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報告書 - 全国社会福祉協議会

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報告書 - 全国社会福祉協議会
平成24年度厚生労働省補助事業
「老人保健健康増進等事業」
報告書
平成25年3月
地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける認知症の人に対する相談支援の手法に関する調査研究事業
地域包括支援センターや
在宅介護支援センターにおける
認知症の人に対する
相談支援の手法に関する
調査研究事業 地域包括支援センターや
在宅介護支援センターにおける
認知症の人に対する
相談支援の手法に関する
調査研究事業 平成24年度厚生労働省補助事業
「老人保健健康増進等事業」
報告書
平成25年3月
報告書
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
は じ め に
地域包括支援センターや在宅介護支援センターでは、高齢者の介護サービスの利用をはじ
め権利擁護等に関わる多岐に及ぶ相談に対応している。今後、認知症高齢者が増加し、2025
年には470万人に達することが推計される中、認知症に関する相談の増加が予測され、その
対応が一層求められることとなる。また、近年の研究により認知症を発症する前の状態とし
て軽度認知障害(MCI)と呼ばれる状態があり、多くの方がこの状態から認知症に推移す
ることが明らかとなり、この状態での対応が認知症予防に重要であるとの認識が広がりつつ
ある。
そこで、全国社会福祉協議会では、全国地域包括・在宅介護支援センター協議会と協力
し、認知症に関する理解を深め、地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける認
知症やそのおそれのある方に対する相談への対応と、その後、必要に応じ行われる医療的ケ
アと並行して行われるフォーマル、インフォーマルの生活支援等に関する支援方法につい
て、一定の手法を明らかにすることを目的に、本調査研究事業を実施した。その手法を全国
のセンターで共有し実践することにより、認知症やそのおそれのある方、または、その家族
の方々等の利便につながると考えている。
ついては、本研究成果を参考にしていただき、それぞれの地域の認知症高齢者、および、
そのおそれのある方の早期発見・早期対応に取り組んでいただけることを期待申しあげる。
調査研究事業を実施するにあたって行った「認知症の方、または、認知症のおそれのある
方への対応に関する調査」にご協力いただいた、全国地域包括・在宅介護支援センター協議
会の会員センターの皆様、そして、その後実施した「訪問調査」にご協力をいただいた全国
6か所の地域包括・在宅介護支援センターの皆様に対しましては、年末・年始の業務ご多用
の中、貴重なお時間を割いてご協力いただきまして、深くお礼を申しあげます。
地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける認知症の人に対する
相談支援の手法に関する調査研究事業 検討委員会委員長
桜美林大学大学院教授 白澤 政和
1
C
O
N
T
E
N
T
S
目 次
はじめに
1
2
3
第1部
調査研究事業について………………………………………………… 4
第2部
認知症に対する理解について………………………………………… 6
第3部
「認知症、または、認知症のおそれのある方への対応に関する調査」
について…………………………………………………………………… 27
1 調査の概要…………………………………………………………………… 27
2 調査結果の詳細……………………………………………………………… 29
4
3 調査票………………………………………………………………………… 47
第4部
訪問調査について………………………………………………………… 50
A地域包括支援センター………………………………………………………… 51
B在宅介護支援センター………………………………………………………… 63
C在宅介護支援センター………………………………………………………… 75
D地域包括支援センター………………………………………………………… 84
E地域包括支援センター………………………………………………………… 99
5
6
F地域包括支援センター…………………………………………………………117
第5部
まとめ・提案…………………………………………………………… 126
参考〈本人情報の共有のためのシート(例)
〉
………………………… 136
3
1
第1部
調査研究事業について
1 趣旨
地域包括・在宅介護支援センター(以下「センター」と略す)では、高齢者の介護等に関
わる多岐に及ぶ相談に対応している。今後、認知症高齢者が増加し、2025年には470万人に
達することが推計される中、認知症に関する相談への対応が一層求められる。また、近年の
研究により認知症を発症する前の状態として軽度認知障害(MCI)と呼ばれる状態があ
り、この状態での対応が認知症予防に重要であるとの認識が広がりつつある。
そこで、全国社会福祉協議会では、全国地域包括・在宅介護支援センター協議会と協力
し、認知症に関する理解を深め、センターにおける認知症やそのおそれのある方に対する相
談への対応や、その後、必要に応じ行われる医療的ケアと並行して行われる生活支援等に関
する支援方法等について、一定の手法を明らかにし、それを全国のセンターで共有すること
により、利用者の利便を図るために本調査研究事業を実施した。
2 調査研究の概要
調査研究の内容として、まず、認知症やそのおそれのある方に対し特徴的な支援を行って
いるセンターに訪問調査を行い、認知症の方やそのおそれのある方の発見につながる相談・
支援の手法及び医療との連携について、更には、医療的なケアと並行して行われる生活支援
等の状況について明らかにした。
訪問調査を行うセンターを特定するにあたっては、全国地域包括・在宅介護支援センター
協議会において、会員センターに対し、認知症または認知症のおそれのある方に対しどのよ
うな対応を行っているか、その実態を把握するための調査を実施した。
訪問調査を行ったセンター6か所について、その選定理由を簡単に記してみると、以下の
とおりである。いずれのセンターも認知症の方への支援を推進しているセンターではある
が、実施主体により、それぞれ特徴がある。
A地域包括支援センター
社会福祉協議会の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携し
た支援を行っている。
B在宅介護支援センター
社会福祉法人が設置主体であり、法人内の他のサービスを利用した支援を行っている。
C在宅介護支援センター
医療法人が運営主体であり、医療連携が緊密に取れており、医療と居宅サービスとの連携
がスムーズに行われている。
4
D地域包括支援センター
社会福祉法人の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携を密
にとっている。
E地域包括支援センター
社会福祉協議会の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携を
密にとっている。
F地域包括支援センター
行政が地域包括ケアシステムの構築を積極的に進めており、医療との連携をはじめ認知症
への対応について、連携がとりやすい体制づくりを行っている。
3 報告書の構成
本報告書は、センターの職員が認知症に対する正しい認識のもと、寄せられる相談に適切
な対応を行うことができるよう作成したものである。ついては、
「第2部 認知症への理解
について」において、認知症に関する基本的な知識を整理したので、ご参照いただきたい。
続く「第3部 認知症の方、または、認知症のおそれのある方への対応に関する調査につい
て」「第4部 訪問調査について」では、全国のセンターで行われている認知症高齢者への
対応状況や具体的な支援についての実践内容等の調査結果を載せている。続く「第5部 ま
とめ・提案」では、訪問調査の結果をふまえ、センターの認知症に対する相談支援のポイン
トをまとめている。
5
2
第2部
認知症に対する理解について
【認知症とは?】
ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類 第10版/WHO)は認知症を以下の様に
定義している。
#生活に支障のある記憶と思考の障害:仕事や一人暮らしができなくなる
#エピソード記憶、特に近時記憶の障害:記憶が悪くなる、特に少し前のできごとを思い
出せない
#思考と判断力の障害:計画を立てて実行することができないなど
#注意集中の障害:注意を集中して仕事を持続することや、注意を分散して気配りし、幾
つかの仕事を同時に進めることができない
#意識清明:意識障害ではない
#6か月以上の障害継続:脳の器質障害(神経ネットワークが壊れて起こる病気)なの
で、一過性のものは認知症ではない
これをわかりやすく言うと、
「脳のある部分に生じた病変(病気)によって、わかる力
(認知)が低下し、自分のあたりまえの暮らしが困難になった状態」と言える。
(*参考資料
1)
認知症の診断基準
判断の障害
記憶
憶
障害
+
実行機能障害など
判断力の障害
計画や段取りを立て
られない
+
社会生活・対人関係に支障
器質病変等の存在/うつ病の否定
意識障害
なし
認
知
症
認知症サポート医養成研修資料から
参考資料1
American Psychiatric Association. Diagnostic and statistical manual
of mental disorders, 4th ed text revision (DSM-Ⅳ-TR)
6
加齢に伴うもの忘れと認知症のもの忘れは表1のように区別される。
表1
加齢に伴うもの忘れ
認知症のもの忘れ
体験の一部分を忘れる
全体を忘れる
記憶障害のみがみられる
記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある
もの忘れを自覚している
もの忘れの自覚に乏しい
探し物も努力して見つけようとする
探し物も誰かが盗ったということがある
見当識障害はみられない
見当識障害がみられる
取り繕いはみられない
しばしば取り繕いがみられる
日常生活に支障はない
日常生活に支障をきたす
きわめて徐々にしか進行しない
進行性である
また、1995年の東京都福祉局「高齢者の生活実態及び健康に関する調査・専門調査報告
書」では「家族が最初に気づいた認知症高齢者の日常生活の変化」を以下のようにまとめて
いる。家族がいないとこれらの変化は気づかれにくい。
・同じことを何回も言ったり聞いたりする
・財布を盗まれたと言う
・だらしなくなった
・いつも降りる駅なのに乗り過ごした
・夜中に急に起き出して騒いだ
・置き忘れやしまい忘れが目立つ
・計算の間違いが多くなった
・物の名前が出てこなくなった
・ささいなことで怒りっぽくなった
認知症の主体は認知機能の障害であり、中核症状とよばれている。さらに、それらの中核
症状に続発、併存して様々な精神症状あるいは行動上の障害がみられ、行動・心理症状
(BPSD)と呼ばれている。中核症状としては、さまざまな認知機能が障害され、記憶障害
を始めとして、判断力低下、見当識障害、失語、失行、失認などの症状がみられる。一方、
行動・心理症状(BPSD)としては、抑うつ、興奮、徘徊、睡眠障害、妄想などの症状がみ
られる。これらの症状は介護の上でも問題となるが、環境の調整、対応上の工夫、対症的な
薬物療法などで改善する可能性がある。
(*参考資料2)
7
認知症の中核症状と行動 心理症状(
認知症の中核症状と行動・心理症状(BPSD)
)
中核症状
BPSD
認知機能障害
•
•
•
•
•
思考 推理 判断 適応 問題解決
思考・推理・判断・適応・問題解決
ほか
ほか
実
• 行機能障害
失
•認
失
•行
言
• 語障害(失語)
見
• 当識障害
判
• 断力低下
記
• 憶障害
抑うつ
興奮
徘徊
睡眠障害
妄想
参考資料2
認知症サポート医養成研修資料から
8
【わが国における認知症高齢者の推計値】
これまで、日本の認知症高齢者の数は200万人前後と言われていたが、平成24年8月23日、
厚生労働省は、
要介護認定を受けた高齢者数から新たな推計値を発表した。平成22年(2010)
で「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数は280万人であった。平成24年
(2012)を推計すると、305万人となる。65歳以上の人口に占める割合は10%を超えることに
なる。しかし、筑波大学の朝田隆先生らの調査研究では、15%近い数字が推計された。
(*
参考資料3)
最新のわが国における認知症の有病率
新潟県 上越市
65歳以上人口53,171人
高齢化率26.2%
参加率53% 認知症有病率20.2%
15%に近い?
茨城県 利根町
65歳以上人口4,707人
高齢化率26.7%
参加率68%
認知症有病率14 0%
認知症有病率14.0%
あま
島根県 海士町
65歳以上人口924人
高齢化率38.0%
参加率 %
参加率76%
認知症有病率15.7%
佐賀県 伊万里市
黒川町
65歳以上人口554人
高齢化率30.7%
参加率79%
認知症有病率14.9%
愛知県 大府市
65歳以上人口14,515人
高齢化率17 2%
高齢化率17.2%
参加率60%
認知症有病率12.4%
大分県 杵築市
65歳以上人口10,102人
高齢化率30.9%
参加率53% 認知症有病率15.3%
認知症有病率15 3%
全国 6ヵ所(新潟県上越市、茨城県利根町、愛知県大府市、島根県海士町、
大分県杵築市、佐賀県伊万里市)で、65 歳以上住民約 5,000人を対象に調査。
参考資料3
朝田 隆:内科109(5),753-756,2012.
9
【認知症の原因疾患】
認知症を呈する代表的な疾患としてアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭
側頭葉変性症、血管性認知症がある。また、可逆性の疾患として甲状腺機能低下症、慢性硬
膜下血腫、正常圧水頭症、ビタミン欠乏症などがある。特に認知症を呈する可逆性の疾患は
初診時に検査を行い、鑑別する必要がある。
(*参考資料4)
認知症の原因疾患は
認知症の原因疾患は?
その他の認知症
アルツハイマー型認知症(50%)
DLB(10
DLB
(10%
%)
血管性認知症(20
血管性認知症
(20%
%)
最近はアルツハ
イマー型認知症
が半数といわれる
高齢化に伴ってアルツハイマー病が増加
廃用は全ての認知症の悪化因子
参考資料4
1 アルツハイマー型認知症(=アルツハイマー病としておく、Alzheimer disease:以下AD)
頻度:認知症の約5~6割を占める。65歳以降、5歳刻みで倍増し、85歳以上の高齢者の
約半数が罹患している。
症状:典型例では①記憶、ことに遅延再生の障害→②日時の失見当→③場所の失見当の順
にゆっくりと進行する。いわゆる「全般認知症」の病像を呈する。
はじめは単純なもの忘れである場合が大部分である。もの忘れは出来事全体をすっか
り忘れ、また「忘れているということを忘れる」という病態失認的態度が特徴である。
そして、もの忘れの進行とともにその他の認知機能にまで障害が及ぶ。さらに進むと、
日常の身の回りのことができなくなる。記憶されていた言葉が失われ、話が通じなくな
る。食事にも集中できず、介助が必要となる。動作・歩行が緩慢となり、姿勢が傾くこ
ともある。尿失禁や便失禁が増え、やがては立位や座位が保てなくなり、寝たきりが続
くと上下肢の関節が拘縮していく。さらに嚥下障害も生じる。
(*参考資料5、6)
10
アルツハイマー型認知症
参考資料5
ADの重症度/FAST
参考資料6
11
MCI(Mild Cognitive Impairment 軽度認知障害)について
MCIとは本人、もしくは周りの人からもの忘れがあると認識され、年齢に比し、記憶
力が低下している状態(1.5SD以下)と定義され、認知症ではないが、その一部がアル
ツハイマー型認知症などへ進展するとされている。
認知症発症の一歩手前とされ、①正常ではないが、認知症の基準を満たさない中間の
状態 ②身の回りのADL(basic-ADL)は保たれていて道具を使うADL(instrumentalADL)はわずかに障害される ③自身あるいは他者から示される認知機能低下の証拠が
あり、または/さらに、神経心理テストで以前より明らかに低下している。
病理学的変化と画像:側頭葉内側部の内嗅領皮質に始まるとされ、神経細胞脱落、老人
班、神経原線維変化を見る。アミロイドβ蛋白の沈着が原因とされる(アミロイド・カ
スケード仮説)
。
MRIでは比較的早い時期よりこの近傍の海馬の形態学的な萎縮がみられる。これをと
らえるには、冠状断画像がより有効であり認知症を疑う際にはこの条件での指示が必要
となる。高齢発症例では、側頭葉に比較的限局する脳萎縮を呈する例が多いが、初老期
発症の(狭義の)ADでは、脳萎縮は前頭葉側頭葉優位に全体におよぶことがある。特
に高齢者では正常者においても脳萎縮の個人差が大きいため、個々の症例での脳萎縮で
の判定は注意を要する。ADの初期診断においてはSPECT やPET のような機能画像が
より有用であるが、他の脳疾患の鑑別のために、少なくともCT やMRI のような形態
画像は必須である。
(*参考資料7、8)
12
アルツハイマー型認知症の病態
(アミロイド・カスケード仮説)
βアミロイド
アミロイド前駆蛋白
老人斑
神経細胞死
タウ蛋白
リン酸化タウ
神経原線維変化
認知症サポート医養成研修資料から
参考資料7
ADの画像
MRI
参考資料8
VSRAD Zスコア = 3.18
MRIの画像を基に脳の萎縮の
程度を数値化するソフト
SPECT eZIS
13
治療とケア:ざっと整理すると、①記憶障害などの認知機能障害に対しては抗認知症薬の
投与(現在4剤があり、その特徴によって使い分けることになる)
。②BPSDに対して
は、自尊心を大切にし、昼夜のリズムを整えることが優先されるが、
物盗られ妄想など
に対してリスペリドン等の非定型抗精神病薬の少量投与が効果的であることもある。初
期の抑うつに対してはSSRIやSNRIという抗うつ剤を併用することもある。③廃用症候
群の予防として通所系サービスの利用などの利用を検討する。しかし、実際には、AD
においては、その進行に伴う病期ごとの特徴があり、それに沿った対応が求められる。
(*参考資料9、10、11、12)
ADのステージと提供されるサービス
初期
中期
外
早期診断と早期介入
後期
終末期
死
訪問診療
来
BPSDと身体合併症への対応
終末期の看取り
地 域 包 括 支 援 セ ン タ ー
場合によって
専門医療機関
梶原診療所・
平原 佐斗司氏
提供を改変
フォーマルな
地域資源
診断
困難例
訪問介護
訪問看護
短期入所サービス
通所サービス
グループホーム・小規模多機能
等々
インフォーマルな地域資源(家族会・ボランティア等)
病院・特養などの入院・入所施設
参考資料9
14
AD病期別の特徴:初期
記銘力障害が前景に出る。体験したことを覚え
記銘
障害 前景
。体験
を覚
ていないだけでなく、自分が忘れたことも忘れて
しまう。また、出来ることと出来ないことの区別が
つかなくなる(病態失認的態度) その結果 忘
つかなくなる(病態失認的態度)。その結果、忘
れたことや出来ないことを認めないで自分でやろ
うとしたり 出来るのにひどく依存的になってしま
うとしたり、出来るのにひどく依存的になってしま
って、周囲と摩擦が起きる。さらに、本人は失敗
を重ね、挫折感・喪失感を味わうことが多い。自
尊心を大切に。
忘れること、出来ないことを責めない
参考資料10
AD病期別の特徴:中期
「動ける認知症」+「脱抑制」
=「動くので周囲が困惑する認知症」
妄想も多い
輝いていた頃の世界に生きる
複雑な動作は出来ない
何が出来るかのアセスメントが大切
参考資料11
15
AD病期別の特徴 後期 終末期
AD病期別の特徴:後期~終末期
パーキンソン症状やけいれん発作など
パ
キンソン症状やけいれん発作など
の身体症状が現れ、さらに進むと寝たき
りとなる
手足の随意運動は消え、顔の表情も
消え、大小便失禁、発語なし、嚥下障
害のため誤嚥性肺炎を繰り返す
寝たきりの人 の対応 口腔ケアが大切
寝たきりの人への対応・口腔ケアが大切
参考資料12
2 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:以下DLB)
頻度:認知症の約2割。近年ではADに次いで数が多いとされる。
症状:パーキンソン症状を伴う認知症で、認知機能の動揺が特徴で、ありありとした幻視
を訴えることが多い。抑うつ、不安、心気症状、REM睡眠行動障害などの精神症状、
便秘や起立性低血圧などの自律神経症状を伴う。DLBの運動症状や自律神経症状は早
く進行する。また、ADやVaD(血管性認知症)に比べて、DLBの認知機能障害の進行
は速い。DLB発症後の平均生存期間は10年未満であるが、発症から1、2年のうちに急
速に症状が悪化して死に至るDLBもある。
病理学的変化と画像:大脳皮質(前頭葉、側頭葉前部、帯状回、島回)にLewy小体が多
数出現。脳幹(黒質、青斑核、縫線核、迷走神経背側核)や間脳(視床下部、Meynert
核)にも出現する。
CT、MRIで側頭葉内側が保たれている。SPECT・PETでの後頭葉の取り込み低下、
MIBG心筋シンチグラムの異常が認められる。
(*参考資料13)
16
DLBの病理と画像
心筋
MIBG心筋シンチ
レビー小体
レビー小体
ビ
SPECT
後頭葉① 頭頂側頭連合野②
参考資料13
治療とケア:幻視などのBPSDに対してアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の投与が推奨
されている(保険適応外)
。また作業療法などのアクティビティ介入時には、①認知機
能の変動に合わせる。②視覚認知に関係が深い活動はひかえる。③パーキンソニズムも
考慮し、じっくり待つ姿勢が求められる。認知機能が低下している時に、アクティビテ
ィによる介入を行っても効果が少なく、立位や体の移動を求めるものは転倒の危険性が
あることを忘れてはならない。介護上でも、歩行障害・起立性低血圧・意識消失・注意
障害・視覚認知障害などに伴う転倒には充分注意しなければならない。
3 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:以下FTD)
FTDの 概 念 は 複 雑 で あ り、 こ こ で は 前 頭 側 頭 葉 変 性 症(frontotemporal lobar
degeneration:以下FTLD)の一臨床亜系としての狭義のFTDについて触れる。FTLDには、
他にも進行性非流暢性失語、意味性認知症の様なFTDとは別の臨床像をもつ疾患も含まれ
ている。(*参考資料14)
17
前頭側頭葉変性症の
臨床的分類
前頭側頭葉変性症
Frontotemporal lobar degeneration
(FTLD)
前頭側頭型認知症
Frontotemporal dementia
(FTD)
進行性非流暢性失語
Progressive nonfluent aphasia
(PA)
意味性認知症
Semantic dementia
(SD)
Pick型
運動ニューロン疾患型
前頭葉変性型
参考資料14
頻度:数は決して多くないが、若年性認知症の原因疾患として重要である。
症状:家族や周囲の出来事を意に介さない、周囲の人に気を遣わない、仕事をしなくな
り、自身の変化や障害に対する病識は失われるといった、
「人格の変容」と「行動異常」
を特徴とする。初期には、脱抑制を中心とする性格の変化や同じ行為を繰り返す常同行
動が目立つが、認知機能の障害は軽い。中期には帯続言語、失語などの言語機能の障
害、自発性の障害、思考怠惰と呼ばれる特有な接触障害が目立つようになるが、記憶力
は意外と保たれている。末期に至ると精神荒廃が著しく、無言、不潔が目立ち、運動系
では痙縮、原始反射などが出現し、ついには寝たきりとなる。
病理学的変化と画像:どのようにしてFTLDになるかはわかっていない。ただし、いくつ
かのタイプがこの病気にはあることがわかってきている。一つはピック球という異常構
造物が神経細胞の中にたまるタイプ。あと最近わかったものとしてTDP-43という蛋白
がたまるタイプなどがある。このようにいくつか異なる原因があると考えられる。有名
