...

学校法人 京都外国語大学 京 都 外 大 西 高 等 学 校 (所在地)京都市

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

学校法人 京都外国語大学 京 都 外 大 西 高 等 学 校 (所在地)京都市
学校法人 京都外国語大学
京 都 外 大 西 高 等 学 校
SELHi研究の概要
(所在地)京都市右京区山ノ内苗町37
(平成17~19年度)
TEL
075-321-0712
MAIL
[email protected]
URL
http://www.kufs.ac.jp/nishiko/
研究開発課題
使 用 頻 度 の 高 い 英 語 の 語 彙 表 を 用 い 、学 習 者 の 意 欲 を 高 め な が ら 能 率 的 に 語 彙 を 増 や
し 、 文 語 、 口 語 を 問 わ ず 、 あ ら ゆ る 英 文 テ キ ス ト の 91% 以 上 を 理 解 で き る よ う に し 、
更にそれらの語彙を運用できるようにする方法の研究開発
① 語彙一覧表の決定と能率的な語彙暗記法の研究
で き る だ け 少 な い 時 間 で 大 き な 効 果 を 生 む た め に は 、生 徒 に ど の 語 彙 を 記 憶 さ せ る
か は 非 常 に 大 き な ポ イ ン ト で あ る 。本 校 で は 使 用 頻 度 の 高 い 語 彙 を 記 憶 さ せ る こ と が
効 率 的 で あ る と の 判 断 で West (1953) の General Service List ( 派 生 語 を 含 め て
2,284 語 ) と Coxhead (1993)の Academic Word List (派 生 語 を 含 め て 574 語 )を 覚 え
させることにした。
生 徒 は 使 用 頻 度 の 高 い 順 に 並 べ ら れ た GSL を 最 初 か ら 見 て い き 、意 味 の 分 か ら な い
単 語 が あ る と そ れ を 単 語 カ ー ド に 書 き 、暗 記 作 業 を 行 う 。こ の 方 法 の 利 点 は 生 徒 各 自
のレベルに応じた語彙学習ができることである。
単語カードに書く情報は、例えば、英語の単語、日本語の意味、発音記号、品詞、
例 文 、コ ロ ケ ー シ ョ ン 、絵 の 活 用 な ど で あ り 、伝 統 的 な カ ー ド 作 成 方 法 と 大 差 は な い 。
し か し 、作 成 し た カ ー ド を 用 い て 行 う 暗 記 方 法 は 5 つ の ポ ケ ッ ト つ い た バ イ ン ダ ー を
活用した本校独自のユニークな方法である。
生 徒 は 一 定 の 期 間 に 一 定 数 の 単 語 カ ー ド を 作 成 し 、試 験 を 受 け て 合 格 す れ ば さ ら に
別の知らない単語をカードに
書いていく作業を繰り返し
た 。 こ の よ う に し て GSL と
AWL の 学 習 を 終 え た 生 徒 は 、
さらに英字新聞、雑誌、本な
どから関心のある単語を単語
カードに書き写し、覚える作
業 を 続 け た 。( 3 年 間 継 続 )
語彙力の向上に辞書の活用
は欠かせない。そこで本校で
は1年次にマクミラン出版の
Essential Dictionary に 基 づ
京都外大西高等学校
くワークブックを用いて「辞書の活用法」を指導した。
② 記憶した語彙を流暢に使える能力向上法の研究
リ ー デ ィ ン グ の 授 業 で は 毎 週 2 回 制 限 時 間 を 設 定 し て 英 文 テ キ ス ト を 読 ま せ 、そ の
後 で そ の 内 容 に 関 す る テ ス ト を 実 施 し た 。テ ス ト 結 果 か ら 内 容 理 解 の 程 度 と リ ー デ ィ
