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高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法

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高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法
Akita University
素材物性学雑誌
総
第11
巻
第 2号
7
7-87(
1
9
98)
説
高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法
小
潮
寿,
*熊
茂
田
誠,
*荒
井
康
彦*
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このような有害物質を含む高分子成形品を廃棄す るこ
1
. は じめに
とは,地球の環境汚染 にもつなが る。 したが って,高
高分子製造過程 において,高分子中に取 り残 された
分子中に残存す る溶媒 (
以下では,モノマーも含 めて
微量なモノマーや溶媒 は,高分子成形品の品質 の低下
溶媒 と呼ぶ)を 0濃度 まで短時間で効率的 に除去す る
を もた らすだけでな く,人体 に悪影響を与え るなど安
装置の開発 はひとつの重要な課題である。 このような
全性の面か らも問題 とな っている。たとえば,ポリカー
分離装置の設計 には,相互拡散係数 データが必要不可
ボネー トやポ リア リレー トの原料であるビスフェノー
欠 となる。
ル A などは,環境 ホルモ ンと して あげ られ,動物 の
生殖機能 に異常を もた らす ことが最近指摘されている。
平成 1
0
年 7月1
3日受付
*山口大学工学部応用化学工学科
〒7
5
5
-8611 宇部市常盤台2
5
57
これまで,ポ リスチ レンやポ リエチ レンのような工
業上代表的な高分子 に対 して,比較的多 くの相互拡散
係数データが報告 されている。 しか しなが ら, これ ら
以外の高分子 に対す る相互拡散係数 データの蓄積 は十
分でな く,特 に共重合体系 については,その報告 はほ
**九州大学大学院工学研究科化学 システム工学専攻
〒81
2
-85
81 福 岡市東区箱崎 6
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ka812-8581
とんど見当た らない。また,代表的な高分子系でさえ,
温度や濃度範囲が限定 されている現状 にある。 この よ
うなことか ら,広 い温度 な らびに濃度範囲で通用可能
な相関あるいは推算法の開発が強 く望 まれている。
ここでは,濃度依存性を示す高分子 と溶媒か らな る
2成分系の相互拡散係数の測定法な らびに推算法 につ
7
7
Akita University
7
8
小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦
いて紹介す る。
2
. 相互拡散係数 の特徴
高分子-溶媒系 の相互拡散係数 は,温度 に依存す る
だけでな く,一般 に濃度 に も依存す る。特 に低濃度域
において は数桁 にわたる変化 を示す場合 も珍 しくはな
い。典型的な濃度変化 を示す例 として,ポ リスチ レンー
エチルベ ンゼ ン系 の相互拡散係数 1) を Fi
9.1に示 す。
エチルベ ンゼ ンの濃度が低 いところで は,相互拡散係
数が 2- 3桁 にわた り変化 して い る ことが Fi
g.1よ
りわか る。 また,温度 の低下 に伴 い,その変化 が著 し
くな っていることがわか る。Fi
g.2は, スチ レンー ブ
タジェ ン共重合体 (
SBR)系 の共重合組成 の変化 によ
る1
3
0
℃ における相互拡散係数 の濃度依存性 2
〕を示 す。
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ルベ ンゼ ン系 とは逆 に,溶媒濃度 の増加 に伴 い相互 拡
散係数 は減少す る傾 向を示 してい る。 また,共重 合体
組成 におけるブタジェ ンの増加 につれ,相互拡散係数
は溶媒濃度 の増加 に伴 い増加す る方向か ら減少す る方
向に変化す る様 子がわか る。高分子 と溶媒 の組み合 わ
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ナ ン系 のよ うに,拡散係数が濃度 の増加 と共 に減少 す
子系 の相互拡散係数 は液体系のそれ と比較 して 2-4
る特異的な挙動 を示す系 も存在す る。 しか しなが ら,
桁 はどもその値 は小 さい。 したが って,微量 の溶媒 を
-椴 に低濃度域 の相互拡散係数 は濃度の増加 に伴 い増
効率的 に除去す るために,乾燥操作 や抽 出操作 などを
加 し, しか も大 き く変化す る場合が多 い。 また, 高分
行 う分離装置 の設計 において は, この領域での正確 な
デー タが特 に重要 とな る。
1
01
9
相互拡散係数 が濃度 に依存す る場合 の測定 は複雑で
あ り,濃度域 によ り種々の測定 法 が提 案 されて い る。
そ こで,次節で は相互拡散係数 の測定法 について述 べ
1
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3
. 相互拡散係数の測定法
溶媒 の低濃度域,すなわち高分子 の濃度が高 い領 域
q
l0
での測定法 には,ガスクロマ トグラフ法,透過法, 濃
1
2
度分布測定法,吸収法 などがある。
溶媒 の無限希釈濃度での相互拡散係数を測定す る方
1
0
1
3
法 と して ガスクロマ トグラフ法 3・4) が あ る。 高分子 を
0
0.
