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第1回会議録(PDF:281KB)
様式第2号 会 議 録 会議の名称 平成21年度第1回豊中市情報公開・個人情報保護運営委員会 開 催 日 時 平成21年 (2009年)12月 9 日 ( 水 ) 午 後 2 時 0 0 分 ~ 4 時 0 0 分 開 催 場 所 第二庁舎 事 総務部 情 報 公 開 課 務 局 3階 大会議室 専門部会 公開の可否 可 傍 聴 者 数 0人 公開しなかっ た理由 出 席 委 員 事 務 局 池田委員、園田委員 千原総務部次長兼情報公開課長、吉岡情報公開課長補佐、松下情報公開係長、 大野事務職員 者 そ の 他 議 1 防犯カメラによって撮影された個人情報の取扱いについて 2 その他 題 審議等の概要 (主な発言要旨) 別紙のとおり 審議等の概要 (午後2時00分開会) 1.開会 2.審議案件 ○事務局 先日10月19日に豊中市の防犯カメラによって撮影された個人情報の取扱い について諮問いたしました。豊中市の施設に設置されたカメラで撮影された画像データの あり方を検討していただきます。資料として、先般の運営委員会全体会議でお配りしたも のと、その後庁内のカメラの設置状況を把握するために調査をいたしまして、その結果を 一覧表にしたものがございます。それと、カメラで撮影された画像データをふだんは恐ら く取り出すことはないんですが、あるとしたら、警察機関から提出を求められた場合とい うことで、どういう場合に提出を求められて出すか整理したものを資料としてお渡しして おります。あと、市で防犯カメラの論点と豊中市の考え方をあらかじめ整理しておりま す。これをまず説明いたしまして、その後審議していただきます。そのほかに杉並区の防 犯カメラの設置及び利用に関する条例もコピーいたしました。資料としては以上です。 それでは、防犯カメラの論点と豊中市の考え方を説明いたします。 ○事務局 よろしくお願いいたします。防犯カメラ要綱ということで論点と豊中市の考え 方について資料をまとめております。 1つ目は、要綱全般についてです。要綱を設ける必要性は、諮問の趣旨等含めまして、 前回の運営委員会のときにもご説明しております。近年防犯カメラを設置するところが増 えています。体感治安の悪化などから防犯カメラの設置についてはやむを得ないけれど も、防犯カメラによって撮影された画像データの取扱いに対する不安があるという論調で 他市でも検討されている、あるいは新聞等で報道されているのが大半です。 本市におきましても画像データをどのように管理しているのか、またどのように扱われ ているのかについてルールを設けていく必要があります。直接のきっかけは本年度の大阪 府の補助事業です。ひったくりや自転車の盗難などが多い箇所に、市で防犯カメラを設置 する場合に大阪府が補助金を出すという事業です。本市につきましても市内の何カ所かで 防犯カメラを設置しますので、それも含めまして、今後の防犯カメラの画像データの取扱 いについてのルールが必要になります。 次に、撮影された画像データが個人情報に該当するかという点ですが、豊中市の個人情 報保護条例におきましては、特定の個人を識別することができる情報はすべて個人情報と - 1 - いうことで条例の対象にしております。経済産業省のガイドラインの中でも、防犯カメラ に記録された情報等、本人が判別できる映像情報は個人情報に該当すると示されておりま す。ただ、防犯カメラというのはずっと撮影をしているもので、その中に写っている情報 でどこのだれかがすぐに特定できるものばかりではありません。ですので、すべてが個人 情報にはならないけれども、個人情報であるものも含まれていると考えております。 次に、防犯カメラの設置の是非自体についても何かルールを設けるかどうかについてで す。庁舎など、これまでに設置されている防犯カメラにつきましては、設置者が施設の内 部などを撮影する必要があるか判断して設置しています。その是非については、それぞれ の業務の担当課が判断しております。これはほかの業務におきましても窓口等で個人情報 を収集することがありますが、それぞれの業務においてどのような情報が必要かを各課で 判断していくことと同じであると考えております。 また、後ほど説明いたしますが、防犯カメラの設置について一律に規制をするのは難し く、現時点では防犯カメラが既に普及しており、今後も増加していくだろうという現実を ふまえて、データの取扱いに関するルールをまず定めたいと考えております。個人情報が 含まれる情報であって個人情報の保護と適正利用という観点から、個人情報保護条例、そ して条例の施行規則の体系の下位に位置づけて、要綱として設ける予定です。 次に目的規定ですが、個人情報保護のために、防犯カメラによって撮影された画像デー タの適正利用を目的にいたします。当該情報の保護と利用のバランスを考慮したものとし て、要綱の目的を明確にするためにも利用目的が防犯であるカメラを対象とします。防犯 以外を目的とする調査用のカメラや報道用のカメラなどの一時的な撮影に使用するカメラ については、現時点では原則として対象外と考えております。 ただし、防犯目的ではない監視カメラのうちで施設の利用者を撮影するものなど、個人 の姿態を撮影するカメラについては、個人情報保護の観点から対象とすることを検討をし ていきます。 今回、参考資料として市が管理する施設の防犯カメラの設置状況という資料をお配りし ております。この中で庁舎や男女共同参画推進センターのような施設のほかに、例えば4 番の体育施設などについては利用者の事故やけががないようにということで監視カメラを 設けていたり、23番の水路課の維持事務所や27番から後の配水場、ポンプ場など、施 設が正常に動いているかどうかを監視するカメラもあります。今回の参考資料の中では一 応撮影をしているということで挙げておりますが、防犯以外を目的とするカメラもありま - 2 - す。その中でスポーツ施設のような人を写すことを目的とするカメラについては対象であ ると考えていくべきかと思っております。 防犯カメラ要綱の2枚目、この要綱の対象について説明いたします。まず市が設置する 防犯カメラを対象とします。市が設置する防犯カメラによって収集した情報が個人情報に 該当すれば、個人情報保護条例の対象となると考えております。 市以外の民間の事業者や自治会などの団体、マンションの管理組合などが防犯カメラを 設置する場合、これらについても規制の対象にするのは現時点では難しいかと思われま す。もしこういった防犯カメラも規制すると、権利を制限し義務を課すことになりますの で、条例の設置が必要になります。 民間事業者、団体が設置する防犯カメラを規制する条例ということで考えるなら、例え ば安全・安心のまちづくりを進めるという観点から、防犯カメラの設置基準を規定して設 置の目的や撮影範囲、画像データの取扱いなどが目的を達成する手段として妥当でない場 合については、プライバシーの侵害を上回る必要性がないとして設置を制限することで規 制をしていくかと思います。 ただ、この前提となるところで防犯カメラの設置に一定の有用性、効果があるという立 場に立つ必要があります。また、防犯カメラによるプライバシーの侵害につきましても、 可能性としては当然あるとは思っておりますが、どの程度であれば違法等になるかについ て、現時点では十分な検討ができておりませんので、今すぐに条例を制定するのは難しい です。 また、ある程度の規模以上の民間事業者は、個人情報保護法の個人情報取扱事業者にあ たります。個人情報保護法を上回る内容で条例を制定することになりますと、その上乗せ の必要性についても検証が必要です。現時点では、民間事業者、団体等に関しては防犯カ メラによって撮影された画像データの取扱いに関する要綱やガイドラインなどを示して指 導していくことを考えております。 収集についてというところで、これは前回の運営委員会でも議論になりました。これま でも庁舎にカメラを設置しておりますが、これは庁舎管理権に基づいて庁舎の適正な管理 をするということで設置したと考えております。