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栃木県有機農業推進計画(2期計画)
栃木県有機農業推進計画 目 次 栃木県有機農業推進計画(2 期計画)策定の趣旨等 ................................................... 1 Ⅰ 有機農業の現状と課題 ............................................................................................................................ 2 1 有機農業の取組状況................................................................................................................................................ 2 2 市町の意向.................................................................................................................................................................... 4 3 有機農業者の意向..................................................................................................................................................... 5 4 消費者の意識............................................................................................................................................................... 7 5 有機農業の推進に向けた課題............................................................................................................................ 9 Ⅱ 有機農業の推進に関する基本目標 ....................................................................................... 10 Ⅲ 有機農業を推進するための具体的な施策の展開 ............................................... 12 1 有機農業に取り組みやすい環境づくり.................................................................................................... 12 2 有機農業に関する技術の開発と普及......................................................................................................... 14 3 有機農産物等の流通・販売への支援......................................................................................................... 15 4 有機農業に対する消費者の理解促進......................................................................................................... 16 Ⅳ その他有機農業の推進に必要な事項 ................................................................................ 17 1 役割 ................................................................................................................................................................................ 17 2 評価と施策への反映............................................................................................................................................ 17 3 計画の見直し........................................................................................................................................................... 17 【参考資料】 用語の定義 ....................................................................................................................................................................... 18 有機農業の推進に関する法律 ...........................................................................................................................19 有機農業の推進に関する基本的な方針 .......................................................................................................20 栃木県有機農業推進計画(2 期計画)策定の趣旨等 1 2 期計画策定の趣旨 ○ 栃木県では、 「有機農業の推進に関する法律(平成 18 年 12 月制定) 」に基づき、 平成 19 年 4 月に策定された国の「有機農業の推進に関する基本的な方針」(以下 「基本方針」という。)を受け、平成 21 年 3 月に「栃木県有機農業推進計画」を 策定し、本県の有機農業の発展を目指し、その推進に努めてきました。 ○ 県内における有機農業の取組は、未だ少ない状況にあるものの、増加傾向を示し ています。 ○ こうした中、国においては、わずかながらも増加傾向を示している有機農業の取 組を適切に助長することの重要性にかんがみ、平成 26 年 4 月に新たな基本方針を 策定し、有機農業の取組面積の倍増等の目標を新たに設定しました。 ○ そこで、先進的な有機農業者の協力を得ながら、就農相談や技術の普及に取組む 等、本県の有機農業推進の新たな展開方向を示すため、2期計画を策定します。 2 計画の位置付け この計画は、本県における有機農業推進の基本的方向とその実現に向けての具体的 施策を明らかにするものであり、 「有機農業推進法」第7条第 1 項の規定に基づく「都 道府県有機農業推進計画」として位置付けています。 3 計画の期間 この計画は、平成27年度から平成32年度までの6か年を計画期間とします。 1 1 Ⅰ Ⅰ 有機農業の現状と課題 有機農業の現状と課題 1 県内の有機農業の取組状況 1 県内の有機農業の取組状況 (1)有機農業に取り組む農家数および取組面積 (H20 → H25) (1)有機農業に取り組む農家数および取組面積 (H20 → H25) ・有機農業に取り組む農家数は 134 戸で 8 割程度増加 ・有機農業に取り組む農家数は 134 戸で 8 割程度増加 ・取組面積は 336ha で 7 割程度増加 ・取組面積は 336ha で 7 割程度増加 農家数(戸) 取組面積(ha) H20 74 (0.12%) 197 (0.15%) H25 134 (0.21%) 336 (0.27%) 増加率 181% 171% ※ ( )内は全農業者や耕地面積に対する割合 平成 26 年 3 月 経営技術課調べ 平成 26 年 3 月 経営技術課調べ (2)作物別の有機農業に取り組む農家数および取組面積(H20 → H25) (2)作物別の有機農業に取り組む農家数および取組面積(H20 → H25) 農家数および取組面積ともに、いずれの作物でも増加し、特に麦、大豆、 農家数および取組面積ともに、いずれの作物でも増加し、特に麦、大豆、 野菜の増加割合が大きい 90 80 90 70 80 60 70 50 60 40 50 30 40 20 30 10 20 0 10 0 180 H20調査 H20調査 H25調査 H25調査 水稲 麦 大豆 野菜 果樹 その他 水稲 麦 大豆 野菜 果樹 その他 面積(ha) 面積(ha) 農家数(戸) 農家数(戸) 野菜の増加割合が大きい 160 180 140 160 120 140 100 120 80 100 60 80 40 60 20 40 0 20 0 作物別の有機農業に取り組む農家数 ※その他:そば、小豆、食用油等 作物別の有機農業に取り組む農家数 ※その他:そば、小豆、食用油等 H20調査 H20調査 H25調査 H25調査 水稲 麦 大豆 野菜 果樹 その他 水稲作物別の有機農業取組面積 麦 大豆 野菜 果樹 その他 ※その他:そば、小豆、食用油等 作物別の有機農業取組面積 (未判別の圃場含む) ※その他:そば、小豆、食用油等 平成 26 年 3 月 (未判別の圃場含む) 経営技術課調べ 平成 26 年 3 月 経営技術課調べ 2 (3)取組面積に占める各作物の割合 (H20 → H25) 特に麦、大豆、野菜での取組が増加したことから、有機農業の取組面積 に占めるこれら作物の割合も大きく増加 