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圧電セラ関係図集

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圧電セラ関係図集
強誘電体・圧電体の理解に関する図集
2016年 5月版
楠本 慶二 著
はじめに )
文章では理解しにくい部分があること、及び私の知識の整理のために図を用意しました。すべての図については、
所有文献を参考にしており、著作権の関係上、そのまま載せられないので「おおまかな傾向」としてご参照下さい。
配布フリー、リンクフリーで著者に連絡は不要です。間違いは分かり次第、随時修正しています。(片面印刷では60ページ)
目次>
内容
○圧電現象の紹介、歴史、圧電糸電話 >
○圧電セラ研究の初心者向けの基本的情報 >
○セラミックアクチュエーターの形態 >
○研究室レベルでの圧電セラミックスの作り方 >
スライド番号
3-20
21- 52
53-56
57-61
1. 圧電セラミックス?、圧電効果?
圧電セラミックス ⇒ 「圧電効果(ピエゾ効果)」を示す
セラミックス(やきもの)
圧電効果 ⇒ 圧力(力、振動)と電気エネルギーを
物質のみで直接、変換可能な現象
♪ ♪♪
V
圧力→電気
( 圧電効果 )
V
電気→圧力
( 圧電現象の逆効果 )
2. 水晶(単結晶)の圧電効果
< 圧電効果の発見 >
年代
1880
出来事
キュリー兄弟( 弟 ピエール )によるトルマリン
水晶の圧電現象の発見 → 圧電現象の発見
トルマリンに力を加えると結晶の上下が帯電して、
ホコリがつく。( 圧電単結晶 21才の時の偉業 )
1881
1894
1901
1903
1906
1934
ピエール 逆圧電効果の現象を確認(光を使用)
ピエール、マリー( キュリー夫人 )と結婚
ノーベル賞 創設
ノーベル物理学賞受賞( 放射能の研究 )
馬車に、はねられて死去( 享年 46才 )
キュリー夫人 死去( 享年 67才 被爆原因? )
このように切り出すと
圧電効果が利用可能
- +
水晶 = SiO2
(クオーツ)
電極
-
O
+
+
電極
切り出した状態
-V
-
-
圧力
+
Si
+
歪発生( nmレベル )
静電気が発生
キュリーは静電気を測る電位計を
自作して圧力と電圧の関係を調べた
+
+
-
-
+
-
-
+
+
+
+
-
-
-
圧電現象
+
+ +
圧電の逆効果
+V
+
-
水晶( =結晶格子の並びが規則的 )
石英ガラス( =結晶格子の並びが不規則 )
⇒圧電性の利用困難
酸化ケイ素( SiO2 ) ( シリカ> 酸化ケイ素化合物の総称 )
名称
人間が利用できる程度の圧電効果
石英 ( 結晶 )
水晶 ( 結晶 )
石英ガラス ( ガラス )
シリカ・ゲル ( ガラス )
めのう、オパール( 微結晶の集合体 )
珪藻土 ( 珪藻の化石 )
〇
〇
×
×
×
×
⇒ 人間が圧電効果を利用するには「数mmレベルの結晶の規則性が大事」
カンラン石
( Fe2SiO4 )
花崗岩
ノジュール内の空洞
水晶(SiO2)
溶融
熱分解
ガラス化
黒耀石
SiO2溶解・再結晶
めのう(SiO2)
玄武岩
オパール(SiO2)
< 人工水晶 >
人工水晶は熱水中で0.5mm/日
成長し、写真の物は育成までに
440日かかる計算
< クオーツ時計 水晶の圧電効果を利用
>
交流電圧を印加すると3万2768回/秒で振動(自己励起共振)するサイズに
加工した水晶を利用し、「水晶が3万2768回振動した時点で1秒」と数える仕組み。
1か月に0.5-1秒誤差が発生する精度> 1年で12秒、5年で1分の誤差。
3. セラミックスで圧電効果が利用出来る事が判明
年代
出来事
1880
キューリー兄弟による圧電現象の発見
1943
商工省電気試験所( 現 産総研 )の小川、和久によるチタン酸バリウム セラミックス
( BaTiO3, チタバリ )の発見。ほぼ同時期、米国、旧ソ連で独立して発見される。
第二次世界大戦中、通信用コンデンサを小型化可能な化合物だったので秘密
にされた。
米国G.E.のRobertsによるチタバリセラミックスの圧電性発現の発見
→ セラミックスで圧電製品が作成可能なことが判明
1947
1952
東京工業大学 白根、沢口らによるPbTiO3-PbZrO3 ( PZT ) 固溶体の研究
1955
米国 National Bureau of StandardsのB.Jaffeらによる
「PZTセラミックスの圧電特性の発見」
⇒ 産業的には、セラミックスで圧電効果を利用出来ることが重要
単結晶> 量産×、組成不均一、製品形状に制限有、高価
多結晶> 量産〇、やきものなので製品形状に制限なし(例えば壺の形)、安価
< チタン酸バリウム ( BaTiO3 ) >
c軸の長さは、室温では
a軸より1%長いだけ!
