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第12回大分県地域医療研究会 - 大分県地域医療研究会

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第12回大分県地域医療研究会 - 大分県地域医療研究会
第12回大分県地域医療研究会
抄 録 集
期臼
平成4年2月15日(土:
9:00∼17:00
会場
大分県看護研修センター
大分市寿町2番6号盃(0975)37=2146
主催
後援
大分県地域医療研究会
大 分 県 保 健 環 境 部
大 分 県 医 師 会
大分県自治体病院開設者協議会
(社)大分県看護協会
ごあいさつ
大分県地域医療研究会代表
児玉俊一
(大分県立三重病院院長)
第12回大分県地域医療研究会の開催にあたり,研究会の代表として
ご挨拶致します.昭和56年2月の第1回研究会の開催以来、毎回、多数
の演題を寄せていただき、また、ご多忙中にもかかわらず、多数の参加
をいただき、こうして盛大に研究会を開催できることを代表者として心
より感謝申し上げます。
今回の研究会は御案内の通り,昨年に引き続き、「Quality of Life」を
メインテーマといたしました.近年,「延命の医療」から患者のQuality
of Lifeを考えた医療への転換が叫ばれており,地域医療においても重要
な課題となっております. Quality of Lifeの向上には,保健・医療.福祉
の統合が不可欠であり,職種を超えた意見交換と連携により,より良い
地域保健医療の展開を目指してきた本研究会にとっては,まさに機を得
たテーマと言えましょう.今回も、在宅ケアやターミナルケアにおける
Quality of Lifeを検討した演題が10題寄せられており,大いにその成果が
期待されるところです.
特別講演には行動科学の日本の第一人者である筑波大学健康管理学の
宗像恒次先生ををお招きし,「セルフケアの援助技法」と題して講演を
いただくことになっております.更に,分科会では,在宅ケアにおける
Ⅷコ,ターミナルケアにおけるいご,医療従事者の燃え尽き現象につい
て,更に議論を深めていただきたいと思います.
1日と短い日程ではありますが,明日からの活動に向けてのプロダク
トが参加者一人一人の胸の中に得られることを願って,挨拶を終りたい
と思います.
目
主欠
御挨拶
大分県地域医療研究会代表
児 玉 俊 一
日
程
毒
開却
1
. 開
栗
巨一
言
一
来賓祝辞
20)
(9:00∼9
大分県地域医療研究会代表
大分県立三重病院院長
大分県保健環境部長
児玉
内田
大分県医師会長
畑
俊一
賢一
一郎
2 . 一 般 演 題 発 表 会 場 : 3 階 綱 堂 ( 9 : 2 0 ∼ 1 0 : 2 0 )
座長:大橋明耶馬渓町山移診療所所長
(1).「超音波検診による早期乳癌発見を目指して」………………・…・………・…・……………・……………………1
甲 斐 真 由 美 大 分 県 農 村 健 康 管 理 セ ン タ ー
( 2 ) . 「 病 棟 内 感 染 防 止 へ の 取 り 組 み 一 鮒 子 立 てと 包 交 車 の 汚 染 状 況 実 態 調 査 一 」 … ・ … … … … … … 4
龍 口 栄 子 東 国 東 地 域 広 域 国 保 総 合 病 院
(3).「老人保健施設退所者の追跡調査」…………..…・…・…・………………・…・…・…・………………………..…………6
輪 田 順 一 老 人 保 健 施 設 陽 光 宛
(4).「在宅酸素療法患者の退院指導­2症例を振り返って­」………………………………・・……………Q
日
野
智
子
大
分
健
生
病
院
(5).「高齢者の術後せん妄の検討」……・……・…・……・…・……………………・………………・………………………・…・12
田 向 久 美 子 大 分 県 立 三 重 病 院
(6).「結核の意識調査を行って」………・……………………………・………・……………・…・…・…・…・……・……………・15
小
野
治
美
大
分
県
日
田
保
健
所
3 . テ ー マ 演 題 発 表 ( 1 0 : 2 0 ∼ 1 2 : 0 0 )
座長:水口洋子国東保健所婦長
(7).「アルコール依存症患者と,その家族への支援について」…・………………・……・……………・……・…・・20
田 由 美 大 分 県 日 田 保 健 所
(8).「リハビリ意欲に影響を及ぼす要因一患者の潔識に近づいたアプローチ」..……………………24
金
崎
美
和
大
分
県
立
病
院
(9).「退院後の生活指導を考える­家庭介護に対する退院のしおりを作成して­」……………・・29
岩 本 正 子 山 香 町 国 保 総 合 病 院
(10.「高齢者の健康を支える活動についての­考察」…………・……………………・………………・…………­32
伊 南 富 士 子 真 玉 町 役 場
(111.「要介護老人の支援システムづくりに向けての検討」…………………………・…・…………………………37
阿
南
泰
代 大 分 県 高 田 保 健 所
座長:大神貴史玖珠保健所所長
( 1 2 ) . 「 無 床 小 規 模 診 療 所 に お ける 老 人 の Q O L 向 上 を め ざ し た ミニデイ サ ー ビ ス の 試 み 」 … … … 4 0
長 野 佐 知 子 天 心 堂 よ し の 診 療 所
(13.「在宅ケアを支えるデイサービスの役割」…………………・……………………・……・…・…・……………………44
今
木
貞
美
姫
島
村
診
療
所
(14).「医療,保健,福祉の連携一在宅療養者への支援一」…・・………………………………・………………・46
田 沼 博 之 天 心 堂 在 宅 医 療 事 業 部
(19.「地区組織の連携と活性化への取り組み一健康づくりリーダー活動促進事業一」………・…48
隅 千 里 大 分 県 日 出 保 健 所
( 1 6 ) . 「 老 人 保 健 施 設 の 地 域 的 取 り 組 み WA C 法 に よ る 健 康 長 寿 の 町 づ く り 事 業 を 中 心 に 」 5 1
高
椋
清
老
人
保
健
施
設
創
生
園
4.ランチョンセミナー会場:第1研修室(12:10∼12:50)・……………………・…………・…55
『保健活動におけるパソコンの応用』講師:藤内修二大分県立三重病院小児科
5 . 特 別 講 演 『 セ ルフ ケ ア の 援 助 技 法 』 ( 1 3 : 0 0 ∼ 1 4 : 5 0 ) … … … … … … … … … … ・ … ・ … … 5 9
­行動科学的アプローチー
講 師 : 宗 像 恒 次 筑 波 大 学 助 教 授 司 会 : 児 玉 俊 一 大 分 県 立 三 重 病 院 院 長
6 . ワ ー ク シ ョ ップ
会場1(1)在宅ケアとQOL
( 1 5 : 0 O∼16
講師:新津 ふ み こ
座長:志賀 和 子
50)……………………………………67
(新宿ケアコーティネーション研究所)
(大分県立三重病院総婦長)
会場2(2)医療従事者の燃え尽き現象司会:藤内修二(大分県立三重病院小児科)…..…72
助言者:宗像恒次(筑波大学助教授)
会場3(3)ターミナルケアとQOL­癌患者への医療一
①患者家族から見た終末期医療の現状司会:坪山明寛(大分県立三重病院副院長)………75
②終末期癌患者への看護「死亡退院サマリーの監査結果から」
③終末期癌患者への宗教の関わり発言者:岡村君香(大分記念病院)
④東海大学医学部付属病院事件と『仏教が教えるQOLとは』
癌 患 者 の 医 療 発 言 者 : 田 畑 正 久 ( 東 国 東 広 域 病 院 )
6.閉会式
7.懇親会ワシントンホテル
16:50
(17:30∼19:30
会 蜜 を 無 料 と し ま し た 。 御 自 由 に 参 加 してく だ さ い 。
貧 善 1 2
E 。 大 ラ ヲ ー 県 士 也 域 E 屋 疲 笑 石 汗 究 全 日 弔 呈 表
8:30
受
付
開
始
9
:
0
0
開
会
式
9:20
一
般
演
題
発
表
10:15
休
鴬
10:2C
テ
ー
マ
演
題
発
易
12:0C
昼食ランチョンセミナー保健活動におけるパソコンの応用12:10∼12:5(
13:0C
特 別 講 演 『 セ ルフ ケ ア の 援 助 技 法 一 行 動 科 学 的 ア プ ロ ー チ ­ J
講師:宗像恒次(筑波大学助教授)
14:5(
休
憩
移
動
15:0C
3
階
講
堂
第 1 研 修 室
在宅ケアとQO 1
医療従事者の
燃え尽き現象
第
会
式
17:0(
17:3C
懇 親 会 ワ シ ン ト ン ホ テ ル
19:30
研
修
室
タ ー ミ ナル ケ ア と Q O 1
­癌患者の医療一
16:5C
閉
2
一
般 演 題
ー
フー
­
マ
演 題
走登音波検診 ご』こる早其月芋L渠壷
発 見 を 目 才 旨 L = て
大分県農村健康管理センター
○甲斐真由美深田絵里渡辺晶子井上裕美子
津野真澄曽我佳代松尾静子菅野信子
小野洋子中村恭世飛田公博坪井峯男
lはじめに
大分県農村健康管理センターでは、昭和57年より
総合健診の一環として、視触診法による乳癌検診を
開始した。また、より早期の乳癌発見のため、平成
元年度より乳房超音波検査法を導入、同年10月より
巡回乳癌検診を実施してきた。
今回、乳房超音波検査を:.、り返り、その意義、検
診体制、自己検診の啓蒙について、検討したので報
告する。
2方法及び結果
平成元年度より平成3年9月までの2年半の乳癌
検診者は、16,302名であった。(図1)
検診手順は、図2に示す。視触診と乳房超音波を
併用して、スクリーニングを行い、悪性腫癌が否定
できない有所見者と乳汁分泌者に対しては、検診当
日に二次検査である細胞診を行う。
受診者16.302名の内、二次検査が必要とされたの
は444名(2.7%)であり、 刺吸引細胞診、あるい
は、乳頭分泌細胞診が施行された。その内、精密検
査を勧めたのは、42名(0.3 %)であり、精検受診
率は100%であった。その結果、乳癌と診断された
のは15名で、癌発見率は、0.09%であった。mi)
15名の年齢は、60代が9名、40代3名、30代2名
50代1名の順であった。年代別癌発見率は、60代が
0.19%、30代が0.18%と高く、50代が0.02%と低い
結果となった。
3考察
①乳房超音波検査についての検討
発見された乳癌15例の大きさは、T,が13例、Tzが
2例で、T,に関しては、1 era以内が7例、Ico以上
が6例であった。また、T,13例の内しこりを触れず
乳房超音波検査のみ所見の認められたものは4例で
あった。(表2)つまり、この4例については、触
診では乳癌でないと診断されたのである。
この4例のエコー下での 刺吸引細胞診の結果は
classⅣ∼Vであった。
細胞診がclassHである症例も2例(9皿とlOmm)
あり、これは超音波所見で悪性が疑われため、生検
にて乳癌と診断された。
­ 1 ­
このように、触診法に超音波検査を加えることに
より乳癌検診の精度を高めることが可能になる。特
にTi症例の、それも1 cm以下の乳癌発見には、是非
取り入れたい検査法と考えている。
また、図3に示すように非定型的手術(縮小手術
)例/定型的手術例は、12例/3例であり、大部分
が侵襲の小さい根治術であった。
乳癌患者の術後のQOLを考えるとき、stageが
術式を決定する最重要ファクターである以上、より
小腫癌の段階で発見することの重要性は強調される
べきである。
②自己検診についての検討
早期の乳癌を発見する手段として、乳房の自己検
診も重要である。乳癌と診断された15名のしこり
の大きさと自覚の有無について、表3に示す。
しこりを自覚していたのは、4名で、1名は2 cm
を超えるものであった。無自覚者からのスクリーニ
ングが、検診の本来有るべき姿と考えると、この4
名はしこりを自覚した時、直ちに専門医を受診すべ
きだったといえる。早期乳癌治療に結びつけるため
にも、異常を自覚している者には、早期診断を勧め
ていく必要がある。
また、しこりを自覚していなかった11名の内、
検診時、触知できなかった5例を除くと、残り6例
は確実に触知できるしこりと考えられる。この6例
の内、自己検診を実施していたのは2例で、その大
きさは、1.8 cm∼2.0 cmと比較的触知可能な大きさ
であった。これは、自己検診の感度に対し、幾分、
疑問を感じさせる結果であり、正しい触診法の教育
の必要性が痛感させられる。
自己検診の実施率について、過去2年半の受診者
21,108名を対象に調査したところ実施率34.3%と低
率であった。また、乳癌検診の受診歴ある者とない
者とで比較してみると、その差はみられなかった。
(図4)検診時の自己検診の指導について、その方
法をさらに検討する必要があろう。
乳房の自己検診は大切であるが、しかしそれは、
中間期乳癌を発見するための検査としてであり、定
期的な専門医による乳癌検診を受けることが、より
重要である。
4まとめ
①総合健診受診者と市町村住民、農協組合員の希望
者16,302名に乳房超音波検査を実施。その結果、
乳癌患者を15人発見し、発見率は0.09%であった。
非定型的乳房切除術(縮小手術)は12例に施行さ
れた。
匹
画
視触診H超音波検査
「
­
回
②非定型的乳房切除術(縮小手術)例の内7例は、
1cm以下の小乳癌であった。発見方法として超音
波のみが有効であったのは4例であった。
I
要浦密
瓢¦・憧曲
異常なし
回
図2オ全査弓三川頁
40-憲繍
3
0
.
25。
o』_̅茄祷
(Class II以下
一
へ
C l a s s Ⅲ 以 上 C l a ss H 以 下 だ か
超音波所見にて悪性疑し
45,堅
10
し
要輔密検査
(組織診)
④乳房の自己検診実施率は、34.3%と低率であった。
正しい自己検診は、中間期乳癌の発見に有効と考
えられ、今後も自己検診の必要性とその方法を更
に普及していきたい。
庁15
巽 鮒 な
良性疾胆)
1繭臆 ̅雨匝引・分泌) - 異 淋 放 し ­
過観察 -
③乳房超音波検査は、乳癌検診の精度を高めるのに
有効であつ た。特に、小腫癌の発見に期するとこ
ろ大であり、このことが、患者の生存率を高める
のみならず、術後のQOLを高めることにつなが
る
。
20.
一
字
4
9
Ⅱ
画
;
#¦ 聯
3 0 歳 4 0 歳 5 0 歳 C O 歳 7 0 歳 以 上
図1総受診者年代別割合
­ 2 ­
­
­
表1年度別糟検結果
後
1
H 2
¦ 刺吸引細胞診
125
1 36
跡 乳頭分泌物細胞診
!D
H
計
要 精 密 検 査
乳
H 3 (9月末
10(
36〒
3
3
世
7?
135
16g
14I
444
2 1 (0.皇
12(0.2
10(0.垂
42(03
.)
6
癌
結
4昨
1
5
5
■
ヂ
慢性乳腺症
l唇
2
1
2
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綴 維 腺 圃
4
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『
世
9
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そ
の
他
1
訳
1
異 常 な し
鱈
沌
2
5
0
2
さ
* ( ) は 要 精 検 率
翌2
聴鍾
̅1
表を
昼
触知不同
C IT
3:
触 知軍
計
4
、
7
­
孟
惑
通
、
̅1
­
1.1∼1.9cm
1
6
2 cm'
0
2
、.」、
0
自覚(-)
cn
自覚(+
6
1.1∼1.S c m
2
。
四
■
­
1
1
2 c m̅
15
1
­
l
】
に 鴛駕壷
硬 癌
充実腺管癌
充実腺管癌
図3発見乳癌1 5例の術式
% する
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100震罰しなし
受診歴あf-
受診歴なし
図号
­ 3 ­
2
誼
Ⅱ
I
卓
r
F
■
ご
ヲ茜棟内』謀染防ユヒジーの耳又り糸且み
(鮒子立てと包交車の汚染状況実態調査)
東国東地域広域国保総合病院4病棟
○龍口栄子山本典子松崎八代美
長野里美安田登美子
垂 ユ ウ 甘 子 立 て 汚 染 扶 混
1.はじめに
対
当院では中央材料室システムが確立され
て以来、私達自身が病棟で滅菌業務に関与
翼
一
箪
日
対 箪 後
一
日
一
一
魔
一
蝿
噸
一
》
|
一
する機会がなくなった。滅菌された器具は
24時間使用しているが病棟においてその
子立
麺
一
粒
一
清潔さは保たれているのだろうか。
今回私達は病棟に届けられて詰所内や包
表1は紺子立て汚染状況の対策施行前と
対策施行
2週間後の細菌培養の結果である。対策前
は黄プ菌が(十)∼(2+)で検出されて
いる。なかでも詰所内に置かれている注射
器紺子立てが(十)であった事は大変な驚
きだった。しかし対策後はすべての紺子立
てにおいて黄プ菌は検出されなかった。
4週間後にも細菌培養を行ったが、この
時もすべての鮒子立てにおいて同菌は検出
されなかった。
交車に設置されている紺子立ての清潔さを
評価するために、紺子立ておよび包交車か
ら細菌培養を行ってみた。
の結果紺子立ておよび包交車から黄色ブド
ウ球菌(以下黄プ菌)が検出された。
そこで病棟での管理の不備を改善するた
めにこれらの器具の取扱手技について幾点
かの見直しを行い改善が得られたので
ここに報告する。
垂
2.調査期間・対象・方法
Z
包
交
率
汚
翠
斗
犬
浬
露諦読
調査期間:平成3年9月11日∼11月19日
対象:紺子立て(3個)、包交車
(2台)
方 法 : 綿 棒 スワ プ に て 採 取
食塩寒天培地、分離培養
9ロ
毎
崎畠
堕紘
一
I
回
台
重体
{
0
表2は包交車汚染状況の対策施行後前と
対策施行後の結果である。包交車からは対
策後においても黄プ菌が検出された。なお
包交車の万能ピン(イソシン、ハイホアルコール、ヒヒテン、
アクリノール)の4種からは黄プ菌が検出されて
いない、という結果が既に得られている。
3.対策と実践
調査当初の汚染状況は予想以上のもので
あった。そこでスタッフにより対策項目が
検討された。
写真①:手洗い場にポスターを掲示するこ
とにより手洗いの徹底を行う。
4.考察
これまで滅菌器具の取扱いに関しては不
写真②:これは錨子を持つ位置に問題があ
ると考え注射器の把持は鍋子ではなく注射
器鮒子で行うこととする。
写真③:オムツ交換時に使用する包交車と
I VH挿入時などに使用する包交車を別と
する。
写真④:処置時は清潔側と患者側に分けて
子を使用する。
写真⑤:交換時は7 0%アルコールで拭き、
置き場所を配慮し常時カバーを使用する。
なおカバーば週3回交換する。
信感を抱く事無く、既存のマニュアルに
従ってきたのみであったが、今回の調査の
結果では、それだけでは器具の清潔さは保
たれていない事が判明した。しかし手洗い
の徹底という各自の注意や紺子立ての取扱
の見直し等を行う事により成果を得た。
今回の調査でらは包交車からは対策施行
後の再検査でも黄プ菌が検出されたが、鮒
子立てにおいては検出されなかった事は大
きな成果であり、同時にスタッフの清潔に
­ 4 ­
対する認識に対する認識も高まったと思わ
れる。
4.終わりに
今後定期的に細菌検査や学習会を行い、
当院に設立されている感染委員会とも連携
を取りながら残された問題に取り組んでい
こうと思う〈
多くの病院で取り上げており、看護におい
ても重要な課題のひとつである。その中で
耐性菌の出現や院内感染をめぐる問題は
私達は今回の調査を通して、感染防止への
足掛かりとしては常に看護の基本を振り返
る事も大切である事を改めて考えさせられ
た
。
­ 5 ­
表1.退所先と基礎疾患(人)
鯛
綱
鵬総
老年痴昇
自
弓
2
3
7
7
医療機8
10
1
8
9
社会福祉鵬
1
2
1
0
8
施設内死亡
ー
■ ■ ■
その他
25
会福祉施設に入所した群にはいなかったが,医療機
関に入院した群の中に2名認められた。これらの結
果は入所中に積極的に離床させることによってAD
Lの改善力 40%に認められ介護をする上での負
担を軽くさせることができると考えられた。また自
宅へ帰った群でBランク以下の者と痴呆状態にあっ
た者が31名あったことは今後在宅ケアを支えてい
く場合に考慮すべきことである。
図2.入所時と退所時のADLの測上
a、自宅に帰った群(n = 98)
1
繍繍
宅に帰った群および医療機関に入院した群に比べ社
会福祉施設に入所した群の入所期間力混くなってい
た。これは社会福祉施設に入所した群では在宅ケア
の継続困難な例や独居老人が多かったことによると
思われた。
蝿
b.医療機関に入院した群(n = 43)
­14­29­89­179180­
繍繍
図1.入所期間(日)の分布
図2に自宅に帰った群,医療機関に入院した群,
社会福祉施設に入所した群について入所時と退所時
のADLの変化を示した。入所時でのADLのラン
ク分布を3群で比べると自宅に帰った群はランクA
が他群に比べると有意に(P<0.01)多く,ま
た医療機関に入院した群と社会福祉施設に入所した
群は類似していた。退所時のADLの変化を見ると,
自宅へ帰った群ではランクBからランクAへ改善し
た者はで5名,ランクB2からランクBlへ改善し
た者が2名,ランクCからランクB以上へ改善した
者は6名であった。これらの合計13名は入所時に
何らかの介助が必要であったランクB以下の31名
中42%であった。社会福祉施設へ入所した群では
ランクBからランクAへ改善した者は1名,ランク
B2からランクBlへ改善した者は4名,ランクC
からランクB以上へ改善した者は4名であった。こ
れらの合計9名は入所時何らかの介助が必要であっ
たランクB以下の24名中の37%であった。入所
期間中にADLが低下した者は自宅に帰った群と社
蝿批
A1A2B1B2C1C2
­ 8 ­
D
在宅酸素療法患者の退院指導
­2症例を撮り返って­
大分健生病院2階内科病棟
O日野智子・佐藤真知子・森晴美
管比都美・佐藤みゆき・衛藤絹代
Ⅲ、退院指導の実際と退院後訪問
はじめに
1指導内容の項目
(1)日常生活パンフレット
.なぜ酸素が必要か一疾患のはなし
、酸素の取り扱いについて
、呼吸訓練の必要性とその実際
・日常生活の送り方(薬、食事、感染防止、他)
・療養日誌のつけ方、脈拍のはかり方
、緊急時の対応について
.まとめ
近年、在宅酸素療法Hcie Oxygen Therapy (以
下HOTと略す)は、医療の進歩と機器の改良によ
り、急速に普及しつつある。またHOTは、慢性呼
吸不全の患者に対して、治療及び患者のQuality
of lifeの向上に効果をあげている。
当院では、1986年4月に保険適応の指定病院となっ
たが、当初1名のHOT塁者を経験したのみであっ
た
。
今年、2症例のHOT適応患者が同時期に入院し
てきたことにより、退院指導を行ったが、指導マニュ
アルが不十分であり、かなりの時間を要した。その
ため、指導が効果的に行えたかの評価の目的で、退
院後訪問を行った。
今回、この2症例を通し、指導内容の検討をし、
マニュアル化に至ったので報告する。
(2)呼吸訓練の内容
・理学療法師より実際に指導を受ける。
(呼吸法.腹筋・闇腰筋・下肢筋力)
、日常的には、看護婦が訓練状況を把握し、指導
にあたる。(理学療法・歩行訓練)
(3)ビデオ学習
.「酸素と共に豊かな人生を一在宅酸素療法」の
ビデオ(25分)学習、第1巻一闘う仲間たち
第2巻一在宅酸素療法
I . 方 法
(1)退院指導の実際を握り返る。
(2)退院後訪問(退院後6ヶ月)
(3)退院指導のマニュアル作成
2退院指導の実際
(1)T.
[1)T、A氏の退院指導の実際
1990. 12月
25日入院・気管内挿管
月
1991. 1
2
月
1日自宅で使用する酸素榎器
を導入
23日パンフレットの指導開始
3月
6日リハビリ・歩行訓練開始
21日呼吸器感染により
4
月
気管内再挿管
6日指導再開・パンフレット
療養日誌開始
ビデオ学習2回
5
月
14日まとめ
17日退院
Ⅱ、症例紹介
(1)T、A氏71才男性
入院期間 1990年12月25日∼1991年5月17日
病
名 塵肺・慢性呼吸不全・肺性心
過敏性大腸炎
性
格 神経質で我慢強く遠塵深い
同居家族 妻と二人暮し・子供なし
入院経歴 1988年10月に呼吸困難で当院入院後、
今回までに5回の入院経験がある。
一
(2)K.