「防犯カメラ作動中」などの看板があれ ば本人同意があると言えるのかどうか、この点については前回の運営委員会でも異論があ ると指摘を受けましたが、市役所などについてはほかに代替手段がないので、防犯カメラ で撮影されるのが嫌だと思っても、撮影されることを避けようがありません。民間のお店 - 3 - などについては、幾つか選択肢があるならば、本人が嫌だったら入らなければいいと言え るかと思いますが、市の庁舎等についてはそういったことは言えないかと思われます。 次に、個人情報保護条例第7条第2項第6号、個人情報の本人外収集の例外規定です が、「事務の性質上、本人から収集したのでは事務の適正な執行に支障が生じると認めら れるとき。」を適用ができるかどうか。本人同意でもなく事務の性質上の例外規定にも該 当しないとなれば、第7条第2項第7号の規定に基づいて運営委員会で諮問をする必要が あるのではないかと考えております。 「ただし」のところは収集の話とは変わりますけれども、「防犯カメラ作動中」という 看板があることで画像データを収集していることを本人に知らせ、また防犯カメラによっ て撮影されている、見られていることを意識させて犯罪の発生を抑止する効果も考えられ るため、看板の設置についてはこの要綱に入れていきたいと考えております。 次に、防犯カメラによる撮影は画像に写っているすべての人をどこのだれか識別する意 図を持って撮影しているわけではありません。ですので、単に撮影をしただけで個人情報 を収集したことにする必要があるのか、また、自己情報の開示請求があったときに、それ が本人だと認識しているのかどうかについても併せてご検討いただきたいと思います。 (例えば)というところにうつります。画像データは、顔や姿、形が撮影されているだ けではどこのだれかを識別していないとし、他の情報と照合することにより、どこのだれ かがわかるようになった時点で個人情報に該当すると考えます。その前の段階については 個人情報の収集とは考えないということができるのかどうかが論点になるかと思います。 ただ、このように考えた場合、防犯カメラによって撮影された画像データはそれだけでは 個人情報に該当しないことになりますが、照合によって特定の個人を識別する可能性があ る以上、個人情報を構成する情報の一部として個人情報保護条例の適用があると考えて検 討を進めていきます。 3枚目にうつりまして、セキュリティ対策についてです。市としてはどこのだれかとい うのは特定していなくても、防犯カメラによって撮影された画像データが万一漏えいしま して不特定多数の方が見ることができる状況になりましたら、ご近所の方やお知り合いの 方がそれを見て特定の個人の行動が明らかになることもありますので、プライバシーの侵 害につながります。ただ、セキュリティ対策につきましては日々進歩しておりますので、 どの程度の対策を行えば十分かを要綱に盛り込むのは困難です。具体的な話は難しいです が、例えばデータの保管場所の施錠やID、パスワード管理などのデータへのアクセス制 - 4 - 限、それから廃棄に当たってきっちり廃棄の処置をしなさいということを契約で義務づけ るなど、現時点で考えられることについては対策を行うよう明記をしていく予定です。 個人情報の管理責任者につきましては、個人情報保護条例と施行規則に基づきまして個 人情報保護管理責任者、各課等の長になっております。 次に、データの保存期間について。個人情報の取扱いは必要最小限であるべきという原 則があります。防犯カメラの設置目的からしまして、犯罪の発生を認識して捜査に入るま での期間として考えられる程度を設定します。 他市の状況を見ておりますと、長くても二、三週間、一週間程度のところも結構多くあ ります。保存期間終了後の画像データは、記録媒体を上書きするなどによって消去をし、 最終的な機器の廃棄に当たっては適正な廃棄をするよう義務づけることを考えておりま す。 次に、問題になりますのが外部提供です。もともと防犯を目的として撮影しているカメ ラですので、画像データを犯罪捜査のために捜査機関、警察等に提供することは十分に考 えられます。ただ、実施機関が犯罪があったと認識していて実施機関から警察に提供する 場合と、実施機関においては犯罪をまだ認識していない時点で警察等から照会が来て提供 を求められる場合では、実施機関の外部提供の必要性に関する認識が違いますので、それ を同じようには捉えられません。 前者の実施機関が犯罪があったと認識して犯罪捜査のために警察等に提供するのは、防 犯カメラの設置目的そのものでもありますし、余り問題はないかと思います。犯罪があっ たと思料して告訴することは、刑事訴訟法に基づくもので、その証拠として画像データを 外部提供することになりますので、問題はないと考えております。 他市の条例や要綱などで法令の定め、あるいは捜査機関から照会があったとき、本人同 意があるとき、緊急やむを得ない場合などを規定しているところも多いですが、本市で今 検討を進めている要綱につきましては個人情報保護条例に既に書いてありますので、同じ ことを書く必要はないと思います。また、法令の定めの中に捜査機関からの照会も含まれ ておりますので、ここの要綱で書くのはもう少し具体的な取扱い、提供すべきかどうかの 判断基準などを書くべきではないかと考えております。 4枚目にうつりまして、警察や検察からの照会が刑事訴訟法第197条第2項に基づく ものなど、回答が任意のものであれば内容を十分に聞き、個人情報の保護を上回るだけの 必要性があると判断できるときに限り外部提供するものとします。これにつきましては、 - 5 - 資料に「保有個人情報の外部提供(法令根拠)」ということでまとめております。 次に、刑事訴訟法第507条や第279条、民事訴訟法第186条など、裁判で必要な ため提供を求められるものについては任意規定ではありますが原則は出していきます。裁 判所からの照会や裁判のために使う場合、公正な裁判を行うために必要な書類ですので本 人にとってもそれほど不利益ではないでしょうし、一般に個人情報の保護を上回るだけの 必要性はあると見なし裁判所も照会をしているだろうということで出していく考えです。 同じ裁判所ですが、刑事訴訟法第99条や民事訴訟法第220条に基づいて提供を求め られる場合は、文書提出命令という強制的な規定ですので出していきます。ただ、これに つきましても法令上例外規定がありまして、刑事訴訟法第103条や民事訴訟法第220 条第4号のロにより公務員の守秘義務に係る場合については出さないとか、監督官庁など の承諾を得るという規定もありますので、そういった場合については例外的に出さないと いうケースもあり得るかと思います。 それからもう一つは、弁護士会から弁護士法第23条の2に基づいての照会が考えられ ます。これについては任意規定となっておりまして、この時点では原則出していかない方 向です。弁護士は法の正義を実現する立場にはありますが、特に民事事件等においては依 頼人側の主張をしますので、地方公共団体が一方当事者に利益、不利益となる情報提供を する必要性は低いと考えております。また、自力執行権がありませんので、情報を出して くれという場合であれば個人情報の本人の同意を得るか、あるいは裁判に訴えて判決を得 る必要があります。相手方の同意があれば本人同意になりますし、裁判で必要ということ であれば、裁判所からの照会や文書提出命令があった時点で対応していくことになるかと 思います。ただ、弁護士法第23条の2に基づいてであっても、必要性があると判断でき る場合は出すように考えております。 防犯カメラ要綱の論点と豊中市の考え方の4枚目に戻ります。防犯カメラの画像データ が個人情報ということになりますと、自己情報の開示請求が考えられます。ただ、請求者 が窓口に来られて画像データを出してもらいたいという請求をされた場合、写っている画 像が請求者本人の画像と確認できるのかどうかが問題になります。通常は単に撮影しただ けでどこのだれかは特定しておりませんので、請求があったとしてもそれが本当に請求者 の画像データなのかを確認するのは非常に難しく、本人と確認できない場合については不 存在になると考えております。 