2
0.
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薄膜状 に塗布 したカラムを用意 し,キ ャ リアガス中 に
溶媒 を注入 して得 られ る溶 出曲線 の解析か ら相互拡散
g.3にガスクロマ トグ
係数 を求 め ることがで きる。Fi
ラフを用 いた測定装置の概略図を示す。キ ャ リアガ ス
の流量が大 きい場合,短時間で の測定 が可能 で あ る。
Akita University
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巻
第 2号 (
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高分子一溶媒系の相互拡散係数 の測定な らびに推算法
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その反面,カラムの作製条件,キ ャ リアガス流量 等 の
れの方法 も, フイルムが変形 しない,かな り低 い濃度
条件 に左右 されやす く,精度 のよいデータを収集す る
域 に しか適用で きない。
には工夫が必要 とされ る。
高分子中の溶媒 の濃度分布 を測定 し,濃度分布 の解
高分 子 フイルムを透過す る溶媒 の透過量 の時間変化
析 よ り相互拡散係数 を決定す る方法 と して,濃度分布
を測 定 し, 相互 拡散 係 数 を求 め る方 法 と して透 過
測定法 7・8) がある。 この方法 には, サ ン ドイ ッチ法 や
法 5・6) があ る。 この透過法 には,大 別 して異 圧法 と等
スライス法 などがあるが, いずれ も測定精度があま り
圧法がある。異圧法 は,高分 子 フイルムの一方 を高圧
良 くないため,最近で はほとん ど用 い られない。
に,他方 を低圧 にす ることで, フイル ムを透過す る溶
吸収法 9 三
二
.は,一定の温度,圧力 の溶媒 蒸気 中 に高
媒 の量 を測定す る方法であ る。 この方法 には,透過 量
分子 フイルムを置 き, フイルムに収着 され るあ るいは
g.4に
を圧力変化 と して測定す る圧力法 5) がある。Fi
フイルムか ら脱着 され る音
容煤 の質量 を時間の関数 と し
圧力法 による透過実験装置の一例 の概略図を示す。圧
て測定す る方法であ る。 この方法 は,測定温度 にお い
力法で は,得 られ る透過曲線 (
時間 に対す る圧力変 化
てかな り高 い蒸気圧を持 ち,対象 とす る高分子 に対 し
の曲線)の解析か ら相互拡散係数が求 め られ る。
これに対 し,等圧法 6) 揺,高分子 フイル ムの両側 の
1
てあ る程度 の溶解度 を有す る溶媒 に適用 され る。 この
方法 には,石英 スプ リング法 9,1
0
)や電 子天秤 法 1
1
)が あ
全圧力を同 じに して,片側 には溶媒を含 む蒸気 をキ ャ
g.5には,電子天秤法 による測定装置の概略図
る。Fi
リヤーガスと共 に流 し,他方 にはキ ャ リヤーガスのみ
を示す。 これ らの方法 は,信頼性 の高 い相互拡散係数
を流す ことで,分圧 の差 により生 じる溶媒 の透過量 を
データが得 られ,また溶解度 も同時 に測定がで きるメ
熱伝導度検 出器 などを用 いて測定す る方法である。 こ
リッ トがあ る。吸収法で は,実験 よ り得 られ る質 量変
の方法 は,真空漏れや圧力差 による膜 のふ くれを気 に
化 デー タの解析か ら,濃度 に依存す る相互拡散係数 が
しな くて済むな どの利点がある。 しか しなが ら, いず
決定 され る。決定法 には,種 々の方法が提案 され て い
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小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦
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3
)が用 いた収縮座標系 に
基づ く方法 1
4
,
1
5
)が有用であろう。すなわち,実験 にお
けるフイルムの厚みの変化が考慮 されているため,正
確な相互拡散係数 を求めることがで きるか らである。
小測 ら1
6
,
1
7
)は,収縮座標系 に基づ き,相互拡散係数
0.
