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ミッションクリティカルの高可用性を実現する HP 3PAR StoreServ

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ミッションクリティカルの高可用性を実現する HP 3PAR StoreServ
テクニカルホワイトペーパー
ミッションクリティカルの高可用性を実現する
HP 3PAR StoreServ ストレージシステム
HP 3PAR StoreServ で 99.999%以上の可用性を実現
目次
はじめに
2
独自の高可用性機能の実現
2
HP 3 PAR アーキテクチャー
2
独自のエンドツーエンドチェック機能
2
No single point of failure (単一機器の障害がシステム
全体の障害とならない構成)
3
メンテナンスやアップグレードサービス時のダウンタイム
を排除
HP 3PAR Persistent Ports
3
4
ディスクデバイス障害からの迅速な復旧
4
柔軟で耐障害性に優れたエンタープライズ RAID レベル
5
自動バイパス制御とホットプラグモード
5
ディスクシャーシ (エンクロージャー) の可用性
6
キャッシュ上でのデータ固定を排除
6
HP 3PAR StoreServ のキャッシュ一貫性
6
お客様で構成可能なスナップショット適用の優先順位
7
プロアクティブサポートサービスとリモート通報
7
割り当て超過システム警告 (OSSA) の自動化
7
ユニバーサルな管理インターフェイスとソフトウェア機能
8
詳細情報
8
はじめに
ビジネスの継続性と IT インフラストラクチャを保証するソリューションやサービスの提供において、HP には非常に豊
富な経験があります。HP 3PAR StoreServ ストレージは、99.999%以上の可用性を提供するように設計されており、
お客様のビジネスを強力にサポートします。
HP 3PAR StoreServ ストレージ製品は数々の革新的な技術を提供し、従来の SAN ストレージでは実現できない機能
を実現しており、他の製品と一線を画しています。
HP 3PAR StoreServ には、高効率、自律型、およびマルチテナントという特長があり、お客様のビジネス上の重大な
問題を解決します。また、この製品はシンプロビジョニングにおける業界標準となっており、HP はシンプロビジョニン
グへの多角的なアプローチを提供する主導的なベンダーの地位を堅持しています。
このアプローチにより、容量購入のための先行投資額を抑制できるだけでなく、HP 3PAR StoreServ のシンボリュー
ムとシンコピーをスリムな状態に維持することにより、長期間にわたって優れたコスト効率およびエネルギー効率を
維持できます。独自開発の Thin Built In 搭載の Gen4 ASIC により、ハードウェア技術によるシン機能を高速化させま
す。この技術は 3PAR が最初のストレージベンダーであり、従来のストレージに容量削減機能を追加したような他の
ベンダーと大きく異なります。追記型ファイルシステムの容量削減・連携を可能にし、他のベンダーを寄せ付けない、
差別化技術・シンテクノロジーをリードしています。
独自の高可用性機能の実現
HP 3PAR StoreServ のすべてのモデルは、独自のハードウェアおよびソフトウェアの可用性を提供します。この 2 つ
の機能を組み合わせると、優れた高可用性を持つ Tier 1 システムが形成されます。そのため、ミッションクリティカ
ルな ITaaS (サービスとしての IT) サービスを提供する多くの企業、金融、およびホスト型サービスプロバイダーなど
で標準機として、世界的に採用されています。
HP 3PAR StoreServ ストレージは、適切に構成されると、設置し、電源を入れ、接続先のホストやアプリケーションか
らの I/O を処理し始めた瞬間から、99.999%以上の可用性を実現できるように設計されています。
本書では、シームレスでネイティブな Tier 1 の可用性を提供するために組み合わせる、すべてのハードウェアコン
ポーネントおよびソフトウェア機能について説明しています。
HP 3 PAR アーキテクチャー
