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RC造3階建て(単純なモデル)

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RC造3階建て(単純なモデル)
資料−5
4種のプログラムによる
同一モデルの解析結果比較
RC造3階建て(単純なモデル)
愛知県建築技術支援センター
(一社) 日本建築構造技術者協会中部支部
愛知県建築技術支援センター
【使用プログラム】
 同一の検討モデルを4種の構造計算プログラムを使用して計算し、
その結果を比較した。
 使用プログラム
・ Super Build/SS3
・ BUS-5
・ BUILD.一貫Ⅳ+
・ SEIN La CREA
建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月
ユニオンシステム㈱
㈱構造システム
㈱構造ソフト
㈱NTTファシリティーズ総研
構造計算プログラム特性比較
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愛知県建築技術支援センター
【計算比較の目的】
 2013年の講習会のRC造3階建て検討モデルは、斜め架構、
腰壁、連スパン耐震壁等の影響により数値に違いが生じる場
合もあった。
 本年の検討モデルは、RC造3階建ての単純なモデルとし、
・ 純ラーメンで梁ヒンジ主体の全体崩壊系
・ 全スパン連層耐震壁でせん断破壊の層崩壊系
の場合について、プログラムによる相違点の有無を把握し、そ
の重要性を認識する。
 さらに、各プログラムにおいて
・ 計算条件を合わせた計算 (モデル1)
・ ディフォルトを採用した計算 (モデル2)
の相違点の把握も実行する。
建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月
構造計算プログラム特性比較
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愛知県建築技術支援センター
【検討モデル】
モデル1 (計算条件を合わせたモデル)
・ 鉄筋コンクリート造 3階建て 4スパン×1スパン
純ラーメン
・ X方向
梁崩壊を主とする全体崩壊系
全スパン 連層耐震壁
・ Y方向
1階耐震壁のせん断破壊
・ 外部階段、片持ちスラブ、雑壁等のない整形な建物
モデル2 (ディフォルトを採用したモデル)
・ 形状は、モデル1と同じ
・ 計算条件には、ディフォルトを採用する
建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月
構造計算プログラム特性比較
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愛知県建築技術支援センター
【各プログラム間で整合させた入力条件】
•
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スラブ筋は、考慮しない。
スラブ効果による剛性は、自動計算とする。
鉛直荷重時の柱軸方向変位は、拘束する。
Ds、保有水平耐力算定時に浮き上がりは考慮しない。
二次設計における限界層間変形角
Ds算定時:1/50rad 保有耐力算定時:1/100rad
危険断面位置をフェイスにする。
(ディフォルトが「剛域端」のプログラムがあるので統一する)
柱耐力は立体M-Nモデルとし、耐力算定はag式とする。
曲げひび割れは、考慮する。
耐震壁は、3本モデルとする。
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構造計算プログラム特性比較
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愛知県建築技術支援センター
【伏図】
RC造3階 X方向:純ラーメン、Y方向:連層耐震壁
1∼3階伏図
屋根伏図
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構造計算プログラム特性比較
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【軸組図(X方向)】
Y1,Y2通り軸組図
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構造計算プログラム特性比較
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【軸組図(Y方向)】
X1∼X5通り軸組図
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構造計算プログラム特性比較
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【柱断面リスト】
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【壁断面リスト】
構造計算プログラム特性比較
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【大梁断面リスト】
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【基礎梁断面リスト】
構造計算プログラム特性比較
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検討モデル1
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構造計算プログラム特性比較
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【4種プログラムの出力比較】
