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特 許 公 報 特許第5759944号

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特 許 公 報 特許第5759944号
〔実 6 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5759944号
(45)発行日
(P5759944)
(24)登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
平成27年8月5日(2015.8.5)
(51)Int.Cl.
FI
A01K 61/00
(2006.01)
A01K
61/00
317 請求項の数2 (全7頁)
(21)出願番号
特願2012-138598(P2012-138598)
(22)出願日
平成24年6月20日(2012.6.20)
岡部株式会社
(65)公開番号
特開2014-000052(P2014-52A)
東京都墨田区押上2丁目8番2号
(43)公開日
平成26年1月9日(2014.1.9)
審査請求日
平成27年3月26日(2015.3.26)
(73)特許権者 000000446
(73)特許権者 512162421
長浜産業株式会社
広島県呉市阿賀中央7丁目7番2号
早期審査対象出願
(74)代理人 100074192
弁理士
江藤 剛
(74)代理人 100121496
弁理士
(72)発明者 北野
中島 重雄
潔
東京都墨田区押上2丁目8番2号
岡部株
式会社内
最終頁に続く
(54)【発明の名称】浮魚礁用アンカーの回収方法、およびその回収方法で使用する回収カゴ
1
2
(57)【特許請求の範囲】
上がりの状態で吊下げられるように、後部側の吊り孔金
【請求項1】
具は開口部側の吊り孔金具よりも長く、その孔位置が高
海底に置かれた浮魚礁用アンカーを表層まで引上げて回
い位置に設けられていることを特徴とする浮魚礁用アン
収する浮魚礁用アンカーの回収方法において、
カーの回収方法で使用する回収カゴ。
回収索を浮魚礁用アンカーに掛止してその回収索を巻上
【発明の詳細な説明】
げることにより、浮魚礁用アンカーを海底から表層まで
【技術分野】
引上げると共に、表層まで引上げた浮魚礁用アンカーを
【0001】
クレーンから吊下げた回収カゴに収容し、浮魚礁用アン
本発明は、海底に置かれた浮魚礁用アンカーを表層まで
カーを収容した回収カゴをクレーンによって吊上げるこ
引上げて回収する浮魚礁用アンカーの回収方法、および
とによって回収することを特徴とする浮魚礁用アンカー 10
その回収方法で使用する回収カゴに関する。
の回収方法。
【背景技術】
【請求項2】
【0002】
請求項1記載の浮魚礁用アンカーの回収方法で使用する
浮魚礁用アンカーの回収方法として、例えば、回収索に
回収カゴであって、
連結された回収用金具を無人潜水機により海中へ運び、
底部と、左右両側の側部と、後部とを有しており、左右
浮魚礁と浮魚礁用アンカーとを結ぶ係留索に結合して無
両側の側部の上部における長手方向の前後両側には、そ
人潜水機を引上げた後、回収索をウインチで引上げる方
れぞれカゴ吊下げ用ロープを連結するための吊り孔金具
法(例えば、特許文献1参照。)や、浮魚礁用アンカー
が設けられており、カゴ吊下げ用ロープの前後の長さを
が連結された浮魚礁を回収具等に結合して引上げる方法
同じにして各吊り孔金具に連結した場合、回収カゴが前
が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
( 2 )
JP
3
5759944
B2
2015.8.5
4
【先行技術文献】
じにして各吊り孔金具に連結した場合、回収カゴが前上
【特許文献】
がりの状態で吊下げられるため、波などによりクレーン
【0003】
や回収カゴ等が揺れたとしても、浮魚礁用アンカーは回
【特許文献1】特開2010−207106号公報
収カゴの中から飛び出し難くなり、この点でも、安全か
【特許文献2】特許第4838906号公報
つ確実に浮魚礁用アンカーを回収できる。
【発明の概要】
【図面の簡単な説明】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
【0004】
【図1】浮魚礁用アンカーを表層まで吊上げた状態を示
しかし、前述の特許文献1,2の浮魚礁用アンカーの回
す図である。
収方法では、浮魚礁と共に浮魚礁用アンカーをウインチ 10
【図2】クレーンに回収カゴを吊下げた状態を示す図で