なピック病は、ピック(嗜銀)球を伴うFTLDの一種で、臨床診断名ではなく神経病理
学的病名といえる。
FTDにおいては脳MRIで前頭葉、側頭葉前半部の萎縮を確認したり、脳血流SPECT
やPETなどで同部位の血流と代謝の低下を確認したりすることで診断を裏付けること
ができる。
(*参考資料15)
18
FTDの病理と画像
ピック球
MRI
SPECT
参考資料15
治療とケア:ケアでは、被影響性の亢進や常同行動を活用するような逆転の発想が有効で
ある。常同行動を利用した作業療法(ルーティン化療法)も開発されつつある。また、
この常同行動をさえぎるような行為をすると、さえぎった人に対して暴力を振るう場合
もあるので、施設などにおいては、利用者間の動きに注意を払う必要がある。
〇保たれている機能の強化
・行為自体の崩れがない
・エピソード記憶・手続き記憶が保たれている
〇常同行動への対応・変容
・適応的・時刻表的行動パターンの形成
・毎日の通所系サービスでの個別対応等
・常同行動を遮らない(いつもの椅子・いつものコース等の環境整備)
・常同行動や食行動異常などに対するSSRIの投与(保険適応外)
4 血管性認知症(vascular dementia:以下VaD)
頻度:認知症の約2割。脳血管障害に関連して出現した認知症を総称する。
症状:障害部位により症状が異なる。進行はしばしば急で、多くは脳梗塞発作のたびに
「階段状」に病状悪化する。健常部位の脳の機能は保たれ「まだら認知症」の病像を呈
19
する。進行のしかたは様々で、小さな脳梗塞を繰り返しているような場合は発作のたび
に一段と悪化していく。梗塞の再発がなかったり、脳循環が安定していたりする場合は
症状も安定し、長く同じような状態が続くことが多い。血管性認知症では多くの例で神
経症状を伴う。脳梗塞から来る片麻痺の他、言語障害や嚥下障害を最初から起こすこと
が多い。食事のむせから、誤嚥性肺炎を起こしやすい。錐体外路障害により、足取りが
小股になり、わずかな段差でも転びやすくなる。これらの神経症状の程度が予後に影響
し、誤嚥性肺炎・寝たきり・床ずれなどの合併症が生じやすく、全経過の長さを左右す
る。
病理学的変化と画像:脳梗塞を原因とするものが一番多い。頭部CTやMRIを行うと、大
きな梗塞がある場合、小さな脳梗塞がたくさんある場合(多発性ラクナ梗塞型)
、大脳
白質に広範な虚血性変化のある場合(Binswanger型)
、脳の中の特に認知機能に重要な
役割を持つ部分(前頭葉、側頭葉、後頭葉、視床、海馬など)に梗塞がある場合などが
ある。(*参考資料16)
VaDの画像
CT
MRI
参考資料16
治療とケア:VaDでは、血管障害(動脈硬化など)を引き起こす危険因子(喫煙、大酒、
高血圧症、糖尿病、高脂血症、痛風など)の管理を行い、脳梗塞の発症を予防すること
も重要となる。主症状である自発性の低下に関しては、デイケアやデイサービスの積極
的な利用を行い、廃用症候群を防止する必要がある。意欲の低下が前景に立ち、徘徊や
20
妄想など目立たない場合が多く、忙しい介護の現場ではしばしば放置される傾向がある
点に注意しなければならない。また、語りかけや指示に対する反応が遅いことも多いの
で、反応が返ってくるまでじっくり待つ必要がある。そういう意味で、man to manの
対応を要することも多い。薬物では、意欲の低下が目立つ初期の場合には脳循環改善薬
や脳代謝改善薬(ドパミン系を賦活するアマンタジン)が効果的な場合もある。
【BPSDへの対応】
BPSDは、Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia の略で「認知症の行動
と心理症状」と邦訳されるが、この概念が提唱されて10年以上が経ち、今では、欧米はもと
より、日本でも略語のBPSDで通用するようになりつつある。このBPSDを認知症の経過中
に認める頻度は60~80%と言われ、きわめて高い。またBPSDは、認知機能の低下や、本人
の性格や、それを取り巻く環境等から二次的に派生するというように考えられ、BPSDに対
しての非薬物的アプローチの根拠ともなっている。しかしBPSDの中には、認知症の原因疾
患に特有なもの(DLBの幻視やFTDの常同行動など)もあって、
『二次的に・・・』という
考え方が通用せずに、きわめて医療的なアプローチ(薬物治療)が必要とされる場合もあ
る。
つまりBPSDは「医療とケアの接点」ともいうべき位置にあり、いわゆる多職種協働(チ
ームアプローチ)の場ともいえる。さらに、認知症の原因にはADを含め、様々な変性疾患
があるが、そのほとんどはまだ治らない。しかし、医療もケアも認知症に伴う『生活のしづ
らさ』に焦点を当てて、ご本人とそのご家族の『生活のしづらさ』の改善を目指すことを目
的にすれば、医療やケアのアプローチの方法はたくさんある。医療はご本人のからだと脳の
健康に焦点を当て、ケアは環境やその人の生活や人生に焦点を当てるという役割分担をもと
にした多職種協働が求められている。
(*参考資料17)
認知症と一言でいっても、①原因疾患、②病期(重症度)
、③発病年齢などで多様な
BPSDを示す。さらに、認知症と異なる、せん妄やうつ病といった回復可能な病態が重なる
こともある。これからの認知症のケアには、このような認知症の多様な病態を理解すること
が求められる。症状に対応したケアに加えて、病態、病期に沿ったケアを加えることで、さ
らなるケアの向上が期待される。しかし、ケアにおける基本として、本人の個別性を尊重
し、自らの状態に対して漠然と抱いている不安を軽減させるような、安全に暮らせる環境を
模索する必要があることは言うまでもない。また失敗を責めない周囲の態度も大切であり、
加えて身体面の健康管理、とりわけ、食事・飲水、排便、睡眠の管理。これらのことは必ず
BPSDの予防や改善に役立つ。
21
認知症による生活のしづらさ
認知機能低下
生活
脳組織の障害
生活のしづらさ
障害
BPSD
身体不調
栄養不良・便秘
心肺・感染症等
の疾患
医療モデル的視点
参考資料17
環境やケア
閉じこもり
個人因子
放置
個人の性格
その他
生活史
その他
と
生活モデル的視点
いまだ、治癒することの少ない認知症だから
ご本人の生活のしづらさを多職種協働で支える
Wells CE, 1977 を改変
【BPSDに対する医療再考】
しかし現実には、医療的なアプローチ一つをとっても、薬物治療が必要だが医療を受けて
いないケース、受診をするが適切な医療を受けられないケース、適切な医療にまではたどり
着いたがその継続が難しいケース等が存在し、BPSD対応がうまくいっているとはいえない
(表2)。
表2
① 医療が必要だが医療を受けていない
1)家族・介護スタッフが気づかない
2)気づいても医療機関に連れて行けない(本人の受診拒否等)
3)連れて行っても医師に見逃される(
「認知症だから治らない」)
② 受診するが適切な医療を受けられない
1)かかりつけ医の不適切薬物投与
・知識不足による過少/過剰薬物投与
・外来における情報収集不足・家族の治療イメージとのずれ
2)専門医等の不適切薬物投与
・高齢者医療を知らないが故の過剰薬物投与
・外来における情報収集不足・家族の治療イメージとのずれ
22
また、BPSDへの対応をする場合に、
「誰のために治療(投薬)するのか?」
「ケアや治療
のゴールはどこにあるのか?」を常に考えておかなければならない。BPSDに対する治療の
目的は、直接的には介護者の負担軽減であることが多い。たいていの介護者はBPSDのため
に疲弊しきっている。そのために本人の在宅での生活に終止符が打たれることもたびたびあ
る。もちろん介護者に気持ちの余裕ができれば、本人への対応が受容的となり、本人の不安
や戸惑いは軽減する。認知症の人にとって、身体の状況と脳の働きや心との壁が薄いととも
に、介護者の対応を含めた環境と脳の働きや心との壁も薄いので、その効果は大きなものが
ある。
一方、《妄想》
《幻覚》
《焦燥》
《抑うつ》といった症状についていえば、本人自身もつらい
に違いない。もちろん妄想や幻覚に関していえば、病識がないことが多いから、本人自身が
進んで服薬するといったことは少ないかも知れないが、それでも服薬に至り、効果あって症
状が治まれば、本人は楽になる。そしてQOLはあがることとなる。こういう直接的な介入
効果も薬物治療にはある。そして、認知症のケアや治療のゴールを『生活のしづらさ』の改
善としたときに、薬物治療はその『生活のしづらさ』の改善に寄与すると思われる。そうし
た意味でも、薬物投与による副作用のモニタリングは欠かせない。薬物の過剰投与や不適切
投与が逆に『生活のしづらさ』を助長することもあるからである。
【認知症の人を支える地域づくり】
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域を実現するため、医療や介護の
公的な保険サービスに加え、住民の自発的な活動などインフォーマルなサービスも含めて、
必要なときに必要なサービスを誰もが継続的に利用できることを目指す仕組みが『地域包括
ケアシステム』である。平成24年度からスタートした第5期介護保険事業計画の期間は、地
域包括ケアシステムを構築するため、以下のような取り組みを重点的に強化していく開始時
点ともされている。
(*参考資料18)
23
地域包括ケアシステム
~ 人口1万人規模の場合 ~
認知症サポート医養成研修資料から
どこに住んでいても、その人にとって適切な
医療・介護サービスが受けられる社会へ
病院から
退院したら
医療
通院
通い
介護
訪問介護
在宅医療
住まい
在宅医療等
・看護
訪問看護
(1日あたり
17 ⇒ 29人分)
訪問看護
自宅・ケア付き高齢者住宅
(1日あたり
31 ⇒ 人51分)
※地域包括ケアは、
人口1万人程度の
中学校区を単位
として想定
参考資料18
グル プホ ム
グループホーム
(17 ⇒ 37人分)
小規模多機能
(0.22 ⇒ 2ヵ所)
デイサ ビス など
デイサービス
介護人材
(219 ⇒ 364
~383人)
24時間対応の定期
巡回・随時対応
サービス(15人分)
生活支援・介護予防
老人クラブ・自治会・介護予防・生活支援 等
厚労省資料を一部改変
⇒自助・互助
※数字は現状は2012年、目標は2025年
1 認知症支援の充実
・地域密着型サービスの強化・成年後見人の育成など権利擁護の推進
2 医療との連携
・在宅要介護者に対する医療の確保・他制度、多職種のチームケアの推進
・入院時、退院時の医療と介護の連携強化
3 高齢者の住居に係る施策との連携
・24時間対応の訪問サービス、小規模多機能型サービスの充実
・サービス付き高齢者住宅の充実
4 介護予防、重度化予防の推進
・自立した高齢者の社会参加の活発化を支援
・生活期のリハビリテーションの充実など
そして、高齢者が急性疾患で病院への入院を余儀なくされ、退院するときに、地域に直接
戻れるような流れが『地域包括ケアシステム』には求められている。
一方、認知症の人にとって、住み慣れた地域での生活を保つことが、その心身の安定のた
めに求められているが、
『地域包括ケアシステム』はその点でも有用と言える。ところで、
認知症の人やその家族の暮らしを支える医療・介護・地域のサービスは、各市町村におい
て、多方面にわたって展開されているが、認知症の人のその時々の状態やニーズに適切に対
24
応していくためには、各サービスが有機的に連携し、効果的な支援を行っていく必要がある
ことは言うまでもない。
(*参考資料19)
認知症の人への支援体制
~医療・介護・地域の連携~
医療 介護 地域の連携
認知症の方やその家族の暮らしを支えるサービスは多方面にわたって展開されている
本人・家族
医 療
(適切な医療の提供)
相談 実施
○もの忘れ相談の実施
○かかりつけ医、サポート医
による適切な医療や介護
サービスへのつなぎ
○認知症疾患医療センター
知症疾患 療
等の専門医療機関による
確定診断
等
地 域
介 護
(専門的なケアやサービスの
談 提供)
相談と提供)
○認知症予防のための地域
支援事業
○本人の状態に合わせた介護
サービス
サ
ビス
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症グループホーム 等
(本人の権利擁護や見守り、
家族支援)
○ 認知症サポーター等による
見守り
○ 見守り、配食などの生活支援
サービスや権利擁護などの
地域支援事業の活用
○ 市民後見人の育成及び活用
市民後見人 育成 び活
○ 認知症の方やその家族に対
する支援団体による電話相
談や交流会の実施
等
市町村は必要な介護サービスを確保するとともに、それぞれの分野の活動支援、推進を図る
参考資料19
認知症サポート医養成研修資料から
さらに国は、
『地域包括ケアシステム』を認知症の人とその家族の支援により有効なもの
とするために、今までの認知症の医療とケアを総括し、平成24年6月18日、
『今後の認知症
施策の方向性について』を発表、さらに同年9月5日、
「認知症施策推進5か年計画(オレ
ンジプラン)
」を取りまとめた。これは、認知症の人とその家族を支えるための『地域包括
ケアシステム』を作る計画とも言えるが、その中で、認知症の「早期診断・早期介入」が求
められており、とりわけ、
「認知症初期集中支援チームの設置」
「身近型認知症疾患医療セン
ターの整備」は目を引く。それらには認知症の人に対する相談支援の手法が重要であり、本
調査研究が、そのための一助となれば幸いである。
(*参考資料20、21)
25
「認知症になっても地域生活を継続できる社会」を理念に、認知症は病院や施設を
利用せざるを得ないという考え方を否定。このため従来の流れも否定し、標準的な
認知症ケアパスの構築を目標とするとしている。そして、7つの視点からの取組を
挙げている。
挙げている
1.標準的な認知症ケアパスの作成・普及
2.早期診断・早期対応
2012年6月18日
かかりつけ医の認知症対応力の向上
厚生労働省発表
認知症初期集中支援チームの設置
アセスメントツールの検討・普及
身近型認知症疾患医療センターの整備
身近型認知症疾患医療センタ
の整備
ケアプラン作成体制の整備
3.地域での生活を支える医療サービスの構築
認知症の薬物治療ガイドライン策定
一般病院での認知症の手術、処置等の実施の確保
般病院での認知症の手術 処置等の実施の確保
一般病院での認知症対応力の向上
精神科病院入院が必要な状態像の明確化
精神科病院からの退院・在宅復帰の支援
4.地域での生活を支える介護サービスの構築
医療・介護サービスの連携
認知症にふさわしい介護サービスの整備
グル プホ ム活用
グループホーム活用
在宅生活困難の場合の介護保険施設
介護保険施設等での認知症対応力向上
参考資料20
『今後の認知症施策の
方向性について』
5.地域での日常生活・家族の支援の強化
5
地域での日常生活・家族の支援の強化
介護予防
認知症地域支援推進員の設置
互助組織等への支援
認知症サポーターキャラバン
症 ポ
権利擁護推進
市民後見人育成と活動支援
家族支援
6.若年性認知症施策の強化
ハンドブック作成
居場所づくり
ニ ズ把握
ニーズ把握
就労支援
7.医療・介護サービスを担う人材の育成
認知症ライフサポ ト デルの策定
認知症ライフサポートモデルの策定
医療・介護従事者への研修 ほか
参考資料21
26
自助 互助
自助・互助
3
第3部
「認知症、または、認知症のおそれの
ある方への対応に関する調査」について
本事業を実施するにあたり、まず、認知症やそのおそれのある方に対し特徴的な支援を行
っているセンターを全国から選び出す作業が必要であったため、全国地域包括・在宅介護支
援センター協議会の会員センターを対象に、認知症の方への対応件数や対応内容、医療機関
との連携等について、実態把握を目的に調査を実施した。
調査結果は29ページ以降に掲載しているが、この結果をふまえ訪問調査を行う6センター
を選定した。
この調査結果から、全国のセンターにおける認知症の方への対応の状況が見て取れる。回
答のあったほとんどのセンターにおいて認知症の方への対応を行っており、必要に応じ、医
療機関に連絡する等の連携を図っている。連絡方法については、口頭で行っているという回
答が多くを占めたが、独自または既存の連絡票を用いて連絡しているという回答もあった。
認知症の方への対応は、医療機関の受診で終わることなく、その後のその方へのケアマネ
ジメントやそれに留まらない様々な生活支援が重要であることが分かる。この調査結果を貴
センターにおける今後の支援の参考にしていただきたい。
1 調査の概要
⑴ 調査実施の目的
本調査は、①会員センターの認知症の方への対応状況を把握し、②その後、実施すること
としている「訪問調査」を行う対象センターを選定することを目的に実施した。
⑵ 調査対象
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会の会員センター 3,500箇所
⑶ 調査方法と回収状況
調査方法:調査票を対象の各センターへ郵送、自記入式にて回答し、返送は回答用紙のみ
をファックスにて返信。
調査期間:平成24年10月25日㈭~11月21日㈬
27
<回収状況>
対象数
回収数
回収率
有効回収数
有効回収率
3,500か所
1,119件
32.0%
1,118件
31.9%
※無効票(1件)は、施設名、電話番号等全て未記入のため、対象が特
定できない調査票
<対象の区分>
地域包括支援センター
在宅介護支援センター
計
有効回収数
708件
410件
1,118件
全有効回収数に対する割合
63.3%
36.7%
100.0%
⑷ 調査項目
① 認知症の方、または、そのおそれのある方への支援の有無について
② 支援対象者の発見について
③ 医療機関への連絡について
④ 継続した支援について
⑤ 地域ケア会議での対応等について
⑸ 報告書利用上の留意点
・回答者数について
図表中の「n」は、各設問に該当する回答者の総数であり、回答率(%)の母数をあら
わしている。
・図表の単位について
本報告書に掲載した図表の単位は、特にことわりのない限り「%」
(回答率)をあらわ
している。
また、回答率は小数点第2位を四捨五入して掲載しているため、合計が100%にならな
い場合がある。
図表中の「-」は回答者が皆無のもの、
「0.0」は回答者の割合が0.05%未満のため四捨五
入の結果0.0%となったものである。
・図表における選択肢等の記載について
図表の記載にあたっては、調査票の選択肢等の文言を一部簡略化している場合がある。
・単純集計について
単純集計のグラフにおいては、傾向をよりわかりやすくするために、選択肢を回答率
(%)の高いものから低いものへと並び換えて表示している場合がある。
28
2 調査結果の詳細
⑴ 認知症の方、または、そのおそれのある方への支援の有無について
① 期間内の認知症の方、または、そのおそれのある方への支援の有無
問1.貴支援センターでは、平成23年4月~24年9月末時点において、認知症の方、
または、認知症のおそれのある方の支援をしましたか。
認知症の方、または、そのおそれのある方への支援の有無について聞いたところ、全体
では99.1%が支援したと回答している。また、地域包括支援センターは100%が支援したと
回答し、在宅介護支援センターは97.6%が支援したと回答している。
期間内の認知症の方、おそれのある方への支援の有無
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29
② 支援した件数
支援を行った件数を聞いたところ、支援した件数は、全体では「11~100件」
(44.9%)
が最も多く、次いで「101件~500件」
(15.6%)となっている。
センター別では、地域包括支援センターの場合は「11~100件」
(48.7%)が最も多く、
次いで「101~500件」
(20.9%)となっている。
在宅介護支援センターの場合は「11~100件」
(38.0%)が最も多く、次いで「5件以下」
(25.5%)となっている。
支援を行った件数(件数、構成比)
調査数
全体
()内%
0件
1,108(100.0)
地域包括支援センター
708(100.0)
在宅介護支援センター
400(100.0)
1 (0.1)
-
5件以下
6~10件
137(12.4)
116(10.5)
497(44.9)
173 (15.6)
37 (3.3)
147(13.3)
35 (4.9)
48 (6.8)
345(48.7)
148 (20.9)
31 (4.4)
101(14.3)
102(25.5)
68(17.0)
152(38.0)
25 (6.3)
6 (1.5)
46(11.5)
-
1 (0.3)
11~100件 101~500件 501件以上
支援を行った件数(センター別)
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30
無回答
⑵ 支援対象者の発見について
① 支援にいたった契機(複数回答)
問2.支援にいたった契機については、様々な場合があるかと思われますが、該当する
もの全てを下記からお選びください。
(複数回答)
支援にいたった契機を聞いたところ、支援にいたった契機は、全体では「連絡(相談)
が支援センターに入った」
(94.7%)が最も多く、次いで「支援センターの事業を通じて関
係者から情報が入った」
(44.1%)となっている。
センター別では、地域包括支援センターの場合は「連絡(相談)が支援センターに入っ
た」
(97.9%)が最も多く、次いで「支援センターの事業を通じて関係者から情報が入っ
た」(49.9%)となっている。
在宅介護支援センターの場合は「連絡(相談)が支援センターに入った」
(89.0%)が最
も多く、次いで「支援センターの事業を通じて関係者から情報が入った」
(33.8%)となっ
ている。
センター間の差が最も大きいのは「支援センターの事業を通じて関係者から連絡が入っ
た」で、地域包括支援センターが在宅介護支援センターを16.1ポイント上回っている。
支援にいたった契機(複数回答、センター別)
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31
② 連絡(相談)元(複数回答)
(問2で「1.連絡(相談)が支援センターに入った」と答えた方のみ)
問2.1 誰からですか
連絡(相談)元を聞いたところ、連絡(相談)元は、全体では「家族・親族から」
(91.1%)が最も多く、次いで「関係機関から」
(80.5%)となっている。
支援センターごとでは、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「家族・
親族から」(それぞれ96.0%、81.7%)が最も多く、次いで「関係機関から」
(それぞれ
84.6%、72.7%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「地域住民から」で地域包括支援センターが在宅介護
支援センターを32.5ポイント上回っている。
連絡(相談)元(複数回答、センター別)
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32
③ 調査の実施主体(複数回答)
(問2で「3.地域住民を対象とした調査から発見された」と答えた方のみ)
問2.3 調査の実施主体は
調査の実施主体を聞いたところ、調査の実施主体は、全体では「自治体が実施」
(45.5%)
が最も多く、次いで「支援センターが実施」
(43.2%)となっている。
センター別では、地域包括支援センターの場合は「自治体が実施」
(48.8%)が最も多
く、次いで「支援センターが実施」
(38.1%)となっている。
在宅介護支援センターの場合は「支援センターが実施」
(58.5%)が最も多く、次いで
「自治体が実施」
(35.8%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「支援センターが実施」で、在宅介護支援センターが
地域包括支援センターを20.4ポイント上回っている。
調査の実施主体(複数回答、センター別)
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33
⑶ 医療機関への連絡について
① 連絡(相談)を受けた際の、医療機関への連絡状況
問3.認知症の方、または、認知症のおそれのある方について連絡(相談)を受けた
際、医療機関に連絡していますか。
連絡(相談)を受けた際の、医療機関への連絡状況を聞いたところ、連絡状況は、全体
では≪連絡している≫(計)は80.8%、
「していない」は17.6%となっている。
