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報告書13 - 健康教育課

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報告書13 - 健康教育課
食育推進地域実施報告書
食育推進地域名
栄 養 教 諭 名
テーマ
1
西 郷 村
亀 田 明 美
「にしごうマクロビ給食」を取り入れた
「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」の育成
食育推進地域の概要
西郷村では平成17年度に食育推進委員会を設置 し、子どもたちが望ましい食習慣を身につけ、自
らの健康管理ができるようにすると共に、子どもたちの健康課題の解決をめざして、食育を推進して
きた。
平成22年度からは、福島県教育委員会主催の 「ふくしまっ子食育推進ネットワーク事業」も合わ
せて実施し、「西郷村食育推進地域検討委員会」を 中心に、西郷村が学校・家庭・地域全体を通して、
食育をどう進めるかを検討してきた。
今年度は、熊倉小学校、西郷第一中学校を実践中心校として、学校における食育推進の在り方につ
いて研究を行うとともに、教科、特別活動、総合的な学習の時間における 食に関する指導の在り方に
ついて、研究公開を行ってきた。
■
西郷村における食育推進の概要
西郷村食育推進地域検討委員会
西郷村教育委員会
<小学校>
◎熊倉 ○小田倉
○米
○羽太
○川谷
○西郷幼稚園
■
西郷村学校給食センター
<中学校>
◎西郷第一
○西郷第二
○川谷
園児・児童生徒数(平成23年8月1日現在)
西郷幼稚園
幼稚園計
40
40
熊倉小学校
416
西郷第一中学校
335
小田倉小学校
492
西郷第二中学校
275
米小学校
170
川
羽太小学校
97
川谷小学校
50
小学校計
1225
谷
中学校計
中 学 校
17
627
2
西郷村の児童生徒の実態
(1)体格の状況
平成 23 年度本村児童生徒の体格の状況は下記の通りである。本村児童生徒の体格の状況は、
平成 23 年度学校保健統計調査の全国平均とかけ離れたものではない。
身長(cm)
区分
学年
男
子
小1年
小2年
小3年
小4年
小5年
小6年
中1年
中2年
中3年
本村
115.6 ±
122.5 ±
127.7 ±
132.8 ±
138.8 ±
145.2 ±
152.1 ±
160.3 ±
166.2 ±
女
子
小1年
小2年
小3年
小4年
小5年
小6年
中1年
中2年
中3年
115.5
121.3
127.6
133.9
140.7
147.0
151.7
155.9
156.4
4.8
5.5
4.9
6.1
5.4
8.5
7.9
6.8
5.9
全国 標 準 偏 差
116.6 ±
3.4
122.6 ±
5.8
128.2 ±
5.2
133.5 ±
7.3
138.8 ±
7.4
145.0 ± 11.9
152.3 ±
8.7
159.6 ±
9.5
165.1 ± 10.6
体重(Kg)
本村 標 準 偏 差
全国 標 準 偏 差
21.2 ±
3.4
21.3 ±
3.3
24.8 ±
5.8
24.0 ±
4.2
27.3 ±
5.2
27.0 ±
5.0
30.4 ±
7.3
30.3 ±
6.0
35.0 ±
7.4
33.8 ±
7.3
40.5 ± 11.9
38.0 ±
8.2
45.3 ±
9.9
43.8 ±
9.7
50.2 ±
9.0
49.0 ± 10.0
57.4 ±
9.7
54.2 ±
9.9
4.8
5.5
6.6
6.5
6.9
6.8
6.3
5.5
5.4
115.6
121.6
127.4
133.5
140.2
146.7
151.9
155.0
156.6
21.3
23.5
27.6
30.6
35.0
39.6
45.6
49.7
51.5
標準偏差
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
±
4.9
5.1
5.5
6.2
6.8
6.7
5.9
5.5
5.3
±
±
±
±
±
±
±
±
±
3.9
4.2
7.1
7.5
6.9
7.7
9.4
7.4
7.9
20.8
23.4
26.4
29.8
34.0
38.8
43.6
47.1
49.9
±
±
±
±
±
±
±
±
±
3.1
3.8
4.7
5.8
6.9
7.8
8.1
7.8
7.6
痩身傾向児及び肥満傾向児の出現率については、下記の通りである。痩身傾向児の出現率
