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資料7
医療・介護周辺産業の見える化に関する
基盤整備と展開
平成26年2月18日
慶應義塾大学医学部
末松 誠
K-PHI創立の背景
超高齢化社会において、大学病院・医学部における急性期医療以外の
慢性期疾患への対応・予防医療の充実が求められている
一次予防
(健康づくり)
二次予防
(早期発見に伴う健康管理)
急性期医療
(治療)
三次予防
(リハビリ)
食・摂取
体内に摂り入れることや身体に塗布することに関連する商品・サービス
運動
身体を動かすことに関連する商品・サービス
計測
ものづくり
健康に関する器具や健康状態の計測器具に関連する商品・サービス
情報
情報コンテンツを活用した商品・サービス
メンタルヘルス
場・環境
(例)トクホ、配食、化粧品 等
(例)ピラティス、ロコモ体操 等
(例)機能性スパッツ、膝サポーター、歩数計 等
(例)生活情報、料理レシピ 等
こころの健康に関する商品・サービス
(例)職場復帰支援プログラム、メンタルトレーニング 等
場所・環境に関連する商品・サービス
(例)住宅、照明、旅行 等
サービス・研究の拡大
大学病院
医学部
サービス・研究の拡大
1
ヘルスケア産業の科学的基盤としての大学の役割
現在
2020年
10兆円市場創出
(日本再興戦略)
高品質の
ヘルスケア
商品・サービス
高
安全で有効な
商品・サービス
国民
品質
評価の不明な
ヘルスケア
商品・サービス
低
4兆円市場
(日本再興戦略)
エビデンス
大学(医学部)
国民のヘルスケア商品・サービスに関する二ー
ズは強いが、エビデンスが示されているケース
は少なく、不安な環境にある。
大学医学部は、疾患に関する研究が中心で、
健康増進効果等の研究・評価は不足している
安心
大学(医学部)
商品・サービスの有効性・安全性が科学的に評価され、エビ
デンスが公表されることにより、国民が安心・安全できる環境
が醸成される。
また、効果に応じた価格設定が可能になり、高付加価値商品
の提供が進むことが期待できる
2
PHIの組織について
組織:ヘルスケア産業プラットフォーム(PHI)とは、大学医学部等(国立高度医療研究センター含む)
と外部機関から構成されるプラットフォームである。
(全国の医学系の大学:80、国立高度専門医療研究センター:6法人(独立行政法人))
利益相反の観点からも、外部法人が企業側の窓口となることが望ましい。
迅速な意思決定
柔軟な契約(資金・人材の確保、
外部リソースの活用等)
経済活動が可能
ビジネスリスクが負担可能
大学発ベンチャー企業への多様な
支援が可能
様々なリスク分散やコンプライアン
スに対して対応可能
ヘルスケア産業プラットフォーム
外部法人
(プロジェクトマネジメント)
多様な研究分野の融合
研究リソース(研究人材・研究
成果・研究機器)の充実
診療情報の活用
教育・研修への活用
学生の活用が可能
倫理審査機能
医学部
大学
内部組織
(国立高度専門医療センター)
大学病院
3
4
K-PHI これまでの取り組み例1:「ピラティスによるエクササイズ効果の科学的評価」
(慶應義塾大学医学部・大学病院スポーツ医学総合センター・ピラティス専門事業者)
企業提供のサービスに対する「見える化」実施モデルとして、
エクササイズの科学的評価を構築するための実証研究を実施した。
新商品・新サービスの科学的評価構築支援モデルの構築に向けて、
実際に被験者に対して実証研究を行い検証事例をとおして企画した
業務フローの項目の検証を行うとともに、課題抽出、改善策、新商
品・新サービスの科学的評価構築支援創出基盤のあり方を検討。
研究協力者向けオリエンテーション
 ピラティス実施グループと標準プログラム従来型の筋力トレーニ
ンググループとの比較研究(封筒法による無作為振分)
(慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合
センター教授による説明)
標準プログラム(10名)
(従来型の筋力トレーニング)
ピラティス実施グループ(10名)
比較研究
ピラティスプログラム実施風景
@BASIピラティス三軒茶屋スタジオ
標準プログラム実施風景
@BASIピラティス三軒茶屋スタジオ
5
K-PHI これまでの取り組み例2:「職場復帰支援プロセスの可視化と標準化」
KEAP (Keio Employee Assistance Program)
