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ダウンロード - 山陽核医学カンファレンス

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ダウンロード - 山陽核医学カンファレンス
aI:~~班詩窪田・E
乳癌センチネルリンパ節シンチグラフィにおいて
描出されたリンパ節の臨床的意義
佐藤修平 、奥村能啓、金 津 右
小笠原 豊ヘ土井原博義ヘ 小橋利美
詰
完
'
目的
行った 。
乳癌に対するセンチネルリンパ節 (
SL
N)生検は、
過剰なリンパ節郭清を防ぐことを目的に、我が国
でも多くの施設で施行されるようになってきてい
結果
SLNが描出されなかった症例が9例 (
9.9%)、 l
個
のみ描出された症例が61例 (
67.
0%)、2個以上描出
る。今回我々は、 SLNシンチグラフイで描出された
l
液鶴リンパ節の個数について、それに関連する因
子を検討した 。 また、描出されたリンパ節の個数
の│
臨床的意義を後方視的に検討した。
された症例が21
例 (
2
3.
1%)であった 。平均の SLN
描出個数は 1
.5個で、 SLNマッピングの成功率は
90.
1
% であった 。
対象と方法
合
、 SLNが有意に描出されにくいという結果であっ
対象は 2004年4月から 2007年 l月までの聞に当院
にて臨床的に SLN生検の適応があると判断され、手
た。注入手技、年齢、 BM!、腫蕩の大きさ、組織型
術が施行された乳癌連続症例 88名 (
91
乳房)であ
る。年齢は 28-81歳(平均 58.
1歳)であり、性別は
女性 87名、男性 l名であった 。全症例において、主
治医が本法の意義、方法、危険性等について詳細
に説明したのち、文書による同意を得た 。
術前のシンチグラフィで SLNが描出された症例に
ついては、全例最終的に手術で SLNが確認され摘出
3
f
午問における検討では 、腫蕩がC領域にある場
!盛蕩の部位の内訳は、 A領域が 1
9例 (
20.
9%)、B
領域が 14例 (1
5.
4%
)
、 C領域が47例 (
51
.6%)、D領
域が9例 (
9
.
9%)、E領域が2例 (
2
.2%) であった。
について有意差は見られなかった(表 l
、表 2)
。
7
U
は
された 。 SLNが描出されなかった 9例のうち、61'
術中にガンマプロープで SLNが確認され摘出され
た。従って、最終的な SLN同定率は 96.
7%であ った。
また、摘出された SLNの転移陽性率について検討す
ると、 SLNが2個以上描出された群では、有意に転
移陽性率が高いという結果となった(表 3
)。
組織型は mvaSl
V巴 duct
alc
ar
ci
nomaが77例 (
84
.
6%)、
DCI
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t
u) が9例 (
9
.
9%)、そ
考察
の他が5例 (
5
.
5%) であった 。
SLNシンチグラフイにおいてリンパ節が摘出され
ない要因に関してはいくつかの報告がある 。
SLNシンチグラフイは、原則として手術の約 3-5
時間前に施行した 。Tc99m phyt
a
t
e1
85MBqをO.
4ml
に調整し、目重蕩が触知できる場合は!堕蕩周囲 4カ
所に注入、 DCISのように腫蕩が触知できない場合
は乳輪下注入とした 。i
t
在f
象体位は恵、側上肢挙上位
での前面像とし 、注入直後より dynamicimage、20
分後に s
t
at
icimageを撮像した 。この l
時点で、 SLNの描
出がないと 判 断した場合は、手術の開始時間に合
わせて追跡撮像を行い、 SLNが描出された症例では
皮膚表面に点線源を用いてマーキングを行った 。
Mar
chal
らI
lはTc-99m-s
u
l
f
u
rcoloi
dを用いた検討で、
年齢、注射部位、腫蕩の部位が関連要因であった
と報告し、 Chaker
aら2) はTc-99m-nanocoloi
dalal
b
u
minを用いた検討で、年齢、体重、注射部位が関連
要因であったと報告している。
我々の検討では臆蕩がC領域にあることが関連因
子であった 。 この理由としては、当施設では患領J
I
上肢挙上位で、の前面像のみの娠像としているため、
61
例 (
67.
0%) で術中に色素法を併用した 。術中
乳房の形に よって は注射部位の集積と SLNの集積が
重なってしまったり、 注射部位か らのアーチファ
のSLNの検索はシンチグラフィでのマーキングの位
クトの影響を受けやすくなったりすることが考え
置を参考にしてガンマプロープを用いて行った。
摘出した SLNに対して術中迅速病理診断を行い、転
られた。また、 肥満気味の患者は SLNの摘出が悪い
という個人的な印象はあったが、今回の検討では
有意因子ではなかった 。
移陰性であればそれ以上のリンパ節郭清を行わず、
陽性であれば郭清を行った。
更に、複数個 SLNが描 出 された群では有意に転移
陽性率が高いという興味深い結果が得 られ た。 そ
シンチグラフィの結果に基づいて、 SLNが摘出さ
れなかった群、 l
個のみ描出された群、 2個以上描
出された群の 3
群に分類した 。3
群において、手技、
の理由としては、 SLNの一部に転移があるとそのリ
ンパ節の流出路が破壊され、 t
ra
c
el
が流出しやすく
年齢、 BMI (
bodyma
s
si
n
d巴x
)
、腫疹の部位 、大き
なるのではないかと考えているが、推測の域を出
ない。今後の検討課題と思われる 。
さ、組織型について比較検討した 。更に、摘出さ
れた SLNの転移陽性率に関して、 3群聞での検討を
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l
分線
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参考文献
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2005
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2006
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54.
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投与量
投与法
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岡山大学
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施設名
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1
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止 と
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(皮下注)
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使用機器
カメラ
コンピュータ
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東芝
東芝
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社製
社製
GCA-90
1A/I
V
G
GCA-901
A/HG,
GMS5500A
日 23 - A(G)P ・ HR ・⑪
. SL
t
3. 最像 ・データ収集開始時間
投与後
l
20 ~ 90 秒 ② ・時間
秒 ・分・時間
秒 。 ・ 時間
秒 ・分 ・時間
秒 ・分 ・時間
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去
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撮像方向
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図
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プリセッ ト・カウント
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投与後
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1フレーム
60
⑦ 分×
秒 ・分×
秒 ・分×
第4
6回
31ー
1
6
フレーム
フレーム
フレーム
山陽核医学カンファレンス
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