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平成26年度第2回 埼玉県下水道局経営懇話会 議事録

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平成26年度第2回 埼玉県下水道局経営懇話会 議事録
平成26年度第2回
埼玉県下水道局経営懇話会
1 日
時
平成26年10月28日(火)
2 場
所
埼玉県県民健康センター
3 出席者
議事録
9時30分~11時30分
中会議室
(経営懇話会委員)
須藤 隆一(東北大学大学院工学研究科 客員教授)
西川 正純(公認会計士)
福井 吉孝(東洋大学理工学部 教授)
藤原 悌子(NPO法人水のフォルム 理事長)
小髙 富士夫(むさし証券株式会社 取締役社長)
小野 雄策(日本工業大学ものづくり環境学科 教授)
(欠席)久保田 尚(埼玉大学大学院理工学研究科 教授)
(県)
土屋下水道事業管理者、大島下水道局長、勝村課長
海老原副課長、大髙副課長、中島副課長、後藤主幹
高木主幹、落合主幹、髙橋主幹、大島主査
管理者
あいさつ
座長
あいさつ
座長
次第に従って議事を進めていきたい。
はじめに議題(1)について、事務局から説明をお願いする。
事務局
議題(1)次期中期経営計画(平成27年度~平成31年度)素案につ
いて、資料1~資料3により説明。
座長
ただ今の説明について、まずは各委員さんから質問・意見をお願いした
い。
委員
下水道の使命に関して「地球環境保全への貢献」とある。今や河川のコ
ントロールを下水道ができる状況になっている。「水循環」が言葉遊びに
ならないよう取り組んでほしい。
現在取り組んでいる新技術の開発はハード面の研究のみだ。都市計画論
や河川浄化を含めたシステム計画論を将来構想として研究していくのも行
政として必要だと思う。
-1-
委員
アピールの仕方は重要だ。教育局との連携や漫画を使った取組は非常に
良い。子供たちは少し刺激的に伝えると理解する。
一般家庭向けのアピールも必要だ。各自の気遣いでこれだけ違うんだと
いうことを料金徴収の時に知らしめてはどうか。
また、新技術の導入で人件費等のコストが相当削減できたということを
アピールしてもよい。
企業債の金利負担が大きいままなのは理解できない。この点は努力を要
する。
委員
財政計画に関して、流域別単価と処理原価の考え方が分からない。ある
流域は2割増しになっていて、別の流域は2割引きになっている。これま
で黒字だった南部も赤字だとなると今後どう対応していくのか。
下水も学術的には衛生工学から水環境学へと変貌している。今の学生に
下水処理場といっても理解できない。多くが浄水場と勘違いする。水環境
センターといっても理解しない。下水という言葉に馴染んでいない。この
辺から広報する必要がある。
下水処理場だと近隣に迷惑がられるから「水循環センター」とかの名前
にした訳だけど、返って下水の理解には阻害要因になっている。
委員
数字関連の話を3点質問する。
PRイベントとして、浦和レッズ戦でのPRブースの出展とある。コス
トがかかり、PR効果としては薄いようなケースも多いので内容を教えて
ほしい。
財政計画に関して、施設の更新費用、老朽化対策の負担など市町に対す
る単価設定の説明はどのように行って、理解してもらっているのか。
太陽光発電は環境面では貢献すると思うが、収益源として成り立つのか
疑問に思う。コストに対する収益率や電力会社の買取リスク、金利、償却
を含めどのように考えているのか説明をお願いする。
委員
水循環基本法ができ、「循環」が一番上に掲げるキーワードだと思う。
私も料金は上げてほしくない。ただ、今の状態を維持するためには値上
げもやむを得ないと思う気持ちを広げる必要がある。それには下水道を理
解してもらわなければならない。
活性汚泥法は世紀の発見だと思う。子供の好奇心もかき立てる。子供は
どっきりすることや怖いものの方が面白がる。活性汚泥法の更なる活用を
お願いしたい。
太陽光発電は消費者に電気料金を押し付けるのでよろしくない。太陽光
に頼るのではなく、汚泥をどう資源として活用できるか研究を進めてほし
-2-
い。
座長
高度処理の導入については、第7次総量削減計画が終了し、来年度から
