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月経不順、月経痛、PMS
気になる婦人科の病気❶ 「先月の月経がいつ、どんな様子だ ったか覚えていますか?」 。 クリニッ クの患者さんに必ずする質問です。 あなたは答えられますか? ほとん どが月に一回なんとなくある程度の 回答。でも読者世代はそれで安心し てはいけません。月経があっても排 卵がなかったり、月経痛の裏に子宮 内膜症や子宮筋腫が潜んでいるケー スが少なくないからです。 歳前後の月経は中身が問題! それを知るためには基礎体温表が必 要不可欠。面倒くさがらずにまず、 〜 カ月つけてみてください。自 分のパターンが見えてきます。まず 周期が一定か、 高・低温期の 層があ るか、排卵があるかをチェック。な い場合は、黄体や卵巣の機能不全な どの疑いがあります。実は不妊症の 半分以上がこの黄体機能不全が原 因。基礎体温表から得られる情報は 貴重だと思いませんか? 毎月一回月経があっても 安心してはダメ。中身が大事! 月経不順、月経痛、PMSなど ill_13 2 30 3 2 _16 基礎体温に加えて、月経量、おり もの、出血、体調や日々の予定を記 録しておくと、月経周期と体調の関 係に気づくきっかけになります。な んとなく感じていた不調がPMSだ ったとわかるかもしれません。「先月 より月経痛が重い」「おりものが増え た」 など変化に気づくことも、 婦人病 リスクが増えるバイラ世代にとって は重要。気になる症状があればすぐ 婦人科へ。月経から自分の体を判断 できる習慣をつくっていきましょう。 ill_11 ill_26 ill_08 ill_19 ill_27 ill_20 長くつきあうことが多い月経痛やPMS。つらい症状を乗り切る自分な りの方法を見つけつつ、つらいときや30歳前後になって症状が重くな った場合は、別の病気の可能性もあるのでできるだけ婦人科の受診を。 ill_28 ill_29 病院で 下半身の血行をよくする 漢方薬からピルまで幅広い選択 ill_21 ill_12 骨盤内のうっ血を取ると月経痛がやわらぐ効果が。腰 を回す、股関節のストレッチ、椅子に座り足首の曲げ 伸ばしをする、 入浴や足湯で血行を改善するのも有効。 アロマでリラックス 植物から抽出した精油の香りで心身をリラックス。気 ill_23 分の落ち込みにはジャスミン、月経痛緩和にはカモミ ール、 吐き気やむかつきにはペパーミントがおすすめ。 ill_13 読者世代の場合、月経の不快症状の裏に子宮内膜症や 子宮筋腫などの別の病気が潜んでいる場合が多いので 「月経痛ぐらいで」と思わずに、念のためという気持ち で気軽に受診を。治療のアプローチは東洋医学から西 洋医学まで幅広い。漢方薬による血行改善とイライラ を緩和させる方法、子宮収縮時のプロスタグランディ ンの過剰分泌による月経痛の場合はプロスタグランデ ィン合成阻害剤や低用量ピルを処方される場合も。 正常な基礎体温 ill_10 月経 → 月経 妊娠したときの基礎体温 ill_15 基礎体温表は妊娠力を知るうえで重要な手がかり に。まず低温期から高温期に移る前にガクッと体 ill_12 温が下がる日があれば排卵がある証拠。高温期と 低温期の日数や温度差から各ホルモンや器官の働 きがわかり、右の表のように原因を読み取ること とができます。気になる点は早めに基礎体温表を 持参して婦人科を受診し将来に備えましょう。 月経の周期や期間が定まらない il ➡月経不順へ 月経中に体の不調がある (下腹部の痛み、腰痛、頭痛、むくみ、イライラ) ➡月経困難症へ 月経開始前1週間~2、3日前に 体の不調がある (乳房が張る・痛い、下腹部痛、便秘、下痢、肩こり、眠いなど) ➡PMSへ 月経時以外に性器から出血する ➡不正出血へ 月経 → ill_16 無排卵性月経の基礎体温 月経 月経 → 低温期が約 2 週間続いたあと、 体温の陥落日に排卵があり、 高温期が約 2 週間続く。高温 期が終わると月経が始まる 低温期から高温期に移り、 3 週間以上高温期が続く場合 は、黄体ホルモンが分泌され 続けていて妊娠の可能性あり 排卵が起こっていれば卵巣か ら黄体ホルモンが分泌され体 温が上昇。低温期が続く場合 排卵が起きていない可能性が ill_13 黄体機能不全の基礎体温 黄体ホルモンの分泌が悪い 月経 → ill_15 月経不順 自宅で 基礎体温表から ill_14 妊娠できるかを チェック Check! こんな症状は注意 月経まわりの トラブルill_14 治療法 ill_09 妊娠への影響 ill_0 ill_10 ill_09 自宅でのケア法と受診を症状により選んで ill_08 ill_08 月経 と、本来なら約 2 週間続く高 温期が 9 日未満と短くなる。 これは不妊の原因にもなる 3カ月以上月経がない場合受診を 月経周期の乱れは心因性によるものが圧倒的に多い。 転職など新しい環境へのストレスや人間関係のトラ ブル、仕事の重圧など。また無理なダイエットによ る場合、多嚢胞性卵巣症候群というホルモン異常の 場合も。ほうっておくと不妊の原因にもなるので、 3 カ月月経がない場合はすぐ婦人科の受診を。 月経困難症 月経中に起こる強い痛みと不快感 月経痛を中心にとりわけ症状が激しく、日常生活に 支障をきたす症状を指す。原因はさまざま。子宮頸 管が狭く月経時にはがれた内膜が子宮の中にたまり うっ血を起こす場合、子宮を収縮させるホルモンの 過剰分泌、子宮内膜症などの病気による場合も。30 代になって痛みが増した場合は婦人科の受診を。 PMS 月経前に現れる心身のトラブル PMS=Premenstrual Syndromeとは、月経が始まる約 1 週 間前から現れる心身の不調のこと。体の症状では乳 房が張る・痛い、下腹部痛が代表的で、精神的な症状 は気分の落ち込み、イライラなど。月経開始と同時 に症状が消える場合が多く、ホルモン分泌の急激な 変化が原因で起こるのではと考えられている。 不正出血 原因は4つのパターンに分かれる 月経時以外の子宮や膣、外陰部などの性器からの出 血を指す。原因は主に 4 つあり、最も多いのが子宮 膣部びらんなどポリープや炎症によるものと、卵巣 機能不全や無排卵などホルモン異常によるもの。子 宮筋腫や子宮内膜症、子宮がんなどの腫瘍による場 合、 妊娠にかかわる場合は一刻を争うので即受診を。 10