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第3回議事録 - 経済産業省
総合資源エネルギー調査会高圧ガス及び火薬類保安分科会 火薬部会(第3回) 議事録 日時:平成20年4月30日(水)10:00∼11:45 場所:経済産業省別館 11 階1120共用会議室 <出席者> (部会長) 小川輝繁 (国)横浜国立大学名誉教授 (委員) 新井 充 (国)東京大学環境安全研究センター教授 飯田光明 (独)産業技術総合研究所爆発安全研究コア代表 石井 裕 石灰石鉱業協会技術部長 小熊 實 (社)大日本猟友会専務理事 島田紘一郎(代理) 日本火薬工業会会長 仁多英夫 (社)日本砕石協会常務理事 田口神酒雄 五団体合同安全公害対策本部・火薬類対策部会部会長 東嶋和子 科学ジャーナリスト 内藤英代 消費科学連合会企画委員 中村輝夫 (社)全国火薬類保安協会会長 中山博美(代理) 群馬県総務部長 細谷茂治 茨城県商工労働部長 本田正憲 (社)日本煙火協会会長 三浦佳子 (財)日本消費者協会広報部部長 見上 (社)日本火薬銃砲商組合連合会会長 攻 三宅淳巳 (国)横浜国立大学大学院環境情報研究院教授 (原子力安全・保安院) 稲垣審議官(産業保安担当) 保安課 牧野課長、佐々木火薬専門職、田村補佐、野村補佐 <議事概要> 開会冒頭、牧野課長から、定足数の確認、議事の公開の確認、新たに就任した委員の紹介が 行われた。 ○稲垣審議官 おはようございます。原子力安全・保安院の産業保安を担当しております、審議官の稲垣で ございます。本日はよろしくお願いいたします。委員の皆様には、先ほど牧野課長からもあり ましたように、ゴールデンウィーク中にもかかわらず御出席を賜りまして本当にありがとうご ざいます。また、常日頃、火薬類を始めとする産業保安行政に関しまして、御理解と御協力、 それから御指導をいただいておりますことを、改めて感謝申し上げます。さて、本日は大変長 1 期間のブランクを経て、第3回目の火薬部会の開催ということになりましたけれども、この間 の火薬類に関します事故の状況とか、それから、制度改正につきまして御報告を申し上げまし て、御審議を賜りたいというふうに思います。併せまして、昨年の 12 月に長崎の佐世保で猟 銃を使用した事件が起こりましたけれども、これに関しましても、実包管理の検討条件につき まして御報告をさせていただきます。よろしく御意見をいただきたいと思います。さて、火薬 に関しましては、最近は花火工場での大規模な爆発事故とか、そういったものがここしばらく はございませんけれども、しかしながら、火薬類を取り扱っております工場におきましては、 いろんな事故が散見されておりますし、また、火薬類以外でも、産業保安全体としまして、最 近、事故が大変多発をしております。原子力安全・保安院といたしましては、その対策を取る ために、現在、その事故の状況等について分析を進めているところでございますけれども、い ろいろと社会の情勢が変わってまいりますので、それに合わせて的確に応対をしたいと思いま す。合理的で科学的な保安行政をするために、皆様方のお力をぜひお借りしたいと思います。 是非、御忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願いいたします。 【最近の火薬類取締関係の事故について】 事務局から、配付資料に基づき説明後、各委員からの意見は以下のとおり。 ○内藤委員 素人でわからないのですが、こういった火薬類の消費期限というんですか、期限があるとい うことで、そんなに期限が切れたものが出回っているということなのでしょうか。 ○佐々木火薬専門職 3件目の事故の件に関連してということかと思うのですが、これは消費期限としては、この 製品については3年というふうになってございまして、その期限の切れたものを回収して処理 するという作業を行っていたときに事故になったということでございます。 ○内藤委員 3年といいますのは、これ以上は使えない、発火しないとかそんな具合なのでしょうか。製 品上の不具合はあるのですか。 ○佐々木火薬専門職 特に3年経つと不具合が生じるというふうには聞いておりませんけれど、一応化学品という 面もありますので、化学成分の安定性、そういった観点から事業者あるいは安全の方で、消費 の期限として3年間を目安として設定しているということでございます。 ○内藤委員 わかりました。3年をめどにというとなんですが、そういうのはかなり数があるのでしょう か。それと、これは消費なのですか、火薬類をこういうふうにせっかく製品にしたのを爆発さ せるというのは、私なんかは納得いかないのですけれども。 ○佐々木火薬専門職 廃棄の方法として爆発させるというよりは焼却処理するということなんです。廃棄する安全 な方法として、そのまま燃焼処理する。そのときに何らかの原因で爆発してしまったというこ とです。 2 ○内藤委員 わかりました。廃棄する方法はわかったのですけれども、そんなに廃棄するぐらい、余分と いったらおかしいんですが、そういったのが出回っているんですか。要するに、3年経つと、 とりあえずみんな回収ということ。3年で切れたものを使われたことがどこかであって、それ で不具合があったということではないのですね。 ○野村課長補佐 当該製品につきましては、船舶に備え付ける物で、これは法令で決まっているものでありま して、専門職から説明がありましたとおり、遭難の際に命に関わるものですので、万全を期す ということで、国交省の方で3年というふうに期限を決めて備えるようにということで、法令 に基づくものです。ですから3年経てば著しく製品として欠陥が出てくるというものではなく て、むしろ万全を期すという観点というふうに御理解いただければと思うわけであります。 ○内藤委員 わかりました。緊急用に使われるので、そこでもし不具合があった場合のことを考えると、 やはり3年が期限ということで理解してよろしいわけですね。わかりました。 ○中村委員 廃棄なのですが、当該廃棄薬品の問題というより、廃棄の場合、ほかのものと混ざったりす るようなことがあると思うのです。当該の品物だけではなくて、廃棄で爆発して事故が起こっ たという事故の状況といいますか、どういう対応をして、ほかのものと一緒にしたのじゃない かというような、そういう注意点で見ていただきたいという、私の経験からの意見でございま す。 ○三浦委員 おはようございます。日本消費者協会の三浦です。 疑問というか、どういうふうになっているのかなと思ったことがあったので、先ほどの御発 言の中で国交省のお話しが少し出ましたけれども、別に今、一元化を推進しているから言って いるわけでは決してないのです。やはり船舶が関わってくる、乗り物も関わってくる、そうい うことになるとどうしても運ぶ船のことも含めることになると思いますけれども、その国交省 との関わりというのが、当然こちらの原子力安全・保安院さんに出てくると思うのですけれど も、例えばそういう、こちらからすれば縦割りなわけですが、その関連する何か合同の会議の ようなものとか、連絡会のようなものというのはどんな形で行われているのでしょうか。 ○佐々木火薬専門職 特にそういう合同会議というものは、今のところ設けてはいないです。 ○三浦委員 ということは、こういう過程で起こったら、これは国交省のお仕事だからとか、この中で製 品として起こったら原子力安全・保安院だからというふうに割ってお話しを常にやっていると いうことですか。 ○野村課長補佐 縦割りの問題等いろいろあると思うのですが、当方は火薬の安全という観点で規制を行って おりまして、国交省がこういった製品を使うときには、乗組員の安全性を考えて施策を展開し ており、おのずと役割が違ってきておりまして、船員の安全に関して当方が申し上げるような ところはないと思っております。 ただ、この火薬類を使うということに関して、技術的なものですとか、そういったものがこ 3 ちらの方に問い合わせがありましたら、何なりと我々は答える用意はありますし、たまたまこ れに関して、3年と決めたところ、今のところ資料がなくてはっきり申し上げ上げられないの ですけれども、それに関しましては特に議論があったようなことは特に残っておりませんので、 何とも申し上げられないわけであります。申し上げたいことは、それぞれ役所の、行政の役割 が違うということであります。 ○三浦委員 おっしゃるとおりだと思いますけれども、役割が違っていても見る側からすれば、それを監 督しているものと運んでいるものは、外から見れば、消費者側から見れば一緒なわけです。だ から、ここからここは話し合ったことがないとか、それは別々なので、それぞれの役割がある。 それはそれぞれの役割を果たしていただくのは、はっきり言って当然のことですので、だから こそいろんなことが起こるのであって、その中で起こり得ることは、お互い安全というのは当 然のことだと思いますので、できるならば府省関係なく連絡会のようなものがもしあれば、よ りいろんな情報交換もできるだろうし、縛りの中だけじゃないお話しというのも出てくる。よ り安全性が確保される可能性も高くなるというふうに思うこともありますので、今後の課題と いうことで御検討いただければと思います。すみません、よけいな事ですけれども。 ○佐々木火薬専門職 今後は必要であれば国交省の方と議論するということは、やぶさかではないのですけれども、 若干、私の方の説明で誤解を与えたところがあったとすれば、消費期限が切れているが故に事 故が起こったというふうに受け取られたとすると、それはそうではないというふうに申し上げ ておきたいと思います。そこに原因があったのではなくて、まだはっきりした原因はわかって いないのですけれども、むしろ、それより別のところで事故が起こった可能性が高いというの が今の状況でございます。したがいまして、そういうこともありまして、特段、向こうの方と 議論とかをする必要はないだろうと思います。 ○三浦委員 ごめんなさい、この事故に限って言っていることじゃなくて、全般としてこういうお話で、 運ぶ側と使う側というか、いろいろあるでしょうけれどもという意味で、一般論の中でお話し しただけなので、この事故のことではありません。 ○牧野保安課長 今、御指摘のようなお話で言いますと、火薬類は船舶にも使われておりますし、それから仁 多氏がお見えですが砕石にも使われておりますし、それからいろんな土木工事にも使われてい るわけでございます。 そういう幅広い使い方があるが故に、火薬部会にも普段は経済産業省と別の世界の委員にも 御参画いただいて、建設業においてどういうふうに使っていただくかというのを、この場で一 緒になって議論をしていただいているという状況でございまして、そういった意味では船舶関 係者に来ていただいていないのは、もしかしたら船舶での利用というものがものすごく広がっ ているのであれば、足りない点なのかもしれませんが、私どもとしては基本的に火薬類を多く 使っていらっしゃる方々には是非この議論に御参画いただくように、目配りなりをきちんとし ているつもりでございます。 そういった意味では各省縦割り云々というふうに御指摘いただきましたけれども、実際の現 場での火薬類の安全な使い方ということについては、まさに非常に幅広い視野で議論をしてい っているつもりでございますし、これからもそうしていきたいという考えでございます。 4 ○三宅委員 今のとはまた違う観点なのですけれども、そもそも3年間という有効期限が、どういう情報 とかデータの根拠に基づいたものなのかということは、こちらのメンバーも知っておかなくて はいけないことだと思うので、それは例えば、消火器であるとか、エアバッグであるとか、当 然、消費期限あるいは有効期限というのはあるとは思うんです。ですから、なぜ3年なのかと いうことについては技術的な、科学的な見地から何らかの根拠があって決まっていると思うの で、その辺について、今、御存じであれば教えていただきたいのですけれども、今後きちんと 抑えておくべきではないかと思います。 ○飯田委員 消費期限を決めるときに私がちょっと関わっていましたので、少しコメントさせていただき ます。船舶用ではないのですけれども、自動車用の緊急保安炎筒、これも消費期限が3年に決 められています。それを4年にしたいということで、果たして可能かどうかを調査しました。 それで4年、5年、6年経ったものを各 1,000 本ずつだったと思いますが回収して、燃焼状況 等を調査しました。 そうするとやはり 4 年物は 1,000 分の1ぐらいの確率で、途中で消えてしまうものが発生す る。5年物、6年物になると更に多くなる。だから 100%の安全のために使うものですから、 100%の確率に一番近いところを保証するために、やはり3年じゃないとだめだという結論を いたしました。これは自動車用の緊急保安炎筒での案件です。そのほかでも同じような調査が されていると考えます。 ○小川部会長 ありがとうございます。いいでしょうか。ほかに御意見、御質問ございますか。 保安院におきましては、今後いただいた御意見を踏まえまして、御検討していくということ でございますが、更に御意見等がございましたら、是非、事務局の方までお寄せいただければ と思います。どうもありがとうございました。 【最近の火薬類取締法関係の制度改正について】 事務局から、配付資料に基づき説明後、各委員からの意見は以下のとおり。 ○三浦委員 すみません、一番最後にお話しいただいた、がん具煙火のことなのですけれども、釈迦に説 法なので詳しくは申し上げませんが、SFのセーフティーファイヤーのマークが付いていても 事故が起こっていたり、あと御存じのとおり、海外からの安いものがたくさん入っていまして、 花火というのは子どもにとってはすごく楽しい夏の遊びで、家族そろってやったり、子ども同 士でやるときもありますけれども、消費者側は注意することは勿論ですけれども、ちょうど昭 和 35 年以来見直しがないというのを見てびっくりしてしまったんだけれども、花火も自分の 子どものころから見ているといろんなタイプのものが出てきているんです。