第8次計画が始まる。CODは下がったが、窒素とリンは費用がかかるのと
、埼玉県が東京湾に面していないため県民も行政も深刻に考えていない。
東京オリンピックは東京湾でも開催されるし、一部競技は埼玉県でも実施
され、実質、首都圏オリンピックだ。水質浄化の相当部分を下水道が担っ
ている訳なので、従来やれなかった取組もこれを機会に5か年計画に盛り
込んではどうか。東京湾を外国の選手が泳げるようにしてあげるのも埼玉
県民の役割だと思う。
事務局
「水循環」に関しては、本計画策定までに深掘りをしていきたい。
アピールの仕方は、表面的な説明ではなく、教育委員会の先生とも相談
しながら子供たちに訴えるようなことを考えていきたい。
人件費の関係は今もかなり少数精鋭でやっているが、コスト全体の削減
を前提に市町村に負担をお願いしたいと考えている。
繰上償還の金利負担が理解できないとの指摘については、政府資金を借
り入れている関係で借り換えにも国の承認が必要との仕組になっている。
高金利のものから順次、繰上償還をしているが、5%のものは国がまだ認
めてくれていない。引き続き要望していく。
委員
私が言いたいのは、そういう苦労している部分や切り詰めている人件費
の話を外に訴えた方がいいのではということ。人口動態なども含め県民や
市町村を説得する材料になると思う。
事務局
維持管理負担金の仕組がわかりにくいとの指摘を頂いた。資料上、処理
原価は平成25年度決算の数字、単価は今年度の数字、これだけを抜き出し
たので分かりにくかったと思う。
維持管理負担金に関しては、原則、維持管理費に見合うよう負担金の単
価設定をしているので逆転することはない。
ただ、同じ流域下水道事業ということで、流域間の単価格差の縮小に取
り組んできた経緯がある。
本来は流域ごとの独立採算制であるべきと考えているが、最後は一つの
会計として黒字処理している。流域別には黒字流域もあれば赤字流域もあ
る。その中で処理原価と単価の逆転現象が起きている。
水循環センターの名称については、名前を変えても内容が変わるわけで
はないので、下水道というものを理解してもらえるよう取り組んでいきた
い。
-3-
委員
南部流域などは今後水需要が増えるので、この単価でもやっていけると
いうことなのか。
事務局
南部流域は平成25年度に修繕費がかさんだ影響でたまたま逆転してい
る。ただ、処理原価は今後増える方向なので、単価改定をお願いすべく調
整を進めているところである。
使用水量は若干増えるかもしれないが、それに係る支出を見ていく必要
がある。
事務局
南部流域では都市化が収まっているので需要は頭打ちの状況である。節
水意識の高まりに加えて、維持管理費用はどんどん上がる一方なので、単
価と処理原価の格差は広がっていく。
委員
ということは、南部流域に関してはそのままいくでしょうし、赤字補て
んを受けていた北部流域なども安泰ではないということか。
管理者
全ての流域で単価を上げないとやっていけない、ということ。
委員
了解。
委員
需要が減ってくるのに対し、器(処理能力)が同じで維持管理費が同じ
で対応できるのか。何か枠を切ったりとかできるのか。
座長
ダウンサイジング、小さくするという意味か。
事務局
これから耐震化や老朽化対策の改築更新があるので、その中で可能な限
りダウンサイジングをして適正規模にしていきたい。ただ、今処理してい
る水量への対応や集中豪雨時の対応が課題と考えている。
委員
合流区域の対応はどこがやるのか。
座長
それは下水道局でやる。
委員
分流化するとなるとかなり費用がかかる。半分だけ分流にするのか。
事務局
埼玉県では、合流改善対策ということで、受入れの滞水池を整備すると
か貯留管を入れるとか、合流式下水道の対策を昨年度までに一応完了して
いる。
-4-
座長
やるべきところはやっているとのこと。続けて説明をお願いする。
事務局
浦和レッズ戦のPRブースの関係だが、これは浦和レッズの好意で県と
さいたま市が共同で行政PR用のブースを出展しているものである。県で
は公園スタジアム課が窓口になり、ホームの十数試合に対して希望する庁
内の各課が出展しPRを行っている。
出展費用は無料で、下水道局ではパネル展示や活性汚泥の微生物観察な
どを通じて県民に下水道を知ってもらう活動をしている。
