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3.踏まえるべき事項
11 ①国と地方公共団体、土地改良区等の役割分担と連携強化
12
○国、都道府県、市町村、土地改良区等が適切な役割分担の下に生産基盤の整備・保全管理を実施。
○これまで、地方分権の趣旨に則り、国の役割を基幹的施設の更新整備などに重点化。また、地域の創意工夫等を活かし、地方
の裁量を拡大するため、交付金化等の補助金改革に取り組んできたところ。
○今後とも、地域主権戦略大綱の趣旨を踏まえ、国と地方の協働により、生産基盤の保全管理を適切に推進する必要。
農業農村整備事業における補助金改革等の取組
農業生産基盤の整備・保全管理における役割分担
〔幹線〕
H12 H15 H16 H17
〔末端〕
ダム
頭首工
幹線水路
分水工
国による保全管理
土地改良区による保全管理
集落による保全管理
連 携
H7∼:道路と農道の連携
○統合補助金(H12∼)
・補助金を都道府県に一括交付
・地区別の予算 配分を都道府 県の裁量で実施
○横型統合補助金(H15∼)
・複数事業の補助金を市町村に一括交付
・地区別の予算配分を市町村の裁量で実施
これまで
地方の
建
設
H23
H6∼:農業集落排水と下水道・浄化槽の連携
農地周辺の水路
県による保全管理
H22
府省間
ため池
農道
H20
国
地方公共団体
土地改良区
裁量の
拡 大
○村づくり交付金(H16∼)
・成果目標評価により、採択審査を簡略化
・市町村提案による新たな事業内容も助成
○地域再生基盤強化交付金(H17∼)
道整備交付金、汚水処理施設整備交付金
今後
(地域再生基盤強化交付金の枠(予算額)を拡大(H18∼H20))
保全管理
国
地方公共団体
土地改良区
集落 ←
農地・水保全管理支払
・省庁の壁を超えて一本化した三種類の交付金を一括計上
・予算の事業間・年度間の変更が可能
○村づくり交付金(H20∼)
(日常の操作管理は土地改良区が実施)
・農村総合整備関係事業のうち、団体営事業を
村づくり交付金に統合
今後の
役割分担
の考え方
国
地方公共団体
土地改良区
・直轄対象施設の限定
・自給率向上等に資する
基盤整備に重点化
・長寿命化対策への全面
的移行と建設要員のス
リム化
・幹線施設の管理
と更新に役割を
重点化
・個別補助金から農山
漁村地域整備交付金へ
集落
・資源保全管理活動
(水路・農道等の保全
管理・補修)を行う主
体として位置づけ
・集落の行う資源保全
管理活動に対して直
接支払い
【地域主権戦略大綱
(H22.6.22閣議決定)】(抜粋)
地域主権改革が目指す国のかたち
国のかたちについては、国と地方
が対応なパートナーシップの関係
にあることを踏まえ、国が一方的に
決めて地方に押し付けるのではな
く、地域の自主的判断を尊重しなが
ら、国と地方が協働してつくっていく
○農山漁村地域整備
交付金(H22∼)
・自治体が農山漁村地域のニーズにあった
計画を自ら策定し、総合的、一体的な
整備を支援
○地域自主戦略
交付金(H23∼)
・地域の自主裁量を拡大する
一括交付金の創設
②施策の連携強化と総合化
○戸別所得補償制度を下支えし、食料自給率の向上を目指すため、H23年度より「戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業」を
創設するとともに、府省の枠にとらわれず、地域の創意工夫により自主性・裁量性のある整備が可能となる「地域自主戦略交付
金」を導入。
○また、被災地域の早期の復旧・復興のため、他省庁が所管する制度等との一体的な処理を可能とする手続や生産・経営関係
施策との連携の強化に取り組んでいるところ。
∼H20
H21
H22
農業者戸別
所得補償制
度との連携
H23