その他, 14% 果樹, 1% 野菜, 18% 果樹, 1% 大豆, 4% 水稲, 46% 野菜, 22% 麦, 4% 大豆, 6% 水稲, 73% 麦, 11% 有機農業取組面積に占める各作物の割合の変化 (左:H20年度調査、右:H25年度調査) 平成 26 年 3 月 3 3 経営技術課調べ 2 市町の意向 (1)有機農業推進に対する意向 県内25市町のうち14市町が、有機農業を推進することで農村の活 性化を図る考えがあると回答 16 14 市町数 12 10 8 6 4 2 0 ある ない (平成 26 年 8 月 わからない 県内市町アンケート調査結果 n=25) (2)相談への対応 有機農業を行おうとする新規就農希望者等から相談があった場合、 県内 25 市町のうち18市町が、何らかの手段を用いて「有機農業者(有 機農業に取り組む農業者)を紹介する」と回答 16 14 12 市町数 10 8 6 4 2 0 市町内の有機農業 者を紹介する 近隣市町の有機農 都道府県の有機農 業者を紹介する 業担当部署等、有機 農業者を把握してい るところを紹介する (平成 26 年 8 月 県内市町アンケート調査結果 4 4 わからない n=25) 3 有機農業者の意向 (1)経営規模に対する意向 有機農業の取組の今後の意向は、 「現状維持」が最も多く、 「経営規模 を拡大したい」との回答も多数 0 20 60 (%) 40 48.5 現状維持 43.3 経営規模を拡大したい 縮小したい 4.4 無回答 3.7 ( 平成 26 年 3 月 有機農業者アンケート結果 n=134) (2)規模拡大するために必要な取組 ※(1)で「経営規模を拡大したい」と回答した有機農業者が対象 ・約 8 割が、 「販売先の開拓」と回答 ・「新たな栽培ほ場の確保」、「安定して栽培できる技術」等の回答も多数 0 20 40 60 80 (%) 77.6 販売先の開拓 62.1 新たな栽培ほ場の確保 57.9 安定して栽培できる技術 53.4 労働力の確保 27.6 ネットワーク体制づくり その他 100 13.8 ( 平成 26 年 3 月 有機農業者アンケート結果 5 5 n=58 複数回答可) (3)販売先を開拓するために必要な取組 ※(2)で「販売先の開拓」と回答した有機農業者が対象 ・5 割以上が、 「実需者ニーズの把握」 「有機農産物等を原料とした加工品 の開発や商品化」と回答 ・「自分の有機農産物等を紹介するための情報発信」との回答も多数 0 20 60 (%) 40 55.6 実需者ニーズの把握 51.1 有機農産物等を原料とした加工品の開発や商品化 46.7 自分の有機農産物等を紹介するための情報発信 37.8 販売者と個別交渉するための技能の習得 28.9 商談会への参加 22.2 その他 ( 平成 26 年 3 月 有機農業者アンケート結果 n=45 複数回答可) (4)有機農産物等の安定生産のために必要な取組 ※(2)で「安定して栽培できる技術」と回答した有機農業者が対象 ・6割以上が、「栽培技術に関する研修会等への参加」と回答 ・「先進農家等からの指導」、「有機農業者ほ場での検討会等への参加」 との回答も多数 0 20 40 60 45.4 有識者や先進農家から指導を受ける 42.4 有機農業者ほ場での検討会等への参加 36.3 放射性物質対策、風評被害対策 33.3 有機農業者等のネットワークへの参加 24.2 県の普及指導員から指導を受ける 6.1 その他 平成 26 年 3 月 有機農業者アンケート結果 6 6 (%) 66.6 栽培技術に関する講演会・研修会への参加 ( 80 n=33 複数回答可) (5)取組面積を増やすために必要な取組 ・5割以上が「県民全体に対しての有機農業及び有機農産物等のPR」 ・5 割以上が「県民全体に対しての有機農業及び有機農物等のPR」と回答 と回答 ・「試験研究機関等における技術の開発と実証」、「有機農業相談窓口の 設置」との回答も多数 (%) 0 20 40 60 58.2 県民全体に対しての有機農業及び有機農産物等のPR 37.3 試験研究機関等における技術の開発と実証 34.3 有機農業相談窓口の設置 27.6 有機農業関係者のネットワーク体制づくり 24.6 有機農業研修の受入れ農家リストの作成 17.1 農業大学校での研修制度の充実 10.4 U・Iターン就農者に対する説明会の実施 21.6 その他 ( 平成 26 年 3 月 有機農業者アンケート結果 4 80 n=134 複数回答可) 消費者の意識 (1)有機農業への理解 ・6 割以上が「有機質肥料だけで生産する農業」、「農薬や化学肥料を使 わない農業」と回答 ・「環境と調和の取れた農業」との回答は 4 割程度 0 20 40 66.3 有機質肥料だけで生産する農業 65.2 農薬や化学肥料を使わな い農業 40.2 環境と調和の取れた農業 32.6 遺伝子組み換え技術を使わない農業 どれもあてはまらない わからない 80 (%) 60 1.1 3.3 ( 平成 26 年 9 月 とちぎネットアンケート結果 n=171 複数回答可) 7 7 (2)有機農業や有機農産物に関して今後行ってみたいこと ・5割以上が「有機農産物の店舗での購入」と回答 ・「有機農産物を食材として使用する飲食店等の利用」、「家庭菜園等によ る有機農業の実践」等の回答も多数 0 20 40 60 (%) 55.0 有機農産物の店舗での購入 43.9 有機農産物を食材として使用する飲食店等の利用 33.3 家庭菜園等による有機農業の実践 26.9 有機農業のほ場見学会への参加 24.6 有機農業に関する講演会やセミナー等への参加 19.3 有機農業のほ場での農業体験の参加 有機農産物の宅配での購入 12.9 いずれも行ってみたい(または今後も行いたい)と思わない 12.3 ( 平成 26 年 9 月 とちぎネットアンケート結果 n=171 複数回答可) (3)有機農業により生産された農産物を購入している理由 ・ほとんどの消費者が「安全性が高いと思うから」と回答 ・環境保全への貢献といった有機農業が有する機能を意識して購入して いる人は少数 (%) 0 20 40 60 80 96.1 安全性が高いと思うから 38.3 食味や栄養面で優れていると思うから 健康上の理由で化学肥料や農薬を 使わない農産物を必要とするから 34.4 24.7 環境保全に貢献したいから 15.6 農村地域の活性化に貢献したいから 一般の農産物とは違うものを購入し たいから その他 (食と農ふれあいフェア 100 3.9 1.3 平成 25 年 10 月 19~20 日アンケート結果 8 8 n=154 複数回答可) 5 有機農業の推進に向けた課題 (1)有機農業の取組は増加してきたものの、農業者及び取組面積ともに未だ 少なく、また、栽培技術や販売面等の課題があるため、依然として有機 5農業の拡大につながりにくい状況にあります。 有機農業の推進に向けた課題 (1)有機農業の取組は増加してきたものの、農業者及び取組面積ともに未だ (2)水稲においては、土づくりや雑草抑制のための基幹的技術が実証された 少なく、また、栽培技術や販売面等の課題があるため、依然として有機 ものの、その他の作物では技術確立が進んでいない状況にあります。 農業の拡大につながりにくい状況にあります。 (3)有機農業により生産される農産物は、今後も需要の増加が見込まれます (2)水稲においては、土づくりや雑草抑制のための基幹的技術が実証された ものの、その他の作物では技術確立が進んでいない状況にあります。 が、生産量が少なく、販路が限定されていることから、消費者や実需者 との結びつきが十分とはいえない状況にあります。 (3)有機農業により生産される農産物は、今後も需要の増加が見込まれます が、生産量が少なく、販路が限定されていることから、消費者や実需者 (4)消費者等は、有機農業により生産される農産物を「安全・安心」という との結びつきが十分とはいえない状況にあります。 理由で求めることが多く、環境への負荷低減や生物多様性の保全に貢献 (4)消費者等は、有機農業により生産される農産物を「安全・安心」という する等の、有機農業が有する機能への理解は未だ十分でない状況にあり 理由で求めることが多く、環境への負荷低減や生物多様性の保全に貢献 ます。 する等の、有機農業が有する機能への理解は未だ十分でない状況にあり ます。 9 9 9 Ⅱ 有機農業の推進に関する基本目標 本県における有機農業の取組は増加傾向にあるものの、未だ少ない状況にある Ⅱ 有機農業の推進に関する基本目標 一方で、有機農業により生産される農産物に対する需要は増加が見込まれます。 また、こうした中、有機農業を志向する新規就農希望者も一定数います。 本県における有機農業の取組は増加傾向にあるものの、未だ少ない状況にある このため、県においては、有機農業を志向する農業者や新規就農希望者が容易 一方で、有機農業により生産される農産物に対する需要は増加が見込まれます。 に取り組め、また、消費者が有機農業により生産される農産物を容易に入手でき また、こうした中、有機農業を志向する新規就農希望者も一定数います。 るよう、次の4項目を基本目標としてその推進に努め、 このため、県においては、有機農業を志向する農業者や新規就農希望者が容易 に取り組め、また、消費者が有機農業により生産される農産物を容易に入手でき るよう、次の4項目を基本目標としてその推進に努め、 有機農業の取組面積を平成32年度までに 現在の 336ha から 600ha とすることを目指します。 有機農業の取組面積を平成32年度までに 現在の 336ha から 600ha とすることを目指します。 1 有機農業に取り組みやすい環境づくり 有機農業を推進するためには、有機農業を志向する者が有機農業に容易に取 1 有機農業に取り組みやすい環境づくり り組めるようにすることが重要です。 有機農業を推進するためには、有機農業を志向する者が有機農業に容易に取 り組めるようにすることが重要です。 このため、先進的な有機農業者と連携し、有機農業を志向する農業者等に対 このため、先進的な有機農業者と連携し、有機農業を志向する農業者等に対 して有機農業やその技術に関する理解を促進するとともに、各種支援策を講じ して有機農業やその技術に関する理解を促進するとともに、各種支援策を講じ る等、有機農業に取り組みやすい環境づくりに努めます。 る等、有機農業に取り組みやすい環境づくりに努めます。 