ングのスピードをグラフで表示し続けた。
リ ー デ ィ ン グ 力 の 向 上 を 図 る 一 つ の 方 法 と し て レ ベ ル 別 読 み 物 を 活 用 し た 。適 切 な
レ ベ ル の 読 み 物 と は 何 か の 指 導 を 教 師 か ら 受 け た 後 、生 徒 は 各 自 の レ ベ ル と 興 味 に 応
じ た 読 み 物 を 選 定 し 、読 了 後 に は ブ ッ ク レ ポ ー ト を 提 出 し た 。教 師 は ブ ッ ク レ ポ ー ト
に 目 を 通 し 、適 切 な レ ベ ル の 本 を 読 ん で い る か ど う か の チ ェ ッ ク を し 、必 要 に 応 じ て
レベル変更のアドバイスを与えてきた。
ラ イ テ ィ ン グ 力 の 向 上 を 図 る 一 つ の 方 法 と し て 定 期 的 に 行 っ た の は 、特 定 の ユ ニ ッ
ト に つ い て 書 か せ た タ イ ム ド・ラ イ テ ィ ン グ( 5 分 間 )で あ る 。下 の 棒 グ ラ フ は こ の
ラ イ テ ィ ン グ で 用 い た 年 次 別 平 均 語 数 を 表 し て い る 。ま た 、こ の ラ イ テ ィ ン グ で 行 っ
た工夫は次の通りである。
a. 目 標 使 用 語 数 を 書 き 始 め る 前 に
決めさせた
b. 実 際 に 用 い た 語 数 を 数 え さ せ た
c. 実 使 用 語 数 を 棒 グ ラ フ に 記 録 し
続けさせた
d. 前 回 の 実 使 用 語 数 よ り 上 の 目 標
語数を設定させた
エッセー・ライティングでは「類似
点 」、「 相 違 点 」、「 問 題 点 」、「 原 因 」、「 結 果 」、「 解 決 策 」、「 論 証 」、「 ス ピ ー チ 」、「 決 議
案の作成」に焦点を当てたライティングの指導を行った。
スピーキング力の向上を図る一つの
方法として継続的に行ったのは、タイ
ムド・スピーキングである。ペアとな
った2人のうち1人が話し役、そして
相手が聞き役となって一定のトピック
に つ い て 1 分 30 秒 話 し 続 け る 。制 限 時
間が終了すると、話し役と聞き役の役
割を交代する。この第1ラウンドが終
わればパートナーを変えて第2ラウン
ドに移る。話し役は同じトピックにつ
い て 2 分 間 ( 30 秒 延 長 ) 話 す 。 役 割 を
交 代 し た 後 で 第 3 ラ ウ ン ド に 移 る 。こ の 方 法 で は 、ト ピ ッ ク を 変 え な い た め 、話 し 手
京都外大西高等学校
はラウンドを重ねる度に新しい内容や情報をつけ加えられる利点がある。
デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 、デ ィ ベ ー ト な ど も ユ ニ ッ ト 関 連 の ス ピ ー
キング活動として行った。
リ ス ニ ン グ 力 の 向 上 に は ユ ニ ッ ト 毎 の 計 画 的 な リ ス ニ ン グ 練 習 に 加 え て 、英 語 で 行
う講義のノート取り方、ボトムアップ式とトップダウン式リスニング法も指導した。
授 業 と は 関 係 な い が 、毎 日 行 わ れ る 2 回 の シ ョ ー ト ホ ー ム ル ー ム と 週 1 回 の ロ ン グ
ホ ー ム ル ー ム で は 担 任 で あ る 外 国 人 教 師 の 英 語 に よ る メ ッ セ ー ジ 、指 示 、ア ド バ イ ス
あ る い は ガ イ ダ ン ス な ど を 耳 に す る こ と が で き る 環 境 は 、生 徒 の リ ス ニ ン グ 力 向 上 に
役立ったと思われる。