Baの箱の中でTiイオン
が適度に自由に動ける
事で強誘電性が発現
ペロブスカイト型 ABO3 構造
-------
Ba
Ba2+
Ti
1
Ti4+
c=1.01
O
1
a=1
< 理想 >
1
a=1
O2-
+++++++
< 現実 >
イオンの大きさの関係で、
電荷の偏り(電子雲の偏り)が生じる
d+
リッチ
dリッチ
----d +リッチ
Ba
Ti
〇ポーリング処理( Poling treatment )
⇒セラミックスに高電圧( ~5000V/mm )
をかけて結晶軸の方向を揃える作業
d -リッチ
O
+++++
++++
++++
加熱処理
( 脱分極処理 )
分極処理
( ポーリング処理 )
---焼結体
圧電体状態
( 現実 )
---圧電体状態
( 理想 )
< ペロブスカイト構造 >
⇒ 強誘電体(=圧電性有)特性の発現に有利な構造
ペロブスカイト> ロシアの鉱物学者 Lev Aleksevich von Perovskiにちなんで
命名されたCaTiO3の鉱物名。
1947年 BaTiO3 ( 室温では約1%歪んでいる )
1955年 PbTiO3-PbZrO3 ( PZT ) ( 室温では約4%歪んでいる )
1960年~ Pb( Ni1/3Nb2/3 )O3- PbTiO3 - PbZrO3 ( PNN-PZT )
Pb( Mg1/3Nb2/3 )O3- PbTiO3 - PbZrO3 ( PMN-PZT )
Pb, Ba, etc.
現在の圧電セラミックスは、BaTiO3やPZTではなく、
強度、圧電特性に優れたPMN-PZT系圧電セラなど
( 主に日本で開発された )が使用されている場合
が多い。
Ti, Zr, etc.
O
4. 圧電素子の応用分野
音波関係> 超音波振動子、超音波洗浄機、超音波センサ、船舶用ソナー部品
加速度センサ、セラミックジャイロ、圧電スピーカー、ブザー部品
圧電スピーカー
振動版(電極)
圧電セラ薄板
電極
高電圧発生部品> 100円ライターの着火部品
セラミック・アクチュエータ> カメラ用超音波モータ ( USM, UltraSonic Motor )
半導体用精密位置決め装置 ( nm単位の位置調整 )
着火部品
一眼レフ用の超音波モーター
セラミックアクチュエータ> インクジェット型プリンタヘッド
圧電素子
< 某インクジェットプリンタ企業の技術レベル >
〇最大で5万滴/秒 4種類?の大きさの異なる丸いインクを
打ち出す事が可能。
〇圧電セラミックの厚さは1ミクロン( 1000分の1ミリメートル )。
〇半永久に駆動可能。
〇ノズル400本が二列配列。
アクチュエータ> コモンレール式ディーゼルエンジン用 超高圧燃料インジェクタ
( ピエゾ・インジェクタ )
コモンレール( 共通のレール )
圧電素子
< 某大手自動車部品企業の技術レベル >
〇大気成分に応じて10万分の1秒レベルで
< クリーン・ディーゼル車 >
燃料噴射量を制御。
ガソリン車より低CO2、軽油は燃料代安い。
〇1回の爆発中に9回噴射。
黒煙出ない、うるさくない。
〇 燃焼中の圧力に応じて噴射量を制御。
日本で爆発的に普及中。日本では累計27万台? 〇圧電素子自体は~20ミクロン程度の変位
将来はディーゼル・ハイブリッド車が主流?