すべての HP 3PAR StoreServ ストレージの基盤となっている HP 3PAR StoreServ アーキテクチャーでは、クラス最高
の既存テクノロジーと広範な技術革新を組み合わせて、ハードウェアおよびソフトウェアが設計されています。すべ
ての HP 3PAR StoreServ ストレージには高速、フルメッシュのバックプレーンが装備され、複数のコントローラーノー
ド (HP 3PAR StoreServ アーキテクチャーの高性能データ移動エンジン) でキャッシュコヒーレントなメッシュアクティブ
クラスターを形成します。この低レイテンシの相互接続により、メッシュアクティブなコントローラーノードと簡素化され
たソフトウェアモデルの間を強固に連携させることができます。
このアーキテクチャーでは、コントローラーのペアが形成されています。ペア内の各ノードから、ファイバーチャネル
または SAS 接続により (モデルにより異なる) そのペアが所有するデュアルポートドライブシャーシ (またはドライブエ
ンクロージャー) に接続されます。また、各コントローラーノードは、複数のホストへのパスを持つことができます (直
接またはストレージエリアネットワーク経由)。ストレージコントローラーノードをクラスター化することにより、HP 3PAR
StoreServ ストレージは、ホストに対してシングルインスタンスで高可用性があり、自律的に最適化を行う高性能スト
レージシステムを提供できます。
独自のエンドツーエンドチェック機能
HP 3PAR StoreServ ストレージでは、データフレームがシステムからディスクデバイスに移動する間に自動的にデー
タ整合チェックを行うエンドツーエンドチェック機能が提供されます。SMART による障害予測では、特定の SMART し
きい値を超えるディスクデバイスがある場合、ストレージコントローラーノードが「障害予測」としてマークします。これ
により特定されたディスクは、実際に障害が発生する前に交換できるようになります。
HP 3PAR StoreServ システム内に組み込まれている CRC チェック機能には、次のレイヤーが含まれますが、これら
に限定されるわけではありません。
 すべての内部 CPU およびシリアルバスの CRC/パリティチェック
2
 コントロールキャッシュの ECC チェック
 データキャッシュの ECC チェック
 PCIe I2C バスの CRC/パリティチェック
 HP 3PAR Gen4 ASIC 接続の CRC/パリティチェック
 ファイバーチャネル/iSCSI/FCoE プロトコルのフレームレベルの CRC チェック (GEN4 ASIC 経由で加速されたハード
ウェア)
 ディスク上にデータが到達しライフサイクル中にあるときの、ブロックレベルのディスクデバイス CRC
 ディスクドライブ T10-DIF エラーチェック (HP 3PAR StoreServ 10000 および 7000 のみ)
CRC エラーチェック機能は、HP 3PAR Remote Copy のレプリケーションデータにもおよび、連鎖的なデータ問題の発
生を防いでいます。
HP 3PAR StoreServ レプリケーション (Remote Copy) にはリンクの組み込み前テストも含まれており、リモートコピー
レプリケーションリンクを HP 3PAR StoreServ に追加します。IP ネットワークを経由して Remote Copy を使用する前
に、リンクの安定性を検証します。
HP 3PAR StoreServ はまた、ストレージのインターフェイスに達したフレームが特定のしきい値を超える CRC エラーを
持つ場合、論理的なエラーステータスブロック (LESB) 警告を発します。これは、ホストとストレージデバイス間のケー
ブルまたはコンポーネントの交換またはクリーニングが必要であることを示します。
No single point of failure (単一機器の障害がシステム全体の障
害とならない構成)
ストレージノード、キャッシュカード、ディスクおよびホストに対する HBA、電源、バッテリーおよびディスクなどの HP
3PAR StoreServ コンポーネントは、N + 1、場合によっては N + 2 の耐障害性を備えています。これらのコンポーネン
トのいずれかに障害が発生しても、システムは中断しません。
HP 3PAR StoreServ 電源ドメインは、最大 2 つのディスクシャーシ電源に障害が発生しても、バックエンドディスクデ