事務局
施設の修繕費用を市町村にどのように説明しているのかだが、修繕内容
や修繕箇所は物すごい数になる。全てを説明するのは難しいということで
、全体総額の説明と、主な修繕案件を写真を見せて説明している。
委員
そうではなくて、大規模工事や建て替えなど将来必要になるコストの負
担をどのように捉えているのか伺いたい。
事務局
施設の改築工事については、維持管理負担金ではなく、建設負担金で対
応している。国庫補助金と市町の建設負担金によって老朽化施設の更新費
用を賄っている。
委員
補助金は100%出ないはず。県の負担があると思うがいかがか。
事務局
資金的には、国と市町以外の部分は起債で対応していて一般財源からの
支出はない。
委員
起債でやったとしても償還が発生する。老朽化は進んでいるわけで、ま
だ見えない予備軍的なコストが発生している。起債をした時に市町村に話
をするということなのか、既にその分を加味した負担をしてもらうのか、
後に回すと将来2倍の負担になりますよなど、そうしたことを市町にどの
ように説明しているのか伺いたい。
事務局
災害が発生した時は引当金ということで決められているが、大規模修繕
については、特別な引当金を用意していないのが現状だ。これまでは内部
留保の剰余金で対応するという考えだった。
委員
内部留保については、今、返還を進めているという話も聞いた。また、
今までは良かったが今後流域の経営状況も悪くなって剰余金を取り崩し
ていくことも考えられる。要するに、今後、お金が減っていく方向の中で
剰余金を返還してしまっているが、将来的にはかなりのコストが見込まれ
-5-
ている。その辺に対してはどういう手当もしくは方策を考えているのか伺
いたい。
事務局
単価の設定は5年のスパンで行っている。5年間の中で必要な大規模修
繕費用なども盛り込んだ単価を市町には説明している。
今までずっとそのような説明をしているが、市町の受け取り方には違い
があるのかなと思う。これまでは右肩上がりのトレンドの中で単価が据え
置かれる、または減るという状況だったので、それほど大きな問題として
市町も捉えてこなかった。
ところが、人口減少、水量減少そして多額の修繕費の発生という状況に
なって、本当に必死になってそうした状況を市町に理解してもらわないと
流域下水道事業自体が成り立たないと考えている。委員が言われたことを
まさにやっていかなければならない。
委員
今回改定するときに、将来コストを見通して今後剰余金は返還できない
とか、将来負担の積み立てのために多少高めに負担金を設定させてほしい
とか、そのように話をもっていかないと市町も理解してくれない。
市町もお金を出したくないでしょうから、まだ読めない将来コストの負
担はないとしても、大規模修繕が発生すれば今度これくらい上がりますよ
と話すことはできる。その辺がどうなっているのかなと心配している。
事務局
市町では技術者がいないという点と処理場を持たないという点で下水
道に対する理解が深まっていない。下水道サポートセンターの説明もした
が、流域下水道に対する市町の理解をトータルで進めていきたい。
委員
将来の費用を市町にどのように情報提供するのか改めて伺いたい。
管理者
新たな貯水池をつくるとか大規模な改修の際には、関係する市町を集め
て、通常の単価とは別に説明する。例えば、総額50億円かかれば、25億円
は国庫補助が入る。残り25億円のうち半分の12.5億円は市町に負担しても
らう。残り12.5億円は県が起債を発行する。それは7割が交付税対象にな
るから残り3割は市町から負担金でもらう。そうしたことをちゃんと説明
する。投資は投資で別に機会を設けて説明する。そうしないと運営費と一
緒になってこんがらがってしまう。
だから、老朽化の進む南部流域などは20年経ったら100億円、200億円の
単位で改修がでてくるかもしれない。それはその時期に流域市町を呼んで
これだけお金がかかりますから用意しておいてくださいと説明して理解
してもらわなければならない。
-6-
委員
市町に話す時期の問題と負担の仕方の問題がある。県が市町からの負担
金を積み立てて実際の費用が発生した際の負担を減らす方法もある。
事務局
災害対策引当金のように行うのが理想だ。ただ下水道事業には流域と公