I氏69才女性一
入院期間 1991年2月13日∼1991年6月22日
病
名 慢性呼吸不全(TBにより左肺切除)
肺性心・うつ病
性
格 神経質で依頼心が強い
同居家族 夫と二人暮し・娘が3人いる
入院経歴 1990年1月に呼吸困難で当院入院後、
今回までに3回の入院経験がある。
●
一
入院1ヶ月後より症状が安定し、HOT導入につ
いて医師より説明がある。当初、本人はもとより妻
も酸素を自宅で使うことに不安を訴えた。しかし、
再三の説明と、自宅で使用する同機種の酸素穣器を
­ 9 ­
2月に実際に使用することになってから、徐々に受
け入れるようになる。
はじめは、パンフレットを中心に、妻と同時に指
導を行っていった。その後、呼吸訓練と携帯酸素を
使用しての歩行訓練を開始した。歩行訓練には必ず
看護婦が付き添い、訓練計画表を用いて行った。ま
た、時間も外来通院を考恵して、最長15分間を目安
に徐々に延長していった。
自宅が市営住宅の3階であることから、階段昇降
困霊なため、当院MSWに相談後、市の民生員の支
援を受け、入院中に1階に転居する。
3月21日に、呼吸器感染より呼吸不全を増悪し、
気管内挿菅となる。そのため、訓練は一旦中止する
ことになる。しかし、これを機に、自己の症状把握
と変化を早くみつけるために、療養日誌をつけるよ
うに指導する。
病状が回復すると同時に、再度指導を行っていっ
た。5月17日に退院する。
1
別K
9別
1
a退院6ヶ月後の状況(退院後訪問)
(I)T,A氏
I氏の退院指導の実際
2月
13日 入院
3月
2
日 呼吸・歩行訓練開始
4月
6
日 ビデオ学習2回
19日 自宅で使用する酸素綴器
5
月
を導入
3
日 パンフレットの指導開始
22日 まとめ
6
月
22日退院
(2)K・I氏
呼吸状態安定した時点より、呼吸訓練・歩行訓練
を開始する。入院当初より、抑うつ傾向にあり「何
の楽しみもない。生きていてもしかたがない」など
の発言がよく聞かれ、「生きる目的もなく(退院し
ても)大丈夫だろうか」と涙ぐむことが度々あった。
そのため、主に受け持ち看護蝿が指導にあたること
にし、できるだけ本人の気分にあわせ進めていった。
また、視力低下と記銘力の低下があるため、指導に
は必ず夫も参加した。視力低下のついては、パンフ
レットの文字を大きくするなど工夫した。
HOT導入について、医師より説明したが、在宅
での呼吸困難時の不安が強くあった。しかし、歩行
訓練などのリハビリにより、体力に少しづっ自信が
もてるようになったことと、夫の積極的なかかわり
により、本人も徐々にではあるが、前向きに取り組
むようになっていった。
歩行訓練には携帯酸素を使用し、看護婦の付き添
いのもとで、訓練計画表を用いて進めていった。
また、自宅で使用する同機翻の酸素機器を4月よ
り実際に導入し、酸素機器取り扱い業者にも直接説
明してもらったり、看護園がくり返し指導していっ
た
。
退院の日時が具体的になったから、呼吸困難の訴
えが多くなったものの、看護蝿が訴えをよく聞いた
り、同室患者よりの励ましもあり、自分より退院の
日時を決め、6月22日に退院した。
呼吸器感染症による呼吸不全増悪により8月7日
より1ヶ月再入院した。
10
参考文献
Ⅳ、考察
HOTは、慢性呼吸不全の患者が、酸素を吸うた
めだけに病院のベッドにいることから開放され、自
宅で療養生活を送ることが可能となり、生活の質(
QOL)を高めて来た。安全で円滑に日常生活を送
るには、入院中の日常生活指導が重要になってくる。
患者指導では、家族の協力が大切となるが、今回
2症例共に、配偶者が翻極的にかかわり、患者の支
えとなっていった。
特にK. I氏は、抑うつ傾向と視力障害により、
闘病意欲も低下していたが、夫と一緒に指導受ける
ことにより、安心感と変わり、HOT導入を受け入
れるようになったと考える。しかし、依存心が強く、
すべて夫任せになりやすいので、自分でやれる家事
は、できるだけやったほうが良いことを体力維持と
絡め指導をしていった。Louise M.Nctt氏は、「
患者教育の目的は、QOLを向上させることにあり、
退院後、患者さんが生活の場にどれだけ参加するよ
うになったかということがひとつの評価になる」と
いっている。今回、退院後訪問により、K. I氏の
日常生活での夫への依存心は、あまり変わらないよ
うに感じた。しかし、表悩が明るく活き活きとして
いる犠子をみることにより、この人なりのQOLが
得られたのではないかと考える。
T. A氏は、遠慰がちな性格のため、医療者側に
自ら質問をすることが少なく、理解度を把握ことが
錘しかった。しかし、退院後は毎朝5時に起床し、
一日も欠かさず運動し、日課表に基づいて規則正し
い生活を送っている状況から、退院指導が効果的で
あったと考える。
また、呼吸器感染を併発し、再捜菅に至った後に
はじめた巌養日誌が、日常生活する上での基霊となっ
ており、外来との継続看護にも活用されている。
今回、当病棟において、はじめてHOT患者の退
院指導を行った。指導当初、医療者側もとまどうこ
とが多々あり時間を要したが、自宅での生活をでき
るかぎり考虚し計画していった。また、両氏ともに
高齢者の二人暮しであり、家庭復帰後の不安があっ
たが、家族を巻きこんでの指導を行うことにより、
想者の意欲につながり、退院後も支障なく生活でき
ていると考える。
退院指導を考えるとき、特に重要になるのが、患
者の立場に立った生活指導である。入院中の指導や
援助が、退院後に活用できるものでなければ意味が
ない。そのため、家屋の整備なども、できるかぎり
入院中に行うことにより、退院後の生活が、より円
滑に送られることになることを今回の症例より学ん
だ
。
V. ま と め
(1)2症例のHOT患者の退院指導と退院後訪問を
行った。
(2)2症例ともに、高齢者の二人暮しであったため、
家族にも同様に退院指導を行ったことが効果的であっ
た
。
(3)退院指導を考えるときは、患者の立場に立った
指導内容が重要であった。
(4)今後は、HOT患者の退院指導には、今回作成
したマニュアルを使用していきたい。
1)帝人株式会社在宅医療事業部:在宅酸素療法充
実への道. EXPEBT H皿SE. 1989年8月∼1990年
3月号.
2)弁野由美子他:在宅酸素療法患者のQOL評価
の試み,第22回日本看護学会(地域看護)収録,
日本看護協会出版会,2∼33, 1991.
3)川良奈都子:在宅酸素痩法患者の日常生活調査,
第5回九州呼吸療法悪話収録,1989,
­11­
高働者の術後せん妄の検討
大分県立三重病院
○田向久美子羽田野恵美子吉田優子
臼井好江三宮明美黒木百子
工藤勢津子
●
1,はじめに
近年、匿職支術確歩に伴い罷磯渚の手術件数は
軸Ⅱしている。中でも、術鶴剛に出環する術後
せんもう状鯛ま、刀唆、聴くX境、妄懇などの症
状を呈し、 爾、塔譲に対する患者の協力力鳴られ
なくなるために多くの問鋤挫じる。
今回、高齢昔の総せんもう噸状を調べ、その
要因及び予防的看護と対応について横制するためこ
の研究に取り組んでみた。
2,研暁方法
1)対象..、65才以上の…ト科、淵上識ト
零拝術患者235名中、術後せんもうの見られた患
者26名、
2)矧司..、平成元年1月から平成3年6月ま
で
。
3)当院の65才以上の軸患者を選び出し、術
後せんもうの見られた患者を下記の項目(口枠)に
分類し、各々の現状について比較検討を加える。
(表l参照)
雛嘩耀種溌譲瀧耀禽
3,分析及Z酷果
(表1)による分析の結果、術後せんもうが見ら
れた懲者から下記のような5つ峡通点力鳴られた。
1. 70才以上に多い
2.抑制がある
3.睡瞬瀧専がある
4.とう痛がある
5.独居老人や配偶者を失っている人がおおい
4,考察
1)分析癖、術後せんもうは、1.鐸の状
況の変化からくる不安、2.薬伽賞朔、3.手術か
らくる不安、恐怖感を表出できる相手がいない、な
どの軸白から現れる症状ではないかと考えた。
2)手術を行う繊な点
1.患者の社会的背景を知る
2.疾患や識に対する理解度を知る・・患
者のレヘルに合わぜて持働点滴などの使用される医
療用 説明需介、術 安静度、ペッド上排池、
鎮痛剤の紹介などα潤力強デモンストレーション、
オリエンテーションを行いイメージづけを行うこと
力泌要である。
この2つの事を今後当病棟でI鋪後せんもうに対
する予測的予防的ケアとして行い、十分な泡職1操
があげられるように、高齢者を対象とした術 耐後
のマニュアル作成をし、今後も継承して取り組んで
ゆきたい。
5,おわりに
老人と接する場合大砿認ま、老人のテンポに合
わせ、十分な観察をして心理状態を正しく把鰹し不
安…蝿度を知る事である。看護婦は愛情と
誠意と根気を持って接する事て懇者銅マ安、孤鯉
を表出させなけれI鐙らない。そうする鋤穏者と
看 の信棚係をより深いものにさせる事になる
と思う。
鍔文献
1)ツ澄正一「老人の術後蝿と対応」看護技
術19配1
, 月号
2)磁田ケイ子「老人看諏視点」看獅
19館,1月号臨鯛刊号
3)佐蝉職他「擁の噸を爵 するための
イメー燃蛎用j巻溌支術1知,明号
4)竹中星朗『老 のC理的雛とスタッフ
が寸応」老人醗燃、臨ホ渚護19卯,5月号
5)丸橋 子「回 鋤機づけ」 ホ増護
1982,5月号
6)風間三恵子他「老人の蔀の術前術御トー
タルケアのあり方」看鋤1982,1月号
7)大塚俊男「老人の心理」日椛床1981
8)最新鮮 医歯識拙版筒武会社
­12­
年
齢
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名
7
7
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不眠
十
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興奮不服
不眠
不眠
十
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一
十
表 1 詞 サ 後 せ ( " 妄 の み ら 才 し た 患 者 一 覧
表2術後せん妄をおこしやすい鴎
検歓騨
­
期
の
…
a、'噸の老化
ECG異常蛋白尿釦、白血 闇多
b、社会6噸Z磁化・・老 生活は役潔仰喪失と生活
高錘融碇電解質異常アルカローシヌ
環境の鋤、、虫奇鋤麺噸小とをり、社会間姥孤立
冒既誘篭
倒可をうみやすい
c、梨を内状況の変化・・子供という対象の消失、社会的
地位の喪失、収入の現象からの心睡併]翠、配僻昔、友
手振舞園
撒
その他
4BWI上救急手術総合紺
眠 瑠
人
によるホ 、悲哀、孤立感。
d、適随縄害・・老人になって起こる'暇酬聴、社会、
家 臓噸化力 人にとってはあらかじめ予想され
ず、かつ大きな変化として体験された場合、個人差はあ
高齢入院による環覚吸化確
# … … と う 痛 調 謡
るが、心
' 理的に変化をもたらす。
­13­
■
高齢者の術前オリエンテーション及びデモンストレーションチェックリスト
B
理解できた、実施できた◎
表
(
全
麻
)
日
付
け
/ / /
■
ほぼ理解できた、ほぼ実施できた○
理解できない、実施できない△
一
A 表 ( 腰 麻 、 局 麻 、 全 麻 ) 日 付 肘
/ / /
術前の呼吸訓畷1)腹燕乎吸、胸式呼吸の説明、練晋
2)深呼吸、鴫痩排出、吸入の必要性、練習
3)吸引の説明、吸引チューブの説明
4)肺機能検査の説明
■■■■■
■
■
術前術後の大まかな状態噸鯛
酸素マスク、モニターの説明
■■■■■■
■
#蝿1)バルーンカテーテル留置の認
2)床上排波の説明及び練習
雑の必要性の説明
■
Ⅱ■■■■
|
医
持続点滴感明、サーフロー針の説明、持続時間、必要性の説印
ー
オリエンテーション実施上の注意点
術後の病室の説明(特に個室やリカバリールームの場合)
■■■■
1)一方通行にならないように患者の反応を見ながら、また会話を通して理解
度を確認していく。
術後の安静度の説明(後療法の表も活用I
1)ベッド上安静の期間の説明
2)術後離床期及び食事開始時期の諦明
3)ベッド上リハビリ (大 四頭筋訓瞬等)の説明及び練習
4)ベッド上安静から自力歩行までの経過の説明
5)CPM.アブダクションピロー等の紹介及び必要性
2)実際に使用する便器、尿器、アプダクションピロー、スピードトラック牽
引等は患者の理解力、慨唯に合わせて説明する。
3)オリエンテーション中、患者の不安等の観察につとめ、術後せん妄の予防
につとめる。
一
4)説明過剰がかえって患者の不安の増強につながる事もある
5)術前のカンファレンスを通して、医療看護上の問題点を明確にし、具体的
とう痛1)術後の痛みに対する説明
2)鉱痛剤の説明
ー
な計画をたてて実施、評価する。
Ⅱ■■■■
麻酔1)麻酔法の説明2)前投薬の説り
一
術後処迩の説3
1)剃毛2)抗生剤テスト3)涜腸4)絶食
一
糖 オ 亥 の 毒 鯉 浅 副 司 査 を 子 子 っ ­ て
日田保健所
総 務 課 坂 本 秀 文 南 俊 光
保健予防課近田アヤ子大隈智子朝川福美
中根美由紀加来理香羽田多佳子
○小野治美 田由美小野朋美
はじめに
当管内では,これまで結核予防知職の普及に努め
てきた。しかし,管内の有病率及び 患率は,共に
S63年より増加傾向にあり.H2年は有病率95.6.
患率59.9であった。また,管内の定期結核検診平
均受診率は. H元年37.996で,大分県平均49.696と
比して低率である。なかでも日田市の受診率は. H
元年20.1%と県内で2番目に低い。
そこで 定期結核検診の受診率の向上と,具体的
な予防教育への展開のために,日田市2地区を選び,
結核に対する意識調査を実施した。その結果,今後
の具体的活動にいかせる考察が得られたので,ここ
に報告する。
1,研究目的
結核に対する住民の意餓を知る
工,研究期間及び対象,方法
期間平成3年6月19日∼11月20日
調査実施期間10月7日∼10月30日
対象日田市大鶴,石井地区に居住する20歳以上
の男女2460名947世帯
(男性1133名,女性1327名)
方法面接による聞き取り調査(訪問時不在者は
郵送によるアンケート調査)
回答者.669名世帯回答率50.4 %
互,結果及び考察
1,回答者の状況について(図1,2)
回答者を年代別にみると,60歳代が愚も多く,全
体の約25%を占める。男女別では,女性が圧倒的に
多く,男性の2倍を占める。
2,結核検診の目的について(図3)
40∼50懲代のほぼ全員が,検診が結核発見のため
である(「はい」)と,答えているものの,20∼30
歳代の24.8%の人が,知らない(「いいえ」)と答
えている。これは,検診に対する関心が,若い世代
の方がより低いためと考える。
3,検診の受診状況について(図4)
72.5%の人が,毎年,あるいは時々受診している
と答えており,27.5%の人が未受診であると答えて
いる。受診状況を年代別にみると,20∼30歳代は約
50%が受診しており,40∼50歳代では約70∼80%が
受診している。この要因として,20∼30歳代では女
性の未受診者が多いこと,逆に40∼50成代では女性
の受診者が増加すること,それに加え成人病検診と
あわせて結核検診を受診していることが考えられる
4,問い1と問い2の関連性について(図5)・
結核検診の目的を知っている(「はい」)と答え
た人の75.4%が受診していると答えたものの,知ら
ない(「いいえ」)と答えた人の56.7%が未受診で
ある。これは. X*検定の0.10%水準で有意差があ
った。このことより,検診に対する 織は,受診行
動に影響を及ぼす一要因であるといえる。ただし,
これを20∼30歳代の女性でみた 合,知っていると
答えた人の47.5%が検診未受診である。この年代の
女性では,妊娠や子どもの世話などの要因が,受診
行動に影響を及ぼしていると考える。
5,検診を受けない理由について(図6)
検診未受診の理由を整理してみると次のようであ
った。「健康に自信がある」「面倒」「忙しい」等,
受診する側の理由を未受診理由にあげた人が,64.
0%で域も多い。ついで.,「会場」や「日程」等,
検診の方法を理由にあげた人が,18.2%である。そ
の他,
病院受診を理由にあげた人が10.1%を占め,特に、
60∼80鯉代以降の人に多くみられる。以上より,未
受診の理由としては,検診に対する住民の考え方が
大きく影 しているといえる。
6,結核に対する意織について(図7,8)
全体の67.6%の人が,「治療すれば治る病気」と
答え,次いで35.4%の人が「人にうつる病気」と答
えている。蛍た, その他 では,「ガンの方が恐
い」と答えた人が24.3%おり,「治る病気」という
安心感が,かえって結核の伝染病としての恐ろしさ
を半減させているのではないだろうか。また,17.
3%の人が「昔の病気」と答え, その他 の中で
も,「昔は怖かった,多かった」等, 昔 という
言葉を口にした人が18.5%いた。これは主に60∼8
0歳代以降の人に多い。その反面「分からない」
「考えたことがない」と答えた人が.28.5%あり,
主に20∼30歳代の若い世代に多い。身近に結核患者
がいないこと,患者がいても経過の良い人が多いこ
とが,結核を昔の病気としてとらえ,現状の認識が
不十分であったり 関心を低下させる原因と移って
いる。さらに,成人病予防に重きがおかれ,結核の
情報が少なかったり,たとえ情報があっても,関心
の低さが,情報のキャッチを鈍化させる原因となっ
­15­
ている。
7,まとめ,今後の課題
以上より,結核に対する住民の意餓は低いこと力
分かった。そして,その問題点とし以下をあげる。
①、治るから という安易な気持ちと,健康だ力
ら結核にならないという油断が強い。∼感染症と
しての意織の低さ
②結核を昔の病気としてとらえている
③若い世代では検診そのものに対する意餓も低し
そこで,今後,結核に対する意職づけを今以上I:
効果的に行うことが重要になる。具体的には,鯛塾
対象地区に対して①地区の現状と,結核の正しい閃
職を掲載したリーフレットの作成②結核予防教室q
開催,等を計画している。さらに,これのみにとと
まらず,各ライフサイクルに応じた結核予防教室&
行い,より効果的な憎報提供をしていかなければ力
らない。また. 2030年代の結核根絶の積極的なPB
や,根絶に向けて今後重要な役割を担う若い世代ハ
の,重点的な関わりも必要である。そして,結核ヲ
防会,日田市など関係機関との連携を密にし,住目
と一体となった予防活動を検肘していきたい。
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おわりに
今回の調査により,結核の意賎づけの必要性と,
憎報提供のあり方について考える機会を得た。そ《
結果にさらに検肘を重ね,今後の予防教育に活か
ていきたい。また,今回の面接鯛査により,多く《
住民と生に対話ができ,保健婦として今後の活動l
いかすべき貴重な体験となった。
今回の調査にご協力くださった日田市住民の皆ホ
並びに日田市関係職員の皆棟,結核予防会に深く、
謝いたします。
11!
1
●
G
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図2年齢別構成割合
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〔
50
7 0 ; 0 "
1
参考文献
厚生省保健医療局結核.感染症対策室:結核の統8
1990結核予防会
1
■
7 . 8 "峨
峨
峨
洲
断 6 0 〃 〃船
棚
石
… 旅
no〃〃'〃 峨
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図3結核検診の意味について
16­
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… 9 ; 3
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図4検診受診状況について
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繍
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熱
〃蝋
受ける側の理由をあげた者
・健康に自信がある
。受けるのが面倒
。恥ずかしい
・病気が発見されると怖い
。呼び出しがいや
・レントケンは身体に悪い
。忙しい、知らない等
検診の方法を理由にあげた者
・会場が遠い
・日程が合わない
・既往を書くのが嫌い
病院受診しているから
その他
・40歳になったら受ける予定
・カ暇診と一緒であれば
・理由はない
・足が悪いので
図6未受診の理由について
­17­
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気
そ
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他
0 20∼30歳代
0 40∼50歳代
60歳代以降
図7結核に対する意識について
図8その他のうち分け及び各年代別割合
­18­
ア
ン
ケ
ー
卜
大分県日田保健所
五23-3133
このアンケー.トは、結核検診を充実するために地区の皆さ
んが考えていることを数えていただくものです.決して、個
人を調査したりテストするものではあり堂せん.
ありのままを教えてくださいも
あてはまるものに○印を付けてください.
性 別 g 男 女
年齢220代、30代、40代、50代
60代、70代、80代以上
問3問2で『受けていない」と答えた方に、その理由をお
尋ねし室す.あてはまるものに○印をしてください
・自分は健康に自信がある
・検診会掲が い
・検診日室があわない(都合が悪い)
。そもそも受けるのが面倒だ
。恥ずかしい.
・何か箔気が発見されると恐い
・再度呼出しがあるといやだから
・何回もレントゲンを受けると体に悪いと思う
・詰核に通ったら自覚塞状が出るはずなので、それか
ら箔院にいけば良い
。その他
(
い
く
閏 1 陶 部 レン ト ゲ ン 検 診 が 、 詰 核 を 発 見 す る た め に 行 わ れ
ていることをしってい室したか.
・はい
。いいえ
問2
・時々、
。毎年、転場で受けている
・時々、
。毎年、箔院、医院、鮒駈罷センター等で受けている
時
問4結核という請気について思っていることに○印をして
ください
・菅の箔気だ(もう今は装い)
・今も患者は増えている
・人に菜る病気だ
あなたは胸部レントゲン検診を受けていましたか.
・毎年、レントゲンバスで受けている
・
)
々
。受けていない
、
〃
・遺伝する箔気だ
・かかると隔匪される痘気だ
。かかったら治らない箔気だ
.・治識すれば治る箔気だ
・その他
(
)
御趣力ありがとうございました.
担 当 は 、 で す .
ア ーノ レ ー ーノ レ イ 衣 存 剖 室 霊 考 と
その華族=∼の支寸愛0こつv,-て
日田保健所
近田アヤ子大隈智子
中根美由紀加来理香
小野治美O 田由美
〈はじめに>
今回、35嵐、職業が大工のアルコール依存症患者
に、退院後の平成2年5月9日から平成3年11月2
6日崖での約1年半かかわってきた。かかわるきっ
かけとなったのは、主治医からの指示で、「本人が
子供のために断酒したいという意志は、正しい人間
的判断であるケースなので、週1回の訪問を、抗酒
剤の服薬の確盟と断酒の意志を支える目的で1年間
実行して欲しい。」ということをうけ、週1回の訪
問を行った。
〈家族 成>
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勤務)
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9賎7歳
○
鯛
養護学を
〈生活歴>
性格は、兄弟の中でも一番優しく、幼児期は阿
が共働きで一人で留守番をすることが多かった。
中学卒業後、大工見習いとなり関西方面で働き、
その後、域を変え、各地を転々とする。そのうち勇
屋建築の 負をするほどになる。
飲酒は、中学時代から始め、18賎頃には焼酎1
∼2合/日、25雄頃から3∼5合/日となった。
本人24歳、姿20趣で結婚したが定職なく借金の支払
や生活費を父親の送金に頼っていた。
昭和62年(本人31蟻)に郷里に帰省後、飲酒によ
り家族に暴力をふるったり、借金を繰り返すため入
院となった。(平成元年9月9日より生活保展受給
昭和62年10月∼昭和63年3月末
Y痢院に同意入院
昭和63年4月19日∼昭和63年7月中
Y摘院に同意入院
平成2年1月7日∼平成2年2月7日
O摘院に医療保膜入院
朝川福美
羽田多佳ラ
小野朋美
平成2年2月7日∼平成2年5月2日
A病院に医療保鰻入院
<方法>
退院平成2年5月2日
訪問開始平成2年5月9日
訪問は、毎週火咽日、午後3時30分以降に、保健
婦2名1組で実施した。
〈経過及び考察>
退院して1週間後、初回肋間を行った。本人と面
接し、今後の保健婦の訪問に了解を得た。飲酒はな
く、通院もしているものの、抗酒剤の服薬は、既に
していなかった。「体がだるい」等のアルコール禁
断症状がみられていた。しかし、部屋には、、神棚が
祭られ、「 気になって拝むようになった。」とい
う言葉から、摘気を治したいという意志は伺えた。
保健婦が、断酒会の参加を勧めたところ、はっきり
と「行かない」と、断られた。その後の訪問により、
姿も断酒会については、「あれは鎌い6」と同梯の
返答であり、自助グループへの参加と、その効果へ
の期待はじていないことがわかった。妻は、本人に
対し、「借金をかたづけてくれたらそれでよい(入
院してもしなくても)。」といい、長女も「お父さ
ん嫌い。」と首っている状況で、本人が家庭でも孤
立している槻子がうかがえた。
平成2年7月24日より、仕事を開始し、8月17日
には500ccのビールを自分で買って飲むという行動
がみられた。この頃より、不在のことが多く、手紙
により断酒を促す方法をとっていたが、本人は在宅
していても居留守を使ったり訪問に対し、「もう来
なくていいです。」と拒.否的な態度をとるようにな
った。崖た、具体的な飲酒堂もつかめ左いため、両
親宅に、本人の状況を確盟する目・的で訪問を行った
父は、本人の飲酒に対し、「飲めば入院するしかな
い。」という。
一方、妻も、仕事に行く本人に対し、毎朝弁当を
つくるという支えの行動もみられる反面、飲酒に対
し、「入院すればよいのに。」「いちいち監視でき
ない。」等の薗葉も聞かれた。これらの父や妻の言
動は、本人の4回の入院体験から、本人が飲酒を始
めたことで、飲酒=入院という経過を予測していた
とも考えられる。
また、ここでもし飲酒を始めたきっかけが明白に
なっていれば、その方面での具体的対策がたてられ
­20­
たのではないかと思える。
その後、仕事は綴き平成2年12月1日付けで、生
活保腰が停止となった。本人不在のことが多かった
が、長女との面接の中で、「お父さん手紙見ている?と問うと、「うん」とうなづく等、硫実に手紙が父
親に伝わっている梢報が得られた。産た、庭には花
壇ができ長女から「お父さんが作ってくれた。」と
聞き、これは、本人の家族への思いやりや、生叶が
たてられるようになったことでの心の余裕ができた
のではないかと思われ、本人の変化を感じた。しか
し、この頃より酒類は、ビールから焼酎に変わり、
量はお湯割りで2∼3杯にふえた。妻はこれに対し
て口出ししていない。この時点で、私たちは、カン
ファレンスを行い、飲酒はしているものの・本人の
行動で変化したいい面を家族に返す。アプローチを
することにした。
その後も訪問を続ける中で、果たして断酒につな
がる効果が得られているのだろうか、不在が続き本
人の状況が見えない等、保健婦間の戸惑いもみられ
た。そこで訪問開始後、1年が経過し、これまでの
状況報告と、今後の活動の指示を得るためA病院へ
出向き、主治医、ケースワーカーを交え、カンファ
レンスを実施した。その中で、主治医より以下の助
言をいただいた。
①既に、飲酒が再開されており、入院を前提とし
たアプローチを本人及び妻子へ行なっていくこと。
②長女の人間的成長を助けるアプローチが必要で
ある。長女を通しては、本人の個報を得ないよう
に注意すること。
③臨機応変な訪問間隔をとっていくこと。
④退院時、「5月の連休は子供達と過ごしたい。」
と旨った、本人の子供がかわいいという気持ちを
盟めること。
これらの助首を参考に、今後の対応の仕方を保健柵
間で肘磯した。本人には1年かかっても断酒は受け
入れられなかった。しかし、仕事は継続し生活はで
きている。また長女も訪問に対し、笑顔がみられ、
子供らしさが見受けられるようになった。そこで私
たちは、現状が維持できるよう、また本人の入院を
1日でものばしたいという思いを確盟しあい、肪間
を継続していくことにした。
10月に入り訪問継続の経過を保健婦のみで把握す
るのではなく、両親と共有し意志統一していくこと、
さらに現時点における本人への接し方を両親へも考
えてもらいたいという目的で、保健所来所を勧める
ために両親宅への肪間を実施した。
本人は9月に入り、「子供達を遊びにつれて行く
のに便利だから。」という理由で、片道90knの道の
りを50ccの単車で10回以上往復し、自動車免酔を取
った。この頃、、仕事も続いていたが外で飲むように
なった。同時に、両親宅にお金を借りにいくように
もなった。本人は飲酒について、「自分は意志が弱
い」「つい気持ちが良くなる裳で飲む」という反面、
ふえる飲酒量が気になるのか「どこの病院に行けば
いいか、子供のために入院したくない」という意志
もあった。そこで、カンファレンスをもち、飲酒運
転だけはしないという思いを伝えることと、本人の
良い面のみに視点をあて家庭に明るさを添えること
を目標に援助していくこととした。具体的方法とし
て、これまでの手紙の内容を見直し、「飲むなら乗
るな。」の手紙を匠き、また、手作りの交通安全の
お守りを本人に渡すことにした。
カンファレンスの数日後、父親が保健錦の肪問を
うけて、11月11日に保健所へ来所した。これまで、
本人に問題行動が現れ入院をさせて欲しいという時
にしか、来所のなかった父親が、本人の良い状態の
時に来所したことは、家族の変化の表れではないか
と評価できる。またこの折りに、「飲酒運転をさせ
ない」という方針を保健婦と父親で意志統一をはか
ることができた。
また、本人へ、交通安全のお守りを保健鮒が渡し
たあと、平成2年8月、本人から訪問拒否の電 が
かかって以来、本人からの電話をうけることになっ
た。その中で、「もう1年以上来てもらい、感鮒し
ています。」という首葉や、さらに数日後、本人が
保健所に来所し、「保健鯛さんは本当に僧頼できる
人だ。」という哲葉が聞かれた。
〈全体的考察>
今回、1年6カ月間訪問を継続し、断酒は守られ
なかったものの、再入院とならず、仕事も継続でき
ていろ。その要因として、保健 が訪問を繰り返し、
かかわり続けたことで本人及び家族に生活のリズム
を与え、新しい生活へのステップになったこと、ま
た本人の子供に対する愛憎が強いこと、妻が冷陥に
­21­
夫の支え役となっていたこともあげられる。岡堂
哲雄氏によれば、面接作業の要因として、第1に家
族と栂えや気談ねなく感澗の交流ができるようにす
ること、第2に家族との関係から「問題」を把握す
ること、第3に問題の核心をさらに「質問」するこ
とであるという。1年6カ月経過した今ようやく、
保健婦と本人との人間的交流がはかれるようになっ
た。それは、本人が保健所へ来所し、「鼓初はただ
仕事で来てくれていると思った。それが自分のこと
を心配して来てくれているのが分かった。」という
首葉が聞かれたことからも伺える。これらはまさに
チームで訪問した結果得られた成果であり、アルコ
ール依存症患者には、とにかく。かかわること・が
重要であると感じた。長期目標をもち接していくこ
と'で心と心の結びつきができる。
1年6カ月の経過の中で私たちは以下の重要性を
学んだ。
①継続してケースをみていくこと。
②カンファレンスを繰り返し、自分達を見直し、
ケースとのかかわりを模索し続けること。
③医師の指示のもと、訪問プログラムをたててい
くこと。
以上の3点である。
しかし、アルコール依存症患者の治療の原則は。
断酒 である。飲酒しているこの患者にいかに接し
ていくか、新たな問題も考えていく必要がある。家
族は今、動いている。今後、本人を含めた家族ぐる
みの支援を根気よく続け、本人の断酒の意志の自覚
を生まなければならない。
〈おわりに>
地域の中で断酒を続けるという意志を支えていく
には、家族や仕事内容、経済状態等槻々な要因が絡
み合い、それが障害となったり支えとなったりする。
そのなかで、活動する私たちは断酒を妨げる問題を
明らかにし、問題解決へのコーディネーターの役割
をはたさなければならないと思う。
最後に本研究にご指導を賜りました朝見病院長並
びに関係職員の皆根方に深く感 申し上げます。
<引用文献>
1)岡堂哲雄:病気と人間行動.中央法規出版,
1
9
8
8
<参考文献>
­22­
1)斉顔学:アルコール依存症に関する12章,有
斐閣新書,1988
2)斉麗学: 癖行動と家族,有斐間新審,1989
3)小林るみら:アルコール依存症の家族介入,と
保健婦の役割,保健婦雑誌. Vol 47, Noll.