それから、カメラ自身が防犯を目的とするものですので、撮影した実施機関においてど - 6 - このだれかを識別している場合というのは、例えば犯罪が起こっていて、その犯罪に関係 している被疑者や被害者である可能性が高いかと思われます。そういった情報は、犯罪捜 査に支障があるということで不開示情報になると考えております。 また、防犯カメラの画像データを公開することによって撮影範囲が分かり、防犯カメラ には写らない死角も判明してしまいます。そのため、防犯機能に支障があるということで 不開示も考えられます。 ただ、防犯カメラの画像データを個人情報ということで取扱いをしますと、条例に基づ いて開示請求を行うことはあり得ます。請求があればやはり受理をして処理していかなけ ればなりませんので、ケース・バイ・ケースの対応になります。 それから、次の相談体制というところです。防犯カメラによる撮影は本人が気づかない うちに行われていることもあります。最初のほうにも説明しましたように、市の庁舎や公 の施設などについては防犯カメラによる撮影を拒否できませんので、画像データの管理や 利用について本人から求めがあった場合には十分説明を行う必要があります。そのため、 この要綱や具体的な画像データの取扱いについて問い合わせ先を明記しておくことと、苦 情等の相談に応じる体制を設ける必要があると考えております。 その他といたしましては、民間団体や事業者に対する指導をどの程度盛り込むかが課題 です。指導はガイドラインや要綱案を示すということを考えております。それから最初に 説明いたしました防犯カメラの設置自体についての条例等についても今後検討すべきとい うことにするのかどうかを考えております。 以上です。 ○会長 本日欠席の委員から防犯カメラ要綱について出していただいている意見も読み上 げてください。 ○事務局 防犯カメラ要綱について。 1、法形式 今回、予定されている街頭における防犯カメラの設置は、要綱で行うべきでなく、独自 の条例によるのが最も適切である。 その根拠は、第1に、防犯カメラによる撮影が個人情報の収集に当たるから、個人情報 保護条例、施行規則の下位規則として位置づけるという考え方が適切ではない。確かに、 防犯カメラの設置により個人情報保護が危険にさらされるおそれがあるため、個人情報保 護の観点からの規制が必要である。したがって、豊中市の個人情報保護条例の適用を受け - 7 - る。しかし、防犯カメラの設置は個人情報の収集を目的としたものではなく、豊中市域に おける防犯を目的としており、治安維持という警察目的に由来するものと思われる。他自 治体においては、安全・安心まちづくり条例の運用(ガイドライン)として、防犯カメラ の設置(の補助)を行っているところがあることが、その例証となる。 第2に、防犯カメラにより本人が気づかないうちに撮影されることは、個人のプライバ シー保護の観点から重大な問題であり、侵害留保の意味において、設置には法的根拠が置 かれるべきものである。 第3に、防犯カメラの設置は、地域の安全確保という市民にとって関心の高い、身近な 問題であり、民主的な正当性の確保、公正の確保という見地から、法的根拠を持って行う べき重大な事柄である。 仮に、個人情報保護条例の下位規則と位置づけるならば、条例と施行規則に委任規定が 設けられなければならないと思われる。 独自条例制定:杉並区、市川市、三鷹市、世田谷区、富士河口湖町など。 安全・安心まちづくり条例の運用:都道府県レベルでガイドライン制定(東京都など) 2、規制対象 さしあたって市が設置するものにとどめておき、民間(団体)が設置しているものの規 制は、今後の条例による規制対象の拡大に関する課題としておくことでよいだろう。 しかし、少なくとも、商店街に設置されているカメラのように、施設・設備の保護が目 的でないことが明らかであるものについては、起こる可能性のある市民間の紛争を民事的 な紛争解決の可能性にゆだねるべきものではなく、地域の安全確保と市民のプライバシー 保護の調整という観点から規制対象に加えることは急務と思われる。 なお、庁舎内に設置するカメラについては施設管理権の範囲内で行えると考えられる が、法令の根拠がない限り、施設管理権は私人の財産権と同様の非権力的な権能に止まる から、施設管理に必要な範囲を超えて、施設外の防犯目的に及ぶ場合は、法的根拠が必要 となろう。 同様のことは、公道に設置する街頭防犯カメラについても妥当する。施設管理の範囲に 止まらず、一般的な防犯目的から設置される場合は、公物管理権の範疇にはなく、公物警 察権の作用と見るべきものである。その作用形態が、個人のプライバシーの侵害に及ぶお それがある以上、法的規制の対象とすべきものである。 3、その他 - 8 - 収集、セキュリティ対策、保存期間、外部提供、自己情報開示請求などは、個人情報保 護条例の適用があるとして考えるべきである。 ○会長 ありがとうございました。こういうふうにまとめていただいております。論点を 出せばいっぱいありますが、今問題にしているのは豊中市が今度設置することになった、 参考資料にある55番までの施設ですね。この中には今度補助が出るから設置するものも 含まれていますか。 ○事務局 ○会長 ○事務局 ○会長 それは含まれていません。 今度助成が出る防犯カメラというのは、これ以外のものですか。 はい。新たに大阪府の補助で設置するものです。 逆に言えば、これまで豊中市独自の予算で55か所も既に設置・運営しているわ けですね。これまで設置している中で一番古いのでどれくらいですか。 ○事務局 設置の年月日は調査に入れてないので、いつからかはわかりません。庁舎など はかなり古いものだと思います。 ○事務局 保存方法を見ると、ビデオテープはハードディスクなどができる前のものです ので古いと思います。 ○事務局 ○会長 画素数も不明となっているものは、デジタルではなくて昔のアナログです。 今まで55か所も設置していて、個人情報を侵害されたなどのクレームはありま したか。 ○事務局 一切ありません。それと、捜査機関から提出を求められたことも一回もありま せん。 ○会長 こういうものが55か所も設置されていると言えば問題にする人が出てくるかも 知れませんが、これまでは防犯カメラが設置されていることを知っているのか知らないの か、余り問題意識はないということですね。 ○事務局 ただ、調査の参考資料で求めておりますのは、市の庁舎や市の施設中に設置し ているものばかりですけれども、今回補助金で設置するものは駐輪場などその辺りを通る 人が写るところになります。 ○会長 ○事務局 現在庁舎の内部以外で設置しているものはないんですか。 市が設置しているものではありません。現在設置しているのは全部庁舎の中で す。市が設置しているものではありませんが、商店街の中については設置しているところ はあります。 - 9 - ○事務局 ○会長 それは商店街が設置してあるものです。 当面は市が設置しているものをまず取り上げましょうか。今度の助成は民間に向 けてではないんですよね。 ○事務局 ○会長 ○事務局 はい。豊中市に大阪府から補助金が出ます。 その補助金で結局どこに設置する予定ですか。 市内の各駅です。阪急電鉄だと豊中、岡町だけ除いて蛍池、曽根、服部、庄内 です。あとは千里中央です。その駅の何箇所かに、何台かずつ、自転車盗がよく発生する ところに設置する予定です。 ○委員 ○事務局 ○委員 ○事務局 駅のどこですか。 駅の周辺です。 駐輪場ですか。 駐輪場ではありません。駐輪場自身は既に設置されています。その周辺に自転 車を勝手に置かれる方がおられまして、そういう自転車がよくなくなるようです。頻繁に そういう盗難が起こるような場所を中心に防犯カメラを設置して盗難を防ごうということ です。 ○会長 今度市が新たに何基か設ける防犯カメラは、従来から庁舎にあるものとは違うと いう意識があるんですね。 ○事務局 ○会長 そうですね。 庁舎においては公物管理権の範疇という話でしたが、庁舎内でもそもそも個人の 照合と言いますか、顔写真みたいなものをいたずらに撮られない権利や自由は判例でも認 められていましたよね。ただ、それも公共の福祉に反しない限りという制約があるわけで すが。一応は個人がいたずらに無断で映像を撮られないというのは、それなりの利益とし て保護の対象になります。 