H24
○戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業の創設
・・・麦・大豆の生産拡大や耕地利用率等の向上のための農地の区画
整理、用排水施設等の整備を重点的かつ集中的に実施
との連携
ハード事業とソフト事業
○担い手育成農地集積事業
・・・生産基盤の整備と、基盤整備を契機とした担い手への
農地利用集積、認定農業者等の育成を図るソフト事業
とを一体的に実施
○農地利用集積円滑化事業の創設
・・・市町村段階の面的集積組織(農地利用集積円滑化
団体)が 委任を受けて、所有者に代理して農地を貸し
付ける仕組みを創設
○ため池等整備事業
・・・ため池改修等のハード整備と防災情報伝達シス
テム整備やハザードマップ作成支援等のソフト
対策を一体的に実施
省庁間の施策の
連携
○地域再生基盤強化交付金
・・・道整備・汚水処理施設整備・港整備の3分野におい
て、地域再生計画に基づき、地域経済基盤の強化や
生活環境の整備を一体的に実施
○地域自主戦略交付金の創設
・・・地域の自主裁量を拡大する一括交付金の創設
○地域農業復興のための土地利用調整
・・・被災地における土地利用調整を迅速に行うため、各種手続きを
一つの計画でワンストップで処理する特例措置や、住宅地・農地
等を一体的に整備する方策を検討
13
③地域特性に応じた整備の推進
14
○ほ場整備や畑地かんがい施設の整備等においては、気候や立地条件等の地域特性を活かすことが必須。
○今後も、地域の特性を活かし、地域のニーズに対応した多様な整備を推進。
地域の特性・独自性・特殊性に対応した整備例
【例1 北海道における基盤整備】
【例2 愛媛県における畑地かんがい施設及び農道の整備】
・最大の食料基地として大規模農業の展開に資する基盤整備を実施
・大型機械導入に対応する地耐力確保のための排水対策等の実施
大区画化された水田
大型機械による牧草の収穫
【例3 鹿児島県における畑地かんがい施設の整備】
・畑作地帯におけるかんがい施設整備の整備による作付品目の多様化
スプリンクラーによる茶への防霜散水
にんじんへの散水
・果樹の傾斜地の樹園地における畑地かんがい施設の整備
・農道の整備による農作業の省力化や農作物の品質低下の防止
傾斜地に広がるみかん畑
スプリンクラーによる散水
【例4 沖縄県における畑地かんがい施設整備】
・温暖な気候を活かした、高付加価値農作物生産に資する畑地かんがい
施設の整備
④土地改良区が果たすべき役割の拡大
○土地改良区は、土地改良事業の実施を通じて、農地や農業用水の利用関係の調整を担っているところ。
○特に、農地利用集積については、改正農地法による新たな仕組みの下で、今後一層寄与していくことが重要。
○東日本大震災からの復旧・復興にあたっては、本来有する土地利用調整機能を活用し、地域の合意形成を通じた地域づくりや
農村コミュニティの再生に一定の役割を果たす期待。
○加えて、農業の脆弱化や農村活力低下への対応として、農業・農村の振興にも積極的に貢献することが重要。
農地利用集積への寄与
大雪土地改良区(北海道)
鴨川流域土地改良区(滋賀県)
疎
土地改良区の本来機能との関わり
・「地域安全サポート隊」を地域で組織
・「防犯防災マップ」を作成
・地域コーディネーターとしての役割
加工・流通・販売
営農支援
地域づくり
土地改良事業
貸付け等に
関する代理
権の付与
委任
農地利用集積
円滑化団体
・市町村
・市町村公社
・土地改良区
・農業協同組合
農業協同組合 等
協議・調整
農業・農村の振興への貢献
稲川土地改良区(秋田県)
情報提供
委任
地域農業の担い手
土地改良区の活動の展開方向(イメージ)
委任・代理による農用地の権利移動
農地の
所有者
農地集積に伴う所有者、
農地集積に伴う所有者
耕作者、権利確認図