⇒圧電セラの即応性、高トルクが貢献
5. 圧電式糸電話の作製の概要、注意点
×
< 圧電式のメリット >
〇糸が、たるんでいても通話可能
〇声が届かない距離(10mでも余裕)でも聞こえる
〇糸電話2つ用意すると、電話感覚で会話可能
〇圧電効果を体感できる。永久に電池不要。
♪♪
糸電話は糸がたるむと
話せない
♪♪
高電圧、微電流
圧力→電気
( 圧電効果 )
電気→圧力
( 圧電現象の逆効果 )
圧電スピーカー
< 作り方、使用方法 >
材料、費用 > 〇スピーカーケーブル ( サンコー電商 10/0.12 HSP ) 10mで330円
〇圧電スピーカー( 台湾製 SPT-15 ) 50~100円 x 2個
( 試行錯誤の結果では、大型素子が声で容易に発電し、感度良好 )
総製作費 > 一台 600円程度。
作り方 >
1. スピーカーケーブルの両端の樹脂被覆を10mm程度はがす。
2. スピーカーの端子線とケーブルの裸線をまとめて指で捻じる。
3. 結合部をビニールテープで覆う。
話し方 >
相手に肉声の届かない距離( 10m )
離れて、トランシーバー風(〇〇、どうぞ。)
に話す。
スピーカーケーブル
< 作製上の注意ポイント >
〇片方は「赤線と黒線」を結線する事
〇ハンダづけすれば信頼性アップ
〇結線部分が接触しないように
ビニールテープなどで絶縁
写真> 圧電式糸電話
“トランシーバ” タイプ
写真> 圧電式糸電話2本を
まとめた“電話”タイプ
<おまけ>
今回の作品( 3代目 )に至るまでの失敗例 >
〇単線の電線を使用し、電線の太さを考慮しなかった。
⇒2本の電線がぐちゃぐちゃで電線が太く、スマートではない。
〇糸電話風に紙コップの先に圧電素子をつけた。
⇒口、耳から圧電素子までの距離が遠くて音圧が低くなり、大きな声を出す&耳をそばだてる
必要あり。直接、素子に話した方が音圧が向上して良い性能。
〇安価な直径の小さい圧電スピーカーを使用
⇒素子直径の大きい方が、圧電素子の振動が大きくなって感度良好。
〇スピーカー同士の距離が近い( 2-3m )
⇒肉声が相手に届いて圧電式糸電話の魅力半減。
〇電話タイプでは、4つのスピーカーを、そのまま使用。
⇒口用、耳用の区別がつかない。分かりやすいように
印をつけた。
?
?
Ba2+
Ti4+
< Shannonのイオン半径 >
Ba 2+: 0.161 nm
Ti 4+ : 0.0605 nm
O 2- : 0.14 nm
O2図 チタン酸バリウム ( BaTiO3 ) 立方晶系の結晶構造 ( 分かりやすい説明用 )
注) Tiイオンを見やすくするために、格子間隔は誇張。各イオンの大きさの比は、ほぼ合わせている。
a = ~ 0.4 nm
図 チタン酸バリウム( BaTiO3 ) 立方晶系の結晶構造 ( 現実の姿 )
注) 各イオンの大きさ及び格子定数の大きさの比を、合わせたほぼ現実の姿。
Ps [ 001 ]
Ba
a軸
c軸
O
a
a
-------
a
Ba2+
a
c
Ti4+
O2-
a
立方晶
a
キュリー温度
+++++++
正方晶
図 BaTiO3の基本格子が変形して自発分極を有す/なくす概略図
d+
rich
drich
Ps [001]
Ps [111]
a軸
c Ba
c軸
Ps [110]
a
a
b
斜方晶
O
a
a
a
正方晶
立方晶
誘電損失
比誘電率
三方晶(菱面体晶)
a
a
-90
5 20
温度(℃)
135 = Tc
図 BaTiO3セラミックスの誘電特性の概略 ( 10kHz~ )
Ps [001]
Ps [111]
a
c Ba
c
Ps [110]
a
a
三方晶(菱面体晶)
a
O
b
a
斜方晶
a
正方晶
立方晶
比誘電率
3700
a軸方向
135
c軸方向
-90
5
20
a
温度(℃)
135 = Tc
図 BaTiO3単結晶の誘電特性の概略( 10kHz~)
a
600
Curie temperature, deg.C.