0
の濃度依存 の関数形 にべ き乗を仮定 し,収着な らびに
脱着過程 より相互拡散係数を求め る方法 を提案 した。
収縮座標系 に基づ く拡散方程式 を,初期境界条件の も
とに数値的に解 き,みかけの相互拡散係数を与える無
0.
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次元化 された濃度 ma
,
。と無次元化 され た平衡濃度 me
の関係を求めた。そ して,濃度依存の型のべ き数 αを
この方法による相互拡散係数の算 出手順 を示 す と,
パ ラメータとして線図に表 した。Fi
g.6は収着,Fi
g.
7は脱着 にお ける関係 を表 す。 なお,α - 1の とき,
次のようになる。
収着および脱着 ともこの関係 は,一次式で良好 に表 さ
フイルムの収着あるいは脱着実験か ら得 られ るフイル
れた。
ムの時間に対す る質量変化 データか ら,次式で示 され
収着の場合 (1≦ m≦ me
)
Tn
1)初期溶媒含有率 u。と平衡溶媒含有率 ueの異 な る
る平均溶媒含有率 古を計算す る。
a
p
。-0
.
6
2
5
me+0.
3
7
5
脱着の場合 (0≦ m ≦ 1)
ma
p
p-0
.
6
4
9
me+0.
3
5
1
u
-㌔
苧
(3)
ここで,Wtは時間 tにおけるフイルムの質量, Ⅳ
p
は
Akita University
81
高分 子のみの フイルム質量である。 また,初期溶 媒含
を終了 し, この時の aの値 に対す る u a
,
,と次式で定義
有率 u。と平衡溶媒含有率 ue
を次式 よ り求 め る。
され る psの値 を計算す る。
u0 - ㌔
(4)
芦
ds
dp
P
s
=u
d
p+ds
通
日
i
l
E
ここで,dsと dpはそれぞれ溶媒 と高分子 の密度 で あ
u e-
(
5)
誓
ここで,W.と Weはそれ ぞれ初 期 フ イル ム質 量 と平
衡時の フイルム質量 であ る。
Dps
2
)
a
,
,の値を ps
2で割 ることによ り u
る。最後 に,(
a,,
に対す る相互拡散係数 D を求 める。
なお,脱着 に対 して αの値が 1と異 な る場合,新 し
2)次 に,次式で示 され る√デ と Eの値 を計算 し,普
い aの値 に対す る ma,
pの値を0.
2
7
%以内の平均誤差で,
通 グラフにプロッ トす る。収縮座標系では,このプロッ
次式 よ り求 め ることがで きる。
トを収着 に対 して収着曲線,脱着 に対 して脱着曲線 と
呼ぶ。
げ
-豊
E -若
(
菜
6 )
(7)
-三 三㌢
ma
p
p-me
b
】
+b2(1-me)ba;0<a≦ 7
(
1
2
)
b1-0.
8
3
7-0.
5
3
5a+0.
6
9
1a8
9
(
1
3
)
b
2
- ㌔)
1
(
1
4
)
(孟
a
b。- 1
.
1
8
3+0.
0
6
0a-0.
2
5
2ao
2
5
98'
(
1
5
)
ここで,Aはフイルムの面積 で あ る。Fi
c
k型 拡散 に
次 に, この方法 による具体的な計算例 を示す。Fi
g.
0℃ で の種 々の
8は,アク リル粘着剤- アセ トン系の4
対 して,収着 あるいは脱着曲線 (E v
s.v
r
T の曲線 )
初期溶媒含有率 と平衡溶媒含有率 における脱着曲線 の
は,初期部分 において直線 とな るので, この部分 よ り
一例である。 これ らの曲線 は,いずれ も初期部が直線
傾 き β′(
-dE/
d√デ )を得 る。
で,それに続 く部分 が上 に凸 の曲線 で あ る ことか ら
3) 先 に求 め た u 。と ueよ り,無 次元平 衡溶 媒含 有
Fi
c
k型であることがわか る。 したが って, これ ら脱
率 m eを計算 す る。 また, グ ラフの図微 分 よ り得 た
着曲線 の直線部 の勾配 よ り,各実験 に対す るβ′ の値
β′の値か ら,収縮座標系 における見か けの拡 散 係数
g.9は,各実験 よ り求 め られ た (
Dp三)a
p
,
を求めた。Fi
(
Dps
2
)印を求 めるo
と u ap,のプロ ッ トを示す.Fi
g.9の白丸 は,篇 l近 似
me-ue
/u。
(
8
)
(a- 1を仮定 して求 めた
(
Dp書)B
P
,と ua
,
,の関係) の
結果 を示すo各 データは 1つの直線上 にまとまって い
(
Dpg
)p-言 β′ 2
(
9
)
ることがわか る。ゆえに, この直線 の傾 きよ り,新 し
4)Eq.(1)あるいは Eq.(2) よ り meに対応す る
,
pの値を第1
次近似 (aみか けの無次元溶媒含有率 ma
1
.