農地利用集積円滑化事業の概要
農地の
所有者
・改正農地法(平成21年)では、農地利用集積円滑
化団体が委任を受けて、所有者に代理して農地を
貸し付ける仕組み(農地利用集積円滑化事業)を
創設。
・鴨川流域土地改良区は、この新たな仕組みを活
用し、農地利用集積円滑化団体として、農地利用
集積を推進
集積を推進。
・地形や土地所有者、耕作者に
関する情報を一元的に管理
するGISシステムを構築
・担い手への農地利用集積を
推進
清原南部土地改良区(栃木県)
・畑地かんがい施設の整備を契機に、下部組織とし
て「明るいむらづくり推進会議」を設立。
・都市近郊型畑作農業の確立に向け、生産・加工・
流通・販売に係る多様な取組を展開。
土地利用調整など
地域コミュニティの再生
復旧・復興への貢献
本 来 機 能
私益
公益
密
防犯防災マップの作成
地域パトロールの実施
大手スーパーとの契約
栽培に成功
地区内に2箇所の
直売所を設置
15
⑤土地改良負担金の軽減
16
○土地改良事業は、公益的側面と私益的側面を併せもつことから、事業の受益者が負担能力の限度を超えない範囲で一定の事
業費を負担。
○農作物価格の低下が農家経営を圧迫する中で、負担金の計画的な償還が困難な地域に対し、農家負担金の軽減対策を実
施。
○東日本大震災の被災地域については、利子助成や支払いの繰延により営農再開までの間の負担金を軽減。
○今後も、農家の経済状況等を踏まえ、事業費のコスト縮減に取り組むとともに、農家負担軽減策を継続していく必要。
東日本大震災被災地域土地改良負担金償還助成事業
農家負担金軽減支援対策事業
(経営安定対策基盤整備緊急支援事業)
【対象地区】
土地改良事業等の農家負担金を償還中の地区であって、農地利
用集積の増加等が見込まれる地域。
【助成内容】
各年度の未償還金の利子相当額を助成。
35
助成対象期間
( H21∼H27)
30
25
20
年償還額
償還元金
償還利子
助成対象
助成対象
40
利子分
繰延
助成
対象
負担元金
15
10
5
0
H3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
年 償 還 額 (百 万 円 )
【助成内容】
営農が再開できるまでの間に発生する償還金の利子相当額を助成。
(※ 「一定規模以上の被災」とは、災害復旧事業等に該当する被災をいう。)
50
45
【対象地区】
東日本大震災により一定規模以上の被災※を受けた地区
21
27
平成 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 復旧期間
※想定復旧期間3年間で営農を再開し、その間の負担金支払を繰延した場合のイメージ
⑥災害復旧等に係るバックアップ体制の構築
○自然災害の発生に際しては、被災自治体からの要請に基づき、国及び都道府県等の農業土木技術者の派遣や災害応急用資
機材の貸出などの支援を実施。
○近年は、GISや航空写真等の活用により、災害復旧の事務作業を大幅に削減し、災害復旧の迅速化を促進。
○自然災害の多発化・激化の中で迅速な災害復旧や応急対策を図るとともに、大規模地震等を想定し、農地・農業用施設等に関
する各種システムのバックアップ体制を確立する必要。
水土里災害派遣隊
迅速な災害復旧
ヘリコプターによる被災状況調査
①初期情報収集
②緊急概査
③技術支援
④応急用資機材
の貸出
等
東日本大震災では、津波被災前後の空中写真を比較する
ことで、現地踏査を行わずに津波浸水区域を特定
被災前
「東日本大震災」陸前高田市
「平成23年7月新潟・福島豪雨」
五十嵐川決壊箇所(三条市)
技術者等の派遣体制
応急対策
東日本大震災における農業土木技術者の派遣状況
(7月20日現在)
東日本大震災の被災地に設置している
排水ポンプの内訳(H23.8.31現在)