1991
0
1
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②服薬の確露一一③家瑛アプローチ(esp子供から関わっていく
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指示伺いカンファ陸〕
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リハビリ意欲に影響を及ぼす要因
一患者の認識に近づいたアプローチ一
大分県立病院4病棟
藤井チヅ子漉
O金崎美和擁
下野園啓子
はじめに
リハビリテーション〈以下リハビリとするにおい
て、患者の意欲がその成果に大きな影響を及ぼすこ
とは周知の事実である。しかしながら、理学療法室
のみでリハビリをし、病室では看護婦に頼ってばか
りの受け身的な患者は多々見受けられる。このよう
な患者のリハビリ意欲は、病気やリハビリに対する
認識に左右されるのではないかという疑問をもちこ
の研究に取り組んだ。
.その結果、①リハビリ意欲に影響を及ぼす、患者
の疾病やリハビリに対する認識②意欲のない患者
へのアプローチの方向がわかり、リハビリ段階にあ
る患者への関わりとしていくつかの示唆を得たので
ここに報告する。
1)研究目的
疾病やリハビリに対する認識が、リハビリ意欲に
どのような影響を及ぼすか分析し、意欲のない患者
へのアプローチの方法を導き出す。
2)仮説
リハビリ意欲のない要因を以下のようにあげる。
l、自分の病気力憧症だと思っている(重症度)
2、自分の病気に対する姿勢が前向きでない(姿
勢
)
3、リハビリの必要性を理解していない(リハビ
リの受け止め方)
4、リハビリの期待度が低い(期待度)
5、リハビリゴール目標が低い(到達目標)
6、家族・社会背景に問題を抱えている
3)研究方法
対象4病棟入院中でリハビリ実施中の全患者
2
0
名
期間平成3年4月から9月末まで
方法
1、質問紙面接法により、患者の疾病及びリハビ
リに対する認識を知る
アンケートは、クライマンの解釈モデルを改絹
し作成する。仮説をふまえた(6は今回省く)
17の質問〔表1〕と患者の基礎データ(疾患名
年齢、発病からの期間、リハビリ期間や内容等
)を面接により聴取する。
2、患者の意欲に関する評価
薬物療法の臨床効果を評価する(リハビリに関
する)評価表を用いる〔表2〕・理学療法士、
看護婦がそれぞれ患者の意欲度を評価し、点数
­24­
富子安達敏子
久美子後藤明美
化する。
3、質間紙面接法と意欲評価を分析し、リハビリ
意欲に影響を及ぼす要因を考察する。
4、上記の結果より、最も意欲的でないと考えら
れる患者1名を事例検討し、考察を深める。
4)調査結果
.17項目の質問において、意欲度点数に有意差(P
<0.05)を認めたものは2点あり、意欲低下の箆磯
は「失われた機能を諦めていること」(仮説4)と
「リハビリの到達目標娘現状維持やADLの自立
であること」(仮説5)がわかった。〔図1,2〕
また、このような傾向は、リハビリが初期段階の人
に多くみられた。患者の基礎テータで有意差を認め
たものはこのリハビリ内容のみであった。興味ある
結果としては、リハビリ意欲の評価点は、理学療法
士より看護婦の方がほとんどの患者において低かっ
たことである(理学療法士の評価点13̅2臆、平均
点23.53、看護婦の評価点11̅27点、平均点21.52
)。これは病室でのリハビリ意欲が、理学療法室よ
り劣っている結果である。
5)調査結果の考察
調査結果より、以下のことが考えられる。
①リハビリの目標を社会復帰に向けるように促すこ
と力泌要である。
②失われた濃能を諦めないように励ますことが必要
である。
③特に目を向けなければならないのは、リハビリが
初期段階にある人、まだ自らが社会復帰という目
標がもてない人である
④病室でのリハビリ意欲が低いことより、日常生活
におけるリハビリの必要性を認識させるf縛が必
要である
6)事例検討
〔患者紹介〕
Y、M氏、52歳、専業主婦、小脳変性症(パーキ
ンソン様症状)、夫と2人暮らし。昭和62年頃発症
平成3年2月20日に当病棟へ入院し、22日よりリハ
ビリ開始。調査時点(6月)、リハビリは 歩行ま
で進んでおり­意欲点数は、理学療法士、看護婦評
価とも23/28点と高かった。しかし、肝機能障害が
出現し、抗パーキンソン剤及びリハビリが中止とな
りパーキンソン症状が悪化、ADL全面介助となり
意欲も低下した。その後、抗パーキンソン剤を徐々
に再開したが状態はなかなか改善せず、ADLの拡
.大もはかれ画、なかった〔表3〕・看護婦で再評価
すると9/28点で、全患者内で最低点であった。ま
た、患者の認識は、失われた磯能は諾めていないが
社会復帰まで目が向いていないことより、事例に取
り上げることとした。
〔看護の実際〕
研究期間平成3年8月28日から9月朋日
問題点リハビリ意欲がないため、ADLの自立が
はかれ式家庭復帰も望めない。
目標①リハビリ意欲がでて、ADLの自立がで
き
る
。
②家庭復帰の目標がもてる。
解決策
l、リハビリの到達目標を家庭復帰におく。
2、夫へ、患者が家庭復帰時に何をして欲しいか
を聞き、それを目標に看護計画を進め、患者
に家庭復帰の目標をもたせる。
3、ADLの自立及び家庭復帰へ向け、家族、医
療スタッフが患者へ統一した関わりをする。
目標に向かって、患者と医療スタッフが一緒
にがんばる姿勢をもつ。
4、夫の協力を得て、週末(土、日)試験外泊さ
せる。家庭で不便なことに対して今後のリハ
ビリに活用する。
実施及び結果
解決策1,2について、
家庭復帰時の夫の希望は、『自分が出勤している
間、1人で留守番ができさえすればよい』というこ
とであった。そのことをふまえ、医師に治療方針を
確認し、「 歩行で退院する」ことを目標にした。
解決策3について
夫が優しすぎるため、患者は自力でしようとせず
人に頼る面が多いと思われた。そのため、患者に自
力でさせるように夫へ指導した。患者には、1人で
留守番するためには、ADLの自立が必要であると
いうことを認識させ、ADLそれぞれの項目につい
て目標をたて、取り組んだ。また、1つ1つの項目
についてできないところをチェックし次の援助に生
かした〔表4〕。その結果、ADLが自立していく
につれ「自分のできない所だけ手伝って欲しい」と
言うようになり前向きの姿勢となった。
解決策4について、
夫の協力を得て、週末(金、土、日〕の外泊を行
った。外泊後、夫より家庭での過ごし方や不便だっ
たことの情報を収集し、そのことを重点的に援助し
ていった。外泊は、家庭復帰と密接につながるため
患者、夫ともに外泊を心待ちにし、「 をついて帰
りたい」と言うようになった。
縫合的結果
看護計画が進むにつれ、意欲がでてきた。事例検
討終了時、看護婦で評価すると22/記(+13)点で
あり、意欲増進がはかれたといえる。
7)事例検討の考察
今回の事例でリハビリ意欲を高めることができた
のは、以下の点が良かったと考えられる。
①科学的な調査結果をもとに患者の認識に近づい
たアプローチをすることができた。
②患者の現状を把握し、段階に応じた援助を行っ
た
。
③患者、家族、医療スタッフのリハビリ到達目標
を家庭復帰に統一した。
④家庭生活にあわせたリハビリを行った。
⑤看護婦がじっくりかまえ、なるべく患者に自力
でさせ見守った。
⑥夫の協力を得ることができた。
以上のことをふまえ、今後、リハビリ段階にある
患者に接していかなければならない。
8)結譲
意欲のない患者へのアプローチのポイントは以下
のようである。
l、リハビリの到達目標を社会復帰におく
そのための援助として
①日常生活そのものがリハビリであること(日常
生活におけるリハビリの必要性)を認識させる
②社会(家庭)復帰に向けて段階的に進める。
③家族、医療スタッフが患者に統一した関わりを
も
つ
。
④家族の協力を得る。
2、失われた機能を諦めないようにする。
そのための援助として
①患者の努力や進歩を認め、励ます。
②患者、家族、医療スタッフが、共に頑張る姿勢
で接する。
3、特に、リハビリの初期段階の人へのアプローチ
が必要である。
9)おわりに
今回の研究対象は20例と少なかった。もっと対象
が多くとれれば、より正確な結果が得られたのでは
ないかとと思われる。また、患者の基礎データでは
患者の生活背景も聴取したが、その研究まで到らな
かった。患者の生活背景は、意欲に重要な関わりを
もっていると思われる。その点の分析、援助が今後
必要である。
患者の意欲向上=社会復帰の援助と短絡的に考え
るのではなく、その患者の背景にある家族とのつな
がり、疾病の重症度、長期化からくる患者の苦痛を
み取る努力が看護婦に必要な資質である。患者の
疾病やリハビリに対する認識を、患者の生活背景を
通して患者と共に考えることが、患者の意欲向上に
つながる
神経内科疾患は、経過も長く、入退院を繰り返す
ことが多い。そのため、リハビリに対しても現状維
持で、これ以上悪化しなければよいという考えがみ
られる。このような患者に対し、少しでもリハビリ
­25­
意欲を出させるためには、看護婦のアプローチ如何
にかかっているといえる。
参考文献
①宗像恒次行動科学からみた健康と病気メジカ
ルフレンド社、1987
②沓沢恭子運動障害別にみる患者の社会復帰不
安要因の分析、看護技術、1989­10
③永崎和美パーキンソン病患者の日常生活を拡
大させた看護要因の分析、第18回日本看護学会成人
看護学会誌(福井) P 19∼21日本看護臆会
④大田仁史他現在とリハビリテーション1987、
メジカルプレス
⑤リハビリテーション看護の原理、第7章患者の
評価
⑥パーキンンソン病の最新治療、BRA! N10、
1991、メデイカ出版
他一
病気こ対する愚考のまとリハビリに対する意欲
・ 鴎
は い
い いえ
蕊
-意欲スコア(若鋤)意飲スコア(羅士)
胃同失われた機能を諦めていますか
図2患者の考えるリハビリのコールとリハビリに対する識
一
一 軍
一
爵 【
一
… 一
IB ADLの自立
E函社会榎帰(宝庭復帰)
意欲スコア(若鋤!)意欲スコア(擦法士)
­26­
画
面
(象1)開富取ソ詞在系
1
あなたが自分の鋼気をどう考えているか歌えて下さい.(聞き取り調塞票
= = 毒 垂 、 = 函 す る 癖 イ 西 方 毒
i)あなたの病気は命にかかわる程、重錠と思い室すか
1 . ぱ い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
2)ぁ雄たの病気は一生治らないものだと思い宮すか。
1.自分で
1 . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
3この病気になったのは運命だと思ってあきらめてい室すか.
2)惰性的で、そう意欲的でない
1 . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
3)ある程唾…ある
4)この病気になったのは今宝での不摂生がたたったのだと、錘慣していますか
1 . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
な 会 . こ ん 掴 飢 に な 句 た の 納 得 が い かず、 不 滴 で す か ・
準
拶
1 ) 全 く や る 気 力 唾 い 1 ) 全 く 表 備 が な い
2)嫁々ながら応じる2)少し明るい表備をする
1 . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
7)あなたは自分の綱気に対して童あ「う虞くつき合う」つもりでいますか
3)ある程度応じるがあきやすい3)時々笑顔をみせる
4 ) 指 示 に 対 して 穣 擾 的 で あ る 4 ) 表 備 が 豆 かで あ る
3
リ
ト
ご
り
の
坐
異
ワ
ヒ
分
若
1..はい2.いいえ3.わからない
H)失われてしまった榎能はあきらめてい座すか
1.はい。Z.いいえ3.わからない
』5)リハビリは退院後もずっと必要だと思いますが
I
1.はい2.いいえ3.わからない
­ で ど こ 志 で で 曽 る ご とを 目 標 に して い ま す か ( 自 白 回 呑 )
1.現状を継持する2.自分の身の回りのことが出来る
3.社会復帰(涼庭復帰)4.特に目観を法めてい勉い
17)リハビリは理学叙法室以外の場でも必要だと考えてい室すか
1.はい2.いいえ3.わからない
築
中
力
6
.
菱
琶
惑
くない1)ひどく麺そうで恋しそう
2 ) あ き や す い 2 ) か な り 憂 冠 そ う で あ る
のあなたの人生のために大変重要なものだと考えてい室すか.
1.はい2.いいえ3..わ承らない
10)リハピ・リは今のあなたにとって.蕊しみになっていますか
ノ、 0
1.はい
念.いいえ3.わからない
』1)リハビリは痛くて、つらいだけで余り役に立たないと思い室すか。
1.はい2.いいえ3.わからない
12)リハビリを受けることを少し恥しく感じること鋲あり室丁か
ユ.はいZ.いいえ3.わからない
I ハ に よ って、 全 く 元 ど お り の 健 康 な 体 に 戻 り た い と 思 い ま す か
.
1)案中力.持縫性力
ユ . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
t
■■
4)竃証啄何とか少しでも治ろうとしている
2 . リ ハ ビ リ へ の 麺 塞 5 . 表 備
1.はい、2.いいた3.わからない
6)あなたは自分の病気に対してとことん「闘う」つもりでい食すか
1 . は い 2 . い い え 3 . わ か ら な い
8)病気のことはあまり考えないようにしていますか
を治そうとする意欲
1)まったく窓欲を示そうとしない
3)ほぼ決められた通りやりとげる3)多少麺そうである
4)決められた通りやり遂げる.4)憂圏さはみられない
4
.
会
話
7
.
不
安
、
蝉
担
壁
1)全く自分から話し秘ナないエ〉いつも不安そうである
2)稀に自分から話し鋼ナる2)時々不安そうである
3)時々目分から話しカヰナる3)稀に不安患をみせる
4)自分から話しかける4)不安、魚鯉は見られなし
麹前後にl》は1点、2)2点.3》3点、4)4点の計28点調練スコア
を出す.スコアが高いほど童欲があると言える.
表 三
A肌
入院爵
肝 騨害前
事例
表附
乏い
明るい、笑顔
無謝W,無動作、無欲梢
言語
出にくし
小声が出る
発語少ない、震える
介助で立てイ
歩
↑
う
全耐励,ストレッチャー
#髄
介助ホータフノI
トイレ可
ハルン留置、便失禁
食事
ギャッジペット
座位て河
ギャッジペッド使用
消潔
樹
ズ
入浴も可削
漁閃
夏敏
n勤
自力.
全面介助
歩硫鵬
全面介助
働
勤
7月妬日
肝描能障 誤碇
茄-28日 内腕農全面中ヒ
l
妬­
リハビリ中止
好
内眼期開するもADLは低1
ノゥレーンカテ挿入
8月4日
〃日
肝犠龍正常化
2
8
日
リハビリ再開
脚糠
表
4
自讃目補
自護計願
の 努 力 歩 を
刀■】
言 語 大 き な
、 ヨ
家族及びスタッフが患者と-緒に藤鵬Z
1、あいうえお 繍習
韮-
繍雰鶏…陸
痔(
胃
し
か
I
小声勅$、聞き
る
.
7便件
食
事
椅子に座り棚
3,解海調、尿量をチェックする。
4、ペッドー闘器、オータプルトイレと段階をふむ
1,猟躍飛に、朝食後トイレに座らせる。
2, Kあるときは愚溌婦に知らせるように指導
3、オータブルトイレ昇降時の状態を記載。
l、エプロン、スプーンを取りやす↓粒置に設置
2,朝食・・ギャッジペッド議上で棚
昼食・・車椅子で棚(リハビリの帰り)
車椅子に座り、
床頭台で摂取
タ
ヨカで澗拭させ.状況を相掘L-授肋すZ
陰部の自珊
更 衣 着 脱 の 自 立
2、トイレに降りたとき陰部流評磁器を使用し陰
1、自力α戦況を把掻する。
2,リハビリの賊時、仕擁ないところを援助する
手渡し
自力て増、
蹴勅一移珊
押すこともあ』
車椅子へ鮒勤2,ベッド上でできるリハビリを行う
、足ふり連図
­28­
退院後の生活指導を考える
家庭介護に対する退院のしおりを作成して
山香町立国保総合病院
○岩本正子、興田桂子
・床ずれの予防
・シーツ交換の方法
・排池(トイレを使う場合・トイレまで歩け
はじめに
高齢化の進む今日、山香町においても老齢人口率
23.4%と県平均の15.1%をはるかにこえ、県下11
市47町村中14番目と高齢化が進んでいる。
当病棟においても高齢者が多く、病状が安定して
ない場合・失禁する場合)
・陰部洗浄
・清溌
・福祉サービス・訪問看護
も退院を延期する傾向があり介瞳の問題が大きく関
係している。特別養瞳老人ホームへの入所を希望す
る人が多くなっているが、特養へはなかなか入れず、
c.退院時指導
退院を延したり、仕方なく家庭につれ帰り介瞳する
退院時の状況
・対蒙者.82鼠女性
ケースが増えている。
そこで、私達は退院後も本人が快適な家庭生活が送
肺炎・肝機能障害・低栄養状態・脱
れ、また、介腫者の負担が軽減できればと思いアン
ケート鯛査を参考に退院時指導を作成し指導を戯み
水にてH3年5月22日入院
退院. H3年10月30日
・入院2週間前より褒たきり状態となる。
たのでここに報告する。
・オムツ使用(尿意・便意はっきりわからない)
.S60年頃脳 塞の既往あるが、はっきトノとした
研究方法
A.アンケート鯛査
麻揮はない。
・自力で四肢を動かす程度の体動しかない。
・食事は準備すれば左手でスプーンを使い自分で
(1)目的
退院時指導要領の作成にあたり家庭介瞳におし1
ての現状と、介瞳に対しての不安や困っている
食ぺる事ができるが介助が必要である。
・会話はできる。
点は何かを知る。
(2)対象者
入院中のADL援助が必要な患者の家族及び、
自宅療養中でADL援助が必要な人の家族50名
指導方法
(1)医師より退院許可が出てから退院前2週間頃よ
り家族(主に介瞳にあたる嫁53歳)の面会時に.
を対象に行った。
家庭でどのように介藤していくのか聞きながら
介護に対するアドバイス程度の指導を数回行っ
た
。
(3)アンケート調査項目及び結果
資料参考
B・退院時指導要項(退院のしおり)の作成
(2)退院当日、まず、「退院のしおり」を渡し、
しおりを醜みながら説明を行った。
アンケート鯛査結果をもとに以下の4点を作成時
のポイントとして、食事・排溌・清潔を主とした
その後、退院後必要となるオムツ交換、陰 洗
浄、体交、拭拭、寝まきの変え方等を看護婦が
デモンストレーションを行いながら指導する。
(嫁は実際には行わず見学のみの指導である。
結果
退院後1ケ月あまりで食事摂取がうまくいかず
再入院となった。
入院時、るい痩著明、脱水状態、端鳴強度にあ
り口腔内に痩の固まり付着していた。
「退院のしおり」を作成した。
(1)大きな文字でわかりやすく・
(2)言葉をわかりやすく・
(3)イラストを多くし理解しやすく。
(4)アンケート鯛査にて解答数の多かった項目に
ついてはくわしく記載する。
しおりの内容
・食事の介腫
.食事(調理の工夫・高齢者に不足しがちな
縛直なし(発赤等も閲めなかった。)
陰 やや発赤傾向にあった。家庭において入浴
2回行った。
食品)
・薬
・ねまきの換え方
嫁より「食事を雑炊にしたり、ミキサーにかけ
たIノと工夫をしたが食べてくれなかった。」と
・体位の変え方
­29­
高歯令者健辰廷を支え_る7舌重力、二'f寸し、-での一考雰
一いきいきシルバー教室の試みから一
真玉町役場
伊南富士子
〈はじめに>
今日の急激な高齢化に対応するため、国はこ
のほど高齢者保健福祉10ヵ年戦略をうちだし
ている。
高齢化率29.8%(平成3年1月1日現在)とし、
う異的な数字を示す、我真玉町においては、こ
の取り組は更に強化されたいと考える。
A: lit「では昭和6 3年より、保他活動の目標を
¦̅健康で長生きのできる豊かな町作りに、地域
ぐるみで取り組もう」と掲げ、活動を展開して
きた。
その一貫として『寝たきりにならない』を目
指して、いきいきシルバー教室を開催、教室2
年目の現在、教室生と共に地域への拡大を試み
る段階である。
蕊"7
J報蹴
:…・…….………。.……………………….i
この教室開催を通して「高齢者の健康をどの
;高齢者の学習意欲の高まり(要望) !
