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あのときの常呂・写真館

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あのときの常呂・写真館
あのときの常呂・写真館
VOL 62
(1977年)
昭和52年2月11-13日
第1回雪んこまつり開催
▲
「雪んこまつり」が始まるきっかけを『常呂町民憲章推進協議会20年のあゆみ』が、
次のように紹介しています。「…この雪んこまつりが誕生したのは、ごく単純な発想であ
った。昭和51年冬に開催した文化連盟役員会の時である。会議終了後、中台泰士会長宅
で酒の席となり、いろいろな話がされた。そのとき、一人の役員から〈冬に子どもたちの
お祭りがあってもいいのではないだろうか。どうしても冬期間は家の中に閉じこもりがち
で、一日くらい外に出て雪の中で遊んでもいいのではないだろうか。それも大人が子ども
たちのために遊び場を作ってやってもいいのではないか〉という提案があった。名称も〈雪
んこまつり〉と子どもたち主役の名前にしたのである。」
*上:馬そりに乗って楽しむ子どもたち
▲
常呂町文化連盟が中心となり、さまざまな団体が関わる実行委員会形式の「雪んこまつ
り」は、その後、前夜祭が加わり内容を充実させ、昭和58年から町民憲章推進協議会の
事業に移行します。ジャンボ滑り台や雪の夜の野外映画会、冬の花火、雪像コンテストな
ど趣向を凝らしたプログラムを行ってきました。
▲
現在は、子どもの数の減少や実行委員会を支えるサークルの減少などにより、規模や内
容を変えながらも地域の行事として継続しています。
雪中運動会の騎馬戦
かまくらの中で甘酒を飲む子どもたち
上:かき島太鼓の太鼓演奏
上:武道館で行った下の句
カルタ大会
右・下:背中運動会のミカン拾い
*次ページ以降、文化連盟機関紙「にいばり13号」と「広報ところ
第1回雪んこまつりのようすや内容が分かります。
3月号」を添付
一一一一一一一一一一−一一
・
●
メ
常呂町文化連盟
機 関 紙
S
I
いずれも、仕事の合間を
縫って、住民自らが企画か
ら運営までを受け持ち、多
少のほろ苦さを噛みしめな
いったものである。
がら、口づてに盛り上げて
また、どちらの場合も、
その初日を天候に泣かされ
﹃来てもらえるだろうか﹄
の、実に冷え冷えとした自
問を繰り返さねばならなか
った。が一方、すでに幕開
けを迎えた︽手づくりの祭
︾たちに寄せた、私たちの
大きすぎる思い入れが、絶
えず私たちの胸をときめか
さずにはおかなかったこと
も事実だ。
それゆえ、どの口からも
永年はもっと多くの仲間
と一緒に、いろんなことを
どんどんやろうや〃の声が
紅潮した頬を一層紅く染め
ながら、飛び交うのであっ
︽手づくりの祭︾たちの
明日へ向けての、ひとつの
総括を、その断片を捨い集
める作業によって試みた。
一面銀世界
に覆われた田
畑にも、厚い
流氷に閉ざさ
れたオホーツクにも、仕事
がない。凍てついた街には
人の姿がない。人と人との
うごめきがない街には、活
気がない。
こうした暗いイメージば
かりの常呂の冬を、明るい
ペンキで塗りかえでしまい
たい。寒さを吹き飛ばし、
高らかに雪のロマンを奏で
よう。
︽雪んこ祭︾ ︵二月十一
日∼十三日︶は、十一の自
主団体が実行委員会=委員
長:甲台泰士文化連盟会長
=を編成、﹃青春/雪よ友
よー冬は友だち﹄をメイン
昭和52年4月.1日
テーマに催された。
スケート協会、ライオン
ズクラブ、子ども会育成連
合会、ボランティアサーク
ルつくしんぼ、漁協青年部
のエレキバンド︿コーク・
ォークソンググループ、カ
中ブラスバンド部、常高フ
人、かき島太鼓同好会、常
ハイ︾、51年成人十52年成