は 1.1%、肥満傾向児の出現率は 10.7%で、肥満傾向児については全ての学年において、全国
の出現率より高い割合を示している。
1
2
3
3
4
5
年
小
年
小
年
小
年
小
年
小
年
中
年
中
年
中
3
3.8
5.0
6.3
7.6
8.6
8.8
9.4
8.3
8.0
2
8.1
8.7
8.2
10.1
12.4
12.4
13.4
9.8
13.2
10.7
全国
1
16
16
17
20
26
25
29
19
26
194
西郷村
6
0.5
0.6
1.1
1.7
2.7
3.0
3.4
2.7
2.2
16
14 %
12
10
8
6
4
2
0
小
5
1
19
0.5
0.0
1.0
1.5
1.4
2.0
2.3
0.0
0.5
1.1
肥満傾向
出現率 全国
4
198
183
207
198
209
202
217
194
197
1805
人
3
小1年
小2年
小3年
小4年
小5年
小6年
中1年
中2年
中3年
計
痩身傾向
出現率 全国
人
2
人数
1
学年
年
<肥満傾向児の出現率全国との比較>
(2)口と歯の健康に関する状況 < 学校別 平成 22年度 検診結 果より >
一人平均う歯数は、全ての小学校で郡平均より尐ない本数である(村平均 0.4 本)のに対
し、中学校は、郡平均より低い学校が1校のみで(村平均 2.4 本)ある。村内8校の小中学
校のうち3校が、平成 23 年度良い歯の学校表彰において、優秀賞を受賞している。
一人平均のう歯数(中学校)
一人平均のう歯数(小学校)
3本
2.5
2.5
2
2
1.5
1.5
1
0.5
2.79
3本
0.52
0.59
0.66
0.46
0.32
0.33
米
羽太
川谷 郡平均
0
2.5
2.2
1.54
1
0.5
0
熊倉 小田倉
西一中
西二中
川谷中
郡平均
(3) 食生活の状況
① 朝食の摂取状況
平成 23 年度 「朝食を見直そう週間運動」期間中に調査した、村内児童生徒の朝食摂取率は、
小学校 99.7%、中学校 98.7%(うち 3 校は 100%)であった。 平成 19 年度の 92%から徐々に
朝食摂取率が向上してきている。
平成 23 年 7 月に実施した「食生活アンケート」の結果によれば、朝食の主食は「ご飯」を
食べている割合が多い。しかし、主食のみや主食と汁物、主食と主菜の 2 品以下で済ませる
児童生徒が 6 割いるなど、栄養バランス面での課題がある。
朝食にどんな物を食べていますか?
朝食の主食は何ですか?
主食と汁物と
主菜と副菜
15%
主食と主菜
と副菜
4%
パン
32%
ご飯
68%
主食のみ
22%
主食と汁物
と主菜
18%
主食と汁物
23%
主食と主菜
18%
② 給食の摂取状況
6.0
5.4
%
毎年 2 回「残滓ゼロ週間運動」を実施
している。今年度運動期間中の残滓率は
1 回目平均 3.2%、2 回目 1.0%であった。
うち、2 校は 2 回目の残滓率が0%であ
った。
残滓ゼロ週間運動を通して、給食を残
さず食べることが定着してきているが、
一人一人の食べ方を見ると、痩身傾向児
は尐食、肥満傾向児がおかわりをしてい
るとの課題も出てきた。
5.0
4.4
3.7
4.0
3.0
第1回
3.3
2.4
2.2
1.6
2.0
0.9
0.8
1.0
0.6
第2回
2.9
1.0
0.8
0.00.0
0.0
<H23
0.0
残滓ゼロ週間運動期間中の残滓率>
③ 食事の手伝いの状況
食事の手伝いをする割合は、「いつも手伝う」、「ときどき手伝う」合わせて 88%であった。
手伝いの内容は、食卓の準備、料理、後片付け、買い物の順であった。
手伝いの頻度
手伝いの内容
23%
27%
12%
12%
いつも手伝う
ときどき手伝う
いつもしない
65%
21%
40%
買い物
料理
食卓の準備
後片付け
3
食育を推進する上での児童生徒の課題
食育を推進する上での児童生徒の課題について、健康面、食生活、食に関する意識の面から、
下記の表にまとめた。それぞれの方策、具体的な実践については下記の通りである。
健康面
食生活
食に関する意識
課
題
方
策
具
体
的
な
実
践
・肥満傾向児の出現率が全国
平均を上回っている(出現
率 10.7%)
・一人平均う歯数が、中学生
になると増える。
(小 0.4 本→中 2.4 本)
・食物アレルギーを持つ児童
生徒の増加
・個別指導の効果的な方法の
検討
・食の面から、口と歯の健康
つくりを支援する
・食物アレルギーを持つ児童
への給食での対応
○個別指導の実施
○かみかみ給食の実施
○食と口の健康作りに関
