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ISSN 1880-2451
広島県臨床検査技師会報
第33回 広島県医学検査学会 抄録集
テーマ/「原点回帰~大切な何かを探そう~」
主催:一般社団法人 広島県臨床検査技師会
後援:広島県/尾道市/
一般社団法人 広島県医師会/一般社団法人 尾道市医師会/
一般社団法人 因島医師会
一般社団法人 広島県臨床検査技師会
「第 33 回広島県医学検査学会」抄録集
目
次
1.学会長挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.学会運営のお知らせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
3.会場案内図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
4.学会日程表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
5.学会抄録目次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
6.
「シンポジウム」抄録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
7.
「市民公開講座」抄録
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
8.
「一般演題」抄録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
9.
「広島臨床検査」論文投稿規程 ・・・・・・・・・・・・・ 43
10.広告・協賛企業一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
11.学会実行委員会名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
《
学会挨拶 》
[ご挨拶]第 33 回広島県医学検査学会開催にあたり
第 33 回広島県医学検査学会
学会長
水野
誠士
この度、第33回広島県医学検査学会の開催に当たりご挨拶申し上げます。
本学会は、東部地区が担当し広島県、尾道市、広島県医師会、尾道市医師会、因島医師
会の後援をえて尾道市(尾道国際ホテル)に於いて2月20日(土)
・21日(日)の2日
間に亘り開催いたします。
開催にあたりまして県学会実行委員会の皆様には企画、準備と大変お世話になりました
こと厚くお礼申し上げます。また、例年同様に賛助会員の皆様には多大なご支援ご協力を
賜りまして深く感謝申し上げます。
学会テーマは大きく変化する医療情勢の中、私達臨床検査技師の基本を見つめ直し、こ
れからの方向性を探るということで「原点回帰
~大切な何かを探そう~」といたしまし
た。一日目のシンポジウム「小規模施設の果敢なる挑戦~何か見えてきた~」では東広島
記念病院、城北診療所、松尾内科病院、村上記念病院、梶川病院の5人の方に各施設での
取り組みを発表していただきます。二日目は一般演題15題、若手技師を中心に日頃の成
果を発表いただきます。
例年、教育講演一題、市民公開講座一題としておりましたが、今年は教育講演を兼ねた
市民公開講座を二題としました。一題目は尾道高等学校ラクビーフットボール部顧問
本
衛先生に「One for ALL
All for One の精神を求めて」と題してラクビーを通して貫
かれている教育方針などについてお話しいただきます。二題目は百島診療所
田展之先生に「百島診療所
梅
病院長
次
瀬戸内海離島医療の挑戦」と題して、離島医療の現状、課題
と将来展望についてお話しいただきます。多くの方のご来場を期待しています。
ランチョンセミナーは「AKI 診療における貢献を目指して」と題して急性腎障害におけ
る新規バイオマーカー
尿中 NGAL の意義についての内容となっております。
最後に県学会の開催順について新たなルール作りをいたしました。いままでの開催順は
広島地区、東部地区、広島地区、北部地区、広島地区、呉地区(広島地区、東広島地区)
となっておりましたが、一昨年に東広島地区で開催したのを機に、広島地区、東部地区、
北部地区、呉地区、東広島地区の順で開催するというものです。この目的は身近で開催さ
れることにより、より多くの皆様に県学会に参加していただくこと。また県学会実行委員
を務めることで技師会活動を少しでも理解いていただき地域の組織力アップに繋げたい。
さらに地区での開催では前回の開催時のノウハウが活かせないこともあります。開催まで
の期間が短くなることで企画の立て方や運営方法等の伝達も改善できることを期待してい
ます。
本学会が皆様にとりまして、有意義な学術研鑽と会員親睦の場となりますことを祈念い
たしまして、ご挨拶とさせていただきます。
-1-
【学会運営のお知らせ】
「学会に参加される方へ」
1)受付について
☆
会員証を必ず持参してください。
設置場所:尾道国際ホテル 2F ロビー
受付時間:2 月 20 日(土)12:30~13:00
2 月 21 日(日)9:00~9:30
2)学会参加費
参加費は会員の方は無料です。
県法人賛助会員・関連団体会員・学生の方も参加できます。
3)受付方法
日臨技会員の方は、
「日臨技会員証」で参加受付を行いますので、参加登録受付に会員証を提示
してください。
4)懇親会について
2 月 20 日(土)17:30~19:30
(受付:17:00~)
尾道国際ホテル2F(慶安)にて行います。
参加は事前申し込みとなります。参加される方は受付にて参加費(5,000 円)を納めてください。
5)ランチョンセミナーについて
・
ランチョンセミナー弁当引換え券は、2 月 21 日の 9 時から総合受付で配布します。
・
168 名分を準備しておりますが、なくなり次第終了とさせていただきます。
・
弁当引換え券をお持ちの上、会場へお越しください。
・
引換え券はひとり 1 枚とさせていただきます。
「一般演題の発表者・シンポジスト・座長の方へ」
1)受付について
設置場所:尾道国際ホテル 2F ロビー
受付時間:2 月 20 日(土)12:30~
2 月 21 日(日)9:00~
・ 指定された時間の 30 分前までに受付をお済ませください。
(一般演題 1、2 の発表者の方は、前日あるいは当日 9 時からの受付にお越しください。
シンポジストの方は、2 月 20 日 14 時 30 分までに受付へお越しください。)
・ 発表会場では次演者席を設けますので、前演者が移動すると同時に着席してください。
2)プレゼンテーションデータの作成・受付・確認等について
・ 事前に(2 月 10 日(水)まで)CD-R で学会事務局へ提出してください。
・ 発表当日は、学会会場へ予備データを必ずご持参ください。
-2-
・ 液晶プロジェクター(パワーポイント)のみの発表とします。
・ プレゼンテーション用 PC の OS は Windows7を使用し、Microsoft Power Point2010 を使用
します。(2007・2013 も対応可能です。)
・ 上記アプリケーションにて正常に動作するデータをご用意ください。
・ 会場で使用する画面の解像度は XGA(1024×768)です。これ以外のサイズで作成した場合、
正確に表示できませんのでご注意ください。
・ 動画ファイルは Windows Media Player にて再生可能であるものに限ります。
3)発表時間・質疑討論時間について
発表時間は質疑討論時間を含めて 9 分以内(発表 6 分+質疑応答 3 分)とします。
座長の方は、円滑な進行と時間厳守にご協力ください。
「その他の注意事項」
1)会場内では携帯電話の電源を切るか、マナーモードにしてください。
2)喫煙及びゴミは指定された場所にてお願いします。
3)2 階ロビーにクロークを設けておりますのでご利用ください。
「問い合わせ」
【学会事務局】
〒723-8512
三原市東町 2 丁目 7-1
三原赤十字病院
検査部
中宮
茂雄
TEL(0848)64-8111(内線 227,287)FAX(0848)64-5880
Email : [email protected]
-3-
【会場周辺のご案内】
尾道国際ホテル(〒722-0014
尾道市新浜 1 丁目 13 番6号)
TEL/0848-25-5931
『お車でお越しの場合』
福山方面
福山西 IC よりお越しの方…国道 2 号線、国道 184 号線を経由して約 10 キロ、約 15 分の道のりです
広島方面
尾道 IC よりお越しの方…国道 184 号線経由して約 9 キロ、約 13 分の道のりです。
[駐車場のご案内]
駐車場はホテルに専用駐車場が 200 台分ございますので、 車でご参加の方は下記駐車場へ駐車して頂き
ますようお願いいたします。
※懇親会でお酒を飲まれる方は、車を 1 泊停めていただくことも可能です。ただし、事故・盗難などに
は責任を負いかねます。
-4-
『公共交通機関でお越しの場合』
尾道駅、新尾道駅より運行する無料シャトルバスをご利用いただくか、各駅より有料路線バス・タクシ
ーをご利用ください。
*新尾道駅からは路線バスが無いためタクシーでの移動のみとなります。
《無料バス時刻表》
無料送迎バスは下記の時刻にて運行を予定しております。
乗車場所
尾道駅
新尾道駅
・・・・南口
・・・南口
リトルマーメイド付近
バス停付近
《無料シャトルバス時刻表》
2 月 20 日(土)
【行き】
【帰り】
(新尾道駅)
(尾道駅)
①
12:00 発
12:20 発
②
13:00 発
13:15 発
③
14:10 発
14:40 発
(ホテル)
尾道国際
④ 17:15 発
17:40 発
ホテル
⑤ 19:40 発
20:10 発
尾道駅
⑥ 20:20 発
2 月 21 日(日)
【帰り】
【行き】
(ホテル)
(新尾道駅)
(尾道駅)
①
②
(新尾道駅)
9:15 発
9:00 発
9:25 発
② 13:20 発
④ 16:20 発
尾道国際
ホテル
⑤ 16:35 発
⑥ 16:50 発
尾道駅
17:10 発
新尾道駅
◆バスでの所要時間
※便によっては尾道駅(新尾道駅)を経由するコースも
尾道国際ホテル⇔新尾道駅・・・約 15 分
あります。
尾道国際ホテル⇔尾道駅・・・・・約 5 分
到着時間等、よくご確認ください。
新尾道駅⇔尾道駅・・・・・・・・・・約 15 分
《有料路線バス時刻表》
②番乗場(西行)から乗車して、尾道国際ホテル前(約 5 分)で下車してください。
-5-
《会場のご案内》
1F
EV
EV
EV
フロント
ロビー
展示メーカー
2F
①.東洋羽毛中四国販売(株)
学会 会場
懇親会会場
②.栄研化学(株)
③.日水製薬(株)
④.アボットジャパン
学会受付
実行委員
控え室
機器展示場1
EV
受付
PC
EV
poc 事業部
⑤.(株)三和化学研究所
ドリンクコーナー
⑥.フクダライフテック
①
中国(株)
⑦.フクダ電子広島販売(株)
①
②
喫煙所
①
3F
④
⑨.和光純薬(株)
⑩.協和メディクス(株)
⑤
⑥
EV
⑧.ラジオメーター(株)
③
EV
ドリンクコーナー
⑦
⑩
機器展示場2
⑨
-6-
⑧
【組織調査部事業プログラム】
◆日時:平成 28 年 2 月 20 日(土)13:00~14:45
◆場所:尾道国際ホテル(尾道市新浜 1 丁目 13 番 6 号)
[会員のための情報交換会]〜集まれ広臨技〜
司会:米田登志男(組織調査部長)
「職能団体」として医療業界における臨床検査技師の今後のあるべき姿を
日臨技
宮島会長に語っていただきます。
*多数の会員の参加をお願いします。
【第 33 回
広島県医学検査学会
日程表】
◆日時:平成 28 年 2 月 20 日(土)~2 月 21 日(日)
◆場所:尾道国際ホテル(尾道市新浜 1 丁目 13 番 6 号)
◆テーマ:原点回帰~大切な何かを探そう~
◆プログラム
第 1 日目 2 月 20 日(土)
時
間
内
12:30~13:00
受付
14:55~15:00
開会の挨拶
15:00~17:00
シンポジウム
容
水野誠士 学会長
機器展示
「小規模施設の果敢なる挑戦~何か見えてきた~」
3階
17:00~
移動・宿泊手続き
15:00~17:30
17:30~19:30
懇親会
2階
鶴の間
慶安
第 2 日目 2 月 21 日(日)
時
間
内
9:00~9:30
受付
9:30~12:00
一般演題 15 題
休憩
12:15~13:15
15 分
ランチョンセミナー
休憩
13:35~14:50
容
司会:細谷勝己 技師
機器展示
20 分
市民公開講座(1)「One for All All for One の精神を求めて」
尾道高等学校
休憩
ラグビーフットボール部
梅本
衛
10 分
15:00~15:15
臨床検査プロモーションタイム
15:15~16:15
市民公開講座(2)「百島診療所
瀬戸内海離島医療の挑戦」
百島診療所
16:15~16:25
監督
表彰式・閉会の挨拶
-7-
病院長
次田展之
3階
鶴の間
9:00~16:00
第 1 日目
【組織調査部事業】
2 月 20 日(土)
[13:00~14:45]
[会員のための情報交換会]
〜集まれ広臨技〜
司会:米田登志男(組織調査部長)
《要旨》
日臨技は事業の一環として「組織強化」に取り組んでいます。超高齢化社会の到来に向
けて、政府は 2012 年に「社会保障制度改革国民会議」を立ち上げ、社会保障と税の一体改
革の論議をスタートさせました。また、厚労省は持続可能な社会保障制度の確立を図るた
め、2025 年に向けたロードマップで、地域連携、地域包括ケアシステム制度を構築し、実
現に向けた関係法規の改正や新たな政策を打ち出し、「病院完結型」の医療から、地域全体
で患者を支える「地域完結型」の医療へと大きく舵を切ろうと様々な改革を進めています。
このような状況を踏まえ、「職能団体」として、医療業界における臨床検査技師の今後のあ
るべき姿を、日臨技
宮島会長自ら語っていただきます。
私たちの将来を一緒に考えましょう!!
多数の参加をお願いします!!!