印刷所
ルタ同好会、文化連盟︱︲︲’−
の主催団体のほか、非常に
多くの人たちの協力を必要
とした︽第一回雪んこ祭︾
主会場の町民センターな
どに集まった町民は、のべ
二千人以上にのばった。
◇第一日=馬そりパレー
ド、子ども会対抗雪像づく
りコンテスト、夢かけるど
の、かれら次の世代の夢の
そうした意
やかに待つ。
子供たちの歓声を、ひそ
たちの夢をのせて、シャン
仕事のあと、青年が集ま
さんこ、しぼりたて牛乳サ
味からも、来
シャン、シャンと駈けぬけ
世界に、遠くへと鳴り響く
ービス、雪中運動会、全町
シャン、シャン、シャ
馬そりの鈴の音が、いつま
っと多くの仲
った。誰も本物のタかまく
ていった馬そりの駆者の眉
でも消えることがなかった
間と多くの催
年もまた、も
子どもカルタ大会、カルタ
と額とは、最後まで白く凍
としたら︽雪んこ祭︾もま
しとで、夢と
ンと鈴の音が到着。子供
選手権大会
てついていたが、きっと見
た、どこまでも疾駆するに
ロマンの祭︵
ら〃を知らない。テレビ知
◇第二日=タコ揚げ大会
聞かれた両眼もまた最後ま
違いない。
雪んこ祭︾を
たちの関心ぶ%かまくら″
ボブスレー大会、チビっ子
。で優しかった。
最終日、全町のスケータ
ひときわ大き
識のごかまくら〃が、どう
のど自慢大会、冬の夜のつ
こうした幾つもの街いの
ーを集めた記録会は、初日
くふくらませ
に動く。初めて見るyか
どい∼音楽と演劇のタベ、
ない善意の、ひとつひとつ
とはうって変わった快晴で
にか完成したのは、夜更け
お楽しみ抽せん会
の積み重なりと、郷土の厳
あった。リンク・コンディ
ていきたいも
のだ︰
リンゴ色に染まっていた。
まくら≒崩れやしないか
◇第三日=町民スケート
しい風土に対する限りのな
ションも上々で、寒気をつ
馬そりにのった、かまく
かれら世代が、郷土の主
どき ローソクの明かり
大会∼記録会
い慈しみとが、われらささ
いて走る豆スケーターたち
こうした多彩な催しのす
らの中であたたかい牛乳を
軸となる日にも、この冬の
と、そっと雪壁に触れて
◇第一日士一日=写真・
やかな︽雪んこ祭︾だった
の頬っぺたが、どこまでも
べてが、恐らくはたまたま
飲んだ、雪の上をころげま
宴を、別様な形で創り出し
が、紅潮した若者の頬を照
絵画・俳句展、かまくらコ
のに違いない。
同じ時期に行われた、網走
わった、大声だしながらど
続けてくれるだろう。
らし出す。揺れる灯に、揺
ーナー
や北見、紋別などの祭と比
こまでも走ったI−’その夜
脱マ ンネリ求めた文化祭
べて、その規模や質、はた
また金のかけ方に’おいて、
はるかに下回っていただろ
うことは間違い力い。
けれども、例えば主催団
体のひとつN2&島太鼓〃
の仲間たちー’−かれらのほ
とんどがホタテ養殖二世で
あり、その繁忙期にも寝食
を忘れて太鼓がわりの古タ
イヤを打ち鳴らし、やがて
は郷土芸能を創り出したい
消化な部分を抱え込んでい
いうからには、
文化祭って
はなかった。
いった種の作業では、それ
定し、ないがしろにすると
けて来た先達の志を、全否
◇十一月一日=レコード
を示すことができたと思う。
め、確実に未来への方向性
たにせよ、一定の成果を収
もっと祭のに
あるいはまた、身を切る
づけたことだろうか。
が、どれほどこの祭を勇気
の時の流れのなかに、営々
もとより、過去二十数年
要があった。
直しに十分時間を費やす必
祭ってなんだろうIII︱−の見
そ、文化ってなんだろう、
定着しきっていたからこ
着しきった︽文化祭︾
行事として、紛れもなく定
すでに二十三回目、全町
始まった。
今年の文化祭は、そこから
も良いんじやないのかー−−−
とつの祭を仕土げた今とな
のメイン・テーマには、ひ
︽いま傍観から参加へと︾
実に到来していたのだ。
なければならぬ時機が、確