地域の有機農業の状況を踏まえつつ、先進的な有機農業者を紹介できる 地域の有機農業の状況を踏まえつつ、先進的な有機農業者を紹介できる 就農相談窓口を設ける等の支援体制の充実を図った市町の割合 就農相談窓口を設ける等の支援体制の充実を図った市町の割合 平成32年度までに100% 平成32年度までに100% 10 10 10 2 有機農業に関する技術の開発と普及 有機農業を普及するためには、安定した生産技術の開発のみならず、有機農 業者が実践している技術の情報提供が必要です。 このため、農業試験場において、安定した収量や品質を確保できる技術を開 発するとともに、有機農業者の協力を得ながら、その実践技術の収集・評価を 行い情報提供します。さらに、普及指導員の研修受講によるスキルアップに努 めます。 有機農業を行おうとする者等に対して、基礎的知識を助言できる 農業振興事務所の割合 平成32年度までに 100% 3 有機農産物等の流通・販売への支援 有機農業により生産される農産物に対する需要の増加が見込まれる中、消費者 がこれらを容易に入手できるようにすることが重要です。 このため、消費者への有機農業により生産される農産物に関する情報提供や、 有機農業者と流通業者や実需者との情報の積極的な受発信を支援し、これらの流 通・販売を促進します。 また、有機 JAS の認証制度や特別栽培農産物に係る表示ガイドラインの周知 を図り、有機農業により生産される農産物の適正な表示を推進します。 4 有機農業に対する消費者の理解促進 有機農業の推進には、消費者の有機農業に対する正しい理解と信頼の確保が重 要です。 このため、有機農業に関する情報発信や有機農業者との交流機会の提供などに より、有機農業に対する消費者の理解を促進します。 有機農業者の環境負荷低減等の取組を理解し、有機農業により生産される 農産物を応援(購入・販売・利用)する消費者等の割合 平成32年度までに50% 11 11 Ⅲ 有機農業を推進するための具体的な施策の展開 1 有機農業に取り組みやすい環境づくり (1)有機農業の普及・啓発 ・ エコ農業とちぎ(※)実践宣言者等の農業者をはじめ、市町、農業団体 職員等を対象として、有機農業に対する理解を深めるためのシンポジウ ムや講習会等を開催します。 ・ エコ農業とちぎ実践宣言者等の農業者や新規就農希望者等を対象に、有 機農業実践者のほ場見学会や交流会を開催します。 ・ 各種イベント等の機会を活用し、有機農業の啓発活動を行います。 ・ 有機農業を志向する農業者や新規就農希望者等に対して、農業振興事務 所等において有機農業に関する情報提供や就農相談を行います。 ※エコ農業とちぎ 化学肥料や農薬の使用などによる環境負荷の低減に配慮した農業、いわゆる環境保全型農業 に、新たに「地球温暖化防止」と「生物多様性の維持・向上」「安全・安心信頼性の確保」を加 えた総合的な取組のことです。 “エコ農業とちぎ”の取組を普及し、環境に配慮した農業を、 さらに拡大していくため、“エコ農業とちぎ”を実践する農業者と それを応援する消費者等の方々に、エコ農業とちぎを「実践する」、 「応援する」と自ら宣言していただきます。 有機農業推進公開ほ場の見学会の開催 有機農業に関するシンポジウム・講演会の開催 12 12 (2)有機農業者等への支援 ・ 先進的な有機農業者と連携し、新規就農希望者や実践初心者の相談等に 対応できる支援体制づくりに努めます。 ・ 環境保全型農業直接支払交付金を交付することにより、有機農業者を支 援します。 ・ 青年就農給付金や青年等就農資金等の活用により、有機農業を志向する 新規就農希望者を支援します。 ・ 耕作放棄地再生利用緊急対策交付金の活用により、有機農業の取組面積 の増加や農地の集約化等を支援します。 ・ 肥料成分や機械操作など、農業の基本知識、基本技術を学ぶ研修等の情 報提供機会を充実します。 ・ 有機農業に必要な有機種子等の安定供給を支援します。 (3)有機質資源の利用促進 ・ 土壌診断による有機物施用の指導など、地域の実状に応じた土づくりを 推進します。 ・ 堆肥等生産流通施設や機械等の整備を進めるとともに、利用促進に向け た堆肥生産情報を提供するなど、耕畜連携を促進します。 先進的有機農業者との連携による新規就農希望者や実践初心者への支援 13 13 2 有機農業に関する技術の開発と普及 (1)有機農業技術の開発等 ・ 有機農業者等とも連携し、野菜類に対する病害虫や雑草の防除技術の開 発を行います。 ・ 米ぬか等の地域資源を活用した土づくり技術の開発を行います。 ・ 大学や他の研究機関と連携した効率的・効果的な試験研究の実施に努め ます。 (2)有機農業技術の普及等 ・ 有機農業推進公開ほ場の設置による有機農業者同士の交流や、現地事例 調査を基にした資料作成等により、既存技術の情報の共有化に努めます。 調査を基にした資料作成等により、既存技術の情報の共有化に努めます。 ・ 農業試験場において実証された、水稲有機栽培技術の有機農業者等への 情報提供を行います。 ・ 有機農業を志向する者等に対して、普及指導員が研修等を受講すること により学んだ知識を、助言できる体制を充実します。 ・ 先進的な有機農業者と連携し、新規就農希望者や実践初心者を技術面で 支援します。 ・ 有機農業に活用可能なIPM技術に関する情報提供に努めます。 