【学会抄録目次】
【シンポジウム】 [15:00~17:00]
テーマ「小規模施設の果敢なる挑戦~何か見えてきた~」
司会:岡野慎一郎
(因島総合病院)
1.「小規模病院検査科における業務拡大とチーム医療への貢献」
木村朱美
2.「予防医学におけるチーム医療
(医療法人社団光仁会
梶川病院)
~巡回健診の経験から~」
河村佳美
(東広島記念病院)
3.「2 つの無床診療所での常勤検査技師の日常」
岩岡育代
4.「患者様との関わり
(城北診療所)
~検査室を飛び出そう~」
清水克則
5.「当院における多職種の関わりについて
(村上記念病院)
~チーム医療の推進~」
新川俊也
-8-
(松尾内科病院)
第 2 日目
2 月 21 日(日)
【一般演題】 [9:30~11:59]
★生化学・免疫部門
[9:30〜10:09]
座長:吉廣一寿(厚生連尾道総合病院)
1.ラピッドチップ®H-FABP とラピチェック®H-FABP の比較検討
佐々木里菜(県立広島病院)
2.当院における輸血後感染症検査実施率向上の取り組み
濱田恵理子(松尾内科病院)
座長:岡山 翼(広島赤十字・原爆病院)
3.BNP 測定試薬の基礎的検討
黒飛由衣(厚生連尾道総合病院)
4.IgM-λ型 M 蛋白の影響により測定結果が異常値を示した
原発性マクログロブリン血症の1症例
藤澤宏樹(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター)
★形態検査部門・血液 [10:10〜10:29]
座長:中島
静
(地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院)
5.当院で経験した重症熱性血小板減少症候群の 1 例
中野真里(中国中央病院)
6.ALL-L2 様の形態を呈した DLBCL の 1 症例
小林謙司(福山市民病院)
★生理検査部門
[10:30~10:59]
座長:豊田一宏 (厚生連尾道総合病院)
7. ホルター心電図でとらえた torsade de pointes 型心室頻拍の 1 例
吉原加奈子(尾道市立市民病院)
8.下肢閉塞性動脈硬化症治療後の経過観察に皮膚灌流圧検査が有用であった一例
沖永恵理(東広島医療センター)
9.一過性心房細動患者のアブレーション前後での心電図 P 波の変化
~心エコー図との比較~
上原彩花(県立広島病院)
★総合管理部門 [11:00〜11:19]
座長:花田純子(広島赤十字・原爆病院)
10.高齢者の睡眠習慣について(第1報)
宮本淑子(広島原爆障害対策協議会
健康管理・増進センター)
11.糖尿病療養指導士として 15 年の取組み
酒井啓子(村上記念病院)
★感染制御部門 [11:20〜11:29]
座長:浅利祥子(福山医療センター)
12.意識障害を来たした Capnocytophaga canimorsus による敗血症の一例
福井寿美(福山市民病院)
-9-
★形態検査部門・病理 [11:30〜11:59]
座長:田中美帆
(独立行政法人国立病院機構呉医療センター中国がんセンター)
13.広島県臨床検査技師会病理細胞領域“医療安全”に関するアンケート調査報告
永崎裕志(広島赤十字・原爆病院)
14.乳癌における HER2 遺伝子増幅の検出 -DISH 法の有用性と問題点について-
相部晴香(厚生連尾道総合病院)
15.乳癌 HER2 検査における各種脱灰液の染色性への影響についての検討
-骨転移巣の組織学的検索を想定して-
柴田
茜(県立広島病院)
【ランチョンセミナー】 [12:15~13:15]
司会:細谷勝己(厚生連尾道総合病院)
「AKI 診療における貢献を目指して
~急性腎障害における新規バイオマーカー尿中 NGAL の意義~」
演者:植田
充
(アボットジャパン マーケティング本部 シニアプロダクトマネージャー)
【市民公開講座(1)】 [13:35~14:50]
司会:中宮茂雄(三原赤十字病院)
『One for All
All for One の精神を求めて』
梅本
衛(尾道高等学校
ラグビーフットボール部
監督)
【臨床検査プロモーションタイム】 [15:00~15:15]
竹井絵梨(尾道市立尾道市民病院)
【市民公開講座(2)】 [15:15~16:15]
司会:水野誠士(厚生連広島総合病院)
『百島診療所
瀬戸内離島医療の挑戦』
次田展之(百島診療所
-10-
院長)
シンポジウム
市民公開講座
[シンポジウム]~小規模施設の果敢なる挑戦~
1. 小規模病院検査科における業務拡大とチーム医療への貢献
○木村朱美 1) 大西 愛 2) 小野田裕志 2)
医療法人社団光仁会 梶川病院 法人管理本部 1) 同 検査科 2)
『はじめに』
医療法人社団光仁会 梶川病院は広島市西区
天満町に位置する.法人としては廿日市大野町に
老健施設,庄原市東城町に老健併設の病院がある.
梶川病院は「地域の皆様の健康と幸せに貢献しま
す」の理念のもと,医療と介護に貢献すべく職員
一同日夜励んでいる.私は平成 19 年に検査技師
として採用され約 2 年半技師として勤めた.その
後法人管理本部に異動し,現在は事務管理業務部
門で働いている.今回は検査技師として働いてい
た 2 年半の検査科業務拡大と,その後活性化して
きているチーム医療への検査科の貢献について
述べていく.チーム医療の発表の多くの部分は連
名発表者の大西愛技師、小野田裕志技師をはじめ
院内の多くの職員に協力いただいた.
病院の特徴と検査科の特徴を簡単に示す。医療
療養病床 40 床と急性期病床 49 床のケアミックス
病院であり,透析クリニックや居宅介護支援事業
所、デイサービス、デイケア,訪問看護stの在
宅部門もあり,「地域のかかりつけ病院」として
の役割を目指している。小規模の病院ではあるが、
早くから機能評価を受審しており,3 回目の更新
を一昨年完結したところである.7 年前に他界さ
れた,外科医(消化器)であった前理事長が当病
院では何でも出来るという方針のもと,検査に関
しても理解があり,現在も最新のさまざまな機器
を取り揃えている.
そういった環境の中,業務拡大については,検
査件数の増加に関してや,新規超音波検査実施に
向けての取り組み.チーム医療への貢献としては、
様々な委員会の下部組織の実働部隊である各種
チーム編成後の検査科での役割についてお話し
したい.その中で、検査科や検査技師が必要とさ
れるために何を主眼として置いてきたか,そして
何よりも技師がイキイキと働くために何が大切
だったかをお伝えしたい.
『業務拡大』
① 透析クリニックの血液検査等を外注から院内
検査科での実施に変更した。担当医師が検査
について造詣が深く検査科にも多くの質問や
依頼がある中,院内での実施は医療の質を高
めると同時に外注費の低減に貢献した.
② 超音波検査は医師のみが実施していたが、検
査科でも対応できるように段取りを組み実施
してきた.現在では、頸動脈エコー,心エコ
ー,シャントエコーを実施している.新たな
技術の獲得は病院に貢献できるだけでなく,
スタッフのモチベーションにも大いに貢献し
た.
『チーム医療への貢献』
① 感染対策チーム
② 医療安全チーム
③ NST チームが立ち上がる中,検査科として
関わったことを中心に示す.医療の質の向
上に貢献することはもとより,その中で他
部門のスタッフ同士が有機的に関わること
で、相互理解が深まり、仕事のやりやすさ
や部署間のコミュニケーション向上にもつ
ながった.
『まとめ』
当院の特徴として自由な社風があり,新たなア
イデアは提案の仕方次第で実現できる素地があ
った.その一つとして,私が関わってきた医療に
落とし込んだ原価管理手法(部門別採算制度)を
目的とした※「アメーバ経営」がある.現場の部
署長それぞれが部門の経営者として主体的に取
り組む姿勢を評価されるものであった.その中で
検査科としても,定量的に総合的に提案していく
中で,経営に貢献する役割を果たすことが出来た
ことは,評価を頂いていると考える.また,個人
のモチベーションを上げるためにも,個々に課題
や新たな挑戦を組み込むことで,活性化できたと
考える.
※京セラの稲盛氏の創設によるもので原価管理
手法を用いた「全員参加経営」のこと
連絡先:E-mail:[email protected]
法人管理本部電話:082-292-5088
-13-
[シンポジウム]~小規模施設の果敢なる挑戦~
2 .当院における多職種の関わりについて
○新川俊也
松尾内科病院
医療法人杏仁会
2010 年の厚生労働省から示された「チーム医療
の推進について」に,チーム医療とは,「医療に
従事する多種多様な医療スタッフが,各々の高い
専門性を前提に,目的と情報を共有し,業務を分
担しつつも互いに連携・補完し合い,患者の状況
に的確に対応した医療を提供すること」と一般的
には理解されるとある.
質が高く,安心・安全な医療を求める患者や家
族の声が高まる一方で、医療の高度化・複雑化に
伴う業務の増大により医療の在り方が根本的に
問われる今日,チーム医療がもたらす効果は患者
中心の生活の質の向上、医療の効率性の向上、医
療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上など
が期待される.
多職種が係わるチーム医療を推進するために
は,医療スタッフの専門性の向上や役割の拡大,
スタッフ間の連携・補完の推進などの方向を基本
として関係者がそれぞれの立場で様々な取り組
みを進めて行く必要がある.
厚生労働省のチーム医療の推進に関する検討
会報告書の中に,「臨床検査技師については,近
年の医療技術の進歩や患者の高齢化に伴い,各種
検査に関する業務量が増加する中,当該業務を広
く実施することができる専門家として医療現場
において果たし得る役割が大きくなっている.」
とある.
こうした中で,「検体採取等に関する厚生労働
省指定講習会」や「検査説明・相談が出来る臨床
検査技師育成講習会」などが日本臨床検査技師会
の主催で開催されるのも,チーム医療を中心に,
臨床検査技師としての役割を果たすとともに,多
職種との関わりの中で自身の存在意義の確認,コ
ミュニケーション能力の向上、専門職としてのさ
らなる知識・技術の向上が要求されているのが現
状である.
~チーム医療の推進~
内視鏡科
・ 摂食嚥下チーム
など院内の様々なチーム医療に参加する必要が
ある.
医療提供体制改革に伴い,今後の「医療の在り方」
について臨床検査技師が何を求められ,どのよう
に活躍できるかを施設規模や地域での特色を踏
まえより良い医療が提供できるかを考える必要
がある.
<多職種の係わるチーム医療の具体例>
・ 感染制御チーム
・ 栄養サポートチーム
・ 呼吸サポートチーム
-14-
連絡先:mail:[email protected]
TEL:0848-63-5088
[シンポジウ
ウム]~小規模
模施設の果敢な
なる挑戦~
3 .2つの
の無床診療
療所での常
常勤検査技
技師の日 常
育代 1) 松
松尾未来 1) 坪屋秀美 2)
○岩岡育
福山医療生活協同組合 城北診療所
所 1)、ふれあ
あい診療所 2)
〔はじめに
に〕
福山医療
療生活協同組
組合は198
80年に創立
立し
ました。現
現在は,医療・介護・福祉
祉のサービス
スを
提供してお
おり,1万4千人の医療生
生協組合員と
と職
員82名と登録ヘルパー11名が協
協同して,2
2診
事業所を運営
営しています.
療所・5事
城北診療
療所は200
07年5月に
に新築移転し
して
8年が経過
過しています
す.その間、電
電子カルテ・オ
ーダリング
グ・画像シス
ステムなど,新しいもの
のが
次々入って
てきました.エコーも1台
台が2台とな
なり、
造影CTも
も入り,診療所というよりも小さな病
病院
なりました.今回は,無床
床診療所での
の検
のようにな
査技師の専
専門性のある仕事と,それ
れ以外の時間
間を
紹介します
す.
療所の診療体
体制〕
〔城北診療
医師3名
名・看護師12名・事務6名・臨床検
検査
技師2名・ レントゲン
ン技師1名・
・管理栄養士
士1
名・
名・運動トレーナー1名・:マッサージ師1名
清掃1名
〔理念と4つの柱〕
いっぱいのま
まち
地域まるごと健康づくり・笑顔い
めざして、
づくりをめ
①慢性疾
疾患医療 ②在宅医療
②
③健診
③
④高齢者
者にやさしい診療所づくり
師の午前中 8::30~12:30 の業務〕
〔検査技師
1階担当
当技師は、エコー30 分×7件・
合間に尿
尿一般と沈査
査・緊急エコー
ーを実施。
2階担当
当技師は、エコー30 分×7件・
合間に心
心電図・眼底カメラ・視力
力検査・聴力
力検
査を実施
施.ホルター心電図・呼吸
吸機能検査は
はエ
コー予約
約枠に組み込
込んで実施している.また
た在
宅患者さんの諸検査
査を行っている.
〔そ
その他とは?
?〕
出張健診・振
出
振動病検査( 患者会との交流会も)・
各疾
疾患ごとのグ
グループ会議
議・職員会議
議・地域まる
ごと
と健康づくり
り委員会・社
社保平和委員
員会・平和行
行
進参
参加・署名行
行動・検査技
技師3名での
の学習会(業
業
務保
保障)
・健康講
講座・保健学
学校・班会な
などの講師・
県連
連ひばく対策
策委員会会議
議・B型肝炎
炎訴訟の採血
血
窓口
口担当など
〔休
休日〕
日曜日健診・
日
・健康フェス
スタ・母親大
大会・地域訪
訪
問・福島原発事
事故後の被災
災者健診・土
土曜日午後と
曜日・祝日に
に時間外対応
応の携帯当番
番・生協だよ
日曜
りの
の手配り配布
布など
〔ま
まとめ〕
いろいろな仕
い
仕事や取り組
組む事がたくさんあり
ます
すが,診療所
所は毎日が患
患者を中心としたチーム
医療
療.技術職は
は1人職場の
のようだけど
ど1人じゃな
な
く,他のスタッ
ッフの支えや
や協力を得て
てチーム医療
療
恩恵を受けて
ています.
の恩
おわりに〕
〔お
~うちの技師
~
師像~
患者さんの顔
患
顔をみれば病
病状経過と生活背景が
が
わか
かる.
何事にも前向
何
向きだが,時
時々落ち込む
むこともある。
1人
人で頑張らな
ない.3人よ
よれば4人力
力.仕事には
は
真心
心をこめて.他力本願が
があっても大
大丈夫.
〔検査技師
師の午後 13:330~17:00 の業務〕
の
エコーは
は 15:30~17::00 に 30 分×3件・
外注デー
ータチェック・昼礼・洗濯
濯・尿検査結
結果
の入力・健
健診実務・その他
連絡先:084連
-923-8161㈹
㈹
城
城北診療所
イワオカ イクヨ
-15-
[シンポジウム]~小規模施設の果敢なる挑戦~
4 .患者様との関わり~検査室を飛び出そう~
○清水克則
医療法人社団 啓卯会 村上記念病院
【はじめに】
当院は内科専門の病院で,主に糖尿病や循環器、
呼吸器などの医療に携わっている.近年注目を浴
びている生活習慣病との関連が深い.病床数は一
般病床 36 床,地域包括ケア病床 16 床の計 52 床,
職員は 96 人の小規模病院である.今回、果敢な
る挑戦とは程遠いかもしれないが当院での患者
との関わりを紹介する.
【睡眠時無呼吸での関わり】
生活習慣病との関連で当院では睡眠時無呼吸
症候群(SAS)の検査を行っている.簡易 PSG は
2003 年より開始し現在まで,のべ 1400 件,
Full-PSG は 200 件行っている.CPAP 療養中患者
数は約 100 名で,解析等は検査室管理となってい
る.様々な患者がおり,トラブル等も経験し,近
年の取組みでようやく苦情は少なくなってきた.
まず,SAS 検査に入る前に紙ベースで,SAS とい
う病気の説明から入り,どんな検査をするのか一
連の流れを説明.この際 Full-PSG を含めた料金
の話や,その後の要治療となった場合の CPAP 療
法の説明まで合わせて行っている.
CPAP 療養中の患者にはデータ解析後,記録媒体
を返す際,使えなかった日の体調や,リーク等で
困ってないか,そういった聞き取りも行って診療
に返している.呼吸器専門医の指示のもと,SAS
検査開始から CPAP 導入後まで検査室で患者のサ
ポートを行っている.