か?−1−という視点を求め
かの方向性があっただろう
だろうか?③どこへ飛ぶの
と空間とを創り出していた
自ら参加し得るような時間
できるだけ多くの町民が、
要素があっただろうか?②
の心をときめかせるような
ただ①祭のような、誰も
非常に多くの論議を必要と
画が実行されるまでには、
これら一週間にわたる企
術祭・書道展、町民の顔・
写真展
展示◇五日∼七日=郷土芸
図書クイズ◇一日∼四日=
日=常呂よいところ頒布、
=町民囲碁大会◇一目上二
日=名画鑑賞の夕ぺ◇七日
常呂の野草を知る夕べ◇六
授業、文化交流会◇五日=
四日=オホーツク大学公開
芸能発表、のど自慢大会◇
お祭り広場、一日文化教室
パーティー◇三日=お茶会
おいがあって
コンサート◇二日=ダンス
ような寒気の中を、子ども︲︲
として文化の灯をともし続
っては、いささか強すぎる
だが、主催者が初めて経
もある。
れない、という醒めた視点
のだった。
を求めたくやるため﹀のも
と③未来への方向性 と
おいと②聞かれた場づくり
ではなく、すべて①祭のに
いは、主催者側の全きマス
験した、一週間という量的
淮もが、魚屋さんや印刷
した。
な重みと、思いつきでも何
屋さん、む医者さん、写真
ターベーションとしての興
でもともかく企画し実行し
屋さん、駅員さん、サラリ
の論議は、やらない方向で
てしまうという、凄まじい
けれども、それらすべて
質的な重みとは、大いに未
奮でしかなかったのかも知
気負いも感じられる。ある
とする真情あふれる熱心さ
にとっても初めてのごかま
に、汗の香が紛れる。若者
れる影⋮⋮凍てついた空気
あったか∼い雪のお城。
ぼくらのお城、雪のお城、
あったか∼い£″まくら″。
みる。冷た∼いけれど、
強い風が木立を激しく揺ら
し続けていた。傘をすぼめ
冷えびえと、雨まじりの
た婦人が、斜めに急ぎ足で
−マンなどという多忙な仕
くま酒席を立つことなく。
通り過ぎていく。曇硝子の
いた。
向こう側は、確実に冷えて
の手でひとつひとつ創り出
そうとしていた。
とても優しく、そしてとて
幕開けは、とても静かに、
もあたたかで、主催者を勇
けれども、ひとつの祭の
ところ時間s 4’何回目か
気づけるに十分だった。
たことがあった。従来は、
らか消えていた。定刻にな
恐らくは、第一当事者の
きめきが、二十数年ぶりの
ると、ニコニコとし・だ顔が
歳月に耐えながら、自分の
席をうめていた。
案外こうしたことの蓄積を
壬尤に還ってきたのだ。
全き思い入れにすぎないの
意味するのかも知れない。
いま再び、文化祭の一週
些細で、ごく当然のこと
この企画会議の段階で、
間を思い返すとき、自分は
い幼年時代の、祭前夜のと
新しい白分たちの祭−−︲文
あれら時間の細長い連なり
ではあろうが、あの慕わし
化祭が、未来をみつめ、心
ではあろうが、自分たちの
ときめく祭へと、大きく転
う形では得られない、自分
いたと思う。み続けるとい
だけの感触が、そこにはあ
を、実にのびやかに生きて
誰もがくやれる/﹀と確信
換するであろうことは、ほ
したのは、実にこのときだ
せ⋮ああ、俺は生きている
続けた衝動が、胸ときめか
ぞ∼と叫びたくなるような、
って、身体の奥底に埋もれ
ードコンサートは、コート
ったのだ。
の襟を立てた町民が、その
かりと握りしめていた一週
生の重みを、この手でしっ
間よ/
数は百人にも満たなかった
えた。
けれども、とても優しくみ
一日目、大講堂でのレコ
ぼ確実になったのだと思う。
祭を創り出すということは、
とかくまかり通っていた〃
何度目かの会議で気づい
︵手づくりの祭︾を、自分
事を抱えていながら、夜遅
ちの影を揺らしてほしい。
兼兼
ローソクの明かりに君た
のある夜、君たちもまた、
何年か後、何十年か後
はいつ気づくだろうか?