が回収索を巻上げて回収するものであるが、浮魚礁用ア
ある。
ンカーは重量があり、また海上は波があること等から、
【図3】クレーンで回収カゴを海中に下ろした状態を示
表層まで引上げてきた浮魚礁用アンカーを作業船上に安
す図である。
全かつ確実に回収することは、非常に困難であった。
【図4】回収カゴ内に浮魚礁用アンカーを収容した状態
【0005】
を示す図である。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされ
【図5】回収カゴの斜視図である。
たもので、表層まで引上げてきた浮魚礁用アンカーを安
【図6】回収カゴを前上がりの状態で吊下げた状態を示
全かつ確実に作業船上に回収することができる浮魚礁用
す図である。
アンカーの回収方法、およびその回収方法で使用する回
【図7】(a),(b)それぞれ、回収カゴに船上から
収カゴを提供することを目的とする。
20
固定索を結合した状態を示す概略平面図である。
【課題を解決するための手段】
【発明を実施するための形態】
【0006】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る浮魚礁用アンカ
次に、本発明に係る浮魚礁用アンカーの回収方法、およ
ーの回収方法は、海底に置かれた浮魚礁用アンカーを表
びこの回収方法で使用する回収カゴの実施形態について
層まで引上げて回収する浮魚礁用アンカーの回収方法に
図面を参照して説明する。
おいて、回収索を浮魚礁用アンカーに掛止してその回収
【0010】
索を巻上げることにより、浮魚礁用アンカーを海底から
この浮魚礁用アンカーの回収方法では、まず、図1に示
表層まで引上げると共に、表層まで引上げた浮魚礁用ア
すように、海底に置かれた浮魚礁用アンカー1に回収索
ンカーをクレーンから吊下げた回収カゴに収容し、浮魚
41を連結し、ガイドローラー23を介しウインチ22
礁用アンカーを収容した回収カゴをクレーンによって吊 30
等により巻上げて、海洋の表層まで引き揚げる。ここで
上げ回収することを特徴とする。
、浮魚礁用アンカー1への回収索41の連結は、浮魚礁
また、本発明に係るその浮魚礁用アンカーの回収方法で
用アンカー1が深い海底に沈んでいる場合には、前述の
使用する回収カゴは、底部と、左右両側の側部と、後部
特許文献1に開示されている図示しない無人潜水機(R
とを有しており、左右両側の側部の上部における長手方
OV)等により連結する一方、浅い海底に沈んでいる場
向の前後両側には、それぞれカゴ吊下げ用ロープを連結
合には、潜水士等により連結する。なお、浮魚礁用アン
するための吊り孔金具が設けられており、カゴ吊下げ用
カー1は、図示しない中層浮魚礁等に係留索を介して連
ロープの前後の長さを同じにして各吊り孔金具に連結し
結されて海底に沈んでいる場合でも、中層浮魚礁から切
た場合、回収カゴが前上がりの状態で吊下げられるよう
り離されて海底に沈んでいる場合のどちらの場合にも適
に、後部側の吊り孔金具は開口部側の吊り孔金具よりも
用可能である。
長く、その孔位置が高い位置に設けられていることを特 40
【0011】
徴とする。
浮魚礁用アンカー1が表層まで引上げられると、次に、
【発明の効果】
作業者が作業船2上に設置したクレーン21を動作させ
【0007】
て、図2に示すように、ガゴ昇降用ロープ42a、カゴ
本発明に係る浮魚礁用アンカーの回収方法によれば、表
吊下げ用ロープ42bおよび吊下げフック43を介して
層まで引上げてきた浮魚礁用アンカーはクレーンから吊
回収カゴ3を吊上げて、作業船2上から海上へ運ぶ。
下げた回収カゴに収容し、浮魚礁用アンカーを収容した
【0012】
回収カゴをクレーンによって吊上げて回収するため、浮
そして、図3に示すように、クレーン21により回収カ
魚礁用アンカーを安全かつ確実に作業船上に回収するこ
ゴ3を作業船2上から海中に降ろし、図4に示すように
とができる。また、本発明に係るその回収方法で使用す
、クレーン21の操作により回収カゴ3を浮魚礁用アン
る回収カゴによれば、吊下げ用ロープの前後の長さを同 50
カー1の方へ移動させ、回収カゴ3の中に浮魚礁用アン
( 3 )
JP
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B2
2015.8.5
6
カー1を収容する。
を連結するための吊り孔金具311a,311b、32
【0013】
1a,321bが設けられている。ここで、後部33側
回収カゴ3は、図5に示すように、例えば、H型鋼等を
の吊り孔金具311b,321bは、開口部側の吊り孔
縦横に溶接などしてカゴ状に組まれたもので、作業船2