http://www.keap-keio.jp/
大学発の商品・サービスに関する「見える化」実施モデルとして、
職場復帰支援プロセスの可視化と標準化を実施した。
ストレス研究センター(精神神経科・公衆衛生学)を中心として医学的知識を
持った専門家による「新規コンセプトのメンタルヘルス専門支援プログラム」
実施対象:大手メーカー(本社従業員:1万人規模、2010年度売上:約7兆円)
科学的評価に基づく健康サービスプログラム創出基盤構築に向けて、検証事
例を通して企画した業務フローの項目の検証を行うとともに、課題の抽出し、改
善策を企画立案。
日経新聞 2013年4月25日
夕刊 にて記事掲載
6
PHIの活動目標:ヘルスケア商品の「見える化」
国民/消費者から見たヘルスケア産業における「品質の見える化」の状況とPHIによる将来像
医薬品・
医療機器
未研究
Step1
エビデンス
が無い商品
/サービス
研究中
Step2
エビデンスを
収集中の商
品/サービス
研究済
Step3
エビデンスが
確立した商品/
サービス
機能性食品等
薬事法による
評価・認証
トクホによる
評価・認証
―
×
市場に存在
しない
△
臨床試験・
治験
◎
PMDAにより許
可・承認
玉石混交
△
左記以外の
商品・サービス
医療介護周辺の
商品・サービス
推奨は僅かに
あるが制度自
体が玉石混交
PHIによる
将来像
×
玉石混交
△
健康食品認証
制度協議会に
よる安全性の
認証
業界認証や
特許出願中
の表記
◯
×
消費者庁に
より許可・承認
ほぼ存在
しない
「
品
質
の
見
え
る
化
△
今後評価を
行うことを明示し
Step2に移行
○
研究実施中である
ことを明示随時論
文発表等を実施
」
◯~◎
エビデンスに基
づいた評価・推奨
の実施
7
ヘルスケア産業の現状と品質の見える化(情報の共有)とPHI
PHI
品質の見える化
(情報共有)とは
ヘルスケア産業の特徴
課題
外部法人
ヘルスケア企業
指標があり
商品・サービスの開発に
利用できる指標が不足
【ヘルスケア企業の特徴】
医学部・学会との連携
不足の状況で独善的
な商品開発が多い
自治体
計測でき
健康影響のある計測を
被験者を用いて実施で
きる機関の不足
【自治体の特徴】
医学部・病院との連携
不足で被験者活用試
験ができない
認証機関
表現できる
薬事法などヘルスケア
産業特有の表現規制
が存在
【認証機関の特徴】
学術的エビデンスを
軽視した信頼性の欠
ける認証が多い
医
学
部
・
病
院
へ
の
窓
口
機
能
を
持
ち
連
携
促
進
医学部・病院
【医学部の特徴】
(長所)
・豊富な研究情報
・豊富な診療情報
・研究設計のできる研究者
・倫理審査能力を有する
(短所)
・ヘルスケア企業向け/自治
体向け/認証機関向け窓
口が不足
・事務手続きが煩雑で遅い
ため共同事業が困難
・社会に対して研究者情報
の提供不足
・利益相反関係に敏感
企業、自治体、認証機関、PHIが一体となって
ヘルスケア産業の「品質の見える化」を実現
8
指標を中心にしたヘルスケア産業の情報共有(見える化)の体系
政府
大学医学部・病院
協力
研究
ヘルスケア企業
プラットフォーム
共同研究/指標開発、DB化
研究
指標
指標に基づいた
健康測定
・健康介入
マルチステークホルダー
によるガイドライン作成
指標に基づいた
商品開発
ガイドラインに基づく商品である
ことを評価・認証
商品・サービスに関する
健康指標の表示・情報共有
自治体・健保
消費者
(国民)
効果の期待できる
商品の選択
自治体・健保
9
段階に応じた国民にとってわかりやすい情報共有
少子・超高齢社会においてヘルスケア産業に関連する商品の品質を示す
適切な指標は現在存在しない。健康効果に関する指標の整理を行うとともに、
各段階に即して国民にとって分かりやすい情報共有(見える化)の仕組みを作る。
認知
客観的事実としての大学の関与
( recognitionについてのガイドライン整備が必要)
認定
基準や指標のあるもの安全性を前提としたAward付与(大学共
通でのミニマムな基準の共有とベストプラクティスの表彰)
認証
H25年度はここま
でK-PHI実施
(受入審査実施)
H26年度以降
med U-net等の
大学連携体にて
検討
国の協力必須
公的機関による有効性のお墨付き(国の協力必須)
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