【糖尿病での関わり】
当院の検査技師は 5 名(日本糖尿病療養指導士
2 名)で,主に自己血糖測定器(SMBG),持続グル
コース測定(CGM),今年度からは CGM 付きインス
リンポンプ療法(SAP 療法)で患者に関わること
が多い.特に SMBG は数機種患者に紹介し,自ら
使いやすいものを選んで頂き貸し出す形をとっ
ている.使用方法も含め,手技説明は検査技師が
行っており,これまでの経験を元に患者の年齢や
性格、聞き取りでその患者に合うと思われる機種
を勧めることもある.また,使用中の患者で SMBG
の不調を訴える患者も検査技師で対応.電池交換
のやり方,使用方法の再指導も行っている.今後
電子カルテの移行に伴い,測定データを PC に取
り込んでいくことを想定しており.使用中の全て
の患者に SMBG を持ってきて頂くよう案内をして
いる.現在 500 機を超える SMBG が稼働しており,
このデータを元に,患者への声掛け,再指導や相
談等で今後さらに患者への関わりが増えると考
える.一方 CGM や SAP 療法では患者のリアルタイ
ムな血糖データが分かる為,そのデータを元に療
養指導士が声掛けや,指導に当たる際の情報とし
て役立てている.特に SAP 療法中の入院患者では
毎日データを取り込んでおり,データ取り込み中
患者と会話することも多い.前日の一日の血糖の
変動を見せての聞き取りも行っている.CGM は
2010 年より始め,のべ 538 人に実施、現在でも月
約 10 名検査している.SAP は今年 7 月より始め,
9 名実施、現在 5 名継続中だが,こちらも今後増
えていくことが予想される.
【チーム医療としての関わり】
当院では看護師,管理栄養士,臨床検査技師の
糖尿病療養指導士が中心となって入院患者へ糖
尿病に関する教育を行っている.毎日午後から,
スライドや動画を使って病棟談話室にて勉強会
を開催.また,入院時,心配事や糖尿病の理解度
などアンケートや糖尿病クイズを行って把握し,
個別に患者に解答と不安点へのケアを行ってい
る.これらの情報はスタッフ間で共有し、医師サ
イドでの治療方針や NST,DM カンファレンスにも
生かされている.
その他月に一度,外来患者に声を掛け,だれで
も参加可能な糖尿病教室も開催している.糖尿病
専門医による合併症の話や,講義だけでなく,屋
外ウォーキング,健康的な食事のススメ、参加型
の糖尿病クイズ,座って出来る体操など,様々な
職種がユーモアも交えながら楽しく学べるよう
に工夫を凝らしている.加えて,年に一度職員一
丸となって健康祭りを開催。体脂肪の測定やスト
レスチェック,血糖測定,肌年齢測定,脳年齢テ
スト,「低カロリーのおやつ」の試食,バルーン
アートなど様々な催しも行っている.実際どんな
ことをしているか,興味のある方は是非ご参加下
さい。
連絡先:0848-20-0334(検査室直通)
-16-
[シンポジウム]~小規模施設の果敢なる挑戦~
5 .予防医学におけるチーム医療
~巡回健診の経験から~
○河村佳美
医療法人社団ヤマナ会
東広島記念病院・広島生活習慣病がん健診センター東広島
検査部
近年,生活習慣病の有病者や予備群の増加によ
受診者による検診車の昇降時の転倒,バリウムの
り平成 20 年にメタボリックシンドローム(内臓脂
誤嚥などに遭遇することがある.こうしたリスク
肪型症候群)に着目した特定健康診査・特定保健
を伴う場合やインシデント・アクシデント発生時
指導が始まった.このように予防的改善を国も推
に各医療スタッフが簡易的でも初期対応が出来
奨しており,個人の健康への関心も増えてきてい
るよう勉強会を行うなどの努力を行っている,
る.
以上のように医療施設での専門性の高い環境
当院はリウマチ・膠原病を専門とした医療部門
とは違い,巡回健診の現場では,それぞれ担当業
と健診部門があり,健診部門においては人間ドッ
務はあるが少人数で実施する事も多く,各職種の
ク等を行う健診所部門と事業所や自治体等を訪
可能範囲内で業務を互いにカバーしあいながら
問して行う巡回健診部門の 2 部門がある.
健診を実施している.時間的制約が多い中で有意
中でも巡回健診での業務として主に事業所健診
義な健診を行う為には,業務の工夫や他職種との
や自治体健診などで定期健康診断,特殊健康診断,
密な連携が必要不可欠となり,まさに予防医学に
がん検診などを実施している.健診はチームを編
おけるチーム医療を実践している.さらに、受診
成して行い,スタッフとして医師,看護師,放射
者と直に触れ合う事で,医療サービスを受ける側
線技師,臨床検査技師,渉外がおり,健診内容・
の医療への不満や思い,健診により早期発見・早
受診人数に合わせたチームが編成され,出発前に
期治療の体験者の声を直接聞ける事で,予防医学
はミーティングを行い,現場スタッフ間での意識
の重要性を肌で感じることが出来ている事は健
統一を行い安全で円滑な健診の実施を心がけて
診という業務に携わるものとして大きな収穫で
いる.その中で我々臨床検査技師の担当業務は、
あるように思う.
主に尿検査,心電図検査など手技的に簡易な検査
本シンポジウムでは巡回健診の様子を紹介しな
が多い.時には、眼底検査、超音波検査なども行
がら予防医学における臨床検査技師の取り組み
っており,業務内容は多岐にわたる.しかし,健
について紹介する.
診の現場ではいずれの業務についてもスピード
と正確性が求められ,時として現場で至急の対応
が必要な事例もある.
最近、健康診断中の死亡事故などのニュースも
耳にすることもあり,安全に健診を行うという医
療安全面にも配慮している.例えば健診では普段,
医療施設への受診経験のない受診者も多い為、緊
張などから健診中に気分不良となる事も少なく
ない,その場合の対応策や自治体健診での高年齢
-17-
[市民公開講座]
One for All
尾道高等学校
All for One の精神を求めて
ラグビーフットボール部
梅本 衛
監督
3.現状の部の状況
部員数60名(寮生数59名)寮生活のメリッ
ト:思春期に共同生活を経験することで、人間形
成に極めて大きな効果をもたらす可能性がある。
【練習時間】
月
火
水
木
金
土
1.発表にあたって
尾道高校に赴任して13年目、前任校(江の川
高校)の指導歴を合わせると25年目を迎え、現
役時の11年間をプラスすると36年。その間さ
まざまな思い出をいろんな方々の協力によって
作ることができ、現在も進行形である。私なりの
経験を基に語らせていただき強化に結びつけて
いただければ幸いである。
目指すは【文武両道】・・現在尾道にて13年目
2.指導方針
ラグビーを強化するだけのチーム作りでなく、
勉強との両立を図り、個人の文武両道を目指して
いる。江の川高校時代、ライバル校の出雲高校は
島根県下で有数の進学校だが、部員が必死でボー
ルを追いかけ体を張っている姿にいつも感心さ
せられていた。なぜ諦めないのか、その精神力は
どこから生まれるのか・・?答えは日頃からの高
校生としての本分である学業と真剣に向き合い
高い集中力によって1点、2 点を確実に取るため
に自らをコントロールし挑んでいる結果と気付
いた。尾道高校を集中力で勝負するチームに変換
し、現在に至る。
日
5:30~7:30
17:30~19:30
ノンウェイ
各自学習・
夜
消灯
学習
22:30
ト F&B
フリー
パス&ラン
ニング
コンタクト
フ リ
23:00
組織
ー
自学、地域清
完全休養(フリ
学習
22:30
掃
ー&学習)
技術&ラン
ユニットスキ
フ リ
22:30
ニング
ル・チームラン
ー
ノンウェイ
各自学習・
学習
22:30
ト F&B
フリー
基本の反復
コンタクト、
学習
23:00
&ラン
ミニゲーム
ゲーム(無し
午前:自由練習
フ リ
22:30
午後:完全フリー)
ー
4.学習時間の確保
早寝早起きの習慣化・・成長ホルモンが思春期に
しか出ない事を理解させ、丈夫な身体を自分のも
のにするため、22時消灯を原則。部員の70%
が特進クラスに在籍。よって時間をいかに有効に
使うかがポイント。指導者として月・水・金をフ
リーとしてトレーニング、学習いづれかを自らの
選択としている。勉強は脳のトレーニングと割り
切り指導。自ら時間を確保した40分の自主練習
は、集団の80分以上にも値すると考える。体力
以上に精神力は、個人で挑んだ分だけ強くなる。
5.学校行事
クラスの代議委員、文化祭実行委員、福祉・美
化委員、選挙管理委員などクラスで選出するとき
自ら手を上げ立候補するよう指導。これは積極的
な行動力や、皆をまとめていく力を付けさせるの
が目的。ラグビー部から12年連続生徒会に立候
補し、連続して生徒会長。現在も継続中。
-18-
6.イベント活動
地域の伝統行事の御神輿を担いだり、ええじゃん
さんさがりコンテストに出場したり、ラグビー以
外の地域との交流活動にも一生懸命取り組んで
いる。皆でひとつになることが狙いで参加。
7.合同練習の限界
全体練習の中で実力をつけさせることのでき
る力には限界がある。各自の主体性や高い目標が
あって初めて身につく力がある。そのためには自
らの時間を有効に使う必要があり、いかに工夫し
時間を短縮し必要な時間を作り出せるかがポイ
ントとなる。一番大切なことは、優先順位をつけ
て計画を立て、それを行動に移していけるかどう
かが自己決定の力である。このことこそが文武両
道により学べる最高のものであり、逞しく生きて
いく力になるのではないか?
8.まとめ
「今日は楽しもう」「ゲームを楽しもう」とよ
く耳にするが、真剣勝負に挑んでこそ本当の楽し
み方があるのではないか?勝ち負けではないと
生徒の前で言うことは避けるようにしている。
勝負にこだわってこそ、そこから見えるものが
ある。しかし、本音は過程である。いかに努力し
挑み続けたかが一番大切、その評価を指導者とし
て声かけをすることが長期展望にたったクラブ
の在るべき姿と考える。
世間からは結果が求められ、大人社会はその結
果が中心に評価される。しかし最後まで諦めずコ
ツコツ努力することの方が大事。たとえその競技
では花咲かなくとも、何処かで形が変わり必ず努
力した分だけの花が咲き、実が付くことを理解さ
せることが指導者の役目である。正々堂々と行動
できる人間力を身につけさせることを目標とし、
私達が目指す理想の人格形成に結びつけたいと
考える。
-19-
演者の経歴及び実績
演者
尾道高等学校
氏名
経歴
梅本
保健体育教諭
衛(うめもと
大阪体育大学
昭和60年
ラグビー部監督
まさる)
担当する業務:生徒募集部
昭和38年3月5日生
52歳
卒業(大学選手権2度出場)
マツダに入社(5年間プレー
西日本社会人リーグ2回優勝)
江の川高校ラグビー部監督(12年)
尾道高校ラグビー部監督(13年)
実績等
平成2年
島根県
江の川高校ラグビー部
創部
初代監督に就任
全国大会(花園)初出場(平成3年)、国体優勝(平成5年)、国体準優勝(平成8年)
その他3位、5位、7位入賞
*花園全国大会
10年連続10回
平成13年
11月尾道高校に赴任
平成14年
4月
平成15年
全国選抜大会初出場
選抜大会1回(推薦)
出場
尾道高校ラグビー部(ブリカンズ=戦う男達)創部
2回戦敗退
平成16年
花園84回大会初出場
平成17、18年
全国予選県大会
1回戦敗退
準優勝
平成19年
8回選抜大会②ベスト16
花園87回全国② ベスト8
平成20年
9回選抜大会③ベスト16
花園88回全国③
ベスト16
平成21年
10回選抜大会④ベスト8
花園89回全国④
2回戦
平成22年
11回選抜大会⑤ベスト8
花園90回全国⑤
ベスト16
平成23年
12回選抜大会
花園91回全国⑥
1回戦
抽選負け
花園92回全国⑦
3回戦
惜敗
敗退
中止
平成24年
平成25年
14回選抜大会⑥予選敗退
花園93回全国⑧
2回戦
平成26年
15回選抜大会⑦ベスト8
花園94回全国⑨
ベスト4(第3位)
第1回全国高校7人制大会
平成27年
*17度
特記事例
通算11度
初出場
16回選抜大会⑧
全国大会
出場(花園・選抜)
*2度
7人制全国大会出場
東大、京大、その他国立大学にラグビー部員半数以上合格。難関私大も多数合格。
オックスフォード大、オークランド工科大に留学。医学部医学科:鳥取大、近畿大
歯学部:岡山大合格
etc
-20-
[市民公開講座]
百島診療所
瀬戸内離島医療の挑戦
百島診療所 院長
次田展之
瀬戸内海には、大小さまざまなたくさんの島が
ありますが、百島のような人口500人程度の小
さな離島には医師は常駐しておりません。すさま
じい高齢化と人口減少の中で、どのように離島医
療を継続してゆくのか、小さな診療所の挑戦のお
話です。
2011年に広島県と尾道市の助成金を得て誕
生した当診療所ですが、運営は我々に任されてい
ます。すさまじい人口減少の中で、どのように診
療所の運営を維持してゆくのか、一方で地元高齢
者は本土への通院が困難な方が多く、我々はなく
てはならない存在となっています。現在5年目を
迎える当診療所の今までの道のりや課題、これか
らの展望などを語ります。
【プロフィール】
昭和 48 年生まれ
平成 9 年 日本大学医学部卒業
日本大学医学部附属板橋病院
麻酔科研修医
平成 15 年 帝京大学医学部附属市原病院
ER 非常勤助手
湘南第一病院総合診療科医長
平成 18 年 在宅支援診療所さがみホーム
クリニック副院長
平成 23 年 尾道百島にて「百島診療所」開設
連絡先:[email protected]
-21-
一般演題
1.H-HABP 測定試薬 ラピッドチップ®H-FABP と
ラピチェック®H-FABP の比較検討
○佐々木里菜
渕上浩美
佛円尚美
溝川恭史
濱家満江
高野孝江
県立広島病院
小川和子
西阪
上原彩花
原 麻美子
隆
臨床研究検査科
【はじめに】
心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)は,心筋特
異性が高く,虚血による心筋細胞の障害により血
液中に逸脱するため,急性心筋梗塞(AMI)の早
期診断マーカーとして有用である.当院では、ラ
ピチェック®H-FABP を用いて測定しているが,定
性検査のため判定に個人差が生じている.今回,
イムノクロマト法を原理とし陽性ラインの反射
強度により反射吸光度を求め,検体中の H-FABP
濃度を算出する積水メディカル社のラピッドチ
ップ®H-FABP を使用する機会を得,検討を行った
ので報告する.
【対象と方法】
2015 年 9 月~2015 年 10 月に H-FABP の検査依
頼があった 55 件(男性 33 名、女性 22 名)を対
象とし,ラピッドチップ®H-FABP(以下定量法)
とラピチェック®H-FABP(以下定性法)で測定を
行った.定量法の同時再現性,相関性,疾患との
関連性について検討した.定量法の添付文書に記
載してある参考基準値 6.2ng/mL 以下に従い,
6.3ng/mL 以上を陽性とした.
【まとめ】
H-FABP は心不全や大動脈解離でも陽性となっ
た,また腎不全では糸球体濾過量の減少により尿
中への排泄遅延のため陽性になると報告があり,
今回の検討でも同様の結果となった.陰性を示し
た症例の中には AMI が 1 例あり,心不全や狭心症
の心原性疾患も含まれていた.H-FABP が陽性にな
った場合には,心疾患の可能性が示唆されると捉
え,陰性の場合でも AMI などの心疾患は否定せず,
総合的に判断する必要がある.
