 ) W 2 E V 言 e x p ( VF、,/ ) 小測 らL 7 2 7 )は,岩井 らの推算式 におけ るパ ラメー タ を溶媒 の物性値 よ り決定す る方法を提案 した。推算式 WI V;+ - γ ( 1 6 ) に含 まれ る 8つのパ ラメータの うち,高分子 に関す る ここで,D。は定数 ,E は 1つの分子がその周囲の分 子 パ ラメータ V; と7 , 2を除 く6つのパ ラメータ,D。 ,E, か ら受 ける引力 に打 ち勝っために必要 とされ るエネル i,x ,V; ,7 , 1は高分子であ るアク リル粘着 剤 に対 or y相互 ギー,R は気体定数,Tは絶対温度,xは Fl して,経験的 に次式で表 され る。 ;は成分 乙の 1ジ ャ 作用パ ラメータである。 また,V 率であ る。添字 1および 2はそれぞれ溶媒 と高分子 を β0- 1. 8 3 5×1 01 0 〟 1- 7. 7 5 3×1 0 9 ( 2 0 ) x- 2. 9 01- 7. 1 6 0×1 0 5E ( 21 ) E-0. 1 2 5 2E hI25 3 7 ( 2 2 ) E-1 . 67 1×103 vb十 0. 21 3 3 ( 2 3 ) MI V;-5. 9 5 5×10 2 vb+ 1. 1 91 2× 1 0 2 ( 2 4 ) 7 '1-3 . 3 91×1 03 vb+ 0. 2 5 81 ( 2 5 ) ここで,M lは溶媒 の分子量 ,Eechは溶媒 の標 準沸点 表す。なお,平均空孔 自由体積 は次式 で 与え られ る。 での凝集 エネルギー, Vbは溶媒 の標準 沸点 で の モル ンプに要す る臨界空孔比体積,Eは高分子 ジャンプ単 位 の臨界 モル体積 に対す る溶媒 の ジャンプ単位の臨界 モル体積 の比,v F 、 -は 2成分系 の単位質量 あ た りの平 均空孔 自由体積, γは自由体積 の重 な りを補正す るた めのオーバ ーラップファクター, LU,は成分 iの質量 分 。。h " Akita University 8 4 小測茂寿 ・熊田 誠・荒井康彦 拡散分子と呼ぶ) の分子構造 お よび複雑 な拡散過程 を考慮 した拡散 モデル ( 分 子モデル) を用 いて,相 互 拡 散 係 数 を推 算 す る方 法 を提 案 した 。 Pac eと Dat yne rは,まず単純 な形状 ( 球形状)の拡散分子 に 対す るモデル2 8 )を提出 し,続 いて複雑 な形状 を持つ拡 散分子に拡張 した2 9 ) 。球形 の拡散分子 ( 直径 dか らな る)の無限希釈濃度 に対す る拡散係数 は,次式で与 え られ る。 元 0. 04 0. 08 0. 1 2 Ma s sf ract i onofacet one I-] 豊 前′ e x pL岩 ) AE-5. 2 3 ( 3 )i / 4 (雪 ) β. Tabl e2 Phys i c alpr ope r t i e sorac e t oneandt hepar ame t e r sus e dt opr e di c tt hemut ualdi f f us i onc oe f f i c i e nt sf orac r yl i cadhe s i v e ac e t ones ys t e m ( ‡) - ‡ ( TIT ll _--β. ‡) 〟 α 4 ( ]] J J lgV V γ γ E3 l El [ J・ mol1 ] [ m3 ・ mol1 ] [ m2 ・ S1 ] [ J・ mol1 ] [ -] [ -] [ m3 ・ kg [ m3 ・ kg -] [ -] [ 73459 諾 52霊 72笠 6 0 -1 -0 -0 -0 03 1 MI E。 o h VbXIO か。×1 0 (p-1 0 d′ ' o・ 5 8 ( ( 5(p d'-d+ p+- p ) 7 r T I [ 0 ) Fi g.l l Compar i s onsbe t we e nt hee xpe r i me nt al andt hepr e di c t edmut ualdi f f us i on c oe f f i c i e nt sf or ac r yl i c adhe s i ve ac e t one s ys t e m at4 0 o Cands o ℃ ) o ・ 7 7 ( ( ;) 子*3/4 ( 2 6 ) l ノ r T^ \ 1J 一 -α +\ 〟 ′ / し 0. 