金具311a,321aよりも長くして、その孔位置を
によって表層まで引上げた浮魚礁用アンカー1を回収カ
上方の高い位置に設けている。そのため、吊り孔金具3
ゴ3の中に収容して吊上げることができるよう、浮魚礁
11a,311b、321a,321bに連結するカゴ
用アンカー1より一回り大きい左右両側の側部31,3
吊下げ用ロープ42bの前後の長さを同じにして回収カ
2と、後部33と、底部34とを有している。例えば、
ゴ3を吊上げた場合には、その孔位置の高さの差の分だ
左右両側の側部31,32間の内幅は、浮魚礁用アンカ
け、回収カゴ3は前上がりの状態で吊下げられることに
ー1の幅に対して1∼2mプラスした程度であり、回収 10
なる。その結果、図4に示すように回収カゴ3の中に浮
カゴ3の底部34の奥行きも浮魚礁用アンカー1の奥行
魚礁用アンカー1を収容すると、回収カゴ3の中に収容
きに対して1∼2mプラスした程度の長さで、両側部3
された浮魚礁用アンカー1は、回収カゴ3の中で開口部
1,32および後部33の高さは、浮魚礁礁用アンカー
側よりも後部33側に移動し易くなるので、波などによ
1の高さの1.2∼2.0倍程度としている。
りクレーン21や回収カゴ3等が揺れたとしても、回収
【0014】
カゴ3の開口部から飛び出し難くなり、この点でも、確
また、底部34を構成するH型鋼341∼344の先端
実に浮魚礁用アンカー1を回収できる。
部には、図5に示すように、回収カゴ3内にいったん収
【0017】
容した浮魚礁用アンカー1が脱落しないように、上方に
なお、より安定した状態で回収カゴ3を使用して浮魚礁
0.3∼0.5m程度突出した凸部341a∼344a
用アンカー1を回収するためには、図7(a)に示すよ
が設けられている。このため、波などで揺れた場合でも 20
うに、回収カゴ3の両側部31,32の前端部に、その
、回収カゴ3内に一旦収容した浮魚礁用アンカー1が脱
一端が作業船2上の別のウインチ24,24に連結され
落することを防止でき、波のある海上でも、確実に浮魚
た固定索44a,44aの他端を連結し、浮魚礁用アン
礁用アンカー1を回収できる。
カー1を収容した回収カゴ3をクレーン21が引上げる
【0015】
際に、回収カゴ3が揺れないよう固定して補助しても良
また、左右両側の側部31,32の上部におけるH型鋼
い。また、図7(b)に示すように、回収カゴ3の後部
311,321の上側面の後部33側には、図5に示す
33に、その一端が補助作業船5に連結された固定索4
ように、断面コ字状の上部押さえ材35が設けられてい
4bの他端を連結し、固定索44a,44aおよび固定
る。そのため、回収カゴ3内にいったん浮魚礁用アンカ
索44bを使用した3点支持により回収カゴ3が揺れな
ー1を収容した後、波などの影響で回収カゴ3が海中で
いよう固定して補助することもできる。
揺れたりして、回収カゴ3の中で浮魚礁用アンカー1が 30
【符号の説明】
移動しても、上部押さえ材35が浮魚礁用アンカー1の
【0018】
後部を上方から押さえるので、この点でも、浮魚礁用ア
1…浮魚礁用アンカー、2…作業船、21…クレーン、
ンカー1の脱落を防止できる。
22…ウインチ、23…ガイドローラー、24…ウイン
【0016】
チ、3…回収カゴ、41…回収索、42a…ガゴ昇降用
さらに、左右両側の側部31,32の上部H型鋼311
ロープ、42b…カゴ吊下げ用ロープ、43…吊下げフ
,321の上側面における長手方向の前後両側には、図
ック、44a,44b…固定索、5…補助作業船。
5に示すように、それぞれ、カゴ吊下げ用ロープ42b
( 4 )
JP
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
5759944
B2
2015.8.5
( 5 )
【図5】
JP
5759944
B2
2015.8.5
【図7】
【図6】
────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者
宇都宮
昭憲
広島県呉市阿賀中央7丁目7番2号
審査官
坂田
誠
長浜産業株式会社内
( 6 )
(56)参考文献
JP
5759944
B2
2015.8.5
特開2010−37827(JP,A)
朝原克具,大水深に設置する魚礁の設計基準等の構築のうち、中層浮魚礁回収方法の開発,水産
基盤整備調査委託事業
事業報告書,日本,2011年,p.1-8
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A01K
61/00
B63C
7/00−7/30
E02B
3/14−3/20
E02B
15/00
Fly UP