する授業の実施
・朝食の内容からみると、主 ・にしごうマクロビ給食の認
食とおかず、汁物を組み合 知度をさらに上げ、理解を深
わせて食べている割合が
めていく必要がある。
尐ない。
・給食を残さないで食べてい
るが、一人一人の適量への
対応ができていない。
・望ましい食事の取り方に関
する知識や料理について
学ぶ機会を設ける。
・児童生徒の実態を考慮した
学校給食の実施
・「にしごうマクロビ給食」
の良さについて、家庭や地域
に普及・啓発を行う。
○食に関する授業を通し食
事の取り方や料理の作り
方を指導する。
◎学校給食の食事内容につ
いて栄養アセスメントを
行う。
○親子料理教室の実施
○お弁当コンクールの実施
○給食指導資料の充実
○食育だよりの充実
<テーマ>
「にしごうマクロビ給食」を取り入れた
○食べる力
「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」の育成
○感謝の心
○郷土愛
4
テーマについて
の育成
(1) にしごうマクロビ給食とは
「にしごうマクロビ給食」は、胚芽米や雑穀を中心とした主食に、地元で生産される野菜
や豆を副食に積極的に取り入れた、本村の特色ある給食の愛称である。
「にしごうマクロビ給食」の特色は以下の4点である。
① 胚芽米に、麦や黒米や雑穀等を入れた ご 飯 を 週 4 回 食べています。
② 魚や野菜や大豆や豆製品がたっぷり入った
和 食 中 心 の お かず を食べています。
きゅうしょくきょうりょく
③ 学校 給 食 協 力 会や学校農園でとれた新鮮で安全な野菜を積極的に取り入れて、
地 産 地 消 をすすめています。
④ カ ミ カ ミ 食 材 が毎日 ついています。
(2) 「食べる力」、「感謝の心」、「郷土愛」とは
福島県では平成 19 年に学校における食育の方向性を示す「ふくしまっ子食育指針」を策定
し、その目標として、「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」を設定した。
「ふくしまっ子食育指針」において、「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」は、以下のよ
うに明記されている。これらを育成するための手だてとして、「にしごうマクロビ給食」を
活用することが有効であると考え、テーマを設定した。
「感謝の心」
「食べる力」
自然や人々とのかかわり
の中ではぐくむ
自らが望ましい食生活を実
践していく力
「郷土愛」
気候・風土に根ざした食文
化を理解しはぐくむ
(3) 今年度の重点実践事項
今年度は、以下の3点について継続的に取り組むと共に、児童生徒の実態や健康課題について
明らかにし、課題解決に向けた方策を検討した。
給食の充実
家庭・地域への
普及啓発
○アレルギーを持つ児童
生徒へ安全な給食を提
供できるよう、保護者
等との面談を実施
○
○家庭、地域への
効果的な普及啓発
・ 親子料理教室
・ 村一斉弁当の日
・ 料理コンクール
授業の充実
○教科、特別活動、総
合的な学習の時間に
おける食に関する指
導の充実
5
実践の内容
(1)食に関する指導の充実
各小・中学校において策定した食育全体計画に基づき、栄養教諭との連携を密にして授業内容
に十分配慮しつつ、食に関する指導の充実を図った。
<今年度実施した授業内容>
対象
学年
小1
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
特別活動(学級活動)
なんでも食べよう
いろいろ食べよう
すききらいなく食べよう
よくかんでたべよう
はしを上手に使おう
すききらいなく食べよう
大切な朝ご飯
すききらいをなくそう
1日のスタートは朝ご飯から
からだによい食生活
おやつを考えよう
なぜ食べるの朝ご飯
バランスの良い食事
にしごうマクロビ給食について
和食のマナーを身につけよう
スポーツと栄養
学習と部活動の両立
受験期の食事
※幼稚園
野菜を食べよう
総合的な学習の時間
教科
大豆の栄養について知ろう
おやつについて考えよう
家 元気な毎日と食べ物
家
家
家
家
保
楽しい食事を工夫しよう
生活を見直そう
和食の良さを知ろう
食品添加物
生活習慣と健康
(2)学校給食の充実
アレルギーを持つ児童生徒に対し、学校給食センター・学校・家庭・主治医等と連携を図り、
代替食提供のための体制を整備し、安心して食べられる代替食及び除去食の 提供に努めた。
残滓ゼロ週間運動を設け、残滓を減らす取り組みを行った。
(3)家庭、地域への効果的な普及啓発