定量法と定性法は良好な相関であり,定量法は,
イムノクロマト法を原理としている為,全血で検
査でき,簡便で判定に個人差が無いため迅速検査
として有用である.
連絡先:(082)-284-1818 (内線 1307)
【結果】
①同時再現性(n=5):低濃度域(平均値
13.9ng/mL)の CV=2.37%,高濃度域(平均値 58.36
ng/mL )の CV=8.09%であった.②相関性:55 件
中二法とも陽性を示したものは 29 件,二法とも
陰性を示したものは 21 件で,判定一致率は 90.9%
であった.不一致 5 件の内、定性法が陰性で定量
法が陽性は 3 件,定性法が陽性で定量法が陰性は
2 件であった.③疾患との関連性:AMI は 55 件中
4 件で,3 件は二法とも陽性であったが,1 件は二
法とも陰性であった.AMI 以外の症例で二法が陽
性となった疾患には,不安定狭心症や心不全など
の心原生疾患や大動脈解離や腎不全などの非心
原性疾患が多かったが,原因不明な症例もあった.
-25-
2.当院における輸血後感染症検査実施率向上の取り組み
○濱田恵理子 1) 中村真由子 1) 杉野奈美 1) 大石和美 1) 端井愛弓 1) 實光由美子 1) 新川俊也 2)
医療法人杏仁会松尾内科病院 検査科 1),内視鏡科 2)
【はじめに】
厚生労働省から示された「輸血療法の実施に関
する指針」および「血液製剤等に係る遡及調査ガ
イドライン」に沿って輸血前後に肝炎関連ウイル
ス検査を行うことは,輸血後肝炎の早期発見・治
療に重要であり,ウィンドウ期に献血した可能性
のある供血者の除外につながり,輸血後感染の拡
大予防に寄与する.
【背景】
当院では,2012 年 1 月に輸血療法委員会を発足
し,より安全で適正な輸血療法の確立のため,
2013 年 7 月,
日本輸血・細胞治療学会 I&A を受審.
2014 年 4 月より認定施設となった。I&A の受審に
あたり、多くの取り組み・改善をおこなってきた.
輸血後感染症検査の実施もその一つであり,当院
における実施率向上の取り組みを報告する.
【対象】
2012 年 1 月から 2015 年 9 月までに,当院で輸
血を受けた患者(死亡者を除く)を対象とし,年
毎に輸血後感染症検査実施率を後ろ向きに検討
した.
【結果と考察】
輸血後感染症検査開始当初より,電子カルテの
各科共通コメント欄に輸血後感染症検査実施の
旨を記載,また輸血後 3 ヵ月を目途にリストを検
査科で作成し,医師へ輸血後感染症検査のオーダ
ー依頼を行ってきた.2012 年,対象者 111 名中実
施者 89 名・実施率 80%であった.コメント欄に記
載することで,各部署と情報を共有してきたが,
問題点として,電子カルテを開かないと検査実施
が把握できない.また,リスト作成時のリスト漏
れなどの問題点があった.
そこで対策として,輸血後感染症検査と同時に
実施する輸血後 3 ヵ月保存血を輸血管理システム
(電子カルテ支援システム)で管理した.2013 年、
対象者 82 名中実施者 69 名・実施率 84%の向上を
認めた.理由として,期間検索・患者検索・次回
採血日の表示が可能となり,対象者の把握、管理
が容易になったことから,リスト漏れが改善され,
実施率の向上につながったと考える.
また,輸血依頼医と診察担当医が違うことがあ
るため,オーダー漏れがあることがわかり,医師
のみでの管理では限界があると思われた,そこで,
検査科での採血管準備業務の中で,リストを活用
し,オーダーを代理入力することにした.但し,
輸血後感染症検査についての説明を行い同意が
得られていることが前提であり,輸血に関する検
査の決定権を有する輸血療法委員のみとし,院内
規程に準じての施行とした.2014 年,対象者 78
名中実施者 68 名・実施率 87%であった.外来や
病棟での定期採血検査と同時の採血となるので、
患者の侵襲的負担も軽減できた.
この二年間の取り組みにおいて,実施率は向上
傾向ではあるが,大きな向上が見られないのが現
状であった.よって,2012 年から 2014 年の死亡
を除く輸血後感染症検査未実施 45 件について調
査したところ,他院や施設へ転院,未受診で患者
が来院されていないことが原因であることが明
らかになった.そこで,「輸血後感染症検査のお
知らせ」を配布した.2015 年 9 月までの対象者
41 名中実施者 40 名・実施率 98%に向上した.こ
のお知らせは,
「血液製剤使用時の説明と同意書」
の発行時に同時印刷され,インフォームド・コン
セントの際に,患者または家族に説明をして渡す
ことで重要性を啓発できたことが実施率の向上
につながったと考えられる.
【まとめ】
「輸血療法の実施に関する指針」および「血液
製剤等に係る遡及調査ガイドライン」に沿って検
査を実施し,安全性・信頼性を確保することが重
要である.
多職種と共に,それぞれの取り組みの問題点を
抽出し協力して改善できたことが,輸血後感染症
検査実施率の向上へつながった.また,これらの
取り組みを通して,チーム医療の一翼を担うこと
ができたとともに,当院における医療の質向上に
も寄与できた.
-26-
連絡先:TEL(0848)63-5088
3. BNP 測定試薬の基礎的検討
○黒飛由衣
髙橋亜由美
青山奈央子 堂前育未 本田智洋 石嵜康恵
広島県厚生連尾道総合病院 臨床研究検査科
【はじめに】
ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は心
不全の鑑別診断,病態把握,予後予測や治療効果
のマーカーとして有用な検査である.当院臨床研
究検査科では,平成 19 年 9 月から東ソー免疫測
定装置 AIA360 を用い,ワンステップサンドイッ
チ EIA 法である E テスト「TOSHO」Ⅱ(BNP)(以
下、AIA360)で測定してきた.しかし,検体数増
加に伴い測定機器の集約化と業務効率化を目指
し , 既 設 免 疫 多 項 目 測 定 装 置 ARCHITECT
i2000SR(アボットジャパン)への測定運用に移
行するため検討の機会を得たので報告する.
【対象及び測定機器・試薬】
(1)対象:当院臨床研究検査科に依頼のあった
入院,外来患者血漿(EDTA-2K),及びメーカー
管理試料を用いた.
(2)測定機器及び試薬:化学発光免疫測定法
(CLIA 法)を原理とした ARCHITECT i2000SR 及
びアーキテクト・BNP-JP(いずれもアボットジャ
パン)にて測定した.
【方法】
(1)再現性:同時再現性は 3 濃度(52.0、290.0
、2031.0 pg/dL)の管理試料を連続 10 回測定し
、日差再現性については同 3 濃度試料を 20 日間
測定した.
(2)従来試薬との相関:AIA360(東ソー)の BNP
測定試薬との相関を調べた.(n=34)
(3)検体保存の影響:採血後即遠心分離した血
漿検体と全血保存検体において検体保存温度
(冷蔵(4℃)・室温(25℃))別の保存時間経過
による測定値変動を検討した(n=45)。全血保存
検体については CBC 測定後の検体を使用した.
【結果】
(1)再現性:同時再現性における各濃度の変動
係数(CV)はそれぞれ 3.97%、3.66%、1.69%であ
った.日差再現性における各濃度の変動係数
(CV)はそれぞれ 4.87%、3.19%、2.64%であった.
(2)従来試薬との相関:AIA360 との相関は,相
関係数 r=0.975、回帰式 y=0.93x-0.07 と良好で
あった.
(3)検体保存の影響:採血後即遠心分離した血
比本弘子
細谷勝己
漿検体の冷蔵保存における各経過時間(再検,1,
2,3 時間後)測定値変動は初回値に対し,94.4%、
87.6%,85.2%,84.1%であった.室温保存では,
同経過時間で初回値に対し,92.6%,87.5%,84.2%
,82.3%であった.また,全血冷蔵保存し各経過
時間毎に遠心分離した血漿を用いての各経過時
間(1、2、3 時間後)測定値変動は初回値に対し,
84.1%,79.6%,76.2%であった.全血検体室温保
存では同経過時間で初回値に対し 83.4%,77.2%,
73.4%であった.
【考察と結語】
本検討ではアーキテクト・BNP-JP の同時・日差
再現性,従来試薬との相関性は良好であった.検
体保存の影響としては,冷蔵より室温の方が,ま
た血漿分離検体より全血検体の方がより低下し,
室温全血保存の検体が最も低下する結果となっ
た.検体中の BNP は血中酵素によって容易に分解
されることは周知されている.今回の検討でもや
はり,時間経過とともに再検の段階からゆるやか
ではあるが低下し,既報の通り測定誤差を超える
有意な低下を示した.BNP 測定は日本循環器病学
会(JCS)の慢性心不全治療ガイドラインでのバ
イオマーカー評価において,心不全の診断,重症
度,予後評価で Class-Ⅰに指定されている極めて
有用な検査である.BNP 測定用検体は採血後直ち
に冷却,速やかに血漿分離すること,また測定に
時間がかかる場合は,以前同様速やかに凍結し-
20℃以下で保存すべきと考える.
当院では,日当直時、免疫・生化学連結測定装
置を使用しているため,夜間検査項目の同一機器
での測定をより強化することができ,業務負担軽
減につながった.
-27-
連絡先:0848-22-8111
4. IgM-λ型 M 蛋白の影響により測定結果が異常値を示した
原発性マクログロブリン血症の 1 症例
○藤澤宏樹¹⁾ 久保文香¹⁾ 吉川直輝¹⁾ 斎藤幸枝¹⁾ 出口せりな¹⁾ 笠井 昇¹⁾ 仲野秀樹¹⁾
尾上隆司¹,²⁾
国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 中央診断センター臨床検査科¹⁾ 検査科長²⁾
【はじめに】
どによって不溶性の混濁物質を形成することが
原発性マクログロブリン血症は抗体産生細胞
知られている.本症例は過剰に産生された IgM-
が腫瘍性に増殖し、モノクローナルな M 蛋白を過
λ型 M 蛋白が原因により異常値が生じたと考えら
剰に産生する疾患である。M 蛋白は時に各種検査
れた.
試薬中の成分と非特異的反応を起こし、患者病態
今回,添付文書に記載されている試薬成分との
を反映しない異常値の原因となる。我々は測定結
反応性を確認することはできなかったが,文献で
果が異常値を示した原発性マクログロブリン血
は第一試薬中に添加されている界面活性剤のア
症の 1 症例を経験し,若干の知見を得たので報告
ルキル基と IgM のμ鎖が疎水結合し,不溶性の混
する.
濁物質を形成するという報告もみられる.今後の
課題としては,界面活性剤との反応性を確認する
【症例】
必要があると考えられる.
80 歳代,女性.原発性マクログロブリン血症疑
いにより当センターを紹介受診した.初診時デー
【まとめ】
タで,特に患者の総ビリルビン(以下 T-Bil)値
が-12.0mg/dL と異常値を示していた.
1. M 蛋白には抗体活性を有する場合と試薬成
分と反応する場合があり,ともに検査値が
異常値を示す.本症例のように常に異常低
【方法】
値がでるわけではなく,異常高値というケ
当センターの T-Bil は酵素法により測定を行っ
ースもあるため,異常値が確認された場合,
ている.通常の反応タイムコースは試薬添加後に
まず反応タイムコースを確認することが
吸光度が減少するが,本症例では吸光度が上昇し,
原因究明に有用である.
波形から M 蛋白による非特異的反応が疑われた.
そのため,以下の検討を行った.①T-Bil 試薬の
添付文書に記載している方法にて用手的に確認
連絡先:0823-22-3111(内線 2613)
②sia test 後の検体を用いて免疫電気泳動の測定
[email protected]
③試薬成分との反応性の確認
【結果】
①第一試薬添加後に混濁が生じたため,吸光度が
上昇し,同時に IgM の濃度が減少していた.②IgMλ型 M 蛋白が検出された.
この検体を用いて T-Bil
の測定を行うと吸光度の上昇が認められた.③リ
ン酸緩衝液,コール酸ナトリウムとの非特異的反
応は認められなかった.
【考察】
M 蛋白は試薬の pH,イオン強度、界面活性剤な
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5. 当院で経験した重症熱性血小板減少症候群の1例
○中野真里 1)
貞谷啓太 1) 佐々木一則 1) 羽原利幸 1) 園部
公立学校共済組合中国中央病院
【はじめに】
臨床検査科 1)
宏 1) 青山一利 2)
血液内科 2)
行われ,入院 13 日後には,WBC 4260/µL ,Plt 32.6
重 症 熱 性 血 小 板 減 少 症 候 群 ( severe fever
万/µL と改善し,徐々に意識レベルも回復し,入
with thrornbocytopenia syndrome,以下 SFTS)
院 17 日後に退院となった.
は,ブニヤウイルス科フレボウイルス属の SFTS
【まとめ】
ウイルスを保有するマダニによって媒介される
最近,厚生労働省が発表したSFTSの症例定義に
感染症である.そのウイルス感染すると 6 日〜2
よると,①38度以上の発熱,②吐気,嘔吐,下痢,
週間の潜伏期の後,発熱,消化器症状が出現する.
腹痛,下血,③血小板減少(10万/µL未満),④
2013 年 1 月に国内で初めての SFTS 患者が確認
白血球減少(4000/µL未満),⑤AST/ALT/LDHの上
され,その後,症例の多くは西日本で発生してい
昇,⑥他に明らかな原因がない,⑦集中治療を要
る.2015 年 8 月までの報告では,151 人の SFTS
する/要した,または死亡した,の7項目をすべ
患者のうち 41 人(約 27.2%)が死亡しており,
予後は不良である。検査所見では白血球減少,血
小板減少および AST,ALT,LDH,血清フェリチン
の上昇,骨髄中の血球貪食像を認めることが多い.
今回我々は,遺伝子検査で診断の確定した SFTS
の一例を経験したので報告する.
【症例】
患者は,70 代の男性で,職業はゴルフ場整備員
である。2013 年 10 月に気分不良,腹痛のために
前医を受診した.前医で WBC1100/µL と白血球減
少を認め,当院に紹介された。初診時の身体所見
としては,体温 36.8℃,血圧 121/79mmHg,脈拍 67
回/分,左鼠径部リンパ節に腫大を認め,CBC 検査
では WBC 990/µL,Hb 14.3g/dl,Plt 11.0 万/µL
と白血球と血小板減少を認めた。生化学検査では
AST 65U/L,LDH 299U/L,血清フェリチン 301ng/mL
と軽度上昇を認め,精査加療のために入院となっ
た.入院後,発熱(38.0℃)と腹痛があり,意識
レベルが JCSⅠ-3 程度に低下した.
入院 2 日後の骨髄検査では,有核細胞数 2.4×
104/µL と低形成を示し,巨核球数は 12/µL と減少
し,血球貪食像を認めた.