00 ( 2 9 ) 臥 g) ここで,Dd は高分子基準の球形分子 の固有拡散係数 である。LZはジャンプ距離の 2乗平均,m*は高分子 鎖あた りの平均分子量,△Eは拡散の活性化エネルギー, β は高分子鎖の平均有効曲げ剛性率,dは拡散分子の 直径,e*とp'は Le nnar dJone sポテ ンシャル関数 におけるエネルギーおよび距離 のパ ラメー タ, β は 平均高分子鎖問距離, 久は骨格成分の平均軸方向長 さ である. auは高分子の熱膨張係数,Tg はガ ラス転移 温度であ り,(p+ /p)T gはガラス転移温度で の値 を示 す。 Pac eらは,長 さ l ,幅 W,厚 さ dか らなる複雑 な形 体積である。Fi g.1 1は, ア ク リル粘着剤- アセ トン 状の拡散分子 に対 して前述の式を拡張 した。複雑な形 e2に 系の実験値 と推算値の比較を示す。また,Tabl 状の拡散分子 に対 し,拡散係数 は次式で与え られ る。 推算 に使用 した物性値 とパ ラメータを示す。相互拡散 係数の温度な らびに濃度依存性が良好 に表現で きてい D( C, T) -D (0, T)F l ( E,W ′ ,〃′) p p 十 ×F2 (△′-W′ ,F L′ ) ( 3 0 ) る。 しか しなが ら,現在のと ころ これ らの相関式 は, ここで,Dp ( C, T) は濃度 C,温度 Tでの高分子基 アクリル粘着剤高分子 に対す るものである。パ ラメー 準の固有拡散係数,Dp ( 0 , T)は無限希釈濃度 で の値 タの相関手法をより一般的な ものとす るためには,他 を示 し,次式で表 される。 の高分子系での適用性 の検討 が必要 とされ る。 4 .2 分子モデルによる方法 Pac eと Dat yne r2 8 ・ 2 9 )は,高分子 と溶媒 ( 以下 で は D,(0, T)-D ( P2 。 ) J n d ( p2 0=J i e r f c ㌻e r f c ( 3 1 ) ( 32) Akita University 8 5 次式で示す関係がある。 A o 賢く 蕊 ( 笥 1・ 0 2+ D ( C, T)- D,( C,T)( 1- ¢1 ) T=。 ( 4 5 ) 以上 の式 よ り相互拡散係数 の計算がで きる。 このモデ m- gの ルは,多 くのパ ラメー タを必 要 とす るが,L とr 2 g c o s ∂′ p + + 2つのパ ラメータを除 き,高分子 および拡散 分 子の構 1 造や物性か ら決定で きる。 この 2つ のパ ラメー タは, ( ' rL r= rg す 相互拡散係数 の実測値 との回帰解析 よ り決 定 され る。 TITg) P'( Fi g.1 2には, ポ リスチ レンー エチルベ ンゼ ン系 の推 ここで,n は拡散分子 と相互作用 す る鎖 の数 , rは拡 算結果 を示す。低濃度域で は実測値 との一致 は良好 で 散分子 を包んでいる高分子鎖が拡散分子 を放 しスライ あ るが,高濃度域で は実測値 との偏差 は大 きくなる こ ドさせ るための変位,rgはガ ラス転移温度での rを示 eらの分子 モデルで は,拡 とがわか る。 これ は,Pac す。 m は高分子鎖 の数 , ∂′ は高分子 の軸方 向 と拡 散分子 の重 な りや衝突 な どが考慮 されていないことに 散分 子の拡散方向 とのなす角度 で あ る。 また,Dd は よると推察 され る。 Eqs.( 2 6 )∼ ( 2 9 ) によ り与 え られ る。 さ らに右辺 の 残 りの項 は,それぞれ次式で表現 され る。 徴 を取 り入れたモデル ( 以下,混合 モデル と呼ぶ) 杏 Fl( F ,W' ,〟′ )-e xp ( 2 T 提案 した。混合 モデルによると,相互拡散係数 は次式 ト 議 で与え られ る。 l e x p( F( 1 i ) 崇ト F 誓) 〕 e xp 誓 ・面 詰 Doong ら3 0 )は,分子 モデル と自由体積 モデルの特 〔e xp( E・( 1-i)L e xp( F2 (△′-W′ , L L ′ ) -1+ ( P 2 。 ) D -( 1 -¢1 ) 2( 112x¢1 )Dd Du ( 4 6 ) ここで,Dd は球形分子 ( 直径 d) に対 す る分子 モデ ルよ り得 られ る無限希釈濃度 での拡散係数 を表す。 