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理論研修 「TAのゴール『自律性』への 7つのジャンルの活用」に参加して

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理論研修 「TAのゴール『自律性』への 7つのジャンルの活用」に参加して
特定非営利活動法人日本交流分析協会関東支部『会報82号』(平成28年3月発行)
理論研修
「TAのゴール『自律性』への
7つのジャンルの活用」に参加して
交流分析士インストラクター
秋山
壽美雄
■開催日時:2016 年1月 23 日(土) 10: 00~ 16:00
■会
場:レン会議室 ルーム A
■講
師:下平 久美子 先生
年初め最初の 研修。「今年一年をどう過ごそうか決め ているか。7つのジャンルを活用し、
今年はここを変えていくという目標を立てる一日にしてほしい」というゴールの確認のあと、
後出しジャン ケン、利き手でない手で自分の名前を 書いてみるということにチャレンジ。い
つもながら参加者が知らず知らずのうちに笑顔になってからのスタート。
その後、7つ のジャンルごとのポイントを 解説して いただき、参加者が今年はこのジャン
ルでは、こん なことを意識して取り組みたいといっ たことをシートに整理していくという方
式で研修は進 められました。終わってみると「ああ こんなことを自分はしていきたいんだ」
と改めて気づけた研修でした。
7つのジャンル全体に共通することとして 次のようなお話がありました。 <生まれたばかりの
人は生まれた瞬間から「他律」が始まり、その世界で生きてきています。 「I」と「U」の関係>
例えば、「お乳が欲しい」「おむつを替えてほしい」ということを 誰かに
U
やってもらわないと自分では何もできません。大きく捉えると 「時代や文
化も含め他者からの影響」を受けて育ってきています。 右図のような関係
I
です。この関係を大人になっても続けている 人(成熟した「A」が発達
していない状況)がいることを見ても分かるように「他者からの影響」に
はすさまじいものがあります。
自己否定、他 者否定をしているほど時間の無駄遣い はありません。ありのままの「C」で
いられない時 は、脚本に課題があると考え 、見直す チャンスでもあります。不都合なところ
は自律的に自分の意思で書き換えていけばよいのです。それが「再決断」です。
このような共 通する考えを踏まえたうえで以下の よ うにジャンルごとのポイントをお話し
いただきました。
( 1 ) 自我 状態 に おけ る 自律
1)ゴールは「A」の活用。「A」が健康に正しく使えているかがポイント。
2)現代の問題としては「P 1 」への取り込み(二次構造分析)が少なすぎる。
⇒モデルとなる大人からのインプットが少ない。
3)「今、ここ」での大人としての対応を学べず、「A」が働かない大人が増えている。
⇒「P」と「C」の関係性の中で生きてきたので「A」が発達していない。
4)「A」が正しく働くには、汚染解除が必要。
5)「A 」の活用:「今、ここ」でどの機能を発 揮するかを自由に、そして適切に選択で
きるということ。
特定非営利活動法人日本交流分析協会関東支部『会報82号』(平成28年3月発行)
6)自我状態の機能を長所・強みとして使うには
①「CP」、「NP」:他者肯定し、ディスカウントなしに使うこと
②「FC」、「AC」:自己否定しないこと(前提は対等関係)
③「A」が正しく機能するには、
「P」に歪みがないか、どんな幼児決断をしている
のか、汚染のチェックをしてみること
7)ワー ク:この一年、自身の自我状態のどの 機能をどのように活用していきたいのか
を考える。
( 2 ) 対話 分析 に おけ る 自律
1)ゴールはやはり「A」の活用
:大人としての関係性を保った対話ができること
2)自分の「P」「A」「C」 からは 9 本の矢を放つことができるが、それを瞬時に選ん
で相手の「P」「A」「C」に放っている。
3)「A」を働かせた交流を意識すること
4)ワーク:この一年、どのような対話をしていきたいかを考える。
( 3 ) スト ロー ク にお け る自 律
1)ゴールは、「送り上手」「受け上手」になること
2)「送り上手」になる第一歩は、自分に対してストロークを与えること
①日頃自分に対してどれくらいストロークを 送っているだろうか?