料理教室等を通して「にしごうマクロビ給食」の普及啓発に努めた。
第1回親子料理教室(7 月16日)
第2回親子料理教室(11 月 19 日)
に しごうマ クロビ 給食の 人気 メニュ ー
○
○
○
○
○
村の特産品を使った健康メニュ
○
○
○
○
○
黒 米 ご はん
に こ に こコ ロ ッケ
お か ら サラ ダ
に こ に こみ そ 汁
豆 乳 く ずも ち
ー
む か ご ごは ん
じ ゃ が いも の お好 み 焼き
呉汁
み そ じ ゃが
い も ど こ漬 け
料理コンクール「わたしにぴったりな、にしごうマクロビお弁当を作ろう」 (1月28日)
← 小 学 校の 部 最優 秀 賞
中学校の部
最優秀賞
↓
<書類審査>
6
<最終審査>
今年度の重点的に取り組んだ内容
(1)これまでの残滓ゼロ週間運動の成果と課題
本村では平成 20 年度より毎年2回、給食センターと各学校が連携し残滓ゼロ週間運動を実施
してきた。年々残滓率が低下し、今年度第 1 回目の残滓率の平均は 3.2%であった。しかし一方
で、
「ご飯の量が多く食べきれないので減らしてほしい」、
「残滓をゼロにするために、おかわりを
積極的にする子に食べてもらっている」、
「おかわりを積極的にする子は、肥満傾向 児である」
「痩
身傾向の子は小食である」などの課題も挙げられた。このことから、西郷村の 児童生徒の実態に
即した食事の量について調査するための栄養アセスメントを行う必要があると考えた。
6.0
5.4
%
5.0
4.0
3.0
4.4
3.7
2.4
2.2
2.0
1.0
0.0
2.9
0.8
0.0
<H23、1 回目の残滓ゼロ週間期間中の残滓率>
こ れ まで の残 滓ゼ ロ週間 運 動の 成果 と
課題
<成果>
○全体の残滓量が減尐してきた。
○給食を残さず食べることが定着
してきている。
<課題>
○一人一人の食べ方を見ると、痩身
傾向児は尐食、肥満傾向児がおか
わりをして食べている。
○適量への配慮が必要
(2)西郷村児童生徒の栄養アセスメント
①資料提供依頼
各学校長宛に文書で調査に使用する資料の提供を依頼した。提供を依頼した資料は、児童生徒
一人一人の学校名、学年、組、性別、生年月日、平成 23 年 4 月と9月の身長・体重に関するデー
タで、USB メモリーで受領した。なお、個人情報保護法に則り、対象者の個人情報の取り扱いに
は十分に配慮した。
② 栄養アセスメント(推定エネルギー必要量の算定方法)
栄養アセスメントには食事摂取基準が用いられる。食事摂取基準では栄養素の特性からみて、
エネルギーを優先順位の第一番目に位置づけている。よって、本調査における栄養アセスメント
を、学校給食として提供するエネルギー量とし、「日本人の食事摂取基準 2010 年度版」にある推
定エネルギー必要量の算定方法を用いた。
推定エネルギー必要量=総エネルギー消費量(Kcal/日)+エネルギー蓄積量(Kcal/日)※1
=基礎代謝量(Kcal/日)×身体活動レベル※2+エネルギー蓄積量(Kcal/日)
基礎代謝量=基礎代謝基準値(Kcal/Kg体重/日)※3×基準体重(Kg)※4
給食として提供する推定エネルギー必要量 =個別の推定エネルギー必要量×33% ※5
※1エネルギー蓄積量;日本人の食事摂取基準(2010 年)に示されている数値を用いた。
※2身体活動レベル;「日本人の食事摂取基準」活用検討会報告書に示された 数値を参照した。
身体活動レベルについての把握ができていないため暫定的にレベルⅡを用いた。
※3基礎代謝基準値;日本人の食事摂取基準(2010 年)に示されている数値を用いた。
※4基準体重;文部科学省より示されている「学校給食食事摂取基準」では、学校保健統計から
児童生徒の標準体重を用いている。
※533%;文部科学省より示されている「学校給食摂取基準」では、エネルギーについては
1 日の必要量の 33%を給食で提供することとされている。
③結果
4月の検診結果を基に算定した推定エネルギー必要量は、下記の通りである。
400
(人)
平均値652Kcal
中央値641Kcal
344 343
350
299
300
259
250
183
200
150
100
50
人数n
小1
198
466
±
51
338
467
615
小2
183
522
±
68
327
515
700
小3
207
564
±
72
363
562
777
小4
198
637
±
90
393
633
952
小5
209
684
±
91
445
687
952
小6
202
761
± 120
362
757
1116
中1
116