こ )r( 36) i)(37, 2 6 )∼ ( 2 9 )で与え られ る。 また,Dw の Dd は Eqs.( は自由体積 モデルに基づ く項であ り,次式 によ り与 え 2 ・ ′ ( ( f l o 6 ′ ト議 6′ -岩 ()+ ii)4 1 ' 2 6′ ( 38) ( 39) E・ -= ( 4 0 , 1 5 u ) ( 41 ) =五 嘉 1 5ス W ′ 10一∽ 1 1 0 M● 且 q l O1 1 ll Xo m' cs f (a I, 禁 ) ( 42 ) ( 4 3 ) 0. 00 0. 05 0. 1 0 0. 1 5 0. 20 0. 25 W +2 /方( i -L U ) J J● )・i ( 4 4 ) Ma s sf ra c t i ono fe t hy l be n z e J l e卜】 ここで,Cは高分子 1gあた りの拡散分 子 の モ ル数, ∂は拡散分 子の中心 と高分子鎖 との接点 まで の距離 , aは高分子 の非結 晶分率 で あ る。 △Eは Eq.( 2 7 ) , d′は Eq.( 2 8 ) よ り与え られ るO高分子基準 の固有拡 C, T) と相互拡散係数 D ( C, T) の間 には, 散係数Dp ( Fi g.1 2 Compar i s on bet we e nt hee xpe r i me nt al andt hepr e di c t e dmut ualdi f f us i onc oe f f i c i e nt s f or pol ys t yr e neet hyl be nz e 3 0 ℃ ( Dat awe r ec i t e df r om s yst e m at1 とα7 . 3 6 ) ) Kohnoe Akita University 小 測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦 その他 に,分 子シ ミュレーシ ョンよ り相互拡散係数 V;+W 2EV; u f /7 ,+wla WI 2 を求 める方法 と して,分 子動力学法がある。近年 の コ ( 47 ) ここで,u f 2は高分子 の自由体積 , 0 (- ∂u f /∂Wユ ) ) ンピュー タの発達 に伴 い,分子動力学 による相互拡散 係数 の計算 3 5 )が可能 にな って きた。 しか しなが ら,高 は高分子一溶媒系 の 自由体積 を増加 させ る拡散 分子 の収着 に対す る濃度係数である。混合 モデルで は, こ によ り求 めるには,現在の ところ,系 の規模や分子 間 のパ ラメータβは濃度や温度 に依存 しないと仮定 され ポテ ンシャルの与 え方 などの問題 があ り,今後 の展 開 る。u f , /7 ,の値 は WLF定数 よ り,V;と V 芸の値 は グ が期待 され る。 ループ寄与法 31) よ り求 め られ る。 また,Dd の計 算 に eらの方 法 2 B , 2 9 ,3 2 , 3 3 ,3 4 )に よ 必要 なパ ラメー タは,Pac 5 . おわ りに り決定 され るが,拡散分子 の厚み dの求 め方 に工夫が なされている。混合 モデルには, ジャンプ距離 の 2乗 算法 について,簡単 に紹介 した。測定法 について, 広 平均 の平方根 L ,Eおよび 0の 3つの フィッテ ィ ング い濃度域 にわたる相互拡散係数 を測定す るには,測定 パ ラメータが含 まれ る。 これ らの値 は,相互拡散係 数 す る濃度域 に応 じて,種々の方法 を使 い分 けな くて は の実測値 を用 いて,理論式 の回帰解析 より決定 される。 な らない現状 にある。 した例 を示すが,かな りよ く推算 されていることが わ 方法 な どがあ るが,今 の ところ自由体積理論 によるア か る。 プローチが,比較的広 い温度 と濃度域で成功 を収 めて 推算法 に関 して, 自由体積理論 や分子 モデルによ る e nt asらの 自由体積 理論 に基 これ らのモデル は Vr いる。 しか しなが ら, これ らのモデルは,推算 に必要 づ く推算式 よ り, さ らに多 くのパ ラメー タを含 む。 特 とされ るパ ラメータが多 く適用 しに くいことや全濃度 に分子構造 に関す る詳細 なデー タが必要 とされ る。 