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モデル1
構造計算プログラム特性比較
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【各プログラムのQ-d関係図】
モデル1
X方向 1階
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【各プログラムのQ-d関係図】
モデル1
Y方向 1階
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【要因1】 エレメント置換の壁柱軸力と枠柱軸力
 保有耐力計算時における壁柱の鉛直荷重時軸力
SS3
枠柱軸力にすべて再配分して、耐震壁枠柱の
ラーメン方向の曲げ耐力を計算する
BUS、SEIN
壁柱と枠柱の双方で軸力負担として、枠柱の
ラーメン方向の曲げ耐力を計算する
一貫
枠柱軸力にすべて再配分して、耐震壁枠柱の
ラーメン方向の曲げ耐力を計算する
剛域
(耐震壁の壁柱の長期軸力負担を
「しない」「する」の選択可能)
剛域
枠ばり
壁柱
枠柱
ラーメン方向
壁方向
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構造計算プログラム特性比較
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【要因2】 柱のM−Nモデルの曲げ耐力
 M-N曲線は、0≦N≦0.4bDFc(=Nb)間を、二次曲線で変動す
ることに留意。
M-N曲線の近似方法により、保有耐力が違う場合もある。
代表ポイント以外、直線でモデル化するソフト
Nmax~Nmin間
曲線部(Nb∼0間)
(NmaxとNminを含んで)
SS3
SEIN
一貫
BUS
片側 5ポイント
片側 5ポイント
片側 8ポイント
片側 10ポイント
片側 1ポイント
片側 1ポイント
片側 4ポイント
片側 6ポイント
 曲げ降伏後の曲げ耐力算出方法に留意。矩形置換式等
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Nmax
曲げ降伏後の曲げ耐力
Nb
Nmax∼Nmin間
曲線部(Nb∼0間)
(左図は8ポイント)
(左図は4ポイント)
Nmin
柱のM-N曲線
Nmax~Nmin間
曲線部(Nb∼0間)
(NmaxとNminを含んで)
SS3
SEIN
一貫
BUS
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片側 5ポイント
片側 5ポイント
片側 8ポイント
片側 10ポイント
片側 1ポイント
片側 1ポイント
片側 4ポイント
片側 6ポイント
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 曲げ耐力算定ag式の中間中央鉄筋の引張筋重心と
圧縮筋重心の扱い
中間中央鉄筋
 鉄筋断面積を等価なボックス柱に置換するモデル(一貫)
ボックス柱に置換
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【要因3】 耐震壁のせん断ひび割れ強度式 (Y方向)
構造関係技術基準解説書より
付1.3-28式
Vc=tscr・ w・ w/ w
付1.3-29式
Qc=(0.043pg+0.051)・Fc・Aw
付1.3-30式
Qc=tcr・t・
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検討モデル2
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【検討モデル2のモデル1からの変更項目】
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【4種プログラムの出力比較】
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モデル2
構造計算プログラム特性比較
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【各プログラムのQ-d関係図】
モデル2
X方向 1階
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【各プログラムのQ-d関係図】
モデル2
Y方向 1階
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【要因】
X方向の保有耐力の変動について
 SEIN モデル1と変わらず
 BUS 柱Mu計算式が ag式 ⇒ a 式
※モデル1に対し保有耐力が95%
 SS3
柱Mu計算式が ag式 ⇒ a 式
危険断面位置が 部材フェース ⇒ 剛域端
※モデル1に対し保有耐力が87%
 一貫
耐震壁付柱の軸力負担
すべて柱 ⇒ 壁柱と枠柱の双方
※モデル1に対し保有耐力が87%
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【まとめ】
 単純な鉄筋コンクリート造も、耐震壁を含む場合には、保
有水平耐力計算の初期応力値の計算方法やヒンジ発生
位置により、数値に違いが生じる場合もあるため、留意す
ること。
 また、ディフォルトは、設計者判断を必要とする項目も多い
ため、設計者は、使用ソフトの解析方法を充分把握して利
用することが重要である。
 プログラムの「ばらつき」ではなく、「設計思想の違い」だと
強く言えるように、我々設計者は、これからも技術研鑽する
ことが重要である。
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愛知県建築技術支援センター
ご静聴いただき、ありがとうございました。
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