たかさの意味に、君たち
子供たちよ、そのあっ
く'yly夢ふくらませた
雪のお城
士
人参
集
編台
中
発行所
常呂町文化連盟
1
I
ときめきがあった︽雪んこ祭︾
一一一一一一
一
一一
−一
−
人口七千人
あまりのちい
さな町、私た
ちの郷土にも
もっと︽手づ
くりの祭︾が
ほしい。
そんな声が
あちらこちら
からささやか
れ始めて、昨
年から今年に
かけてふたつ
の祭が誕生し
た。
ひとつは、
従来のパター
一一
1
ンから脱皮し
ようと、一週間にわたって
ユニークな企画が繰り広げ
られた︽文化祭︾
他のひとつは、とかく暗
いイメージばかりが先行し
一一
り
';S,1
鴫
青春声・雪よ友よ
1
●
レ
がちな営呂の冬に生まれた
た。
あったか∼い
%
j
﹃雪ん’﹄祭︾である。
篆
1`
l
りぶ
S
SZ・・S
4
〆
S
●
勉(
j
d k
I
l.
齢 防
寒
第13号
い ば り
斟疎漏鶏yくり祭
に
昭和52年4月1日
(1)
㈱印刷センターコバヤシ
第211号
昭和52年3月5ロ発行(4)
広 報 と こ ろ
芯
IE語語語ヨ│寒気を破りながら圭る。父さんの声援がきこえた。
雪と流水に覆われて、とかく暗いイメージばかりが
rT!1?
先行しがちな常呂の冬。
7
寒さなんか吹き飛ばし、冬と友だちになろうーと、
疆l9
;゜
;1°
今年初めて催された︵雪んこ祭︾
; ;i ;゜
゜
;
文化連盟やスケート協会、子ども会、ライオンズク
:
;゜7
゜
;
;
;
ラブなど、たくさんの自主団体が、二月トー日からの
";1
;
゜
:
;
主会場の町民センターなどに集まった町民は、のぺ
馬そりが走る、かまくらの中で熱いしぼり
たて牛乳を飲む、雪中運動会で汗を流す、チ
ビっ子がのとを競う、かき島太鼓が鳴り響く、
郷土の伝説を子ども達が演じる、雪にまつわ
るコ土フスが舞う。
W
住民自らが生み出したぷ科しい祭“が、高
らかに雪のロマンを奏で続けた三日間。
-
三日間を多彩な行事で盛りれげた。
武道館がゆれた。
IE謳X:1
1 うチーム参加の
"‘ ゛・ 子どもカルタ大会。
二千人以七にのばった。
lii疆幽i。。・ .f欄皺S§! jxy
レ有子犬⑤光子゜゜゜
目 〃 ・ 冬は友だち
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回国回心言二八言
,.−一回問初めてみたかまくらの中で
│胆…… j ……ンダ
設2諮言m− ^ ‰ヽ^
隠縦
回丿蕎r4J
J 、
昌 U一冊・ ゛’ ’s ヽ`゛` 隠
j4?-・二回目グ………
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…… 湊尚19 kj 漣・1
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3
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]痢 呂 ゜ 懲 “……゛ゴ
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小学生からおとなまでが何日も練習を続けた
戯曲゛大士か音楽も子供たちの作曲だった。
E回国U二回に穴に且芸計竺牡
.t.。 ばくらの夢をのせて走り続けた馬そり。
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