様に支えていけるのか」考えてみた。
;↓
(経過)
←;保健婦
昭和62年9月∼健康の街づくり事業(資料1)
←;↓
;支援者間の協議、連携
平 成 2 年 3 月 ↓
!(町福祉担当者・保健蝿)
高齢者健康教室・健康診断
i (
↓(各老人クラブ毎)
↓開他回数増加.定例イヒ
いきいきシルバー教室
1年目
平成元年4月∼高齢者保健栄獲教室を導入
8(各老人クラブ毎)
;教室の雰囲気:和気あいあい;
↓
;教室生どうしのつながり;
! 学 ん だ 事 を 地 域 へ I
平成2年7月∼いきいきシルバー教室の開催
室¦…"……
↓(資料2)
2年目:継続学習
|全員賛同
劇「寝たきりゼロを目指して」
に取り組む
2年目一劇の作成、練習
­32­
( 2 ) 教 竪 生 の 変 化 を 、 そ の 声 ・ 行 動 よ り 見 る 。 ( 3 ) 支 援 者 の 関 わ り を 、 ( 2 ) に 対 応 して 見 る
平 成 2 年 7 月 ( 教 室 開 始 時 ) ( 関 わ り ) ( 思 い )
・会長や役場から言われて来た一一一一一一一一→教室の開催
*
何
か
役
に
立
つ
だ
ろ
う
↓
* 目 新 し い 事 で 興 味 あ り ; ・ 企 画 … . … …
* 仲 間 に 会 え る ← 一 一 N 会 長 一 一 ・ 自 分 達 も 進 ん で 勉 強 し 、 地 域
・ 色 々 勉 強 す る ん だ な あ 呼 び か け I の 役 に 立 た ね ば
( 教 室 に 対 し て ) 1 . 独 居 の 人 、 老 人 の み の 世 帯 の
平 成
3 3
年 年
3 3月 月( (1 1年 年目 目終終 了了 時時 )) ## 将将 来
来 が
が 気
気 に
に な る
・ 皆 に 会 う の が 楽 し み ← ­ ­
保 健 婦 一 一 ・ 高 齢 者 自 身 が 健 康 作 り に 主 体
・ 元 気 で な い と 来 れ な い と 思 い 気
健 康 教 育 ; 的 に な って ほ し い
を張っていた。(出席率98%);健康相談;・予防のための正しい知識を持
・ 寝 た き り に な ら な い 為 に も づ と i 劇 の 準 備 ; つ 必 要 が あ る
食 べ る 事 や 身 体 を 動 か す 事 に 気 ; ・ 寝 た き り 者 に も 温 か い 目 を 持
を つ けよ う と 思 い 始 め た 。 ← ­ ­
福 祉 担 当 者 ; って 欲 し い
→ * 牛 乳 、 イ リ コ を 良 く 食 べ る 教 室 運 営 の た め の i ・ 地 域 ぐる み の 活 動 に し た い
* 朝 布 団 の 中 、 起 き て 体 操 条 件 確 保 ; ・ 高 齢 者 の 要 望 に 応 え た い
* な る べ く 日 中 戸 外 に 出 る i ・ 高 齢 者 対 策 を 有 効 に 進 め た い
。 も う 少 し こ の メ ンバー で 学 習 を 続 け た い ← 保 健 所 栄 養 士 ・ 住 民 や 町 の 要 求 に 応 え た い
・他の人にも学習した事を伝えたい;栄養指導;・活動が深まるために積極的に
3 年 4 月 ( 2 年 目 開 始 ) : . … … … … … . : 支 援 を し よ う
平成3年4月
〔劇の練習と舞台の準備作業〕
開始時・え­私が出演?誰か外の人に
・出 来 るか な あ一 、覚 え られ ん
匡
ナ りオ は 面
白 な一 辺
シ
い
、 良
でも
く有 る 話や
ここ
、
る
程こ
んな 人 ここ
過
も
で お 格j や ろ
ワ
性
( シは ど ん
な
じ
く
業の . で
感
て
入 クの 絵 は私
る
ッ
に任 せ
.
の戸 は 私が
く
こロ
って
はこ ん な風 持
ら 身体 を動 か
・ こ
た
し
喋
っ
に
た ら〕 い いよ
健婦
シナ リオ 作 成
劇練 習の
祉担 当
・早 く 皆に 見 ても らい た い
­33­
演技 指導
、
振付
ため の 条件 整 備
鳴を上げながら、上演の日を楽しみに、懸命に
〈考察>
高齢者の健康を支える活動に於いて、「寝た
練習をバックアップしている。
きりにならない、させない」と言う目標を掲げ
この教室を通して27名の方々とのお付き合
る事は重要であるが、これをいかに一人一人に
いが更に深まった。一人一人個性があって、そ
そして地域に浸透させうるかが、支援者の課題
の人ちしさが見えてくる、その事を大切に受け
と考える。
止めたい。
この事をいきいきシルバー教室の展開から考え
今後も保健所や福祉との連携を十分とりなか
て見たい。
ら、高齢者の健康を支える一員として努力して
(1)教室生の変化から、学習は受動的から能動的
いきたいと思う。
に進んだ(主体性が高まった)と考えられる。
〔劇の練習・作業の中で見られる教室生の様子〕­
・積極的に皆が発言し、行動している
〈参考文献>
(1)山下節義ほか「高齢者の健康と保健活動.
・各人が進んで役割を持っている(舞台設営等
医学書院
・各人の人柄が出て、つながりが出てきた。
(2)「老人の問題と自治体活動」
(2)この教室生の主体性が高まった、支援者側の
要件
①まず支援者側に「高齢者の要求に応じた
サービスを」と言う思いが共通にあった事。
②その上で支援者間が十分に連携をとり、熱
意を持って(主体的に)取り組んで来た事(N
会 長 を キ ーパ ­ ソ ン と して。
ここで保健婦の役割を考えて見ると「健康な
高齢者作り」いわゆる予防活動が第一である。
この教室では次の3点に留意して取り組んだ。
高齢者自身に健康への意欲を持つ様な働きかけ
(2)正しい知識を持つための健康教育
(3胴々の健康上の不安に付いて相談に応じる
2年目の教室では特に(1)を他の住民(特に高
齢者)に広める事を狙って取り組んだ、その方
法として、
「演劇」を選んだ。今の所この取り組みは成果
を見せつつある。
今後地域ぐるみの活動にどの様に発展させて
行けるかが、次なる最大の課題である。
最後に
現在、劇の練習は大詰に差しかかり、教室生
から以前にも増して「もっと練習を!」の声が
上がっている。スタッフ(特に私)は嬉しい悲
­34­
生活教育
資 米 斗 1
健康の町づくり事業では『元気で長生きの出来る豊
かな町づくり』へ地域ぐるみで取り組む事を目指し
しました。
〔事業の背景〕
老年人口割合、成人病死亡率が高い等の理由により、
昭 和 6 2 年 9 月 、 県 よ り 「 健 康 の 村 」 建 設 モ デル 事 業 の
指定を受けました。
〔事業の目標・計画〕
健康の町づくり宣言大会において、事業の推進方針
等を提案し、採択されました。
〔事業の目標・計画〕
前記を主軸に立案した計画を、毎年4月の衛生委員
会 で 検 討 し 、 実 施 し て い ま す。
年 表 で 見 る 事 業 の Z 流 オ 工
昭和62年
9月県から健康の村建設モデル事業の指定を受ける
11月健康の村建設モデル事業実行委員会第1回目
12月健康の村建設モデル事業実行委員会第2回目
第1回健康の日産業文化祭にて健康相談
昭和63年
1月健康の町建設大会∼すこやかに老いる∼
講師群馬県立前橋病院院長渡部先生
一般健康診査もれ者検診
2月子宮癌日曜検診
3月婦人層を中心にした健康診査
4月健康の町づくり推進協議会
5月日曜一般健康診査
6月母子歯科健康教室
7月婦人癌予防教室
8月老人福祉大会
9月健康体操教室
10月組織づくり研修安心院町研修
11月食推協研修日田市
12月産業文化祭にて健康相談
平成元年
1月結核予防大会
2月胃癌、子宮癌日曜検診
3月健康の町づくり大会∼すこやかに老いる∼
講師京都堀川病院院長早川一光先生
4月健康の町づくり推進協議会
5月日曜一般健康診査
6月母子歯科健康教室
7月健康体操教室
8月老人福祉大会
9月心の健康講座
10月健康の町づくり事業厚生大臣表彰を受ける
,'月食推協研修ネンリンピックに参加
12月産業文化祭にて健康相談
平成2年
1月胃癌予防教室
2月胃癌、子宮癌日曜検診
3月健康の町づくり大会
∼皆で力を合わせて健康づくり∼
宮原伸二先生
講師西土佐村保健センター所長宮
­35­
査 米 斗 乞
生き生きシルバー教室〕­和気あいあい会一主催:真玉町
共済:高田保健所町老連
趣旨
在宅福祉の充実を目的として、高齢者の健康維持を福祉、健康、食生活の面からとらえ「健
康な老後を過ごすための対策」や「寝たきりにならないための方策」等に付いて、学習、実践
を重ね、寝たきり老人ゼロ作戦に向けた取り組みの柱とする。
対象者
真玉町老人クラブのリーダー(各クラブ2名)
実施場所
真玉町中央公民館
日程
毎月1回1 0時∼1 5時まで
内容
毎月、ボケや寝たきりを防ぐための栄養指導を実施すと共に、寝たきり老人の訪
問給食サービス等を通じて、在宅福祉の実態把握や寝たきりにならないための健康
指導を学習する。更に各単位老人クラブで、各自の生活目的意識の確立とボランテ
ィア意識の高揚を図る 又、寝たきりにならないための寸劇等を取り入れ健康の大
切さを認識する。
月 号 U カ リ キ ュ ミ ラ ヱ ̅
月 日 曜
調
理
実
福
習
祉
・
健
康
7/27
正しい食事の5ヵ象
在宅福祉の実態と寝たきり老人ゼロに向
けた取り組みについて
8/17封
老人は食事を抜かず食べ過さ
寝たきりになる原因と予防策について
寝たきりにならないための寸劇練習開始
す
備 考
開講劃
9/10 &
歯の衰えは一大事、食事を抄
かず食べ過ぎず
デイサービス事業について
10/29月
6 0才を過ぎたら朝昼夕と&
食たべよ#
寝たきり老人への訪問給食サービス
ヘルパー同希
11/12月
厳いでも飲んだ事が無くて#
今日から牛乳を飲み始めよ
寝たきり老人への訪問給食サービス
ヘルパー同f
12/14金
長寿成分を含む青魚料理を久
かさずに
高齢者の運動と機能について
繊維を食べよ4
痴呆について考える
味
もし、寝たきりになった場合に脳
1/31オ
12/12金
3/11ノ
汁は具を多く、2回まで
すこやかな老後を
生 き 生 き シルバー 教 室 を 通 じ ての 感 想
寝たきりにならないための寸劇発表
­36­
閉講式
要介
老人の支援システムづくりにむけての検討
高田保他所
o阿部泰代・幡手文・秦英子・白坂真男
城巳佐子・小倉喜久子・石田芳子
対象嵩の年毎別刷合
昭リロ63年
目 的
当管内は、老年人口割合が県下で股も高率であ
り、今後急地すると思われる老人間 、特に老人
性痴呆に対応するため、昭和63年皮に「老人輔神
保他相談事業」を開設。その事業の一斑として、
関係機関の 挑をlgIりながら、老人セI痴呆のハ司
リスクグループである在宅寝たきり老人等(蝿後
筒、市在住)に対し、保仙婦と民生委員の同伴訓
Ill]を実施した。
活動の見直しの一視点として、ADLの評価を
比較検討し、在宅ケアを支援するための、地域住
民を含めた保仙・福祉・医療の 抑の在り方なと
について、若干の知見を得たので、ここに報告す
る
。
鋤∼6冠(8.霊?
8.宛
皇
剛
¦
州
一 睡 : 26.宝:
狸 . = エ ; = = = = = = = = = 三 三 一 q
E
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一
1
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¦ ¦ Ⅲ l Ⅲ ー
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­
日
一
­鋤̅8,窟
《別.3X)
対設置の年齢別刷合
平成2年
∼6雄(8.魂
方 法
∼《雷.
福祉事務所で把握した在宅寝たきり老人等に対
し、保健 と民生委員、必要に応じて医師との同
伴訪Ill)を行った。訪問時にADL評価を実施し、
M63年庇と平成2年庇末との比較を行う。又、
当初からの継続ケース12名については、ADLの
改善に影僻を及ぼす要因を、本人及び介謹者の側
面から分折した。
湖∼ 狩函(41.瓦〉
膿
­
F
­
̅的墨【唾 .、)
<画2>日荊鱈舌活リハ(ADL)の研届
扇、63年
(1)対象者の実態
II.']和163年度訪問対象者・・46名
平 成 2 年 度 〃 ・ ・ 3 6 名
(平成2年度の訪問対象者)
Il和103年艇より継続ケースが32^,
Il和103年鹿より継続ケースが32名、平成2年度
の新たなケース05名の計77名に対し訪¦.'!I.
初腫¦肋Illlの紬果、入院9名、死亡I5淵、訪III不
要9名、訪問胆否4名あり、計40名が継続訪問の
対象どなる。再訪間の結果、36名対象となる。
そのうち、3名は独居老人のため、図2以降は
33名についてのみ集烏卜している
町10画年度.平均年齢82.0岨平成2年度平均年齢81.3期
年齢t鯛
駒屈∼
駒蝿一
^';際、胃諏郷入諭着晶回6の
咽2>日射登舌活助 (ADL)の蔚個
平灰2 平
く図1>対象者の年¦肺及び性別
年齢住3
》
》
》
》
:
;
;
善
》
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G 凸 雇 定 ­ 5 ̅ ー 蓉
80∼89垂
25
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1
2
80∼89菖昔
80∼8
70∼79Ⅲ
【サイ6名
60∼89吋
1
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食.蘭" 緩 珍'伊' 入'浴蕊協画ウの
一
一
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一
再
甲
因樵時画介a画一部画介Q園何とか自分でできる
­37­
(2)介池者の実態
<回3>本人と介菖茜の同係
昭1063牢
夫尋
〈回3>本人と介恵者の伺係
(m位ノT̅セント)
<団3>本人と介11者の同腺
平成2年
理子
【詞.五)
( ・詑)
娘(21.
娘(麺.砿)
要( ・錘)
春(釣.4X)
一昭和63年一平成2年
<変1〉介班新の年帥及び性別
S 6 3 年 H 2 ( p
ttNJj
㈹
V
8卜
0
8
<炎2>介砿の状況及び協力者の 鮒
SG3年
7
­
順
M
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加
】
1
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70-7
70-71
60咽、
60-6[
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50-51
50-5$
時
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40̅49
夜 の み
30-39
計
側
一
々
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30-30
一
畔
ゐ
■
IXの
1
2
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­
<表3>介誰者の健康状況
S63年
蛾­25
臓一16
僻
船
離
郷
嚇
誠
­
; 41
H2年
篭
二
2
;|
I
; 33
・
あ
(3)日常生活動作能力改善に影響を及ぼす要因(継続ケース12人について分析)
<表4>本人の状況
蛇・鋤、
Z伽
¥堺ウ
%伽那
58
79.0
40.0】
一
-
80. oa
く表5>介謹者の状況
m m m
旭肋肋
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i恥1
M賑A
X :
40.皇
剛I
躯
ー
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57.
X
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40.6,.
稲・鮒I
57.8;
20.OX
X剛
75.11
14.3%
40.0%
40.OX
100% 60.0)
­
ADltt
­38­
85.7%
*3-l'iim
42.9Z
-3-10二恥W
100%
結 果
1)対象者の高齢化に伴い、ADL面でも7割
(8碩目平均)が、常時介 を する状態である
2)<図2>より、ADLの'Mliによると、最も
介池を要するのは、入浴(87.9%)である。行動
範囲も81.8*が常時介股を する状態で、ほと
んど渡たきりと考えられる。
3)<図3>より、主放介鯉者の51.5%が配偶者
であり、介 者の高齢化がみられる中、ザif 11#の
介渡を要すが協力者のない人が、34.6%ある。
4)<表5>より、ADLに影 を及ぼす要因と
して、介 者の状況は、(a)介 者の年齢が若
い方がよく、(b)介漉者が仙康である方がよく
(0介波者が配偶者では悪化しやすいというこ
とがいえる。
その他、肋Ill]で得られたtl1報として、
1)社会資源の活川状況では、社協の介砿用品の
利川は多いが、ショートステイやヘルパー等の
活川はほとんどされていない。
2)女性の家庭外労働により、日中は1人で寝て
おり、刺激のない生活をしている老人が目立っ
た
。
3)独居老人では、ADL面では何とか自分でで
きるが、栄狭面では、非術に貧しい食事内容で
ある。
4)介謹者の思いとして
(a).巡回の入浴サービスをしてほしい。
(b)状態が変化したり、不安になった時に
すぐに相談できるところがほしい。
(O同じように介砿をしている人と話をし
たい。
(d)老人2人世幣で介渡者が配偶者の場合
自分が先に死んだらという不安を強
くもっている。
まとめ
(1)前回と比較して、全休にADLが低下してい
る。ADLに改善を及ぼす要因を、改善維持群
と悪化郡とで比較すると、<我5>より、本人
の状況については、特に差は見られないが、介
者については、平均年齢・配偶者の占める割
合・佃康状態に差がみられる。
又、核家族化や、三世代同居でも女性の就労
等で家庭の介謹力は低下している。介謹力の強
化を目的に、ヘルパー、ショートス・テイ、デイ
サーピス等の推進や、保健所で実施している
「在宅介 教室」等を通し、地域の活力をほりお
こし、介 者の支援の充実が必要である。
­39­
(2)訪問調査をすすめる中で、脳卒中懇者は、退
院後、急 にADLが低下することが多いので
退院後、早期に訪問し、指導をはじめなければ
ならない。又、家族が主に支擾を要するの・も退
院直後である。そのため、退院仙報システムの
整伽が必要である。(医療機関との迎挑)
(3)在宅において、状況変化等、家族が支扱を必
要とする時に、タイムリーなサービスが安心し
て受けられる体制をつくる。(福祉との 挑)
問題点
今年皮は、対象者を管内四市町村に広げ、肋m
を実施している。ケースを秋みⅢねることで、地
域の方向性を示しながら、地域のニーズにあった
要介鯉老人の支擾システムづくりにむけ、検討し
ている段階である。なかでも、各機関の役割を分
担しつつ、なおかつ、効果的に述挑して機脂させ
る支援体制を具体化させることが、今後の課題と
思われる。
無床小規模診癖所における老人のQOL
向上をめざしたミニデイサービスの試み
天心堂よしの診療同
O長野佐知子,但馬真由美
中野俊彦,原利喜雄
はじめに
天心堂よしの診療所は2年半前 89年5月に開設されました。職員は医師1
看護婦2,事務1の無床の小規模診療所で、吉野校区唯一の医療槻関です。
吉野校区は人口3000人弱・戸数750で、数年前たった1人の地元の医師が亡くも
って以来、無医村地区となって、地区民は大変不便な状慰にありました。地区民
の熱心なお誘いと天心堂の創業の志である「出かける医療」が合わさって開設に
至ったものです。
吉野校区の主たる産業は農業で、校区の大半が市街化調整区域=農業振興地域
に 指 定 さ れて い ま す。 し か し 、 時 代 の 潰 れ の 農 業 の 衰 退 の 中 で 兼 業 農 家 化 が す す
み、 70年代・ 80年代にかけて若者の流出、出、産数の減少が続き、老人
(65才以上)人口は25%に達する高齢化校区です。当診療所の受診者数は1
日平均約45人、月平均約10 0 0人ですが、その中6 5才以上の老人の占める
割合は65%です。
定期往診対象患者は平均して26人くらいいますがもちろん全患者が老人です。
こうした老人の通院はなかなか困難な人が少なくありません。郵便局・学校・
農協・診療所のある校区の中心地から校区は4∼6 kmの範囲に広がっています。
「近くて遠きは田舎の道」といわれるように1つの部落のなかでさえ1軒1軒は
坂を隔てて結栂離れていますし、隣の部落となるともう老人の足にはかなり遠い
ものになります。通院には若い人が早朝通勤の途上、診療所に老人をおいていき、
帰りはタクシーという人が少なくありません。
つまりこうした農村的田舎という生活条件の中でも、独居であろうとなかろう
と思いの他孤立した生活をしている事が多いことがわかってきました。
そ して、 日 常 の 診 療 の 中 で こ の 孤 独 孤 立 と い う 状 態 が 老 人 の T Q O L 」 を 低
下させ、いろいろな訴えを引き起こし、痴呆化を進めているのではないかと思わ
れる例が次々とでてきました。
このような老人が、診療所にきて侍合い室で久しぶりにあった旧知の人達と和
気蕩々に懐かしそうに肩をたたきあっている姿は、診察室の姿とはまるっきり別
人のように感じたこともまれではありません。そこで、『よし、そういうことな
らこちらから然るべき場を作ってしまおう」と考えた次第です。それが本日報告
する「ミニデイサービス(茶話会)」です。
特別養護老人ホーム、老健施設、病院などでデイサービスが実施される例は全匡
で次第に増加し、経験も深まっています。一方私達のような無床小規模診療所に
おける例はまだ少ないとおもわれます。
目的
私 達 よ し の 診 療 所 で は 、 通 院 中 及 び 往 診 中 の 患 者 で、 下 記 A ∼ I の 状 態 が み ら
れ 、 診 察 時 に み た 所 見 よ り も 家 庭 で の 『 Q O L 」 の 低 下 し が ち な 患 者 や、 診 察 時
の 所 見 よ り も 侍 合 い 室 で の 状 恩 が 良 い 患 者 を リ ス ト ア ップ し Q O L 向 上 を 目 的 と
してミニデイサービス(茶話会)に招待することにしました。
A.ねたきり、B.ねたきりに近い、C・独居、D、昼間独居、E,淋しがる、
F. 多 彩 な 訴 え 、 G . 家 人 と の 間 で ト ラ ブ ル 、 H . 放 っ て お け ば 布 団 や こ た つ で
じ っ と して い る 、 1 . 痴 呆
­40­
方法
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
問題のある
誘 う 本 人
お 迎 え 家
要すれば診
あいさつ
一 服 適 当
患 者 の リ ス トア ップ
,家族の承認
人と共に来所あり
察
なおやつを用意する(ふかし芋,ようかん,プリン等)
行事(いる いろな催し)
一 服 時 に は 手 作 り の お や つ を 持 参 して 来 てくれ る
行事(いる いろな催し)
自由におし や く り 審 雅 I
かたずけ
ミニデイサービス実施内容
お送り
年月日
時、
参加人数
内
容
反省会
資料
3.3.28
I 00∼1
0
0
5
45
2
1 00∼1
0
0
4
1 00∼II 0
0
4
00∼1
00∼1
00∼I
00∼II
5
IG
67
2
75
2
91
9
10 1
7
11 8
2
1
1
1
1
0
0
0
0
30
0
3
1 00∼1! 0
5
患
者
○衛○サラ
年齢
O坂○ィ
○野○コ
O野○ル:
O買本Oジコ
O雌○代子
O馬Oイ
縁 O 武
8
2
7
〔
7
2
8
〔
8
《
7
〔
9
(
5
合唱,舞踊,体#
風船バレー,合唱,体操
似顔絵の披露,雑談
空缶の積上げ競争,あやとり,豆の皿13
大正琴の演奏,豆の皿移しケ -ム
牛乳ハ シタを再生利用して葉硲を作成
〃
自作のお手玉で遊ぶ
性 デイサービスを要すると考えた問題点
世話やきであるが昼一人、他の人との交流の場に
フラストレーションが大きい、その発散
痴呆が始まっている。抑ウツがある。嫁との 、
I』 寝たきり。よそからこの地にきて友連がない。
!』 さみしがっている。
昼一人,難聴,孤独,外出の一つとして
昼一人,ボケ進行にて要注意,コミュニケーション,話を聞く
30年近く屋敷か出ていない,親戚,診 所の見学
ず 痴呆あり、行動に注懲,コミュニケーション
O布Oミ
7
1
8
4
O津留Oカエ
8
(
O田○力
8
:
○本Oミエ
7
1
お茶飲み仲間と共に息抜き
○保○クエ
O野○マ
7
日
診療所で何かアイデアを
会話好き、世話好き,ボランテイア
お茶飲み仲間と共に息抜き
診霊所で何かアイデアを
お茶飲み仲間と共に息抜き
診霊所で何かアイデアを
家人が心配して部屋から出ない槻にしている, える
会話OK.働きかけでADLが上がるのではと思い
○野○生
○部○ミ子
O布○キヨ
O村O兇
9
〔
3世帯同居でめぐまれている,殿聴,膝が悪くて、
7i
7
〔
閉じ込もりがち
片麻痩、痴呆あり,外に出る隠会をつくる,妻の休養
独居.興味→牛乳パックの再利用
8
4
7
(
興味→牛乳バックの再利用,ボランテイア
独居老人だが現役の地区の世話をする。
ざ
ず
O腫○ス$
○馬○ズョ
興味あり.ボランティア
お茶飲み仲間と共に息抜き
得意でない事をして遊ぶ,得意な事をみんなに知らせ
る機会に。ボランテイア
8
(
7
4
41
結果
結 果 は 表 の 通 り で す。 参 加 時 の 所 見 の み で す が 、 参 加 者 全 員 が 活 発 化 、 Q O L