③ 形態、意味、発音、語法などの観点から語彙を深く理解させる方法の研究
語彙の深さを向上させるために、主に次のような活動を行った。
a. 単 語 カ ー ド に 英 文 や コ ロ ケ ー シ ョ ン を 書 か せ た 。 教 師 が 生 徒 の カ ー ド パ ッ ク
から一定の枚数のカードを選び、選んだカードに記載されている単語を用い
て生徒に英作文をさせ、複数の教員がその作文を評価するという試験(年間
6~8回)を実施した。
b. 内 容 を 重 視 し た 2 ~ 3 の ユ ニ ッ ト 学 習 の 中 で 文 法 学 習 を 行 い な が ら 、 内 容 語
と AWL の 単 語 を 学 習 さ せ た 。
c. 使 用 頻 度 の 高 い 単 語 の 発 音 練 習 を 行 い 、 学 習 し た 音 の ア チ ー ブ メ ン ト ・ テ ス
トと様々な位置に来る子音及び二重母音のテストをそれぞれ年間数回行っ
た。
d. リ ー デ ィ ン グ・ア サ イ ン メ ン ト と し て 、6 週 間 に 最 低 100 ペ ー ジ 、年 間 に 800
ページの読書量を課した。
京都外大西高等学校
④ 高頻度と低頻度語彙攻略法の研究
ネ ー シ ョ ン が「 す べ て の 語 彙 学 習 法 の 中 で 、文 脈 か ら 推 測 す る 方 法 が 最 も 大 切 で あ
り 、そ う す る こ と で 学 習 者 は 語 彙 を 増 や す こ と が で き る 」と 主 唱 し て い る こ と を 受 け
て 、 本 校 で は 3 年 次 、 攻 略 法 の 一 つ と し て 推 測 攻 略 法 の 指 導 を 1 週 間 に 1 度 、 20 週
に渡って指導した。その手法と内容の概略は次の通りである。
a. Clark と Nation(1980) の 5 段 階 帰 納 法 を 利 用
第1段階
品詞の決定
第2段階
単語が用いられている直接的な文脈に注目(未知の語を含む節)
第3段階
単語が用いられているより広い文脈に注目(接続関係に注目)
第4段階
推測
第5段階
推測の確認
1)推測は未知の語と同じ品詞であるか
2)推測は文脈に合っているか
3)単語を辞書でチェック
b. Bruton と Samuda (1981) の 演 繹 法
第1段階
単語の推測
第2段階
様々な手がかりを用いて、推測が正しいことを確認
第3段階
必要なら推測の見直し
⑤ 語彙力をつけるための意欲増加法の研究
授業を分析した結果、生徒のモチベーションを高める方法にはいくつかあったが、
次のような方法が特に効果的であった。
a. イ ン プ ッ ト と ア ウ ト プ ッ ト の 授 業 で 略 式 の 自 己 評 価 方 法 に よ り 生 徒 各 自 の レ
ベル評価を毎日行わせることで学習の目標をより明確に把握させたこと
b. リ ー デ ィ ン グ 、 ラ イ テ ィ ン グ 、 及 び ス ピ ー キ ン グ の 授 業 で 時 間 制 限 を 設 け た
タスクをさせたこと
c. 個 別 化 し た 語 彙 学 習 や グ レ ー ド 別 読 み 物 プ ロ グ ラ ム を 実 践 し た こ と
d. 科 目 間 の リ ン ク を 図 り 、 学 習 し た 語 彙 を リ サ イ ク ル で き る よ う に し た こ と
〔質問〕
(1 ) 英 語 の 授 業 中 、 自 分 か ら 進 ん
で答えたり質問したりした
(2 ) ペ ア ワ ー ク な ど 教 室 内 の 活 動
に参加した
(3 ) 授 業 外 で 先 生 に 英 語 で 質 問 し
たり、話をした
(4 ) 学 校 以 外 の 友 人 や 知 り 合 い と
英語で話をした
※ 10 段 階 で 回 答
京都外大西高等学校
Fly UP