0
1を仮定す ることに相当す る) として計 算 し, みか け
の溶媒含有率
u ap,
0.
8
,を次式 よ り求 め る.
ua
p
- ma
。
pu。
(
1
0
)
5) (
Dps
Z
)a
,
pと ua
p
,の値 を両対数 グラフに プ ロ ッ ト
T O
・
6
す る。 この両対数 グラフの傾 きが,べ き数 αの値 を与
叫 0
.
4
え るo この傾 きを求 め るには,
u。
あ るい は ueの異 な
る 2つ以上 のデータが必要であ る。 αの値 が仮定 した
0.
2
Dps
2
)ap,vs.ua
,
。の プ ロ ッ ト
aの値 と異 な る場合 は,(
か ら得 られ る新 しい aの値 に対 す る m叩
。の値 を線 図
(
Fi
g.6あるいは Fi
9.7) よ り第 2近似 と して求める。
この操作 を新 しい αの値 と前 回 の αの値 が一致 す る
まで繰 り返す。
6)αの値が変化 しな くな った時, ステ ップ 5の操 作
0.
0
0
100
200
300
400
JfT【n2
・s
l
r
2
・kg lI
Fi
g.8 De
s
or
pt
l
OnC
ur
v
e
sf
orac
r
yl
i
cadhe
s
i
ve
ac
e
t
ones
ys
t
e
m at4
0
℃
Akita University
8
2
小測茂寿 ・熊 田 誠 ・荒井康彦
0.
00
0.
01
0.
1
ua
p
p【kg
s
ol
・
・kg
p
ol
m
y
/
11
Fi
g.9 Re
l
at
l
OnS
hi
pbe
t
we
e
n(
Dps
2
)
郷anduap
p
f
orac
r
yl
i
cadhe
s
i
v
e
ac
et
ones
ys
t
e
m at
4
0
℃
0.
04
0.
08
0.
12
M as
sf
ract
i
onofacet
onel-]
Fi
g.1
0 Mut
ualdi
f
f
us
i
onc
oe
f
f
i
c
i
e
nt
sf
orac
r
yl
i
c
adhe
s
I
Ve
aC
e
t
OneS
ys
t
e
m at4
0
o
C
散係数 の濃度依存性 は比較的弱 い ことが Fi
g.1
0よ り
確認 で きる。 また,Tabl
elには,相互拡散 係数 の計
い αの値 を読 み取 り α-0.
6
8を得 た。次 に,α-0.
6
8
算結果 を示 した。以上 のように して,相互拡散係数 を
に対す る m叩
pの値 を Eqs.(
1
2
)∼ (
1
5
)を用 いて求め,
決定す ることがで きる。
Eq.(
1
0
) よ り ua
p
pを計算 し同様 のプロッ トを行 った。
この操作 は 3回で終了 し,最終的に得た αの値は,α
-
さて, これまで述べた方法 に比べて,比較的高濃度
域 まで相互拡散係数 を容易 に測定 で きる方 法 と して,
0.
6
2
であ った。Fi
g.9の黒丸 は a-0.
6
2での結果 を示
乾燥実験 1
8
ノがある。高分子溶液を等温 下で熱風 な どに
す。 この α-0.
6
2に対す る u a。
。の値 を用 いて,Eq.(
l
l
)
よ り乾燥 させ ることで得 られ る乾燥速度曲線 の解析 よ
よ りpsの値 を求 め,(
Dp書
)
a
p
pの値 を p2
,で割 ることで
り,相互拡散係数 を求 め ることがで きる。解析方 法 に
相互拡散係数 を算 出 したOなお, psの計算 に使用 し
つ いて は,吸収法 の ところで述べた方法 12 15) が適用 で
たアク リル粘着剤 とアセ トンの4
0
℃ での密度 は, それ
きる。
7
2
kg・
m
ぞれ9
3
と7
6
7
kg・
m 3 であ る。
その他 の測定法 として は,屈折率法 19 2
1
つなどがある。
FI
'
9.1
0には,決定 され た相互拡 散係数 と溶媒 の濃
皮 (
質量分率)の関係 を示 した。 この系で は,相互 拡
これ らの方法で は, よ り高 い濃度域での相互拡散係数
が得 られ る。
Tabl
e1 Cal
c
ul
at
e
dr
e
s
ul
t
sofmut
ualdi
f
f
us
l
Onc
oe
f
f
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nt
sf
orac
r
yl
i
cadhe
s
I
V
e
aC
e
t
OneS
ys
t
e
m at4
0
℃
[
kgs
ol
・
kgpol
ymJ ]
uE
」
kgs
ol
・
kgpol
ym∴ ]
me
[
-]
β′
[
kg・
m 2 ・S 12二
(
Dpg
)
a
,
,
[
kg2
・
m 4 ・S 1]
ma
p
p(a-0.