市町
石巻市
宮城県
貸し出しポンプ台数
査定前着工の実施状況
災害応急用ポンプ 15台
24台
6台
6台
山元町
仮設水中ポンプ
仮設水中ポンプ
災害応急用ポンプ
仮設水中ポンプ
仮設水中ポンプ
新地町
仮設水中ポンプ
6台
相馬市
仮設水中ポンプ
8台
南相馬
市
災害応急用ポンプ 19台
仮設水中ポンプ
8台
27台
仙台市
大崎市
名取市
岩沼市
亘理町
福島県
被災後
仮設水中ポンプ
9台
災害応急用ポンプ 10台
仮設水中ポンプ
12台
災害応急用ポンプ
災害応急用ポンプ 6台
仮設水中ポンプ
20台
仮設水中ポンプ
東松島
市
松島町
東日本大震災における津波による
被災状況把握(宮城県 )
2台
5台
青:浸水農地
22台
2台
26台
3台
水土里情報システム等のGISや航空写真の活用、
標準断面方式の導入による設計図書の大幅な簡素化
①水土里情報システム等による平面図作成
②代表地点の実測による標準断面図の作成
農地復旧平面図 S=1:○○
復旧標準断面図
7台
8台
計 145台
③標準断面図に基づいた積算
災害復旧事業計画概要書
堆積土砂撤去範囲
平均土砂厚 ○cm
土砂堆積面積 ○㎡
17
⑦地球環境問題への対応
18 ○気候変動が農地、農業用水、土地改良施設に及ぼす影響の評価及び対応策の検討を進め、その成果を早期に具体化。
○再生可能エネルギーの利活用を促進し、温室効果ガスの排出削減を図り、地球温暖化対策を推進。
○生物多様性の保全の観点から、水田、ため池等が形成する生態系の重要性にかんがみ、水管理等を通じた自然環境の保全・
再生の推進に配慮。
農地・農業用水・土地改良施設における地球温暖化対応策
【農業への影響】
地球温暖化
による現象
平均気温
の上昇
○高温障害による作物被害
○厳しい渇水の頻度の増大
○集中豪雨の程度、頻度の増大
高温障害による作物被害例
降水形態
の変化
生物多様性や生態系の保全への配慮
【農地・農業用水と
土地改良施設への影響】
(農地への影響)
○農地の乾燥化
○農地災害の増加
(農業用水への影響)
○必要用水量の増大
○地下水涵養量の減少
(土地改良施設への影響)
○排水能力の不足
等
白未熟粒
胴割れ米
対応策
生物多様性の保全
●水管理の徹底
(高温障害回避のための
かんがい手法の導入等)
●地すべり予測
●ハザードマップの整備
●既存施設の有効利用
(水田の洪水調節能力)
●地下水位制御システム
の活用
●排水機場の増強
水と生態系のネットワークの保全
再生可能エネルギーの利活用の推進
太陽光、風力、中小水
力(3万kW未満)、地熱、
バイオマスを用いて発
電された電気。
※バイオマスについては、
紙パルプ等他の既存産業
に影響がないものに限る。
買取期間・価格
買取費用負担方法
○再生可能エネルギー源の種
別、設置形態、規模等に応
じて設定。
○各電気事業者が、それぞ
れの需要家に対して使用
電力量に比例したサー
チャージ)の支払を請求。
○法施行後3年間は、買取価
格を定めるにあたり、再生可
能エネルギーの電気供給者
の利潤に特に配慮。
○地域間でサーチャージの
負担に不均衡が生じ ない
よう調整。
制度活用
買取対象
(電気事業者による再生可能エネルギー電気
の調達に関する特別措置法)
小水力発電
風力発電
太陽光発電
バイオマス発電
温室効果ガスの排出削減
全量固定価格買取制度
⑧技術開発の促進
○コスト縮減による効率的な事業の展開に資するため、地下水位制御システムなどの新技術の開発やそれら技術の積極的な導
入を推進する必要。
○技術開発の推進に当たっては、幅広い学術分野の連携、技術開発情報の提供体制の整備、技術開発の進捗状況の把握と効
果検証など適切なフォローアップ等が必要。
新技術の開発や積極的な活用
■地下水位制御システムの技術
