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7 住宅建設 (h22_22-7zyuutakukennsetu [PDFファイル
7 大幅に減少した住宅建設 (4四半期すべてで減少した新設住宅着工) 2009 年度の全国の新設住宅着工戸数は、雇用 本県の 2009 年度の着工戸数を四半期別でみ 不安や所得の減少に伴う住宅需要の減退から、 ると、4-6 月期は前年同期比 40.7%減と大きく 775,277 戸となり前年度比で 25.4%減と大幅に 減少した。さらに 7-9 月期、10-12 月期もそれ 減少し、1964 年度以来 45 年ぶりに 80 万戸を下 ぞれ同 36.0%減、 同 31.2%減と大幅な減少とな 回った。特に在庫調整が続いた分譲住宅(うち った。続く 10 年 1-3 月期は同 0.2%減と減少幅 マンション)の落ち込みが大きかった。また、 は大きく改善された。これは、10 年1月から住 持家、貸家、分譲住宅(うち一戸建)も前年度 宅の購入資金を対象にした贈与税の非課税枠が を下回った。 拡大されたことや、3月から申請受け付けが始 本県の 09 年度新設住宅着工戸数も、54,453 戸と前年度比 29.2%減となった。利用関係別の まった「住宅版エコポイント」の影響によるも のと考えられる。 内訳では、持家、貸家、給与住宅、分譲住宅の 利用関係別では、 持家は 20,696 戸で前年度比 いずれも前年度を下回り、需要減退の影響を大 7.2%減、貸家は 22,433 戸で同 39.7%減、分譲 きく受けた(図表7-1) 。 住宅は 11,047 戸で同 34.2%減となった。 持家の動向をみると、昨年度の 0.8%増から 図表7-1 新設住宅着工戸数 2年ぶりに減少に転じた。四半期別では 4-6 月 (万戸) 10 持 9 家 貸 家 給与住宅 期、7-9 月期は前年同期に比べ減少したが、 分譲住宅 10-12 月期からは2期連続で増加している。 8 また、 貸家は 4-6 月期から 10 年 1-3 月まで4 7 期すべてで前年同期に比べ減少した。10-12 月 6 持家 20,696 5 給与住宅 277 4 貸家 22,433 3 2 期までは景気後退の影響による需要減のため大 きく減少したが、10 年 1-3 月期は持ち直しがみ られ減少幅が縮小した。貸家のウェイトは高い ため、四半期別での動きは全体の動きとほぼ同 じような動きをしている。 分譲住宅 11,047 1 0 00 01 02 03 04 05 06 07 注:給与住宅とは、社宅や公務員住宅 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 08 09 年度 分譲住宅は前年の 10.3%増から一転して大 幅に減少した。建て方別では、一戸建が 6,586 戸と前年に比べ 11.5%の減少だったのに対し、 マンションは4,445 戸で同52.0%減と大きく減 (新設住宅着工の中期的な推移) 少した。これは、年度前半に前年度に建てられ 本県の新設住宅着工戸数を過去中期的な推移 たマンションの在庫調整局面が続き、新規着工 でみると、 消費税の引き上げのあった 1997 年度 を抑制したためである。四半期別では、08 年度 以降、8万戸を割る水準が続いていたが、03 年 10-12 月期から引き続き 09 年 10-12 月期まで5 度からは景気回復を受け増加に転じ、05 年度、 期連続で減少したが、10 年 1-3 月期は増加に転 06 年度には2年連続で8万戸を回復した。しか じた(図表7-1、7-2、7-3) 。 し 07 年度は建築基準法の改正により5年ぶり に減少に転じ、08 年度はその反動もあって増加 したものの、09 年度は再び減少に転じた(図表 7-1) 。 寄与した。 図表7-2 新設住宅着工戸数の利用関係別寄与度 (06年度~09年度) 着工戸数を地域別の構成割合でみると、名古 (%) 50 屋が 31.2%(17,012 戸) 、尾張(名古屋を除く) 分譲(寄与度) 給与(寄与度) 貸家(寄与度) 持家(寄与度) 計(前年同期比) 40 30 は 36.0%(19,576 戸) 、西三河は 22.7%(12,357 戸) 、 東三河は 10.1% (5,508 戸) となっており、 20 08 年度と比較すると尾張、東三河の割合が高く 10 なり、名古屋、西三河が低くなった(図表7- 4、7-5) 。 0 -10 図表7-4 地域別利用関係別新設住宅着工戸数 -20 -30 35000 (戸) 持家 -40 貸家 給与 分譲 30000 -50 06.Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 07.Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 08.Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 09.Ⅰ Ⅱ Ⅲ 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 Ⅳ 10.Ⅰ 四半期 25000 20000 図表7-3 新設住宅着工戸数の分譲住宅内訳 15000 (戸) 12,000 マンション 一戸建 10000 10,000 5000 8,000 0 05 06 07 08 09 05 06 07 08 09 名古屋 尾張 05 06 07 08 09 西三河 05 06 07 08 09 東三河 年度 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 6,000 4,000 図表7-5 地域別新設住宅着工戸数の利用関係別伸び寄与度 2,000 25.0 (%) 持家 貸家 給与 分譲 20.0 0 05 06 07 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 08 15.0 09 年度 (地域別にみた着工戸数) 10.0 5.0 0.0 2009 年度の住宅着工戸数を地域別にみると、 前年度比では、名古屋は 33.8%減、尾張(名古 屋を除く)は 23.5%減、西三河は 32.2%減、東 三河は 25.2%減となり、すべての地域で減少し た。 -5.0 -10.0 -15.0 -20.0 -25.0 寄与度でみると、いずれの地域でも全体に占 -30.0 めるウェイトの高い貸家が大きく減少に寄与し -35.0 た。 また、 分譲もすべての地域で減少に寄与し、 特にマンションの多い名古屋では大きく減少に 05 06 07 08 09 05 06 07 08 09 05 06 07 08 09 名古屋 尾張 西三河 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 年度 05 06 07 08 09 東三河 (減少したマンションの床面積) 一戸当たりの床面積(共有部分を含む)の推 愛知県における新設着工マンション戸数と 床面積の推移をみると、2007 年度の改正建築基 移をみると、このところ減少傾向であり、09 年 度は 89.2 ㎡と前年に比べ 4.3%減となった。 準法の施行による減少を除くと、 戸数は 05 年度 これらの背景には、雇用・所得情勢や不動産 から 9,000 戸台前半でほほ横ばいであったが、 業界の資金調達環境が厳しいことが影響したも 09 年度は大きく減少した。 のと考えられる(図表7-6、7-7) 。 床面積は、08 年度は前年度比 39.2%増と大 幅に増加したが、09 年度は一転して 396,455 ㎡ と同 54.0%減の大幅な減少となった。 (2年ぶりに減少した民間資金) 2009 年度の住宅着工戸数を資金別にみると、 民間資金による着工戸数が 46,085 戸で全体の 84.6%を占め、前年度比では 30.8%減となった。 図表7-6 新設着工マンションの戸数と床面積 (千㎡) (戸) 12,000 1,000 戸数 着工床面積 900 10,000 800 8,000 700 また、公的資金(公庫融資と公営等)は 8,368 戸で、同 18.5%減となった。 長年公的資金の大半を占めてきた公庫融資 は、住宅金融公庫が特殊法人等整理合理化計画 によって融資業務を段階的に縮小し、07 年4月 からは独立行政法人住宅金融支援機構となった ことにより、構成比が 09 年度では 3.9%にまで 6,000 600 4,000 500 減少した。 一方、民間資金による戸数は 2000 年度から 06 年度まで連続で増加してきた。07 年度、08 2,000 400 0 300 05 06 07 08 09 年度 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 図表7-7 新設着工マンションの一戸あたり平均床面積 年度も高い水準であったが、09 年度は大きく減 少し、02 年度以来7年ぶりに5万戸を下回った (図表7-8) 。 図表7-8 資金別の新設住宅着工戸数 (共有部分を含む) (戸) 80,000 公的資金 民間資金 (内)公庫融資 (㎡) 70,000 110 一戸当たり床面積 105 60,000 100 50,000 95 40,000 90 30,000 85 20,000 80 10,000 75 0 70 00 05 06 07 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」 08 09 01 02 03 04 05 06 年度 07 08 09 年度 資料:愛知県建設部「建築住宅着工統計」