バイスへの電源供給が失われないようになっています。HP 3PAR StoreServ では、ラック 1 台につき最大 4 台の電
流負荷分散型 PDU の使用が可能で、少なくとも独立した 2 系統の電力供給を提供します。最大で 4 系統の独立し
たデータセンター電力供給をサポート可能であり、さらなる耐電源障害性と電源喪失時の保護向上 (該当する場合)
を実現します。
すべてのストレージノードでは、HP 3PAR オペレーティングシステムのコピーが独立して稼動しています。このソフト
ウェアは、キャッシュコヒーレントでアクティブ/アクティブなすべてのストレージコントローラーノード全体で処理状態
を把握しながら管理され、処理が失敗し再起動する場合に自己修復も行います。
メンテナンスやアップグレードサービス時のダウンタイムを排除
ハードウェアの交換/アップグレード、HP 3PAR オペレーティングシステムソフトウェアのメジャーリリース、マイナーリ
リース、およびパッチを含むソフトウェアアップグレードなどのメンテナンスおよびアップグレード作業は、すべてオン
ラインで、システムの中断なく行われます。すべてのレベルのコンポーネントファームウェアは、HP 3PAR StoreServ
のすべてのディスクデバイスがデュアルポートであるため、ディスクファームウェアを含め、一括または個別で動的
にアップグレードできます。
「checkupgrade」や「checkhealth」などの機能は、アップグレードがリスクなく正常に完了したことを直感的に確認す
るために使用できます。checkupgrade と checkhealth は、HP 3PAR OS のアップグレードの前に行います。さらに、
checkhealth によるチェックを継続的に実行して、システムの稼動状態に関する包括的なレポートを入手できます。
これらの機能は、ファームウェアレベル、システムサービス、および交換が必要な劣化した、または不良となったコン
ポーネントに関するシステムステータスをチェックします。
プロアクティブなシステム監視とサポートサービスを使用して、ソフトウェアアップグレードをリモートで適用することも
できます。また、お客様の要望に応じて関連する HP 3PAR StoreServ を動的に検証し、お客様が変更制御に費やす
ことができる限られた時間内でアップグレードを成功させます。
3
HP 3PAR Persistent Ports
HP 3PAR StoreServ コントローラーノードのアップグレード時、HP 3PAR StoreServ は一度に 1 台のコントローラーを
アップグレードします。マルチパスソフトウェアが有効になるまで、アップグレードは停止し、マルチパスソフトウェア
が有効になると、システム内の別のノードをアップグレードします。より強固な耐障害性を提供し、かつホストのマル
チパスソフトウェアへの依存を回避するために、HP 3PAR StoreServ では新機能 Persistent Ports が導入されていま
す。この機能を使用すると、HP 3PAR StoreServ の接続先 SAN スイッチが NPIV 機能をサポートする場合に、SAN 接
続環境内のアップグレードがノードごとに順番に実行され、ホストのマルチパスソフトウェアに依存しなくなります。し
たがって、パスのフェイルオーバーが回避されます。HP 3PAR Persistent Ports は iSCSI ポートでも動作し、システム
を中断しないオンラインアップグレードをホストに対して完全に透過的に行うことができます。
Persistent Ports は、システムを中断しないオンラインアップグレードを可能にするだけでなく、コントローラーノード
のダウンに伴い発生する可能性があるすべての機能停止からアプリケーションを保護します。コントローラーノード
がダウンする理由 (アップグレード、保守、電源障害など) に関係なく、Persistent Ports は影響をうけるノード上のす
べてのポートについて、別のノード上のパートナーポートへのシームレスなフェイルオーバーを可能にします。ホスト
側から見ると、実際はすべての I/O が別の (パートナー) ポートを経由してルーティングされているにもかかわらず、
元のポートを使用し続けることになります。このようにすることで、お客様は HP 3PAR StoreServ 上で実行しているア