・笑顔になれるストローク
・自分を認めるストローク
②ディスカウントを使う癖がついていると上手く自分にストロークを送れない
3 )自分を認めたうえで相手にストロークを送る
4)「受け上手」になるには、次のようなことをチェックしてみること
①反応が歪んでいないか
②フィルターをかけていないか
③ストローク指数は?
5)「断り上手」になる。嫌なことはキチンと断る。「No」と言わ ないと相手には伝わ
らない。
6)ストロークを「要求(求める)」する
・要求するのははしたないという思いを解除すること
7)先ずは自分から良いストロークを発すること
8)ワーク:この一年、どのようなストローク交換をしていきたいかを考える。
( 4 ) 人生 態度 に おけ る 自律
1)ゴールは、今自分はOKコラルのどの立場にいるかに気づき、第1の立場に戻る
2)瞬間的に心は揺れる
⇒ 第2~第4の立場に移っていることに 気づけば、第1の立場に戻れる。気づか
ないと第2~第4の立場に居座ってしまう
3)世界の名言に触れるとOK-OKの立場に通じていることに気づくことがある
4)魅力的な自分でいられたり、自己成長が遂げられるのは第1の立場
5)ワーク:この一年、人生態度についてどのようなことを意識していくかを考える。
特定非営利活動法人日本交流分析協会関東支部『会報82号』(平成28年3月発行)
( 5 ) 心理 ゲー ム にお け る自 律
1)ゴールは、心理ゲームを仕掛けない、乗らない
2)心理ゲームは不快なラケット感情を味わうための絡繰り
3)自分の行いやすい、陥りやすい心理ゲームに気づく
4)ドラマ三角形のどの役割を演じやすいのかに気づく
5)心理ゲームに乗るのは「愛」があるから。赤の他人でどうでもよければ乗らない
6)心理ゲームを避けるコツは、「本物の笑顔」「正しい姿勢を保つこと」である
7)ワーク:この一年、心理ゲームにどう対処していくかを考える
( 6 ) 時間 の構 造 化に お ける 自律
1)ゴールは「QOL(Quality of Life)」の向上
2)時間の構造化の6つの段階は、心の時間の過ごし方(どこに心があるかということ)
3)「親交・親密」は心理ゲームの段階を乗り越え て得られるもの(真の親密)
4)良いストロークは、心地よい質の高い人間関係をつくる
5)仕事をしていても、心理ゲームの材料になっていないかをチェックすること
⇒明確な目標と「A」を働かせることで防止
6)ワーク:この一年、どのように時間を構造化していくかを考える
( 7 ) 人生 脚本 に おけ る 自律
1)ゴールは、自分が続けている歪んだ幼児決断よる不具合に気づくこと
2)脚本は、ある場面でどういう思考・感情・行動をするのかに現れる
3)脚本母型に沿ったコンテンツ分析を行ってみる
①禁 止令は悪いものではなく、守ってくれ る ものでもある。しかし、過度に禁止が
かかると12の禁止令のようなことに繋がる
②拮抗禁止令は躾の意味合いもあるが、過度になると5つのドライバーに繋がる
4)自分がどのプロセス脚本に入る傾向があるのかをチェックする
5)ワーク:この一年、人生脚本にどのように向き合っていくかを考える
以上、ジャン ルごとにお話しされたことのポイント を書き出してみました。紙幅の関係で記
載していませ んが、下平先生ご自身の体験談がいく つも紹介され、それぞれのジャンルの理
解が深まりました。
最後に先生か ら、7つのジャンル で書き出してもら った今年一年意識して取り組むこと 。全
てでなくても 良いので、先ずは一つあるいは二つを 意識しTAのゴールである「自律」に向
かって進んでくださいというメッセージをいただきました。
私自身、毎 年その年一年の目標を立てているので すが、今回学んだ視点を加えてもう一度
2月8日(今年はこの日が旧正月です)までに見直してみたいと思っています。
今回の講座を通じて、「日常生活に結びつくTA」を改めて感じることができました。
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