6
2
)[
-]
ua
r
,
[
kgs
ol
・
kgpol
ym/1]
]
β5
[
kg・
m3
∽ 1
[
- ]
D
[
m2・sl]
0.
0
8
2
9
O
0
4.
5
5×1
03
1
.
6
2×1
05
0.
3
1
4
0.
0
2
6
1
9
41
0.
0
2
5
4
1
.
8
3×1
01
1
uo
d -972kg・
m ,ds
-7
6
7
kg・
m
p
3
3
0.
1
1
5
0
0
0 3
5.
0
0×1
1.
9
6×1
05
0.
3
1
4
0.
0
3
6
0
9
3
0
0.
0
3
4
7
2.
2
7×1
01
1
0.
1
9
4
0
0
5.
8
8×1
0 3
2.
7
2×1
0 5
0.
3
1
4
0.
0
6
0
8
9
0
2
0.
0
5
7
4
3.
3
4×1
01
1
-mas
sf
r
ac
t
i
onofs
ol
v
e
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W 1
0.
1
5
1
0.
0
4
6
1
0.
3
0
6
6.
3
3×1
0 3
3.
1
5×1
05
0.
5
4
2
0.
0
81
5
8
81
0.
0
7
5
4
4.
0
5×10 1-
0.
1
8
2
0.
0
6
4
5
0.
3
5
4
7.
0
9×1
0 3
3.
9
5×1
05
0.
5
7
5
0.
1
0
5
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5
8
0.
0
9
4
8
5.
3
6×1
01
1
Akita University
8
3
いずれにせ よ,1つの測定法で広 い濃度域 にわたり,
相互拡散係数 を得 ることは不可能である。現在 の と こ
V FV
ろ, これ らの方法 を併用す ることによ り,広 い濃度域
K1
2
+-IW2(
K2
2+T- Tg
2
)
にわたる相互拡散係数 を求 め る以外 に方法 はないよ う
である。
Kl
l
/γ-- Wl(
K2
⊥
+T- Tg
二
)
(
1
7
)
ここで,Kl
ユ
,K12
,K2
1
,K2
2は自由体 積 パ ラメー タ,
TgLは成分 乙のガラス転移 温度 で あ る。 また, 4
5
1は,
4
. 相互拡散係数の推算法
成分 1の体積分率であ り,次式 で与 え られ る。
L
l
lVl
種 々の高分 子 と溶媒の組み合わせ が存在 す るた め,
必要 とす る系 の相互拡散係数 データを入手で きること
はまれで,多 くの場合実験 を行 ってデータを得てい る
L
¢ 1
(
1
8
)
wIVl
+W2V2
)は,
ここで,V,は成分 iの比 体積 で あ る。Duda ら1
のが現状である。 したが って,相互拡散係数 を純物 質
の入手可能 な物性値な どか ら,計算 によ り求 めること
ンゼ ン系 に適用 し,広 い温度 と濃度範囲で良好 な結果
を得ている。岩井 ら22
42
5
)は,溶 媒 お よび高分 子 に関
数 を計算 によ り求 める相関あるいは推算法 と呼ばれ る
す る自由体積パ ラメータを,Dool
l
t
t
l
eの提案 した体
ものには, 自由体積理論 による方法,分子 の形状 や複
積依存型 の粘度式 2
6
)によ り求 め ることで,パ ラメータ
雑 な拡散過程を考慮 した拡散 モデル (
分子 モデル) に
数 を少 な くした推算式 を提案 した。彼 らは,平均 空孔
よる方法 などがあ る。
自由体積 を次式で与 えた。
以下 で は, これ らの方法 について簡単 に紹介す る。
4
.1 自由体積理論 による方法
7
'
高分 子中 に存在す る自由体積 に着 目 し,分子 の詳細
γ1
7
'
2
ここで, 7
,
1と γ2
は,それぞれ溶媒 と高分子のオ-バー
構造 に立 ち入 らず 巨視的 に拡散 を取 り扱 い,相互拡散
ラップファクターである。Dool
i
t
t
l
eの提案 した粘性
係数 を求 め る方法 として 自由体積理論がある。
方程式 か ら粘度 デー タを用 いて, 臨界空孔比 体積 V
;
2
)によ り提案 され,Vr
e
nt
as