プリケーションに対して、中断のないサービスレベルを実現できます。また、サービスレベルペナルティが適用される
場合、ペナルティに対する保護が行われます。
ディスクデバイス障害からの迅速な復旧
すべてのストレージアレイで発生する最も一般的なハードウェア障害は、ディスクデバイス自体にあり、どのような再
構築も迅速に、かつ、システムパフォーマンスへ影響することなく、または影響を最小限に抑えて実行することが重
要です。
ディスクデバイスはすべて仮想化されてチャンクレットとして扱われ、HP 3PAR StoreServ が各チャンクレットの使用
率や書き込み割り当てを常に把握しています。すべてのディスクデバイスには複数の「スペアチャンクレット」があり、
スペアとして使用するように保持されています。
HP 3PAR StoreServ は独自の次世代ストレージ技術を活用し、物理的なディスクデバイス障害の影響を受ける LUN
が、可能な限り早い時間で劣化状態から完全なパリティ保護状態に再構築されることを保証します。HP 3PAR
StoreServ では、機能が限定された従来のグローバルホットスペアの考え方を利用するのではなく、特定のスペア
容量を構成する、システム内のすべての物理ドライブにわたるグローバルスペアチャンクレットプールを利用します。
システムをアップグレードする場合、組み込まれたアルゴリズムにより、グローバルチャンクレットのスペアプールが
取り付け容量に比例して増加します。
ディスクデバイスに障害が発生した場合、すべてのディスクデバイスに分散されたスペアチャンクレットで RAID の自
動再構築が始まり、きわめて迅速に再構築が行われます。これは、従来のストレージ再構築モデルとは異なります。
従来のモデルは、ディスク RAID グループに数台のディスクを含み、ホットスペアに再構築しますが、この方法では
RAID の再構築に膨大な時間を要する場合があり、処理に I/O ホットスポットが生じる可能性があります。
HP 3PAR StoreServ のディスク再構築は、大量の並行処理をアプリケーションパフォーマンスへの影響を最小限また
はゼロに抑えて行うことに加え、シンプロビジョニングにも対応し、書き込まれたチャンクレットだけを再構築します。
これにより、影響を受けた LUN を完全なパリティまで再構築する時間が短縮されます。たとえば、2TB のディスクに
障害が発生し、書き込まれているデータが 300GB しかない場合は、影響を受けたすべての LUN を完全な RAID パ
リティに戻すために必要な再構築の容量は 300GB のみとなります。
交換されるすべてのディスクデバイスのワールドワイドネーム (WWN) をチェックして、障害の発生したディスクが
誤って再び取り付けされないようにし、サービス時間を最小限に抑えます。
4
図1
柔軟で耐障害性に優れたエンタープライズ RAID レベル
HP 3PAR StoreServ は、RAID 0、1、5 および 6 (複数パリティ) の RAID レベルをサポートします。RAID 5 では、2+1~
8+1 のすべてを含む RAID セットサイズが同時にサポートされます。RAID 6 では、取り付けるディスクデバイスの種
類にかかわらず、4+2、6+2、8+2、10+2 および 14+2 までのすべての RAID セットサイズが同時にサポートされます。
RAID 1 では、各 LUN について複数のミラー階層がサポートされます。従来の RAID 1 (データ+ミラー) から、ミラー階
層 4 (データ+ミラー+ミラー+ミラー) までがサポートされ、これまでにないほどの可用性が実現します。ディスクデバ
イスの最大 75%が失われても動作を続行でき、ミラー階層 4 で構成された LUN であれば、依然としてオンラインで
ホストやアプリケーションからアクセスできます。
HP 3PAR StoreServ は RAID レベル、RAID ストライプサイズ、デバイスタイプ、および可用性レベルを変更する機能
をサポートしており、またお客様のポリシーに基づき、必要に応じて新しいストレージリソース (追加のストレージコン
トローラーノードやディスクデバイスなど) を動的に共有することもできます。
これにより、適切なアプリケーションに適切なレベルの保護、高可用性および性能が適用されます。これは常時稼