センター別では≪連絡している≫(計)は、地域包括支援センターは91.6%、在宅介護
支援センターは61.7%となっており、地域包括支援センターの方が30.1ポイント上回って
いる。
支援件数ごとでは、≪連絡している≫(計)の割合は「501件以上」
(94.6%)が最も多
く、次いで「101~500件」
(90.8%)となっている。
医療機関に連絡しているか(センター、支援を行った件数別)
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34
㻡㻚㻠
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② 医療機関への連絡方法
(問3で「1.必ずしている」
「2.ケースに応じてしている」と回答した方のみ)
問4.医療機関への連絡について、どのように行いましたか、該当するもの全てを下記
からお選びください。
(複数回答)
医療機関への連絡方法を聞いたところ、連絡方法は、全体では「口頭で電話連絡した」
(77.4%)が最も多く、次いで「医療機関への受診に同行して相談した」
(63.6%)となって
いる。
センター別では、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「口頭で電話連
絡した」
(それぞれ80.4%、69.5%)が最も多く、次いで「医療機関への受診に同行して相
談した」(それぞれ68.0%、52.0%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「医療機関への受診に同行して相談した」で、地域包
括支援センターが在宅介護支援センターを16.0ポイント上回っている。
医療機関への連絡方法(複数回答、センター別)
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35
支援を行った件数ごとでは、
「5件以下」と「6~10件」では選択肢それぞれの回答率は
全体と比べて少ない。
「101~500件」と「500件以上」では選択肢それぞれの回答率は全体よ
りも多い。
件数にかかわらず連絡方法の割合は「口頭で電話連絡した」が最も多く、次いで「医療機
関への受診に同行して相談した」となっている。
医療機関への連絡方法(複数回答、支援を行った件数別)
無回答
その他
医 療 機 関 が 出 席 す る「地域ケア
会議」等で相談した
医療機関への受診に同行して相
談した
口頭で電話連絡した
既 定 の 情 報 シ ー ト で は な い が、
書面により医療機関に伝達した
既定の情報提供シートにより医
療機関に伝達した
調査数
全体
()内%
895(100.0)
231(25.8)
260(29.1)
693(77.4)
569(63.6)
107(12.0)
76(8.5)
2(0.2)
5件以下
83(100.0)
15(18.1)
9(10.8)
55(66.3)
34(41.0)
7 (8.4)
7(8.4)
1(1.2)
6~10件
75(100.0)
14(18.7)
12(16.0)
51(68.0)
31(41.3)
9(12.0)
6(8.0)
11~100件
435(100.0)
111(25.5)
119(27.4)
333(76.6)
292(67.1)
45(10.3)
40(9.2)
101~500件
157(100.0)
48(30.6)
64(40.8)
131(83.4)
116(73.9)
27(17.2)
14(8.9)
- -
501件以上
35(100.0)
14(40.0)
16(45.7)
31(88.6)
26(74.3)
7(20.0)
2(5.7)
- -
医療機関への連絡方法(複数回答、医療機関への連絡状況別)
1(0.2)
()内%
無回答
その他
医 療 機関が 出 席する「 地 域ケア
会議」等で相談した
医療機関への受診に同行して相
談した
口頭で電話連絡した
既 定 の 情 報 シ ー ト で は な い が、
てしている
書面により医療機関に伝達した
ケースに応じ
既定の情報提供シートにより医
必ずしている
療機関に伝達した
調査数
全体
- -
895(100.0)
231(25.8)
260(29.1)
693(77.4)
569(63.6)
107(12.0)
76 (8.5)
2(0.2)
10(100.0)
2(20.0)
3(30.0)
8(80.0)
5(50.0)
3(30.0)
1(10.0)
-
885(100.0)
229(25.9)
257(29.0)
685(77.4)
564(63.7)
104(11.8)
75 (8.5)
2(0.2)
36
③ 情報提供シートの作成元
(問4で「1.既定の情報提供シートにより医療機関に伝達した」と回答した方のみ)
問4.1どこで作成したものですか
情報提供シートの作成元を聞いたところ、作成元は、全体では「他機関が作成したも
の」(58.4%)が多く、次いで「支援センター独自のもの」
(37.2%)となっている。
センター別では、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「他機関が作成
したもの」
(それぞれ61.6%、49.2%)が多い。
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情報提供シートの作成元(センター別)
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㻠㻥㻚㻞
37
㻠㻚㻟
㻟㻚㻡
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④ 伝達した情報(複数回答)
(問3で「1.必ずしている」
「2.ケースに応じてしている」と回答した方のみ)
問5.どのような情報を伝達しましたか。
(本人の名前・性別・年齢・住所以外:複数
回答)
伝達した情報について聞いたところ、伝達した情報は、全体では「認知機能障害の内
容」(88.2%)が最も多く、次いで「生活機能障害の内容」
(84.6%)となっている。
センター別では、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「認知機能障害
の内容」(それぞれ89.4%、85.0%)が最も多く、次いで「生活機能障害の内容」
(それぞれ
86.9%、78.5%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「要介護度」で、地域包括支援センターが在宅介護支
援センターを15.9ポイント上回っている。
伝達した情報(複数回答、センター別)
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↓ᅇ⟅
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38
⑷ 継続した支援について
① 医療機関に連絡後、継続して支援しているケースの有無
(問3で「1.必ずしている」
「2.ケースに応じてしている」と回答した方のみ)
問6.医療機関に連絡後、継続して支援しているケースはありますか。
医療機関に連絡後、継続して支援しているケースの有無を聞いたところ、ケースの有無
は、全体では「ケースはある」
(76.1%)が多い。
センター別では、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「ケースはある」
(それぞれ81.8%、61.0%)が多い。
「ケースはある」の割合は、地域包括支援センターが在宅介護支援センターを20.8ポイン
ト上回っている。
↓ᅇ⟅
合呎吐叐友厦
合呎吐叐厤召
継続して支援しているケースの有無(センター別)
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㻤㻝㻚㻤
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㻝㻢㻚㻢
㻝㻚㻡
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㻢㻝㻚㻜
㻟㻣㻚㻠
㻝㻚㻢
39
② 継続支援件数
※継続支援件数について聞いたところ、概ね0~10件という回答が多かった(60.4%)
ため、便宜的に0~5件については1件ごと、以下、6~10件、11~30件、31~50
件、51~100件、101件以上、無回答のくくりで集計を行った。
継続支援件数(支援センター別)
()内%
調査数 0件 1件 2件 3件 4件 5件 6から10件 11から30件 31から50件 51から100件 101件以上 無回答
数値
全体
684
3
88
80
62
32
53
95
92
(%)(100.0)(0.4)
(12.9)
(11.7)
(9.1)(4.7)(7.7) (13.9) (13.5)
地域包括支援センター
在宅介護支援センター
数値
532
1
56
59
41
27
43
72
152
2
32
21
21
5
10
19
10
135
(2.8)
(1.5)
(19.7)
79
(%)(100.0)(0.2)
(10.5)
(11.1)
(7.7)(5.1)(8.1) (13.5) (14.8)
数値
15
(2.2)
23
(%)(100.0)(1.3)
(21.1)
(13.8)
(13.8)
(3.3)(6.6) (15.1)
12
12
8
122
(2.3)
(2.3)
(1.5)
(22.9)
13
3
7
2
13
(8.6)
(2.0)
(4.6)
(1.3)
(8.6)
継続支援件数(センター別)
㻜
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㻝㻜
㻢㻞
㻠㻝
㻞㻝
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㻡㻥
㻞㻝
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㻝㻜
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ᅾᏯ௓ㆤᨭ᥼䝉䞁䝍䞊㻌㼚㻩㻔㻝㻡㻞㻕㻌㻌
40
③ 主な支援内容
(問6で「1.ある」と回答した方のみ)
問7.どのような支援を行っていますか。主な支援の内容をお書きください。
主な支援の内容を聞いたところ、
「ケアマネジメント業務・ケアマネジャーへの支援」
(61.6%)が最も多く、次いで「訪問・安否確認」
(25.8%)
、
「見守り」
(25.2%)となって
いる。
主な支援の内容(複数回答、センター別)
地域包括支援センター 在宅介護支援センター
項目
件数
構成比
件数
構成比
件数
調査数(計)
648
ケアマネジメント業務・ケアマネジャーへの支援
399
61.6%
315
62.9%
84
57.1%
訪問・安否確認
167
25.8%
114
22.8%
53
36.1%
見守り
163
25.2%
122
24.4%
41
27.9%
家族への支援・連携
117
18.1%
87
17.4%
30
20.4%
医療機関への情報提供・連携
115
17.7%
84
16.8%
31
21.1%
地域住民・民生委員との調整・連絡
103
15.9%
83
16.6%
20
13.6%
成年後見制度の支援
74
11.4%
66
13.2%
8
5.4%
状況確認
70
10.8%
46
9.2%
24
16.3%
相談対応
56
8.6%
38
7.6%
18
12.2%
介護サービスの利用支援
51
7.9%
35
7.0%
16
10.9%
日常生活支援
48
7.4%
35
7.0%
13
8.8%
受診同行
46
7.1%
36
7.2%
10
6.8%
介護者への支援
45
6.9%
37
7.4%
8
5.4%
本人・家族への情報提供
41
6.3%
30
6.0%
11
7.5%
情報の把握(受診歴、相続の有無など)
15
2.3%
12
2.4%
3
2.0%
地域関連機関との連携
14
2.2%
12
2.4%
2
1.4%
家族(別居)への連絡
11
1.7%
6
1.2%
5
3.4%
2
0.3%
1
0.2%
1
0.7%
警察への情報提供・連携
501
構成比
147
※調査数(計)は、問6で「1.ある」と回答し、問7で支援内容を記入している件数
センター別では、地域包括支援センターの場合は「ケアマネジメント業務・ケアマネジャ
ーへの支援」
(62.9%)が最も多く、次いで「見守り」
(24.4%)となっている。
在宅介護支援センターの場合は「ケアマネジメント業務・ケアマネジャーへの支援」
(57.1%)が最も多く、次いで「訪問・安否確認」
(36.1%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「訪問・安否確認」で、在宅介護支援センターが地域包
括支援センターを13.3ポイント上回っている。
41
主な支援の内容(複数回答、センター別)
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㻜㻚㻞
㻜㻚㻣
42
⑸ 地域ケア会議での対応等について
① 地域ケア会議で対応を検討した件数
問8.貴支援センターが実施(参画)している地域ケア会議で、認知症の方、または、
認知症のおそれのある方への対応を検討した数について、お答えください(平成
23年4月~24年9月末時点まで)
。
※地域ケア会議で対応を検討した件数について聞いたところ、概ね0~10件という回答
が多かった(79.0%)ため、便宜的に0~5件については1件ごと、以下6~10件、
11~30件、31~50件、51件以上、無回答のくくりで集計を行った。0件という回答が
最も高くなっている。
対応検討件数(センター別)
()内%
調査数 0件
全体
数値
1108
1件
2件
3件
4件
133
116
64
33
419
5件 6~10件 11~30件 31~50件 51件以上 無回答
36
74
(%)(100.0)
(37.8)(12.0)(10.5)(5.8)(3.0)(3.2) (6.7)
地域包括支援センター 数値
708
238
87
73
46
23
33
50
(%)(100.0)
(33.6)(12.3)(10.3)(6.5)(3.2)(4.7) (7.1)
在宅介護支援センター 数値
400
181
46
43
18
10
3
24
(%)(100.0)
(45.3)(11.5)(10.8)(4.5)(2.5)(0.8) (6.0)
70
17
(6.3)
(1.5)
47
13
(6.6)
(1.8)
23
4
(5.8)
(1.0)
対応検討件数(センター別)
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㻞㻟
㻝㻜
䠑௳
㻟㻢
㻟㻟
㻟
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㻠
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㻠㻣
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㻝㻣
㻝㻟
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㻝㻣
43
21
125
(1.9) (11.3)
17
81
(2.4) (11.4)
4
44
(1.0) (11.0)
② 「認知症対策等総合支援事業」受託の有無(複数回答)
問9.貴支援センターが所在する市町村で、厚生労働省が平成18年度より実施してい
る「認知症対策等総合支援事業」を受託したことがありますか。
(複数回答)
「認知症対策等総合支援事業」の受託の有無について聞いたところ、
「受託あり」は地域
包括支援センターが10.6%、在宅介護支援センターが7.5%となっている。
受託の有無(センター別)
調査数
受託あり
受託なし
無回答
()内%
1,107 (100.0)
105 (9.5)
885(79.9)
117(10.6)
地域包括支援センター
708 (100.0)
75(10.6)
564(79.7)
69 (9.7)
在宅介護支援センター
399 (100.0)
30 (7.5)
321(80.5)
48(12.0)
全体
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受託の有無(センター別)
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44
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㻥㻚㻣
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問9-1 いずれの事業ですか
問9で「受託あり」と回答したセンターに対して受託した事業を聞いたところ、
「認知
症地域支援対策構築等推進事業」(51件)が最も多く、次いで「認知症対策普及・相談・
支援事業」
・
「認知症対策連携強化事業」
(31件)となっている。
受託の有無(事業別)
調査数
()内%
受託した事が 受託した事は
ある
ない(無回答)
認知症対策普及・相談・支援事業
105 (100.0)
31 (29.5)
74 (70.5)
認知症地域支援対策構築等推進事業
105 (100.0)
51 (48.6)
54 (51.4)
認知症対策連携強化事業
105 (100.0)
31 (29.5)
74 (70.5)
認知症ケア多職種共同研修・研究事業
105 (100.0)
17 (16.2)
88 (83.8)
認知症ケア高度化推進事業
105 (100.0)
2 (1.9)
103 (98.1)
若年性認知症対策総合推進事業
105 (100.0)
3 (2.9)
102 (97.1)
市町村認知症施策総合推進事業 ※
105 (100.0)
10 (9.5)
95 (90.5)
※調査票の選択肢にはないが、記入から新規で追加した事業
受託した事業
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㻞
㻟
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45
③ 認知症の方への支援として行っている取り組み(複数回答)
問10.貴支援センターとして認知症の方への支援のために行っている取組みについて、
お答えください。
(複数回答)
認知症の方への支援として行っている取り組みを聞いたところ、全体では「見守り」
(84.1%)が最も多く、次いで「一般市民への認知症に関する資料や情報の提供」
(70.0%)
となっている。
センター別では、地域包括支援センター、在宅介護支援センターともに「見守り」
(そ
れぞれ84.2%、84.0%)が最も多く、次いで「一般市民への認知症に関する資料や情報の提
供」(それぞれ78.0%、55.9%)となっている。
センター間の差が最も大きいのは「地域密着型サービス事業所の運営推進会議への出
席」で、地域包括支援センターが在宅介護支援センターを54.7ポイント上回っている。
認知症の方への支援として行っている取り組み
(複数回答、センター別)
㻜
㻞㻜
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46
3 調査票
認知症の方、または、認知症のおそれのある方への対応に関する調査
調 査 票
貴支援センターにおける認知症の方、または、認知症のおそれのある方への対応について
下記の項目にお答えいただき、その内容を別添の回答用紙にて、平成24年11月21日までに指
定先FAXまでお送りくださいますようお願いいたします。
調 査 項 目
問1.貴支援センターでは、平成23年4月~24年9月末時点において、認知症の方、または、
認知症のおそれのある方の支援をしましたか。
⇒ 1.支援した 件数 件
2.支援していない
※問1.の項目で「1.支援した」と回答したセンターは、以下に続く質問項目にお答えください。
発見について
問2.支援にいたった契機については、様々な場合があるかと思われますが、該当するもの
全てを下記からお選びください。
(複数回答)
⇒ 1.連絡(相談)が支援センター(サブセンター、ブランチを含む)に入った
⇒誰からですか
① 本人から ②家族・親族から ③地域住民から ④在介センターから
⑤ 関係機関から ⇒
⑥ その他 ⇒
2.支援センターの事業を通じて関係者から情報が入った
3.地域住民を対象とした調査から発見された
⇒調査の実施主体は
① 支援センターが実施 ②自治体が実施 ③その他 ⇒
4.その他 ⇒
医療機関への連絡について
問3.認知症の方、または、認知症のおそれのある方について連絡(相談)を受けた際、医
療機関に連絡していますか。
⇒ 1.必ずしている 2.ケースに応じてしている 3.していない
※問3.の項目で「1.必ずしている」
「2.ケースに応じてしている」と回答した場合、問4.5.6.
にお答えください。
47
問4.医療機関への連絡について、どのように行いましたか、該当するもの全てを下記から
お選びください。
(複数回答)
⇒ 1.既定の情報提供シートにより医療機関に伝達した
⇒どこで作成したものですか
①支援センター独自のもの ②他機関が作成したもの ⇒
2.既定の情報シートではないが、書面により医療機関に伝達した
3.口頭で電話連絡した
4.医療機関への受診に同行して相談した。
5.医療機関が出席する「地域ケア会議」等で相談した
6.その他 ⇒
問5.どのような情報を伝達しましたか。
(本人の名前・性別・年齢・住所以外:複数回答)
1.要介護度 2.認知機能障害の内容 3.生活機能障害の内容
4.かかりつけ医の有無 5.個人史(親族や地域との関係含む)に関わる内容
6.現在受けているフォーマル・インフォーマルのサービスの内容
7.その他 ⇒
問6.医療機関に連絡後、継続して支援しているケースはありますか。
⇒ 1.ある 件
2.ない
※問6.の項目で「1.ある」と回答した場合、問7.にお答えください。
問7.どのような支援を行っていますか。主な支援の内容をお書きください。
地域ケア会議での対応等について
問8.貴支援センターが実施(参画)している地域ケア会議で、認知症の方、または、認知
症のおそれのある方への対応を検討した数について、お答えください(平成23年4月
~24年9月末時点まで)
。
⇒ 件
問9.貴支援センターが所在する市町村で、厚生労働省が平成18年度より実施している
「認知症対策等総合支援事業」を受託したことがありますか。
(複数回答)
⇒ 1.ある
⇒ いずれの事業ですか
1.認知症対策普及・相談・支援事業 ⇒ 平成 年度
2.認知症地域支援対策構築等推進事業 ⇒ 平成 年度
3.認知症対策連携強化事業 ⇒ 平成 年度
4.認知症ケア多職種共同研修・研究事業 ⇒ 平成 年度
5.認知症ケア高度化推進事業 ⇒ 平成 年度
48
6.若年性認知症対策総合推進事業 ⇒ 平成 年度
2.ない
問10.貴支援センターとして認知症の方への支援のために行っている取組みについて、お
答えください。
(複数回答)
1.見守り 2.
一般市民への認知症に関する資料や情報の提供
3.
一般市民を対象とした認知症に関する勉強会、情報交換会の開催
4.
「認知症サポーター」の養成 5.
「生活・介護支援サポーター」の養成
6.日常生活自立支援事業の活用推進 7.成年後見制度の活用推進
8.地域密着型サービス事業所の運営推進会議への出席
9.当事者団体の設立や育成
10.社会資源の開発 11.その他 ⇒
ご協力、ありがとうございました。
49
4
第4部
訪問調査について
第3部で報告した「認知症、または、認知症のおそれのある方への対応に関する調査結
果」をもとに、認知症やそのおそれのある方に対し特徴的な支援を行っているセンターを全
国から6センター選定し、認知症の方やそのおそれのある方の発見につながる相談・支援の
対応や、医療との連携について、更には、医療的なケアと並行して行われる生活支援の状況
等について明らかにするために訪問調査を実施した。
次ページから、調査を行った事例を掲載する。調査内容としては、
「対象者の現状につい
て」、「対象者の発見時の状況について」
、
「医療機関への連絡について」
、
「現在の支援の内容
について」、
「現在の支援までの経過や成果について」等について聴き取りを行った。この訪
問調査の結果、明らかとなった支援のポイント等については、
「第5部 まとめ・提案」に
まとめている。