ですので、個人がいたずらに撮られないということが、どこで強調されるかという話で す。本来、庁舎内であろうがなかろうが、とにかくいたずらに撮ってはいけないという話 になりかねないんですが。庁舎の場合は庁舎を管理する必要上、利用者は内部規則に服さ なければいけないということの延長線上にあるかもしれませんね。だから、外部の人は公 の施設に来たときは入口で名前を書くなど、いろいろ規則があります。それはやっぱり守 らなければなりません。それと同じことで、庁舎に入った人は、防犯カメラに写るという ことが庁舎管理権で示されていれば、それには服さなければならないという理屈になりま - 10 - す。しかし、庁舎の管理上行き過ぎだという理屈が出てくる可能性はあります。スポーツ 施設を利用するのとは違い、庁舎は仕方なく来る人もいますし、そこの規則で縛られても 仕方がない話かもしれません。だから病院も公物管理権というか、そういう庁舎管理権上 の必要性が強調されるんだと思います。その場合、利用者に認知してもらわなければなら ないという問題はあります。防犯カメラがどこについているかわかりませんから。 ○事務局 建物の入り口など、よくわかる場所に防犯カメラが設置されていて撮影してい ることを表示することになるでしょう。今は表示していないところが多いと思いますの で。 ○会長 だけど、庁舎にそんなことを表示するのも大層ですね。 ○事務局 ○会長 岡町の商店街でも「カメラ作動中」と表示してありますね。 さっきも出てきましたが、監視カメラと防犯カメラはどう違うのか。結局監視カ メラというのは施設の中にあるカメラで、防犯カメラは通路などにあると何かで決めてる んですか。 ○事務局 ○会長 目的が犯罪防止や犯罪捜査のためのカメラは防犯カメラかと思います。 しかし、庁舎の中にあるカメラを監視カメラとしていても、犯罪がそこで起これ ば、それは結局すぐに防犯カメラに早がわりしますよね。 ○事務局 例えば、下水道設備で何か損壊するようなことが起こりましたら犯罪行為にな ります。それが偶然機械に写ったために防犯カメラになる場合もあると思います。 ○会長 そうですよね。ですから、厳格な区別は無意味のような気もします。庁舎の中に あるようなものは監視カメラという位置づけで、街中の通路などにあるものは防犯カメラ だと言えないわけではないですけどね。 ○事務局 市役所のカメラを全部対象にして調べた結果、資料のとおりでしたので。設置 する目的が人の出入りなどを監視するという意味と、機器を監視するという意味があるん ですね。偶然写るときもありますので、一応すべて対応というふうに…。 ○委員 京都府学連事件で、人はみだりに撮影されない権利を有すると明言してあります よね。この資料を見ると、映像の記録があるものとないものがありますよね。 ○事務局 ○委員 モニターだけの防犯カメラですね。 記録するまでいくのが撮影であって、モニターしているだけなら人間が望遠鏡で 見るのと同じことなので、それは判例で言う撮影に当たるのかなと思うんですが。 ○会長 モニターはだれか係の人がずっと見ているんですか。 - 11 - ○事務局 ○会長 ○事務局 ○委員 守衛室で。 それはビデオなど何にも撮っていないんですか。 はい、撮っていませんね。 でしたら、撮影と言わないと思うんですが。モニターだけで記録していないカメ ラを除外したほうがわかりやすいんじゃないですか。 ○会長 そうですね。一般の人が他人を見るのと変わらないわけで、それも個人情報の保 護だと言うのは別問題ですね。 ○委員 記録する場合、個人情報の収集に当たると思います。なぜならば、そこに来た人 皆を撮るわけだから、網羅的に撮っているという意味で、収集に当たるのではないかと。 グーグルストリートビューの議論で、あれが個人情報の収集に当たるかどうかという議論 がありましたよね。私は、あれは収集に当たると論文に書いたことがあります。なぜかと 言うと、網羅的であるというのが根拠です。その記録している部分だけが問題になるので はないということですよね。 ○会長 ○事務局 ○委員 ○事務局 極端に言えば、モニターだけのものは記録が残らないわけですから。 そうですね。 人間の目で見るのと同じことだから、それは収集には当たらないです。 それは対象から外しますか。 ○委員 外したほうがいいと思います。 ○会長 だから、ビデオであれデジタルカメラであれ、画像データが残るものです。警察 で顔認証システムのようなもので照合したらだれか分かります。写すだけではだれか特定 できないけれど、知っている人が見たら、これはあの人だと分かるので個人情報であると 思います。特定の個人が識別できるわけです。個人情報保護法の場合は容易と書いてある けれど、行政機関のものは容易とは書いてないですので。例外もありますが、写されたく ないというのがアンケートをすれば多数になると思います。いたずらに写されたくないと いうのもプライバシーにかかわっていると思うんです。個人情報ファイルや個人情報デー タで検索できるわけではありませんが。だから個人情報ではあるけれども、個人情報デー タとかではないわけですよね。 ○事務局 ○会長 そうですね。 検索できないですからね。だけど、これまで罪を犯した人間の顔写真などは、警 察にあるんじゃないですか。早い話が指紋と同じです。だから、顔も指紋と余り変わらな - 12 - いという話になれば、いたずらに指紋を採られない権利があるのと同じ話です。外国人登 録法みたいに正当な理由があれば、それはやむを得ないという話ですが、基本的には特定 の個人を識別する指紋と余り変わらないわけですからね。個人情報として保護の対象にす るのは否めない話です。個人情報として扱うから、個人情報保護条例の保護対象になりま す。そうすると、いろいろと考えなければなりませんね。 ○事務局 もちろんセキュリティ対策とか、そういった部分では個人情報保護条例に基づ いてしないといけませんが、1つ問題になるのは、自己情報の開示請求に来られたとき に、私昨日の何時くらいにここを通ったから写っているはずだとか言われても、画像デー タを見たときに、果たして本当にその本人と認識できるのか、それにどう対応していくの かが問題になります。 ○会長 それは難しいですね。私がどこそこを歩いていたときに撮られたと思わしきその 画像データを見せてくれというのが自己情報の開示請求になるわけですか。 ○事務局 本人はこれが私だと言うけれども、実施機関としてはそれが確認ができない、 似た人だけれど確かに本人かどうかは分からないという状況になったときに開示していい のかどうか。 ○会長 開示請求は成り立たないように思います。開示請求があったときには、開示しな い根拠となる規定の何らかのものに当てはまるんじゃないですか。 ○事務局 例えばほくろまで鮮明に写っているなど、明らかに本人だと特定するだけのも のがあればいいんですけどね。今撮影していますのが大体40万画素くらいなので、そん なに鮮やかには写らないと思います。 ○委員 警察には提供するわけでしょう。それで証拠になったりしますよね。逆に、例え ば弁護士がアリバイ実証のために何時ごろそこにいたはずだと、先々被疑者にされている 人の場合は…。 ○事務局 その場合は、アリバイですのでどうしても提出する必要があれば、訴訟になり ますから、そのときは裁判所の提出命令が出るわけです。ただ、そうなりますと、保存期 間の問題があります。今の機械は上書きしていくシステムになっていますから、2週間程 度で上書きすると、裁判の頃には消えてしまっています。 ○委員 だから、逮捕された瞬間に被疑者が弁護士に相談して、犯行時間中には住民票を 請求していたということが分かる可能性もあるわけでしょう。 ○事務局 その時点で言ってもらえれば、一時的に保存することは可能だと思いますが、 - 13 - 何カ月前とか言われても画像データがないということになります。 ○委員 捜査機関に対してであってもそれは無理ですね。 ○事務局 今、防犯カメラの画像データというのは、裁判などで証拠能力はあるんです か。 ○委員 詳しくは知りませんが、結構あるんじゃないですか。例えば逮捕状を出すとき は、コンビニの防犯カメラを見て逮捕状を出しますから。 ○事務局 報道事件物で見ますと、どこどこの監視カメラ、防犯カメラに写っていた映像 をもとに逮捕したとかですね。 ○会長 千葉の事件がそうですね。 ○委員 千葉もそうですが、舞鶴で女子高生と一緒に歩いている写真。 ○委員 はっきりとは写ってないですが、あれで逮捕されました。 ○会長 だから、この間の千葉の事件でも、本人が認めざるを得ないですね。 ○委員 本人は認めています。 ○事務局 ○会長 あれはATMでかなり精度が高かったみたいです。 新聞を見ていたら、デジタル化してもっと精巧に写るように今カメラを変えてい るらしいですね。 ○事務局 解像度を上げるんでしょうね。今で40万くらいですので、もっと細かくすれ ば、特徴がもっとわかりますから。 ○事務局 ○委員 ○事務局 ○委員 200万画素くらいなければ、証拠にはならないでしょうか。 目や鼻の位置関係で、かなりの精度で同一人物かどうか証明できるみたいです。 そうなんですか。かなりの画像処理をしなければならないんでしょうね。 いや、画像処理ということではなく、眼と鼻のてっぺんを結ぶ線、三角形の角 度、それと口の端っことを結ぶ線で出る顔の特徴によって、かなりの精度で同一人物だと 証明できるそうです。 ○事務局 ○委員 そうですか。ストッキングをかぶって顔を分からなくするなど…。 いや、それでも、眼は動かないでしょう。位置は動かないから、それで証明でき るそうです。 ○会長 人体測定法というのも採用されていて、人は一人一人背の高さから顔の大きさか ら皆違うから、それ克明に記録して個人を特定するということをした人もいるらしいで す。その後に指紋に着目した人がいて、指紋が犯罪の個人の特定に使われるようになって - 14 - きたようです。 ○事務局 それで、収集で今一応考えておりますのは、作動中と表示することで同意があ るとみなすということです。個人情報保護条例の収集に当たるならば、それを表示するこ とによって直接収集していることになるのかどうか、運営委員会に諮問しなければならな いのか、それとも本人から収集したのでは、事務の適正な執行に支障が生じるという項目 に該当するのかというところなんですけどね。 ○委員 オプトアウトで考えないと仕方ないですよね。もう収集していますし。 ○事務局 ○会長 どこかにそういう表示なりをするということですね。 杉並区の防犯カメラの設置及び利用に関する条例は、防犯カメラ取扱者というこ とで民間のカメラを規制する条例になっています。ですから、区が設置しているものは適 用外になっているのでは。 ○事務局 いや、第4条のところで、対象に杉並区も入っています。あと、商店街や自治 会も入っていますね。 ○事務局 ただ、杉並区の条例ができたのが平成16年3月19日で、個人情報保護法が できる前の話です。ですから、民間の規制というのは何もないということで、条例で求め られたのでしょうかね。 ○事務局 そこまでは聞いていませんが、その対象自体も第4条にありますように、道 路、公園、その他規則で定める多数の者が来集する場所にということで、公共空間といい ますか…。 ○会長 公共空間ね。これは民間の場合は予定していなくて、いわゆる公道みたいなとこ ろですね。お店の中や庁舎の中は関係ないんですね。 ○事務局 ○会長 商店街や駅前などを対象に。 だけど、そこまで一遍にするのは大変ですから。とにかく豊中市が設置するもの について、特に駅前など庁舎の外で今度新しくつけるものについてです。要綱ではなくて 条例でやるべきだという意見もありますが。駅に設置するものについては、収集している ことまで知らせるような措置が必要です。予定しているのは、モニターなんかではないで すよね。 ○事務局 カメラとハードディスクや記録する機械がセットになったものを全部で27台 つけます。 ○会長 記録した画像データは、見ずに更新するんですか。それとも、一応全部見てから - 15 - 更新するんですか。 ○事務局 ○会長 いえ、見ないです。自動的に上書きされてしまいます。 では、自動的に機械が回り続けるんですね。何週間か経てば適当に消えてしまう わけですか。 ○事務局 ○会長 ○事務局 はい、今考えておりますのは1週間で上書きになります。 その間何もなかったら、特に取り出して見ることはないんですか。 一切ありません。今まで市で行ったメンテナンスのときだけです。ハードディ スクも、大体3年で換えなければならないと聞いておりますので、そのときくらいでしょ うね。点検とハードディスク入れかえのときだけ取り出すことになっております。そのと きでも見るかと言われれば、見ないです。 ○委員 要するに、本当は警察が自分で設置したいけれども、それができないから、補助 金を出すという形で市が設置してくださいという感じですね。 ○事務局 今回のことについては、大阪府がひったくりなどが全国ワーストワンだったの で、それを解消するということと、あとは経済対策というところで補助金を出していただ いています。 ○事務局 この防犯カメラの設置については大阪市など一部市町村で民間の施設であって も設置に対して補助するという制度も出ております。豊中市でもないのかという問い合わ せはありますが、今はありませんと言っております。 ○会長 ○事務局 商売をしていない個人のお宅でも、設置している人もいますよね。 はい。値段がすごく下がっていて、カメラと録画とモニターが大体10万円ち ょっとで買えるみたいですね。 ○委員 ○事務局 ○会長 ネットにつなぐと外出先から携帯で見たりできるんですよね。 インターホンにカメラがついているものもあります。 カメラに写るのが本人外収集だと書いてあったけれど、本人からの収集じゃない ですかね。本人が気付かないところで本人から収集しているという話で、本人外収集とい うのはおかしいと思います。 ○委員 そうですね。 ○会長 直接本人から本人の情報を収集していますよ。ただ、本人が気付かないところで 本人から収集するという珍しいパターンになります。 ○事務局 今回設置するものは1週間ですし、市の記録保存期間も大体10日から2週間 - 16 - ですので、余り長い期間保存していることはないです。 ○会長 個人情報保護条例の事務の性質上、本人から収集したのでは事務の適正な執行に 支障を生じる云々と書いてありますが、さっき言ったように、本人から収集しているけれ ど、本人が気付かないときに本人から収集しているというあまりないパターンで、運営委 員会でかけるかかけないか…。 ○事務局 同意があるかないか、表示をすることによって知ってもらっていると取るのか …。 ○会長 表示することによって本人の同意を取ったという言い方をしなくてもいいんじゃ ないですか。 ○事務局 先ほどの意見でもありましたように、表示することによってもう収集していま すよというオプトアウトということで、本人の同意を果たしているということにできれば いいんですが。 ○委員 ○事務局 個人情報保護法はオプトアウトについて書いてあるんですよね。 個人情報保護法はオプトアウトのことが書いてあるんですが、条例や行政機関 のほうはありません。 ○委員 ○事務局 そこが問題ですね。 それと、民間のお店の場合でしたらこっちの店は嫌だからあっちの店というの ができるとは思うんですが、庁舎については、例えば住民票を取るとなったら庁舎に来な いといけないので。 ○委員 だから、設置場所も考え直す必要があります。皆が自由に出入りできるところに 設置していいかどうかなど。防犯目的ならば、もっと限定的なことも考えられるかもしれ ません。 ○事務局 ○会長 情報セキュリティの関係で、市民課がISMSを取り入れています。 個人情報ということで、一定の認識の中で保護の対象にされますよね。それで、 資料を見ていると、セキュリティ面で、所管するところがばらばらになっているのは…。 ○事務局 ○会長 ○事務局 ○会長 ○事務局 一元管理をね…。 今度の補助で駅など外部に設置するのはどこが所管するんですか。 危機管理室です。 個人情報保護管理責任者というのは危機管理室の室長になるんですか。 そうですね。 - 17 - ○会長 さっき言ったように、何事もなかったら取り出さずに保管するんですよね。