以上の身体所見,検査所見,職業歴などから,
皮膚には明らかな虫の刺し口はみられなかった
が,SFTS を疑い,入院 3 日後の血液を用いたウイ
ルス遺伝子検査で陽性と判定され,SFTS の診断が
確定した.その後,補液の投与などの対症療法が
て満たすものとされている.しかし,本症例では,
⑦の項目は満たしていない.従って,SFTSが疑わ
れる場合は,仮に症例定義を満たしてなくても,
SFTSウイルス遺伝子検査を行い,診断を確定する
必要がある.
Ding S.らは,SFTS 患者 71 例による検討から,
年齢的な危険因子について,40 歳以上で発症率が
有意に高く,また 50 歳以上を重症化の危険因子
としている。一方,Ding F.らは多数の例を解析
し,作業環境における雑草や低木の存在が危険因
子となると述べている。本症例は,年齢と職業は
危険因子の条件を満たしているが,良好な経過を
示しており,重症化の予測には総合的な判断が求
められる.
日本で 2013 年に初めて確認された SFTS は,今
後症例が増加するものと予想される.原因不明の
発熱や血小板減少,白血球減少,骨髄中の血球貪
食像などを認めた場合には,年齢,作業環境など
を考慮し,本疾患の可能性を考える必要がある.
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6. ALL-L2 様の形態を呈した DLBCL の 1 症例
○小林謙司
清水進弘
横山真理 能宗千帆 國廣まり 福井寿美
福山市民病院医療技術部臨床検査科
【はじめに】びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫
(DLBCL)は,WHO 分類では正常の組織球の核よりも
大きい,あるいは正常リンパ球 2 倍以上の大きさ
の核を持つ大型異型 B 細胞がびまん性増殖を示す
ものとされている.しかし形態や分子生物学,免
疫染色などにより亜型・サブグループに分類され
る様々なリンパ腫の集団であると考えられてい
る.今回,骨髄塗抹標本では形態学的に ALL-L2
と診断されたが,病理診断では DLBCL と診断され
た症例を経験したので報告する.
【症例】60 代男性.2014 年 11 月下旬から微熱と
倦怠感があり,症状の軽快が見られないため 12
月に近医を受診.末梢血液検査の結果,WBC 219.
0×109/L,RBC 4.52×1012/L,Hb 13.2g/dL,PLT 184
×109/L,Blast 100%であったため,急性白血病が
疑われ当院血液内科へ紹介受診となり,翌日骨髄
穿刺が施行された.
【検査所見】入院時末梢血液検査:WBC 249.0×
109/L,Hb 12.0g/dL,PLT 139×109 /L,LD 7346 IU/L,
尿酸 18.2mg/dL,sIL2R 7210U/mL.末梢血標本で
は,核に切れ込みがあり核形不整で N/C 比の高い
POD 陰性の異型細胞が 96.3%認められた. CT 検
査:前額部と背部に腫瘤,右顎下と腋窩のリンパ
節腫大が認められた.骨髄検査:高度過形成であ
り,有核細胞 44.0×104/μL,巨核球 15/μL,異
型細胞 93.4%.異型細胞は末梢血液標本と同様に
POD 陰性,大小不同で N/C 比が高く,核に切れ込
みを持つものが多数認められた.フローサイトメ
トリー(FCM)の結果: CD5,CD19,CD20, HLA-DR
陽性.CD10 一部陽性.λ-ch<κ-ch.染色体検査:
複雑核型を認め,FISH 法では BCR/ABL 陽性細胞は
認められなかった.骨髄生検の免疫染色: TdT,
cyclinD1,MPO 陰性.CD5,CD20,CD79a 陽性.MIB-1
陽性率 70%.
【考察】ALL-L2 の形態学的な特徴として,芽球は
正常リンパ球の 2 倍を超える大型細胞であり大小
不同が著明で,核は不整形で切れ込みがあること
も多いことがあげられる.また核クロマチン構造
は細胞間で不均一であり,核小体を有するが数や
大きさは様々である.本症例の骨髄標本所見では,
異型細胞の顕著な増加とその形態学的特徴から
松岡里佳
西田正則
ALL-L2 と考えられていたが,後日 FCM や免疫染色
の結果,TdT が陰性,MIB-1 の陽性率が 70%である
ことから ALL は否定された.CD19,CD20,CD79a,
HLA-DR 陽性から異型細胞は B 細胞由来であること
が示唆された.大型細胞が認められる成熟 B 細胞
性腫瘍の鑑別疾患としてマントル細胞リンパ腫
が挙げられるが cyclinD1 陰性であったため,本
症例は CD5 陽性の DLBCL と診断された.その後
R-CHOP 療法が行われ血液学的寛解に至った.
DLBCL は 60~70 代を中心にした中高年齢の男性に
やや多く,主に急速なリンパ節腫脹の増大が認め
られる疾患である.約 40%の症例ではリンパ節以
外の臓器から発症するが,化学療法に対する反応
性は良好であるため,適切な治療を行うことによ
り約半数は治癒可能な疾患である.しかし骨髄浸
潤がある場合,しばしば予後不良となることがあ
る.また,およそ 10%が CD5 陽性となり,CD5 陰
性 DLBCL と比較して,皮膚や神経,精巣など治療
薬が効きにくい場所に腫瘍を形成しやすいため
予後不良であることが多い.骨髄に浸潤した異型
細胞が ALL-L2 様の形態をしていたことと CD5 の
因果関係については不明であるため今後も検討
が必要であるが,本症例は骨髄浸潤と免疫染色に
おいて CD5 陽性であったため,非常に予後の悪い
DLBCL と考えられる.しかし今回は腫瘍が薬剤効
果の低い部位に形成されなかったため,化学療法
が奏功したと考えられる.
今回,骨髄塗抹標本と病理組織の診断において異
なる診断となった症例を経験した.骨髄塗抹標本
は形態学的な特徴から疾患を分類するのに有効
であるが,典型的な形態をとらない場合も考えら
れることを念頭に置き,免疫染色,FCM,病理組
織など様々な角度から検討していく必要性があ
ることを再認識した.
連絡先:福山市民病院 臨床検査科
E-mail:
[email protected]
Tel:084-941-5151
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7. ホルター心電図でとらえた torsade de pointes 型心室頻拍の 1 例
○吉原加奈子
住田江里
守本容子
尾道市立市民病院
【はじめに】
島谷文彦
武田
譲
中央検査室
時ペーシング挿入.第 25 病日にペースメーカ(以
安静時 12 誘導心電図でとらえきれない発作性
降 PM)埋め込み術施行,PM 埋め込み後は良好に
不整脈の捕捉と診断にはホルター心電図が大変
経過し,第 45 病日に退院となった.
有用である.今回,入院中の患者に施行したホル
【考察】
ター心電図検査にて,非発作時から QT 延長,
TdP とは QT 延長を伴い,T 波に続く心室性期外
torsade de pointes 型心室頻拍(以降 TdP)を経
収縮に誘発される多形性心室頻拍の一種であり,
て心室細動(以降 Vf)へと至る一連の経過を記録
QRS 波形の振幅が基線を軸に竜巻がうねるように
し得た症例を経験したので報告する.
刻々と変化する特徴的な波形を示す.多くは数秒
【症例】81 歳,女性.
~数十秒でサイクル数が進行性に延長し自然停
【主訴】前胸部痛,ふらつき,冷汗.
止するが,Vf へ移行し突然死することもある.今
【現病歴】2014 年 11 月下旬,前胸部痛あり.12
回経験した症例は QT 延長から T 波に続く心室性
月上旬に近医受診し,心電図にて ST 変化を指摘
期外収縮が誘因となり,さらに VT,Vf へと移行
され,急性心筋梗塞疑いにて当院紹介となった.
する非常に典型的な経過の TdP であった.
【既往歴】高血圧,慢性腎不全.
【まとめ】
【家族歴】兄(心筋梗塞)
今回、ホルター心電図にて TdP を経て致死性不
【入院時検査】血液検査は,クレアチニン
整脈へ至る経過を記録し得た症例を経験した.発
3.57mg/dL,e-GFR10 mL/min/1.7,トロポニン I
作性不整脈は安静時 12 誘導心電図では捕捉が困
9,616.4pg/mL,BNP 1,521.1pg/mL,CK 153 IU/L.
難だが,ホルター心電図を用いることでより高率
心電図は,HR55,Af,Ⅱ・Ⅲ・aVF でやや ST 上昇,
にとらえることが可能である.本症例においても
V2~V6 で顕著に ST が上昇.心エコーでは LA 拡大
ホルター心電図によって自覚症状のない突然の
なし.LV ANT、IVS mid~apex severe hypokinesis,
TdP を捕捉,記録し得たことから同検査が大変有
Dd52.5%,EF 約 50%(目視),MR(Ⅱ°),TR(I°).
用であることを再認識した.
【経過】
当院紹介当日に亜急性心筋梗塞(前壁中隔)お
よび慢性腎不全増悪にて入院.腎不全増悪,胸部
症状の消失から薬物にて保存的加療となった.第
5 病日,前胸部痛再発し心電図にて I,aVL,V3 に
ST 上昇を認め,緊急 CAG にて#7 に 99%狭窄を指
摘,PCI 施行した.第 17 病日,モニターにて
Wenckebach 型Ⅱ度房室ブロックが出現し,精査目
的にてホルター心電図を装着した.装着後数時間
で一過性の Vf が頻回に出現し急変したため DC
等施行.この時のホルター心電図は QT 延長を伴
う Wenckebach 型Ⅱ度房室ブロック波形から TdP
を経て VT,Vf へと移行するものであった.DC 施
行後は状態安定し急変なく経過するも,2:1 房室
ブロックが残存.第 18 病日に除脈傾向の為,一
-31-
連絡先:0848-47-1155
内線(185)
8. 下肢閉塞性動脈硬化症治療後の経過観察に皮膚灌流圧検査が有用であった1 例
直 1) 沖永恵理 1) 末丸峻也 1) 谷保香織 1) 菅 明代 1) 本田由香 1) 小田十姉美 1)
平原智恵美 1) 福谷俊二 1) 万代光一 2) 佐藤克敏 3)
独立行政法人国立病院機構東広島医療センター臨床検査科 1)臨床研究部 2)心臓血管外科 3)
○平井
【はじめに】
下肢所見は改善し,左後脛骨動脈,足背動脈と
下肢閉塞性動脈硬化症の重症度評価や治療
もドプラ所見は術前より良好となった.翌日の
効果判定に,足関節上腕血圧比(Ankle brachial
検査では,ABI は測定不能であったが,SPP は
pressure index:以下 ABI)や皮膚灌流圧検査
左足背が 38mmHg に改善した.追加血行再建も
(skin perfusion pressure:以下 SPP)が用い
検討されたが,本人の希望で一旦退院した.治
られている.血管内治療の効果判定と経過観察
療 4 ヶ月の経過は,下肢状態は良好であり,ABI
に SPP が有用であった一例について報告する.
は測定不能か,測定できても低値であったが,
【症例】
80 歳代
SPP は 30mmHg 程度で安定していた.
女性,現病歴:約半年前から左足部
に痺れを自覚していたが,色調不良、冷感、安
【考察・まとめ】
ABI はオシロメトリック法で測定しているが,
静時疼痛も自覚するようになり紹介された
下肢血圧が低い場合は測定不能となることが
(Fontaine 分類Ⅲ度).既往歴:脳梗塞(左下
ある.SPP は皮膚表面近くの毛細血管の灌流圧
肢麻痺)・糖尿病;26 年前。入院時所見:左総
を測定し,治療効果の判定や虚血性潰瘍の治癒
大腿動脈以下の動脈は触知できず,左後脛骨動
可能性判定に応用される.今回 ABI で治療効果
脈はドプラで微弱聴取,足背動脈はドプラでも
が判定できない症例を SPP で評価し,退院後も
聴取できなかった.ABI は右 0.83、左測定不能
経過観察手段として使用された.治療後 4 ヶ月
で,SPP は右足背 59mmHg,足底 49mmHg,左足背
間の SPP は 30mmHg 程度の一定の値が得られ,
12mmHg、足底 9mmHg であった.CT と血管造影で,
下肢所見と一致しており,経過観察手段として
左総腸骨動脈 50%,左内腸骨動脈分岐部 99%,
有用であった.
左総大腿動脈 90%の狭窄を認めた.以下は膝下
SPP は患者の状態などによる内的因子,測定
までは有意狭窄を認めないが,長期の麻痺で動
位置による違いなどの外的因子で影響を受け
脈を含め下肢全体が萎縮していた.
るため,できるだけ一定条件で測定する必要が
【治療・結果】
ある.内的因子の調整は困難であるが,当院で
全身状態不良で手術リスクが高く,左下肢動
は検査室での測定条件をなるべく一定に保つ
脈が全体に細く外科的血行再建が難しいと思
ことで外的因子を調整し,経過観察目的では同
われたため,まず腸骨動脈領域の血管内治療を
一部位で測定している.
行う方針となった.左内腸骨動脈から骨盤内を
高齢者など全身状態が不良で理想的な血行
経由する下肢への側副血行路の血流増加目的
再建が困難な症例が増加している.下肢血圧が
に左内腸骨動脈分岐部のバルーン拡張(99%→
低く ABI が評価法として利用しにくい場合に
25%)が行われた.続いて左総腸骨動脈から外
SPP を他の所見と併用して用いれば,下肢の継
腸骨動脈にステントを留置、拡張(50%→0%)
時的評価にも有用な可能性があると思われた.
が行われた.
連絡先:082-423-2176(2412)
【経過】
術後も下肢動脈は触知できないが,自覚症状,
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9. 一過性心房細動患者における Ablation 前後の心電図 P 波の変化
~心エコー図法との比較~
○上原彩花
難波淨美 内田理加 粟村尚史 中本里美
藤原由妃 小柳京子 高野孝江 西阪 隆
県立広島病院 臨床研究検査科
【背景と目的】Ablation 術前後の左房機能を評価
することは,術後の心房機能の改善,抗凝固療法
の継続を決定する上で重要である.一方,心電図
の左房負荷所見として,P 波幅の延長,P 波振幅
の増高が知られている.そこで、一過性心房細動
患者における Ablation 治療前後の,左房機能の
改善を心電図の P 波の変化で評価可能か検討した.
【対象と方法】対象は 37 例の一過性心房細動患
者(PAF)(年齢 65±10)である.方法は 12 誘導安静
心電図を Ablation 前と後(2~11 ヶ月後)に検査し,
Ⅱ誘導で P 波持続時間(Pd),P 波の振幅が最大の
誘導で P 波振幅(Pa),PQ 時間(PQ),心拍数(HR)
を測定した.また同様に,左房機能の指標として,
経食道心エコーで左心耳内血流速度(LAAV),左房
収縮時の左室流入血流速度(TMA)、収縮期肺静脈
血流速度(PVS),拡張期肺静脈血流速度(PVD),左
心耳最大面積(LAAA),左房径(LAD)を測定した.