働のインフラストラクチャにおける既存アプリケーションの統合または新アプリケーションの展開時に特に重要にな
ります。
自動バイパス制御とホットプラグモード
HP 3PAR StoreServ はインテリジェンスな切り替えをサポートしており、特定のエラーしきい値に達した場合、ディスク
デバイスおよびディスクシェルフのアービトレーテッドループカードを接続先の FCAL ループから自動的に切り離しま
す。このプロセスにより、不良コンポーネントが切り離され、当該ループ内の他のデバイスは、ループ初期化プリミ
ティブ (LIP: Loop Initialization Primitive) による影響から保護されます。
さらに、交換される不良ディスクまたは不良コンポーネントはホットプラグモードになります (すべてのデバイスには
ホットプラグモードであることを示す LED 表示があるため、別のデバイスを誤って交換するリスクが排除されます)。
5
またホットプラグモードでは、交換が必要なコンポーネントへの電源を隔離して切り離し、コンポーネントの取り外し
または交換時に出力スパイクが起きないようにしています。
交換またはアップグレードするコンポーネントを取り替え、または追加した後に、交換処理として一連のチェックが実
行され、新しいコンポーネントが有効であることを確認します。また、新しいコンポ-ネントのファームウェアは、必要
に応じ、検証および有効化の前に、システムを中断することなくアップグレードします。
ディスクシャーシ (エンクロージャー) の可用性
すべての HP 3PAR StoreServ ストレージのプロビジョニング機能には、デフォルトで、プロビジョニングされるすべて
の LUN に対するディスクシャーシ (またはエンクロージャー) 全体にわたる高可用性が含まれています (HA ケージま
たは HA エンクロージャーモード)。これにより、ディスクシャーシまたはエンクロージャー全体のデータロストを防ぐこ
とが可能になり、可用性が確保されます。ディスクエンクロージャー全体がダウンした場合でも、ホストはプロビジョ
ニングされた LUN へのアクセスを失わず、アプリケーションはオンライン状態を維持します。
この機能は (データがすべて同じではないため) 各 LUN で動的に構成できます。最小のディスク可用性レベルは「マ
ガジン」です。HP 3PAR StoreServ の規模が拡大するに従い、必要に応じて、システムを中断することなく各 LUN の
可用性レベルをディスクシェルフの可用性に変更できます。
キャッシュ上でのデータ固定を排除
HP 3PAR StoreServ ストレージは耐障害性に優れたバッテリーをサポートしており、サイトの停電時には書き込み
キャッシュの内容が特定の安全なディスクに書き込まれます。キャッシュ内にデータが留まることがないため、指定
期間に電源が復旧しない場合でもデータがリスクにさらされることはありません。キャッシュデータはディスクに書き
込まれるため、停電時間が予測できない場合でも、データリカバリの時間制限はありません。
電源が復旧すると、電源障害復旧プロセスの一環として、安全なディスクに書き込まれたキャッシュデータが、書き
込まれるはずだった場所に復元されます。お客様のデータを保護することが、HP 3PAR StoreServ ストレージにおけ
る最優先事項です。
HP 3PAR StoreServ のキャッシュ一貫性
すべてのストレージアレイは、増え続けるデータ量に伴い、またコンプライアンスデータを安全かつアクティブに維持
する必要があるため、たとえそのアレイの効率が良くても、規模は拡大します。
多くの競合アレイはストレージコントローラーノードまたはストレージプロセッサーを 2 台しか拡張できませんが、HP
3PAR StoreServ は、2~8 台のキャッシュコヒーレントなアクティブ/アクティブのストレージコントローラーノードを、シ
ステムを中断することなく拡張できます (台数はモデルにより異なる) 。HP 3PAR StoreServ が 4 台以上のストレージ
コントローラーノードの設置を検出すると、Cache Persistence と呼ばれる耐障害機能が自律的に有効になります。
Cache Persistence により、ストレージコントローラーノードは、性能が制限される「キャッシュライトスルー」モードに入