訪問調査を行ったセンター6か所については、いずれのセンターも認知症の方への支援を
推進しているセンターではあるが、実施主体により、それぞれ特徴がある。
A地域包括支援センター
社会福祉協議会の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携し
た支援を行っている。
B在宅介護支援センター
社会福祉法人が設置主体であり、法人内の他のサービス利用した支援を行っている。
C在宅介護支援センター
医療法人が運営主体であり、医療連携が緊密に取れており、医療と居宅との連携がスムー
ズに行われている。
D地域包括支援センター
社会福祉法人の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携を密
にとっている。
E地域包括支援センター
社会福祉協議会の運営する地域包括支援センターであり、他の地域福祉サービスと連携を
密にとっている。
F地域包括支援センター
行政が地域包括ケアシステムの構築を積極的に進めており、医療との連携をはじめ認知症
への対応について、連携がとりやすい体制作りを行っている。
なお、事例に掲載する個人名や機関名等の固有名詞については、個人情報保護の観点から
個人が特定できないよう匿名化を行っている。
50
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護3
4-3 日常生活自立度
2 )
B(1・○
なし
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成20年
8月
5-2 相談者
家族(続柄:夫)⇒センターに事前の相談あり
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
物忘れ、夜間失禁あり
症状(認知症を疑
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:介護用品給付事業(おむつ券の支給 4000 円/月))
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・センターからも対象者の状況を病院に話している。
・市内の総合病院に受診している。
・本人になかなか会えないことから総合病院の地域連携室に受診日を教えてほしい旨打診したもの
の、病院からは伝えられないと断られた。最初の段階ではセンターは介入できない。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・介護の認定は受けているとのこと。一度サービス利用について相談を受けたが、費用がかかるから
と断られた。安否確認のため、何度か訪問しているが、インターホン越しでしか話ができない。
51
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・定期受診ができていない。薬は夫が取りに行っている。
ニーズ
②介護に関する
・夫が入浴介助をしているが、一人では難しく支援を希望している。
ニーズ
③生活支援に関
・無年金・無収入のため、預金を切り崩して生活しており、経済的に困っている。
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・介護保険主治医意見書の記載
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
■インフォーマルサービス提供者等
・あり
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・3 人の子どもがいるが、ほとんど交流・支援なし
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・自宅訪問を繰り返したが、応じてもらえず、介入方法に迷いがあった。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・平成 20 年8月にサービス利用について相談があったが、費用がかかるという理由で拒否される。
何回か訪問するが会えず、平成 24 年9月に脱水症状で入院した。入院を機にセンターが介入できる
ようになった。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
52
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
3.家族構成
独居
2.年齢
80 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護2
4-3 日常生活自立度
J
あり
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
民生委員(発見者)
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・不安が常にあるようで度々民生委員宅に電話が入り、一緒に病院に連れてい
症状(認知症を疑
ったきっかけ)
4月
ってほしいと言われる。
・遺言書は本人の気持ちが頻繁に変わって進まない。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:弟)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒訪問介護、住宅改修
☆インフォーマルな支援(利用あり)⇒(具体的に:日常生活自立支援事業)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・センターやケアマネジャーが主治医へ対象者の現状報告をしている。主治医から物忘れ外来を紹介
され、精密検査を受け認知症と診断された。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・お金の計算、物のしまい忘れ、短期記憶などに支障があること。
・成年後見制度の申請に向けて、鑑定書の記入を依頼する予定。
53
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・定期受診、服薬治療
ニーズ
②介護に関する
・訪問介護サービスを定期利用することで不安が軽減した。
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
・入浴が1人でも出来るような住宅改修
・掃除と買い物
・成年後見制度の利用意向あり。
・通帳、印鑑の管理で日常生活自立支援事業を利用している。
・ゆくゆくは施設に入りたい。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・定期的な診察、薬の処方
□認知症サポート医
■認知症専門医
・認知症の診断、最初だけ薬の処方
■民生委員
・独居老人会への参加の促し、交流の場の提供
■居宅介護支援事業所
・サービスの調整、関係機関との連絡調整
■サービス事業所
・訪問介護
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・見守り、煮物・おかずの提供
■社会福祉協議会
・日常生活自立支援事業
■家族等介護者
・弟が週1回自宅訪問している
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・平成 24 年 5 月に弟に家を盗られるかもしれないので眠れないとの訴えあり。虐待(弟から対象者
への経済的・心理的なもの)を受理するが判断つかず。事実確認の継続と介護保険申請、サービス
の導入、日常生活自立支援事業の利用で支援。その後、弟に対する不信や不安は消失して良好な関
係が保たれていることから(対象者の思い違いだとわかり)、虐待対応としては終了。独居で認知
症のため、見守りはしていくことになる。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・日常生活自立支援事業の利用で通帳、実印を保管してもらえることで不安の軽減につながった。
・週1回訪問介護が入ることで生活が安定してきた。
54
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
自立度判定基準(Ⅱ(a・b)
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
A(1・2)
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
家族(続柄:息子)
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・バナナ、インスタント味噌汁、牛乳、パンが部屋中に山積み
症状(認知症を疑
5月
※息子が発見し、市に相談⇒センターへ連絡が来る
・1瓶 8000 円の健康食品の宅配契約
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
(同居の妻も認知症のため)
⇒訪問介護、通所介護
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:ホームヘルプ(自費)、部屋の片づけ(大掃除))
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・既に受診している医療機関の受診に同席(センターからアドバイスをして、息子が医療機関に連絡
等をしている)。片道1時間の距離で専門科のため、認知症診断とかかりつけ医の決め方、介護保
険主治医意見書作成を依頼。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・既住歴、現在必要な治療内容
55
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・服薬管理、定期受診
ニーズ
②介護に関する
・入浴、排せつのケア
ニーズ
③生活支援に関
・食事準備、食材・日用品の買い物、部屋の片づけ
するニーズ
④権利擁護に関
・金銭管理
するニーズ
⑤その他ニーズ
・認認介護のため、医療面での緊急性キャッチの体制
・妻への暴力(悪意はなく、言い聞かせるための行為)の防止
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・介護保険主治医意見書の作成、服薬一包化の指示
□認知症サポート医
■認知症専門医
・認知症診断、処方
□民生委員
■居宅介護支援事業所
・サービス調整
・センター・息子との連絡調整
■サービス事業所
・ホームヘルプ、デイサービスによるサービス提供
・ホームヘルプ(自費)による大掃除
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・見守り隊とケアマネジャーとの現況情報の共有
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・サービス回数増の判断
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・本人、妻ともに認知症のため、遠方の息子からサービス内容等の許可を得る連絡をした。
・妻への暴力防止が課題
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・息子が異変を発見⇒介護保険申請⇒妻への暴力発覚⇒集中的なサービス提供(サービスを利用した
ことで本人の負担が減り、それが暴力の緩和につながっている)⇒暴力行為の緩和⇒本人の成年後
見の申込みに着手
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・本人が担っていた妻の入浴介助、排せつケアを、サービス提供することで負担が軽減され、暴力行
為が軽減した。妻のデイサービスの利用中の過ごし方がわからず、認知面が低下気味。銀行での払
い戻しが出来なくなり、成年後見の申立手続き中。
56
訪問調査
調
査
票(事例 04)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護3
4-3 日常生活自立度
B(1・2)
あり
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
家族(続柄:息子)
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・バナナ、インスタント味噌汁、牛乳、パンが部屋中に山積み
症状(認知症を疑
5月
・1瓶 8000 円の健康食品の宅配契約
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒健康状態:要介護
(同居の夫も認知症)
⇒訪問介護、通所介護、ショートステイ
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:ホームヘルプ(自費)、部屋の片づけ(大掃除))
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・既に受診している医療機関の受診に同席(センターからアドバイスをして、息子が医療機関に連絡
等をしている)。片道1時間の距離で専門科のため、認知症診断とかかりつけ医の決め方、介護保
険主治医意見書作成を依頼。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・既住歴、現在必要な治療内容
57
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・服薬管理、定期受診
ニーズ
②介護に関する
・入浴、排せつのケア、介護
ニーズ
③生活支援に関
・食事準備、食材・日用品の買い物、部屋の片づけ
するニーズ
④権利擁護に関
・金銭管理
するニーズ
⑤その他ニーズ
・認認介護のため、医療面での緊急性キャッチの体制
・夫からの暴力(悪意はなく、言い聞かせるための行為)の防止
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・介護保険主治医意見書の作成、服薬一包化の指示
□認知症サポート医
■認知症専門医
・認知症診断、処方
□民生委員
■居宅介護支援事業所
・サービス調整
・センター・息子との連絡調整
■サービス事業所
・ホームヘルプ、デイサービスによるサービス提供
・ホームヘルプ(自費)による大掃除
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・見守り隊とケアマネジャーとの現況情報の共有
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・サービス回数増の判断
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・本人、夫ともに認知症のため、遠方の息子からサービス内容等の許可を得る連絡をした。
・夫からの暴力防止が課題
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・息子が異変を発見⇒介護保険申請⇒夫からの暴力発覚⇒集中的なサービス提供(サービスを利用し
たことで夫の負担が減り、それが暴力の緩和につながっている)⇒暴力行為緩和⇒本人の成年後見
の申込みに着手
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・本人は特に保清面が改善され、外出・交流の機会も増え、表情が豊かになった。楽しそうに過ごす
場面が多く見られるようになり、周辺行動はほとんどない。
58
訪問調査
調
査
票(事例 05)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
70 代後半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
自立度判定基準(■Ⅱ(a・b))
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
B(1・2)
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
7月
5-2 相談者
在宅介護支援センター
※介護保険サービス未利用者の調査時にこの事例が発見された。
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・情動行為(夫から本人への暴言等のこと)の相談、相談者(夫)が軽い認知
症状(認知症を疑
症の本人に対して手を出してしまっているとの発言あり。
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人のかかりつけ医へ、夫の情動行為についての対応を相談した。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・常に夫が本人のかかりつけ医に相談しており、主治医は現状を熟知している。
59
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・服薬、受診、尿意への恐怖感、うつ病治療
ニーズ
②介護に関する
・尿意を感じた時にトイレに行ける環境づくり
ニーズ
③生活支援に関
・特になし
するニーズ
④権利擁護に関
・特になし
するニーズ
⑤その他ニーズ
・情動行為や尿意への恐怖感が改善されず、介護者に過重の負担がかかっている。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・内科的チェック、処方、介護者の相談
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
■居宅介護支援事業所
・小規模多機能型のケアマネジャーが契約なしで月1回訪問し、状
況を把握。
■サービス事業所
・同上
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
□家族等介護者
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・本人の不安感、情動行為の改善策が得られない。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・居宅介護支援事務所のケアマネジャーの訪問で本人との関係が構築された。サービス利用の意向は
ない。在宅介護支援センター、地域包括支援センター、ケアマネジャーが介護者の相談先としてつ
ながった。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・状況の改善には至っていない。
60
訪問調査
調
査
票(事例 06)
センター名:A地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
70 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
J
あり
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成23年
1月
5-2 相談者
家族(続柄:義理の弟)
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
①5年前から閉じこもり傾向
⇒センターへ連絡
症状(認知症を疑
②鍵を置いた場所を忘れる
ったきっかけ)
③台所用品の使い方がわからなくなった
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒訪問介護
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:現在週1回義理の弟が付き添いに来る)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・相談があったとき、センターで認知症に対応し、医療機関を紹介した。
(精神科、物忘れ外来のあ
る病院)
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
61
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・心疾患があるので定期的に通院
ニーズ
②介護に関する
・訪問介護
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
・今後成年後見を利用する可能性あり
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・生活全体についてアドバイスをしている。
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
□家族等介護者
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・最初にうつ病の妻に支援を依頼していた。(現在、妻は入院している)
↓
・本人は今独居だが、認知症の状態に変化はない。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・ホームヘルプは受け入れているが、個人的なこと、家の中のことへの関わりを否定し続けている。
62
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:B在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
70 代後半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
1 ・2)
A(○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成23年
6月
5-2 相談者
家族(続柄:妻)
5-3 相談方法
その他(地区サロンにて)
5-4 最初に気づいた
・妻は2∼3年前から本人の物忘れが少しずつ気になりだしていたが、身の回
症状(認知症を疑
りのことは自立していたのであまり気に留めていなかった。しかし、ここ2
ったきっかけ)
∼3か月ほとんど外出せず、物忘れが目立ってきて、ついさっきのことも忘
れてしまうことが多くなってきたため、民生委員に相談した。地区サロンで
の「認知症講座」終了後、センター職員が妻から相談を受ける。
※地区サロンは月1回の開催で、センターも共催。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:妻)
⇒健康状態:健康でない
6-2 介護(サービス利
用)の状況
※肝炎あり。月1回受診
☆介護保険サービス(利用なし)
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:家族の見守り(市内在住の娘さん))
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人が病院嫌いでかかりつけ医もいないため、専門科の受診を検討し何度か受診を試みたが、受診
拒否が強く受診に至らなかった。地域の認知症に理解のある開業医(内科)に電話相談の上、直接
訪問し相談し、最終的に本人宅に往診してもらった。
※「医療介護ネットワーク会議」
(2か月に1回)を定期的に開催しており、医師とのつながりあり。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・本人及び家族の思い・介護に対する希望、身体状況、生活状況、住居の状況、認知機能障害の状況、
既往歴、生活歴等
⇒情報は口頭での話のみ
63
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する ・要介護認定の申請をしたいが、主治医意見書を書いてくれるかかりつけ医がない。
ニーズ
・専門科受診をして確定診断を受けたいが、本人が病院嫌いで受診拒否が強く受診
できない。
②介護に関する ・家で寝たり起きたりの生活のため、以前に比べて足元がおぼつかなくなってきて
ニーズ
おり、下肢の筋力低下の心配がある。
・妻の対応で本人が怒りだしたり声を荒げたりすることがある。
・入浴拒否があるため、自宅での入浴ができない。
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
・介護者(妻)が、BPSD(認知症の行動・心理状態)の対応方法がわからない。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:地域ケアネットワーク会議