(暗きょ排水と地下かんがいを両立した低コストな地下水位制御システム)
■地震に強く低コストで環境にやさしい底泥土を用いたため池の改修工法
(ため池に堆積した底泥土を一旦固化させた後に解砕してから処理し、堤体改
修の築堤土として有効利用する改修工法)
地下水位制御システムのイメージ
ため池改修の新工法のイメージ
■地震に強く低コストなパイプラインの浅埋設工法技術
(地中構造物周辺の地盤を一体化することにより、耐震
強度の強化、施工断面の縮小、工期短縮を図る工法)
パイプラインの浅埋設工法技術の施工事例
■減災と景観に配慮した土砂吐用ライジングセクターゲートの開発
(堰柱(ピア)内にゲート操作機器類を格納でき、ゲートの回転により排砂及び水位調節ができる
ゲートを開発)
上屋がなくなるため、景観性、耐震性
上屋が必要ないライジングセクターゲート
従来型のゲート
が向上し、安価に建設が可能。
また、ゲートの回転により洪水を放流さ
せることから放流操作が簡素化。
19
⑨入札契約の透明性、競争性の拡大
20
○農業農村整備等直轄事業においては、平成22年度から、
・透明性・競争性の一層の向上と価格と品質を総合的に評価するため、原則として全ての工事を一般競争入札(総合評価落札
方式)により実施。
・品質等に悪影響を及ぼすような極端な低価格による受注を防止する観点から、品質管理及び施工体制を評価する施工体制
確認型総合評価落札方式や特別重点調査を導入。
原則として全ての工事に適用(H22)
対象工事を3千万円以上に大幅拡大(H21)
指名業者名等公表拡大(H17)
工事概要等の公告を行い、入札参加資格者
すべての者に競争させる方式
対象工事9千万円以上に大幅拡大(H20)
導入(H6)
電子入札の本格導入(H15)
一般競争入札方式
般競争入札方式
公募により、技術力
の高い者を指名す
る方式
発注見通しの公表(H13)
透
明
性
・
適
正
性
導入(H6)
公募型指名競争入札
方式
入札結果の公表(H13)
等級格付け結果の公表(H11)
導入(H6)
工事希望型指名競争入札
方式
通常指名競争方式
指名基準に基づき業
者を指名する方式
低入札価格調査制度の 入札方式にVE方式
導入(H6)
導入(H9)
工種に応じた資格者
から技術資料の提出
を求め、技術力の高
い者を指名する方式
工事費内訳書提出の
導入(H13)
競 争 性
総合評価落札方式の
導入(H13)
①高度技術
提案型
②標準A型
③標準B型
④簡易型
調査基準価格
(H6)の引上げ
H20.5∼
H21.6∼
H23.3∼
低入対策
低入価格調査制
度H6∼
施工体制確認型、
特別重点調査の
導入
H19.1∼
総合評価落札方式の
拡大(H18)、原則化(H20)
⑩事業評価の厳正な運用と透明性の確保
○農業農村整備事業の実施に当たっては、その効率性及び透明性の一層の向上を図るため、事業の採択前から完了後に至る
まで、事業評価を体系的に実施。
○評価結果を国民が容易に入手できるようインターネット等で公表し、事業実施に当たっての透明性を確保。
○今後も、事業評価の厳正な運用や透明性の確保に努めていく必要。
事前評価
事 業 評 価 の 流 れ
事業の計画
事
業
実
施
前
の
評
価
事
業
実
施
中
の
評
価
事
業
完
了
後
の
評
価
事 前 評 価
事業採択時
チェックリスト
事業計画策定時
費用対効果分析等
(結果の公表)
事業を実施しない
事業に着手する妥当性がある
事業採択・着工
事業採択後
※H12年度よりチェックリストによる
評価を導入
※
※H19年度より現行のチェックリストを
年度より現行 チ
クリ トを
改善した多段階評価手法を導入
計画の見直しが必要
再 評 価
( 結果の公表)
計画に沿って継続する
妥当性がある
事業を継続
事業の完了
事業完了後