遊び用のものでも、 ものすごい仕掛けがあるものなんかも結構ありますので、危険性も非常に伴うわけです。ただ 規制を厳しくしろという意味だけではなくて、この辺のところは非常に消費者に近いところで すので、是非検討を、できる限り広報をしていただきたいということで見直しをしました。 花火というのはこういうふうにやりましょうとか、SFマークのことももう一度御検討いた 5 だいて、できる限り安全な商品を、輸入のことも含めて、特に中国製のものはすごくたくさん 出回っていて、100 円均一の花火なんかでも、100 円でこんなに入っているのっていうくらい、 いっぱいパッケージされているものが普通に出回っているんです。ですからそこは消費者と近 いところなので、大分関心も高いものですので、是非よろしくお願いします。これはお願いで す。 ○内藤委員 実は改めてということでびっくりしたのですが、17、18 年度のところの(1)の①のとこ ろで「噴出薬は隙間がないように密に詰めること」とか、「筒は亀裂等がないもの」というの は当たり前のことだと私は思っていたんですが、これが追加されるということは私もとても不 安な材料だったのかなと改めて思いました。 それと、自動車のところで除外品というのがありますけれども、除外品については改めて指 定といいますか、基準というものがつくられるのですか。包括的に指定すると書いてあります けれども、指定してしまったらば、その後はどうなるのかということで、私は素人でわからな いのですが、お願いします。 ○佐々木火薬専門職 自動車の適用除外火工品の制度のことについての御質問だったと思いますけれど、いわゆる 火薬類の取扱いについては、基本的にすべて許可制というのが原則になっているのですけれど、 この適用除外火工品として指定されますと、そういった消費者が使用する際に当たって許可が 必要であるとか、そういうことが一切なくなるということでございます。 つまり、例えて言いますと、自動車のシートベルトとかエアバッグです。これが火工品なの でございますけれど、消費者が車の運転中に、事故等で自動的に機能して、自動車に乗ってい る方の安全が守られるというものでございますので、むしろそういうものについては火薬類と しての安全性が確保されているということで、むしろ消費者の使用の便宜という観点からも適 用を除外しているというものでございます。 ○内藤委員 わかりました。除外と言いますと、私は不利になるのかなと思ったんですが、安全性が確保 されているということがわかりました。ありがとうございました。 ○中村委員 お願いなのですけれども、制度改正では、今までより規制を厳しくするものがあれば、いろ いろな技術の向上なんかで緩和されるのもありますよね。例えば平成 17 年度に改正した、そ の後はそういう問題は起こっておりませんというような御報告を、こういう場でいただければ、 検討されて改善されたものは、ちゃんと成果が出ているんだということをみんなにわかっても らえるのではないかと、そういうお願いを今後検討いただければいいかなと、こういうお願い でございます。 ○田口委員 今の4ページ、いわゆる専門の話になって恐縮なんですが、込め物なしというのは例の自動 装薬のことを言っているのですかね。 ○佐々木火薬専門職 発破する際は、最後に密になるように込め物しますけれど、それがなくてもいいようにする ということなのですけれども。 ○飯田委員 6 発破を込め物なしでいいかどうかを検討する委員会に関係していましたのでお答えします。 これはトンネル内に限って、しかも硝安爆薬とかエマルション爆薬とか非常に安全な爆薬に限 って、しかも機械装填をして、密に装填した場合、それに限っては込め物がなくても安全性も 大丈夫だし、発破効果も大丈夫であるということを実験、それから海外の文献調査等で確認し ております。それが、今、保安課の方に改正をお願いしている内容です。 ○田口委員 これを早く改正していただけると、我々消費している方はおおいに助かります。 それからもう一点、例の厚労省が中心になっているじん肺問題でがんがん責められまして、 今、トンネル工事においては、ほとんど電動ファン付きのマスクを使っているのです。電動フ ァンが動いて空気を自動的にフィルターに通してくれるもので、削岩機を握ったり、機械を扱 ったりするときに使用しているのです。 それで、私はたまたま建設業であり五団体の関係で、ちょっと待ってくれよと、電動ファン を使っていて、それを使いながら装薬されちゃうと、電動ですから爆発の恐れがあることを危 惧しているのです。