742
±
89
540
739
979
中2
116
811
±
74
656
797
1055
中3
107
872
±
92
680
865
1113
全体
1536
652
± 150
327
641
平均 標準偏差
最小値 中央値 最大値
1116
学年別学校 給食の推定エネルギー必要量
62
24
推定エネルギー必要量
学年
20
2
0
1100以上~1200未満
1000以上~1100未満
900以上~1000未満
800以上~900未満
700以上~800未満
600以上~700未満
500以上~600未満
400以上~500未満
300以上~400未満
文科省基準との比較
児童生徒の体格から求めた、推定エネルギー必要量は文科省基準よりも若干低い値であった。
分布では、半数以上が文科省の基準を下回っていた。
文科 省 基 準 660 Kcal
(人)
100
Kcal
1000
西郷村
89
77
80
文科省基準
900
91
58
60
2
0
850以上~900未満
900以上~950未満
中学生
1
950以上~1000未満
800以上~850未満
750以上~800未満
高学年
700以上~750未満
中学年
650以上~700未満
低学年
600以上~650未満
400
5
550以上~600未満
500
0
15
500以上~550未満
600
0
3
450以上~500未満
20
24
11
400以上~450未満
700
29
350以上~400未満
40
300以上~350未満
800
4月と 9 月の比較
ほとんどの学年で4月より9月の推定エネルギー必要量が高くなっているが、小学校6年と中
学校3年生では低くなっていた。小学校 6 年生では、4月時点で 11 歳の児童の割合が多かったが、
9月までに誕生日を迎え 12 歳になる児童が徐々に増えてくる。この年齢区分においてエネルギー
蓄積量及び基礎代謝基準値の係数は、年齢が上がると低くなっているため、このような値となる。
中学校3年生においても同じようなことが言える。このよ うに、推定エネルギー必要量は、成長
とともに変化していくことが分かった。
1000
学年
4月
推定エネルギー必要量
4月平均
標準偏差 9月平均
9月
900
標準偏差
増減
小1
466
±
51
490
±
53
24
800
小2
522
±
68
540
±
68
18
700
小3
564
±
72
594
±
79
29
小4
637
±
90
654
±
92
17
600
小5
684
±
91
720
±
95
36
500
小6
761
±
120
749
±
116
中1
742
±
89
770
±
89
28
400
中2
811
±
74
838
±
76
27
300
中3
872
±
92
853
±
103
▲ 12
小1
▲ 19
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
▲ 4月と9月の比較において減少がみられた。
⑤
主食量(ごはん)の見直し
給食での対応
給食の給与エネルギーの見直し
Kcal
幼
稚
園
50
g
低
学
年
幼稚園
小1
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
60
g
中
学
年
1学期
50g
50g
60g
60g
70g
80g
80g
90g
100g
100g
70
g
高
学
中
80g
年
2学期
50g
60g
60g
70g
70g
80g
80g
100g
100g
90g
学
生
100
g
3学期
50g
60g
60g
70g
70g
80g
80g
100g
100g
90g
11月以降の主食量(ごはん)
小1
60g
小2
60g
配食資料の作成
小3
70g
小4
70g
小5
80g
小6
80g
ランチトピック
中1
中2
中3
100g
100g
90g
学校からの反応
ランチトピックから、各学年の摂取量が
身長や運動量などの全国的な平均値だ
と言うことが分かりました。そこで、本
校の児童を見た場合、体格は全国とそれ
ほどかわりはないとして、問題は運動量
です。本校では放射線における屋外活動
2 時間制限のため、帰宅方 法を家族によ
る送り迎えとしています。このことから
運動量は減尐しています。考える必要が
あるのは、季節、気温です。これによっ
て運動量が随分減尐します。従って、全
国平均値を本校にそのまま当てはめて
良いかどうか。肥満児童が多い実態から
も考えてほしいです。
一方で、「 残滓ゼロ」子どもは太る一方
かな?
