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現代社会 行政機関としての内閣
現代社会 ラジオ 学習メモ 60 国会・内閣・裁判所 行政機関としての内閣 講師:杉 田 敦 学習のねらい 国会議員から選ばれた内閣総理大臣が中心となって、内閣を組織 する。内閣は法律に基づいて行政を行うほかにも、さまざまな役割 を果たす。内閣の権限を強化することを目的に、改革が進められて きたことを理解する。 内閣の成立 実際に政策を実施することを行政という。 行政の最高責任者である内閣総理大臣(首相)は、衆議院議員の 中から、国会で指名される。こうして選ばれた内閣総理大臣が、さ まざまな大臣を任命し内閣が組織される。もしも衆議院が内閣のや り方に不満をもち、内閣不信任を決議した場合には、内閣は総辞職 するか、または首相は衆議院を解散する。このように議会による信 ▼ 任の上に内閣が成り立つ制度を、議院内閣制と呼ぶ。 内閣の権限 内閣は、国会が決めた法律や予算にしたがって、さまざまな政策 を具体的に実施する。それぞれの省庁の官僚を監督することも、大 臣の重要な役割である。 内閣は、法律を補うものとして政令を出すことができる。そのほ かに、国会の召集・解散などを天皇が「国事行為」として行う際に、 内閣の助言が必要となるし、最高裁判所長官の指名なども内閣が行 うことになっている。 内閣の権限を強め、官僚への指導力を強めるため、内閣府の設置 をはじめ、一連の対策が進められてきた。 行政改革 こうした内閣機能の強化との関連で、2001 年には大きな行政改 革が行われ、いくつかの省庁の統合などがなされた。これは、いわ ゆる縦割り行政への対策とされたが、その一方で、多くの行政課題 に対して、少ない数の省庁で対応できるのかという疑問も出てきて いる。政治家が副大臣や政務官などの形で省庁に入るという改革も 行われ、政治主導の実現に向けて努力がなされている。 − 60 − 高校講座・学習メモ