の向上がみられ、「又、来たい」と、言われました。その中から特徴のある例を
紹介したいと思います。
個 々 の ケ ース に つ いて
O田O力さん竿82才同居者息子夫婦
老人性痴呆,腰背部痛,骨粗羅症
89,6月綴み物等ができていた
90,11月昔の事ばかり言って家人を寝せない、眠らない
9 1 , 3 月 転 倒
以来、排池・歩行など除々にダウン。
息子は仕事、嫁は農業、昼一人の事あり。
その時は出歩くとあぶないと部屋から出れないようにつつかえ棒をしている。
部屋にてポータブルトイレを使用、時々失敗あり。
ほとんど寝ている、家人がいるときは居間で共に過ごす。
9 1 , 6 月 ミニデイ サ ー ピ ス に 参 加
家 人 ( 息 子 ) が 車 で つ れて 来 る 。 介 助 に て 歩 行 す る 。 畳 に 横 に な って い る が 、 豆
移 し ゲーム を さ せる と 椅 子 に 座 り 、 割 り を 上 手 に 使 って、 他 の 人 と 同 じ よ う に
できた。スタートの合図もよく守れ、話せば理解できる。
お 茶 と お や つ を 食 べ 、 歌 を 歌 って も ら う 。 軍 歌 を 2 . 3 歌 う 。 自 己 紹 介 を し 、 ゲ
ームも上手、笑顔で笑い声が聞かれた。
家 人 は 預 け て い る 間 心 配 だ っ た 。 歌 を 歌 っ た り 、 ゲーム を し た り 、 本 当 だ ろ う か
信じられない楳子であった。
○ 坂 O イ さ ん 早 8 4 才 同 居 者 息 子 夫 婦
近所の娘、親戚
耳鳴り、難聴著しい,高血圧症,変形性脊椎症,パーキンソン症候群,
老人性うつ病の患者。T I Ao
身の回りのことは一応自分でできる。調子がよければ草取り・菜園作業少々。
89年秋から90年1月にかけて、多彩な訴えあり。火の不始末を繰り返し、
家 人 と の ト ラ ブル が 親 く 。 嫁 と 面 談 し 、 つ き あ い か た の 指 導 で は な り 効 果 が あ っ
た。91年3月28日ミニデイサービス。倒れた夫を7年間世話して見殺した話し,
米づくり・野菜づくりの話しなど自慢話しが次々と出る。さらに昔は宴席で聞か
せ た と い う 渋 い 声 の 民 謡 が い くつ か 。 日 頃 の 姿 と は 大 い に 違 っ た 、 ま さ に 独 壇 場
であった。「こんなに楽しい日はここ何十年したことがない」と、大喜びであっ
た
。
­42­
○野○江さん早80才同居者次男夫婦,孫3人(中1.小2.5才)
脳 卒 中 後 遺 症 、 脳 血 管 性 痴 呆 、 骨 粗 霧 症 に よる 骨 折 6 カ 所 で 寝 た き り 3 年 間 、 息
子の識別ができたり、できなかったりのレベル。家庭では食事や用便、清拭風呂
の世話は一応できているが、それ以上のことは手が届いていない状態。デイサービ
ス席上では①その場限りではあるが会話がはずむ。②若い頃の特技であった童謡
を 次 々 と 皆 と 一 緒 に 歌 う 。 ③ 断 片 的 で あ る が 苦 労 自 慢 噺 が でる 。 ④ 「 ま た 遊 び に
来て下さい」と、ニコニコと挨拶する.・・がみられた。家人がびっくりするほ
ど 活 発 で あ っ た 。 家 人 は 「 家 で も して あ げら れ る と い い ネ 。 よ し 、 子 供 達 と 一 緒
にば­ちゃんと歌を歌おう」と、言っていた。
O 馬 O イ さ ん 早 9 0 才 同 居 者 長 男 夫 婦 孫 娘
骨粗霧症、変形性脊椎症による腰背痛・歩行困難あり。慢性腎炎(軽度)
息 子 夫 婦 の 家 業 は タバ コ を 中 心 と し た 専 業 農 家 で 出 払 って い る と き が 多 く 、 本
人は日中ほとんどひとりでいる。身の回りのことは一通りできる。縫い物などは
か な り で き る 。 外 出 は ほ と ん ど して な い 。 3 0 年 近 く 屋 敷 か らで た こ と が な い と
いう。4月25日デイサービスに誘う。お迎えの途中、親戚の家により.知人に会
う。Sじいさんの姿が変わっているのに驚く。Sじいさんの家が、すぽ屋根か
ら 瓦 ぶ き に か わ って い る の に 驚 く ( 3 0 年 前 に 変 わ っ た ) 。 車 の 中 で、 あ れ は 誰
の 家 こ れ は 誰 の 家 と 教 えてくれ る 。 皆 正 し い 。 い ろ い ろ 自 慢 話 が 次 々 出 た 。 風 船
バ レ ー や 歌 を 歌 っ た 。 風 船 バ レ ーで は 「 し き ら ん 、 し き ら ん 」 と い い つ つ 、 い ざ
となるとなかなかの腕前で長い手が『さっ」とでる。
日頃の往診では想像もできない動作や表情、話があった。
まとめと問題点
高 齢 化 社 会 は 急 速 に 進 展 して い ま す。 そ こ で は 寝 た き り 老 人 は も ち ろ ん 、 そ の
予 備 群 が 膨 大 に 生 ま れつ つ あ り ま す。 老 後 の 先 行 に 不 安 を つ の ら せ る 彼 ら に は 、
「 ぽ っ く り 死 に た い 」 と 、 い つ も い わ れ ま す。 も ち ろ ん r ぽ っ く り 、 今 死 に た い 」
の で は な く 、 で き る だ け 元 気 で 長 生 き し 、 最 後 は ぽ っ く り 人 の 手 を わずら わ せ ず
に死にたいのです。
そ の 為 に は 寝 た き り 予 備 群 の 時 期 を 、 希 望 を も っ て 、 安 心 して 、 Q O L を 保 持
しつつ過ごしていくことが大切であることはいうまでもありません。
過 疎 化 の 進 む 農 村 地 区 で あ る 当 校 区 に お ける 寝 た き り 予 備 群 の 老 人 た ち は 、 孤
立 、 孤 独 を 主 な 原 因 と して 活 力 を 発 揮 で き な い 状 憩 に お か れて い ま す。 こ の た び
上 記 の よ う な ミニデイ サ ー ピ ス を 実 施 して、 こ ん な さ さ や か な 催 し の 中 で さ え 、 彼
らは残存活力を私たちの予測をはるかに越えたレペルで発揮することがたびたび
あ り ま し た 。 こ れ ら は 狭 い 意 味 の 医 療 で は 達 成 で き な い 効 果 と 考 え ま す。
遠 方 に ど ん な 立 派 な サ ー ビ ス が あ って も ど う に も な ら な い 。 老 人 の 日 常 生 活 範
囲=たとえば校区内に少なくとも一ケ所こうしたデイサービスセンターが必要です。
こ れ は 厚 生 省 の い う ゴール ド プ ラ ン の 1 0 年 先 の 目 標 で す。 現 実 の 高 齢 社 会 化
の 進 展 は プ ラ ン よ り は ずっ と 急 激 で す。 各 校 区 に い くつ か 存 在 す る 診 療 所 レ ベ ル
でデイサービスを実施すれば寄与すること大でしょう。そのためには、
①送迎の保障・・・これを完全に保障しないと近隣でもできない。
②ボランテイアの育成参加,・・何としても人手がほしいボランテイア活動自体が
活力ある老後をつくりだせるようにしたいものだ。
③ 費 用 の 保 障 ・ ・ ・ 今 は 出 血 大 サ ー ビ ス で あ る が こ れで は 長 続 き し な い 。
④医療福祉制度のバックアップがあるべきだ。
­43­
在宅ケアを支えるデイサーピスの役割
姫島村国民健康保険診疲所
看 護 婦 今 木 貞 美
当診議所では、在宅寝たきり者や高齢のた
め通院困難な患者を対象に、在宅澱養を支え
る一つの手段として訪問看護に取り組み既に
7年を経過している。
この間、個々のニーズに応じるため訪問看
護の回数を増やしたり、入浴サービスの取り
入れ、エアマット等の介護に必要な機器の貸
出や、野外レクリエーション、介謹者教室等
を行い、訪問看護の質的向上をはかりながら
在宅ケアの援助を行ってきた。
しかし、週1、2回の訪問看護だけの支援
では、在宅疲養を行う患者やその家族にとっ
ては充分とは言えない。障害老人を家庭で介
護する家族の苦労は大変なもので、介護者の
労力の軽減をはかり休息を与えることも大切
である。
また、在宅障害老人は家の中での擬養生活
は行動範囲も狭くなり、このことが寝たきり
になったりボケにもつながってくる。
在宅ケアを充実したものにするには、残存
能を低下させないためのリハビリテーショ
ンや介護者の負担の軽減を図るため、在宅ケ
アを側面から支える社会的施設が身近に必要
となってくる。
その在宅ケアを支援する受け皿となる施設
として、姫島村では高齢者生活福祉センター
が診磯所に併設され平成3年5月にオープン
している。
この施設はデイサーピス、ショートステイ
居住部門、ホームヘルパー派遣部門といった
機能を備えた多目的のサービスが提供できる
総合施設となっている。
高齢者生活福祉センターのデイサービスと
訪問看護を組み合わせることによって在宅ケ
アを支える条件は整備され、在宅老人の生活
の質の確保・向上に大きく貢献し質の良い充
実した在宅ケアができるようになっている。
自らの力で戸外に出かけて行くことができ
ず、家庭内に留まりがちな要介護老人にとっ
てデイサーピスに通うことは、多くの老人や
同じ境遇の仲間と触れ合うことになり、刺激
を受けることができ身体機能の維持改善、孤
立化防止、生活の活性化、生きがいづくりに
­44­
結びついている。
そして家族の身体的な負担の軽減にもつな
がり、家族の介護問題も少しは整理されてき
た
。
また、デイサーピス利用日には訪問看護の
スタッフもセンターを訪れて、犠子を伺った
り、必要があれば診嬢所を受診し検査を受け
たり、投薬を受けて帰宅することができる体
制となっている。
身近に在宅介護支援する施設ができ、在宅
ケアを行う患者及び介護者にとってどのよう
な役割を果たしているのか実例を挙げて紹介
する。
【実例1】、
息子夫婦と3人暮しの79才の男性F・S
さんは、平成2年9月に下痢・唱気・唱吐・
腹痛症状を訴え入院となり慢性胆嚢炎と診断
され、腸閉塞.による経口摂取不龍のため長期
入院となり、IVHを開始し寝たままの状態
となった。
その後、病状が安定したため家族の希望も
あって、平成3年2月にIVH、バルーンカ
テーテルを留置したままの退院となり、在宅
でケアを行うことになった。
在宅ケアを行う場合介護者が一番大変だと
感じていることは、排池の援助と入浴の援助
である。特にFさんの場合はIVHを行った
ままの入浴となると家庭では困難であるが、
センターの入浴サービスを週1回受けること
になってから、安楽な体位でお湯に入ること
ができ清潔の維持ができることは、本人にと
っても家族にとっても心身のリフレッシュに
なっている。
いつもベット上での生活のFさんにとって
最も楽しみな入浴となり、この頃よりひどく
あったボケ症状も消失し、家族も「してあげ
たくても出来ない入浴、それも迎えにきて連
れて来てくれる」と大変喜ばれている。
また、センターに来た時に診療所でIVH.
パルンカテーテルの処置等も同時に行うこと
ができ、往診時ではできない胸部レントゲン
掻影、心電図などの検査等が定期的に行うこ
とができ、訪問看護も週に一回行い効率の良
い在宅ケアの支援ができている。
【実例2】
息子夫婦、孫2人暮しの86才の女性K・
Aさんは、腰椎圧迫骨折により平成元年3月
に入院し治擬を行い5月に退院する。退院後
は継続看護として訪問看護を行うようになる。
訪問看護の目的としては、寝たきりにさせ
ないということで、訪問時に歩行訓練を行い
「まだまだ自分の力で歩けるんだ」というこ
とを言い聞かせるとともに、家族にも呼びか
け歩行の介助の指導を行うが、訪問時の歩行
状態からは訓練の成果はみられず起立動作さ
えもおぼつかなくなっていた。
しかし、5月からデイサーピスに通い歩行
訓練を行うようになってから、初めは寮母に
支えられやつと歩くといった状態から、現在
では自力で歩くことが可能となり機能訓練の
成果が現れている。
「家に居るときは歩く気力がなく、一日中
座ったまま」という状況であったが、センタ
ーに来るようになってから、気分転換にもな
り同年代の人達と話しにも花が咲き表情も明
るくなり気力も出てきて、活動範囲の広がり
も見られるようになっている。
この他18名の訪問看護対象者の内11名
がデイサーピスを受けており、全てが生活に
明るさがでており週1回のデイサーピを心ま
ちにしている要介護老人が多くなっている。
デイサーピスは在宅ケアを支える役割を充
分は果たしている。
【おわりに】
高齢者生活福祉センターの診療所併設、更
に在宅介護支援センターが診譲所の二階に建
設中で2月に完成すると、在宅ケアを支援す
る体制が出来上り、それぞれが地域に密着し
た接点を持ちながら、椴々な在宅福祉サービ
スに対応できることになる。
これらの施設をうまく活用し地域のニーズ
に充分答えて行くには多くの問題は残されて
いるが、まだ高齢化社会に突入したばかりで
ある。
今後の超高齢化社会を迎えるための課題は、
介護の量的問題とQOLという面を考えると、
いかに効率的に質の良いケアができるかであ
ると思う。それには在宅と支援施設をうまく
連携させ­人でも多くの老人が、住み慣れた
我が家で家族と共に過せ社会的、家庭的生活
をエンジョイしてもらい、家族と共に明るく、
伸び伸びとした余生が送れるような在宅ケア
をこれからも支援して行きたい。
­45­
戻J寮一イ呆健一ネ畠ネ止のう雲
一在宅療養者への支援一
特定医療法人天八堂へつぎ病間
田簿驚鮮箔
石 丸 大 輔
症イ列独居老人に対するチームケア
、まし>津&ご
I。H氏M34.09.15生90才
高齢化社会の到床に今後いかに取り組み対応
していくかは、当然の国民的課題である。国は
「高齢者保健福祉j雛十カ年戦略」を実行ある
ものとするために老人福祉法等の改正を行うな
ど具体的な準備、実施を進めている。地域医療
・福祉の第一線で活動する我々は正しく理解す
癌雀
ると同時に、在宅療養者に分かりやすくかつ利
用し易い福祉サービスが提供されるようにその
パイプ役としての役割認識を持つ必要がある。
在宅福祉サービスとしてホームヘルプサービ
ス事業、デイサービス、シヨートステイのいわ
ゆる「在宅福祉三本柱」を有効に利用し実践し
ていくこと力戦々の使命と考える。
私の所属する在宅医療事業部は医療機間にあ
り医者による往診、訪問看護をベースとした細
続的医療を行う。本ケースは考えられる社会資
源を有効に利用できた例としてあげながら問題
点を含めて報告する。
往 診
訪問看副
合
計
#1面Ⅷリ甥f引生膝関雌骨粗糊
#2肺炎脱水低K血症
#3貧血
載篭 ・919月末地域の住民よりI氏の様
子がおかしいので往診して欲しいとの依頼
が当院にある。10月1日往診にて、2∼
3日前より風邪をひき食欲が低T.咳、痩
があるとの主訴あり。脱水、肺炎の疑いが
ある為入院を勧め同日入院した。
碓卸股与後購上も陰影は改善した。
しかし貧血は改善されず低栄養状態、又
数年来立って移動すること力無かったため
胴l夏筋の萎縮が見られリハを勧めるが本人
は拒否。止むなく同18日退院とし極畿
過観察とした。
V在宅医撤(往診・訪問肴溌)の実績
年度
田 順 一
月平姶
ケースプロフイール
1
8
1,751
417
2,17
181. J
(
8
1,59
556
2,01
167(
.
(
8
2.64
563
3,206
267.1
(
9
★92
494
1.416
11
重雰建]
★uパフ謝丙嚇剛
の他の院内つ流
、磯険
3
( 5)
同地区居住
妻(31)
看護蝿
警職死砦雌…
ヨ談への紹介経i略他機陵
­46­
始することを1膳認する。同時に地区担当保健婦
に訪問依頼をする。ヘルパーについては市を通
じてI wに2回の鋼貰で訪問することを確認、
当院に来I境してもらい往診、訪看の予定とヘル
パー訪問の日取りについて検討、1Wの予定の
打ち合わせをする。週院Iw後保健婦訪問する
保健婦の訪問の印象としてヨ に受け入れが良
く、話好きである為コミュニケーションは良好
である。また食事面についてはバランスよく摂
取するよう指導したとのこと。そして今後もチ
ームケアで対応していくことを確議Iする。
処遇上の問題点
1.今回の入院で病院に対する不満、不信
感あり。
(入院したせいで痩せたという)
1.食事内容が貧弱なせいか栄養バランス
が取れない。
水分摂取力沙ない為脱水症状になり易
い
。
1,他を寄せつけず閉鎖的である。
1.ガス・電気等火のもと湖心配である。
処遇計画・目標
1;地域担当保健婦の訪問依頼
1;市のヘルパー派遣制度の利用
1 ;地域住民の協力
(特に民政委員からの観察)
1 ;それぞれチームとしの連携強化
1;在宅医療事業部へ往診、訪問看護の依頼
経 過
入院した翌日保護課cwよりケースの紹介・
依頼がある。ケースは生活保護受給中で以前よ
り特別養護老人ホーム入所やヘルパー派遺を勧
めるが本人は拒否する。入院中及び退院後宜し
くとの連絡ある。
退院前に入陶甫棟担当Nr、Drより訪問看
護についての依頼あり。入院状況としては抗生
剤投与により肺炎、脱水は共に改善し食欲も改善
するがリハビリに対する意欲はなく本人より強
い希望で退院となる。隣接する老人保健施設入
所を勧めるも拒否。やむを得ず退院となるが独
居生活が予想される為ケア要とのこと。往診は
2wに1回訪看はIwに1回入浴は老健施設の
デイケアを利用することとする。
退院日PT, Nr MSWと共に自宅訪問す
る。面談の中で入院中の不満を訴える。①無理
やり入院をさせられた。②ベット上しか動けず
足腰力 った。以上を述べた後「もう絶対に入
院せん」と繰り返す。トイレにいくよう本人に
お願いする力埴うのが精一杯でつかまり立ちも
不可能であった。炊事は膝立にて可だが長時間
は不可能。食事内容はのり、たまご、カップう
どんと単一的で偏食傾向がつよい。入浴は老健
施設のデイケアを勧め日程も決める。現在安否
の確認については、孫息子とその嫁(地元在住
】民政委員である>・
MSWは退院に及び市保護課cwに連絡。退
院後のホームヘルパー派遣について手続きを開
­47­
後当院より訪問リハをおこなう。立ち上がり
訓 を主とした内容で行う予1定であったが、現
状では困難と執断。日常生活動作を座位でと考
えるが、流し台の高さが合わず実用性がない。
そこでデイケアで当老侭瀧認t内で平行棒を使っ
ての劉葡¦ を促し約束する。
その後デイケアに参加し入浴したが帰宅後
「やっぱり人が多いとこは好かん」「対応力懸
かった」などと具体的な理由がなく「もう行か
ん」とデイケアに対して拒否的態渡であった。
現在では物を使ったつかまり立ち更には徐々
に歩行も身の回りではあるが可能になっている
入浴は地冠E住の孫が仕事で不在がちな為、ヘ
ルパーによる滴拭を頼みとしてるが大変喜んで
いる。最近ではヘルパー、訪問看誰婦、民政委員、
へつぎ病院医師、孫との面接を楽しみにしている。
考 察
現在本ケースは順調に生活し社会資源として
の人材・機関を有効的に利用している。長年の
独居生活で閉鎖的な態度があらゆる職楓の人が
訪問することによって、徐々にではあるがうち
とけてきた。又、ADLも徐々に向上し、高齢
にもかかわらず生活意欲力 してきた。
ただ本ケースで考えることは「入院」という
事象によってその存在を認識し生活保護対象者
ということも手伝って、比較的早い対応が可能
であった。しかし体調を崩す前にその存在を知
りコンタクトをとっていれば入院治療及びその
後のケアも更に計画的に早期に解決できたので
はないか。密着包括的医療を志す我々は今後も
このケースのような対象者力撒多く存在してい
るのではないかと予想している。事後対応して
いくのではなく、事前に地域の中でこのような
ケースを把握し、早期に社会資源を動員して、
事前に問題を把握するためのネットワーク作り
力、必要とツ静諜してその具体策を考えてみたい。
地区組織の連携と活性化への取りくみ
一健康づくりリーダー活動促進事業一
日出保健所
隅千里他職員一同
lはじめに
日出保健所では、昨年度、住民組織のリーダーか
らなるK・K (健康と環境)実行委員会を組織し、
研修を行うとともにK・K実行委員が企画に参加す
る「健康と環境を考えるつどい」を開催した。(詳
細は表1のとおり)これにより、健康を守るために
は、病気にかからないような生活習慣を身につける
ことの重要性や快適な環境づく.りに取り組む必要性
が広く理解された。
.そして、今年度、健康と環境づくりの実践の場と
して、健康づくりリーダー活動促進事業を行ったの
で、ここに結果を報告します。
2目的
(1)各住民組織の自主的な健康と環境づくり稲
勤を促進する。
(2)保健所及び管内市町と住民組織との有機Ⅸ
な結び付きを図る。
3事業経過及び結果
(1)健康づくりリーダー研修会
各住民組織のリーダーを対象に、健康づくり
リーダーの役割について凝演を行うとともに、
保健所の健康教室及び事業を説明し、参加を呼
びかけた。
くりの意織を行動へ移すステップとして、「健康と
環境を考えるつどい」を開催した。これにより、悩
康と環境づくりの実践の必要性やその方法が理解さ
れ、各組織と保健所の連帯感も芽生えてきた。.、
今年度は、各住民組織が、組織的に保健所事業l:
参加したことにより、保健所の仕事に対する理解力
深きり、自主的な組織活動を呼び起こすようにな雷
たのではないかと思う。
また、生活排水対策やゴミの減量、再生、資源イ|
については、、住民の自覚と実践が不可欠であるが、
管内では、独自に紙すきなどに取り組んでいる組胤
もあり、今後もこのような活動が広がっていくい
と期待している。
なお、この事業を契磯に保健所の情報を住民に#
供しようと保健所だよりを定期的(4.8.12月)に発f
することになった。
5おわりに
21世紀に向けて、保健所のあり方が賎 されて
います。地域公衆衛生の第一線機関として、今後、
この事業を契機に各住民組織の自主的な活動を促進
していきたいと思います。
(2)健康づくり標語の募集
管内の小学生から一般住民を対象に、一人一
人が「自分の健康は自分の手で」という考えて
健康づくりを行うことの大切さ、または、身
な環境を守り、快適な環境をつくっていくこと
の大切さを訴える標鴎の募集を行った。
(3)健康と環境を考えるつどい
今年度、健康と環境づくりを進めてきた総括
として、「健康と環境を考えるつどい」を表2
のとおり開催した。
4まとめ
日出保健所では、平成元年度から、「自分の健康
は分の手で」という考えのもと病気にかからないよ
う、また、快適な環境づくりに取り組んでいけるよ
う健康づくり事業を行ってきた。
元年度は、住民組織のリーダーを対象に健康と環
境の意織の啓発を行い、2年度には、健康と環境づ
­48­
表2
実施年月日
事
3.6.2
業
内
名
環境シンポジウノ
日出・91
参 加 者 の 反 J i
容
e
ア繍演「環境にやさしい暮らしと社会を求めて
鯛師県環境アドバイザー吉野正男
(日出町
イ実践「紙作り
驚く一方、資源の大切さ
(山香町)
*パネル展示会
を捕感していた。
P
0
3.10.4
牛乳パックからきれい
なハガキができることi;
健康づく
康づくりに取り組む体協
鯛師健康対策課長佐腫敏信
リーダー研修会
(日出町
各組織が協力して、健
ア謂洞「健康づくりリーダーの役割」
ができた。
イ日出保健所の事業説明
車業参加に関する各組織間の調整
3.10.21
薬に関する懇談全
(日出町
蕊の管理と正しい薬の
ア薬品工場見学一
使い方等が理解された。
イ懇誤会
(山香町
記
。
3. 11.2
八坂川をたどイ
(杵築市
(山香町)
3.11.2
12.17
介 篭 教 冒
(山香町
ァ
水の汚れについて、敬
演「八坂川」
めて問題意識をもてた。
謂師大分大学教授川野田実ま
イ水の口湧水及び八坂川の実態調査
高齢化を日頃から実感
ア訓演「注意したい老人の症状について」
しており、熱心に実技に
謂 師 保 健 所 保 健 予 防 課 長 利
イ介謂の実技
取り組んでいた。
ウ謂演、実技「救急時の処置」
3. 12. S
12.16
介 護 教 員
(日出町
謂師杵築速見消防署員
エ綱演「福祉制度の利用方法」
鱗師日出福祉事務所福祉課長
4 ◆
3.12.5
心の健康教冒
心の健康を損なう要医
が多い現在、身体だけで
ア謂演「心の健康について」
謂師別府大学教授佐々木均太目
4.1.2:
(杵築市
1
6
3
:
(日出町
なく心の安定が大切であ
(山香町
ることが潔識された
4.1.2
アクティブ
ヘルス教蚕
(杵築市
4.2.1
健康と畷境を
考えるつどい
(杵築市)
ア実技「運動の実際
∼みんなで歩いてみましょう∼.
諭師運動指導士松元羅人トレーナ.
ァ 匝づくり標語及びクリーンアップ作戦推進団体
の
衰
彰
、
申
ィ基調謂演「健康づくりについて」
鯛師日出保健所長園田潟
ウ シ ン ポ ジ ウム
「今後の住民組織の活動方向について」(仮称)
­49­
表
実施匂 月
E
K-K実行委員会
2.9.5
・ I
第1値 K
実行委員会
2. 9. 1
内
容
ア健康づくりリーダーフォローアップ事業説り
実行委員に、事業実施要綱をもとに事業の説明を行う。
イ識演「みんなですすめる健康づくりとリーダーの役割
調師大分識予防センター所長早野魂
ウ質閣I箔
2.9.2
ア研俺「管内の衛生指穏と保鋤1策
委員会分敗会
説明日出保健所醗而・担当 幽
(lilt) イ意見交換「健康と環境を考えるつどいの休溶について.
実施時期、域所、錘噸 内容島
〃(日出】
2.9.2
〃(杵築)
2. 10. 3
第
I 回K-K実行
第
: 回K-K実行
委員会分散ョ
山
( 香)
ア研修「快適な生活と美しい唄境をつくるには̅その現状と
対策」説明日出慨建所衛生鐸
イ恵見交換T 蕊と環填を考えるつどいの防溶について.