PbTiO3
500
400
300
PZT (51/49)
200 BaTiO3
100
0
1 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07
Tetragonality c/a
図 正方晶系チタン酸ペロブスカイトにおける
c軸長/a軸長比とキュリー温度の関係
立方晶 ( Cubic crystal phase )
c
a
a = b = c, a = b = g = 90°
g
b a
疑立方晶 ( Psudo-cubic crystal phase )
c
a=b≒c
b
a
斜方晶 ( Orthorhombic crystal phase )
a≠b≠c , a = b = g = 90°
c
正方晶 ( Tetragonal crystal phase )
a = b≠c , a = b = g = 90°
b 例) BaTiO3 → c / a = 1.01
PbTiO3 → c / a = 1.06
c
b
a
b
a
単斜晶 ( Monoclinic crystal phase )
a≠b≠c , a = g = 90°≠ b
c
a
c
a
b
b
三斜晶 ( Triclinic crystal phase )
a≠b≠c , a≠b≠g ≠ 90°
菱面体晶 ( Rhombohedral crystal phase )
=三方晶
c
a = b=c , a = b = g ≠ 90°
a
b
図 強誘電体関係で、よく出てくる結晶相と特徴
z
z
[ 001 ]方向
[ 1 1 1 ]方向
xyz
1
P
1
x
1
[ 010 ]方向
y
[ 100 ]方向
x
P
y
P ; 分極 ( Polarization )
図 強誘電体関係で、よく出てくる単結晶の方位
+c ドメイン=正方晶
d+
d-
-c ドメイン = 正方晶
d-
d+
ドメイン壁 =~立方晶
図 正方晶の180°ドメイン壁付近の詳細
ドメイン壁付近は立方晶に近くなっており、圧電特性が
低くなることを可視化したもの
正方晶
比誘電率
斜方晶
3000
立方晶
1500
400
20
225
温度(℃)
435 = Tc
図 KNbO3単結晶の誘電特性の概略( 1~100kHz )
5000
Dielectric constant
100kHz
4000
3000
2000
1000
0
0
50
100 150 200 250 300 350 400
Temperature / deg.C.
図 PbZrO3セラミックス(反強誘電体)の
誘電特性の模式図
図から反強誘電体は、低電界下では自発分極を有しないので
室温付近では比較的低い誘電率しか示さないのが分かる。
電界誘起歪
残留歪
分極量
残留分極
自発分極
抗電界
未分極状態
電界強度(+)
(-)
強誘電体(= 圧電体)の分極 - 電界特性
(-)
電界強度(+)
抗電界
強誘電体(圧電体)の電界誘起歪 - 電界特性
(抗電界以上、バイポーラ駆動)
電界誘起歪
分極量
(-)
電界強度(+)
(-)
圧電/電歪体の分極 - 電界特性
電界強度(+)
圧電/電歪体の電界誘起歪 - 電界特性
分極量
電界誘起歪
飽和領域
(-)
電界強度(+)
(-)
電歪体の分極 - 電界特性
図
電界強度(+)
電歪体の電界誘起歪 - 電界特性
分極量(P) - 電界(E)のヒステリシスカーブと電界誘起歪の形の関係
電界誘起歪量
(ユニポーラ駆動)
無分極状態
(-)
0
電界強度(+)
強誘電性セラミックスの電界誘起歪 - 電界特性
(抗電界以上、バイポーラ駆動)
図
電界誘起歪 - 電界の関係(バイポーラ駆動、ユニポーラ駆動)
分極量(P)
(-)
電界強度(E)(+)
典型的な多結晶体の
強誘電体の分極量 - 電界特性
分極量(P)
分極大
→圧電/電歪歪 大
分極量(P)
分極小
→圧電/電歪歪 小
(-)
電界強度(E)(+)
ヒステリシス小
→残留歪 小
ヒステリシス大
→残留歪 大
(-)
電界強度(E)(+)
図 さまざまな分極量(P) - 電界(E) ヒステリシスカーブの形
分極量(P)
分極量(P)
(-)
電界強度(E)(+)
強誘電体単結晶の分極量 - 電界特性
(-)
電界強度(E)(+)
強誘電体多結晶の分極量 - 電界特性
図 単結晶と多結晶の分極量(P) - 電界(E) ヒステリシスカーブの形の違い
注>上記の図は、JME材料科学「セラミストのための電気物性入門」、内田老鶴圃を