共といった2人の管理者がいる。両方合わせて流域下水道事業なのだが、
一方の管理者である市町とすれば財政状況が非常に厳しい中で負担金は
1円でも安くということを優先するので、こちらが将来展望の説明をして
も難しいという話になる。極端に言えば、災害引当金を取り崩してでも単
価を安くしてほしいという話も出てくるくらいだ。我々も丁寧な説明に努
めているが、そこを調整するのが難しい。
委員
やはり整備にお金がかかるというのが大変だと思う。昔は戦争の賠償金
でインフラを整備したという話もあったぐらいだから、市民はそのために
わざわざ料金を払うという意識はないのだと思う。下水道の整備にはお金
がかかるということを市民に知らせていかないといけない。
事務局
料金徴収は公共下水道事業の中で市町村がやっているので、我々が考え
ていることが利用者までなかなか伝わらないのが現状だ。
委員
受益者負担を強調しすぎるのも如何なものかと思う。自分のところだけ
負担すればそれでよいのかとの考えはある。
委員
どこかのタイミングでは各流域の施設整備を行わなければならないの
で、お金は準備しておきましょう(下水道料金として積み立てておく)と
いうことを市民にPRする場面があってもいいのではないか。出前講座の
時にそういうことも話しておくと、市民の意識も変わってくるのではと思
う。
座長
続けて説明をお願いする。
事務局
太陽光発電が収益源として成り立つのかということについては、太陽光
発電だけで経営を安定化させるというのではなく、経営の補完との意味合
いで考えている。PPPという仕組みを活用した設備投資に対する効果を、
いわゆるB/Cに乗るかどうか目下、検討している。
FITの動向を我々も注視しており、有利な条件の中で認定を受けられる
よう検討の速度を上げているところだ。
提案のあった自家利用については費用対効果を試算したところでは、か
なり厳しい結果が出ている。
-7-
事務局
委員から料金値上げのときも水循環を絡めて説明したらよいとの提案
もあったので、それを踏まえて検討していきたい。
委員
いきなり地球規模の話ではわけが分からなくなってしまう。やはり下水
というものの循環(中循環)を分かりやすく説明して、それが集合して地
球規模の循環(大循環)になると説明した方が理解しやすい。
事務局
活性汚泥法に関しても、新しい切り口で心に届く印象に残るような手法
を検討していきたい。
委員
PRに関しては小中学生を対象に考えていると思うが、大人が下水道の
ことを知らない。大人は平日には地域にいない。それを考えると土日に処
理場の見学ができるようにしてもらいたい。毎週土曜を開庁している必要
はないが、希望があったときは職員がローテーションを組んで対応しても
らえるとよい。
事務局
座長から意見のあった高度処理について、確かに本県は整備率が低い。
ただ、弁明になるが高度処理施設の導入には膨大な費用がかかり、スペー
スも必要になる。施設の改築更新時期にあわせて高度処理施設を導入して
いるのが現状だ。
そのような状況を踏まえ、今ある施設の運転方法の工夫で窒素やリンを
除去する段階的高度処理の研究を進めている。今後は施設の整備と段階的
高度処理を組み合わせながら対処していきたい。
座長
一通り事務局から回答してもらったが、追加の質問や疑問があればお願
いしたい。
委員
タイ下水道公社への支援に関して、当面は信頼関係を構築するとのこと
であるが、その後はどう展開するのか。
管理者
県下水道局が直接、取引することはできないので、商社や銀行とタイア
ップして県内企業の水処理技術をタイ国内の下水道の普及に生かしてい
きたい。
事務局
タイでは使用料を払って下水道を整備する有用性が理解されていない
が、工業団地やリゾート地といった小さなコミュニティの中には水処理の
需要はある。ただ県が実施しているような大規模な処理場運営のノウハウ
を必要としているわけではない。そういった状況が分かってきたので、当
面は、小さな処理場に使用する民間企業の単体機器の売り込みが支援の対
-8-
象と考えている。
民間企業は現地でビジネスをする上で行政の信用力に期待を寄せてい
る。相手国の政府機関に埼玉県と共同研究して開発した機器ですとアピー
ルする。我々はその企業の推薦状を書くなどして県内企業を支援する。こ
のような形が当面の方策と考えている。