自由体積理 論 は藤 田 2
とオ-バ ーラ ップファクター 7
,
Lの値 を決 定 した。 岩
と Duda1 23〕によ り改良 され,発展 させ られて来 て い
る。Vr
e
nt
as らの 自由体積 理論 に よ る 2成 分系 (高
ンー炭化水素系 2
5
), スチ レンー ブタジェ ン共重合体 -
分子 と溶媒か らな る) の相互 拡散係 数 β は, 次式 で
n-ノナ ン系 2) に適用 し,良好 な結果 を得て い る。 しか
表 され る。
刀
しなが ら, これ らの式 は多 くのパ ラメー タを必要 とす
-かo
e
xp
1
るため,パ ラメータを決定す る方法が重要 とな る。
( -か )2(
1-2x¢1
)
W
2
E
V
言
e
x
p
( VF、,/ )
小測 らL
7
2
7
)は,岩井 らの推算式 におけ るパ ラメー タ
を溶媒 の物性値 よ り決定す る方法を提案 した。推算式
WI
V;+
-
γ
(
1
6
)
に含 まれ る 8つのパ ラメータの うち,高分子 に関す る
ここで,D。は定数 ,E は 1つの分子がその周囲の分 子
パ ラメータ V;
と7
,
2を除 く6つのパ ラメータ,D。
,E,
か ら受 ける引力 に打 ち勝っために必要 とされ るエネル
i,x
,V;
,7
,
1は高分子であ るアク リル粘着 剤 に対
or
y相互
ギー,R は気体定数,Tは絶対温度,xは Fl
して,経験的 に次式で表 され る。
;は成分 乙の 1ジ ャ
作用パ ラメータである。 また,V
率であ る。添字 1および 2はそれぞれ溶媒 と高分子 を
β0- 1.
8
3
5×1
01
0
〟 1- 7.
7
5
3×1
0 9
(
2
0
)
x- 2.
9
01- 7.
1
6
0×1
0 5E
(
21
)
E-0.
1
2
5
2E hI25
3
7
(
2
2
)
E-1
.
67
1×103 vb十 0.
21
3
3
(
2
3
)
MI
V;-5.
9
5
5×10 2 vb+ 1.
1
91
2× 1
0 2
(
2
4
)
7
'1-3
.
3
91×1
03 vb+ 0.
2
5
81
(
2
5
)
ここで,M lは溶媒 の分子量 ,Eechは溶媒 の標 準沸点
表す。なお,平均空孔 自由体積 は次式 で 与え られ る。
での凝集 エネルギー, Vbは溶媒 の標準 沸点 で の モル
ンプに要す る臨界空孔比体積,Eは高分子 ジャンプ単
位 の臨界 モル体積 に対す る溶媒 の ジャンプ単位の臨界
モル体積 の比,v F
、
-は 2成分系 の単位質量 あ た りの平
均空孔 自由体積, γは自由体積 の重 な りを補正す るた
めのオーバ ーラップファクター, LU,は成分 iの質量 分
。。h
"
Akita University
8
4
小測茂寿 ・熊田 誠・荒井康彦
拡散分子と呼ぶ) の分子構造 お よび複雑 な拡散過程
を考慮 した拡散 モデル (
分 子モデル) を用 いて,相
互 拡 散 係 数 を推 算 す る方 法 を提 案 した 。 Pac
eと
Dat
yne
rは,まず単純 な形状 (
球形状)の拡散分子 に
対す るモデル2
8
)を提出 し,続 いて複雑 な形状 を持つ拡
散分子に拡張 した2
9
)
。球形 の拡散分子 (
直径 dか らな
る)の無限希釈濃度 に対す る拡散係数 は,次式で与 え
られ る。
元
0.
04
0.
08
0.
1
2
Ma
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i
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豊
前′
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pL岩 )
AE-5.
2
3
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3 )i
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4
(雪
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β.
