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留学期間2015年9月~2016年6月
台湾 国立中興大学 留学体験談 理学部生物学科 小島侑樹 ・留学の理由 2015 年 9 月 5 日から 2016 年 8 月 19 日の約 1 年間台湾の国立中興大学に交換留学しまし た。私は新潟大学での所属学部は理学部であり、将来世界で活躍する研究者になりたいと いう考えから、早い段階で海外に出て外国人と共に学び、国際感覚を身に着けることが重 要だと思い留学を決意しました。 ・授業について 留学先では正規の学生と共に専門分野(生物学)の講義を受けただけではなく、専門分野 以外の講義(農学、経済学)や留学生にのみ開講されている語学(北京語)の講義も受講しま した。どの講義でも英語を用いて進められていきました。 ・生活について 留学をしている間は 4 人部屋の大学寮に住んでいました。自分のルームメイトはオース トラリア人、ベトナム人、マレーシア人とそれぞれ違う国から来ている留学生であり、お 互いの国の文化や言語を紹介し合ってとても楽しかったのを覚えています。自分たちの部 屋以外にもたくさんの留学生たちが住んでおり、一緒にご飯を食べに行ったり旅行に行っ たりして台湾人以外の外国人とも交流する機会が頻繁にありました。これはアパートに1 人で住むよりも寮に住むことのメリットだと思います。 台湾で生活をしていると街中の看板やお店の名前などで頻繁に日本語が使用されている のを目にします。日本語が話せるご年配の方もたくさんいらっしゃいます。これはなぜで しょうか。日本は第2次世界大戦が終了するまで約 50 年間台湾を統治して来ました。つま り終戦前までは台湾は日本だったのです。そのためご年配の方は日本語を流ちょうに話す ことができ、街中では日本の名残を見ることができます。ある日いつも通り友人たちとお 店で夕食をとっていたときにある年配の方に日本語で話しかけられ、日本統治時代の出来 事について聞く機会がありました。 「統治」というとあまりいい印象を自分は持っていませ んでしたが、その方は日本の統治によって台湾によりよい食料生産技術が伝わり、交通機 関や多くの建物も建設されたことにより経済が発展したというお話や、また日本人の国民 性についてもお褒め頂き、自分としては強烈に記憶に残る体験となりました。それまでは 世界の歴史について興味がありませんでしたが、この出来事からは歴史に興味を持ち始め 歴史を自分から学ぶようになりました。 ・語学について 留学を通して語学力は向上しましたが、それ以上に語学に対する考え方が大きく変わり ました。まず、海外では複数言語話せることは珍しくないということを知りました。中興 大学に来ていた留学生は皆「最低」3 か国語を話すことができました。5 か国語以上話す人 も何人もいました。日本だと3か国語以上を話す人はまれだったのでこのことには非常に 驚きました。次に母語以外の言語は完璧に話せる必要はないということです。先ほど申し ました 3 か国語以上話す人たちは意思疎通に全く支障がないほど流ちょうに言語を操りま すが、多少の文法間違いや発音の違いなどはありました。ルームメイトのマレーシア人に 至っては英語、北京語、広東語、マレー語を混ぜ合わせ、それぞれの言語能力を補って会 話していました。以前自分は文法の正確さばかりに気をとられてなかなか言葉が出てこな かったのですが、今は全くミスを気にしなくなりました。 自分の語学力に関しては、大学内では英語で授業を受け英語で発言し、友人たちとも英 語で会話していましたので英語力を総合的に上げることができました。学外では英語はほ とんど通じない環境となったので中国語を使うようにしていました。中国語は留学前に一 度も勉強したことがありませんでしたが、最終的には1人で街に出ても困らない程度の中 国語力を身に着けることができました。英語圏に留学するとほとんどの場合英語を話す環 境のみと思いますが、非英語圏に留学すると英語以外にも現地の言葉を話す機会がありま すので、言語環境という面に関しても台湾での留学は良かったと思います。 ・おわりに 「留学」と聞くと語学を学ぶものと思われがちですが(自分はそういうイメージを持って いました)、大学の交換留学では語学はもちろんのこと、専門分野を海外の人たちと学ぶ、 海外の研究室をのぞけるといったような貴重な体験をすることができます。返還不要の奨 学金もあるのでそれを利用すればほとんどお金をかけずに留学もできます(私は1年間の 留学で 10 万円しか払っていない)。留学を迷っている方がいれば一度留学交流推進課へ行 ってみてはいかがでしょうか。 中正紀念堂 九份 誕生日会