Ablation 前後とも,すべてのパラメーターは洞調
律時で,心電図は経食道心エコーと直近のものを
用いた.
【結果】Pd 値は Ablation 前群に比し,Ablation
後群で有意に短縮 (117±15ms vs. 98±14ms,
p<0.001)(図 1)し,Pa 値は有意に減高 (0.19±
0.05mV vs. 0.15±0.04mV,p<0.001)(図 2)してい
た。Pd≧120ms 例は,Ablation 前 17 例から
Ablation 後 2 例に減少し,Pa≧0.25mV 例は
Ablation 前 6 例から Ablation 後 0 例に減少して
いた.PQ、HR は両群間で有意差を認めなかった.
Ablation 前群の値は Ablation 後、LAAV(62±
24cm/s vs. 76±21cm/s,p=0.011)、PVS(52±
16cm/s vs. 62±19cm/s,p=0.017)、PVD(41±
12cm/s vs. 55±13cm/s,p<0.001)と有意に増大
していたが,TMA,LAD,LAAA は両群間で有意差を
認めなかった.
【考察】Ablation 術前に比し Ablation 術後で心
電図 P 波の Pd 短縮,Pa 減高していたことから,
術後に左房負荷が改善したことが示唆された.
Ablation 術前の PVS,PVD,すなわち左房のリザ
鳥本愛弓
ーバー機能、導管機能が術後改善したと考えられ
たが,Ablation 術前後の LAD,LAAA は有意な変化
を認めなかった.このことから,心電図 P 波の Pd,
Pa の電気的変化は単純に左房の大きさに関連す
るのではなく,術後の左房の容量,圧変化,
Ablation による左房筋のダメージなど複雑な要
素が関連していることが推測された.
【結語】PAF 患者において、Ablation 術前に比し
Ablation 術後では、有意に心電図の P 波持続時間
は 短 縮 , P 波 振 幅 は 減高 し て お り, 心 電 図 で
Ablation 前後の左房負荷の改善を推測すること
が可能であると考えられた.
図 1.Ablation 前後での Pd 値の変化
図 2.Ablation 前後での Pa 値の変化
-33-
連絡先:(082)254-1818 (内線 1201)
10. 高齢者の睡眠習慣について(第1報)
○ 宮本淑子 柚園直美 足免弘章 門前裕子 前田亮 佐々木伸夫
公益財団法人 広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センター
【目的】
(3) 睡眠の質の自己評価に年齢による差なく,いず
睡眠は時間の上で一日の 1/3 を占める大きな生活
習慣の要素である.我々は睡眠習慣と生活習慣病の
れの年齢群でも,8 時間以上睡眠群で最も良かった.
【考察】
関係を明らかにするため,2014 年秋より「睡眠の量お
今回の問診による調査結果では,加齢に伴い夜間
よび質と各種疾患についての横断ならびに縦断調
の睡眠時間が増大し,推奨される「睡眠時間 6 時間以
査」を開始した.
上 8 時間未満」群の比率は,いずれの年齢別群でも
多くの研究で用いられる「一日の睡眠時間は何時
50%を越えていたが加齢とともに減少し,睡眠時間 8 時
間ですか?」といった形の質問方法は,高齢者にお
間以上群の比率が増加した.高齢者では半数以上で
いては問題があり,今回,この点について報告する.
適正な睡眠時間を確保しており,むしろ長過ぎる睡眠
【方法】
時間が問題になるとも思われる.しかし,65 歳まで減
対象は 2014 年 10 月から 2015 年 3 月まで広島原
爆障害対策協議会健康管理・増進センターおよび協
少してきた睡眠時間が,70 歳以上になると逆に増加
に転じると考えるのは不自然である.
力施設で健診を受け,70 歳以上の 4416 例(男性
この点,夜間に寝床で過ごす時間(=臥床時間)は
2004 例,女性 2412 例,平均年齢 77.6 ± 5.7 歳).
睡眠時間とは逆に加齢に伴い増加し,両者の乖離が
「過去 1 か月間において、実際の睡眠時間は何時
大きくなるとされている.今回の検討でも,加齢に伴い
間くらいでしたか?」との質問で睡眠時間を収集し、
臥床時間が増大し,70 歳代で 60 分以上,80 歳代で
適正な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満」(健康づく
は 80 分以上も睡眠時間と臥床時間との乖離が生じて
りのための睡眠指針 2014)とされることから,①6 時間
いた.これは,高齢者では自身の客観的な睡眠時間
未満群,②6 時間以上 8 時間未満群,③8 時間以上
について正確な把握が難しいことを示し,高齢者では
群の 3 群に分けて,検討した.
増加した臥床時間の影響により実際の睡眠時間よりも
就床時刻と起床時刻を聴取し,その間の時間(=
過大に睡眠時間を自己評価している可能性が高い.
臥床時間)を算出,睡眠の質の自己評価(非常に良
そして,8 時間以上群で自己の睡眠の質の評価が
い(0 点),かなり良い(1 点),かなり悪い(2 点),非常に
一番高く,臥床時間と睡眠時間の差が一番小さく,良
悪い(3 点)のいずれかを選択)も聴取.
い眠りを得ていると感じているケースでは臥床時間に
【結果】
近い睡眠時間となっている.
(1) 平均睡眠時間は 407 ± 77(分)で,年齢別各群
また,眠りが良くないと自覚しているケースでは、臥
でみると,70~74 歳:398 ± 71,75~79 歳:406± 76, 床時間よりも大幅に短い睡眠時間を回答しているもの
80~84 歳:413 ± 83、85 歳以上:425 ± 83(分)と,年
と考えられる.
齢とともに増加.適正と推奨される 6 時間以上 8 時間
このように,「一日の睡眠時間は何時間ですか?」と
未満睡眠群の比率は、62%、59%、52%、53%、と年齢と
いった形の質問票から得られた睡眠時間は,客観的
伴に減少し,睡眠時間 8 時間以上群の比率は,20%,
に睡眠している時間というよりも,夜に就床した時刻か
24%,31%,34%と増加.
ら朝の起床時刻までの客観的な臥床時間を外枠とし
(2) 平均臥床時間は 479 ± 88(分)で,70~74 歳:
て,その中で,高齢者自身が睡眠について抱えてい
460 ± 79,75~79 歳:473± 86,80~84 歳:495 ±
る主観的な意識・悩みを投影したものである点に注意
87,85 歳以上:513 ± 98(分)と加齢により増加,臥床
が必要である.
時間と睡眠時間の差も,62 ± 74、67± 77、82 ±
86,88 ± 97(分)と加齢により増加.いずれの年齢群
でも,8 時間以上睡眠群で臥床時間と睡眠時間の差
が最も小さかった.
-34-
連絡先: 082-243-2451(内線 216)
11. 糖尿病療養指導士としての 15 年の取り組み
○酒井啓子 1) 阿部千秋 1) 山辺瑞穂 2)
医療法人社団啓卯会 村上記念病院 検査室 1)内科 2)
【はじめに】
私が糖尿病療養指導士の資格を取得しようと
した理由は,糖尿病になりそうな気がしたからだ.
51 歳の時,この年で試験なんて大丈夫かなと思い
ながら挑戦した.第 1 回なので、どんな問題が出
るのかわからない.当院の糖尿病専門医が,早朝
の診療前の時間に受験者に,講義や専門医の試験
問題の解説をして下さり,6 人全員合格した.あ
れから 15 年,糖尿病療養指導士として,患者に
関わったことをまとめた.
【患者会への関わり】
1999 年 4 月から糖尿病教室が開始され,7 月 17
日に糖尿病友の会,日本糖尿病協会広島県支部
「しまなみ会」の発足.編集委員の私はパソコン
の使用法を教えてもらいながら「会報しまなみ会」
の第 1 号を 8 月 21 日発行した.
2000 年3月 11 日,
「第 1 回低カロリーでフラン
ス料理フルコース ヘルシーメニューを楽しむ
会」を市内のホテルで開催.日本糖尿病協会発行
の「さかえ」2003 年 6 月号に「会報しまなみ会」
が紹介され,2004 年 12 月号に「あんな活動 こ
んな活動」の欄に「ヘルシーメニューを楽しむ会」
の様子が紹介された.
【入院患者への関わり】
当時検査室は検査技師一人なので,検体検査の
みだったが,2003 年に 1 人増員,入院患者の生理
検査を実施するようになった.
糖尿病教育入院の患者には「検査に関するクイ
ズ」に解答してもらい,病室に出向き解答,解説
をする.糖尿病患者の退院時には,医師,管理栄
養士,病棟・外来看護師,検査技師が退院時カン
ファレンスを行い,入院中の検査結果や退院後の
生活などについて話す.
【血糖測定への関わり】
2013 年 8 月より外来待合室一隅に「血糖測定相
談コーナー」を開設し,患者の声を聞くことがで
きた。血液検査や尿検査の結果説明の用紙をそこ
に置き,説明希望者に対応する.
2015 年 11 月の電子カルテ導入予定で,血糖値
をカルテ内に取り込むことが決まり,自己血糖測
定器は 10 数種類から 4 機種に絞り込むことにな
った.4 月から薬剤室とともに血糖測定をしてい
る方の調査を実施.機種交換の案内や,交換を開
始し,長年の希望だった自己血糖測定器のデータ
取り込みも始まった.
2011 年から持続血糖モニター(CGM)を付け
ることで,これまでわからなかった夜間睡眠中の
無自覚低血糖や食後の高血糖などがわかるよう
になった.最近では 1 型の患者に,SAP療法
(Sensor Augmented Pump)リアルタイムCGM
連動インスリンポンプシステムの導入は.センサ
ーで測定した血糖値が,ワイヤレスにポンプへ送
信され,その値がポンプの画面に表示され、血糖
値がわかるようになり,予期せぬ高血糖や低血糖
への早期対応がしやすくなった.
【インスリン療法患者への関わり】
当院ではインスリン分泌指標として,C-ペプ
チドインデックス(CPI)や SUIT 指数を調べてい
る.SUIT 指数が 30%以下だとインスリン治療が
必要.CPI が 1.2 以上の場合は食事や経口薬治療,
0.8 以下の場合はインスリン治療を選択するとさ
れる.インスリン注射導入の患者にとっては「イ
ンスリンが始まったら重症で,もうやめられない」
と思っている方が多く,CPI と SUIT 指数は、患者
への説明,納得を得られる.そこで糖尿病教育入
院患者の CPI や SUIT 指数とその治療法について
検証していく.
【検査室のチームワーク】
検査技師 1 人の時期(18 年)は長かったが,現
在は技師5人(パート勤務 1 人)20 代~60 代が
一人ずつの年代構成と 20 代の検査事務1人の6
人が検査室在籍.それぞれの年代の意見が聞ける.
糖尿病療養指導士も 1 人増え,やっと業務移行で
きるようになった。
【結語】
若い人には,患者のためになると思うことは,
積極的に実行に移してほしいと思うし,すぐに実
現できなくてもあきらめないで欲しい.
40 代の時,もっと他に自分に合った仕事があるの
ではと真剣に悩んだ時期があったが,糖尿病療養
指導士の資格を取得し,患者に関わってきた.み
んなに支えられ,今日まで臨床検査技師を続ける
ことができ,本当に良かったと思う.
連絡先:0848-20-0334(検査室直通)
-35-
12. 意識障害を来たした Capnocytophaga canimorsus による敗血症の 1 例
○福井寿美
大村和廣
能宗千帆 平田直也 植田佳弥 磯﨑綱次
福山市民病院医療技術部臨床検査科
【はじめに】
Capnocytophaga canimorsus は,イヌ・ネコに
よる咬傷・掻傷感染症の原因菌の一つで,イヌ・
ネコの口腔内常在菌である.C. canimorsus によ
る感染症はまれであるが、発症した場合には敗血
症性ショックや DIC に至ることが多く,致死率は
30%にもおよぶとされている.今回、意識障害を
来たした C. canimorsus による敗血症を経験した
ので報告する.
【症例】
80 歳代,男性.高血圧,前立腺肥大症,1 年前
に意識消失(脳神経外科受診も異常なし)の既往
あり.発熱、意識障害にて当院救急外来に搬送さ
れ,入院.血液検査や神経学的所見に大きな異常
はなく,髄液検査を施行するも髄膜炎は否定的で
あった.胸腹部 CT 上,意識障害の原因となるほ
どの明らかな感染巣は認められなかったが,感染
臓器不明の敗血症として,血液培養を 2 セット採
取し,ABPC/SBT 投与開始した.その後、血液培養
が陽性となり Capnocytophaga 属が疑われたため
ABPC/SBT 投与継続し,退院前日の第 7 病日に
AMPC/CVA 内服へ変更して第 8 病日に退院となった.
【微生物学的検査】
入院時の血液培養 2 セット全てが第 2 病日に陽
性となり,グラム染色で紡錘形のグラム陰性桿菌
が観察された.初代分離培地としてヒツジ血液寒
天培地と ABHK 寒天培地を用いて,5%CO2 環境下と
嫌気環境下で培養を実施した.しかし,24 時間培
養後のヒツジ血液寒天培地にコロニーの発育を
認めなかった.菌の形態や発育条件,10 日前に犬
に 咬 ま れ たと い う 主 治医 か ら の 情報 な ど よ り
Capnocytophaga 属を疑い、チョコレート寒天培地
を 5%CO2 環境下で,さらにヒツジ血液寒天培地を
微好気環境下で追加し培養を実施した。培養 2 日
目にチョコレート寒天培地に微小集落を形成し,
3 日目に辺縁がスムースで Haemophilus 様のコロ
ニーを認めた.生化学的性状は,オキシダーゼ陰
性,カタラーゼ陽性であった.BBLCRYSTAL ANR(BD)
を用いて同定した結果,Capnocytophaga sp.と同
定された.後日,16S rRNA 遺伝子および gyrB 遺
梅本千佳
西田正則
伝子解析により,C. canimorsus と同定された.
【考察】
C. canimorsus による感染症はまれではあるが,
重症例・死亡例が多く,迅速な救命治療が必要と
される.基礎疾患として糖尿病やアルコール依存
症などの慢性疾患に罹患している患者,脾臓の摘
出手術を受けた人や高齢者など,免疫機能の低下
した状態にある患者が多い.しかし,特記すべき
基礎疾患のない患者も少なからず存在する.多く
のイヌ・ネコが常在菌として保有しているにもか
かわらず,感染・発症する確率は低く,現状では
重症化を来たす理由は明らかになっていない.今
回の症例は,80 歳代と高齢であり,C. canimorsus
による敗血症で全身状態が急激に悪化し,意識障
害 を 来 た した 可 能 性 が考 え ら れ る. ま た , C.
canimorsus は通常,オキシダーゼ、カタラーゼと
もに陽性となるが,今回の症例のように非典型的
な生化学的性状を示すことも念頭に置いて検査
をする必要がある.Capnocytophaga 属はヒツジ血
液寒天培地に発育しない株もあるため,グラム染
色の結果や発育条件から Capnocytophaga 属が疑
われる場合は,チョコレート寒天培地を追加する
ことも有用である.さらに,臨床と連携して,動
物との接触歴や患者背景などの情報を集めなが
ら検査を進めることが重要であると考える.