委員
個人的には公的機関自らが水ビジネスをやらなくてもいいと思ってい
る。相手国への教育であったり、民間企業の取組の仲介といった取組自体
が地球環境保全に結びつく。海外貢献は大きな意味がある。損してはいけ
ないが儲けなくてもよい部門ではないかと思う。
座長
知事から水ビジネスをしっかりやれと激励された時期があった。県庁で
金儲けを考えているのは自分だけだと。ただ、この2、3年は知事も水ビ
ジネスが厳しいという状況を理解してきているので余り言わなくなった。
委員
今後の下水道PRの際に「オリンピックまでに水をきれいにしよう」と
いった東京オリンピックに絡めたキャッチを使うのはとても良いと思う。
座長
私もオリンピックが7月、8月に行われるのは非常に気になっている。
東京湾にしてもこの辺の川にしても一番汚い時期である。
下水や農地を含めて、首都圏全体として4都県がもっと強力に対策を進
めないといけない。
委員
農地はちょうど灌漑期から肥料を大量に使う時期になっている。
座長
オリンピックなのでやっぱり恥をかきたくない。計画の中に明記するか
は別としてなんらかの配慮をお願いしたい。
管理者
農地で肥料として配られる窒素やリンがどのような経路を辿ってどれ
だけの量が農業用水や河川に流出しているというデータがないか調べて
みたが県にはデータがなかった。
座長
投入量は農協で分かるはずだ。流出量はモデル地域を使って測定すれば
分かると思う。
管理者
そうしたデータがない。農業用水への流出量といった客観的なデータが
ないと農業サイドにもちょっと言いにくい面がある。濡れ衣を着せるわけ
にもいかない。
-9-
座長
多分、投入量の半分は流出している。
委員
リンは毎年80万トンが流入している。そのうち約38万トンは農地に
捲いている。雨でこの半分になる。国土交通省は人間が使ったリンを全て
回収すると言っている。ただ日本人が使ったリンは全部で5万トンしか出
てこない。農地は相当規制されているが、都市の住民もガーデニングや家
庭菜園でばんばん肥料を使っている。そして何の浄化もしないで排水溝か
ら川に流している。だから芝川はすごい色になっている。
事務局
そもそも東京湾の赤潮、青潮の原因が窒素やリンだということをみんな
知らない。ガーデニングの肥料にも含まれているといった啓蒙くらいから
始めることになる。
委員
もちろん。そういったことで結構。
私どもは農薬を使っていないことはもちろん肥料も一切使用していな
い。そうした方法の方が生育面でもよい。それを見た周辺の農家は高い肥
料を買うのをやめ始めている。だからそんなに強く言ったり慌てなくても
よい。窒素とリンが流域の問題だということのPRからで構わない。
委員
農家を20軒ほど回ったことがあるが、窒素やリンが出たのは2軒ぐら
いで出た量もほんの少し。意外と出されていない。
委員
地質が関係している。特に大宮台地は火山灰ということでリンの吸収が
物凄い。窒素は水管理に左右されるので水管理をうまくやっているところ
では出ない。地域と農法によるので一概には言えない。
委員
窒素とリンの話は全体的な問題をPRするだけで構わない。
委員
下水処理場が窒素やリンの対策をどのようにやっていくのかきちんと
提示しないといけない。高度処理までいかないまでも段階的高度処理でど
のくらい削減できるのか仕組みを示して、今の半分以下にするとかしない
とオリンピックには間に合わない。
座長
今の施設でも増設せずに出来ると思う。
委員
リンは可能だ。
座長
窒素もできる。
- 10 -
事務局
段階的高度処理について、国との共同実験がこの夏で終わり、今データ
をとりまとめている。その結果を見て、使えるものは各処理場で運用して
いくという考え方だ。
委員
バイオマス発電で発生するエネルギーを利用して、汚泥からリンを回収
するシステムを構築するとか技術開発研究に取り込んでもらえると良い。
太陽光発電にしろバイオマス発電にしろ再生可能エネルギーの施設内
利用の割合やCO2の削減量、電気代の削減効果などをきちんと計算して
示してもらえるとよい。
座長
計画の中には放射線の問題の記載がないが、もう全部クリアしたと考え
てよいのか。まだ積み残しもあると思うが如何か。
管理者
焼却灰はまだ残っている。
座長
