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2012年(平成24年) 11月 8日木曜日
6476号
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■ 元厚労省課長補佐、総選挙に出馬へ
38歳の豊田氏、埼玉4区で
厚生労働省老健局高齢者支援課で2月まで課長補佐を務めていた豊田真由子氏が、次
期衆院選に自民党公認候補として埼玉4区から出馬する。豊田氏は7日、選挙区内の事
務所で本紙の取材に応じ、医療・介護などのグランドデザインを描き、社会保障の充実
と持続可能性の向上に力を注ぐ決意を表明した。
豊田氏は1974年生まれの38歳。97年に厚労省(旧厚生省)に入省し、介護保険制度の
施行準備などに携わった。米ハーバード大大学院への留学や、在ジュネーブ国際機関日
本政府代表部一等書記官などのキャリアを経て、昨年、厚労省に復帰。老健局高齢者支
援課の課長補佐として介護報酬改定に取り組み、特養など施設系全般を担当した。
「全く政治家志望ではなかった」という豊田氏だが、官僚から政界への転身を決めた
経緯について「昨年、厚労省に復帰した際に、民主党政権の国家運営の実情に強い疑問
を抱いた。10月に東日本大震災の被災地を訪問し、復興が遅れている実態を見たことに
も背中を押された」と語る。政治には、経験や実績、それに基づく政策力が重要で「出
馬は自民党以外は考えられなかった」とも述べた。厚労省を2月に退職し、4月に自民
党衆院埼玉県第4選挙区支部長に選ばれた。
民主党の社会保障政策については「医療にせよ介護にせよ、日本をこのようにしたい
というグランドデザインを描く力が欠けている」と問題意識を示す。大きな絵姿がある
からこそ具体的な制度がより良く機能するとし「診療報酬や介護報酬改定もその制度の
一つ。グランドデザインを描いた上で、限られた財源を必要な部分に回せるかどうかが
大切。数字の帳尻合わせでプラス、マイナスを語るものではない」と指摘した。
制度の中身を理解した上での政策立案の重要性にも言及。在宅介護サービスを例に挙
げ「フランスやスイスのヘルパーやナースは、簡単なバイタルチェックをし、食事を温
めて5~10分で帰る。日本は食事を作り、食べさせ、部屋の掃除もする。こうした中身
の違いを知らずに、在宅介護としてひとくくりにしていないだろうか」と疑問を呈した。
●皆保険堅持へ財政的担保を
豊田氏は、こうした「世界と比較した日本の制度」を肌で理解している点を自身の長
所の一つとし、「日本の医療水準の高さと国民皆保険は素晴らしい。皆保険を堅持する
財政的担保が必要」と語る。日本の今の社会保障は「中福祉・低負担」とし、「負担と
福祉のレベルをどう望むかは国民の判断だが、サービスの充実と、それを持続させる財
政的な担保は両輪。負担は少なく、サービスは充実というのは嘘だ」とし、選んだサー
ビスレベルの維持に必要な負担は、真摯に国民に求めるべきとの認識を示した。
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