【謝辞】
今回、ご協力いただいた国立感染症研究所獣医
科学部第一室 鈴木道雄先生に深謝いたします。
-36-
連絡先:(084)941-5151(内線 1263)
13. 広島県臨床検査技師会病理細胞領域
“医療安全”に関するアンケート調査報告
○永﨑裕志 福原由美 藤井 槙 池田征幸 石津英子 大塚崇通 金子 英 木下貴伸 田中広美
田中祐菜 永田拓生 仁科和久 西村俊直 法村真一 藤井直樹 道中孝典 三好敏之 山田貴之
田中美帆
広島県臨床検査技師会病理細胞領域
【はじめに】広島県臨床検査技師会病理細胞領域
った.バーコード管理を運用している施設形態割
は,2014 年より「技」という全国の会員を対象と
合は,大規模病院の 100%,中規模病院の 62%,小
した 2 日間に渡る研修会を開催している.第 2 回
規模病院の 40%,衛生検査所の 33%であった.診
は“医療安全”をテーマに,概論からインシデン
断時(病理・細胞診)の検体認証については,
「バ
ト報告の共有およびグループワークを行い,全国
ーコード読み取り」は 53%,
「手書き・手入力読み
より 47 名の参加者が集い有意義な研修会であっ
取り」は 47%であった。しかし,標本作製工程に
た.今年度の研修会開催に際し,広島県下の病理
おける検体認証方法は「手書き」の割合が高く,
検査室の医療安全対策の現状についてアンケー
組織ブロックでは 75%,薄切標本では 62%,細胞
ト調査を行ったので報告する.
診標本では 86%であった.
【対象と方法】調査期間は平成 27 年 6 月とし,
【考察】広島県下全施設においてインシデント・
県内 43 施設の病理検査室を対象に,各施設の体
ヒヤリハットの報告する仕組みが設けられてい
制や医療安全対策の取り組みを中心にアンケー
た,報告件数は,施設規模に関わらず年間 10 件
ト調査(全 22 項目)を実施した.また、7 年前に
未満という施設が 91%,30 件以上は 1 施設のみで
実施した「検体取り違い防止に関するアンケー
あった.施設ごとに,インシデントとする基準が
ト」(対象 44 施設,回収率 75%)との比較検討も
曖昧で,報告件数に偏りがみられた.今後は,件
行った.
数だけでなく報告レベルの頻度も重ねて調べる
【結果】アンケート回収率は 100%であった.43
必要がある.また,インシデントの報告をするこ
施設の内訳は,病院 39 施設,衛生検査所 4 施設
とに 12%の施設に抵抗があったことから,報告を
であった.施設形態としては,病床数が 0~300 床
出しやすい組織づくりが進んでいないことも考
(以下、小規模病院)が 20 施設、300~700 床(以
えられた.病理検査は他の検査に比べてシステム
下、中規模病院)が 16 施設,700 床以上(以下,
化が遅れている分野であり,職人技を必要とする
大規模病院)が 3 施設,衛生検査所が 4 施設であ
検査である.バーコード運用やシステム管理,標
り,検査技師の数は 1 人体制の部署から 6 人以上
本作製工程に自動化を導入しても,工程間で人の
の体制であった.インシデントレポートやヒヤリ
確認を必要としている.人による確認を要する限
ハットを報告する仕組みがある施設は 100%であ
りヒューマンエラーは起こりえると考える.事例
った.年間の病理検査室の報告数は,
「10 件未満」
の発生場面は施設規模に関わらず「検体処理時」
が全施設の 91%と多く,「10 件以上」は 9%と少な
と「検体到着時確認」が 76%を占めており,85%
かった.インシデント・ヒヤリハットの発生原因
が「確認不足」によるものであった.7 年前のア
の最も多い理由は,
「確認不足」が 85%、発生場所
ンケート調査時では,半数以上の施設でインシデ
としては,「検体処理時」が 54%,「検体到着時確
ントが起こった際のマニュアルがなく,バーコー
認」22%であった.
「インシデント・ヒヤリハット
ド管理はほとんどされておらず,組織ブロック
の報告することに抵抗がありますか」という問で
88%,薄切標本 91%の検体認証は「手書き」であっ
「はい」が 12%あった.その理由は「入力、分析
た.今回のアンケートより,システムを導入しバ
に時間がかかる」,「ミスはあまり知られたくな
ーコード運用を取り入れる施設が増え,業務の効
い」,
「自分のミスを公にしたくない」,
「レポート
率化や医療安全に対する取り組みが進んでいる
に時間を削られたくない」が挙げられていた.院
傾向が伺えた.
内に医療安全委員会がある施設は 98%,1 か月に
【謝辞】最後に,お忙しい中,アンケート調査に
1 回以下の開催が 77%,委員に検査技師が含まれ
ご協力いただきました 43 施設の皆様に感謝申し
ているのが 98%であった.また,検体到着時の検
上げます.
体認証方法は,「バーコード管理」が 51%,「手入
連絡先:082-241-3111
力管理」が 44%と「バーコード管理」がやや多か
-37-
14. 乳癌における HER2 遺伝子増幅の検出
―DISH 法の有用性と問題点について―
○相部晴香
杉山佳代 神田真規 佐々木健司
JA 尾道総合病院,病理研究検査科
【はじめに】
乳癌における HER 遺伝子増幅の検出は予後およ
び効果予測因子として非常に重要である。HER2 検
査は浸潤癌を対象とし、Immunohistochemistry 法
( 以 下 IHC 法 ) で 2+ の と き は in situ
hybridization 法(以下 ISH 法)を実施しなけれ
ばならない.現在,ISH 法では蛍光顕微鏡で観察
する Fluorescence in situ hybridization 法(以
下 FISH 法)が主流となっているが,新しい ISH
法の一つとしてとして光学顕微鏡で観察でき,標
本 の 長 期 保 存 が 可 能 な Dual color in situ
hybridization 法(以下 DISH 法)がある。DISH
法では腫瘍組織内の HER2 遺伝子を黒色のシグナ
ル,第 17 番染色体のセントロメアを赤色のシグ
ナルとして可視化し,HER2 遺伝子増幅を観察する
ことができる.そこで DISH 法の有用性,問題点
を明らかにすることを目的として FISH 法と比較
検討したので報告する.
【対象および方法】
2013 年 1 月から 2014 年 12 月の間に手術材料に
て確認された浸潤癌のうち IHC 法 2+と判定された
29 例を検討対象とした.組織型の内訳は浸潤性乳
管癌 27 例,アポクリン癌 1 例,浸潤性小葉癌 1
例である.方法は同一切片を用いて DISH 法と FISH
法を実施した.DISH 法はベンタナ インフォーム
Dual ISH HER2 キットを用い,自動免疫染色装置
ベンタナ ベンチマーク ULTRA で染色を行った.
DISH 法と FISH 法の HER2 遺伝子増幅の判定結果を
比較検討した.
【結果】
DISH 法,FISH 法の判定結果は 29 例中 27 例で
一致していた.不一致の 2 症例は、1)DISH 法増
幅あり,FISH 法増幅なし2)DISH 法増幅なし,
FISH 法増幅ありであった.
【考察】
1)DISH 法増幅あり,FISH 法増幅なし
IHC 法で 2+の部分が腫瘍組織内でモザイク状に
分布していた.DISH 法では光学顕微鏡で観察して
いるので、IHC 法の標本と容易に比較可能である.
米原修治
また,HER2 遺伝子のシグナルと腫瘍の組織構築を
同時に観察することができる.FISH 法では蛍光下
での観察となるので部位の特定が容易ではなく,
IHC 法で 2+の部分がモザイク状に分布していたこ
の症例では DISH 法と FISH 法で判定する場所にず
れが生じ,不一致の原因になったと考えられた.
2)DISH 法増幅なし,FISH 法増幅あり
DISH 法の標本を再鏡検したところ,核のヘマト
キ シ リ ン 染色 が 薄 く 不明 瞭 で あ った た め 黒 色
(HER2)のシグナルが認められた核も計測の対象
から除外していた.症例は非定型的乳房切除術が
行われていたため,注射器で複数ヶ所よりホルマ
リン注入固定をした.しかし,腫瘍中心部までホ
ルマリン浸透に時間がかかったため,一部固定不
良となり核の染色性低下を招いたと考えられた.
【まとめ】
HER2 遺伝子の発現がモザイク状に分布する場
合,判定場所の選択は慎重に行わなければならな
い.DISH 法の有用性は光学顕微鏡下において HER2
遺伝子のシグナルと組織構築を同時に観察でき
る点にあった.また,DISH 法の判定は固定条件に
強く左右されるので適切なホルマリン固定を行
う必要があると考えられた.
-38-
連絡先:0848-22-8111
15. 乳癌 HER2 検査における各種脱灰液の染色性への影響についての検討
-骨転移巣の組織学的検索を想定して-
○柴田
茜 曽田恵美子 脇本真帆 佐々木里菜 河本涼介 佐藤梨紗
大田絢子 多々野友美 高野孝江 倉岡正嗣 西阪 隆
県立広島病院 臨床研究検査科
【はじめに】
近年の分子標的治療の進歩に伴い,分子病理学
的検討のための適切な標本作製は,今日の病理組
織学的診断において必須である.しかし骨組織や
石灰化病変に用いられる脱灰処理は,免疫組織化
学法および遺伝子的検討に影響を及ぼすことが
報告されている.今回我々は乳癌の骨転移巣の組
織学的検索を想定し,HER2 検査における各種脱灰
液の影響について検討を行ったので報告する.
【対象と方法】
検討対象は 15%中性緩衝ホルマリンで固定さ
れた骨髄組織と乳癌組織を使用し,それぞれ 1×1
×0.5cm 大,0.3×0.2×0.2cm 大にトリミングし
た.脱灰液はオステオソフト®(メルク社),オステ
オモル®(メルク社),カルキトックス TM(和光純薬
工業社),K-CX®(ファルマ社)、Morse 法の 5 種類
を用いた.
(検討 1)骨髄組織と乳癌組織を 5 種類の脱灰液で
4 時間・8 時間・12 時間・24 時間・48 時間脱灰し
た後 HE 染色にて染色性を比較検討した.
(検討 2)検討 1 で脱灰した乳癌組織を Ventana
Benchmark ULTRA(ロシュ社)を用いて HER2 の免疫
組 織 化 学 法 お よ び Dual Color in situ
Hybridization(以下 DISH 法)を行い,染色性を比
較検討した.またパスピジョン®HER-2 DNA プロー
ブキット(アボット社)を用い Fluorescence in
situ hybridization(以下 FISH 法)における染色
性も同様に比較検討した.
【結果】
検討 1 より HE 染色の染色性は骨髄組織、乳癌
組織共にオステオソフト®,Morse 法が 48 時間ま
で良好であった.オステオモル®,カルキトックス
TM
,K-CX®では両組織ともに 4 時間から染色性が低
下した.検討 2 において乳癌の HER2 における免
疫組織化学法ではオステオソフト®,Morse 法では
48 時間まで染色性は良好であった.しかしオステ
オモル®,カルキトックス TM では染色性が低下した.
また DISH 法および FISH 法による遺伝子的検討で
はオステオソフト®は 48 時間まで染色性は良好で
あったが,Morse 法では経時的に染色性が低下す
る結果となった.オステオモル®,カルキトック
ス TM,K-CX®では 4 時間においてもシグナルは認め
られなかった.
【考察】
今回の検討により乳癌の骨転移巣を脱灰する
場合,5 種類の脱灰液のうち EDTA を主成分とした
オステオソフト®が最も有用であると考えられた.
また DISH 法および FISH 法で経時的な反応性の低
下は見られたものの Morse 法でも短時間の脱灰で
あれば比較的染色性は保たれると思われた.塩酸
を用いた脱灰液では遺伝子的検討においては使
用が困難であると考えられた.
免疫組織化学法や遺伝子的検討を行う組織を
脱灰する際は,脱灰液の性質を考慮した方法を選
択する必要がある.また脱灰時間を厳守すること
で,適切な標本作製に努めることが重要であると
思われる.
-39-
連絡先:082-254-1818(内線 1302)
学術誌「広島臨床検査」投稿規定
広告・協賛企業一覧
実行委員会名簿
「広島臨床検査」投稿規定
(平成 26 年 10 月 1 日改訂)
検査法開発など学術的な新規性を主題と
1.投稿資格
するもの.
投稿者は広島県臨床検査技師会(本会という)の
(4)技術:臨床検査の発展に寄与する技術の
会員に限る.
応用や既存技術の問題を解決する工夫や
共著の場合,筆頭著者は本会会員でなければなら
改良を主題とするもの.
ない.ただし,賛助会員の紹介ないし依頼原稿の場
(5)症例報告:臨床検査に関して有用な情報
合はこの限りでない.
を提供する症例報告を主題とするもの.
2.投稿論文の種別
1)論文の種別は,総説,原著,研究,技術,症
(6)事業報告:本会の事業,公益事業の成果
例,事業報告,解説,資料,Forum 等の原稿を
を取りまとめたものであり,本会の活動
受け付ける.ただし,総説は原則として編集
に関する提言を主題とするもの.
委員会の依頼によるものとし,その著者は本
(7)解説:臨床検査,あるいは臨床検査に関
係する技術の解説や業務管理・運営方法
会会員に限定しない.
の紹介,教育的な内容のもの.
2)投稿原稿は他誌に発表(掲載),あるいは投稿
されていないものとする.ただし,すでにそ
(8)資料:調査データや検査データの解析,
の内容の一部を学会等で発表したものについ
検査の基礎となる内容など検査技師に有
ては,その旨を論文末尾に掲載すること.
用な資料.
(9)Forum:国内外を問わず臨床検査に関連す
3)論文の著作権は本会に帰属し,著者は本会が
る学術集会やトピックスの紹介や医療全
電子公開する場合には承諾するものとする.
般における話題性の高い内容.
4)セルフ・アーカイブ(自身の Web ページや所
属機関のリポジトリなど)において,表題,
3.執筆要領
所属,著者名,内容抄録の公開は本誌の発行
1)文章と文体
(1)ひらがな,常用漢字,現代仮名づかいを用い,
の後に認められる.
5)論文執筆に際しては,プライバシー保護の観
横書きとし,数字は算用数字とする.ただし,
点も含め,ヘルシンキ宣言ならびに臨床研究
固有名詞,専門性の高い学術用語はこの限り
に関する倫理指針が遵守されていること.
ではない.
6)本文中の謝辞は,関係者同士が事前に確認了
解を得ることを前提とし,編集委員会はこれ
(2)数字,欧文は半角とし,菌名などの学名はイ
タリック体で表記する.