鋤晴の反応・意見
食物への関6が高く、スナ
ツク菓子の是非アクト300
フード30、血圧測定、農調M
題等と、時間延長する程質借
が出る
自分たちの地域の健康状態
いて「なぜそうなのか」
と考える堀となる
各会喝とも委員の中から理
長を選出し、率直な意見力拙
され、熱心に討議される
各委員、環境問題を身近な
切実なことととらえており反
応は予想以上に高い
基鯛鯛演以外の催しについ可
2.10. 4
〃(日出)
2.10. Zl
〃( 築)
2.10.31
第4回K・K
ア「健康と環境を考えるつどい」の内容決定
実行委員昔
イ当日の運営について
2. 12.5
健康と環境を
考えるつどい
健康と環境を考える委員委側犬交卜
基調謂演「健やかな暮らしと快適な環境をつくるために」
大分医科鋤授三角順一
第1分#桧鯛演「健やかな老後のために
大分鍔好防センター所長早野雑
第2分科会鋼演・実技「いい汗かいてリフレッシュ
大分県Ji!雌成人病検診センター
健康運動指導士松毒』
第3分科会現地見学「八坂川をたどる
大分鍔授羽野兇
内容について、スムーズに
各委員の賛同を得る。
当日の運営について、各組
織の会員にどう呼びかけるか
など、会終了後自発的に相談
する姿もみかけられる
参加者400人
アンケートホ課(回収191人】
つどいの内容について
よかったと答えた人173
mtu乃叱答えた人183
当日、実行委員が自主的に
到寸に協力するなど、週テに
参加する姿もみられる。
第4分科会健康ウォーク「史跡を歩こう
日出町教育委員会社識育課
腺長補佐金丸宥81
3. 1. 21 第5回K・K
ア反省会「健康づくりリートフォ匪アッフ事業」につい弓
実行委員会
イ意見交換「今後の各組織の活動について
­50­
自分にとって、漠然として
いた健康・環境問題力m悠を
積むうちにハッキリわかって
きたなどの意見が出る。
水間題では「川をきれいに
する連絡会をつくろう」とし
う意見もでる
老人保健施設の地域的取り組み
WA C法による 健康長寿のまちづくり 事業を中心に
老人保健施設創生園
○高椋清,加治智子,野見山直子,高椋新太創
九州リハビリテーション大学校
堤文生
中津市役所社会課
久永義辰
【はじめに】
近年、地域によっては急速な高齢化が進み、家族
桐造が崩壊していく中で、ゴールドプラン十か年戦
略を中心として種々の取り組みが行われようとして
いる。「健康」「生きがい」「安心」を合言葉に、
種々の施設拡充・ケアメニューの提案がされている
が、ともすれば、現在、目の前にある高齢者問題だ
けに 臓が集中し、20年、30年、40年後に必然的に
高齢者になっていく 自分 の、「自分保健」「自
分医療」「自分福祉」「自分生活」「自分環境」
「自分人生」についての討騒はあまり行われていな
いように思われる。
中津市は、平成3年度「ふるさと21健康長寿のまち
づくり…Well Aging CommunityCWAQ」基本計画策定
の指定を受け、「施設・行政が与える福祉」から
「ライフデザインに基づいた自分福祉」の方向で進
むぺく、種々の計画を進めている。
今回は、創生園が まちづくり に取り組むこと
になった経過とともに、現在検討されている問題に
ついて報告する。
【現在の創生園のネットワーク(図1)】
老人保健施設としての業務をこなす内に、自分た
ちのまちづくりの絵を描く作業に、積極的に加わら
ざるを得ない状況になってしまった。
中津市社会福祉健 会
中津市社会課老人福祉係
中津市及び近郊社会福祉事務所
厚ボランティアグループ、
在宅介箇支援センター
⑥(憂扇̅〕
関連施設
国立中津病院
辛嶋歯科
リハビリ専門職
老人保他施殴創生園、
病院・医院
リハビリテーション病院
穏講霧雪雲身、
・デイケア・ショートステイ
青年会Iロ所・ロータリークラブ
ケースワーク・行政要 思者受け入れ
組織活動支擾・研修支援・行事支援
恵齢者サービス偉含頂甚チーム要貝
凡中津市社会橿祉協騒会理事〃
一イスカウト
、う
高椋クリニック
老人ホーム
十
十
◆
リハ大学校・看護科・看蹟学院
ふるさと21健康長寿のまちづくり事業
図1創生園の現在のネットワーク
­51­
【まちづくりのヒントを示してくれる­症例(図2):
症例70歳
女 性
平成2年6月14日
平成2年9月19日
扇 塞発症(旺往歴:海血圧、糖尿病)
入囲診断:遍 蜜后左不全片麻揮、中等度痴呆、両側変形性膝関節症
(全介助­いわゆる渡たきり状態)
平成3年1
妃屋動作獲得
平成3年2月
移動用パーにて起立護得
(指示必要)
#
〆
平成3年5
匡麓淵 上
' fI
在の自宅は公益組織が借り上,:
住宅を貸し出し11
、
車椅子操作平面10m移乗介助錐でも可能しべ罫・
食事多少食べこぼす
排池オムツ(介助楽)
(全面部分介助)
/
昼
/主介護者主人(64趣)
7:00∼19: o0勤務
20100毎晩面会
、 熱 心 1心I1
『 穂急雇重琴
";
霧
齢
雛
宅
,
御
職
…
織
蓄
;
;…霧勤嵯…』
普通に仕事
(デイケア
デイケア)
毎日7: oo∼19 : 0o
(盆・正月以外、無休)
昼食・夕食・入浴付き
送迎(バスによるリハ)付き
図2まちづくりのヒントを示してくれる一症例
【症例の問題点(表1)】
表1症例から考えた 自分''問題点
01.子供の時から健康だったか?
02.親から人生を教えられたか?
03.学校で本当の福祉の心を教えられたか?
04.青年期はすなおに生きたか?
G5.よい給与が得られるようにがんばったか?
06.幸せな結婚をしたか?
07.子供を産み、しっかり育てたか?
08.家族のことを考えて子供の教育をし、就職させたか?
09.生命保険をかけたか?
10.年金をかけたか?
11.老後を考えて蓄えをしたか?
12.老後を考えた家屋の選択をしたか?
13.よい主治医を持って、真剣に健康にとりくんだか?
14.病気をなおざりにしなかったか?
15.本業を失ったときの「いきがい」「別な能力」を見つけておいたか君
16.将来を考えて良い生活環境を選んだか?
17等
. 々
­52­
1
ア
今
社会
や
環境は
、­
」
【創生園における痴呆高齢者をかかえた家族の自分福祉の例(図3)】
家族崩壊を起こさなかった高齢者に対して援助するのは、もはや簡単11
当初の状況
取 り 組 み デ イ 後 の 感 想 介 屡 者 の 状 況 計 画
※­挙??得
おかしくなった
何も心配ない
どうしたらいいだろう
入囲させたい
主婦・面会
毎
日
どうしようもできない
入団させたい
デ
うちなんて、ほぃ方
1ヵ月パート
イ
ケ
ア
デイに入れてほしい
排便困る
来たとgに浅田
交
代
で
創
生
園
デ
イ
ケ
ア
パ
ー
ト
○日曜、交代で
あづかり
○いくらかの
収入
○介蔭技術修得
○思者安心
○連絡容易
毘食ボランティア
図3創生園における自分福祉の例
【ライフデザインの具体例】
教頭
校長
おさらい塾
図4ライフデザインの一例
­53­
【健康長寿のまちづくりにおける私的思考】
◇コンセプト◇
1.自分福祉・自分価値・自分環境を問い直し、
自分の歴史を守り、自分人生をコーディネート
しよう。
2.死ぬまで仕事を失わない自分環境を作ろう
【整備のポイント】
1.計画の方向性の検討と啓藻活動
○福祉とは障害者と高齢者→一人一人の大きな福祉
○サービスを受ける高齢者→人生を教える高齢者
○仕事しかなかった自分→他にも価値を持つ自分
○サービスを受けるだけの自分→参加する自分
○自分のためになる広報(情報リハ活動)
○結果・経過としての施設・環境・グループ・
システム・ソフト
○施設の整備→人の動き+ささえる施設・スタッフ
○自宅の要介護高齢者
→起きて車椅子に乗り、リハに行く高齢者
これをささえる家の人、近所の人、車椅子交通網
○小学・中学・高校生の教育・家庭環境の問題
○幼児期の活動環境・育児の問題
2.ホスピタリティーソフトの系統的整備
○ケースマネージメントスタッフ
ケースワークのチャート化・パターン化
情報の共有化
とりあえずグループへのふりわけ
○グループコーディネーションスタッフ
とりあえず グループからの発展
作ってしまう 種々の目標とメニュー
○多くの人がケースマネージメントを受ける方法
4.身近な生活環境の見直し(身近で安価なリゾート)
○泥まみれの遊び環境一泥だらけ戦争ごっこ公園と
高齢者人生塾­­おさらい・宿題塾
そして高齢者自然食品駄菓子屋付設デイセンター
○農村休暇のすすめor定住のすすめ
土・日は田舎でキュウリを食べよう
(中津近郊過疎地対策)
○海浜休暇のすすめ(身近なリゾート開発)
遠足に行った大新田、みんなで掘ろうあさりの里
一参加しようゴミひろいフィールドアスレティック
○山岳休暇のすすめ(身近なリゾート開発)
一八面山、山登りバーベキュー公園
○環境浄化
自分の回り海一河川一下水道
選別収集生ゴミ不燃ゴミ
肥料、農薬、洗剤など
○大気汚染とクリーンエネルギー
5.現在の要介護高齢者問題
○高学歴社会一家庭の教育費過大-.共稼ぎ
Retire後の受け皿の未成熟がつくる、
しょうがなくドロップアウトさせられた高齢者
と 自分の歴史を失った家族
○どこに相談すればよいか?
どんな援助を受けたいか?知らない!!
上手にマネージメントされている高齢者がいる
ことをを知らない!!
↓
広報活動(情報リハビリテーション活動)
マニュアル作成
○アウトリーチを含むケースマネージメントが必要
歳をとったのだからしょうがない!
半恒常的なサロン化・友の会化
○広報スタッフ
自分福祉の十分な情報提供
窓口の情報提供
中津 困ったときに開くマニュアル作成
○行事・お祭りスタッフ
統合化されたスタッフ環境
---自分ボランティアと実行スペース
→ もう少しどうにかさせたい11
○主婦のための雇用政策(福祉の平等性)
本当の 寝たきり・痴呆高齢者をかかえた家族
を介腫ヘルパー・デイセンター職員・に採用
○病院・施設環境から、
在宅にしかないリハビリテーション環境へ
毎日、起きて車椅子に乗り、他人と接する
3.ライフサイクルを念頭に置いた
住民フォローアップシステム
○健康・保健とデータセンター・検診センター
○福祉教育と生涯教育
○仕事の選択と、将来の両親の問題
○年齢に応じた運勤プログラム、
要介護者が、一定時間、家にいなければ
共稼ぎできる
起きて車椅子に乗り、
デイセンターに来ることが一番のリハ
周辺高齢者をガイドヘルパーに採用
○新しい住居構造(一時的住み替えシステム)
○中津流Reality Orientation Workと
Unit Systemの形成
そしてメンタルヘルスケア
○Active Senior
(生産性のある、税金を払うSenior)になる準備
○現在の就業・経済(共働き)状態と両親のあり方
­54­
ラ
ン
セ
チ
ミ
ヨ
ナ
講 師 : 藤 内 修 二
ン
­
保健活動におけるパソコンの活用
大分県立三重病院藤内修二
1.ワープロが使えれば,パソコンも楽勝1
パソコンは使えなくても,ワープロは必要に迫られて,使用しているという方も多い
であろう.最近のワープロは,単に文書を作成するだけでなく,1)表計算機能(演算
処理ができる),2)グラフィック機能(図形やグラフが書ける),3)データベース機
能(条件にあったデータの検索ができる),4)通信機能(パソコン通信ができる)と
いった本来,パソコンの機能を有するものも出回ってきた.こうした意味でパソコンと
ワープロの差は小さくなってきており,ワープロが使える人にはそれほど難なく,パソ
コンが使用できるはずである.パソコンがワープロと異なる点はと言えば,パソコンは
使用するソフト(プログラム)次第で,ゲームからビジネスまでこなせる点,ワープロ
に比較してデータの処理スピードが速い点くらいである.
2.検診業務とパソコン
住民基礎台帳をコンピュータで管理している市町村も多くなり,ワープロについで,
こうした大規模なコンピュータ(いわゆるオフコン)も身近な存在となってきた.特に、
検診業務をサポートするこうしたオフコンの存在は欠かせないものになっている.受診
票の発送から結果の単純集計までをいとも簡単に処理してくれる.しかし,検診項目間
の関連や,問診内容との関連を見ようとするとお手上げなのが難点である.オフコンは
構造的にはパソコンと何ら変わりはないが,扱う情報量が大きく,それを動かすプログ
ラムは,素人には作成したり,変更したりできないからである.こうした検診データの
処理に工夫を加えるためには,システムを組んでもらうソフトの会社にその要望を出し
て,プログラムを変更してもらうことになる.それなりにコストもかかるが,町村の理
解さえ得られれば,後は業者任せでも,かなり良いシステムにすることができる.
また,パソコンでも数千件程度のデータまでなら,充分処理ができ,小さな町村では,
検診業務の処理もパソコンで可能である.ただ,この場合もより使いやすいシステムに
したり,統計処理に一工夫欲しい場合には,業者にプログラムの改良を依頼したほうが
賢明であろう.保健婦は検診のシステムの流れがどうあるべきか,得られたデータをど
う分析し,次の保健活動に生かすかを考えればよく,そのコンセプトに添って,プログ
ラムを改良してもらうことである.
こうした意味で,保健婦がパソコンを活用する最大のメリットは検診業務での活用に
あるのではなく,保健:婦が日頃の活動の中で感じた疑問を,調査や研究によって検討す
る際の活用にあるのではなかろうか.そこで,セミナーでは保健婦による住民の食生活
調査をケーススタディとして紹介しながら,パソコンの活用方法について解説する.
­55­
3.保健活動への活用例
事例:地域住民を対象とした食生活についての調査
1.調査票の作成
文書の作成
ワープロソフト
2.集計と処理
データの入力
データペースソフト
データの加工
データペースソフト
統計的処理
統計ソフト
グラフの作成
グラフソフト
報告書の作成
ワープロソフト
3.報告書の作成
今までのいわゆる「アンケート調査」と画期的に異なる点は、データの集計とその処理
にある。今までのアンケートの集計は一枚一枚調査票をめくりながら、「正」の字を書い
て行うのが主流?であったため、年代別や性別に集計しようと思うと大変な労力であった。
このため、各項目間の関係を調べるクロス集計はまず、困難であった。例えば、喫煙する
人としない人で朝食を毎日とる割合が違うかを検討しようと思えば、まず、調査票を喫煙
の有無で2つに仕分けして、その後、朝食をとる人の数を「正」の字を書きながら数える
ことになるのである。引き続き、飲酒の習慣の有無で3食食事をきちんととっているかを
検討しようと思えば、また全体を飲酒習慣で2つに仕分けして行うことになる。200人程
度の調査なら、時間さえ許せば、この方法でも可能であるが、1000人規模の調査では全
くお手上げである。
ところが、一度、パソコンにデータを入力して、データベースを作成しておけば、単純
集計はもちろん、クロス集計も瞬く間にできてしまうのである。しかも、統計処理用のプ
ログラムを利用すれば、集計と同時に、統計学的検定(いわゆるp<0.05で有意であるとか
ないとか)もしてくれるのである11・こうした統計処理だけでなく、いくつかの質問
に対する回答によりスコアを作成したりするときにも、大きな力を発揮する。好ましい食
生活習慣を「朝食を毎日とる」、「規則正しい時間にとる」、「間食をしない」、「バラ
ンスのとれた食事」、「1日に20品目以上とる」、「お酒は1合まで」といった6つの項目
についての回答から健康食生活スコアを算出したりすることも、データベースを作成して
いれば、瞬時にできることである。手作業ですべての調査票をめくりながら、スコアを計
算すれば、1時間以上かかるかもしれない。
セ ミ ナ ー で は 以 上 紹 介 し た 一 連 の 作 業 が パ ソ コ ン を 利 用 して 、 ど の よ う
に進められるか。その実際を紹介する予定である。
­56­
4.パソコンを活用した将来の保健活動の展望
1)広域的な情報の収集と活用
現在、各市町村で扱われる検診データは既に電算化の進んだ所ではデータベースと
して活用することも可能な状態になっている。このデータの様式統一すれば、(コン
ピュータのメーカーが異なっても可)保健所管内の町村のデータを保健所でまとめて
集計し、各町村にフィードバックすることも可能である。もちろん、全県単位で進め
ることも可能である。これが実現すれば、今以上にきめの細かい情報が、迅速かつ正
確に町村に提供することができるようになろう。こうして提供される情報は町村の保
健施策を決定する上で貴重な指針となるものである。
2)データに強い保健婦は人を動かす1
検診のデータは地域でのアンケート調査のデータを処理し、解かりやすい形で住民
に示すことは、健康学習の中で大きな意義を持つ。どんな重要な事実も教科書からの
受け売りだったり、マスコミで流きれた情報を引用したものでは、住民はあまり強い
インパクトを受けない。自分達の身近なデータを解かりやすい形で提供してこそ、住
民達の行動変容に向けてのモチベーションを与えることになろう。
また、町長をはじめとする行政や議会を動かすにも、自分の町村のデータを解かり
やすく、しかも、問題点を明確にして提示することが不可欠である。今までの保健婦
に不足していた行政を動かす力を身に付けるにもパソコンの活用はその近道と言えよ
う。
3)医療機関との連携の強化
検診のデータをデータベースとして整備し、各医療機関よりオンラインでデータの
出力や入力が可能なシステムを組めば、過去の検診結果を問い合わせても、瞬時にデ
ータが得られるし、検診の精密検査の結果も連絡票に頼らず、オンラインで結果を回
収することが可能である。
4 ) ク リ エイ テ イ ブ な 仕 事 の で き る 保 健 婦
パソコンを少し使いこなせるようになるだけで、今まで大学の公衆衛生学教室で
しかできなかった調査や研究が、保健婦自身の手でかなり可能になろう。日常の保健
活動で疑問に感じたことを検証しながら、仕事を進めることは保健活動の質の向上に
つながることは言うまでもなく、毎日の仕事を楽しくすること請け合いである。住民
との触れ合いの中に得られる保健婦の喜びと、もう一つ、地域の住民の健康のために、
クリエイティプな仕事ができる楽しみを多くの保健婦に味わってもらいたいと切に願
う次第である。
­57­
特 別 講 演
講師:宗像
恒次
司会:児玉
俊一
-
セ
ノ
レ
フ
ケ
ア
援
助
技
法
一 f 予 璽 力 禾 斗 学 白 勺 ア プ ロ ー ヲ ニ
筑 波 大 学 宗 像 恒 吹
どのように食事の制限や生涯にわたる服薬管理を
l コ ン ブ ラ イ ア ンス か ら セ ルフ ケ ア へ
必要とする慢性疾患では,保健指導の最初の段階
で既に50%の患者が指示を守らず,その割合は保
これまで保健医療者が人々の健康管理のために
健指導が進むにしたがって次第に増加することが
対人的に援助する方法は,主として保健指導と呼
明らかになってきたからである!)-3).治療法自体
ばれてきた.ここで保健指導とは,専門家の指示,
がいかによいものであったとしても,このように
助言に応じること,すなわち表lで示したコンブ
コンブライアンスが悪いと,保健医療者の熱意も
ライアンス行動を人含に求めることを意味する.
からまわりし,徒労に終わってしまうこととなる.
もちろん保健指導上で人との自主性や主体性を尊
ところで,専門家の助言に応じるコンブライア
重することが強調されることがあるが,結局は専
ンスとは異なって,自分に必要なケアを自ら判断
門家の助言に自主的,主体的に応じることが求め
し,実行することをセルフケア4)と呼ぶ.いし、かえ
られている場合が多い.
れば「自分にとって今何が問題なのか」「自分は何
そこでは専門家は,問診や健診による査定や指
示,助言,モニター,評価を援助業務とする.そ
をすればいいのか」が見え,自ら必要な行動をと
ることである.そのような行動をとり始めるのは,
の専門家は医師を頂点とした健康や病気について
自分の気持ちが分かってもらえ,安心して自己吟
の権威者であり,その面での人食の保護者である.
倫理的には善意と思いやりにもとづくパターナ
リスティクな援助をほどこすものである.その援
表 1 コ ン ブ ラ イ ア ンス と セ ルフ ケ ア の 援 助 と
倫理(宗像, 1991)
助をほどこされる人右は患者やケースと呼ばれ,
専門家の指示や助言を守る いいケース か 悪
いケース"かという評価をされる人々である.人々
専門家の指示,助言に
応じる行動
は専門家の正しい判断や処置に自らゆだね,お任
せすることを求める.専門家はその時代の最善の,
権威のある援助法をとることが要求される人とで
ある.
ところでこうした保健指導は,人有の必要や行
動の変容やその継続に意外に効果がないことが明
らかになってきた.たとえば,糖尿病や高血圧な
むなかたつねつぐ:筑波大学健康教育学助教授
­59­
査定,指示,助言,モ
ニター- 評価
医学的指示を守らせる
こと
櫓威者・保護者である
こと
イイコであること
な訓練が必要になる.ここではいくつかの大事な
味,自己主張,自己決定できる関係や場をもって
し、る時である.このような関係や場をつくること
技法と訓練法を順を追って紹介してみよう.
を目的としたかかわりをカウンセリングと呼ぶ.
る.健康カウンセリングにおいては,保健医療者
(1)まず効果的な沈黙と相づち
「自分にとって今何が問題なのか」「どうすれば
は表1に示すように健康についての「権威者や保
よいのか」が見え,必要なセルフケア行動を促す
護者」というより,人々の健康上の心配事に関わ
関係をつくるには,まず相手の気にしていること
る「相談者」である.そして倫理的には相手の自
や関心と,その背後にある気持ちを聴くことが必
己決定権の尊重が重視される.具体的には,相手
要である.そこで相手の話を聴くためにまず効果
が今何を健康上気にしているのか,その気にして
である.その本当の気持ちを保健医療者がとらえ
的な沈黙(サイレンス)や相づちが大切になる.
それを身につけるための体験学習法から説明して
いこう.効果的な「沈黙」とは,適切なアイコン
て相手に返しそれが確認された時,相手は何を一
タクトやフェイシャルコンタクト(目や顔の合わ
番気にしているのかが自分でもはっきりするよう
せかた)があったり,また,適切なうなずきなど
になる.それとともに,世の中で自分の気持ちが
の非言語的な表現がある沈黙である.これが伴わ
本当に分かってくれる人がいると感じ,内から気
ないと,相手は聴いてくれていないのではなし、か
力も湧いてくる.そして安心して自分で自分のこ
という不安を起こし,話したくなくなる.この練
とを考えるようになり,自己主張もできるように
習は通常2∼3人1組になり,一方は相手に何か
聞いてもらいたいものを話し,他方はそれを沈黙
で応えるというものである.3人の場合,1人は
健康領域においては健康カウンセリングと言われ
いる内容とその背後にある気持ちを理解すること
なり,必要な行動変容への自己決定ができるよう
になる.カウンセリングはそのような効果をもっ
ている.
観察者になる,2分間ずつ交替でやるとよい.そ
の後,お互いに相手の沈黙の仕方に対して心に感
本稿は健康カウンセリング,特にセルフケアを
促すカウンセリングが出来る保健医療者を育てる
じたことを率直にフィードバックするのである.
ことを目的として,行動科学に基づいた体験学習
その後,小集団(8人以内)で,表2の課題を討
法について触れてふよう.
議してもらう.
討議の結果,大体は表2の範例にあるような巨
2面接技法の体験学習法
答が返えってくる.この回答の内容は性別,年齢,
セルフケアカウンセリングが出来るようにな馬
人種を超えて誰がやっても同じ結果を示す.人の
話を聴くには誰にとっても前述のような効果的な
にはいくつかの技法を意識せず自然に使えるよう
沈黙の仕方が必要なことに気がつくだろう.ここ
表2「効果的な沈黙」討識課題と範侃
好ましいもロ
好ましくないもの
沈黙の仕方
相手の心への影容
(例)顔を合わせ,少し敬笑ふ
適度にうなづく→→→司
(例)話を聞いてくれ可
いるという安心感.
身を乗り出して聞いている→→
話す意欲が湧いてくる.
眼を合わせず,
下を向いている.→→→→→ヨ
凝 視 して い る . → → → → → -
話す気持ちがなくなる
あくびをする.→→→→→ヨ
頭にくる
­60­
怖い
が(行動)科学たる由縁である.この体験学習法
の練習をするのである.3人の場合1人は観察者
では好ましい沈黙とそうでない沈黙の両方の側面
になる.交互に行ない,その後,繰り返しをして
を体験してもらうことが目標なので,効果的な沈
もらった後の率直な気持ちをフィードバックして
黙を成功させなければならないというプレッ
もらうのである.表3の範例のように好ましい繰
シャーを感ずることなく,楽しい学習が出来るの
り返しとそうでない繰り返しについて討論し,整
が特徴である.
理してもらう.例えば,全くオウム返しの繰り返
しだとわかってもらえていないという気持ちにな
訓練者からみたとき,こうした体験学習で一番
堅苦しい雰囲気となることである.多くの場合,
り,その人に安心感がもてず,信じられなくなる.
が,自分の言い方に変えてポイントを返せると,
そのような雰囲気では訓練者自身もうまく模範を
わかってもらえたと安心でき,もっと話したく
示せ(モデリング)ないから,無理に学習者を指
なったり,自分で色会考えだせるようになってく
名してやらせることもあるかもしれないが,うま
る.この技術は,適切に繰り返すと,まさに相手
くいかないことが多い.また訓練者がたとえうま
自身が自らの力で安心して「自分の問題が何か,
難しいのは,学習者が緊張し防衛的になるため,
く模範を示せても,学習者は「すごいな­」と尊
どうすればよいか」が考えだせるようになる効果
敬はするが,「自分にはとても出来そうにない」と
をもたらす.
無力感が強まり,学習意欲が却って低下しやすい.
(3)聴くことを妨げるもの­ブロッキング現象
体験学習プログラムには脅威がなく,適度に楽し
めて行なえるものが最も効果的で適している.
相手の話したいことを聴こうとすると,しばし
ば自分の頭や心の中にそれを邪魔するものが生じ
また,同じような方法を用し、,相手の話しやす
さに効果的につながる「相づち」についても体験
てくるため,それはそれ程容易なものではなし、.
学習をしてみるとよい.
「ブロッキング現象」と呼ばれるものである.相手
の話を聴し、ていると,「急に急ぎの用事を思い出
す」「あの人のことが気に懸かる」「お腹が減った」
(2)繰り返しによる確認
などによって,聴こうとすることが妨げられるこ
相手の話のなかで重要な点を自分の言葉に直し
て確認をとることを「繰り返し(リフレクショソ)」
とはブロッキングの分かりやすい例である.が,
という.繰り返しのない中で患者の話を漠然と聴
実は多くの人にとって今まで考えたり思ってもい
いていては,相手の言いたいことがつかめないし,
ないことでブロッキングされることがある(表
本人も話の本筋に到らないことが多い.この体験
4).例えば,それは相手の話を聴きながら自分の
学習は,2∼3人1組となり. io分間で相手に聞
体験と同一視したり,比較したり,また自分の関
きたい質問を2つぐらいして,その間に繰り返し
心や興味から理解しようとしたり,また相手の話.
表3効果的な繰り返しについての討議課題と範例
相手の心への影響
繰り返しの仕方
好ましいもの
(例)諾のポイントを返す→→
(例)聴し、てもらえていると安
心して話せる
繰り返しのタイミングが
よ
好ましくないもの
い
→
→
→
→
どんどん鱈したくなる
→
活が分かってもらえていないの
ではないかという不安
ポイントがズレている→→
オ
オ ム
返
し
→
→
す意欲が無くなる
タイミングが悪い→→→
61
諾の腰が折られる
表4「ブロッキングをさけ,傾聴するには」の
表5効果的な感情の明確化についての気づきの'
気づきの例
.「その時どういうお気持ちでしたか」と話の背後にある気
・自分の考え方や感じ方から相手の話を聴かない.
・自分の関心や興味からのみ聴いたり.質問をしなし、.
持ちを宮ってもらう.
・心から理解出来るまで粘り強く明確化の努力をする.
・相手がどのように考えようとしているのか,感じている
・自分の心に感じたことや相手の考えや声の表傭の変化を
のかを聴く.
・追体験出来たとしても,自分の体験にとらわれすぎない.
・相手の の中で心に残ったことにとらわれすぎると,相
手がかりにポイントを探していく.
。「お話を聴いていて私は………ように感じましたが,その
手の心の動きの変化にそっていけなくなる.
・懸命に聴こうとする恕度が相手と心を通じさせるように
かめてみる.