鍵が かかるところですか。 ○事務局 ○会長 ○事務局 ○会長 ○事務局 ○会長 もちろん鍵はかかっています。 その鍵もきちんと保管されていて、誰でも開けられるわけではないと。 そうですね、委託業者か市のどちらかですね。 委託業者は委託業者の責務があるので、それで抑えられるわけですよね。 委託業務の中で個人情報の取扱いについてはきちんと規制させますので。 庁舎内の防犯カメラは担当課がばらばらですね。危機管理室かどこかで一元的に 庁舎の防犯カメラも管理するという話はないんですか。 ○事務局 施設を管理しているところの長が設置しているということになっています。 ○会長 問題が難しいですよね。 ○委員 現行では施設管理権を根拠にしているからですね。 ○会長 保存期間が1週間という話ですが、犯罪があったときに1週間で間に合います か。 ○事務局 我々は2週間になると思っておりましたが、府警と危機管理室とで調整して1 週間で十分みたいですね。自転車盗の犯罪が起こってすぐですから、2週間も必要ないと いうことだと思います。ただハードディスクで言えば、そんなに高いものでもないですか ら、1週間も2週間も同じなんです。2週間でもいいかと思いましたが、危機管理室は1 週間で十分だと考えているようです。 ○会長 犯罪が起こってすぐに犯人がそこを通ったというのではなくて、いろいろ調べて いて1週間経ってから犯人がそこを通ったらしいという話になったら…。 ○事務局 もともと自転車盗を主に撮ろうとしておりまして、自転車が盗られたらすぐわ かるんですよ。1週間も2週間もしてから気付く人は多分いないと思うんです。朝乗って きて、昼間置いといて、晩帰ってきたらないというパターンかと思うんですけどね。過去 1週間もあればいけるでしょう。 ○委員 ○事務局 ○委員 ○事務局 ○委員 それで、自転車を置くのも違法なんですよね。 本来はそうです。 置く人に警告を出すために使うのではないかと思うんですが。 違法駐輪に使うことはないと思います。 いや、わかりませんよ。 - 18 - ○事務局 放置自転車はすぐ撤去されますので、警告などに使うほどのことではないのか と。 ○委員 ○事務局 ○委員 ○事務局 ○会長 覆面をしていたらわからないですよね。効果がないと思うんですが。 抑止というか。 抑止にもならないと思いますよ。 どれだけ減るかですね。 結局問題は録画した映像をどういう場合に外部提供するかですよね。これは個人 情報保護条例の外部提供の要件を満たす場合ではあるんですが、報道機関などいろいろな ところが言ってきたときは一つ一つ外部提供できるか判断するのか、外部提供するのは事 前に裁判所と警察だと決めておくのか。 ○事務局 外部提供するには、本人の同意がある、法令に根拠がある、緊急やむを得ない など、一定の項目がありますので、それに該当しなかったら、幾ら報道機関が言われても 出せないんですよね。我々としましては法令に基づいて、防犯カメラの画像データなどは 犯罪があったときの証拠として捜査機関から提出が求められた場合に出すことを想定して おります。そういうものは従来から、捜査機関から文書でも求められます。単に刑事訴訟 法第197条第2項で照会すると書いてあるだけで捜査機関から具体的な説明を受けない ことには、情報は出しません。法令に基づいて出せるかどうかを我々が判断できるよう に、どういう犯罪でどう捜査の必要があるのか、支障のない範囲である程度のことは教え てもらいたいと言っております。そういった上で判断をし、必要があれば、捜査に協力す るということで情報を出します。一部市町村では、刑事訴訟法第197条第2項で求めら れた情報は全部出すところもありますが、豊中市の場合は理由を聞いて、情報を出す必要 性が認められるケースに限って出すことにしています。ですので、断るケースも結構あり ます。以前豊中市で鎌を使った通り魔事件がありました。その時、警察が図書館に対して カンフーの本を読んでいる市民のデータを出すよう言ってきたんです。鎌イコールカンフ ーという発想だけで情報を出すのは絶対だめだと、その時は断りました。 ○会長 外部提供について、資料に実施機関から警察等に提供する場合と警察から照会が あって提供を求められる場合と書いてありますが、実施機関から警察等に提供するという のは必要でしょうか。 ○事務局 例えば、防犯カメラがついていることを知っていて、市に自転車が盗られたと 言ってこられるケースもあります。 - 19 - ○会長 ですが、市が内容を常に見ているととられるのも心外なわけですよね。さっき言 ったように何もなければ見ていないわけですから。そんなところで積極的に出さなくて も、警察から見せてほしいと言われたときに見せるというのは外部提供の一つのあり方の ような気もします。そうすれば、市が撮影以後は点検していないという話になるわけで す。だけど、警察にこちらから積極的に情報提供するとなると、その都度誰かが危機管理 室で見ているのかという話になります。 ○事務局 街頭につける防犯カメラについては自転車が盗られたと訴えられるケースが考 えられます。ただ、庁舎内につけた防犯カメラだと、例えば市の職員に対する暴行事件が あったときに、証拠として出すことも考えられます。補助金の関係など、いろんな事件が 起こる可能性が生活福祉課では現にあります。 ○会長 ○事務局 ○会長 そのケースでは結局警察が察知しないんですね。 事件が起こって訴えていかないことには、警察は何もわかりませんから。 警察に届けたら警察が現場検証をして、そこに防犯カメラがあるなら見せてもら いたいと言うのではないですか。こちらから持っていかなくても、警察が、防犯カメラが あるなら見せてもらいたいと請求してきたら見せればいいんです。 ○委員 告訴するときはしっかりした証拠を添付しなければ受理してもらえないですよ ね。 ○会長 警察も忙しいですから、証拠もないようなものは取り上げないという話になるん でしょうか。 ○事務局 重要度の認識が、お互いにできていないときには動いてくれないことがありま す。こんな重大なことが起こっているということを一つの証拠として出すことによって、 これだったら捜査しようとなることもあるのでは。 ○委員 必要ですよね、それは。 1つ気になっていることがあります。例の京都府学連事件で提起された基準で、すべて はみだりに撮影されない権利を有するとありました。しかしこれこれの場合は別だという ことで、証拠保全の必要性が高いとか6つぐらい例外的なルールもあります。それで、外 部に防犯カメラを設置する場合、将来の一般的な犯罪予防ということと、万が一犯罪が起 こったときの証拠保全という必要性では最高裁の判例の基準をクリアできていないのでは と思うんですが。庁舎内の場合は施設管理権と今言ったような将来の防犯や万が一犯罪が 起こったときの証拠保全ということでクリアできると思いますが、外に設置する場合は庁 - 20 - 舎管理権がないですから、専ら将来の犯罪予防ということと、万が一犯罪が起こったとき の証拠保全という、その2つしかないと思うんですよ。その2つだと、最高裁の判例の基 準をクリアできないと思います。そこをどういう根拠でやるかですよね。 ○事務局 今回設置するものについては、もともとひったくりや自転車盗が多い箇所とい うことで選定していますので、犯罪の発生の可能性は高いところにはあるのかなと。 ○委員 最高裁では、緊急性とか、そういう要件もあるんです。事案は、デモ隊撮影で す。デモが急に蛇行行進しだして道路交通法違反の状況になり、それを撮影したという事 案だったと思います。緊急性と証拠保全の必要性とか、要件が6つぐらいありました。 ○事務局 ○委員 ずっと撮り続けているのがいいのかという気がしますよね。 6つぐらい要件があって、結構厳しいんです。例えば外部においてよくこのあた りではひったくりが起こるとか、よくこのあたりでは自転車盗があるということでクリア できるのかという気がします。その辺一工夫要るんじゃないでしょうか。 ○事務局 設置場所については、かなり頻繁に起こっている場所を特に選んで撮影すると 聞いています。ただ、例えばハードディスクは回っていて、機械的には保存しているけど も、別に保存している状態ではないんですけどね。 ○会長 先程の最高裁の話ですが、44年12月、京都の判決で、当該現場において犯罪 が発生する相当高度の蓋然性が認められる場合であり、あらかじめ証拠保全の手段、方法 をとっておく必要性及び緊急性があり、かつその撮影、録画が社会通念に照らして相当と 認められる方法でもって行われるときには、現に犯罪が行われる時点以前から犯罪の発生 が予測される場所を継続的、自動的に撮影、録画することも許されるとあります。 ○委員 厳しいですよね。 ○会長 だから、四六時中写すというのは…。 ○委員 速度違反で、高速道路に設置されたオービスが問題になって、オービスは合憲の 判断出てますね。 ○事務局 ○委員 オービスでも一緒ですよ。よくスピード違反があるから。 その辺は詰める必要がありますね。そうしないと、憲法違反になりますから。そ の辺をどう考えるかですよね。 ○事務局 一般の商店街に設置するカメラとは違うと思うんです。特に犯罪行為が頻繁に 起こっているところを選んで設置することにしていますので。 ○会長 駅などに設置するのは、その駅から逃亡するルートになる可能性が高いから四六 - 21 - 時中撮影するのも止むを得ないなど、いろいろ言わないといけないわけです。 ○委員 ○事務局 ○会長 そのあたり理論的には詰めないといけないところがあると思います。 最高裁の判例などを見ながら、考えていきます。 外部提供ですが、警察や裁判所は法令で認められていますが、弁護士会はどうな んでしょう。あるいは警察の場合も任意の照会という場合もありますよね。 ○事務局 はい、ほとんどは任意ですね。防犯カメラに写っている画像データの中にまさ に犯罪行為そのものが写っていれば判断もしやすいと思うんですが、例えば容疑者がそこ を通りかかり、その通りかかった画像データの中では何もしていないとなると、判断が難 しいですね。 ○委員 ○事務局 本人かどうか確認も、難しいですよ。 まさにそこでひったくりをしているとか、自転車を盗ろうとしているとか、現 場を撮れれば、犯罪があったということで実施機関側も判断しやすいんですが。 ○会長 防犯カメラにおける個人情報の保護は、これまで想定されていないパターンです から。それをどこかに当てはめようとすると、あちこち無理が出てきます。防犯カメラに ついてはこういうルールだというものを、個人情報保護条例にも付け加えなければなりま せんね。条例を作ったとき、そんなものはなかったから、想定していないですし、そうか と言って…。 ○委員 そういう意味では条例を別途違う原理で作ったほうがいいかもしれません。 ○会長 無理に個人情報保護条例をこの事例に当てはめると、あちこちぎくしゃくします から、防犯カメラ特有の法規範を作ったほうがわかりやすいとか、保護しやすくなる可能 性はあります。 ○事務局 将来的にはそういったことも検討は必要だとは思いますが、先ほどおっしゃら れていたように、防犯カメラの設置自体がどれだけ有効性があるのかを考えなおさなけれ ばなりません。 ○委員 何年か前、韓国へ防犯カメラの調査をしに行ったことがあります。ソウルは結構 犯罪率が高いんですが、ある区で異常に犯罪率が低いところがあったんです。その区では 至るところへ防犯カメラを設置していたので、果たして防犯カメラがあるから犯罪率が低 いのかを調査しに行ったんです。そうしたら、設置して5年目ぐらいは犯罪が減ったけれ ども、五、六年経てば、また犯罪が増えているようです。防犯カメラの死角があって、そ こで犯罪が起こるんです。 - 22 - ○事務局 ○会長 ということは、死角がわかってしまっているんですね。 結局犯罪の発生件数は特に減らなくて、犯罪の起こる場所が変わるだけでした ね。 ○事務局 今回の分についても、もちろん市としては防犯の役に立つという認識で設置す るものですので、そういう立場から条例を作ることも考えられるとは思います。 ○会長 個人情報保護条例の適用があるとしても、自己情報の開示請求が認められるかと いう話になると、やはり消極的に考えざるを得ないですよね。 ○事務局 死角のこともありますし、個人が特定できるかも問題です。確かにこの人だと いうことであればいいんですが、はっきりわからない場合に出せるかと言われると出せ ず、不開示になる可能性があります。一番古い防犯カメラが設置されたのがいつかは知り ませんが、個人情報保護条例ができて21年経ちますが、防犯カメラの映像の開示請求は 一度もありません。 ○委員 防犯カメラとなると、ネーミングからして警戒心がありますね。例えば駐輪場以 外に自転車を置いているなら市民の財産保護条例のような名前にして、本来は駐輪場に置 かれるべきものを置く場所がないのでそこ置いているから、それを市が保護しているとい う感じにすると。 ○事務局 いや、それをすると、どんどん自転車が多くなります。守ってくれて安心だと 思って、違法駐輪が増えたら困ります。 ○委員 ○事務局 ○会長 その部分を詰めておく必要がありますね。 はい。 外部提供するときの例外の例外はどうなりますか。つまり、外部提供するのは原 則だけれども、外部提供できない場合というのが何かないか。それを提供することによっ て、市の事業の何かが脅かされるとかはあるんですか。それは例外の例外は設けなくて も、現在の外部提供の規定を適用すれば、そのものに該当しないのに当たるから、例外の 例外は考えなくても構わないという話になるんでしょうか。 ○委員 ○事務局 基本はやはり令状でしょうね。 照会文書がまず来ますので、その照会文書で答えられる場合と答えられない場 合があります。警察から刑事訴訟法第197条第2項で照会がきましたが、断ったことが あります。どうすればいいか言ってきたので、最初から令状を取ってきてもらえれば、 我々は出しますということで、出したことはあります。 - 23 - ○事務局 ○会長 法令根拠という場合は、必ず書面を出してもらいます。 防犯カメラというと、提供するのが原則みたいになりかねませんが、個人情報保 護という観点から言えば、提供しないのが原則で、例外として一定の要件を満たしたとき に提供が可能になるという認識になるんでしょうね。 ○事務局 個人情報保護条例の中でも外部提供はすることができる形になっていて、法令 等の場合についてもそこがかかわっていますので、当然外部提供するかどうかは実施機関 の判断になります。 ○会長 ○事務局 出さないのが原則という立場で物事を考えないといけませんね。 出す場合は、まず書面が必要ですね。できれば令状で押さえてもらうのが一番 です。ただ、令状を持ってこられたときに、全部持っていかれたら困りますので、その辺 りの調整があります。 ○委員 ○事務局 関係ない人が写っていますからね。 そうです。その後で余計なものも出したと言われかねませんので、令状が出る までに調整して、特定してもらってそれを取り出すと。 ○委員 ○事務局 例えばプリントアウトしたものも出せるんですか。 プリントアウトというか、普通はUSBやフラッシュメモリ、またはSDカー ドにデータを入れます。 ○委員 ○事務局 ○委員 動画として提供するんですか。 はい、動画です。 静止画で提供したらどうですか。必要性があれば、動画として出す。そうする と、静止画ならば、ほかの人はマスキングができるでしょう。静止画でも動画でも証拠能 力は余り変わらないと思います。 ○事務局 そうですね。実務上、その辺がどうなのかわかりませんが、多分一緒に画面を 見て、これだと言ってもらわないと。 ○委員 言ってもらって、その部分の静止画を提供する。そうしたらほかの人を消しやす いですよね。動画で何時何分から何時何分までの画像データを全部と言われると、関係な い人を一々消すのは大変ですよ。 ○事務局 ○委員 一たんは警察官なら警察官の人と一緒にその動画を見てもらって…。 モニターを見て、ここだと言ったら、そこの部分だけをプリントアウトすると か。 - 24 - ○会長 それから、相談体制ですが、余り大々的にやると、今度は細かすぎる話が多数寄 せられる可能性があります。もちろん相談体制はあればいいですが、防犯カメラが厳重な 管理体制のもとにあり、外部に出るおそれがないことや、管理者は限られた人で、日々更 新してその間は内容確認もしないことを周知徹底させたほうがいいと思います。