(3) 数字はアラビア数字を用い,数量の記号は
に関する責務を負わない.
km,m,cm , mm ,μm , nm , L , dL ,
7)論文の種別説明
(1)総説:1つのテーマについて広範囲に文
mL , kg , g ,mg,μg,ng,pg,℃,%,
献的調査を行い,そのテーマに関する現
h,bp,dpm,ppm 等を用いる.
(
「mL」などのリ
状と将来の展望をまとめたもの.
ットルは大文字表記のこと.)
(2)原著:臨床検査の新しい発見や将来的な
検査法開発など臨床検査の分野をテーマ
して深く研究・調査を行いまとめたもの
で,そのテーマにオリジナリティがある
内容のもの.
(3) 研究:臨床検査の新しい発見や将来的な
-43-
ること.
(4) 一般名や薬物名は略語を用いない.ただし,
(8)カタカナ,カンマ,ピリオドなどは全角文字
記述が数回にわたる場合には初回は省略せず
とし,英字,数字は半角文字とする.
に記述し,その後ろに略語を( )内に記し,
(9)新語,専門性の高い用語などは,脚注をつけ
以後その略語を用いる.
ること.脚注は一連の番号を参照箇所の右上
例:Bence Jones Protein (BJP)
に”1”のように記載する.説明文は原稿の
(5) 学名は,本文中(要旨は除く)の初出は省略
せずにイタリック体で記述する.二度目から
そのページの下に脚注として記載する.
は断りなく属名だけを略し,種形容名は略さ
また,各著者の所属施設名を記入する場合も,
ない(例:Escherichia coli,二度目以降は
この要領で一連の番号に含める.
E. coli とし,ピリオド「.」の後は,半角ス
(10)原稿中の数式は,原則としてイタリックで印
刷される.イタリック以外の表記を希望する
ペースを空ける).
場合は,その旨を原稿 1 ページ最下部に明記
2)原稿の書式
(1)用語:和文,英文のいずれでも受け付ける.
すること.
(2)用紙と文字数:和文の場合は,ワープロソフ
3)原稿の長さ
トでA4サイズの用紙を基準とし,1 行 40 文
(1)総説および原著:本文,文献を含めて刷り上
字(全角)
,1 ページ 38 行として作成すること.
がり 20 ページ以内とする.図・表は 10 枚以
英文は,A4サイズダブルスペースとする.
内とし,写真も 10 枚以内とする.ただし,
必要最小限の枚数にすること.
(3)和文の形式:原稿の 1 ページ目に,投稿原稿
の種別,表題,著者名,所属施設名,英文表
(2)研究および技術:本文,文献を含めて刷り上
題,英文著者名,英文所属施設名を記すこと.
がり 10 ページ以内とする.図・表・写真等
また,施設の所在地,校正刷りの送付先,担
は必要最小限にし,10 枚以内とする.
当者名,E-Mail アドレス,電話番号,FAX 番
(3)症例報告:本文,文献を含めて刷り上がり 8
ページ以内とする.図・表・写真等は必要最
号を記すこと.
小限にし,10 枚以内とする.
(4)抄録:和文原稿の場合は,原稿の 1 ページ目
後半に 400 字程度で記すこと.また,キーワ
(4)事業報告および解説:本文,文献を含めて刷
ードは 5 個以内とし,日臨技の「医学検査」
り上がり 6 ページ以内とする.図・表・写真
論文の書き方等を参考に記載することを推奨
等は必要最小限にし,8 枚以内とする.
する.
(5)資料:本文,文献を含めて刷り上がり 6 ペー
ジ程度とする.(図・表・写真等を含む)
なお,「資料」「Forum」では抄録は必要ない.
(5)本文:原稿の 2 ページ目からとする.本文は
(7)Forum:刷り上がり 2 ページ程度とする.
(図・
表・写真等を含む)
原則として,序論(はじめに),目的,方法,
結果,考察,結論,文献の順に記すこと.ま
た,解説,資料,Forum においては,その限り
ではない.
(6)略号:初出部分でその正式名(略号)を記し,
以下,略号でも可とする.ただし,略号が広
く一般化している場合はこの限りではない.
(7)図・表・写真:可能な限り鮮明なものを採用
すること.原稿投稿では 1 枚ずつ作成し,図
(図の下),表(表の上),写真(写真の下)に
必ず表題をつける.図の説明文は区別を明確
にし,図の原稿とは別に作成する.補分内の
図表の挿入箇所を本文欄外に赤字等で明記す
-44-
6.著作権
4)引用文献
(1)引用文献は,本文中の該当部分右上に,引用
1)本誌に掲載された原稿の著作権は,一般社団
法人広島県臨床検査技師会に帰属する.
順に番号1)を記載し,本文最後に引用順に
2)本誌に掲載された原稿その他のすべて,また
まとめこと.
は一部をそのままの形で他の出版物等に掲載
(2)文献の項の書式は,バンクーバー・スタイル
する場合は,所定の書式に基づいた文書によ
(the Vancouver style)に従うものとする.
【参考】
り編集委員長の許可を得ると共に,掲載する
(雑誌)
出版物等に「広島臨床検査」からの転載であ
ることを明記すること.
著者名. 題名. 雑誌名 発行年;巻;通巻ページ
3)投稿原稿が本誌に掲載されることが決定した
(始め−終わり).
または,
際,著者は編集委員長が送付する「著作権譲
著者名. 題名. 雑誌名 発行年;巻;号数,
渡書」に署名,捺印した後,速やかに編集委
号ページ(始め−終わり).
員長宛に返信すること.
4)著者は,論文の内容を無断で改変,改ざんさ
れない権利を有する.
(書籍)
著者名. 題名(編者名). 書名:発行所,
発行年:ページ(始め−終わり).
7.倫理規定
(1)二重投稿の禁止,ただし国際的な学会,大会等
は例外とする.
(2)事実に基づかないデータを故意に作る捏造,デ
(3)著者の記載方法
姓と名の間にコンマを入れない.
ータを根拠なく改変する改ざん,他から得たデ
名に省略記号(.)をつけない.
ータを許可なく自身の得たものとする盗用は,
著者が 4 名以下であれば全員の名前を記す.
これを固く禁止する.
必ず姓名を記すこと.
(3)著者の所属する機関,団体等が定める倫理規定
を犯してはならない.
著者と著者の間には,コンマを入れる.
5 名以上の場合は,最初の 3 名のみを列記し
(4)当会の編集委員長が上記の禁止事項に違反し
たと判断した場合は,下記の罰則が適用される
て,それに「ら」,"et al."を付記すること.
ことがある.
(4)電子媒体や Web site またはオンライン上の文
・本誌論文の不採録,または掲載取り消し
献について
媒体名やサイト URL 等を[ ]で囲むこと.
・著者全員の本誌への投稿禁止
(CD-ROM,DVD など)著者名. 題名. 収載名[媒
・二重投稿先および著者の所属する機関,団体等
体または URL].
への通知
発行所,発行年:ページがあ
れば(始め-終わり).
8.個人情報保護について
個人情報保護の観点から,投稿原稿において容易
4.採否の審査
1)投稿原稿は編集委員会にて審査のうえ,採用
の可否を決定する.
2)本誌掲載においては期限を指定して原稿の一
部修正を求めることがある.
に個人が特定されないように,症例等の記載には十
分注意をはらうこと.
症例報告等で個人を対象とした論文の際は,以下の
点を十分留意すること.
3)修正を求められた原稿は,編集委員会が指定
(1)患者個人の姓名,イニシャルは記載しない.
した期限(原則として 2 週間程度)以内に再投
(2)経過日,日付等は記載せず,○○日前,○○
ヶ月後などの記載方法にすること.
稿することとする.
(3)他の医療機関等で診断を受けている場合,他
5.著者校正
の施設の検査データを記載するときは,その
原則として著者の校正は,初稿時に 1 回のみとし,
医療機関名,施設名は記載しない.
再校以降は編集委員会において行う.
-45-
(4)個人を特定できる情報(診療録番号,標本番
5)写真などの画像データは,JPEG フォーマット
号,画像内の整理番号等)は削除すること.
とし,文字データとは別ファイルに保存して送
付すること.
(5)顔写真などを使用する場合は,特に注意をは
6)図表データは,学術誌がモノクロ印刷である
らうこと.
ことを考慮し,明確に識別できるコントラスト
なお,プライバシーに関する患者の権利,保護な
を保つよう作成すること.
どに関しては,外科関連学会による「症例報告を含
む医学論文及び学会研究会発表における患者プライ
7)保存する画像データ,図表データには,論文
バシー保護に関する指針」を参考に原稿作成を行う
内で割り当てた番号等を明確にしたファイル
こと.
名称を用いること.
8)図表作成に Microsoft PowerPoint を使用した
場合は,その元データも添付すること.
http://www.jssoc.or.jp/other/info/privacy.html
9)原則として原稿は返却しない.
10.本規定の改定
9.論文原稿の送付方法
本投稿規定の改定は,理事会にて承認を得なけれ
1)論文投稿には,所定の「論文投稿用紙」,およ
び「誓約書・同意書」に必要事項を記入し,下
ばならない.
記の原稿に同封すること.
11.付記
2)論文投稿用紙には,原稿の発送日を明記する
1)論文の書き方については,日本臨床衛生検査
技師会ホームページに「医学検査」論文の書
こと.
き方(改訂版)が掲載されているので,それ
3)原稿の送付には,印刷した原稿2部(オリジ
を参考にするとよい.
ナル 1 部,コピー1部)
,および図表,写真等
2)本誌編集の都合上,印刷レイアウト等は広報
の画像データとテキスト形式の原稿データま
部にて作成する.
たは Microsoft Word 形式のデータファイルと
3)上記の要領で提出できない場合や印刷レイア
して CD-R 1 枚に保存して送付する.
ウト等,原稿作成に関して質問・確認が必要
4)記録媒体(CD-R)には,
「タイトル」
「施設名」
「筆頭執筆者」「使用アプリケーション名およ
な場合は,本会
びそのバージョン」を明記すること.
絡すること.
■原稿の送付先:一般社団法人広島県臨床検査技師会
平成 24 年 10 月 1 日
作成
平成 25 年 10 月 1 日
改訂
平成 26 年 10 月 1 日
改訂
事務所
郵便番号
730-0013
住
広島市中区八丁堀6-10
所
学術部または広報部まで連
グレイスビル801
連絡先 FAX 082-502-6031(事務所)
問い合わせ先メールアドレス <[email protected]>
-46-
【学術誌様式 1】広島臨床検査
論文投稿用紙
一般社団法人広島県臨床検査技師会会誌「広島臨床検査」論文投稿用紙
論文種別
□総説 □原著 □研究 □技術 □症例報告 □事業報告 □解説
□資料 □Forum □その他(
専門分野
)
□微生物 □免疫血清 □血液
□臨床化学
□病理細胞
□公衆衛生 □輸血 □情報システム □遺伝子・染色体
□チーム医療 □その他(
表
題
(英
訳)
□生理 □一般
□管理運営
)
キーワード
1)
2)
(5つまで)
3)
4)
5)
筆頭執筆者名
会員番号
(ローマ字)
所属施設名
所属部署名
(英訳)
住
所
連絡先
〒
TEL:
E-mail:
共同執筆者
氏
名
(ローマ字)
会員番号
所属施設・部署名
※学術誌編集委員会 記入欄
原稿受付日
採
否
査読担当
採用通知日
□可
□否
掲載年
掲載番号
-47-
【学術誌様式2】広島臨床検査
誓約書・同意書
平成
年
月
日
■他の学術雑誌等への重複投稿・掲載を行わないこと
および「広島臨床検査」掲載原稿の版権に関する誓約・同意
下記の論文について一般社団法人広島県臨床検査技師会会誌「広島臨床検査」に投稿す
るにあたり論文の内容が国内外を問わず他の学術雑誌等に未発表のものであることを誓い
ます。
同時に論文原稿の内容について、そのすべての版権が一般社団法人広島県臨床検査技師
会に帰属することに同意いたします。
論文の表題
筆頭執筆者
印
■共同執筆者の論文投稿における同意
下記の論文について一般社団法人広島県臨床検査技師会会誌「広島臨床検査」に投稿す
るにあたり論文の内容が共同執筆者の同意が得られていることを筆頭執筆者および共同執
筆者の自筆署名にて提示します。
論文の表題
筆頭執筆者
共同執筆者
以下
学術誌編集委員会 記入欄
-48-
印
【広告・展示・協賛企業一覧】
【機器展示】
栄研化学(株)
アボットジャパン(株)poc 事業部
東洋羽毛中四国販売(株)
日水製薬(株)
(株)三和化学研究所
フクダライフテック中国(株)
フクダ電子広島販売(株)
ラジオメーター(株)
和光純薬(株)
協和メディックス(株)
【広告掲載】
アークレイマーケティング(株)
積水メディカル(株)
(株)福山臨床検査センター
アボットジャパン(株)
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティックス(株)
極東製薬工業(株)
東芝メディカルシステムズ(株)
テクノメディカ(株)
和光純薬(株)
栄研化学(株)
ロシュダイアグノスティックス(株)
協和メディックス(株)
(株)エイアンドティー
(順不同)
-49-
【第 33 回広島県医学検査学会実行委員会名簿】
学会長
水野
誠士
副会長
飯伏
義弘
(広島市立広島市民病院)
実行委員長
塚嵜
克彦
(公立みつぎ総合病院)
副実行委員長
桑田 久子
(府中市民病院)
副実行委員長
中宮 茂雄
(三原赤十字病院)
学術部長
尾田 三世
(広島大学病院)
組織調査部長
米田
(広島赤十字・原爆病院)
渉外・法規部長
大塚 崇通
(吉島病院)
広報部長
若林 信浩
(広島市立安佐市民病院)
委員
奥
(公立みつぎ総合病院)
登志男
成美
(厚生連広島総合病院)
井場 浩一
(因島総合病院)
武田 譲
(尾道市立尾道市民病院)
巻幡 信広
(尾道市立尾道市民病院)
森
(尾道市立尾道市民病院)
三郎
竹井 絵梨
(尾道市立尾道市民病院)
細谷 勝己
(厚生連尾道総合病院)
森本 典子
(厚生連尾道総合病院)
金本 隆司
(厚生連尾道総合病院)
安保 裕子
(厚生連尾道総合病院)
吉廣 一寿
(厚生連尾道総合病院)
牧瀬 涼子
(厚生連尾道総合病院)
薮木 雅人
(厚生連尾道総合病院)
(順不同)
-50-
一般社団法人 広島県臨床検査技師会
会報
Feb.2016 Vol.45
No.1
平成 28 年 2 月 1 日
発行責任者
水野
誠士
編集・発行
一般社団法人
事務所
〒730-0013
広島県臨床検査技師会
広島市中区八丁堀 6-10
一般社団法人
グレイスビル 801 号
広島県臨床検査技師会
事務所
TEL 082-502-6011
FAX 082-502-6031
URL
http://www.hiroringi.or.jp
E-Mail [email protected]
印刷所
可部印刷株式会社
〒731-0221
広島市安佐北区可部三丁目 43-7
代表
平尾
岐
TEL 082-814-2065
FAX 082-814-3569
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