運営主体:センター
目的:民生
委員、自治会、行政、地域包括支援センター、社協等による情報共有、個別ケース検討の場)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
■認知症サポート医
・平成 23 年 9 月
要介護認定申請のため、往診にて本人を診察して
もらう。
・専門科への紹介書作成。
■認知症専門医
・平成 24 年 6 月
病院の神経内科受診。アルツハイマー型認知症の
診断を受ける。その後は月1回定期受診。
■民生委員
・日常的な見守り、訪問
・妻の介護不安等の相談。
■居宅介護支援事業所
・定期的に訪問。状況の変化に伴い、センターと連携、同行訪問等
を行う。※認知症対応の強いケアマネジャーに依頼
■サービス事業所
・平成 24 月3月から認知症対応型通所介護を週1回利用し、入浴、
機能訓練、他者との交流等が図れるようになってきている。⇒現
在週3回利用
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・今後認知症の進行により、BPSD が出てきたときのことを考え、
妻から本人が認知症であることを近隣の親しい人たちに伝えてお
くこと(センターからのアドバイス)で、日常的に少し気にかけ
ておいてもらう、声かけをしてもらう。
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・市内在住の娘が週1∼2回本人宅を訪れることで、妻の自由時間
の確保ができている。
64
■その他(認知症の人を抱える
家族の会)
・妻が家族の会に登録。2か月に1回の会合に参加。家族同士での
悩みごとや認知症状への対応等の情報交換を行う場となってい
る。
■その他(センター)
・ケアマネジャーと必要に応じ情報共有を行ったり、同行訪問する。
・サービス担当者会議への参画等
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・介護者が認知症に対する理解が浅いため、対応の仕方等に戸惑うことが多く、精神的なストレスが
高じて、本人に対して指示的になることがあり、本人の混乱が大きくなるという悪循環があった。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・本人が外へ出ることに対して強い否定があったため、専門医の受診や通所介護サービスの利用につ
ながるまでにかなりの時間を費やした。その間、本人の認知症状の進行もみられ、家族の顔がわか
らない、失禁や自宅での入浴拒否等も出てきたことで、妻の介護負担も大きくなってきたことから、
通所介護の利用を検討、認知症ケアに長けているケアマネジャーにケースを依頼する。担当者会議
を行う中で、最初は家族付き添いで短時間利用から始め、本人の様子を見ながら徐々に時間を伸ば
していくことで、本人のペースで新しい環境に慣れることができた。また、通所介護の利用をきっ
かけに、通所介護事業所の同一敷地内にある病院の神経内科の受診につながり、内服治療を受ける
ことができるようになる。
・妻に対しては、こまめに訪問するなかで、認知症に対する理解、本人への対応に関して話をする機
会をもち、また、近隣、民生委員等の地域住民による日常的な見守りや声かけ、認知症の人を抱え
る家族の会への参加等により、妻も気軽に本人のことや介護の悩みを話すことができたり、家族同
士での情報交換等が行えることで精神的ストレスが軽減し、本人に対しての対応に変化がみられ
た。
65
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:B在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
60 代後半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒なし
a ・b)
自立度判定基準(Ⅱ(○
)
4-2 要介護認定
要支援1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成22年
5-2 相談者
精神科クリニックの医療ソーシャルワーカー(MSW)
5-3 相談方法
訪問
5-4 最初に気づいた
・精神科(統合失調症が強い)に施設入所していたが、本人の希望があり、自
症状(認知症を疑
6月
宅で生活したいとの意向が強く、退所した。
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒訪問介護
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・精神科クリニックの医療ソーシャルワーカー(MSW)と連絡を密にとり、服薬管理については訪
問看護の利用と定期的な受診を行う。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・以前より施設入所していたため、病院とのかかわりが深い。そのため、医師との連絡もとりやすい。
生活面での様子(かたづけられない、お金の管理ができないなど)を報告し、状態が悪くなると生
活が乱れてくる。
66
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する ・精神疾患のため、服薬管理が困難である。そのため週1回の訪問看護による服薬
ニーズ
の確認と状態の把握が必要。
②介護に関する ・部屋の掃除や家事ができない。買い物で同じものを沢山買ってきて必要なものが
ニーズ
③生活支援に関
ない。
・ひとり暮らしのため、身の回りのことが自分でできない。
するニーズ
④権利擁護に関 ・最初親からもらった資産を、趣味の俳句や買い物で使い果たした。資産の自己管
するニーズ
理ができず、生活に困ることになり、権利擁護センターに依頼することになった。
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:自宅。メンバーはヘルパー、MSW)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
MSWが医師との連絡をとりながら援助。本人はひとりで通院でき
るが、状態の変化については訪問看護師やヘルパー、MSWが医師
に報告している。
□認知症サポート医
□認知症専門医
■民生委員
必要時にMSWが民生委員に連絡。
■居宅介護支援事業所
地域包括支援センターとMSWに連絡をとり、生活の変化や困りご
とに早期にしていく。
■サービス事業所
部屋のかたづけが出来ず散らかっているため、ヘルパーによる掃除、
洗濯など、訪問介護を週1回利用している。
■インフォーマルサービス提供者等
施設から出てひとりで生活することに身内が反対していた。そのた
め、身内や親族との交流なく、援助もない。
□町内会、近隣住民等
近隣との交流はない。
■社会福祉協議会
週1回権利擁護センターの訪問により、金銭の管理や相談などをし
ている。
■その他
病院で知り合いになった人が毎日家にきたり、知人の車で買い物に
でかけたりしている。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・退所当時にもっていた資産を買い物などで使い果たした。そのため権利擁護センターと生活保護を
利用しているが、相変わらず俳句などの趣味にお金を使うことが多い。
・訪問介護サービスの利用については週2回必要があるにもかかわらず、現在週1回の利用にとどま
っている。
67
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・ヘルパー利用については相談窓口のMSWと相談し、介護保険の申請をすすめた。室内は足の踏み
場もないくらいの散らかりようであったが、訪問介護サービスの利用で、少しずつ片付いてきた。
・権利擁護の支援と生活保護により、経済面の援助を受け、十分ではないが、最低限の生活は送れる
ようになってきた。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・医療保険による訪問看護と介護保険による訪問介護サービスによる生活援助で、ひとり暮らしをな
んとか継続できる状態であった。
68
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:B在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
60 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
4月
5-2 相談者
民生委員
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・他地区から引越ししてきた。以前から掃除や洗濯など日常生活が困難であっ
症状(認知症を疑
た。一人で近くのスーパーに買い物に行き、同じものを買う。おつりなど細
ったきっかけ)
かいお金が出せないなどがある。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒訪問介護、通所介護(認知症デイ)
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:民生委員の訪問)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・A地区に住んでいたが自分のアパートが火事になり、何もかもが燃えてしまった。そのため住宅課
の紹介で平成24年にB地区に引越してきた。病院の受診歴はなく、病名など不明の状態であった。
引越ししてすぐ突然倒れたことがあり、民生委員やセンターの協力により救急車で医療センターを
受診するも特に異常が見られず帰ってきた。物忘れなどがみられるため、C病院の神経内科の医師
(センターの知り合いの医師)に相談し、センターが状況を説明する。本人は一人で通院できない
ため、センター職員が付き添って医師より病状などの説明を受ける。検査の結果、脳梗塞の後遺症
による認知症と診断される。本人も病院受診については抵抗なく、同意した。病院受診時の診察代
や薬代については、権利擁護センターより週1回届けてもらっている。本人の身分証明書や保険証
がなかったので見つけるのに苦労した。
69
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・医師と地域連携室(センターと病院との連携)に、いままでの経過と本人の日常生活の様子や身体
状況などについて説明した。
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する ・今まで病院への受診歴がなく、健康状態の把握が不明。引っ越してきたばかりで
ニーズ
②介護に関する
土地勘がなく、一人で病院に行けない。薬の管理や支払いができないので困る。
・掃除、洗濯ができない。買い物の時の計算が困難。ひとりで入浴できない。近隣
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
に知り合いや身内がいない。外出の機会が少ない。
・食事を自分で作れない。
・火事で燃えたため、身の回りのものや生活用品が何もない。
④権利擁護に関 ・買い物などでお金の計算ができなくて困る。小銭がいくらあるか教えることがで
するニーズ
⑤その他ニーズ
きない。身寄りがいないため、書類や銀行手続きが困る。
・ゴミの分別ができない。決められた日にゴミを捨てることができない。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい(在介で運営。メンバー:民生委員、行政(住宅課、高齢福祉課、保護課)
、権利擁護、包括)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
■かかりつけ医
神経内科(下記と同様)
■認知症サポート医
神経内科
D医師
□認知症専門医
■民生委員
民生委員による見守り・声かけ・訪問
■居宅介護支援事業所
ケアマネジャーによる受診介助や通院介助、通院時の説明聞き、服
薬管理。定期的な見守りと訪問。事業者との連絡、調整。
■サービス事業所
訪問介護による週2から3回の掃除や洗濯、買い物援助。通所介護
サービス(週3回)の利用による入浴や他者との交流
■インフォーマルサービス提供者等
近隣の住民、民生委員による見守り援助
■町内会、近隣住民等
隣に住む住民による緊急の通報
■社会福祉協議会
週1回自宅に権利擁護センターが訪問。日常生活必需品の相談や診
察代、お弁当について、センターやケアマネジャーとの連絡、相談。
□家族等介護者
■その他(市役所)
市役所住宅課、介護高齢福祉課、介護保険認定申請係
■その他(地域の拠点)
地域支え合い事業の拠点による食事や服薬の確認と状態の把握。福
祉相談窓口との連携。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・火事のため、身の回りのものすべてが燃えてしまった。通帳や日常生活必需品(布団、家具、電気
製品)などがない。
・家族や知人がおらず、今までの生活などが不明である。
・今まで病院受診歴が不明である。
70
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・最初は入浴せず、ひげも伸びたままで着替えもなかった。また医師による脳の検査で脳梗塞による
認知症としての治療を受けることで、疾病管理ができるようになった。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・火事で引越ししてきた当時は、本人もパニック状態で混乱していた。食事、入浴、掃除など以前か
ら困難なところがあったが、支援により本人が安心して生活できるようになった。定期的な病院受
診と服薬管理による成果。
71
訪問調査
調
査
票(事例 04)
センター名:B在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者・子(50 代独身)
)
80 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
自立度判定基準(Ⅱ(a・b)
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成23年
9月
5-2 相談者
家族(続柄:夫)
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・平成21年頃から物忘れが多くなってきた。
症状(認知症を疑
・宗教団体の仲間からの指摘あり。
ったきっかけ)
・地域包括支援センターから在宅介護支援センターへの連絡があった。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない(足腰弱い)
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:土日に子どものサポートあり)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・地域包括支援センターの支援で、既に主治医から受診している状況であった。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
72
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・主治医に相談し、物忘れ外来のある病院を紹介してもらう。
ニーズ
②介護に関する ・夫が趣味活動をする時間が欲しいが、本人を一人にしておくと、バスに乗って外
ニーズ
出してしまう可能性があるため、目が離せない。
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関 ・以前、所持金全てを使ってしまったことがある。買い物に出掛けても不必要な物
するニーズ
⑤その他ニーズ
を買ってきてしまうことがあった。
・現在はあまりお金を持たないようにし、夫が管理することになった。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
□認知症サポート医
□認知症専門医
■民生委員
同居世帯だったため、福祉台帳にはあがらないケースだったが、本
人1人で外出する可能性が高いため、見守りを依頼。
■居宅介護支援事業所
地域にある居宅介護支援事業所に引き継ぐ(自宅までの距離や本人
との相性などから判断)
。
■サービス事業所
夫の介護負担の軽減と他者との交流を図れるように、デイサービス
やショートステイを利用。
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
長年住んでいたこともあり、近隣とはあいさつが行えるくらいの関
係。宗教団体に加入していることもあり、団体関係の友人が多い様
子。
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他(宗教団体関係)
ご本人が温厚な性格もあり、近隣で開く宗教団体の集まりに参加。
時々ご本人のみの参加の場合もあるとのこと。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・独身の息子が同居していたが仕事が多忙で、実際は老夫婦2人暮らし。夫が家事全般を行っていた
が、調理経験がなく、食事に苦労していた。夫も杖を使用して移動しているが、週に数回食事のた
めに外出(バスに乗って市部へ)している。宅配の弁当も充実してきているが、もう少し選択でき
たらと思う。
73
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・介護保険サービスの利用により、夫の介護負担の軽減が図れた。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・他者との交流が増え、本人への刺激にもなっている。
74
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:C在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
3.家族構成
独居
2.年齢
90 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(■Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
2 )
A(1・○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
不明
5-2 相談者
民生委員
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・平成 14 年 4 月からセンターで関わっていたケースで、平成 22 年頃から認知
症状(認知症を疑
ったきっかけ)
症の症状(被害妄想等)が強く見られ始め、継続して訪問していた。
・民生委員が定期訪問して発見→センターの相談員も関わる。
・部屋が汚い。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:緊急通報システム、社協ヘルパーによる月1回の安否訪問)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・介護保険申請による主治医の意見書依頼のみで、定期的には受診できていない。
・医師にセンターから認知症のことを知らせることができなかった。
・A 病院に認知症専門医はいるが、本人が行きたがらない。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・提供できていない。
75
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・定期通院をしておらず、服薬管理もできていない。
ニーズ
②介護に関する
・シルバーカーや杖を使い、歩行は可能だが、最近では外に出ることも少なく、炬
ニーズ
燵に横になっていることがほとんどである。
・声かけや見守り、一部介助があれば、身の回りのことは行える。
③生活支援に関
・本人は「何でも自分でやっている」と話すも、食事の準備や買い物、入浴や掃除
するニーズ
は行えていない様子。
・本人の拒否により、介護保険のサービスが導入できない。
④権利擁護に関
・金銭管理も自分で行っていると話すが、近所の方との「渡した」
「貰っていない」
するニーズ
などの金銭トラブルが見られ、難しくなってきている。
・最近では、訪問販売のような怪しい訪問者も出入りしている様子があると、近所
の方より通報がある。
⑤その他ニーズ
・認知症が進行し、食事の準備や入浴、掃除が出来なくなってきている。
・外出することが減り、下肢筋力の低下が見られる。
・物忘れが多く、被害妄想を訴えることも増えてきている。鍋焦がしもある。
・室内は飲食物のゴミや物が散乱している。また、食べ残しや賞味期限の切れた飲
食物もたくさんおいてあり、室内に蟻やハエがたくさんいる状態である。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
■認知症サポート医
・認知症発見後、サービスを利用するようになったときの対応
□認知症専門医
■民生委員
・定期訪問、差し入れ提供など
■居宅介護支援事業所
・居宅介護支援(サービス調整)
■サービス事業所
・通所介護サービス(週5回)
■インフォーマルサービス提供者等
・緊急通報システムの設置
・社協のヘルパーによる月1回の安否確認訪問
■町内会、近隣住民等
・訪問と情報提供
■社会福祉協議会
・ケアチームによる見守り協力
□家族等介護者
■その他(保健センター)
・ケアチームによる見守り協力
■その他(地域包括支援センタ
・ケアチームによる見守り協力
ー)
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・今回のケースは独居で、子どものいない方であったが、甥夫婦の協力が得られたため、金銭管理や
サービス利用にあたっての緊急連絡先、身元受取人などをお願いすることが出来た。もしもキーパ
ーソンとなる方がいなかったり、いても協力を得られない方であれば、日常生活自立支援事業等の
利用を考えたと思う。
・早期に専門病院(認知症の専門医)への通院を勧められなかったのが課題として残った。
76
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
H23.6
地域ケア会議にて検討
地域ケア会議後の具体的な支援
・近隣に住む甥とアポイントを取り、現在の状況と協力の依頼をする。
・ケアチームによる見守り体制の構築(保健センター、地域包括支援センター、社協等の関係機関
以外にも民生委員や近隣の友人、親類にも訪問と情報提供の協力を依頼)
・居宅介護支援の依頼
・サービス利用への促し
↓
H23.8 よりデイサービス利用を開始。当初は週2回、その後週5回の利用となった。ケアチームでの
定期見守りは解除となり、各機関随時訪問へと切り替える。
↓
H24.5
以前に比べて、部屋が散らかっており、尿便汚染と腐敗したゴミによる異臭が立ち込め、近
隣からも苦情がある。夏に向けて、衛生状態に問題があると判断し、甥の同意と協力のもと、関係機
関に協力を求め、一斉清掃を実施する。
↓
H24.9
近隣の特養へ入所となる。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
上記、支援経過参照
77
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:C在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒なし
a ・b)
自立度判定基準(Ⅲ(○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
2 )
J(1・○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
4月
5-2 相談者
地域包括支援センター
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・発見者→地域包括支援センター→在宅介護支援センターという流れ
症状(認知症を疑
・娘が発見(詳細は後のメモを参照)
ったきっかけ)
