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水ぼうそうの話
水ぼうそうの話 平成26年10月1日より、水ぼうそう(水痘)ワクチンが定期接種化されました 平成26年10月1日より、水ぼうそう(水痘)ワクチンが定期接種化されました。 年10月1日より、水ぼうそう(水痘)ワクチンが定期接種化されました。これ に伴い、対象者は無料で水ぼうそうワクチンを接種できます。 水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス科)によって起こる急性の 伝染性疾患です。水痘帯状疱疹ウイルスの感染力は強力で、麻疹ウイルスには及び ませんが、風疹やおたふくかぜのウイルスよりは強いとされています。飛沫核(空気) 感染、飛沫感染、接触感染のあらゆる経路でヒトからヒトへ ヒトからヒトへ感染 感染します。 ヒトからヒトへ 感染 感染すると2週間程度の潜伏期間の後、子供では通常、発疹で発症します。大人 は、発熱や倦怠感を伴うことがあります。発疹は、全身性でかゆみを伴い、紅くなり (紅斑)、盛り上がり(丘疹)、短時間で水ぶくれ(水疱)を形成し、その後、水疱が破れ てカサブタを作ります(痂皮化)。新しい発疹の出現は数日間続きます。発熱は 37℃ 台のことが多く、倦怠感や掻痒感を訴えることもあります。1 歳以下の乳児や 15 歳以 上の患者は、重症化し、皮膚の二次性細菌感染、脱水症、肺炎、髄膜炎、脳炎等の 合併症を起こす頻度が高くなります。大人の場合、発疹の痕が白くなること(白斑形 成)があります。治療は、発疹への軟膏塗布や抗ヘルペスウイルス薬投与が一般的 に行われます。幼稚園、学校等は 幼稚園、学校等は出席停止扱いになるため、すべての発疹がカサブ 幼稚園、学校等は 出席停止扱いになるため、すべての発疹がカサブ タになるまで通園・通学 タになるまで通園・通学が 通園・通学ができません。 水ぼうそうが治っても水痘帯状疱疹ウイルスは完全にいなくならず、体内の神経節 (神経細胞が集まった所)に潜んでしまうことがあります。水痘帯状疱疹ウイルスに対 する免疫が働いているときは、神経節に潜んだウイルスは増殖できませんが、加齢、 、加齢、 ストレス、過労等で免疫力が低下した時、潜んでいる水痘帯状疱疹ウイルスが活性 化して神経節から延びる神経に沿って神経 に沿って神経線維 線維や皮膚を攻撃 や皮膚を攻撃しながら増殖します。 化して神経節から延びる神経 に沿って神経 線維 や皮膚を攻撃 しながら増殖します。 これが「帯状疱疹」 「帯状疱疹」です。皮膚を攻撃すると水疱を形成し、神経を攻撃すると激しい痛 皮膚を攻撃すると水疱を形成し、神経を攻撃すると激しい痛 「帯状疱疹」 みが生じます。水痘に罹患し50歳以上の方に発症することが多く、6~7人に 1 人発 みが生じます。 症すると言われています。帯状疱疹の予防のため、50歳過ぎに水痘ワクチンの追加 接種が推奨されています。水ぼうそうの免疫力は罹患後20年ぐらいで低下してくるた め、最近は20 代、30代での発症も珍しくありません。また、小児期に帯状疱疹が発 症するケースもあるので注意が必要です。 水ぼうそうの予防には、水痘ワクチンの接種が必要です。水痘ワクチンを 1 回接種 水ぼうそうの予防には、水痘ワクチンの接種が必要です。 しても15%ぐらいの人は、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫が十分に上昇しない ことがわかっています。これらの人が、水痘帯状疱疹ウイルスに感染しても重症化す ることはほとんどありません。しかし、軽症の水ぼうそうでも人に感染させる力はある ため、カサブタになるまでは通園・通学はできません。(その間、両親のどちらかは仕 事を休む必要があります) 水痘ワクチンを2回接種すると、1 回の接種で水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫 が十分に上昇しなかった15%の人のうち、85%の人が水痘帯状疱疹ウイルスに対 する免疫が上昇することが期待できます。そのため、水痘ワクチンを2回接種すると、 接種者の97%以上は水痘帯状疱疹ウイルスに対する十分な免疫を獲得できること になります。全人口の97%が水痘帯状疱疹に対する十分な免疫を持っていれば、国 内での水ぼうそうの感染は抑え込めると考えられています。 水痘ワクチンの接種方法は、1回目の接種と2回目の接種の間隔を数年あけるア メリカ方式と1回目の接種と2回目の接種の間隔を3~6か月と短いドイツ方式があり ます。アメリカ方式は、麻疹・風疹ワクチンの2回接種と同様に2回目のワクチン接種 により、免疫がより強固になることを期待しています(ブースター効果)。今回、日本で 今回、日本で は“水ぼうそう輸出国”という汚名返上のため、早急に低年齢層の水痘患者を減少さ せる必要があり、水痘ワクチンの予防効果を確実なドイツ方式による2回接種を採用 せる必要があり、 水痘ワクチンの予防効果を確実なドイツ方式による2回接種を採用 しています。今後、低年齢層の水痘患者が減少し、“水ぼうそう輸出国”の汚名が返 しています。 上できた場合は、水痘ワクチンの接種回数や接種時期の見直しがあるかもしれませ ん。 水痘ワクチン接種後の帯状疱疹罹患者の報告もみられていますが、その頻度は、 水痘感染後に比べて、稀であると考えられています。(現在、正確なデータはないた め、詳しくは、今後の疫学調査を待たなければいけませんが) 水ぼうそうから子供たちを守るため、1歳過ぎたら早急に水痘ワクチンの接種をお 勧めします。 2014年10月 ハロークリニック 新井克己