交流電界による植物生長促進

交流電界による植物生長促進
我々の過去の研究では， 発芽直後のユーカリ根に50Hzの
交流電界を印加すると，50V/m
の強度で生長が促進され，
100V/m以上では，生長が抑制 される傾向が得られた。 3.5 生長速度 [mm/day] 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 0 50 100 150 200 250 電界強度 [V/m] 図1 交流電界によるユーカリ根の生長
植物内に交流電界の刺激に反
応する因子の存在
微弱電流パターン
2. 根の周りの微弱電位パターン
植物の根
陽イオン
吸収
陽イオン
放出
●植物は根の周りに図のような 微弱な電流パターンを形成してい
る。 電位パターン
●また，細胞壁へのプロトン放出
が知られている根の細胞成長部位
●交流電界と根の生長 の電流パターンを絶縁体で遮断す
1つの資料ごとに様々な電界を
ると，生長が抑制されることが報告
印加し生長を観測することで，統
されている。 計量による個体ごとの誤差の影
響を解消する。 本研究では〜
●交流電界と植物の根周辺の微
Inward flux 0 Outward flux
弱電流 図2　根の周りの微弱電位パターン 生長変化の際の，根の周りの
微弱電位を測定し，交流電界に
4. 交流電界中でのカイワレの栽培
カイワレ
白金電極
白金電極
図3　根への交流電界の印加
●カイワレ(R.saAvus) 初期生長の早いカイワレを試料として
用いる。 ●水耕栽培 根の生長を直接観測するため， 1uS/cm液体培地を使用する。また，液
体を 用いることで，培地条件が全体で均一
となる。 ●交流電界 液体培地の電気分解を避けるため，
50Hz交流を用いる。図3のように，カイ
ワレ根の上下方向に電界を印加する。 5. 根の生長観測
単焦点マクロレンズと拡大レンズを取り付けたデジタルカメラで，
カイワレ根を時間ごとに自動撮影し，生長を観測する。 表1 単焦点レンズ　〜ニッ
コール105mmF2.8
フォーカス マニュアル カイワレ根
2[mm]
焦点距離 105mm F値 2.8 +マクロレンズ
図4　拡大カメラで撮影したカイ
ワレの根 2.7[mm]
3[mm]
撮影条件 絞り値：16，シャッタースピード：1/30
秒，照度：約3000LUX