現在は暫定的に装薬時に限り、電動ファンの電池を外しています。よくわ からないのですが、メーカーさんもだんだん保障できなくなってきたからということで、基本 的には今、電池を全部外すのです。だから空気がきれいになってから装薬をするということで す。 そういうことで、この辺も厚労省と経産省で、先ほどの縦割りではないのですけれども、我々 はいろんな法律で守られているものですから、みんな一緒くたになって審議してくれというの は非常に無理なことは私もわかっていますが、是非こういう現状があるということを踏まえて いただきたい。厚労省はじん肺を起こしちゃいけないというのはよくわかります。一方で我々 は、とにかく火薬類の事故を起こしてはいけないと思っております。この辺のところを今後法 改正の中でもし必要なら、是非、我々仕事をしている者が、より安全な方法はとっていきます けれども、変なところの縛りで動きが悪くならないようにお願いしておきたいと思います。以 上です。 ○栗原委員 栗原ですけれども、今のお話しですが、これは五団体の火薬工業会、それから呼吸器協会と かとお話をして、これは厚労省の管轄でお話ししたのですけれども、それについては経済産業 省の保安課の方にもきちんと情報を流して、密にいろんな情報交換はやっております。 そういう御指摘のような意見がありましたので、我々としてもそれは困るということで、今 は電動ファンの電池を付けるものはだめなのです。それから、通常の何も電気のない呼吸保護 服についても、発破のときにはそういうものを付けてやっていることも、厚労省の方も了解し ていますので、その辺は大分埋まっています。 あと、これを火取法とかでするのかどうかということについては、また今後皆さんのところ でもし改正をしなければいけないということであればですけれども、今のところ、そういった ものについての、労安法とか、鉱山保安法についてのお互いの意見交換をやっておるというこ とです。 ○小川部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。 ないようでしたら、これにつきましても保安院で御意見を踏まえて検討していただくという ことになると思いますので、ほかに御意見ございましたら事務局の方にお寄せいただければと 7 思います。 【火薬類取締法における実包規制について】 事務局から、配布資料に基づき説明後、各委員からの意見は以下のとおり。 ○内藤委員 実包の話なのですが、最大 800 個となっています。これは使ったときのマイナスとか、買っ たときのプラスとか、貯金通帳じゃないのですが、銃を持っていらっしゃる方には、消費をし たときと買うときの何か記帳するものがあるのでしょうか。そうしないとなかなか数というの は把握できないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○佐々木火薬専門職 譲り受けの許可をする際は、例えば 1,000 個なら 1,000 個というふうに許可されるようにな っていまして、その範囲内で販売店の方が渡すというような仕組みになってございますので、 それを超えての譲り渡し、販売というのはできないという仕組みになっております。 ○内藤委員 銃ですから、当然、先ほど書いてありましたとおり、練習とか猟に行ったときに消費される わけですね。そういった消費される量というのは、どんなふうに把握されているのでしょうか。 本人の申告、買われた量は、今、言われたとおりできるのですが、消費した分についての把握 はどうなっているのでしょうか。 ○佐々木火薬専門職 多くの場合は無許可消費の数量というのがございますので、多くの場合はその範囲内で使用 されているというのが実態のようでございます。現実的にはそれ以上細かいところはなかなか わからないということで、実績を出させるようにするというのが今回の警察庁の方の対応とい うことでございます。 ○内藤委員 そうしますと、使われる方のモラルといいますか、それにしか頼ることができないのでしょ うか。私なんかはちょっとわからないのですが、何かそういうものを買ったときと、もっとも、 使うときには本人の申告ですから、何発撃ったとか、撃たないとかといったのでは数が把握で きないと思うのですが、そこの辺りをやっていただかないと。この場合は2万 5,000 個ですか、 そういうことにもなり得るのではないかと。今の方法で、買ったときだけの数字だと私なんか は心配になっております。 ○小熊委員 猟友会でございます。私どもは無許可の 300 個に触れたいと思います。