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月経不順、月経痛、PMS

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月経不順、月経痛、PMS
気になる婦人科の病気❶
「先月の月経がいつ、どんな様子だ
ったか覚えていますか?」
。
クリニッ
クの患者さんに必ずする質問です。
あなたは答えられますか? ほとん
どが月に一回なんとなくある程度の
回答。でも読者世代はそれで安心し
てはいけません。月経があっても排
卵がなかったり、月経痛の裏に子宮
内膜症や子宮筋腫が潜んでいるケー
スが少なくないからです。
歳前後の月経は中身が問題! それを知るためには基礎体温表が必
要不可欠。面倒くさがらずにまず、
〜 カ月つけてみてください。自
分のパターンが見えてきます。まず
周期が一定か、
高・低温期の 層があ
るか、排卵があるかをチェック。な
い場合は、黄体や卵巣の機能不全な
どの疑いがあります。実は不妊症の
半分以上がこの黄体機能不全が原
因。基礎体温表から得られる情報は
貴重だと思いませんか?
毎月一回月経があっても
安心してはダメ。中身が大事!
月経不順、月経痛、PMSなど
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30
3
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基礎体温に加えて、月経量、おり
もの、出血、体調や日々の予定を記
録しておくと、月経周期と体調の関
係に気づくきっかけになります。な
んとなく感じていた不調がPMSだ
ったとわかるかもしれません。「先月
より月経痛が重い」「おりものが増え
た」
など変化に気づくことも、
婦人病
リスクが増えるバイラ世代にとって
は重要。気になる症状があればすぐ
婦人科へ。月経から自分の体を判断
できる習慣をつくっていきましょう。
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長くつきあうことが多い月経痛やPMS。つらい症状を乗り切る自分な
りの方法を見つけつつ、つらいときや30歳前後になって症状が重くな
った場合は、別の病気の可能性もあるのでできるだけ婦人科の受診を。
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病院で
下半身の血行をよくする
漢方薬からピルまで幅広い選択
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骨盤内のうっ血を取ると月経痛がやわらぐ効果が。腰
を回す、股関節のストレッチ、椅子に座り足首の曲げ
伸ばしをする、
入浴や足湯で血行を改善するのも有効。
アロマでリラックス 植物から抽出した精油の香りで心身をリラックス。気
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分の落ち込みにはジャスミン、月経痛緩和にはカモミ
ール、
吐き気やむかつきにはペパーミントがおすすめ。
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読者世代の場合、月経の不快症状の裏に子宮内膜症や
子宮筋腫などの別の病気が潜んでいる場合が多いので
「月経痛ぐらいで」と思わずに、念のためという気持ち
で気軽に受診を。治療のアプローチは東洋医学から西
洋医学まで幅広い。漢方薬による血行改善とイライラ
を緩和させる方法、子宮収縮時のプロスタグランディ
ンの過剰分泌による月経痛の場合はプロスタグランデ
ィン合成阻害剤や低用量ピルを処方される場合も。
正常な基礎体温
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月経
→
月経
妊娠したときの基礎体温
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基礎体温表は妊娠力を知るうえで重要な手がかり
に。まず低温期から高温期に移る前にガクッと体
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温が下がる日があれば排卵がある証拠。高温期と
低温期の日数や温度差から各ホルモンや器官の働
きがわかり、右の表のように原因を読み取ること
とができます。気になる点は早めに基礎体温表を
持参して婦人科を受診し将来に備えましょう。
月経の周期や期間が定まらない
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➡月経不順へ
月経中に体の不調がある
(下腹部の痛み、腰痛、頭痛、むくみ、イライラ)
➡月経困難症へ
月経開始前1週間~2、3日前に
体の不調がある
(乳房が張る・痛い、下腹部痛、便秘、下痢、肩こり、眠いなど)
➡PMSへ
月経時以外に性器から出血する
➡不正出血へ
月経
→
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無排卵性月経の基礎体温
月経
月経
→
低温期が約 2 週間続いたあと、
体温の陥落日に排卵があり、
高温期が約 2 週間続く。高温
期が終わると月経が始まる
低温期から高温期に移り、 3
週間以上高温期が続く場合
は、黄体ホルモンが分泌され
続けていて妊娠の可能性あり
排卵が起こっていれば卵巣か
ら黄体ホルモンが分泌され体
温が上昇。低温期が続く場合
排卵が起きていない可能性が
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黄体機能不全の基礎体温 黄体ホルモンの分泌が悪い
月経
→
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月経不順
自宅で
基礎体温表から
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妊娠できるかを
チェック
Check!
こんな症状は注意
月経まわりの
トラブルill_14
治療法
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妊娠への影響
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自宅でのケア法と受診を症状により選んで
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月経
と、本来なら約 2 週間続く高
温期が 9 日未満と短くなる。
これは不妊の原因にもなる
3カ月以上月経がない場合受診を
月経周期の乱れは心因性によるものが圧倒的に多い。
転職など新しい環境へのストレスや人間関係のトラ
ブル、仕事の重圧など。また無理なダイエットによ
る場合、多嚢胞性卵巣症候群というホルモン異常の
場合も。ほうっておくと不妊の原因にもなるので、
3 カ月月経がない場合はすぐ婦人科の受診を。
月経困難症
月経中に起こる強い痛みと不快感
月経痛を中心にとりわけ症状が激しく、日常生活に
支障をきたす症状を指す。原因はさまざま。子宮頸
管が狭く月経時にはがれた内膜が子宮の中にたまり
うっ血を起こす場合、子宮を収縮させるホルモンの
過剰分泌、子宮内膜症などの病気による場合も。30
代になって痛みが増した場合は婦人科の受診を。
PMS
月経前に現れる心身のトラブル
PMS=Premenstrual Syndromeとは、月経が始まる約 1 週
間前から現れる心身の不調のこと。体の症状では乳
房が張る・痛い、下腹部痛が代表的で、精神的な症状
は気分の落ち込み、イライラなど。月経開始と同時
に症状が消える場合が多く、ホルモン分泌の急激な
変化が原因で起こるのではと考えられている。
不正出血
原因は4つのパターンに分かれる
月経時以外の子宮や膣、外陰部などの性器からの出
血を指す。原因は主に 4 つあり、最も多いのが子宮
膣部びらんなどポリープや炎症によるものと、卵巣
機能不全や無排卵などホルモン異常によるもの。子
宮筋腫や子宮内膜症、子宮がんなどの腫瘍による場
合、
妊娠にかかわる場合は一刻を争うので即受診を。
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