し 域 ( 質量分率 0- 1の範囲) に適用で きないな どの問 たが って, これ らのパ ラメータを入手で きる物性値 か 題 も,まだ残 している。 ら決定で きる系 は限定 され る。 濃度域 によ らない迅速 な測定法や広 い温度 と濃度域 に適用で きる有用な推算法 の,今後 の開発 に期待 した い。 Re f e r e nc e s 1)Duda,J.I J . ,J.S.Vr e nt as,S.T.JuandH. T.Ll u・ . AI ChEJ. ,2 8,2 7 9 2 8 5( 1 9 8 2 ) , 2)I wai ,Y. ,S.Mi yamot o,H.I ke da,Y.Ar ai S. Kobuc hiand Y. San°: Pol ym. Eng.Sc L . , 3 3,3 2 2 3 2 7( 1 9 9 3 ) 3)Pawl i s c h,C.A. ,A.Mac r i sandR.I J .Laur e nc e: Mac r omol e c ul e s,2 0,1 5 6 4 1 1 5 7 8( 1 9 8 7 ) 4)Ar noul d,D.andR.L.Laur e nc e: I nd.Eng. Che m.Re s. ,3 1 ,2 1 8 1 2 2 8( 1 9 9 2 ) 0. 00 0. 10 0. 20 0. 30 Vol umef ract i onoft ol uene l-I Fi g.1 3 Compar i s onsbe t we e nt hee xpe r i me nt al and t he pr e di c t e d mut ual di f f us i on c oe f f i c i e nt sf or s emi c r ys t al l i ne pol ye t hyl e ne t ol ue nes ys t e m Appl . Pol ym. 5)Sc hul t , K. A.andD. R. Paul:J. Sc 乙 . ,6 1,1 8 6 5 1 1 8 7 6( 1 9 9 6 ) 6)Yas uda,H.and KJ.Ros e ngr e n. l J. Appl . Pol ym.Sc i "1 4,2 8 3 9 1 2 8 7 7( 1 9 7 0 ) 7)Long,F.A.a ndI .Wat t: J.Pol ym.Sc i . ,2 1 , 5 5 4 5 5 7( 1 9 5 6 ) Akita University 8 7 8)Gar vi e,W .andS.M.Ne al e:Tr a' L S .Far ada y 1 1 47( 1 9 61 ) Soc・ ,3 4,3 3 5 3 5 0( 1 9 3 8 ) 9)Duda,J・L. ,G.K.Ki mme r l y,W.I J .Sl ge l ko 2 3 )Vr e nt as,J.S.and J.L.Duda‥ AI ChE J. , 2 5,1 1 2 4( 1 9 7 9 ) and J・S・ Vr e nt as: I ad. ET L g.Che m. Fundam. , 1 2,1 3 3 1 3 6,( 1 9 7 3 ) 2 4 )I wai , Y. ,M. Kohno, T. Aki yamaandY.Ar ai: Pol ym.Eng.Sc i . ,2 7,8 3 7 1 8 4 1( 1 9 8 7 ) 1 0 )Kobuc hi ,S.andY.Ar ai:Te c hnol .Re por t s Kyus huUni u. ,6 9 ( 1 ) ,8 9 9 5( 1 9 9 6 ) 2 5 )I wal ,Y. ,S.Mar uyama,M.Fl j i mot o,S. l l )Cane ba,G.T. ,D.S.SoongandJ.M.Pr au6 9 3 7 1 1( 1 9 8 3 8 4 ) Ml yamat O and YIAr ai: Pol ym・ET L g・Sc i . , 2 9,7 7 3 7 7 6( 1 9 8 9 ) 2 6 )Dool l t t l e.A.K∴J. Appl .Ph ys . ,2 2,1 4 7 1 1 4 7 5 ( 1 9 5 1 ) 1 2 )Sc hoe v e r,W.