・本人が認知症とわかった後から在宅介護支援センターのスタッフが見守りを
する。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:妻)
⇒健康状態:要支援
6-2 介護(サービス利
用)の状況
※目が見えない
☆介護保険サービス(利用あり)
⇒訪問介護
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:社協有償サービス(送迎))
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人が病院嫌いのため、定期通院がなく、服薬も行っていない。
・介護保険申請に必要な主治医の意見書作成依頼時のみ通院。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
78
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する ・定期通院していないため、定期通院が行えるようにすること。認知症の専門外来
ニーズ
②介護に関する
への通院。→実際にはできていなかった。
・ADL(日常生活動作)は自立しており、特に問題はない。
ニーズ
③生活支援に関 ・買い物や通院は娘が月1∼2回程度帰省し、援助しているが、娘は嫁ぎ先でも義
するニーズ
理の母を介護しているため、帰省が難しくなってきている。
・本人の妻も視力がほとんどなく、要支援2の認定を受けており、日常生活に支障
があるため、1人での外出は出来ない。
④権利擁護に関
・金銭や通帳、印鑑等は管理しているため、問題なし。
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ⇒(支援内容を検討した場:地域ケア会議での検討はない。ケアマネジャーが開催するサービ
ス担当者会議にて検討を行う。)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
■かかりつけ医
・入所するまでの対応
■認知症サポート医
・入所するまでの対応
■認知症専門医
・入所するまでの対応
■民生委員
・定期訪問
■居宅介護支援事業所
・居宅介護支援(サービス調整)
・定期訪問
・家族や関係機関との連絡調整
■サービス事業所
・訪問介護
月2回(買い物等)
■インフォーマルサービス提供者等
・社協有償サービス(送迎)
■町内会、近隣住民等
・娘の合意のもと、近隣住民への認知症の理解を求めるためのパン
フレットの配布と見守り
・声かけのお願い
・親戚の方の定期訪問と緊急時の対応依頼(本人が徘徊するので地
域の人の理解が必要)
■社会福祉協議会
・定期訪問や訪問介護
・有償サービス時の情報の共有
□家族等介護者
■その他
・緊急通報システムの設置
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・認知症はあるが、ADL(日常生活動作)は自立しており、徘徊してしまうケースだった。またキーパー
ソンが遠方に在住で、
すぐには来れない状況にあり、
親戚の方の協力は得られたものの常に不安があった。
結果的に徘徊が原因で入院、入所となってしまったので、サービスに対する本人の拒否もあったが、無理
にでもサービスを勧めるべきであったかもしれない。また、専門医への受診も早めに行うべきであった。
79
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
H24.4
初回訪問
⇒居宅介護支援事業所と契約
・娘が月1度の訪問のため、その間の週 0.5 回の訪問介護による買い物援助を開始
・通院送迎については社協の有償サービスを利用
・予定として夫婦で受診の予定。
↓
H24.6
本人が外出、夕方になっても戻ってこず、捜索願を親戚の方が提出。
・関係機関による見守りを依頼(居宅介護支援事業所、在宅介護支援センター、社協)
・近隣の親戚の方に今後も協力をお願いする。また、娘の同意のもと、近隣の方に本人の
状況説明を行い、認知症のパンフレットを配布し、理解を求める。
↓
H24.8
訪問するも本人が不在。妻に聞くと、帰って来なければ捜索願を出す予定とのこと。
⇒本人は夕方に戻ってきた。熱中症の危険性もあるので、外出を控えるよう伝える。また外
出の際には行き先を妻に話すよう伝え、了承される。
⇒娘より「水田で倒れているのを発見され、救急車で搬送された。」とのこと。
↓
その後、意識が回復し、療養型施設に転院し、現在は介護老人保健施設に入所中。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・見守りについては関係機関、親戚、近隣住民に依頼し、できる限りの体制を整えられたとは思うが、
結果的には徘徊による熱中症、脱水にて入院、入所となってしまった。
80
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:C在宅介護支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
50 代後半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護2
4-3 日常生活自立度
不明
不明
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
市役所社会福祉課
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・元妻が生活保護の件で市役所に相談→夫が認知症と発見
症状(認知症を疑
5月
・結婚後、事業所を営んでいたが、10 年ぐらい前から気力や集中力が無くな
ったきっかけ)
り、仕事が出来なくなる。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:元妻)⇒離婚したが、娘と同敷地内の別棟にて生活し、最低限の
ことは援助している。
6-2 介護(サービス利
用)の状況
☆介護保険サービス(利用なし)
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・医療保険未納で受診する時には2∼3万円かかるため、定期受診は出来ていない。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
81
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・難病がある。10 年程前から症状が見られ始めたが、金銭的な問題から定期通院、
ニーズ
服薬などは行っていない。
・若年性認知症があり、短期記憶障害や見当識障害も見られているが、上記と同じ
理由で、定期受診出来ていない。
②介護に関する ・排泄に関して失禁してしまうこともあり、紙パンツを履かせているが、日中独居
ニーズ
の時に脱いで隠してしまったり、トイレに流してしまったりする事がある。
・入浴も見当識障害があるため、元妻が介助しながらシャワー浴のみ行っている。
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関 ・元妻や娘が見てくれているが、万が一、元妻や娘が全く関わらなくなってしまっ
するニーズ
⑤その他ニーズ
た場合、早急な対応が必要になる。
本人の生活上の課題
・対人関係は良好だが、口数は少なく、話や物事に集中が出来ない。何事にも気力
がなく、ボーっとすることが多い。また短期記憶障害が顕著である。敷地外に1
人で出ることはほとんどない。
・同敷地内の別棟に元妻と娘が生活し、最低限の身の回りのことは行ってくれては
いるが、2人とも仕事で日中独居になることが多く、心配である。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
定期受診
□認知症サポート医
□認知症専門医
■民生委員
見守りの依頼
■居宅介護支援事業所
居宅介護支援、サービス調整
■サービス事業所
通所介護
週3回
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
見守りの依頼
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他(市役所社会福祉課) 生活保護を依頼
82
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・相談を受けた時点で「年齢が若いこと」
「収入がないこと」
「若年性認知症によりすでに本人の判断
能力が欠如してしまっていること」
「難病があるにも関わらず、医療保険を収めていなかったため、
定期的な受診ができないこと」「同居しているが既に妻とは離婚しているという複雑な家庭環境」
など問題が山積みであった。
・「65 歳以下の方への支援」に対して、在宅介護支援センターを含め、本来対象外となってしまい、
関係機関等の連携がうまく図れないことが課題である。若年性認知症や脳梗塞後遺症などにより 65
歳以下の方への対応が増えている中、在宅介護支援センターの管理組織である地域包括支援センタ
ーはそれを認めていない。今後、そういった改善が必要だと考えられる。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
H24.5
社会福祉課より相談の電話あり。了承し、元妻に電話。
・難病とのことで保健センターの保健師にも同行してもらう。施設への入所を希望。まずは介護保
険を申請することになった。
・施設への入所に関しては、娘たちと相談してみるということになる。
・近隣住民には、元妻から現在の状況と見守りの依頼をしてもらうようお願いする。
・民生委員には元妻の許可を得て、現在の状況報告と見守りの依頼を在宅介護支援センターからす
ることとなる。
↓
H24.7 介護保険が要介護2と認定される。
・元妻、娘とも転居し、実質、独居の状態となる。生活保護の希望があり、なるべく早く市役所担
当課に相談するよう伝える。
↓
H24.7 生活保護の申請が受理される。
・通所サービスを週2∼3回希望。居宅介護支援事業所に相談依頼し、了承を得る。
↓
H24.8
居宅介護支援事業所と同行訪問。居宅介護支援事業所と契約する。
↓
H25.1
現在 通所介護を週3回利用。随時ショートステイも利用しながら自宅にて生活している。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・生活保護が受理されたことにより、生活費が確保され、元妻への負担が無くなり、病院に定期受診
することが出来るようになった。
・元妻も継続的に支援してくれており、本人も介護保険サービスを利用しながら、在宅での生活が維
持できている。
83
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
3.家族構成
独居
2.年齢
70 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要支援2
4-3 日常生活自立度
J
あり
自立度判定基準(Ⅲ(a・○
b ))※障害者手帳は持っていない。
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
行政
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・幻聴(24時間)
症状(認知症を疑
3月
・妄想
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人に同行し、かかりつけ医を訪問。状況説明をし、専門医(精神)への受診を検討。
・本人に同行し、専門医へ受診。状況報告を行う。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・幻聴、妄想などの現状報告(口頭にて説明)
・介護保険サービス利用の妥当性について
・家族や経済状況など
84
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・専門医の定期受診の継続
ニーズ
②介護に関する
・同世代の方との交流も必要と思われたが、転居し、状況はやや改善。必要なし。
ニーズ
③生活支援に関
・生活保護の受給(ケースワーカーとの連携)
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・専門医の受診勧奨。内科的治療の継続
□認知症サポート医
■認知症専門医
・専門的治療
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・地域行事への誘いだし。現在、月1回同世代の方々との交流あり。
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他
・生活相談・手続き
(行政(ケースーワーカー))
■その他(弁護士)
・法的支援
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・独居で、身寄りが遠方のため、受診付き添いなど時間を要すること。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・転居により、症状が軽減した。受診も一人で行えるようになり、センターは必要時の対応となって
いる。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・近隣に友人ができ、社会交流が拡大した。健康維持の講座にも友人と一緒に参加するまでになって
いる。
85
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者・子)
70 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
申請中
4-3 日常生活自立度
A(1・②)
あり
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
b)
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
6月
5-2 相談者
家族(続柄:妻・娘)
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
家族から、本人の暴言・暴力行為について相談があり、関わりを始める。
症状(認知症を疑 ・退職後、妻への暴言が増え、足で後頭部を踏む、モップの先でこづくなどの
ったきっかけ)
暴力行為あり。
・道に迷うので外に出ない。
・日中も落ち着きなく庭先をウロウロする。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:妻・娘)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・かかりつけ医がいなかったので、妻のかかりつけ医(認知症サポート医)に相談した。
・センター職員が FAX で状況報告(シートの送付)→直接、妻のかかりつけ医に会う→アドバイス
をもらう。往診も可能との提案をもらう→インフルエンザの予防接種をきっかけにして受診が可能
となる。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・現状報告。かかりつけ医もなく、受診拒否が強いので、アプローチの方法を協議した。
・連絡シート(ケアカンファレンスのシート)がある。医師会とセンターで区内共通のもの。
86
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・本人は服薬・受診拒否。娘が同行し通院予定(月1回)
。医者から往診を提案さ
ニーズ
②介護に関する
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
れるが、家族が拒否。
・ADL は自立しており、サービスは不要。
・要介護認定の申請中。
・金銭管理は不明。
・家事全般は家族が支援。
・金銭管理は不明。
するニーズ
⑤その他ニーズ
・いずれは入所希望。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:処遇検討会議(行政職員、センター職員、医師))
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
■認知症サポート医
・かかりつけ医がなく、受診拒否のため、アプローチ方法を検討。
・往診での状況把握も提案される。
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・通院支援
■その他(行政の健康長寿課) ・処遇検討会議
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
<困ったこと>
・かかりつけ医がなく、病識がなく、受診拒否があるため、受診のきっかけづくりに困った。
→インフルエンザの予防接種を受けることで受診が可能となった。
<課題>
①認知症と診断されたが治療薬の服薬拒否があり、治療ができない。
②他の疾病なく通院の必要性が乏しい。
87
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・何とか、介護保険の申請には至ったが、今後の支援の方向性が見出せない。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・妻からは、本人への苦情や不満しか訴えはない。
・娘も無関心であったが、今回は通院までは協力を得ることができた。しかし、サービスの利用や服
薬管理については、本人の拒否(怒鳴る)が強く、十分な協力が得られないと想定される。
88
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(子・子の妻)
90 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
自立度判定基準(Ⅰ)
4-2 要介護認定
要支援1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成22年
8月
5-2 相談者
家族(続柄:息子)
5-3 相談方法
訪問
5-4 最初に気づいた
・平成 21 年 10 月に夫が死亡。4∼5年前より物忘れが目立ち、火の不始末が
症状(認知症を疑
あった。夫の死亡により気分の落ち込みが大きく、閉じこもりとなり、他者
ったきっかけ)
との関わりがほとんどない状況。
・物忘れがひどくなり、生活面でも支援が必要になる。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:息子)⇒健康状態:健康
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)⇒通所介護
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・家族が本人と一緒に月に1回通院する。
・病状は家族より聞き取る。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
89
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
ニーズ
②介護に関する
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
・閉じこもりなので週に1回外出し、他者と交流を持っていただく。
・膝痛があるので下肢筋力低下予防のため、運動を行う。
・生活に楽しみをもつため、趣味活動に参加していただく。
・自宅では本人の役割として、野菜の出荷を無理のない程度行う。
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:自宅
)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
薬の処方、長谷川式の認知症検査
□認知症サポート医
■認知症専門医
市民病院精神科を受診
⇒軽度AD(注意欠陥)と診断
□民生委員
□居宅介護支援事業所
■サービス事業所
通所介護
体操や趣味活動に参加
脳トレーニング、同世代の人とのお喋り
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
野菜の出荷の手伝いを自宅での役割としている。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・自宅で入浴しているが、認知症状の進行できちんと洗髪・洗身ができていない。通所介護で家族は
入浴介助を希望しているが、本人は「自宅で夜、入浴している」と入浴拒否がある。通所介護で他
者と一緒にならない様に配慮し、入浴の声かけは継続していく。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・通所介護にてゲーム、体操、趣味活動、脳トレーニングなど行っている。
・作品も熱心に作り、自宅へ持って帰る。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・通所介護の利用により、気分の落ち込みの解消が見られ、週1回の外出を楽しみにしている。サー
ビス利用により気分転換ができ、生活にハリがでてきている。野菜の出荷は自分の仕事と思い、一
生懸命行っている。
90
訪問調査
調
査
票(事例 04)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
60 代後半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要支援1
4-3 日常生活自立度
A(①・2)
あり
自立度判定基準(Ⅱ(○
a ・b))
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成20年
7月
5-2 相談者
病院
5-3 相談方法
訪問
5-4 最初に気づいた
・夫に対する被害妄想があり、家財道具を近所に預けようとした。
※退院時に一度連絡あり
症状(認知症を疑
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない
⇒通所介護
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・最初の相談が病院からだったため、もともとつながりがある。病院は認知症疾患センターも備えて
いる。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・病院の相談員と、退院後の在宅生活に向けて入院中の状況を確認した。(共有シートあり)
91
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
ニーズ
②介護に関する
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
・夫婦二人暮らしで、本人は家事はできない状況。
・閉じこもりとならないよう、集団の中で過ごす機会をつくる。
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:病院)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
三週間に1回通院し治療
□認知症サポート医
■認知症専門医
三週間に1回通院し治療
□民生委員
□居宅介護支援事業所
■サービス事業所
デイサービス
週1回利用
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
娘が週一回訪問し、家事支援を行う。
■その他(地域包括支援センタ
マネジメント
ー)
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・デイサービスに行っても他の利用者と会話せず、マイペースで過ごす。
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・被害妄想は出ていないが自閉的である。
・感情の変化の乏しい状態が続いている。
92
訪問調査
調
査
票(事例 05)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
なし
自立度判定基準(Ⅰ)
4-2 要介護認定
要支援1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