。「………という気持ちと………という気持ちをもたれて
もなる.
・深読熟したり,憧測や解釈からの鍬理解しようとしなし、.
いるように感じましたが,どちらの方がより本当の気持
・自分の整理箱で整理してしまう自分を改める.
・思し、込象があってもそれをすぐに捨て,自分の心を真白
順位を確盟する.
ような気持ちも少しありましたか」と決めつけないで確
ちに近いですか」と相手のさまざまな気持ちの中の優先
にする.
・話の細かいところにとらわれず,ポイントをつかむよう
にする.
・カウンセリングの考え方や技法を意識し過ぎない.心が
(4)内容と感情の明確化
通じ合う関係になれば自然な技法展開をするようにな
.
る
・自分の気持ちが高まってきた時は,それはなぜそうなっ
ないことがある場合,適切な間合し、の中で必ず明
たかを知る.
次に相手の話を聴いていて,意味がよくわから
確化する必要がある.「明確化」とは,相手の考え
ようとしていることや感じていることが分からな
いとき質問したり,説明を促したり,相手が述べ
たことをこちらが自分の言葉で言い換えて明らか
に対して違和感や不快感が生じるときなどであ
にしていくことである.この明確化には,相手の
る
.
話「内容」が分からなくて明確化することと,話
確かに相手の話は自分の経験したことと全く
の背後にある相手の「感情」を明確化することの
「一緒だ」と思うようになると,自分の経験した世
2つがある.後者は「その時,どういうお気持ち
界の中に入るため,実際はズレがあっても自分の
でしたか」と問い,話の背後にある感情を掴むこ
経験からの承相手の話を聴こうとしやすいところ
がある.そのため,ブロッキングが生じ,相手の
とである.またその繰り返しも「その時,………
言いたいことや求めているものからズレることと
果的な明確化が出来るには表5のような気づきが
なる.また,専門家が相手の話を聴こうとする時
必要になろう.
というお気持ちでしたか」ということになる.効
によく起こりやすいが,自分の専門的な考え方や
もちろんこうした直接的な問いの形での感情の
体験からの象理解しようとし,ブロッキングが生
明確化には,相手の非言語的なメッセージを感じ
じる.相手がどのような考え方や感じ方をしてい
取る感受性の訓練も必要なところである.この訓
るのかについて注目しないため,相手の言M,たい
練には,エンカウンターグループ。などの訓練法が
ことを聴くことが出来なくなるのである.また,
最適である.
こちらが持ちやすい気持ちの癖や価値観にこだ
わって話を聴くと違和感が生じ,相手の感情を理
解することが出来なくなる.あくまで自分の考え
* エンカウンターグループ…数人がお互いの考えや
や感じではなく,相手の考え方や感じ方の動きに
感簡を率直,自発的に表現(対決も含む)する雰囲
気が作られることで,密接で情緒的かつ知的な関わ
りを求め合うこと.孤独感や疎外感の改善や対人感
焦点をあて後追い(フォロー)することに専念で
きる技法の修得が不可決である.
受性の向上に効果が見られる.3日∼7日間の宿泊
で行なわれることが一般的である.
­62­
(5)気づきと決断をもたらす要約
表6効果的な要約のための気づきの例
次に相手が言し、たい話を一段落した時,それま
・完全に要約しようと思わず,とりあえず要約して確か虻
での話のポイントを要約して,それでよかったか
てみる.
・相手が最初に話したことに必ずしも言いたいポイントガ
どうか,「おつしやりたかったことは………でした
か」と確認することが必要になる.その要約が明
入っているとは限らない.
。繰り返しや要約を繰り返す中で相手も本当に言いたいポ
確であったら相手は話が分かってもらえて嬉しい
イントを入れてくる.
・相手の言ったキーワードも入れて要約をして承ると生き
とか,安心感とか,こちらとの一体感をもつこと
になり,またこれからの関わりの持続に必要な信
生きとした表悩が返って来る.
・相手の感慨につし、て要約するときは,特に相手の心に
フィットする言葉を一つひとつ選んでいくことが大切で
頼感をもつことになる.
また,相手は最初,何を言いたいのか必ずしも
分かった上で話している訳ではない.要約される
ことで初めて何が言いたかったかが気づくことが
多い.つまり,自分が何を問題にしているのかに
気づき自分が何をしたらいいのか自然に見えてく
ある.ちょっとした違いが相手の心に大きく影轡を与え
る
.
・相手の心にフィットする言葉を選ぶ時.相手の表嗣や碑
や動作の表傭をよく見ながら.生き生きする反応を手が
かりにする.
・内容をあまりまとめすぎると,相手が分かってもらいた
し、大切な感情を抜かしてしまうことがある.
るようになる.さらに,どのような決断が必要な
のかが分かってくる.これが相手の自己決定に必
要不可欠なのである.
をして心から理解した後,要約するという練習を
ところで,相手の心配や関心を示す話のポイン
することである.相手の話の隅含まで詳しく要約
トの要約には,相手の話の背景にある感情を掴む
するのではなく,相手の感情をよく表現したポイ
ントを要約し,成功すると「自分の話が分かって
ことが大切になる.この感情を捉えることこそ,
相手が「分かってもらえた」とか,安心感とか,
もらえて嬉しい」,「信頼感がもてる」など,相手
信頼感を強く感じるからである.従って,明確化
の信頼感が得られることを体験するだろう.次に,
や繰り返しや要約をするとき,その話しの内容に
ついてだけではなく,その背後にある感情につい
第二段階としては,「最近心に残ったこと」という
テーマで時間を制限せず話してもらい,その話し
て行なうことがポイントになる.
手の心をキャッチする練習をするとよい.またこ
その要約が的確なものかどうかの確認は,相手
の顔表情,眼表情,口表情,ジェスチャーなどか
の課題で相手の心をとらえ,それを理解している
ことを表明する共感の技術を修得するとよい.
ら感じ取ることが必要である.的確な場合,生き
共感とは,相手の心がわかるまで忍耐強く,感
生きとした表情が返えって来るし,お互いの心の
情の明確化を続け,はっきり確認できた相手の感
紳が生じる.こうして相手の考え方と気持ちの両
情の承を自分の心に満すと自然に出てくる言葉や
方を相手に代わって出来るように要約すること
で,本当に分かってもらえたという安心感や信頼
態度である.相手と対決したり,自分の意見を述
べたり,解釈をするなどのレベルの高い技術の習
感が相手の心に生じて来る.そうす.ると,相手は
得は,これらの技術を身につけ,相手の信頼感を
自分の考え方や感情に気づき,自分が何を問題と
えることができる自信をえた後に行なわれるもの
しているのか,自分の考え方を自分で見極められ
であるが,一般的には安易に用いられ,相手との
るようになり,必要な行動変容の決断をしていく
関係の悪化を招く場合も少なからず見られるので
効果がゑられる.
注意しなくてはならない.
要約の体験学習のまず第一段階としては,
10∼15分間位,一方が相手に伝えたい話をして,
相手が効果的な沈黙,相づち,繰り返し,明確化
­63­
イングしながら,訓練者.・カウンセラーとして
3セルフケア・カウンセIノングの体験学習
は必要な時模範を示すことが望ましい.その際の
学習者は,これまでの面接技法につし、て自信を
クライエソトが漠然としてでも問題意識を強く
もっており,しかも自発的にロールプレーヤーを
感じているものは,専門家も含め周りから見て如
希望した人の中から選ぶとよし、.その後,2∼3
何に不十分な捉え方でも,本人の人生や生活の全
体のバランスから,しかも優先順位の高い関心か
人で一組となって全員で練習し,学習者はロール
プレーイング後,クライエント役や観察役から率
ら捉えられている.つまりその問題意識は本人の
直なフィードバックを受ける.その後訓練者を含
行動変容を最も促しうる態度とエネルギー(モチ
ベーション)をもっている.したがって,保健医
理してもらうとよいだろう.この体験学習は全体
療者が,クライエントのその問題関心を尊重し,
で10人前後のグループが望ましい.
む全員で討議し,気づいたことを表8のように整
傾聴し続けることで,本人がその問題意識を深め,
セルフケア・カウンセリングは最初試ふる際,
本人の不健康行動やその背後にあるより根源的な
こちらが予期もしなかった心配や決断で戸惑うか
行動や環境の問題に対して気づきを高め,解決行
も知れないが,保健医療者はクライエントについ
動の決意を支えることになる.回り道のように見
ていくこと(フォロー)が大切である.もちろん
えても,それが予防と治療の一番の近道となるだ
保健医療者は率直に自分の感じたことや意見を言
ろう.表7のセルフケア・カウンセリングの質問
うことが必要であり,しばしば対決という技術が
モデルは,このような考え方に基づいて設計され
クライエントの自己決定を助けることがある.が,
ている.このモデルに基づくカウンセリングの実
最終的に決めるのはいつもクライエントである.
例につし、ては他の論稿5)6)を見て頂くことにして,
これが最終的には確実に相手の必要なセルフケア
への行動変容をもたらすことになるだろう.
これについての体験学習法を述べて承る.
最初はデモンストレーションのために,ある学
習者をチーフ・カウンセラーとしてロールプレー
表7セルフケア・カウンセリングのための質
表 8 セ ルフ ケ ア ・ カ ウ ン セ リ ン グ に つ いての
気づきの例
問モデル(宗像. 1991)
・こちらから熟た心配ではなく,あくまで本人が最も心配
①あなたは何を心配されていますか.[質問]
↓
①………ということが御心配なのですね.[要約]
②ではその心配はどうして生じたと思われますか.[質問]
↓
②………という理由や原因があるのですね.[要約]
③その心配をなくすために,今あなたは何が出来ます血
[
質
問
]
↓
していることを確麗していくことが必要である.
・こちらから勧めたくなる治療法や健康法があるため,そ
れを潜在的に相手に期待したくなり,相手の関心につい
ていけなくなることがあった.
・相手がこちらに質問し,すぐ・答えを求めるので困り,そ
の場で保健指導をしてしまう自分があった.
・質問してくる時,「あなたはどう思われるのですか」と切
り返すことが大切.
。②の「どうしてですか」とし、うこちらの質問に相手が戸
③………することが出来るのですね.[要約]
④これから自分でそれらを実行する上で,気がかりなこと
はありますか.[質問]
↓
④.……・・が気がかりなのですね.[要約]
⑤どうしたら気がかりなく,実行出来るようになります
か.[質問〕
↓
⑤.…..…ということをすれば出来るのですね.[要約]
惑う時,「何かひらめくことはないですか」「思い当たる
ことはないですか」と考えてもらうとよい.
・こちらから考える材料を出す意味で,「………とし、う方法
は…さんには役に立ちましたが,あなたはどう思います
か」ともってし、くのもいい.
。答えをこちら側から決して誘導しない.
・本人の希望していることを明らかにし,その実現を自ら
出来るように支えることが大切.
­64­
引用文献
ence to Diet and Drug Regimen, In Levy, R.
etal.(eds.): Nutrition, Lipids and Coronan
Heart Disease, Raven Press, 391-423,1979
)
4 宗像恒次:「行動科学からみた健康と病気
一現代日本人のこころとからだ」メヂカルフ
1) Sackett. D.L・and Snow, J.C、: The Magnitude and Measurement of Compliance In
Haynes, R.R., Taylor, P.W. and Sackett, D.
L. (eds): Compliance in Health Care.
Baltimore: Johns Hopkins University
Press. 1979.
2) Haynes, R.B.: Introduction. In Haynes, R.
B・Taylor, D.W. and Sackett, D.L. (eds):
Compliance in Health Care. Baltimore:
Johns Hopkins University Press, 1979.
3) Dunbar, J.M. and Stunkard, A・』.: Adher-
レンド社, 1987.
)
5 宗像恒次:医療行動科学­新しい医学のパラ
ダイム,長谷川浩,宗像恒次編「行動科学と
医療」,弘文堂,1991.
)
6 宗像恒次:患者の行動科学一「自己決定」医療
の進め方, [Medical Risk Management!,
Vol. 42, 36-39. 1991
­65­
ワ
一
ク
シ
ョ
ッ
在宅ケアとQOL
医療従事者の燃え尽き現象
ターミナルケアとQOL
ブ
在宅ケアとQOL
1)在宅ケアとは
生きざまとの出会い
2)なぜ今、ケアコーディネーションを主張するのか
ニーズのアセスメントにとらわれ、ウォンツを無視してきたのではない力
QOLを尊重するとは相手に従う事ではない力
本人と家族を同一視してないか
3)演習
事例を使い、QOLについて考える
1)相手の望む事、相手が望まな↓霞について考える。
(援助者としてではなく、自分力壊例の主人公であった場合を考える
2)グループワーク
­67­
【モデル事例l】
氏
名
出
、
年
3 1 女 他
否
年
金
患
〔生活状況〕
東京で生まれる。20歳で結婚、7人の子供をもうけるが病死、養子に出たりし
て、現在はl男2女の3人、それぞれ独立して都内に住んでいる。夫と死別して
からは1人ぐらし、夫がアルコール中毒であったため、生前からあまり夫婦仲は
よくなかった。そのため子供たちは寄り付かず近所の人との交流もなかった。最
近になって幻聴、幻覚症状が表れ、時々近所を騒がせることがあり、隣家の人が
民生委員の所へ相談に行った。民生員さんと話している時は、特別変わったこと
はないようだが、顔色が赤く、頭痛、頭重を訴えていたという。
足腰もだいぶ弱くなり、最近は、ほとんど外に出られず、娘がきまぐれにきて
は買物をしておいて帰って行くようであった。
時々近所の人が来るが、本人が長々と近所の人の悪口をいい、たずねてくる人
のことをあまり喜ぶふうでもないので近所の人にも親しくしてもらえず敬遠され
てしまうようであった。
民生委員さんが訪問しても頭が痛いといって横になっていることが多くなった
­68­
【モデル事例2】
I
氏名
鈴木一男
性別
男性
年齢
45歳
家屋
賃 貸 2 D K アパ ー ト
経済
生活保護
C妻
2階
〔生活状況〕
埼玉県生まれ、中学卒業後、クリーニング店の見習いとして就職、30歳のとき
独立、その後現在の妻と結婚したが2人の間に子供はいない。独立後間もなく
送途中で交通事故に遇い6か月間入院。退院後リハビリ通院をしていたが、経過
が思わしくなく途中でやめてしまう。妻は夫の看病、介護に専念している。事故
の後遺症のためほとんど寝たきりの状態で排世はオムツを使用している。意思の
疎通は完全だが、自分の体が思うようにきかないため妻にあたることが多い。食
事は普通食であるが自分で食べることができない。体が大きく、介助すれば座位
を保てるが、妻は、毎日介護に追われほとんど寝かせたままの状態である。車椅
子もあるが妻一人では移すことができず日常的には活用されていない。妻が時々
清拭をしているが充分な保清は保たれていない。入浴サービスを利用したいと福
祉事務所を訪れたが、巡回入浴サービスは老人福祉制度にしかなく、年齢が若し
ために適用されなかった。障害者のために行なわれている入浴サービスは障害者
施設まで本人を連れて行かなくてはならず、家屋状況などから移動は困難とあき
らめてしまった。妻の介護疲れが見られた。
­69­
【モデル事例3】
⑭
夫 名 吉 田 実 ( 仮
4.5僧
〔生活状況〕
山形県生まれ、昭和35年頃出稼ぎに来て以来、山形にいる親族とは3 0年以
上も音信不通。結婚暦なし。元気なころは日雇いの土木作業員として働いていた
が、加齢とともに仕事が出来なくなり、現在は生活保護を受給している。日常生
活動作は自立しているが、家事、炊事はしていないようである。電話で酒を注文
しては、一緒に缶詰、カップ麺などを届けてもらっている。住んでいるアパート
は水道、トイレは共同で本人の他に住んでいる人はほとんどが学生であり日中は
誰もいなくなることが多い。3年前に一度老人ホームに入所したが、人間関係の
トラブルからすぐに退所してしまった。
アパートの大家が火災を心配して福祉事務所に連絡、ケースワーカーが訪問す
ると、初夏だというのにこたつに入って酒を飲んでいた。回りには、カップ麺の
から、酒瓶、紙 、失禁した後の汚れた衣類、などが散乱し、足の踏み場もない
ほどであった。ケースワーカーの話には耳を傾けるが『ここでこのまま死なせて
ほしい、.老人ホームに入れないでほしい』と手を合わせておがんでいる。
70
【モデル事例4】
氏名
和田晴雄(仮名)
性別
男性
年齢
67歳妻65歳
家屋
持家一戸建1
経済
夫婦とも年金
亀
〔生活状況〕
公務員として定年まで勤める。再就職をした矢先、脳出血で倒れる。右半身マ
ヒ、重い失語症のため会話は全くできず、感情の表現だけで夫婦の間のコミュニ
ケーションを取っていた。感情の表現も、喜怒哀楽のなかの怒の部分だけが非常
に強く、嫌なことには体を震わせて表現し、その他は、ただじっと『ノー』の返
事だけを確実にしてベッドに横たわっていた。食事は経管栄養食、排池は傍耽留
置カテーテルが入っている。妻は、夫が定年を迎え、これから二人で第二の人生
をと思っていた矢先だっただけに当初はショックを隠し切れない様子であったか
、現在では、自分の仕事として夫を介護していこうとすべてに積極的に取り組ん
でいる。退院時、在宅介護に対する指導はされていたが、いざ、在宅生活をはじ
めてみると、介護を完壁に行なっていたため数カ月でねを上げてしまった。
­71­
医療従事者の燃えつき現象を考える
燃 えつ き 現 象 ( B u r n o u t ) と は
人に援助する過程で,自らの理想を持って熱心に取り組んだにもかかわらず,自分の努力
は報われず,不満足で充足感のない状態に長期にわたってさらされた結果,無力感を感じ,
自己嫌悪に陥り,最終的には仕事への意欲をすっかり失って,文字どおり燃えつきた心身の
状態.
燃えつき状態が引き起こす弊害
燃えつき状態では,患者へのかかわりにも心の交流がなく,非人間的なものになってしま
い,患者の闘病意識を妨げたり,失敗や事故を起こし易くなる.また,燃えつき状態に陥っ
た本人も,消化性演傷や抑うつ状態,神経症,アルコール依存,離婚,自殺といった危険性
が高くなる.職場の同僚への心理的伝染も報告されている.
職 種 別 燃 えつ き 状 態 教 員 4 1 % , 看 護 婦 3 2 % , 医 師 1 8 %
医師の燃えつき状態自殺率の高さとよく相関,精神科医と麻酔科医
永井明著「ぼくが医者をやめた理由」
看護婦の燃えつき状態3年で燃えつきる新卒者→結婚退職
病棟替えに伴う婦長クラスの燃えつき
燃えつきを生む背景
1.日常苛立事
自分の回りの状況に対して,負担や不快感を感じる慢性的なストレス源であり、一時
的で急性ストレス源であるlife event (生活出来事)より、ストレスとしてより重大.
2.逃避的対処行動
ストレスの発散の仕方に問題があり←→問題解決型対処行動
酒,タバコ,間食で気を紛らす.
ふて寝をする.関わりをもたないようにする.内にこもる.
睡眠剤や安定剤を常用する.異性の優しさを求める.
愚痴や不満があっても口には出さない.
いやなことはそれ以上考えないようにする.
ぼうっとして,とりとめのない物思いにふける.
自分の気持ちと反対にはしゃいだりする.
3.無力体験
問題の解決ができなかったり,不満足な結果に終ることを経験する内に自分の仕事
に対する自信を喪失する
­72­
4.情緒的支援者が少ない
情緒的支援により,緊張の緩和,人に対する安心感や信頼感,自己洞察,自信や自立
心,生きがいが得られる.
5.仕事上での相談者がいない
問題解決の糸口が見つけられず,一人で悩み,逃避的対処行動へ走る.
6.リアリテイショック(新卒者に見られる燃えつきの要因)
実際の職場で仕事を開始して,予期せぬ苦痛や不快さを伴う現実に直面し,身体的,
心理的,社会的に様々な症状を呈する.
肩凝り,頭痛,風邪をひきやすい,消化性潰傷,
遅刻しがち,欠勤しがち,抑うつ状態,神経症
過去の研究における看護婦の燃えつき現象の要因と考えられる職場環境
1.救命,生命維持等の手段的ケアが最優先きれる場→「看護」に対する迷v
2.患者の生死という極限にきらされた場→「無力感」の体験
3.生命倫理が問われる場→「延命処置」における 藤
4.仕事量の多きと複雑,困難な看護業務→身体的,心理的,精神的疲弊
5.医師との対人関係「不機嫌,短気,横柄な医師」に対する不満
6.看護者間の対人関係「同僚に対する嫉妬や妬み」,「失敗に対する非難
7.患者との感情的接触「予後不良な患者のケア」
バーンアウトの評価方法
PinesによるThe Burnout Measure 1981年(次ページ参照)がポピュラー
3,
6, 19, 20以外の1 7問の得点の合計A
3,6,19,20の4問の得点の合計B
A + (32 - B)
Bumout得点=一一一一一一一一一一一
2
1
得 占の判定
い0一Z
2
0一a
3
40一4
50以上
精神的に安定し,心身ともに健全であ鼎
Bumoutの警戒徴候が見られる
Bumoutに陥っている状態
臨床的にうつ状態と判断される
­73­
バーンアウトスケール(Pines 1981年)
次のように感じることがありますか?
ま
=
し
っ
く
た ま
く れ
な に
い あ
る
① ②
右に示す7段階で回答して下さい.
該当する数字を○で囲んで下さい.
疲れやすい.
2
気がめいる
2
毎日の生活が楽しい
2
からだが疲れ果てる
2
4
5
精神的にまいってしまう
2
0
6
こころが満たされている
2
4
7
精根が尽き果てる
2
0
8
ないがしろにされた気持ちになる
2
0
9
q
みじめな気持ちになる
2
加
d
力を使い果たしたような気持ちになる
2
Ⅲ
●
期待はずれの気持ちになる
2
、
。
巴
●
叫
●
1
1
2
1
3
1
4
自分がいやになる
2
うんざりした気持ちになる
2
わずらわしい気分に陥る
2
巧
15.まわりの人に対して幻滅や憤りを感じる
2
16.気が弱くなる
2
17.なげやりな気持ちになる
2
18.拒否された気分になる
2
19.楽観的な気分になる
2
20.意欲に燃えた気持ちになる
2
21.不安な気持ちになる
2
●
­74­
ま
と
れ
き
に
ど
あ
き
る
あ
る
し
.
ば
し
ぱ
あ
る
た
い
て
い
あ
い
(
・
一
J
観
〕
坐
〈
}
フ
(
や
る
③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
《
○
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》
《
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》
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》
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一
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6
7
ワ ー ク シ ヨ ツ プ 【 ソ 蕊 患 者 ­ ­ の 医 振 髪 】
­基本的視座としてのQOLの実践一
前回の「終末期医療とQOL」をうけて、今回は実際に
終末期医療をどの様に展開すればいいのかを学習したい
と思います。おそらく結論は出ないでしょうが、実践者
の報告を土台に何がしかの「気づき」があれば良いかと
考えます。積極的な意見発表を期待します。
­
内
容
一
1.患者家族からみた終末期医療の現状
家族へのアンケートから
2.終末期癌患者への看護
発言者:大分記念病院
岡 村 君 香 関 栄 子
「ターミナルケアとQuality of Life」
一死亡退院サマリーの監査結果から一
看護診断・看護内容の評価
3.終末期癌患者への宗教の関わり
発言者:東国東地域広域国保総合病院
田畑正久
「仏教が教えるQOLとは」
医療者の態度と医療の方向性
4.東海大学医学部付属病院事件と癌患者の医療
安楽死の問題
医療および看護内容の決定機構の存在の必要性
5.まとめ
­75­
1.患者家族からみた終末期医療の現状
過去5年間に亡くなった患者家族へのアンケート調査から
一
一
一
一
一
●
■
­
­
■
■
■
■
■
イ.帰宅を希望していた患者が6
イ
.帰4
0%近くいたが、病状が悪す
悪すぎて帰れなかった人がほとんどであった。
ロ.72%の家族が肉親の死にたいして安らかであったと考え
ている。
ハ.病状の説明は95%の家族が十分と考えているが、実際に
希望がいれられたと感じている人は78%であった。
二.肉親の病院での終末期を体験した家族は、自分の死に場所
として54%が病院、46%が自宅を希望している。病院
を希望する理由として最も多いのは、苦痛をとってもらえる
と言うことである。積極的に治療を希望したいという人は
31%であった。
病院で治療を受ける場合でも、緩和病棟やホスピスでの治療を
希望する人が7 0%にのぼった。
ホ.付添いは96%の家族が行っていたo
5 7%が配偶者で嫁は
27%であった。日数は2週間以内が33%、2カ月以上が
29%もあった。しかし家族参加による治療を84%の家族が
必要と考えている。
へ.終末期にボランティアや宗教家が参加するのを望むのは12%
にすぎなかった。患者の63%は宗教を信じていた。
卜.終末期医療について改善を求めている人が57%いた。
内容については
症状緩和を積極的に.・・・44%
QOLを考慮する..・・・2 8%
ホスピスをつくる。.・・・28%
チ ーム 医 療 を 行 う . . ・ ・ ・ 2 8 %
在宅終末ケアの実施・・・・2%
チ.
QOLと言う言葉についてはわずか1 0%の人しか知らなかった。
Q O L に つ いて 説 明 して か ら Q O L を 終 末 期 に 大 切 に すべ き か を
たずねると84%の人が肯定している。
リ.延命拒否の事前の意志表示について賛成する人が61%いた。また
死に方を決める権利が患者にあると考える人は63%あった。
ヌ.不治の病にかかったときに最後まで最善をつくすべきと考える人は
25%前後で、あるていどは寿命にまかすと考える人が7 0%と
多かった。
ヲ.脳死を認めるひとは39%で認めないという人の3 0%より多かった。
「まとめ」
=蓮葉期の治療について、現状にある程度は納得しているが、できれば
もっと改善をして、患者の意志を尊重した治療を望んでいる姿がある。
特に苦痛緩和は徹底的にし、家族参加のなかでQOLを考慮したケアを
医療チームが行い、延命治療の決定は患者に権利があることを主張して
いる。
­76­
2
.
