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社団法人発明協会主催 平成20年度近畿地方発明表彰 中小企業庁長官奨励賞 Ca系増粘剤(特許第3540303号) 白石工業株式会社 発明者:萱 野 善 貞・細 井 和 幸 株式会社白石中央研究所 森 岡 功 表面処理をしていない 炭酸カルシウムを混合 した場合 表面処理炭酸カルシ ウムを混合した場合 写真 本発明の表面処理合成炭酸カルシウム粉体のTEM像と混合ゾルの粘度発現性 インキ、塗料、シーリング材等の液状高分子材料においては、液体と粉体を混合した ゾルを用い、塗工、塗装、施工等が行われている。これらの材料に求められる重要な性 能の1つとして使用時の作業性が良いことが望まれる。材料の作業性を良くするために は、適性な粘度付与と高いチキソ性付与が必要である。本発明は、その粘度・チキソ性 付与材として、炭酸カルシウムコロイド粒子(数十nm)とその粒子を被覆する脂肪酸か らなる無機粉体の材料としたものである。 従来、この種無機粉体にあって、高いチキソ性付与が可能であるものとして、ヒュー ムドシリカ等が使用される。ヒュームドシリカは、高粘度・高チキソ性を付与するが、 一般的には価格が高いことおよびハンドリングがし難いことから、これに代わる粉体が 要望されてきた。 本発明品は、資源が乏しい日本にあって、比較的埋蔵量が多く、安価で人体に優しい 炭酸カルシウムを利用したものである。また、表面処理剤は環境や人体面にも配慮し植 物性脂肪酸を用いた。炭酸カルシウムをナノ粒子に制御し、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 を所定比率、所定量用い表面処理することで、液状高分子材料中で優れた分散性を示し、 その結果、従来の炭酸カルシウムにはない高粘度・高チキソ性を付与することが出来る ようにし、ヒュームドシリカ等に置き代えられるようにしたものである。また、本発明 品を配合した液状高分子材料は、良好な貯蔵安定性を有する。