本人
5-3 相談方法
特定高齢者チェックリストによる相談
5-4 最初に気づいた
・日程連絡等の物忘れと、本人の言動「よく忘れるようになった」
症状(認知症を疑
5月
・サービス担当者会議にて、火の消し忘れの多さを夫より相談される。
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない
⇒通所介護
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・引き継ぎ案件のため、記録なし(本人が自ら受診したと考えられる)
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・引き継ぎ案件のため、記録なし
93
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・継続的受診と薬による管理
ニーズ
②介護に関する
・物忘れが進まないような取り組み。外に出かけていき、頭を使う、又は役割の継
ニーズ
③生活支援に関
続。
・夫の協力
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:更新時、サービス担当者会議)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・月1回通院し、受診と薬の処方。
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
■サービス事業所
・サービス担当者会議にて情報の共有、サービス利用の中で、物忘
れが進行しないような関わりをもつ。役割など。
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・ガスの消し忘れがあったため、ガスコンロから温度センサー付き
ガスへ変更した。
・夫が火の元等確認を常に行っている。
■その他(センター)
・訪問前の連絡に加えて、当日の電話連絡を行う。家族(夫)に状
況を確認し、本人のできていない所をカバーしてもらうようにし
た。火元の確認など。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・日程(訪問日)などの約束事をすぐに忘れる。不在のこともある。覚えていることもあるが常にメ
モ書き、電話連絡等、通常に比べ連絡回数が多い。夫の妻に対する物忘れの心配を今後どのように
支援していくか苦慮している。
94
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・支援当初に比べ、物忘れ(日程)は少なくなったようである。連絡を覚えていることもあり、話が
通じている。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・比較的物忘れの程度が変わりなく(悪化していない)、穏やかに過ごしている。
95
訪問調査
調
査
票(事例 06)
センター名:D地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(子)
70 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
A(①・2)
あり
自立度判定基準(Ⅱ(○
a ・b))
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
5-2 相談者
民生委員
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・頻回にお金を民生委員に借りにきたりするようになった。
症状(認知症を疑
3月
・訪問の際、自宅の中が片付けられておらずゴミ屋敷状態である。
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:息子)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
96
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
ニーズ
②介護に関する
ニーズ
③生活支援に関
・日常生活についての支援を必要としているが、同居の息子が納得していない。
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
・息子が就労していないため、母親の年金と原爆被爆者に対する手当で2人が生活
しており、経済的に困窮している。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:地域の集会所(民生委員、町内会等))
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
主治医より民生委員へ必要な支援について依頼があり、今後も連絡
が入る可能性がある。
□認知症サポート医
□認知症専門医
■民生委員
定期的な声かけや関わりを継続して持つ。今後も、必要時は地域包
括支援センターと同行訪問する。
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
■インフォーマルサービス提供者等
民生委員や地域のボランティアを中心に、玄関の掃除や声かけを行
い、状態の把握を行っている。
■町内会、近隣住民等
町内会に見守り隊があり、週1回定期的に見守りが行われている。
□社会福祉協議会
□家族等介護者
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・息子が母親の身体・認知機能の低下を受け入れることが出来ず、介護保険サービスや周りが支援を
することに対しての理解がない。介護力はないがサービス利用を拒む。本人としてはサービス利用
の意思があるが、利用に繋がっていない。
・本人自身も一部の地域住民に対しての受け入れはよいが、特に人との関わりを持とうとしない。
97
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・緊急時のスムーズな支援の導入に結びついた。
・地域の核となる人が地域課題について考えることができた。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・支援者が増えることで、本人自身の相談相手が多くなった。
98
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
80 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護4
4-3 日常生活自立度
1 ・2)
B(○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成21年
5-2 相談者
本人
5-3 相談方法
来所
7月
※本人の自覚的な相談ではなく、たまたま職員が対応していて気づいた。
5-4 最初に気づいた
・妻が要介護1の認定を受けており(認知症も患っている)
、合併以前の旧町
症状(認知症を疑
の職員が相談対応していた。居宅のケアマネジャーに引き継ぎ、センターと
ったきっかけ)
しては対応が途絶えていたが、この日突然窓口に本人が来所し、訪問支援が
無いとセンター職員に怒り出す。説明が全く通じず、翌日ケアマネジャーと
同行訪問するが、その際の対応で話のつじつまが合わず、同じ話を繰り返す
ため、認知症を疑う。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:娘)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:近所に住む娘の訪問による買い物等の支援がある)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人に病識が無く、妻の介護相談を通して、ケアマネジャーと連携し娘に助言するが、問題意識を
持つことは無かった。平成 24 年 10 月、本人が車の事故を起こす。数日後、呂律が回らないなどの
症状が出現、家族が総合病院(かかりつけ医である市民病院)へ連れて行き、手術を受けた。入院
中にひどい精神症状が出現し、困った病院から退院を打診され、家族からセンターに相談が入った。
家族に医療相談室を紹介し、相談員に連絡を取り、対応をお願いした。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・医療相談室の相談員にこれまでの支援経過、本人について認知症を疑っていることを伝えた。娘が
認知症という認識を持っていないので、支援に繋がらないことを伝え、入院中に本人の認知症につ
いて精神科の専門医による診断と、娘への説明をお願いした。また、在宅に戻した場合、介護保険
サービスに繋げることの厳しさを伝えた。
99
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・認知症について医学的管理の継続。
ニーズ
②介護に関する ・夫婦ともに日常生活に常時見守りが必要。高齢者世帯で妻も認知症により家事が
ニーズ
③生活支援に関
出来ず、介護支援が必要。
・自宅は段差が多く、在宅に戻ることは難しい。入院中も夫婦がお互いを心配し、
するニーズ
一緒に居ないと落ち着かない。夫婦一緒に介護を受けられる施設への入所を希
望。
④権利擁護に関
・お金に対する執着が強く、家族の誰も通帳その他の財産管理について知らない。
するニーズ
入院中は娘が費用を立て替えており、親族の対応に任せている。
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:自宅にセンターとケアマネジャーで訪問したり、親族がセンタ
ーに来所)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
妻の診断を行いながら、夫についてもホームドクターとして関わっ
ていた。事故後体調変化があった際には総合病院(認知症専門医の
いる)へ紹介を行う。
■認知症サポート医
総合病院に入院中、精神科を受診。認知症の診断と家族への説明。
□認知症専門医
□民生委員
※夫婦世帯により、支援対象となっていなかった。
■居宅介護支援事業所
連絡を取り合う。夫の入院後は認知症の妻が自宅に一人になること
から、サービス調整をする。
■サービス事業所
妻が夫の入院先に面会に行き、安心できるように、送迎やサービス
提供時間の調整をケアマネジャーと協力して行う。
■インフォーマルサービス提供者等
本人が入院中、妻への娘の介護負担を少なくするように、宅配弁当
を利用。
□町内会、近隣住民等
※本人に被害妄想があり、隣人とは関係が悪く、常に厳重に施錠し
ており交流はない。
■社会福祉協議会
隣人による嫌がらせがある(被害妄想)と本人から相談を受ける際、
センターと情報交換を行い、相談対応した。
■家族等介護者
2人の娘が協力して買い物や通院など支援している。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・夫婦共に認知症が疑われたが、支援する娘に認知症という認識を持ってもらえず、夫婦共に有効な
支援につなぐことが出来なかった。結果として、重大な事故を引き起こしてしまった。
100
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・転院先の病院より1月中旬には退院するように言われ、娘より退院後の施設の相談を受ける。要介
護度4の認定が出たことから、可能な施設を紹介する。妻は在宅にこだわったが、自宅で介護サー
ビスを利用しても 24 時間の支援が難しいことから、本人が再度転倒する危険が大きいことを伝え、
娘と共に妻にも同意が得られるように説得を行う。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・相談を受け、ケアマネジャーが入院中の病院の担当看護師に連絡。看護師が本人に上手く説得し、
本人も施設に入ることに同意。介護認定が出たことで、ケアマネジャーが調整し、夫婦で入れる住
宅型の介護施設(サ高住)に1月中旬より入居することとなった。
101
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
3.家族構成
独居
2.年齢
80 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成23年
4月
5-2 相談者
近所の友人
5-3 相談方法
訪問
5-4 最初に気づいた
・郵便物が届く度に、本人が友人宅を訪ねてきて代読を頼む。
症状(認知症を疑 ・老人会やふれあいサロンに同席している仲間が、予定を忘れることが日常的
ったきっかけ)
にあると、本人の物忘れを心配している。
・鍋を焦がすことが増えている。
・金銭管理をしてくれていた甥に対して、物盗られ妄想があり、関係が悪化。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:ふれあいサロン、夕食材料の宅配(毎日)
)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・近くの病院に自分で定期通院していたところ、医師から認知症を心配し、ケアマネジャーに連絡が
入る。ケアマネジャーからの相談を受け、センターで把握していた情報を主治医にFAXで伝えた。
・主治医として介護保険利用開始の際にサービス担当者会議に出席してもらい、情報提供する。
・往診に変更になり、センター職員が往診に合わせて訪問し、情報提供を行った。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・本人の生活に関する情報
・成年後見申し立てに関する情報
・成年後見申し立てから後見人がつくまでの経過に関する情報
102
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・往診、内服管理
ニーズ
②介護に関する
・グループホームにおける日常生活全般の支援
ニーズ
③生活支援に関
・グループホームにおける日常生活全般の支援(同上)
するニーズ
④権利擁護に関
・NPO法人による法人後見の継続
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・往診
・成年後見の申し立てにかかる診断書の作成
□認知症サポート医
■認知症専門医
・成年後見の審判にかかる鑑定書の作成
■民生委員
・日常生活における見守り
■居宅介護支援事業所
・介護保険サービスの利用支援
・主治医及び親族との連絡調整
■サービス事業所
・在宅中はデイサービス、ヘルパーによる支援
・平成 24 年1月中旬
グループホームに入所
■インフォーマルサービス提供者等
・宅配給食サービス
■町内会、近隣住民等
・日常生活全般にわたる支援。見守り、話し相手。
・ふれあいサロン(月2回)
■社会福祉協議会
・日常生活自立支援事業の検討
→成年後見制度の利用が妥当と判断し、申し立ての支援をする。
■家族等介護者
・成年後見の鑑定のための病院受診の付き添い
・成年後見の鑑定のための申し立て人(甥)
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・成年後見申し立てに至るまで
本人の判断能力を見極め、申立人の選定、第三者後見人の確保、申立手続きの支援
・成年後見の申し立てをしてから審判がおりるまで、鑑定が必要になった場合の鑑定医の確保、後見
人がつくまでの金銭管理
103
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・甥や姪、近所の友人の支援でなんとか生活していたが、認知症による物盗られ妄想が著名になり、
関係性が悪化していた。そこで成年後見制度の利用を検討し、成年後見人が金銭管理を担うことで
支援者の役割分担が明確になった。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・成年後見人がついてから、施設入所の契約を結び、現在はグループホームで生活している。
104
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(その他(前妻の子:本人と関係が悪い、面倒を見ない)
90 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
なし
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
申請中
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年12月
5-2 相談者
隣人
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・鍋焦がしが頻繁になり、火事騒ぎがあった。
症状(認知症を疑
・物をなくし探し物をすることが多くなった。
ったきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)⇒訪問介護
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用あり)
⇒(具体的に:市の日常生活用具給付事業により電磁調理器の支給を受けた)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・電話およびFAXで情報提供し、介護保険申請にあたっての主治医の意見書を依頼した。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・隣人から、炊飯器がうまく作動せずガス漏れがあったり、鍋を焦がすことが頻繁にあるのでなんと
かしてほしいと相談があった。訪問したところ介護保険証や医療保険証も探せず、生活全般に支援
が必要と思われたので介護保険を申請することになった。その経緯を医療機関に情報提供した。
105
≪現在の支援の内容について≫
9. 対象者のニーズについて
①医療に関する
・専門医の診断を受け、適切な治療を受ける必要がある。
ニーズ
②介護に関する ・買い物や好きなグラウンドゴルフへも行けなくなるし、自宅での生活ができなく
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
なるので、下肢筋力が低下及び認知機能が低下しないようにしたい。
・読み書きが苦手なため、郵便物等書類の内容確認をしてほしい。
・掃除をしながら一緒に探し物をしたり、新しくなった電磁調理器の使い方も確認
したい。
④権利擁護に関 ・通帳や印鑑をなくし預金が引き出せなくなったので、隣人とセンター職員で通帳
するニーズ
の再発行手続き及びなくした通帳と定期預金証書の凍結を依頼。今後、金銭管理
に関して日常生活自立支援事業の利用を検討中。
⑤その他ニーズ
・要介護認定を受けている前妻の子と同居しているが関係が悪く、孫が訪問しても
一切の関係を拒否されており、介護者がいない。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:サービス担当者会議)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・診察、薬の処方
□認知症サポート医
□認知症専門医
■民生委員
・初回同行訪問及び見守り
■居宅介護支援事業所
・ケアプラン作成及び相談支援
■サービス事業所
・訪問介護事業所による文書の確認及び助言
・金融機関への同行
・調理
・掃除の支援
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・炊飯器のガス漏れのため電磁調理器へ替える手配をしたり、困り
ごとの相談にのっている。(本人と地域の人々との関係は良好)
・保険証や通帳の再発行に同行
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他(市役所)
・電磁調理器の給付
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・介護者がいないため生活の変化に気付けず、生活上の問題や認知症でどのような症状があるかわか
らない。
106
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・ケアマネジャーやホームヘルパーが関わることにより生活実態が明らかになり、認知症の程度がわ
かってきたため、支援方法を再検討しながら支援していく。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・まだ関わり始めて間がないため状態変化はない。
107
訪問調査
調
査
票(事例 04)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(配偶者)
60 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅲ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護3
4-3 日常生活自立度
2 )
A(1・○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成22年
5-2 相談者
民生委員
4月
※民生委員児童委員協議会の会議にケアマネジャーが参加して、情報交換をし
ている。
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・近所に住む身内から民生委員に相談が入り、民生委員が自宅訪問し、本人と
症状(認知症を疑
会う。対応した様子(会話が成立しない、季節に合わない身だしなみなど)
ったきっかけ)
から認知症を疑い、センターへ相談となった。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:夫)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用あり)
用)の状況
⇒健康状態:健康
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・地域の認知症サポート医であり、在宅医療に取り組んでいる開業医の看護師へ電話で相談した。看
護師は訪問看護やケアマネジャーとして業務を行っており、地域の在宅医療の窓口としての役割を
担っている。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・相談経緯と訪問時の本人及び介護者の状況を伝え、病気診断の必要性の有無を確認した。
108
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する ・開業医からの紹介で総合病院の物忘れ外来で投薬治療を受けていたが、周辺症状
ニーズ
の悪化などに対して十分対応をしてもらえず、症状が悪化傾向にある。
②介護に関する ・生活全般(食事・排泄・入浴・更衣など)に介護が必要であるため、訪問介護、
ニーズ
通所介護を利用中。気分にむらがありサービス拒否がたびたびある。
・娘は通院などの援助はできるが、日々の支援はできない。
③生活支援に関 ・夫ひとりで介護しているため、夫の心身の負担が大きくなっている。
するニーズ
・夫が相談できる家族がいない。
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ ・世帯として年金もあり経済的な心配はないが、娘が経済的に困窮しており、時々
娘から無視されていることが最近判明した。(夫からの話で)
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ ⇒(支援内容を検討した場:ケアマネの初回訪問時に同行し、夫も交えて検討した。)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
■かかりつけ医
□認知症サポート医
■認知症専門医
■民生委員
■居宅介護支援事業所
■サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・始めはうつ病として治療。治療を中断し、再受診時に専門医を紹
介。
・精密検査を実施し、診断治療を行う。病状が悪化し、在宅医療が
必要になった時にはかかりつけ医へ紹介。
・随時訪問
・状況や地域の声をセンターへ報告
・ケアプラン作成
・通院時同行し医師へ相談