童蚕塑墨墨童金里重謹
発言者:大分記念病院
岡 村 君 香 関 栄 子
「ターミナルケアとQuality
of
Life
∼死亡退院サマリーの監査結果から∼
イ・看護過程の実践の評価・・・ケア内容の充実
ロ・看護過程の構成要素
1
2
3
4
アセスメント(看護診断)
計画立案
実践
評価
情報収集の重要梱
チェックリストの作成
↓ ↑
QOLの内容を規定すそ
↓
看護診断
→
一
【評価の重要性】
3
実在あるいは潜在する健康問題に対すそ
人間の反応
客観性を持たすために第3者を交え
た機構で行う。・・・カンファレンス
可能なら患者自信の参加も認める
(対話、アンケート、観察)
整丞 擾患者医鐙企の宗教の関わり
発言者:東国東地域広域国保総合病院
田畑正久
「仏教が教えるQOLとは」
終 末 期 に 於 ける 苦 悩 ・ 痛 み に は 身 体 的 、 精 神 的 、 社 会 的 素 区
だけでなく宗教的(霊的)痛みがある。
「どうしてこんな病気になったのだろうか?」
「なにが悪かったのだろうか?」
「死にたくない。死ぬのが恐い」」
「死んだらどうなるのだろう」
­77­
イ・医療従事者にとって霊的苦悩に対するケアがもっとも困難
死生観・人生観の学習
宗教家の医療への参加
・民族仏教からの脱皮
医師や患者{市民]の意識改革
業理論
ロ.医師一患者関係の構築
医療の不確実性と患者の信頼〔確実性を求める〕
医学と文化[生命の意味・宗教・哲学]の別離
重層的関わり
4・東海大学医学部付属病院事件と癌患者の医療
イ.安楽死は許されないのか?
日本における安楽死裁判
名古屋高裁の判例
ロ.事件はなぜ起こったのか?
終末期医療に携わる医療従事者の現状
医療内容の決断過程におけるカンファレンスの意味
ハ・終末期医療への国民のコンセンサスの形成
医療従事者の発言
患者・市民の発言
法体系の整備
5.まとめ
一
一
­78­
ターミナルケアーとQUALITY OF LIFE
∼死亡退院サマリーの監査結果から∼
医療法人大分記念病院岡村君香
教 育 委 員 会 関 栄 子
1.はじめに
ターミナル期のケアの充実が叫ばれている今日、私達の日常行っている看護が良かった
のか、悪かったのか、何が不足しているのかを知り、終末期の看護をより充実させる目的
で、1989年より死亡退院サマリーカンファレンスを行っている。
初期のカンファレンスは、書式の様式もなく、看護婦各人が思い思いのまとめ方で行っ
ていたが、それでは客観的評価が困難であり、主観に基づく職務満足に終わっているきら
いがみられた。そのため1990年より死亡退院サマリーの様式と基準を作成し、それに基づ
いてカンファレンスをもち、評価を行ってきたoそれにより看護実践の面で、患者の反応
や精神面での援助、家族への配慮面に目を向けたかかわりも次第に深まり、それが記録と
して残せるようになった。
そこで、今回、昨年9月九州看護研究学会で発表した死亡退院サマリーの監査結果と併
せて、私共が日常行っている看護の実際を、事例を通して紹介する。
2.死亡退院サマリーの監査結果
監査期間; 1989年1月1日∼1990年12月31日
対象;監査基準作成前の1989年1月1日∼1989年12月31日までの退院患者659名中死亡世
院患者46名。うち40名を抽出し対象①とした。また、監査基準作成後の1990年l侭
1日∼1990年12月31日までの退院患者610名中死亡退院患者42名。うち40名を抽仕
し対象②とした。
方法;1)死亡退院サマリー様式の検討、監査基準の作成。
2)スタッフに死亡退院サマリー記録の充実をめざす病棟毎のカンファレンス。
3)教育委員会で作成した監査基準にそって、教育委員5名で監査したo 80%以上
書けているものを2点、40%以上80%未満をだいたい書けている1点、40%未撤
を書けていない0点とし、9種目14項目で28点満点とした。
­79­
3.結果、考察
対象①、②の監査の結果を図1にまとめてみると、全体的に改善できているといえる。
その中でも、ターミナル期の患者とのかかわりの中で、特に大切と思われる面で考察する
と、2­①患者像の把握では、対象①で書けているもの22名(55%)から対象②では28名
(70%)、2­②では対象①は8名(20%)から対象②の18名(45%)と増えており、患
者をとりまく環境を総合的にとらえることができてきたといえる。しかし、書けていない
ものが18名(45%)と多くまだ十分とはいえない。書けていない人を経験年数でみると、
3年以下が10名、4年以上が8名であった。このことから、経験を問わず、プロフィール
と問題点を関連づけたとらえ方ができていないこと、入院中に看護情報収集用紙の追加、
訂正ができていないことがいえる。
5について、対象①では書けているものが0名、書けていないものが38名(95%)で
あったが、対象②では書けているものが30名(75%)、書けていないものO名となり、患
者の訴えをきちんととらえ、それを記録に残すことができるようになった結果である。
次に6について書けているものをみると、6­①の対象①は6名(15%)、対象②は10
名(25%)であり、6­③の対象①は2名(5%)、対象②は14名(35%)、6­④では
書けているものは共にないが、だいたい書けているものが対象①で2名(5%)から対象
②で14名(35%)となり、まずまずの結果が得られた。これは、患者を疾患だけでなく、
全人的にとらえようとする意識づけが行われ、患者及び家族の精神面にも目が向けられる
ようになってきたものと思われる。しかし、書けていないものをみると6­①12名(30
%)、6­③21名(52.5%)、6­④26名(65%)であり、患者へのかかわりを深める努
力をしているつもりでも、記録上ではまだまだ不十分であった。以上のことにより退院サ
マリーがどのような状況であるか把握できたので、不十分な面を改善し、患者を全人的に
とらえ、精神的援助をさらに深めていくためには、患者が生きてきた過程を知り、患者個
々の人生を学び、看護婦自身の死生観をしっかりと身につける必要があると考える。
また、対象②で記録が改善された状況を、期間別平均点として表してみると、図2のご
とく漸次に点数が上昇していることから、スタッフのターミナルへのかかわりが深まり記
録として全体的にまとめられてきたといえる。
更に経験年数による項目別監査を分析してみると、図3のように全体的に経験年数が長
い方がよく書けている結果が得られた。
­80­
4.事例紹介
I氏:58才男性
病名:成人T細胞白血病
慢性腎不全
患者プロフィール:56才まで地方公務員。妻とは5年前に死別。27才の養子とその嫁、孫
2人の5人暮らし。家族は協力的で面会も頻繁にみえた。理解力は良いが、やや気
難しい性格であった。
経過:38才の時から週3回の血液透析を開始。市役所に勤務しながら順調に経過す。1990
年1月頃より全身に発赤疹あり。公立病院の紹介で当院入院。しだいに発赤疹から
4∼5 cm大の膨丘疹へと移行。その部位からの出血が始まり、約7ヶ月の入院生活
を経て永眠した。
主な問題点
1.興奮状態呈し、処置を受け入れない。
2.全身に膨丘疹あり、死に対する不安感が強い
3.全身の癌痛が強度にあり、体位交換ができない
4.口腔内に潰傷形成あり、食事摂取が困難である
看護の実際
Subject i v e
rもう何もせんでいい。体が痛うてたまらん。ここにいても治らんのや。他の病院で診
てもらいたい。」
「こんなブツブツができている。だんだんコブになっていく、ワシだけだろうなあ。何
も悪い事はしてないのに、どうしてこんな目に会うのかなあ。治るやろうか、もう死ぬん
じゃろう」
「養子が定職についてなくブラブラしている。ワシがいなくなったらどうなるじゃろう
か。」
「死に水をとってくれるんやろうか、見捨てられんやろうか。」
「口も痛い。ご飯が食べられん。衰弱するなあ。」
Object i v e
全身に出血を伴う腫癌あり、顔色不良、終始臥床状態。口調荒く不機嫌、看護処置の拒
­81­
表1.退院(死亡)サマリー
、
考
年
名
月
日
圭
生
胎
才
入
展
艮
ロ
年
月
屡
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閏
退
戻
年
月
<恩雷プロフ ­ル>
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萎
¦三
窓
芸
茎
三
三
三
三
表2.退院サマリー監香基準
1.死に至る原因となった疾懇名が番けているか。
2.プロフィール
2­①患者の人間像が町潔にまとめられているか。
2­②問題点の素因となるプロフィールが書けているか。
3.入院までの経過が簡潔にまとめられているか。
4.問題点の優先順位が考慰されているか。
5.
S (主観的情報)について、患者または家族の訴えの変化が書けているか。
6.0(客観的情報)
6­①入院から退院までの看避上の経過が簡潔にまとめられているか。
6­②必要な検査結果が書けているか。
6­③疾病に対する患者または家族の盟議、態度が盤けているか。
6­④行なった看製に対する患者または家族の反応が書けているか。
7.A(評価、考察)
7­①S・Oに基づいた内容であるか。
7­②看謹ケアに対する評価、今後の課題が書けているか。
8.記入もれはないか。
9.適切な用語が用いられているか。
­84­
1∼9項目の平些
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図2対象②の期間別平均点
図3.対象②の経験年数による項目別監査結果
­85­
­中略一:
日本の場合、公教育、公的機関から、いのちを問う普遍宗教までが排除されて
いることは、この問題の解決をますます遠ざけている.と問題提起をしている。.
医療と仏教
秋月龍氏は『医学の道もまた仏陀の道に似ている。医者は生・老・病・死の
四つの苦しみから人間を救うことを職務とする.生きること、老いること、病む
こと死ぬこと、この人生の苦しみから患者を救うのが、医師の務め浄ら、医師た
る者は本来すべて仏道に関わらざるを得ないはずであろう。釈尊のことを「大医
王」と言う。「四諦」の法門(おしえ)は、人生の苦しみを見つめ、その原因を
探り、人間としての本来のあるべき境地を見極め、その成就をめざして実践する.
徹頭徹尾人間救済の道である。考えてみれば、医師もまた病状を診断し、その病
の原因を見極め、未来の健全な心身をめざして、治療の道を実践するのである.
全 ての 医 師 方 は 、 た と え 「 大 医 王 」 と は 言 わ れ な い ま で も 、 「 小 医 王 」 と して 生
きてほしいものである』と医学生に説いている.
哲学、宗教と言った事柄は具体的数字や言葉として表現されにくい分野である。
まして、現代教育を受けた私たちは多くが無宗教であるとの思いが強い。
宗 教 と は 少 し 分 か り や す く 言 う と 私 が 何 を 大 切 だ と 考 えて い る か と 言 う こ とを
問題にするものである。
強さ、生産性、健康、若さ、元気に生き生き、有能などということに価値観を
置く事の多い日本の社会においては「いのち」の教育がなされていない。
「病気や老いや死が不幸という価値観を持つ人は最終的には必ず不幸の完成で
人生を終わるのです」というある宗教家の言葉が目をさまさせることである.
「死の準備教育」とか「いのちの教育」という事がいまこそ大切になってきた
と考える次第である
­88­
主冗盲罰斉叩寺 r z
グ寺ラ妾陽』I生菌をも
強く缶U圧する糸至口才冗菌製剤
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寧繍藍《鱗:
鱗
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効能・効果
4)肝臓:ときにGO・KGP爪A1-P、ピリルピンの上昇等があらわれることが
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸閲、クレブシェラ
属、インフルエンザ菌、ブランハメラ・カタラーリス電淋菌、シトロバクタ
ー属、エンテロバクタ­属、セラチア厘、プロテウス属、モルガネラ・モル
ある。5)消化器:ときに胃部不快感、悪心、堰吐、下痢・軟便、腹痛、食欲
不振、便秘、まれに腹部瞬満感、アフタ性口内炎等があらわれることがある。
6)血液:ときに白血球減少、好酸球増多簿まれに血小板減少等があらわれる
ことがあるので観察を十分に行い、異常が配められた場合には投与を中止す
ること。7)輔神神経系:ときに頭病、めまい、まれに不眠等があらわれるこ
とがある。8)その他:まれに 怠感があらわれることがある。
4.妊婦・授乳姪への投与
I)妊娠中の投与に閲する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠してい
る可能性のある婦人には投与しないこと。2)母乳中への移行が報告されてい
るので、授乳中の褐人に投与する場合には授乳を中止させること。
5.小児への投与
小児に対する安全性は確立していないので、小児には投与しないこと。
6.相互作用
I)テオフィリンとの併用により、テオフィリンの血中濃度を上昇させるので、
併用する場合には慎重に投与すること。2)類似化合物(エノキサシン)で、フ
ェンブフェンとの併用により、まれに痩準があらわれるとの報告がある。
7.その他
動物実験(幼若犬)で関節異常が認められている.
ガニー、プロビデンシア属、緑膜菌、シュードモナス・セバシァ、キサント
モナス・マルトフィリア、アシネトバクター属、サルモネラ属(チフス間、パ
ラチフス面を除く)、シゲラ属、ペプトストレプトコッカス属、プロピオニパ
クテリウム・アクネス、バクテロイデス属のうち本剤感性面による下記感染症
⑥咽喉頭炎、扇桃炎(馬桃周囲膿 を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性気管
支炎、気管支拡張症(感染時)、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸器疾胤の二
次感染
⑥腎孟腎炎、誘洗炎、前立腺炎、副峯丸炎、淋菌性尿道炎
。子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎
●胆のう炎、胆管炎●細菌性赤痢、感染性腸炎
●乳腺炎、外傷・手術創等の表在性二次感染
@毛衰炎(浬抱性窪痩を含む)、癌、痴臆症、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管
(節)炎、撫痘、化膿性爪囲炎、皮下膜痢、汗腺炎、集族性窪蛎、感染性粉癌、
虹門周囲膿癌
⑨外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化腹性唾液瞭炎
●眼賊炎、麦粒膿、涙嚢炎、賊板腺炎
●歯間組織炎、歯冠周囲炎、噸炎
使用上の注意
1.次の患者には投与しないこと
トシル酸卜スフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者
2.次の患者には慎菰に投与すること
高度の腎障害のある患者
3.副作用
1)ショック:まれにショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、
呼吸困難、血圧低下、浮腫、湘紅等の異常が められた場合には投与を中止
し、適切な処壷を行うこと。2)過敏症:ときに発疹、癌俸感等があらわれる
ことがあるので、このような症状があらわれた埋合には投与を中止すること。
3)腎臓:ときにBUN,クレアチニンの上昇があらわれることがある。また、他
のニューキノロン系抗菌剤でまれに急性腎不全があらわれるとの報告がある。
蕊用法・用獄、その他の取扱 、上の注意報は添付文書をご覧ください
健保適用
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バニージャー病にお脳
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安静時嫁痛の改善に
効能・効果: i.動脈内投与慢性動脈閉塞症
(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における
四肢潰癌ならびに安静時癖痛の改善。II.静脈
内投与1)振動病における末梢血行¦蹴害に伴
う自覚症状の改善ならびに末梢循環.神経.
運勤機能I蹴害の回復。2)血行再趣術後の血流
維持。3)動脈内投与が不適と判断きれる慢性
動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)
における四肢漬癖ならびに安静時癌捕の改善。
プロスタグ、ランジンE,製剤
欝魚フロコヲコティ。
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821
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●
、
ザジテンの特性
●
ひ
轍
1.冗進Lノている気道や鼻粘膜の過敏性を減少させる。
2.端息,鼻炎,皮膚疾患など広くアレルギー性疾患
に有効である。
S・継続投与により効果を高める。
4.ねむ気を催すことがある。
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9
●
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試
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急性循環不途改善剤〔点滴静注用塩酸トハミン製剤〕
〆
⑳⑬
カワボコ豆Low/Hi
Catabon -Low/打Z
001聖
1
健保適用
¦健保適用
(使用上の 癒)
1.一般的注意
1)それぞれのシ訂ツク状態において必要に応じ餓初に輸液、輸
血、呼吸祷理、ステロイド投与等の処羅を考 する。
2)血圧、脈拍数および尿倣聯、患識の状態を観醗しながら投与
する。
3>大武投与した時、脈拍数の瑚加がみられる鳩合や尿丑の恥鞍
がみられない』ル合には本剤を減最するか中止する。
4)本剤はブドウ鮒を含んでいるので、ブドウ糖の投与が好ましく
ない懇輔には他の希釈剤で輪釈した埋酸ドパミンを使用する=
5)新生児・乳幼児、老人等の斌篤な心疾患患者に他剛する』ル合患
は水分紙取最が過剰にならないように十分注窓して投与する,
また、必要に応じ耐撮度製剤の使川も考庫する。
2.次の患者には投与しないこと
桃色細胞瞳
3.次の患者には慎宣に投与すること
1)末梢血符脈害のある患将(柵尿病、アルコール巾雛、凍傷、霊
脈硬化症、レイノー症候群、パージャー舗飾)
2)姪輔尿病および糖尿病の患考
3)未治撫の頻脈性不整脈または心室細勤の患者
4,副作用
1)循環器(1)心顎性期外収縮、心房細勤や心壷性釧拍 の不蛙
脈があらわれることがあるので、鯉蛎を十分に誘
い、異常が混められた珊合には抗不整脈剤を投与
するか、または投与を中止する。
(2)宋輔血管の収縮により末柵の産血が起こること歩
あるので、四肢の色や鰹喫を十分に観察し、変化
があらわれた場合には投与を中止し、必要があ魂
|ばla­遮断剤を陥脈内に投与する。
2)消化器:ときに畷鉦、嘱吐.服部膨潤.服編、まれに麻弾性
イレウスがあらわれることがある。
3)その他:まれに脈脈炎、漉射部位の変性喫死および起毛があ
らわれることがある。
5.妊蝿への投与
妊蝦中の投与に閲する安全性は砿立されていないので、妊嬬室
たは妊姪してと、る可能性のある蜘人には治慨上の布益性が危険
性を上まわると判断される』ル合のみ投.り・すること。
6.相互作用
1)フェノチアジン誘導体およびプチロフェノン誘導体を投与されて
いるjル合、汗動脈血流湘加聯の反応が減蜘することがある墨
2)MA0(モノアミンオキシダーゼ)阻害剤を投与しているオル合、
本剤の作剛が湘強かつ廷炎することがある。
3)シクロプロパンおよびハロケン化炭化水素系の麻酔剤の仙川
により本剤の感受性を商めることがある。
7.適用上の注意
1)点滴鮮脈内注射にのみ使用すること。
2>血筈外へ耐れたjル合、注射部位を中心に硬結、または壊死垂
起こすことがあるのでできるだけ太い肺脈に投'/すること二
3)pH8.0以J二になると薪色することがあるので、皿Wのようなテ
ルカリ性蕊剤と鵬合しないこと。
4)止むを柵ない場合を除き、木剤に他の薬剤を混合して使"に
ないこと。
5)0.3%製剤を使剛する場合、必嬰に応じ微欽投与可能な袖椛謂:
シプの仙珊も考 すること。
*組成、.効能・効果、用法・用量、その他の使用上の注意等
は製品添付文書をご参照下さい。
④畿巽 論評
ツムラは、ツムラ漢方製剤工キス穎粒(医療用)128品目十3品目により、高齢化社会の深まりつつある現実の治療に貢献しつつ、
漢方製剤の科学的な実訂睦通じて、21世紀に至る長講会の治療手段と(ノての役割をはたじていきたいと願づておりま魂
脳出
遣症、
高血圧症の治療に
比較的体力があり、のぼせ気味で、いらいらする傾向のある場合
墨
騒
》
一
ツzゥ黄運癖毒湯
エキス穎粒(医療用)
唾垂圃
[1〕脳循環・代謝改善作用')2)力潮告さオすており、のぼせ、めまい、頭痛などの自覚症状、不安感、抑うつ、不眠などの 1'
症状の改善効果を示しま式;)4)
[2]緩徐な降圧作用、すぐオ1た高ilfl庇随伴症状の改善作用を有し、良好なQuality of Lifeの'鵬が期待できま式P
〔文献〕1)小幕久也、他: Pharma Medica, 6(2) (1988) 2)小幕久也、他:綜合座淋.38(9) (1989) 3)長谷川恒雄、他:第17回国際内科学会議.(1984)
4)荊木五郎:臨床精神医学,17(7)(1988)5)荻原俊男、他:診療と新薬,16(12)(1979)
■効能・効果
■使用上の注意
比較的体力があり、のぼせ気味で、いらいらする傾向のあるもの(Iト般的注意
の次の諸症: 血、吐血、下血、脳 血、高血圧、心惇冗進、ノ)雛聯 ?改善力 めらい泌合は、他の医鯛、瀧方
イローゼ、皮膚痩捧症、胃炎
■用法・用董
2)複数の漢方製剤を併用する掲合は、含布生薬の重複に注意すること。
(2)次の患者には慎重に投与すること。
通常、成人1日7.59を2∼3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。著しく体力の衰えている恩者(全身 怠、下痢などを起こすことがある。
(以上、r使用上の注意」全文肥敏)
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
*組成、取扱い上の注意等は添付文書をご覧下きい。
株式会社兇ラ¦ 霊 鱗 穏難篭譜繋認識澱… へ=
溜職 猟篭凱旋
室 一
感染症に
呼
●l●
腰、.一
随
一
医
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、
二
B-ラクタマーセ阻害剤配合の-
印豊熟墨懸
●肺癌患者の 疲由来細菌(31症例,75株)19891-1990
一
⑫
■効能・効果/下記の疾患並びに症状の鎮府・消炎慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰編
症、肩関節周囲炎、頚両腕症候群■組成/ボルタレンSRカプセルは、ジクロフェナクナトリウム
の速溶性穎粒と徐放性頼粒を3:7の割合で混合し、白色の硬カプセルに充填した製剤で、1カプ
セル中にジクロフェナクナトリウム37.5肥を含有する。添加物(カプセル本体中):亜硫酸水素ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウム■用法・用量/通常、成人にはジクロフェナクナトリウムとし
て1回37.5鵬を1日2回食後に経口投与する。
★臨床評価の高いボルタレンの徐放性製剤。
★旧2回の服用で、コンブライアンスが良い。
★慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症等
の慢性疾患に優れた臨床効果を発揮する。
徐放性鎮痛・抗炎症剤
耐I閲レゴ SR加箇豆
ジクロフェナクナトリウムカプセル
日 本 チバ ガ イギ ー 株 式 会 社
■資料は日本チバガイギーの医薬備報担当者にご請求〈ださし
1992年1月作成
⑨:登録商標
■使用上の注意/1.一般的注意(1)消炎鎮痛剤による
治療は原因疲法ではなく対症娠法であることに留意す
ること。⑧患者の状態を十分に観察し、副作用の発現
に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等の
症状があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高
齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の悪者
の状態に十分注意すること。⑧慢性疾患(慢性関節リ
ウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合1三
は、次の噸項を考慮すること。1)長期投与する場合に
は、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能
検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、
減量、休薬等の適切な処置を柵ずること。2)薬物旅法
以外の擁法も考慮すること。凶)感染症を不顕性化する
おそれがあるので、感染症を合併している患者に対して
用いる堀合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分行い
慎重に投与すること。固他の消炎鎮痛剤との併用は避け
ることが望ましい。2.次の患者には投与しないこと(聯
消化性涜 のある患 倒電篤な血液の異常のある患
者⑧重篤な肝障害のある患者 )重篤な腎障害のある
患者⑤璽腕な高血圧症のある患者(B)重瀧な心機能不
全のある患者(刀ジクロフェナクナトリウムに過敏症の
患者⑧アスピリン端息又はその既往歴のある患者3­
次の患者には慎重に投与すること(1)消化性潰 の既
往歴のある患者isim液の異常又はその既往歴のある
患者圃肝障害又はその既往歴のある患者脚)腎障害又
はその既往歴のある患者⑤高血圧症のある患者旧)心
機能障害のある患者(7)SLE(全身性エリテマトーデ
ス)の患者⑧過敏症の既往歴のある患者伯)気管支端
息のある患者旧濃漏性大腸炎の患者(11>クローン病の
患者(旧食道通過障害のある患者(9.適用上の注意の
項を参照)(¦副高齢者4.副作用(1)ショック:まれにショッ
ク症状(胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血
圧低下、浮腫、発疹、渡捧感等)があらわれることがあ
るので、このような症状があらわれた場合には投与を
中止し、適切な処画を行うこと。臼消化器:まれに胃腸
出血、ときに消化性涜錫等の症状があらわれることが
あるので、このような症状があらわれた場合には投与
を中止すること。またときに食欲不振、悪心・暇吐、阿部
不快感、胃痛・腹部痛、下痢、口角炎、口渇及び便秘、ま
れに口内炎、軟便、下部腸管障害(非特異性出血性大
腸炎、クローン病又は演潟性大腸炎の悪化等)等の症
状があらわれることがある。⑧血液:まれに白血球減
少、頼粒球減少、好酸球増多、血小板減少、貧血、再生
不良性貧血、溶血性貧血、出血傾向等の血液障害があ
らわれることがある。凶)皮膚:まれにSteavensJohnson症候群(皮膚粘膜眼症候群)、LyeⅡ症候
群(中毒性表皮 死症)、光線過敏症があらわれること
があるので、このような症状があらわれた場合には投
与を中止し、適切な処置を行うこと。⑤肝臓:まれに黄
痘、ときに肝障害、GOT・GPT上昇、AL-P上昇等
の肝機能異常があらわれることがある。特に金製剤と
併用する場合には注意すること。(6)腎臓:まれに急性腎
不全を起こすことがあるので、乏尿、血尿等の症状及
び尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム
血症等の検査所見があらわれた場合には直ちに投与
を中止し、適切な処迩を行うこと。またまれにクレアチ
ニン上昇、ときにBUN上昇等があらわれることがあ
る。(刀過敏症:まれに端息発作及び紅潮、またときに発
疹、琴麻疹等の過敏症状があらわれることがあるの
で、このような症状があらわれた場合には投与を中止
し、適切な処置を行うこと。,m糟神・神経系:まれにめま
い、不眠、神経過敏、しびれ、錯乱、幻覚、迩撃、またとき
に眠気、頭痛等の症状があらわれることがある。伯)感
覚器:まれに霧視等の視覚異常、耳鳴等の症状があら
われることがある。1(1循環器:まれに血圧上昇、血圧低
下、心惇冗進、頻脈等の症状があらわれることがある。
(Ⅱ)その他:まれに発熱、発汗、脱毛・夜間頻尿-またとき
に全身 怠感、浮 等の症状があらわれることがあ
る
。
■包装/カプセル(37.5nig):i00カプセル・1000カプセル
■薬価雛準収
製造/同仁医薬化工株式会社陳京都中野区弥生町5丁目2番2号)
販売/日本チハカイ坤二編会社(兵閣県宝砿f嘆幸町1膳66号)
楽その他の便1W上の注 馴畑につきましては製品添付文盛をご覧<ださLL
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