Tabl
e2 Phys
i
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t
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TIT
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4
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J
lgV V γ γ
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m3
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]
[
m2
・
S1
]
[
J・
mol1
]
[
-]
[
-]
[
m3
・
kg
[
m3
・
kg
-]
[
-]
[
73459
諾
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72笠
6 0 -1 -0 -0 -0
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1
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E。
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5
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(
( 5(p
d'-d+ p+- p
)
7
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l Compar
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nt
sf
or ac
r
yl
i
c adhe
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i
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t
one
s
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t
e
m at4
0
o
Cands
o
℃
)
o
・
7
7
(
(
;)
子*3/4
(
2
6
)
l
ノ
r
T^
\
1J
一
-α
+\
〟
′
/
し
0.
00
(
2
9
)
臥
g)
ここで,Dd は高分子基準の球形分子 の固有拡散係数
である。LZはジャンプ距離の 2乗平均,m*は高分子
鎖あた りの平均分子量,△Eは拡散の活性化エネルギー,
β は高分子鎖の平均有効曲げ剛性率,dは拡散分子の
直径,e*とp'は Le
nnar
dJone
sポテ ンシャル関数
におけるエネルギーおよび距離 のパ ラメー タ, β は
平均高分子鎖問距離, 久は骨格成分の平均軸方向長 さ
である. auは高分子の熱膨張係数,Tg はガ ラス転移
温度であ り,(p+
/p)T
gはガラス転移温度で の値 を示
す。
Pac
eらは,長 さ l
,幅 W,厚 さ dか らなる複雑 な形
体積である。Fi
g.1
1は, ア ク リル粘着剤- アセ トン
状の拡散分子 に対 して前述の式を拡張 した。複雑な形
e2に
系の実験値 と推算値の比較を示す。また,Tabl
状の拡散分子 に対 し,拡散係数 は次式で与え られ る。
推算 に使用 した物性値 とパ ラメータを示す。相互拡散
係数の温度な らびに濃度依存性が良好 に表現で きてい
D(
C,
T)
-D (0,
T)F l
(
E,W ′
,〃′)
p
p
十
×F2
(△′-W′
,F
L′
)
(
3
0
)
る。 しか しなが ら,現在のと ころ これ らの相関式 は,
ここで,Dp (
C,
T) は濃度 C,温度 Tでの高分子基
アクリル粘着剤高分子 に対す るものである。パ ラメー
準の固有拡散係数,Dp (
0
,
T)は無限希釈濃度 で の値
タの相関手法をより一般的な ものとす るためには,他
を示 し,次式で表 される。
の高分子系での適用性 の検討 が必要 とされ る。
4
.2 分子モデルによる方法
Pac
eと Dat
yne
r2
8
・
2
9
)は,高分子 と溶媒 (
以下 で は
D,(0,
T)-D (
P2
。
)
J
n
d
(
p2
0=J
i
e
r
f
c
㌻e
r
f
c
(
3
1
)
(
32)
Akita University
8
5
次式で示す関係がある。
A
o
賢く 蕊 (
笥
1・
0
2+
D (
C,
T)- D,(
C,T)(
1- ¢1
)
T=。
(
4
5
)
以上 の式 よ り相互拡散係数 の計算がで きる。 このモデ
m-
gの
ルは,多 くのパ ラメー タを必 要 とす るが,L とr
2
g
c
o
s
∂′
p
+
+
2つのパ ラメータを除 き,高分子 および拡散 分 子の構
1
造や物性か ら決定で きる。 この 2つ のパ ラメー タは,
(
'
rL
r= rg す
相互拡散係数 の実測値 との回帰解析 よ り決 定 され る。
TITg)
P'(
Fi
g.1
2には, ポ リスチ レンー エチルベ ンゼ ン系 の推
ここで,n は拡散分子 と相互作用 す る鎖 の数 , rは拡
算結果 を示す。低濃度域で は実測値 との一致 は良好 で
散分子 を包んでいる高分子鎖が拡散分子 を放 しスライ