ることはなく、隣接ノードを失ったノードは別のストレージコントローラーノードとの間に、ミラー化されたキャッシュの
関係を動的に形成します。これにより最適な性能要件が満たされ、いずれかのストレージコントローラーノードに障
害が発生している、またはメンテナンス中であっても、サービスレベルが維持され、影響を受けることはありません。
注記: ストレージコントローラーノードを 2 台にしか拡張できない他のベンダーでは、片方のストレージコントロー
ラーノードがダウン、またはメンテナンスした場合に、1 台のストレージコントローラー上でミラーキャッシュモードの
有効状態を維持する機能をサポートしています。これではシステムに単一障害点 (SPOF) が生じ、残存しているコン
トローラーノードに障害が発生した場合にデータロストを起こす可能性があるため、エンタープライズストレージ環境
のお客様にとっては、データを大きなリスクにさらすことになります。また、2 台目のストレージコントローラーノードの
MTBF (平均故障間隔) について、残存しているストレージコントローラーノードに 2 回目の不具合が発生するリスク
が非常に低くなるように提示するベンダーもいます (リスク値がゼロでなければ、常に二重の障害、すなわちデータ
ロストのリスクがあります)。さらに、単一障害点のある状態で運用する際の最大のリスクは、一般にコンポーネント
不良ではなく、ユーザーによる操作ミスであると言えます。
6
お客様で構成可能なスナップショット適用の優先順位
HP 3PAR StoreServ では、親 LUN への適用または復元のタスクが必要な場合に、適用されるスナップショットの優
先順位のカスタマイズがサポートされています。これにより、データベースの破損やファイルシステムのサイズ変更
など、何らかの理由で影響を受けた LUN は、可能な限り迅速に目的の復元ポイントへ復元されます。
HP 3PAR StoreServ は、何千もの予約不要でサービス品質が考慮されたスナップショット (親 LUN につき最大 500)
をサポートします。それらのスナップショットはステートフルであり、書き込みのフラグメント化や重複はありません。
また、スナップショットツリー内のいずれのスナップショットでも、それ以降または以前の時点のスナップショットが有
効なまま、復元や適用ができます。
これによりお客様は、HP 3PAR Recovery Manager 製品で取得された、クラッシュに対して整合性がとれたスナップ
ショット、またはアプリケーションと整合性がとれたスナップショットを、どの時点でも的確な復旧ポイントに復元する
ことができます。こうしたスナップショット機能により、Tier 1 ビジネスソリューションを実行しているすべてのエンター
プライズ環境のお客様にとって不可欠な、継続的かつアクティブなデータの一貫性をいつでも実現できます。
プロアクティブサポートサービスとリモート通報
HP 3PAR StoreServ には、主に HP のサービスが使用する特定のアレイベースの情報を安全に外部に発信するため
の、専用サービスプロセッサーサーバーが装備されています。この情報には、システムステータス、構成、パフォー
マンス評価基準、環境情報、警告および通知デバッグログが含まれます。お客様のデータは送信されません。
データ送信の間隔はパラメーターで設定できます。送信されたデータは、HP のサービスチームでアレイをプロアク
ティブに監視し、潜在的問題が発見された場合にお客様に連絡するために使用されます。つまり、発生する可能性
がある問題について、お客様は事前に警告を受けることができます。お客様には問題の通知と部品の発送が行わ
れます。また、お客様の状況に応じて、訓練を受けた HP のサービススタッフがシステムを中断することなく部品を
交換します。
何らかの理由でサービスプロセッサーから HP への連絡が行われない場合は、HP 3PAR StoreServ および HP カス
タマーサポートセンターの両方で警告を受信します。サービスプロセッサーはまた、現在および以前のすべての
ファームウェアレベルのファームウェアデータベースレポジトリでもあります (HP 3PAR OS、ディスクデバイスおよび
ディスクシャーシ (エンクロージャー) ファームウェアを含む)。
何らかの理由でリモートアクセスが必要な場合、お客様は OS のアップグレードやパッチ適用、および技術的作業の