次の5年間の中で、焼却灰対策は取り上げなくてもよいのか。
管理者
順次排出処分を進めているが、処分が進まないのは8,000ベクレル以上
の灰。ただ、数値は減衰しており8,000ベクレルを下回れば埼玉県で処分
できるので敢えて計画の中で事細かに触れるまでもないと考えている。
座長
自然収束で大丈夫か。
事務局
数値はだいぶ下がっているので今の受入許容量があれば、概ね3年程度
で野積みの焼却灰はすべてなくなる見込みでいる。
座長
ルーチン業務の中で処理していくという理解でよいわけですね。東北地
方などではこの問題で大変もめている状況なので気になっていた。
委員
先日、埼玉県だけは県内で処理しているという日本経済新聞の記事を見
た。素晴らしい県だと地域の方に話したところ、地域では大変だったとい
うことを伺った。近隣住民から見るとあの記事は問題だったようだ。
座長
近隣の人は状況を知らなかったということか。
事務局
埼玉県には県内で処分できるところはない。数値の低いものを県外の協
力いただける処分場に運び出しているのが現状だ。
近隣の住民の方には、年2回説明会をして情報提供している。保管して
いる焼却灰の量や濃度、保管方法や保管場所、前年からの変化などを説明
- 11 -
している。
処理場周辺の放射線量については全ての処理場で月2回測定しており、
データはホームページでも公開している。なので周辺住民が知らなかった
ということはないと思う。
委員
合流改善事業の効果に関して、下水処理場のパフォーマンスに影響があ
ったとか、水質に影響があったとか、その辺はどうだったのか伺いたい。
事務局
合流改善で求められるのがBODで40という水準がある。まだ施設が
整備したばかりなのでこれから運営していく中で安定的な操作ができる
ようになってから測定する予定である。
委員
まだデータはないということか。
事務局
データはない。
委員
例えば、未処理放流の回数が増えたとか減ったとか。回数は変わらない
けど処理場のパフォーマンスが上がったとか、見える効果はないか。
事務局
合流改善事業については、国からもきちんと評価するように要請されて
おり、来年度にかけて評価をしてく。
座長
合流改善は非常に大事な仕事だと思う。次の機会では資料を添えて説明
をお願いする。
事務局からほかに何かあるか。
事務局
財政計画については、県北5流域の収支改善と流域間維持管理負担金単
価の適正化ということで進めてきた。ただ、ここにきて状況もかなり変わ
ってきたので、次期計画では、維持管理負担金の適正化という形で取り組
んでいきたいがよろしいか。
座長
特に異議はなかったのでそれは合意されたと受け止めている。
それでは、次回会議について事務局から説明をお願いしたい。
事務局
次回の3回目の会議では中期経営計画の最終案について御議論いただ
く予定である。日程は1月下旬から2月上旬の火曜又は水曜日の午後を予
定している。場所は、戸田市の荒川水循環センターで処理場見学をしてか
ら同所で会議を開催する考えである。
日程については別途調整させていただく。
- 12 -
座長
異議がないようなので、そのようにお願いする。
委員から処理場の名前がおかしいとの意見もあった。
委員
浄化センターだと分からない。
事務局
東京都は、水再生センターという名称。
委員
昔は、終末処理場。私は、水循環センターに慣れた。
座長
学生も子供もいるからね。我々が理解しただけじゃまずいと思う。
委員
だから、「循環」をPRすることがこの施設の理解にもつながる。
座長
私は、ずばり下水処理場が当たり前の名前だと思う。
事務局
正式名称と通称を使い分ける方法もある。確かに下水処理場じゃないと
何を行っているところか分からないということもある。
座長
下水処理場という名前を嫌いますかね。周囲の人は汚いという感じで嫌
かもしれないが。
委員
循環という言葉はあっていいのかなと思う。正式名称は固い言葉でもよ
い。
事務局
正式名は、固い言葉で、括弧書きで何とか水循環センター、通称、○○
とか。
座長
名称については大事なことなので次の機会にでも議論する機会を持ち
たいと思う。
それでは以上で経営懇話会を終了する。
下水道局長
閉会あいさつ
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