あ るが,高濃度域で は実測値 との偏差 は大 きくなる こ
ドさせ るための変位,rgはガ ラス転移温度での rを示
eらの分子 モデルで は,拡
とがわか る。 これ は,Pac
す。 m は高分子鎖 の数 , ∂′ は高分子 の軸方 向 と拡
散分子 の重 な りや衝突 な どが考慮 されていないことに
散分 子の拡散方向 とのなす角度 で あ る。 また,Dd は
よると推察 され る。
Eqs.(
2
6
)∼ (
2
9
) によ り与 え られ る。 さ らに右辺 の
残 りの項 は,それぞれ次式で表現 され る。
徴 を取 り入れたモデル (
以下,混合 モデル と呼ぶ) 杏
Fl(
F ,W'
,〟′
)-e
xp
(
2
T
提案 した。混合 モデルによると,相互拡散係数 は次式
ト
議
で与え られ る。
l
e
x
p(
F(
1
i
)
崇ト F
誓)
〕
e
xp
誓
・面 詰
Doong ら3
0
)は,分子 モデル と自由体積 モデルの特
〔e
xp(
E・(
1-i)L e
xp(
F2
(△′-W′
,
L
L
′
)
-1+ (
P
2
。
)
D -(
1
-¢1
)
2(
112x¢1
)Dd
Du
(
4
6
)
ここで,Dd は球形分子 (
直径 d) に対 す る分子 モデ
ルよ り得 られ る無限希釈濃度 での拡散係数 を表す。 こ
)r(
36)
i)(37,
2
6
)∼ (
2
9
)で与え られ る。 また,Dw
の Dd は Eqs.(
は自由体積 モデルに基づ く項であ り,次式 によ り与 え
2
・
′
(
(
f
l
o
6
′
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ここで,Cは高分子 1gあた りの拡散分 子 の モ ル数,
∂は拡散分 子の中心 と高分子鎖 との接点 まで の距離 ,
aは高分子 の非結 晶分率 で あ る。 △Eは Eq.(
2
7
)
,
d′は Eq.(
2
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) よ り与え られ るO高分子基準 の固有拡
C,
T) と相互拡散係数 D (
C,
T) の間 には,
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誠 ・荒井康彦
その他 に,分 子シ ミュレーシ ョンよ り相互拡散係数
V;+W 2EV;
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を求 める方法 と して,分 子動力学法がある。近年 の コ
(
47
)
ここで,u
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2は高分子 の自由体積 , 0 (- ∂u
f
/∂Wユ
)
)
ンピュー タの発達 に伴 い,分子動力学 による相互拡散
係数 の計算 3
5
)が可能 にな って きた。 しか しなが ら,高
は高分子一溶媒系 の 自由体積 を増加 させ る拡散 分子
の収着 に対す る濃度係数である。混合 モデルで は, こ
によ り求 めるには,現在の ところ,系 の規模や分子 間
のパ ラメータβは濃度や温度 に依存 しないと仮定 され
ポテ ンシャルの与 え方 などの問題 があ り,今後 の展 開
る。u
f
,
/7
,の値 は WLF定数 よ り,V;と V
芸の値 は グ
が期待 され る。
ループ寄与法 31) よ り求 め られ る。 また,Dd の計 算 に
eらの方 法 2
B
,
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,
3
3
,3
4
)に よ
必要 なパ ラメー タは,Pac
5
. おわ りに
り決定 され るが,拡散分子 の厚み dの求 め方 に工夫が
なされている。混合 モデルには, ジャンプ距離 の 2乗
算法 について,簡単 に紹介 した。測定法 について, 広
平均 の平方根 L
,Eおよび 0の 3つの フィッテ ィ ング
い濃度域 にわたる相互拡散係数 を測定す るには,測定
パ ラメータが含 まれ る。 これ らの値 は,相互拡散係 数
す る濃度域 に応 じて,種々の方法 を使 い分 けな くて は
の実測値 を用 いて,理論式 の回帰解析 より決定 される。
な らない現状 にある。
した例 を示すが,かな りよ く推算 されていることが わ
方法 な どがあ るが,今 の ところ自由体積理論 によるア
か る。
プローチが,比較的広 い温度 と濃度域で成功 を収 めて
推算法 に関 して, 自由体積理論 や分子 モデルによ る
e
nt
asらの 自由体積 理論 に基
これ らのモデル は Vr
いる。 しか しなが ら, これ らのモデルは,推算 に必要
づ く推算式 よ り, さ らに多 くのパ ラメー タを含 む。 特
とされ るパ ラメータが多 く適用 しに くいことや全濃度
に分子構造 に関す る詳細 なデー タが必要 とされ る。 し
域 (
質量分率 0- 1の範囲) に適用で きないな どの問
たが って, これ らのパ ラメータを入手で きる物性値 か
題 も,まだ残 している。
ら決定で きる系 は限定 され る。
濃度域 によ らない迅速 な測定法や広 い温度 と濃度域
に適用で きる有用な推算法 の,今後 の開発 に期待 した
い。
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