野菜類に対する病害虫 雑草防除技術の開発 水稲有機栽培技術の情報提供 有機農業推進公開ほ場の設置 14 14 3 有機農産物等の流通・販売への支援 (1)有機農産物等の販路拡大 ・ 県内外の流通・販売業者や加工業者及び飲食店等の実需者との商談会へ の参加や情報交換を行う機会の提供に努めます。 ・ けんちょう de 愛ふれあい直売所やマルシェとちぎ、食と農ふれあいフ ェア等の県イベントへの有機農業者の参加を促進します。 ・ 加工業者等とも連携した 6 次産業化による消費の創出・拡大に向けた 活動を支援します。 (2)有機農産物等における適正表示の推進 ・ 消費者や有機認証を受けていない有機農業者に対する有機 JAS 制度の 周知を図ります。 ・ 広く県民から食品表示に関する情報を受け付ける食品表示 110 番の活 用等、適正な表示の監視に努めます。 県内で開発された加工品 商談会への参加機会の提供 15 15 4 有機農業に対する消費者の理解促進 (1)有機農業に関する知識・情報の提供 ・ 消費者に対して、有機農業に関する正しい知識の普及・啓発を図るた め、各種イベント等を活用します。 ・ インターネットやマスコミ等各種広告媒体を活用し、有機農業や有機農 産物等に関する情報を発信します。 ・ 有機農業者と消費者および流通・販売業者等の交流の場の設置による 相互理解を促進します。 ・ 食育や地産地消等の取組と連携して、有機農業や有機農業により生産 される農産物に関する知識や情報の提供に努めます。 ・ 有機農業者や有機農業を推進する団体等が開催する消費者交流会等の 開催を支援し、消費者への情報発信に努めます。 (2)有機農業に直接触れる機会の提供 ・ 消費者に対して、有機農業の実践ほ場を公開し、有機農業者との交流を 促進します。 ・ 有機農業のほ場見学会や生き物調査など、有機農業を推進する団体等が 実施する自主的な活動を支援します。 有機農業を推進する団体が開催する消費者交流会等の開催を支援 16 16 Ⅳ その他有機農業の推進に必要な事項 1 役割 (1)県の役割 有機農産物等の生産、流通、販売及び消費に必要な施策を、計画的かつ 一体的に推進するとともに、有機農業者等による情報交換の場を設けるこ となどにより、推進計画に沿った取組を進めます。 (2)有機農業者や有機農業を展開する団体等の役割 有機農業や有機農業で生産された農産物に対する消費者や実需者等の理 解と関心が増進されるよう、自ら情報発信や体験・交流の場を設ける等、 地域の実情に応じた推進を図るものとします。 (3)市町、農業団体、流通・販売業者等の役割 市町や農業団体、流通・販売業者等は、有機農産物等の生産、流通、販 売及び消費動向等に関する施策や情報を把握し、地域等における有機農業 推進の取組を支援するものとします。 2 評価と施策への反映 この推進計画を着実に推進するため、目標の達成状況も含めてその進捗状 況を適切に把握し、その効果等を評価して、施策の見直しや改善に努めます。 3 計画の見直し この推進計画は、有機農業や有機農産物等を取り巻く情勢や目標達成状況、 施策の推進状況等により、随時見直すこととします。 17 17 (1) 「有機農業」 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を 利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減 した農業生産の方法を用いて行われる農業 (有機農業の推進に関する法律) (2) 「有機農産物※」 化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、播種又は植 付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)の間、たい肥等 による土づくりを行ったほ場において生産された農産物 (JAS 法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律) ) ※「有機農産物」と表示して販売するためには、JAS法で定められた基準を満 たし、認定を受ける必要がある。 有機農業の推進に関する法律と有機農産物の関係 有機農産物 (農林物資の規格) 有機農業の推進に関する法律 (農法の推進) 有機農産物の生産の方法の定義 (国際ルール(CODEX)に準拠) 有機農業の定義 ① 栽培中:禁止された農薬・化学肥料を 使用しない ② 遺伝子組換え技術を使用しない ①、②は有機農産物と同じ ③ たい肥等による土づくり (土づくりの条件) ④ ①による栽培を前2年以上行ったほ場で 生産 ⑤ 禁止された農薬・化学肥料が周辺から 飛来、流入しないように措置 (緩衝地帯の条件) ⑥ 収穫後も薬剤の汚染や一般農産物が 混入しない管理(収穫後の取扱いの条件) 農法として③~⑥の記載はない 18 19 20 21 22 23 24 25 栃木県有機農業推進計画 (2期計画) 平成27年3月 栃木県 〒320-8501 宇 都 宮 市 塙 田 1 - 1 - 2 0 農政部経営技術課環境保全型農業担当 TEL:028-623-2286 FAX:028-623-2315 無断引用・転載を禁じます