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ベルギー・ワロン地域で風力発電施設の建設加速(ベルギー)【PDF:71KB】

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ベルギー・ワロン地域で風力発電施設の建設加速(ベルギー)【PDF:71KB】
NEDO海外レポート
NO.953, 2005. 4. 6
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海外レポート953号目次 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/953/
【新エネルギー】
ベルギー・ワロン地域で風力発電施設の建設加速
ベルギーのワロン地域は、2010 年までに風力発電により 200MW の電力を生産する
ことを目標としている。景観破壊を懸念する住民の反対などもあり、風力発電施設の
建設規模を縮小しなければならないといった問題も発生しているが、ワロン地域政府
でエネルギー政策を担当するアンドレ・アントワーヌ住宅・運輸・地域開発相は、「建
設された、あるいは建設許可のおりた風力発電施設だけで、すでに 120MW あまりに
達している。このほかに建設許可の審査が行われているプロジェクトが 25 件あり、そ
の総出力は約 260MW に達する」と述べている。
アントワーヌ大臣は、Molignee 渓谷での 11 基の風力発電機の建設(当初の計画で
は 61 基)に関する単一許可証(建設許可+運営許可)を発行したほか、Bullange で
の 6 基の風力発電機の建設計画にも許可証を発行した。
2005 年 1 月 18 日には、Perwez で 4 基の風力発電機の設置が始まり、2 月 8 日に、
アントワーヌ大臣列席のもと、開所式が執り行われた。Perwez にはすでに、ワロン地
域で 2 番目の風力発電機(0.6MW)が、Aspiravi 社により 1 基設置されている。今回、
Perwez で風力発電機を設置するのは Air Energy 社で、同社は最終的に 5 基の風力発
電機を設置する。5 基で年間 1,750 万 kWh の電力が生産され、3,900 世帯あまりの家
庭への電力供給が可能となる。Perwez ではこのほか、Aspiravi が 3 基(合計 4.5MW)
の風力発電機の設置を予定している。
2004 年 6 月 13 日に実施された地域議会選挙後に誕生したワロン地域政府は、それ
まで分離されていた地域開発とエネルギー政策を、アントワーヌ大臣の下に一本化し
た。このため、風力発電施設の建設計画に関する決定が以前よりも早く下されるよう
になった。ワロン地域には現在、8 つの風力発電施設(そのうち 2 つは建設中)があ
り、28 基(総計 39.7MW)の風力発電機が設置されている。これに許可証の発行され
た 10 施設(43 基、79.7MW)を加えると、およそ 7 万世帯分に相当する電力生産が
可能になる。
アントワーヌ大臣は、「農民や住民の反発、景観の問題、飛行機の航路の問題等々、
多くの障害が存在したため、これまで風力発電施設の建設は容易ではなかったが、今
では風通しの良い場所で、フィジビリティー調査の対象とならない所はない」ことを
強調している。
一方、フラマン地域では、2004 年末にゲント港で 11 基の風力発電機(高さ 97m、
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ローターの直径 71m)の設置工事が始まった。これは、ベルギー第 2 の電力会社 SPE
の推進するプロジェクトで、最終的には 50 基の風力発電機を設置するというもの。
2004 年 2 月に建設許可が、同年 4 月には環境許可証が発行された。このプロジェクト
では、試験的にまず 11 基の風力発電機が設置される。2005 年 4 月には設置工事を終
える予定で、1 万 2,500 世帯に電力を供給することになる。
なお、ベル ギーにも近 々、次世代 の風力発電 機 WARP(Wind Amplified Rotor
Platforms)が導入される。米航空宇宙局(NASA)が特許を持つこのシステムは、米
国ではもっぱら電気通信用に利用されている。WARP は、巨大なローターを必要とせ
ず、電気通信用のアンテナやソーラーパネルを装着することもできる。従来の風力発
電機よりも多くの電力を供給できる上、企業、ホテル、病院など WARP が設置されて
いる場所では、生産されたグリーン電力を直ちに使用できる。設置許可取得に要する
期間も、巨大なローターを持つ従来の風力発電機よりも遥かに短くて済む。
ベルギーでは、VR&Tech 社がベルギー、ルクセンブルク、アフリカでのライセンス、
欧州全域での販売代理権を取得した。最初の WARP はこの春にもブリュッセル首都圏
の Anderlecht に建設される Ikea(家具大規模小売業)の新店舗の敷地内や、ワロン
地域の Andenne にある Interagri 社に設置される。
ブリュッセル首都圏政府は、Ikea での WARP の利用状況を見守るとしており、
WARP の導入が、ベルギーでの風力発電の利用促進に拍車をかける可能性もある。
以上
(参考資料)
ワロン地域政府(アントワーヌ大臣の web サイト):
http://www.andre-antoine.be/dossiers/dossiers.php?id_dossier=66
http://www.vrtech.be
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