一定期間後
事 後 評 価
計
画
変
更
事
業
の
中
止
より一層の効果発現のため、
完了地区をフォローアッ プ
( 結果の公表)
好事例として
他の地区へ紹介
※事前・事後評価は、総事業費10億円以上の事業を対象
事業計画・事業評価手法の
改良のため、フィードバッ ク
○新規地区の採択や着工に当たって、評価項目を明確化した
チェックリストによって評価を実施。
○評価結果に基づき、新規地区の採択や着工を決定。
○また、事業計画策定時においては、土地改良法に基づき、費用
対効果分析を含めて土地改良事業計画を審査。
【評価内容】
事業の必要性、技術的可能性、経済性(費用対効果分析) 等
再評価
○事業着手後10年経過、その後は5年ごとに評価を実施。
○評価結果に基づき、必要に応じて計画の変更を行う他、必要性
の乏しい事業は中止を決定。
【評価内容】
事業の進捗、社会経済情勢の変化、費用対効果分析の基礎とな
る要因の変化 等
事後評価
○完了後概ね5年を経過した事業について実施。
○評価結果については、事業完了地区のフォローアップ、事業評
価手法の改良、事業計画、事業管理手法の改良に評価結果を
活用。
【評価内容】
事業効果の発現状況、施設の管理状況、社会経済情勢の変化 等
※ 評価結果については、国民が容易に入手できるよう、インターネッ
21
ト等で公表。
⑪さらなる事業コストの縮減
22
○厳しい財政事情が続く中、農業農村整備事業においては平成9年度以降、コスト縮減対策により12.9%、続くコスト構造改革
により14.2%の縮減を達成。
○更にコストと品質の両面を重視する「コスト構造改善プログラム」を策定し、H20∼24年度(5年間)でH19年度比15%の改善率
目標を設定し、各般の取組を推進。
新たにコストと品質の両面を
総合コスト改善の数値目標
重視する取り組み
○コスト縮減対策
【コスト構造改善】
○今後とも直営施工等を実施し、取組を継続する。
○H20∼H24年度(5年間)でH19年度と比較して
15%の総合コスト改善率※を達成目標とする。
※総合コスト改善率とは、これまでの「総合的な工事コストの縮減」
に加え、「ライフサイクルコスト構造の改善」、「社会的コスト構造
の改善」を評価したコスト改善率
H9∼H14
12.9% 縮減
○コスト構造改革
H15∼H19
14.2% 縮減
※コスト縮減率は農業農村整備事業等の実績
これまでのコスト縮減の具体的取り組み
直営施工の取組状況
○かんがい用水などの工事の設計や施工段階で、コスト縮減や
工事期間の短縮等につながる民間からの技術提案を積極的に
採用。
○実績:H22年度の実施地区数はH14年度に比べて約3.6倍に拡大
○効果:住民参加による地域の活性化や、創意工夫による工事
コスト縮減、農家負担の縮減
【直営施工の実績(地区数)】
○コスト縮減につながる新材料、新工法の導入を促進。
H14
○農用地周辺の道路の舗装や用水路蓋の設置などの身近な施設
等の整備には、農家や地域住民の参加で行う直営施工方式を
積極的に採用。
安全柵設置状況
道路コンクリート舗装状況
H22
環境整備
26
53
区画整理
7
47
道路工
8
37
水路工等
8
38
49
175
計
4.新たな土地改良長期計画の構成(素案)
23 新たな土地改良長期計画中間とりまとめ(構成・案)
農業・農村を巡る課題と土地改良事業の基本方針
基本理念:「食を支える水と土の再生・創造」
土地改良事業の政策課題
政策課題 農を「強くする (地域全体としての食料生産の体質強化)
政策課題1:農を「強くする」
政策課題2:国土を「守る」(震災からの復興と農業・農村の防災力の強化)
政策課題3:地域を「育む」(協働による地域資源の潜在力の発揮)
土地改良事業の目標と具体の取組
1.農を「強くする」(地域全体としての食料生産の体質強化)