内閣府令で 300 個ま では狩猟用、それから農業被害の駆除用、それから学術研究、これは許可なしで買えることに なっておりますが、買うに当たっては、もう昭和 40 年から始まっておりますが、当時の通産 省、それから警察庁と林野庁、今は環境省が来ていますが、当時は農林省ですから、3省協議 の上で決められまして、無許可であるけれども買う記録として、今、ここにありますが表を指 定されています。どこの銃砲店で幾ら買ったか。今 300 個ですけれども、残り 300 個に対して まだ何個買えると、だから 300 個ですから 100 個買いますと、まだ残り 200 個は買えますとい う記録を銃砲店さんに付けさせることになっています。 8 それで、300 個満タンに買ったといたしまして、今度は狩猟中に使う場合に私どもが帰りに 記録を付けさせております。会員手帳を配布して、出猟記録を付けさせております。鳥を獲ら なければ、山へ出かけても一発も使いませんけれども、使えば何日、誰と猟に行って何個使っ たかという記録を付けまして、猟が終わったときに、それを集計しまして、例えば 300 個から 200 個を使ったということで残りが 100 個になります。この 100 個は、表を返す時に、猟が終 わった時点の残弾数を書く欄がありますので、この残弾数について、今後どういうふうに自分 が予定しているかを報告します。 例えば廃棄する、譲渡するあるいは射撃場で使うという希望を書かせております。したがい まして、猟が始まってから終わりまでの記録が出るわけです。100 個残って、狩猟以外に使わ なければ次の猟期まで 100 個残りますけれども、なるべく早めに射撃場に行きまして消費しな さいという指導を警察から強く言われておりますから、私どももそれを徹底させております。 その前に、買う量もなるべく必要以上に買わないように徹底をしております。例えば 100 個残って、翌年猟期初めに 100 個残ったとします。そうしたら、100 個でこの猟期が間に合え ば買いません。あと少し買い足して、100 個買いますと 200 個になります。この繰り返しで、 200 個に対して、また使った日誌を付けまして、猟期末に残った残弾を報告します。 この報告は、決めた当時は四十数万人おりまして、非常に膨大な報告書でございますから、 私どもの末端組織の事務所に1年間保管する。この1年間の間に何か事件があったり、あるい は警察が情報を欲しければ、支部長のところに出向きまして、その保管書の提出を求められま す。1年間無事に済んだ場合に、たくさん表が残りますと大変ですから、1年間保存して廃棄 する場合は、所轄の警察と県庁の鳥獣行政部課に報告をして処分の許可がありますとそこで一 応処分することになる。ですから一応記録はすべて残っております。そういうことでございま す。以上です。 ○内藤委員 わかりました。ありがとうございました。銃を持たれているのに、猟友会に入っていらっし ゃらないということもあるのですか。 ○小熊委員 私どもは社団法人でありますので任意団体でございます。御自由でございます。 ○内藤委員 今の猟友会の方の方は、今、そういった御説明をいただきまして、そんなふうにプラスマイ ナスというのができているというのがわかりましたけれども、それにお入りになっていらっし ゃらない方が、一番私は心配なのです。ありがとうございました。 ○小熊委員 ちょっと付け加えてよろしいですか。佐世保事件でかなり数が持たれているんですが、狩猟 では1年間に 300 個しか買えませんから、自宅保管が 800 個でありますが、狩猟だけではそん なに使いません。800 個にするには3回買って 900 個でございますから、そんなに使う必要な いのです。だから私どもは 800 個を超える数量は純狩猟ではあり得ないのです。あれは許可の 方の射撃でたくさん買ったのですけれども、なぜ 800 個に対して二千何百個持っていたかは、 私どもは理解に苦しんでいます。 ○東嶋委員 東嶋です。ありがとうございます。 今の御議論でも、幾つまで持っていいという議論は、いわゆる悪意を持つ人に関しては何個 9 までというのは法律上余り意味を持たないというか、悪意を持つ人が、犯罪に使おうとすれば、 何個までということは意味を持たないのではないかと思うのです。 今、御説明いただいた火取法の中で1つ、恐らく猟友会に入っていらっしゃらない方であっ たり、あるいは何らかの悪意を持ってらっしゃる方が犯罪に使うことを防ぐことが可能だとす れば、 「④立入検査等」というところがあると思うのですが、恐らくどなたか専門の職員の方 がその人の自宅に行って、どんな保管方法をされているとか、質問をされればある程度意図な どはわかると思うのです。 お伺いしたいのは、この立入検査というのは実際の火取法の中で効果を持って実施されてい ることなのかどうかをお伺いしたいのですが。 ○佐々木火薬専門職 この立入検査につきましては、実包の貯蔵について都道府県の方の権限というふうになって おります。その実態ですけれども、いわゆる火薬庫の立入検査と実包等の火薬類も含めての立 入検査というのは、定期的に行われているところでございますけれど、今回問題になっている といいますか、いわゆる庫外貯蔵の 800 個の部分ですけれども、これについては残念ながら都 道府県の方にも届出がされているということではございませんので、対象者を特定できないと いうことがありますので、事実上はその部分についての立入りというのは行われていないとい う状況でございます。 ○東嶋委員 都道府県に届出されない人はいるのですか。 ○佐々木火薬専門職 要するに庫外貯蔵とか無許可という部分は、結局届出はされていないということです。 ○見上委員 日本火薬銃砲商組合連合会と申します。全国の火薬、銃砲を取り扱っている販売店の連合会 の会長でございます。 最初の内藤委員のお話というのは、800 個しか置けない場合において、その弾の出入りにつ いて、要するに買ったり、使ったり、その残高、預金通帳とたまたまおっしゃいましたけれど も、それについての仕組みがあるのですかという御質問だったと私は思うのですが、残念なが ら今までそういう仕組みがなくて、ただ警察庁の3月 27 日の通達があるのですけれども、と いうのは先ほど専門職の方からお話がありましたけれども、鉄砲の弾についてはすべて公安委 員会の許可権限なのです。50 条の2という法律があります。 ですから、今回、警察庁からも、当然我々の方に意見を求められたときに、今後、やはり弾 を買った、それからどれだけ使った、要するに出納帳を付けることを義務化すべきであろうと いう意見は具申しておきましたので、今後そういうふうになると思います。 もう一つの今の立入検査の質問で、1ページの「 (2)警察庁の対応」というのがございま すけれども、鉄砲の弾については公安委員会が権限を持っています。ですから、今回、佐世保 の事件を受けて、私も長い間自分でも当然銃を持っていますけれども、個人、いわゆる銃の所 持者、すなわち弾の所持者について、初めて全都道府県の警察の生活安全課というところがあ るのですが、その職員さんというか、警察官の方が個人の家に 48 時間前に通告をして何月何 日にお伺いしたい、それについて立ち会っていただきたいということで全部総点検終わりまし た。 ちょっと蛇足になるかもしれませんが、銃の所持者というのは年に1回春に銃砲一斉検査と 10 いうのを受けなければいけないことになっています。要するに、所持している銃が許可条件を 満足しているかどうかを検査するわけですけれども、そのときに面接がありまして、自宅で弾 をどのくらいお持ちですかとか、狩猟にはいらしてますかとか、そういう質問をされることが あるのですが、おっしゃったとおり、悪意を持って弾をため込んでいる人は、恐らく年に1回 の検査のときに、弾は 50 個しかありません 100 個しかありませんくらいのことを言っている のかもしれない。だけれども悪意を持ってため込んだことについては、残念ながら発見できな いわけだから、 「17 万人/30 万丁・総点検」を、警察庁の号令一下でやったら、やはり違反が 出てきたという例を聞きました。それで説明はよろしいでしょうか。 ○本田委員 その質問をされても答えようがないと思うのです。警察の公安委員会というのがあって、銃 刀法の管理をしていますから。 ○東嶋委員 私がお尋ねしたのは立てこもりの立入り検査等と書いてあるもので、警察庁の話はわかって います。今の銃刀法について検討しているというお話を伺ったので、それはわかっています。 私がここの場で質問したいのは、火取法の立入検査というのは効力を持って行われているので すかというのを伺って、今、年 1 回されていますとか聞きましたので、それはわかりました。 ○見上委員 先ほど専門職が御説明したのは、いわゆる経済産業省が管轄する我々販売店とか、それから 消費現場の立入りはちゃんと行っていますという御説明を先ほどなさったわけで、だから経産 省とこの弾とはちょっと違うかなと思います。 ○田口委員 火取法で定める立入検査について、我々のような大量消費者は非常に厳しい検査を受けてお ります。確かにこれは建設業で使う火薬に関する立入調査というのは、効果を上げていると思 います。全部出納帳をぴしっとやっていますし、許可を出している都道府県の方へも消費報告 書を全部出していますから、ダイナマイト1本足りなくても、雷管1個足りなくても、それは 大騒動になりますから、これはものすごく我々の大量消費の現場では効力を上げていると思い ます。 ○牧野保安課長 もう一回整理をして説明をさせていただきますと、この資料の4の参考の「火薬類取締法に おける実包規制の概要について」というものの「3.規制の概要」で「①貯蔵(法第 11 条) 」 と「②譲渡・譲受の許可(法第 17 条) 、輸入の許可(法第 24 条) 」を分けておりますが、この ②の※印の2のところに、猟銃等にもっぱら使用される実包等については、都道府県公安委員 会が権限を持っていると書いてございまして、火取法の中に書いてあるのですが、実際はこの 部分は警察がやっているというのが1つございます。一方でこの貯蔵の方については、そうい うことは書いてございませんので、これは都道府県知事がやっています。 そういう意味で申し上げると、貯蔵の方で現在 800 個しか持ってはいけないと書いてあるの に、例えば 3,000 個持っている人を取り締まるのは、これは実は都道府県知事がやらなくては いけない話なのです。 では実際どうやっているかというと、都道府県知事が何百個持っているかということのため だけに見回るというよりも、むしろ警察が銃刀法の規制権限をもって、立入検査をするのに合 わせて火薬、つまり弾の方もしっかり見てくれているというのが実態です。 11 そういう意味で、その火取法で書いてある都道府県知事が実包の貯蔵についてしっかり規制 権限を行使しているかと問われると、正直申し上げて、そこはやや足りていない部分があると 思います。ただ、それは野放しになっているかというと、そういうことではなくて、この銃砲 取締行政の中で警察が見ているということでございます。 ○新井委員 ちょっとよくわかっていない部分があって、これは 2,500 個を持っていたということが結果 的にわかって、おかしいなという話にはなっていきますけれども、無許可で消費できる 300 個で起きている事件ですよね。 それに対して、無許可でできる範囲のことが起こったわけで、結果的には 2,500 個持ってい たからこれはおかしいぞという話になっているけれども、それに対して経済産業省がどういう スタンスで、これに対して対処しようとしているのかというところがいまいちよくわからない のですけれども、この辺ちょっと御説明いただけますでしょうか。 ○牧野保安課長 先ほどの参考の中で御説明したとおり、実包に関する規制の中で、貯蔵の部分というのが 800 個とは定められているのですが、これはまさに火薬としての爆発の危険性が大きいからあ る程度の数以上のものは火薬庫で貯蔵しておきなさいということになっております。 一方で、その猟銃所持者が何個弾を持っていいのかというのは別の観点からも考えられるべ き話でございまして、それは東嶋委員もおっしゃったように、悪意のある人は1個でも持って いれば悪いことができるものですから、何個まで持っていいかということについてどのような 議論ができるのかということはございますが、ともかく余りたくさんもたせないように、治安 の維持とか、犯罪対策の観点からも議論されてしかるべきなのですが、現状の規制の中では、 火薬類も爆発の危険性という観点からしか、今は定められておりません。 では、これを今後どうすべきかということを、我々も警察がどうしたいのかということとか、 いろいろ相談しながらここは考えていかなければいけない状況でございまして、ではそれをど うしようかというのは、全く今のところフラットな状態でこれから警察と議論をしていくとい うことでございます。 ○小川部会長 今後、これを検討されるということですので、ほかに何か御意見、御質問はありますか。何 かございませんか。 【閉会まとめ】 ○小川部会長 どうもありがとうございます。本日は、皆さんから活発な御意見をいただき、あるいは御議 論をしていただき、ありがとうございました。 以上をもちまして、本日の部会は終了いたしたいと思います。 どうぞ。 ○小熊委員 今、こちらの方から無許可で買った火薬が佐世保で悪用されたという発言がありましたね。 ○新井委員 12 そんなことは言っていません。 ○小熊委員 いや、最初、そう言われました。 ○新井委員 いや、無許可の範囲内で起こり得た事件ですと言ったのです。 ○小熊委員 そういうことですか、それは誤解を生みますから、十分気をつけた議事録にしていただきた い。あれは、無許可をはるかに超えたものです。 もう一つ、検証できるのです。使われた弾がどんな号数かで狩猟用か射撃用かわかります。 私は、それはわかりませんけれども、その辺を少し、お気をつけ願いたいと思います。 ○小川部会長 では、以上をもちまして、本日の部会を終了したいと思います。どうもありがとうございま した。 以上 13