参考にした。
電界OFF
電界OFF
電界ON
±180°ドメイン
±90°ドメイン
処女試料
図
分極処理中
現実の分極状態 理想の分極状態
正方晶系マルチドメイン単結晶の分極処理過程におけるドメインの挙動
分極量(P)
電界誘起歪(S)
残留歪(Sr)
自発分極(Ps)
残留分極(Pr)
抗電界(Ec)
(-)
電界強度(E)(+)
図 典型的な強誘電体の分極量 - 電界特性
(-)
電界強度(E)(+)
抗電界(Ec)
図 典型的な強誘電体の電界誘起歪 - 電界特性
(抗電界以上、バイポーラ駆動)
観察される
電界誘起歪量
非180°ドメイン壁の移動に
由来する歪
真の圧電歪
0
約400
電界 (V/mm)
図
PZTにおける電界誘起歪のヒステリシスの内訳
(低周波領域で高電界下でのユニポーラ駆動の場合)
電界誘起歪(S)
電界誘起歪(S)
A B
領域A: 常誘電体
領域B: 電界誘起相転移型強誘電体
(正確には、強誘電体なので歪曲線
にはヒステリシスが残る。)
領域C: 分極・歪飽和領域
C
(-) 電界強度(E)(+)
図 PMN-PTなどの電歪体の
電界誘起歪 - 電界特性
分極量(P)
(-)
(+)
Ec
電界強度(E)
図 PMN-PTなどの電歪体における
電界誘起歪 - 電界強度特性変化の説明
電界誘起歪(S)
飽和領域
(-)
電界強度(E)(+)
図 典型的な常誘電体の 図 典型的な常誘電体の
電界誘起歪 - 電界特性
分極 - 電界特性
図 常誘電体及び電歪体の分極 - 電界特性
歪量 圧電+電歪歪
歪量 電歪歪
歪量 圧電歪
(-)
電界
( + ) 電界
電界
比誘電率
誘電損失
室温
キュリー温度( Tc ) = 約350℃
キュリー温度の約1/2から2/3
図
PZT系 圧電セラミックスにおける誘電特性及び
各温度領域における発生歪形の模式図
電界分極量
(-)
電界分極量
電界強度(+)
強誘電体の分極量-電界特性
(-)
電界分極量
電界強度(+)
(-)
強誘電体の分極量-電界特性
電界強度(+)
常誘電体の分極量-電界特性
比誘電率
εs
誘電損失
tan d
室温
図
PZT Tc=~350℃
誘電特性と分極量(P)-電界(E)
ヒステリシスカーブの関係
残留分極量
( Pr )
Td
0
20
約80
135 (Tc)
試料温度 ( ℃ )
図 BaTiO3系 圧電体の残留分極量 - 温度特性の模式図
Td: Depolarization temperature(脱分極温度)
- - - -
++++
V
++++
分極処理中
分極処理前
図
分極処理後
正方晶系 多結晶 圧電体の分極処理中のドメイン構造の変化の模式図
正方晶の分極方向
( c軸方向 )
c
- - - -
隣り合う分極同士の方向が
90°傾いているから
「90°ドメイン」という
a
c
a
分極方向が180°異なるから
「180°ドメイン」という
通常、肉眼では見えない
ドメインウオール
ドメインウオール
隣り合う分極同士の方向が
60°傾いているから
「60°ドメイン」という
ドメインウオール
+
a
a
+c
a
+
-
90° a - c ドメイン壁
a
a
-
90° a - a ドメイン壁
+
180° a - a ドメイン壁
-c
+
+c
180° c - c ドメイン壁
正方晶の分極方向
( c軸方向 )
c
図 正方晶系 強誘電体におけるドメイン壁の分類
(正方晶にはa軸とc軸がある。)
a
ドメイン壁
90°ドメイン
180°ドメイン
図 正方晶系強誘電体におけるドメイン構造
90°ドメイン
180°ドメイン
60°ドメイン
図 KNbO3 (斜方晶, Ortho.)単結晶のドメイン構造
90 °ドメインウオール
++
-図 結晶内 90°ドメインウオール(分域壁)の移動
及びその結果としての結晶の変形の様子
+
+
図 ドメインによって誘起された
結晶表面の起伏の模式図
厚み方向共振-反共振( kt )領域
径方向共振-反共振( kp )領域
+90
10000
80
インピーダンス (対数表示)
基本波
60
1000
40
20
反共振点
5倍波
100
0
7倍波
位相 (度)
3倍波
-20
-40
10
-60
共振点
-80
1
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
- 90
測定周波数 (kHz)
図