目標1 意欲ある多様な農業経営体の育成による農業の競争力・体質の
強化
(1)農地の大区画化等と担い手への面的集積
(2)基盤整備を契機とした意欲ある多様な担い手の育成確保
(3)農業経営基盤の強化のための畑地かんがい整備の推進
目標2 農地・水等の生産資源の適正な保全管理と有効活用による食料
供給力の強化
(1)農業水利施設の戦略的な保全管理
(2)戦略作物等の生産拡大のための水田の汎用化
(3)畑作・畜産・酪農地帯における地域の特性に応じた整備
(4)耕作放棄地の発生防止と解消
2.国土を「守る」(震災からの復興と農業・農村の防災・減災力の強化)
目標3 被災地域の災害に強い新たな食料供給基地としての再生・復興
被災地域の災害に強い新たな食料供給基地としての再生 復興
(1)農地や農業水利施設等の迅速な復旧
(2)先進的な農業の展開のための基盤整備
(3)被災集落の復興整備
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目標4 ハード・ソフト一体となった総合的な災害対策の推進による災害
に強い農村社会の形成
(1)農地防災対策の総合的な推進
(2)ハザードマップ等のソフト対策を組み合わせた減災対策の推進
(3)土地改良施設の耐震強化
3.地域を「育む」(協働による地域資源の潜在力の発揮)
目標5 地域の主体性・協働力を活かした地域資源の適切な保全管理・
整備
(1)地域が主体となった地域資源の保全管理
目標6 自立・分散型農村エネルギー社会への移行と豊かな農村環境の
再生・創造
(1)農業水利施設を活用した小水力発電等の再生可能エネルギーの導入
促進
(2)生態系や景観等の豊かな農村環境の保全・創出
(3)農業集落排水施設や汚泥リサイクル施設の整備
計画の実施に当たって踏まえるべき事項
(1)国と地方公共団体、土地改良区等の役割分担と連携強化
(2)施策の連携強化と総合化
(3)地域特性に応じた整備の推進
(4)土地改良区が果たすべき役割の拡大
(5)土地改良負担金の軽減
(6)災害復旧等に係るバックアップ体制の構築
(7)地球環境問題への対応
(8)技術開発の促進
(9)入札契約の透明性、競争性の拡大
(10)事業評価の厳正な運用と透明性の確保
(11)さらなる事業コストの縮減
新たな土地改良長期計画の審議経過
食料・農業・農村政策審議会
農業農村振興整備部会(H23第2回)
(H23. 7.22)
◆諮問
○現行土地改良長期計画の実施状況(中間評価)
○東日本大震災による農地・農業用施設の被災状況及び
復旧状況
○農業農村整備をめぐる情勢と課題
農業農村振興整備部会(H23第3回)
◆現地調査 (宮城県下)
(H23. 7.27-28)
地方懇談会
○第 回部会内容
○第2回部会内容
○地方別の整備状況等
(H23. 8.3∼12)
農業農村振興整備部会(H23第6回)
◆中間とりまとめ(案)
(H23.10.中旬)
◆パブリックコメント
農業農村振興整備部会(H23第○回)
◆パブコメを踏まえた計画案
◆都道府県知事、関係行政機関の長の意見聴取
〔法定手続〕
農業農村振興整備部会(H23第4回)
◆論点(案)
○現行土地改良長期計画の実施状況
○これまでの審議を踏まえた論点
(H23 9.
(H23.
9 1)
農業農村振興整備部会(H23第5回)
(H23.10. 5)
◆論点整理、計画のフレームワーク(案)
○現行土地改良長期計画の実施状況
○土地改良長期計画を巡る論点の整理(案)
○新たな土地改良長期計画の策定について
(枠組みと目指す姿)
農業農村振興整備部会(H23第○回)
◆最終とりまとめ(案)、答申
★土地改良長期計画閣議決定
(年内)
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