⑥ 第2回残滓ゼロ週間運動の結果
1回目に比べ2回目の残滓率が、全て
の学校で減尐した。残滓率がゼロの学校
が2校になった。残滓率の低下には、季
節的な要因や、学級担任の励ましなどが
大きく影響していると考えられるが、児
童生徒の栄養アセスメントを行い、成長
に合わせて主食量を見直したことも、要
因のひとつではないかと推察できる。
今後は、全体の残滓の減尐だけではな
く、児童生徒一人一人が、各自にあった
適量を知り、それを残さず食べられるよ
うにする取り組みを、行っていく必要が
あると考える。
6.0 %
5.4
5.0
3.7
4.0
3.0
3.3
第2回
2.9
2.4
2.2
2.0
1.0
第1回
4.4
1.6
0.8
0.9
0.6
1.0
0.0 0.0
0.0
<H23
残滓ゼロ週間運動期間中の残滓率>
0.8
0.0
7
<アンケートの結果から>
今年度の成果と課題
「にしごうマクロビ給食」の認知度
「にしごうマクロビ」を知っている(保護者)
「にしごうマクロビ」を知っている(児童生徒)
知っている
だいたい知っている
あまりよくわからない
わからない
H21.6
知っている
だいたい知っている
あまりよくわからない
わからない
6月
H22.6
H23.6
12月
H23.12
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
にしごうマクロビ給食の認知度は、児童生徒において、
「知っている」と「だいたい知っている」
を合わせると約5割から約 8 割に上昇した。一方、保護者の認知度に大きな変化はなかった。
「にしごうマクロビ」の認知度をさらに、向上させていくためには、児童生徒の課題解決のた
めに「にしごうマクロビ給食」を取り入れることが有効であることを、保護者や教職員に 普及・
啓発していくことが必要である。
「食育の授業」への関心度
食育の授業に関心があるか
ある
尐しある
あまりない
12 月のアンケートにおいて「食育の授業に関心
がある」と回答した割合は、14%、「尐しある」は H23.6
60%で、「あまりない」が 26%であった。
6 月との比較においては「尐しある」がわずかに上
昇し、「あまりない」が減尐したが、大きな変化は H23.12
なかった。今後も授業内容などを改善し、児童生徒
の関心を高めていく必要がある。
0% 20% 40% 60% 80% 100%
<今年度の重点的な取り組みより>○成果●課題
○ 本村児童生徒の身体状況から栄養アセスメントを行なったことにより、学校給食の給与栄養
量、副食の重量換算係数および主食の量について見直すことができた。
○ 残滓ゼロ週間運動期間中に、配食量の資料を配付したことにより、適量やおかわりに仕方に
ついて、問題提起をすることができた。
○ 学校から「ごはんの量が適量になった、配食の目安量があって指導しやすかった」などの意
見が寄せられた。(学校給食担当者会議反省より)
○ 栄養アセスメントから得られた結果は、食に関する指導や お弁当コンクールなど、他の食育
活動にも生かすことができた。
● 栄養アセスメントを行ったが、それを給食時間の個別指導に生かすまでの方策については今
後、検討していく必要がある。
● 栄養アセスメントに基づいた配食を行うためには、給食センターにおける配食量の管理方法
についても、合わせて検討していく必要がある。
● 栄養アセスメントの結果に基づき見直しを行ったが、食事量や内容についての満足度調査は
実施していない。今後はこれらを実施し、学校給食の質的量的な改善を図っていく必要がある。
● 食事摂取基準に基づいたアセスメントを行う ためには、活動量および家庭における食事状況
調査を行う必要がある。次年度は、家庭における食事調査を行い、家庭の食事において不足し
がちな食品や栄養素を明らかにし、
「にしごうマクロビ給食」で補完できるような方策を検討し
て行きたいと考えている。
● 上記の課題を解決するためには、家庭との連携をさらに強化していく必要がある。次年度は
家庭との具体的な連携のあり方について検討していきたい。
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