㌔.A.H.andH.A. C. Thl J S S e n: AI ChESymp.Se r i e s,7 3,1 2 2 4( 1 9 7 7 ) ui n: I nt .J.He atMas s 1 3 )I J i ou,J.K.andS.Br 2 7 )Kobuc hi ,S. ,M.Kumada,Y.San°,S. Yama- Tr ans f e r,2 5,1 2 0 9 1 1 2 2 0( 1 9 8 2 ) ,S.Kobuc hiand S.Yamamot o: 1 4)San°,Y. 2 8 )Pac e,R.J.andA.Dat yne r: J.Pol ym.Sc i . , Pol ym.Ph ys.e d. ,1 7,4 3 7 A5 1( 1 9 7 9 ) gahuRonbuns hu,1 7, 9 9 7 1 0 0 5( 1 9 9 1 ) KagahuKo 1 5 )San°,Y.andS・Yamamot o: KagahuKo gahu Ronbuns hu,2 3 ( 1 ) ,3 7 1 4 6( 1 9 9 7 ) 2 9 )Pac e,R.J.andA.Dat yne r: J.Pol ym.Sc i . , Pol ym.Ph ys.e d. ,1 7,1 6 7 5 1 6 9 2( 1 9 7 9 ) ∫. 1 6 )Kobuc hl ,S. ,Y.San°andS.Yamamot o: Che m.Eng.Ja pan,2 8,1 9 3 1 1 9 7( 1 9 9 5 ) 1 7 )Kobuc hi ,S. ,M.KumadaandY.Ar ai: Ne t s u Bus s e i ,1 2 ( 2 ) ,7 0 8 0( 1 9 9 8 ) mot oandYIAr al: KagahuKo gahuRonbuns hu,2 4,1 2 3 1 1 3 0( 1 9 9 8 ) l ad.Eng. 3 0 )Doong,S・J.andW.S.W.Ho: Che m.Re s . ,3 1 ,1 0 5 0 1 0 6 0( 1 9 9 2 ) 3 1)Hawar d,R.N.: J.Mac r omol .Sc i .l Res u . Mac r omol .Che m. ,C4 ( 2 ) ,1 9 1 1 2 42( 1 9 7 0 ) 1 8 )Luybe n,K.Ch.A.M. ,J.J.01 1 e manandS. yne r: J.Pol ym.Sc L . 3 2 )Pac e,R.J.andA.Dat Pol ym.Ph ys.e d,1 7,4 5 3 4 6 4( 1 9 7 9 ) Br ui n:Pr oc・4t hl nt ・Sympos i um onDr yi ng, 2 3 3 2 4 3( 1 9 8 4 ) 3 3 )pac e,氏.J.andA.Dat yne r: J.Pol ym.Se t . Pol ym.Ph ys.e d,1 7,4 6 5 4 7 6( 1 9 7 9 ) 1 9 )Se c or,R.M.: AI ChEJ. ,l l ,4 5 2 4 5 6( 1 9 6 5 ) 2 0 )Kos ar,T.F and R.I.Phi l l i ps; AI ChE J. 4 1 ,7 0 1 7 1 1( 1 9 9 5 ) 2 1 )Hayas hi da,K.and Y.Nagas aka :Ni ppon KL haiGahhai Ronbuns hu,Bhe n,6 3,2 1 6 0 2 1 6 5 ( 1 9 9 7 ) 2 2 )FuJ l t a,H.: Fort s c hr.Hoc h pol ym:For s h. ,3, 3 4 )pac e,氏.J.andA.Dat yne r: J.Pol ym.Sc L . Pol ym.Ph ys.e d,1 7,1 6 9 3 1 7 0 8( 1 9 7 9 ) 3 5 )Sunde r r a] an, S. , C. K. Hal landB. D.Fr e e man J.Che m.Ph ys. ,1 0 5( 4 ),1 6 2 1 1 6 3 2( 1 9 9 6 ) 3 6 )Kohno, M. , Y. I wai ,T. Aki yamaandY.Ar ai: Te c hnol .Re por t sKyus huUnL U. ,5 8,2 8 1 2 8 5 ( 1 9 8 5 )