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ゆずの生産拡大、加工品開発と販路開拓
(東牟婁振興局) ゆずの生産拡大 ゆずの生産拡大、 生産拡大、 加工品開発と 加工品開発と販路開拓 指導対象 1 古座川柚子生産農家(59人)、古座川ゆず平井の里(80人) ねらい 古座川町におけるユズ栽培は、一時は栽培面積20haを超えたが、販売不振期などを経て、 平成21年3月時点では栽培面積14ha、栽培者数59人となっている。 販売不振対策として平成16年に農事組合法人古座川ゆず平井の里を設立し、ユズの加工・ 販売の一元化、多様な販売ルートの確保等により、ユズの需要は高まり、原料生産農家の経営 安定等に努めてきたが、依然として新規栽培者は少なく、栽培者の高齢化は進んでいる。 そこで、古座川ゆず平井の里における生産担当者や新規定住者等、比較的若い新規栽培者を 担い手と位置づけ、栽培技術習得等の支援を行い面積拡大、生産の安定を図っていく。 また、地域における雇用の創出やユズ栽培農家の所得向上を図るためには、古座川ゆず平井 の里の経営発展が重要で、平成21年度に採択された新農林水産戦略プロジェクト推進事業(3 カ年)を活用した取組の支援を行っていく。 2 普及活動の 普及活動 の 経過及び 経過及 び 成果 (1)生産安定技術の推進 昨年度は、幹腐病の発生状況の現地調査、アンケート調査を実施し、発生の要因などにつ いて検討するとともに、せん定講習会などで幹腐病が発生しにくい園地づくりについて啓発 を行ってきた。 今年度は、薬剤による病斑の処理方法として、ICボルドー66Dの2倍液の効果を慣行の処 理方法を検討した。また、昨年度と同様にせん定講習会を実施し、幹腐病が発生しにくい園 地作りについて生産者への啓発活動を行った。 幹腐病研修会 薬剤による病斑処理試験 剪定講習会 (2)栽培面積の拡大 新規定住者や建設業者等からの新規参入を促進し、ユズの栽培を拡大するために、苗木の 新植や栽培技術に関する研修会を実施した。新植した幼木の管理について現地で研修を企画 し、新規栽培者を対象とした支援を行った。平成22年春期には8人が新植に取り組み、内3 人が新規栽培者であった。平成23年も700本程の新植を予定している。 (東牟婁振興局) (3)加工品の開発 商品開発については、原料配合や製造工程などについての指導を行い、新し い商品としてユズ果汁に地場産玉ねぎと人参を使った「ドレッシング」を商品 化した。マーケット別戦略商品づくりについては、商品開発コンサルタントに よる指導支援を行い、既存商品の容量・容器等の改良を行った。柚子たれ小瓶容 器の改良及びポン酢6本入り箱の企画販売は好調である。ゆず果肉・果皮を利用 した新商品については、既存商品である柚里花・柚子ゼリーを元に現在試作中 である。 (4)販売対策 関東方面の商談について支援を行った。東京駅のエキナ カの店舗などとの取り引きを開始し、外食企業とは現在、 販売拡大をめざした新商品の開発を進めている。また、県 外高級スーパーや生協との取り引きも増加しており、新し い取引先は16社、店舗数は30店舗を超えた。 エキュート東京内の店舗 (5)交流販売施設「ゆずの学校」の整備 施設整備着工が遅くなったため、完成が2月末にずれ込み、開店は3月27日を予定してい る。「体験」や「飲食」メニューについては先行事例を元に価格帯や内容についての検討会 や講習会を実施した。無理のないやり方で開始し徐々に拡大していく予定である。 交流施設運営検討会 3 交流販売施設外観 交流販売施設内部 今後の 今後 の 普及活動の 普及活動 の 方向 (1)生産安定技術の推進・栽培面積の拡大 引き続き、幹腐病が発生しにくい園地づくりについて啓発活動を行うとともに、Iターン 者、建設業者等、新規栽培者に対する栽培技術研修会を開催し、新しい担い手の技術向上を 図る。また、苗木の新植支援を行ない「ゆず」の栽培を拡大する。 (2)加工品の開発及び販売対策 新商品づくりは、通信販売の購入を促す商品の開発など引き続き実施するとともに、売り 先別商品づくり(既存商品改良等)を行う。また、売り先別販売戦略として販売先や卸売先 との関係性の強化を図る。 交流販売施設「ゆずの学校」を活用し、都市住民(生協組合員など)を「リピート顧客」 へ誘導する。