0.50Pb(Ni1/3Nb2/3)O3-0.35PbTiO3-0.15PbZrO3圧電セラミックスの
広い周波数域での共振-反共振特性曲線例
(ソフト材, kp = 0.62, Qm(kp) = 55, kt = 0.45, Qm(kt) = 22 )
(この試料は完全には分極されていない(位相が+90まで到達していない)事に注意)
6
90
80
Impedance
10 5
10
60
40
4
20
1000
0
-20
100
-40
10
-60
1
140
160
180
200
220
240
-80
-90
260
Frequency ( kHz )
図 市販PZTの共振特性例
位相が+90°になっている事に注目
Phase ( degree )
10
< 市販PZTの共振特性例 >
kp方向
試料> F社製C213材 円板
直径 12.5 mm
厚み 2 mm
Qm = 2500
10
5
80
Impedance
40
20
1000
0
100
-20
-40
10
-60
-80
1
1000
1100
1200
1300
1400
Phase ( degree )
60
10 4
< 市販PZTの共振特性例 >
kt方向
1500
Frequency ( kHz )
図 市販PZTの共振特性例
位相が+90°になっている事に注目
試料> F社製C213材 円板
直径 12.5 mm
厚み 2 mm
Qm = 2500
90
80
4
60
10
Impedance
40
20
1000
0
100
-20
-40
10
1
-60
0
200
400
600
-80
-90
800 1000 1200
Frequency ( kHz )
図 市販PZTの共振特性例
位相が+90°になっている事に注目
Phase ( degree )
5
10
< 市販PZTの共振特性例 >
試料> SED社製H6H材 リング状
外径 12.5 mm
内径 6 mm
厚み 2 mm
Qm = 1500
通常の強誘電体
ドメインの
状態
リラクサー型強誘電体及び
散漫相転移型強誘電体
P
P
Tm
Tc
比誘電率:εs
1/εs
Tc: Curie Temp.
Tcw: Curie-Weiss Temp.
Tm: εMaximum Temp.
Tc ( = Tcw)
Tc
Tm
図 通常とリラクサー型強誘電体の電気的特性の違い
Tcw
1000
800
600
d33
( x10-12m/V )
400
ソフト材
200
ハード材
0
0
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
e33/e0 of piezoceramics
図 圧電セラミックスのd33値とe33値の関係
( 圧電セラミックスメーカーのカタログ値よりプロット )
ユニモルフ型
レインボー型
バイモルフ型
シンバル型
積層型
うずまき型
ムーニー型
円筒型
なると巻き型
図 さまざまな圧電セラミックアクチュエータ(固体型)
+
-
+
超音波モータ型
超音波モータ型
慣性駆動型
ボルト締め
ランジュバン型
図 さまざまな圧電セラミックアクチュエータ(超音波駆動型)
-
+
ファイバーコンポジット型
コンポジット型
図 さまざまな圧電セラミックアクチュエータ(圧電コンポジット型)
V
V
図 圧電セラミックアクチュエータの変形の様子
機能性酸化物バルクセラミックスの
作製方法の紹介<研究室レベル>
楠本 慶二 著
ボールミル混合> 最低1時間(+ジルコニアボール+エタノール)
乾燥
仮焼き> ~900℃程度、3~5時間 大気中
ボールミル> 1時間(ジルコニアボール+エタノール)
乾燥
粉末
図 標準的?な酸化物系電子セラミックス粉末の合成手順
< 個人的に推奨する液体バインダー溶液 >
自家製液体バインダ
蒸留水 ( 200 ml ) + ポリビニルアルコール, PVA ( 2 g ) + グリセリン ( 1 ml ) + エタノール ( 10 ml )
プレス
回転
図 個人的に推奨するペレットの成型方法
回転
白金板
PbZrO3
マグネシアるつぼ
鉛雰囲気下での焼結時
大気中での焼結時
図 焼結に際しての成型体のセッティング方法
~1200 試料に依存
温度(℃)
200
1 1
7~
2-3
時間
200℃/時間以下(容器を保護するため)
図 標準的?な焼結温度曲線
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