ための内部アクセスを設定できます。
お客様のデータセンターで、リモート通報によるアレイベース情報を外部へ送信できない場合は、警告や通知はす
べてお客様の社内のサポートチームに送られます。その後、お客様は問題または問題であると思われる状況を、電
話または Web 経由で HP のサービスに連絡できます。
割り当て超過システム警告 (OSSA) の自動化
HP 3PAR StoreServ では、割り当て超過システム警告 (OSSA) として知られる無料サービスもサポートしており、自動
リモート監視、警告および通知に追加、併用できます。この自動監視ツールは HP にあるデータを利用して、主要な
システム要素についてプロアクティブに使用率のチェックを行います。このデータは HP 3PAR StoreServ から定期的
に収集され、HP に送信されます。その目的は、HP 3PAR StoreServ が最適な状態で機能し続けるよう、お客様に有
益な情報を提供することです。さらに、オプションの HP 3PAR System Reporter ソフトウェアでは、お客様がシステム
コンポーネントのパフォーマンスのしきい値や警告を設定し、カスタマイズした警告セットを構成できます。必要に応
じて、新しい評価基準を動的に追加できます。
現在チェックされる評価基準の一例を次に示します。
1.
ストレージコントローラーノードの CPU 使用率
2.
ディスクの IOPS (各デバイスタイプに対し、ディスクに負荷をかける可能性があるアプリケーションと、過負荷に
なる可能性のあるシステムを強調)
3.
各ポートのホストイニシエーター数 (オーバーサブスクリプションおよび未テスト構成に対する防護)
4.
各システムの合計ホストイニシエーター数
5.
PCIe バス帯域幅
6.
ポート帯域幅 (システムポートに対する各ホストおよび各ディスク)
7
ユニバーサルな管理インターフェイスとソフトウェア機能
HP 3PAR StoreServ は、全モデルにわたって集中型オペレーティングシステム (HP 3PAR OS) をサポートしており、HP
3PAR StoreServ システムはその世代を通じ、規模や導入時期に関係なく同じインターフェイスで管理できます。すべ
てのソフトウェア機能は、HP 3PAR StoreServ 全モデルで完全に同一であり、HP 3PAR StoreServ を管理する場合に
管理者に求められるストレージスキルセットは 1 つだけで済みます。
単純な管理インターフェイスに加え、HP 3PAR OS をファミリー全体に利用することで、異なる HP 3PAR StoreServ モ
デルを使用する際のプロビジョニングや管理上のエラーのリスクを大幅に削減できます。他の従来のストレージベン
ダーは、ほとんどの場合、異なるファームウェアバージョンと機能 (たとえ機能名が同じであったとしても) を導入して
います。これにより、ユーザーエラーやサポート外の構成となるリスクが高くなり、多様なソフトウェア機能の使用も
増加します。
詳細情報
HP 3PAR セキュアサービスアーキテクチャーについては、次のサイトをご覧ください。hp.com/go/3PAR
Get connected
http://hp.com/go/getconnectedjp
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© Copyright 2011, 2012 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがあります。HP 製品およびサービ
スに対する保障については、当該製品およびサービスの保証規定書に記載されています。本書のいかなる内容も、新たな保障を追加するものでは
ありません。本書の内容につきましては万全を期しておりますが、本書中の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対しては責任を負いかねますので
ご了承ください。
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4AA3-8316JPN、2011 年 11 月作成、2012 年 11 月更新、Rev.2
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