これまで ずっとやってきているけれど、何も問題がないというのは、それは結局管理がしっかりし ているということだと思うんです。 ○事務局 そういう問い合わせがあったときに、やはり説明する部署が必要であると思う んです。ただ、設置しっ放しで説明する人がいないとなりますと、問題だと思います。 ○会長 だから、不審なことがあったら連絡、ご相談くださいという体制はいいかもしれ ませんね。 ○事務局 相談体制とするかどうかわかりませんが、やはり自分が撮られていて、自分の 画像データがどこでどう使われているのか不安だということがあると困りますので、どの ように管理をしているのか聞く連絡先を明らかにしておくべきかと思います。 ○事務局 情報公開課へ来られる場合もありますが、一次的には設置している担当課で説 明してもらうとか、そういう相談窓口があるといいと思います。 ○会長 ○事務局 では、要綱がどういう章立て、条文になるのか、書いてみてください。 それでは、次回の専門部会で要綱案を示しまして、それをもとに検討していた だいていいですか。 ○会長 はい。 ○委員 それで、防犯カメラというネーミングですが、別の名前のほうがいい気がしま す。防犯カメラというと、市民全員を犯罪者と見て監視しているような印象を受けます。 ○事務局 その辺りも考えます。 ○事務局 今回設置する分は間違いなく防犯カメラになりますけど。 ○委員 防犯ですか。 ○会長 それでは、時間になりましたので、今日はこれぐらいにしましょうか。 ○事務局 本日欠席されている委員の方にも、既に送っております資料をもとにご意見が あればいただきます。今日の議論の内容も簡単になりますけども一緒に送って、それに対 しての意見もいただきます。 ○会長 ○事務局 よろしくお願いします。 それで、2月10日に全体会議を開く予定でしたが、要綱案を先に検討してい - 25 - ただき、それをもとに全体会議を開いたほうがいいかと思いますので、2月10日は専門 部会を開かせていただくということでいいですか。 ○会長 わかりました。 ○委員 解釈基準の簡単なものをそのときに議論したほうがいいかもしれませんね。 ○事務局 ○委員 わかりました。 我々もメーリングリストみたいなのを作ってもらったので、それぞれの意見を出 しますね。 ○事務局 ○会長 わかりました。 さっき新しく条例がいいと言っていましたが、条例というのは市議会が制定する わけで、この防犯カメラのことで市会議員の人か何かで関心を持っている人がいるんです か。 ○事務局 はい。今日午前中の委員会で、1人の議員さんが質問をされています。中身は 聞いておりませんが、あらかじめ質問をいただいていまして。言われたのは、防犯カメラ で撮影された画像データは個人情報か、個人情報保護条例によると、個人情報を収集する ときは収集する個人情報の利用目的及び内容を明らかにし、本人から直接収集しなければ ならないとされている。公共の道路上での24時間撮影は条例に抵触しないか、例外規定 は適用できるか、看板設置だけで保護条例はクリア可能か、データの回収、閲覧はどのよ うな場合を想定しているか、外部への提供はどのような場合か、個人情報の公開を求めら れた場合はどのように対応するのか、苦情申立ての対応をどのように想定しているか、設 置場所特定についての協議は市、府、警察だけでいいのかということを質問されたようで す。それとともに市への要望が出ています。今年4月の広報とよなかでは、グーグル社ス トリートビューについての記事で個人の住居の様子などが見えるため、プライバシーの問 題を指摘されているとして、グーグル社の画像データ削除の手続などの相談に市が応じる ことも報じているが、画像データに関する個人情報は重要な人権問題で、個人情報保護法 が制定される前は防犯カメラに関する条例が策定された自治体もあった。現在豊中市情報 公開・個人情報保護運営委員会に防犯カメラによって撮影された個人情報の取扱いについ て、情報公開課より諮問されている。また、市有施設の防犯カメラの実態調査を調査中で あるとのことだが、それは市が管理責任を負う防犯カメラの設置及び利用に関して個人情 報保護の観点から条例、もしくは規則の必要性について検討を行うためだと考える。今回 の諮問は市が管理する防犯カメラに限定しているとのことだが、個人事業者や商店街など - 26 - で設置している防犯カメラについても個人情報保護の観点から豊中市にてガイドラインが 必要であると考える。早急な取り組みを求めたいということで要望が出ております。 ○事務局 昨日質問の内容をもらい、今日午前中に委員会があり、危機管理室が対応して 質問に答えています。 ○委員 民間業者に対するガイドラインも一緒にやってしまったらどうですか。 ○事務局 そうですね。まず要綱を市で作り、それに準じた形のガイドラインのようなも のをつくるということにします。 ○会長 ところで、さっきの議員さんの質問の前に、そういうルール作りは要綱でと言っ たんですか。 ○事務局 ○会長 いえ、言ってないです。 向こうは条例を作れと言っているわけではないんですか。 ○事務局 条例でないといけないとはおっしゃっていませんが、何らかの取扱いの規定が 要りますねとおっしゃっていました。 ○委員 要綱のほうがいいかもしれません。 ○会長 要綱でやってみて、どうしても要綱では不都合だという話になれば、格上げして 条例で、市議会でやってもらったらいいですけどね。取りあえずは市の指針を作るという のでいいと思います。 ○委員 民間で個人情報保護の適用を受ける業者というのはないんですかね。 ○事務局 商店街や自治会にはほとんどないと思います。 ○委員 データベース化しているとは考えられませんよね。 ○会長 経済産業省の個人情報のガイドラインで、触れているものがあると聞いたことが あります。 ○事務局 経済産業省のガイドラインなので事業者向けの一般的なものですね。先ほど言 われた個人情報保護法上の個人情報取扱事業者について、自治会とかでは多分該当すると ころはないと思うんですが、公共空間ということで、例えば駅が入ってきた場合には、阪 急電鉄とか。 ○委員 ○事務局 阪急電鉄がデータベース化しているとは考えられませんが。 いや、防犯カメラの画像データ自体はそうではなくても、ほかに定期を使うと か、そういう人だったら。業者として個人情報取扱事業者になりますよね。 ○委員 それはそうですよね。ですが、防犯カメラの画像データに関してはデータベース - 27 - 化していないでしょう。 ○事務局 していませんが、取扱事業者にはなると思うんです。個々のことではなく、全 体で顧客のデータベース化をしていたら取扱事業者になりますから。 ○委員 ○事務局 ○委員 そうですか。 違いますでしょうか。 保有データに関して個人情報取扱事業者になるので、データベース化していない データについては取扱事業者にならないのでは。 ○事務局 ○委員 ○事務局 では、防犯カメラについては、ならないんでしょうか。 ならないと思います。 それは特定を絶対しないかとなると、する場合がありますよね。 ○委員 それはそうですが。データベース化をしなければ、個人情報取扱事業者には…。 ○会長 個人情報ではあるけれども、個人情報データとはならないわけですね。アンケー トのはがきを整理しないで積んでいるようなもので。 ○委員 個人情報取扱事業者が扱うデータはすべてそうなるかと言うと、そうではなく て、データベースにした分だけと思います。それについて開示請求や訂正請求があるわけ で、データベース化していないものについてはそういうのはないと思います。 ○事務局 防犯カメラで写した画像データから特定の個人を絶対識別していないかという のはわからないと思います。 ○会長 警察は運転免許証の写真を持っていますよね。 ○委員 あれはデータベース化しているでしょうね。 ○委員 顔の認識というのはとても発達しているらしいです。変装していてもわかるよう ですね。 ○会長 ○事務局 では、おしまいにしましょうか。 どうもありがとうございました。 (午後4時00分閉会) - 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