・介護者への支援
・センターとの情報交換
・身体生活援助
・家族支援
・心身の状態把握
・ケアマネジャー、センターとの情報交換。
・近隣の人の見守り。変化があった時には民生委員へ相談。
・日常生活全般の見守り介護
・通院介助
・服薬管理
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・初回訪問時から病院受診まで1か月を要した。夫が年齢的に若いこともあり、夫の意向を尊重し受
診を任せたが、約半年で治療が中断されていることが判明し、早急に訪問した。病状の悪化が明確
であったことから、かかりつけ医・看護師へ相談、その日のうちにY医院受診に同行、専門医受診
へつながった。夫婦ともに 60 代で若いことから夫の意向を尊重したが、助言や援助の程度の判断
が難しかった。医療の必要性の理解が得られるまでの関わりに時間を要した。(介護者が妻が認知
症であることを受け入れるのに時間がかかったのが課題)
109
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・主介護者である夫が地域や身内と付き合うことをせず、孤立した環境にあった。病院受診の必要性、
家族構成や関係性など、必要な情報を話してもらえるまで、信頼関係の構築に期間を要した。
・センターの相談援助業務を通じ、医療診断、要介護認定、居宅のケアマネジャーへつなぎ、必要な
介護サービスや医療が受けられる状況に至った。当初、夫は困っている状況を言葉に出せなかった
が、介護サービスを受ける中で、夫の言動に変化が生じてきたことは成果であった。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・ケアマネジャーが支援の中で得られる情報だけでなく、民生委員の訪問や地域からの声をつないで
いくことで、世帯としての支援を行っていくことができた。能動的な行為はほとんどできないと思
っていたが、調子がいい時にはホームヘルパーと一緒に家事をするなど、主婦としての能力の維持
に努めている。
110
訪問調査
調
査
票(事例 05)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
70 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅲ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年12月
5-2 相談者
市役所介護高齢課
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・夜間、自転車で転倒し警察に保護され自宅に搬送された。所持金がなく、食
症状(認知症を疑
べ物もないと訴えたため役所に連絡が入り、センターより訪問となった。訪
ったきっかけ)
問時、生年月日はかろうじて言えるが、2日前のことも覚えていないことが
多い。部屋はゴミ屋敷の状態。受け答えも冗談なのかごまかしているのか分
かりかねて認知症を疑った。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・本人に受診歴を確認すると、数日前転倒し、市民病院に救急搬送されたが、そのまま放置していた
ため、市民病院の整形外科へ同行し、再受診する。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・両足指の腫れと痛みがあること、ライフラインが止まっており、生活に困っていること、認知面で
も心配があることを訴えるが、整形外科では数日前の救急搬送時の検査結果を含め、異常がなかっ
たため、認知症については予約診療を求められる。
111
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・受診、適切な治療を受けるための支援。
ニーズ
②介護に関する
・不眠、過食、誤食等があり、元々の生活習慣も自立していないため廊下で放尿、
ニーズ
下半身裸で歩いたりする。特に介護が必要な状態。介護保険の代行申請。
③生活支援に関 ・身寄りがなく、居住地も含め、通院や金銭管理等生活全般を整えるための支援が
するニーズ
必要。
④権利擁護に関 ・重度のアルツハイマー型認知症と診断され、判断力に欠けるため、生活全般の支
するニーズ
⑤その他ニーズ
援が必要。成年後見制度の申請に向けた支援。
・元々の居住地には未練はない。施設に入所したい。
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
■認知症サポート医
・特別養護老人ホームの嘱託医に往診を依頼。内服薬の処方、認知
症専門医への紹介。
■認知症専門医
・認知症専門医を受診し認知症と診断、入院治療の予定。
■民生委員
・同行訪問し、生活状況の確認や指導。
■居宅介護支援事業所
・ケアプランの作成
・相談支援
■サービス事業所
・訪問介護(週3回)
・ショートステイ
□インフォーマルサービス提供者等
■町内会、近隣住民等
・大家:生活状況をセンターへ情報提供したり、見守りを行う。
・牛乳配達員:生活状況をセンターへ情報提供したり、見守りを行
う。
■社会福祉協議会
・生活支援
・年金の管理支援・成年後見制度の手続き(準備中)
□家族等介護者
■その他(役所)
・高齢者福祉サービス(短期入所事業)の利用支援
・高齢者福祉サービス(給食サービス)
・戸籍の確認、親族に支援の依頼
■その他
・保証人契約
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・保証人がいないこと
・本人の状態が不安定なため、方向性が定まらないこと
112
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・ライフラインが止まっている状態であったこと、年金搾取の疑いがあったことから生活支援をする
と同時に介護保険を申請、高齢者福祉サービス、介護保険サービスの利用に至った。本人の希望も
あり、一時的にショートステイを利用しながら施設入所を目指していたが、認知症状の悪化により
認知症専門医を受診(重度の認知症と診断される)、今後の生活の方向性(専門病院での治療が必
要)を検討中。今現在は、特養に入っている。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・自宅では支援に対し拒否することはなく応じていたが、独居で生活実態がつかめないことが多かっ
た。ショートステイを利用したが、基本的に日常生活が自立していなかったため本人の生活習慣が
施設に適応できず、集団生活の中で問題行動(収集癖、失禁、過食)があるため受け入れを拒否さ
れた。介護保険施設(特養)に入所し、収集癖等に加え異物を口にする、攻撃的な言葉、不眠等の
問題行動が目立ってきている。
113
訪問調査
調
査
票(事例 06)
センター名:E地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
3.家族構成
独居
2.年齢
70 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
未申請
4-3 日常生活自立度
J
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成23年10月
5-2 相談者
家族(続柄:息子)
5-3 相談方法
来所
5-4 最初に気づいた
・平成 23 年 5 月頃、通帳や現金がなくなったなどのもの盗られ妄想が出現。
症状(認知症を疑 ・自分で買い物に行くが、同じものを何個も買ってきたり、賞味期限切れのも
ったきっかけ)
のが冷蔵庫にたくさんあったりする中で、息子が認知症と気づき、
(医療機
関からの紹介で)センターに相談が入る。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:息子)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・相談時、既に専門医を受診(息子が連れて行った)し認知症の診断を受け、内服治療も開始してお
り、センターから医療機関に対しては連絡していない。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
114
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・定期通院、服薬管理、適切な治療が継続できるよう支援が必要。
ニーズ
②介護に関する
・独居で日常的な支援がないため、今後介護保険サービスの利用が必要。
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
・独居で孤独感を感じ、息子との同居を望んでいるが、嫁との折り合いが悪い。
・定期的に息子が訪問し、安心感を得られるようにする。生活の見守り。
・判断能力が低下し、支援が必要。
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
いいえ
⇒(支援内容を検討した場:民生委員と訪問し、様子を把握。その後息子に連絡し検討した)
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
具体的な支援内容
□かかりつけ医
□認知症サポート医
■認知症専門医
・認知症の診断
・内服治療
■民生委員
・定期訪問による見守り
・サロン等への参加の誘い
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
■家族等介護者
・息子が定期通院の付き添い(2か月に1回)
。週4回訪問し、生活
の様子をみて、服薬管理を行う。
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・日常生活は送れているものの、物忘れによる他者とのトラブルがあったこと、独居で日常的な支援
が得られない状況であったことから、センターでは介護保険サービス利用を検討したが、本人に物
忘れの自覚はなく、介護保険サービス利用については「困ることもなくそういう年齢ではない」と
の理由で拒否される。
115
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・認知症と診断されたことで息子の支援が得られ、現在は息子が週4回、訪問することで生活の様子
を確認、生活環境を整えていることや、定期通院し服薬することで、物盗られ妄想もなくなってい
る。物忘れはあるものの、薬の効果が得られ症状が落ち着いているとの医師の判断があり、通院も
1か月に1回から2か月に1回へ変更。息子の支援や民生委員の見守りによって、現在も在宅生活
を継続している。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・日時や約束事を忘れてしまうことが多いが、もの盗られ妄想が落ち着いた。本人に特に変化はなく、
これまでと変わらず日常生活を送っている。息子、民生委員と連携をとりながら、本人へは機会を
見ながら介護保険申請を進めているが、いまだ申請はできないでいる。
116
訪問調査
調
査
票(事例 01)
センター名:F地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
3.家族構成
独居
2.年齢
90 代前半
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒なし
自立度判定基準(Ⅰ)
4-2 要介護認定
要支援2
4-3 日常生活自立度
A(1・2)
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年11月
5-2 相談者
その他(医師(もの忘れ相談医))
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・医師(もの忘れ相談医で当センターとの関わりあり)から「新患者で 90 歳
症状(認知症を疑
の独身高齢者がいる。住まいの相談ごとがあり、生活状況が不明なので相談
ったきっかけ)
にのってほしい」と連絡があった。
※センター主催で、もの忘れ相談会を年2回実施している。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
なし
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・医療機関からの相談であるため、初回訪問からの経過を報告し、当センターの支援目標を提案する。
特に認知症状について専門医療機関への受診可否を確認する。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
・本人宅を訪問し、生活状況・内服確認(短期記憶障害の有無)等の情報提供を口頭で行う。
・本人の主訴
※医療機関→センターへは、受診状況の確認をもらっている。
117
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・薬はなし(頭がふらふらするとの症状あり。血圧が高い。)
ニーズ
②介護に関する
ニーズ
③生活支援に関 ・住み替えを希望している(老朽化している賃貸アパートから、本人の希望にあう
するニーズ
④権利擁護に関
賃貸または高齢者住宅等への住み替えをしたい)。
・自己決定を支援する家族等の存在がいないので心配である。
(友人と称して金銭
するニーズ
を受け取っている男性の存在を確認した)
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
⇒センター主催で運営。個別ケースは不定期に開催。メンバーは、かかりつけ医、センター、ケアマ
ネ、介護サービス事務所、民生委員、社協の権利擁護センター、司法書士や弁護士、行政の地域振
興室長(町会・自治会担当)など。場所はセンターが多いが、外の公共施設でも開催している。
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・権利擁護システム(社協の日常生活自立支援事業と成年後見制度)
の活用にあたり、本人の判断能力を確認
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他(職能団体)
・任意後見契約についての助言
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・任意後見人候補者の選定(職能団体の中でどこにお願いするか、費用面も含めて検討中)
118
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・ソーシャルサポートとして住み替えの実現に向けて、自己決定を支援する。
・権利擁護システム活用に向けての候補者との面談・決定支援をする。
・具体的な任意後見契約締結支援
・認知症は周辺症状で見るので、それが生活障害になっていれば、認知症支援を考えることになる。
焼けこげがあるので、緊急性が低いというわけではない。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・住み替え場所の具体的な選定により、
「今後の生活=大好きな読書をする」が実現することとなり、
老朽化した賃貸アパートの整理を自発的に行う。
119
訪問調査
調
査
票(事例 02)
センター名:F地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
男性
2.年齢
3.家族構成
同居⇒(兄)
60 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒なし
b )
自立度判定基準(Ⅱ(a・○
)
4-2 要介護認定
要介護1
4-3 日常生活自立度
2 )
A(1・○
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年10月
5-2 相談者
自治体職員(障害担当)
※こういったアウトリーチでの相談は初めて
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・障害担当部局から 60 代半ばになる障害者(愛の手帳3度)がいるが、しば
症状(認知症を疑
らく入浴等もしていない状態が心配なので相談にのってほしいとの連絡あ
ったきっかけ)
り。(障害担当部局で実施した訪問調査がきっかけ)
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:兄)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:健康でない
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
未受診
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
120
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・受診及び継続した医学的管理が必要(糖尿病による下肢切断あり)
ニーズ
②介護に関する
・入浴ができない状態のため、定期的な保清の確保が必要。
ニーズ
③生活支援に関
するニーズ
④権利擁護に関
するニーズ
⑤その他ニーズ
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・兄と2人で外来に通院している(糖尿病の薬は出ている)。
□認知症サポート医
□認知症専門医
□民生委員
□居宅介護支援事業所
□サービス事業所
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
□社会福祉協議会
□家族等介護者
■その他(センターサポート
医)
■その他(センター)
・医療面についての相談
※自治体の事業として、センターを医療
的側面から支援するサポート医を設置している。
・週1回の訪問、薬の投薬確認
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・センターサポート医による訪問(往診可/初回は本人の費用負担なし)が可能であるため、困難な
し。(以前は医療機関につなげることが困難だった)
・要介護認定にあたり要介護と認定されることがわかれば、ケアマネジャーへに連絡し同時進行でき
るのだが。
121
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・本人が外に出たがらなかった。センターサポート医制度を活用したので、医療機関につなげる困難
がなくなった。
・要介護認定も出たので、これからケアマネジャーに引き継いでいく。その後は、ケアマネジャーの
支援という形で関わることになる。
・本人とかかわればかかわるほど、自発的に会話してくれるようになってきた。
・介護保険申請に伴う「意見書」作成支援
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・介護保険の申請→要介護1の認定→介護保険サービスの利用に至る。
・第三者とのかかわりから、自発的な会話が可能となった。
・介護者の精神的な負担が軽減された。
122
訪問調査
調
査
票(事例 03)
センター名:F地域包括支援センター
≪対象者の現状について≫
1.性別
女性
2.年齢
3.家族構成
独居
※同居でないが、同一区内に軽度認知症の「姉」がいる
70 代半ば
4.状態像
4-1 認知症の程度等
認知症の診断の有無⇒
あり
自立度判定基準(M)※精神科を受診、後見類型
4-2 要介護認定
要介護4
4-3 日常生活自立度
A(1・2)
≪対象者の発見時の状況について≫
5.対象者を発見したきっかけ(発見時の状況)
5-1 発見した時期
平成24年
4月
5-2 相談者
警察
5-3 相談方法
電話
5-4 最初に気づいた
・警察より、認知症なのか自宅が分からず保護している高齢者がいるとの電話
症状(認知症を疑
がセンターに入った。本人が住所と名前を言えたため、最寄りのセンターに
ったきっかけ)
問合せてきた。センターでは、近在の姉と本人確認した。
※区内のセンターが集まる会議に警察や消防署が出席しており、警察とのつな
がりはあり。
6.介護者と介護の状況
6-1 介護者
あり(続柄:姉)
6-2 介護(サービス利
☆介護保険サービス(利用なし)
用)の状況
⇒健康状態:要介護(要支援)
☆インフォーマルな支援(利用なし)
≪医療機関への連絡について≫
7.医療機関への連絡をどのように行いましたか。具体的にお聞かせください。
・未受診とわかり、受診を本人に働きかける。区の事業(医療費が無料)である精神科の訪問診療(定
期的訪問、ケアマネへの情報提供)を利用した。まず役所と同行訪問して、訪問診療の必要性を理
解してもらい、事業の利用につなげた。
8.その時、医療機関とどのような情報を提供しましたか。具体的にお聞かせください。
123
≪現在の支援の内容について≫
9.対象者のニーズについて
①医療に関する
・認知症状による確定診断が必要
ニーズ
②介護に関する
・ADL特に排泄・入浴に支援が必要
ニーズ
③生活支援に関
・IADL特に適切な栄養の摂取に支援が必要
するニーズ
④権利擁護に関
・判断能力・金銭管理に支援が必要
するニーズ
⑤その他ニーズ
・消費者被害の未然防止
・対人拒否あり
10 対象者への支援内容を決めるに当たり、地域ケア会議で検討を行いましたか。また、地域ケア会
議で検討していない場合は、どこで検討しましたか。
はい(地域ケア会議を、1部と2部の二層建てで開催した)
⇒1部:自治体職員、介護保険事業所、民生委員
2部:ケアマネジャー、社協、司法書士、1 部の介護保険関係者以外の方
11.対象者に対し行った(行っている)支援について、支援に関わった機関、関係者とそれぞれの具
体的な支援内容についてお聞かせください。
機関・関係者
■かかりつけ医
具体的な支援内容
・内科医学的管理(訪問診療・訪問薬局)
□認知症サポート医
■認知症専門医
・区の事業(精神科の訪問診療)を活用し、継続した精神科医学的
管理となる。
■民生委員
・定期訪問(週1回)による安否確認
■居宅介護支援事業所
・介護保険ケアプラン作成
■サービス事業所
・訪問介護、デイサービス、訪問看護
□インフォーマルサービス提供者等
□町内会、近隣住民等
・協力的かどうかがわからず、あえて声かけをしていない。
■社会福祉協議会
・成年後見制度活用への助言(姉も軽度の認知症のため)
□家族等介護者
■その他(司法書士会)
・後見人候補者としての支援(不動産売買が今後発生することを見
越して)
12.支援を行った上での課題・困ったことについて
・警察保護が数回あり、施設入所の選定に困った。(在宅、施設の意向に関する本人の意思確認)
124
≪現在の支援までの経過や成果について≫
13.支援内容の経過(変化)について
・問題行動は徘徊だけで、バスにも乗れる状態であった。
・時間管理ができなかったので、外のサービスを利用することができず、訪問による支援を考える必
要があった。
・未受診であったため、医療機関につないだ。
・介護保険の申請→要介護認定→介護保険サービスの利用へとつなげる。
・警察保護の回数がゼロとなる。
・在宅での入浴は拒否したが、デイサービスでの入浴は可能となる。
14.支援の成果(対象者の状態変化等)について
・成年後見人選任により支援の方向性を確認・同意できたこと(司法書士)。
・在宅生活の安定
・警察保護の回数がゼロとなる。
・平成 24 年末に老人ホームに入所した。
125
5
第5部
まとめ・提案
1 訪問調査の考察
認知症支援のポイントとして、訪問調査で取りあげられた事例を分析し、相談・気づき⇒
医療機関へのつなぎ⇒具体的支援という3つの段階に分けて考えるとともに、早期発見・早
期対応の基盤となる地域における支援体制づくりについて整理した。
⑴ 気づきから相談へ(周囲が気づき、情報発信⇒誰が疑いをもち、どこに相談するか)
○相談者(発見者)のa)気づき、b)センターと相談者(発見者)とのつながりという
2つの視点から整理した。
センター
a)相談者(発見者)
b)つながり
○a)相談者(発見者)として、事例からは、①家族・親族、②民生委員、③近隣住民・
仲間、④地域包括支援センター・在宅介護支援センター(
「地域包括支援センター」及
び「在宅介護支援センター」は、以下、
「センター」と略する。
)
、⑤行政関係者、⑥医
療機関従事者、⑦警察関係者等があげられる。これらの関係者が、高齢者本人の状態や
言動などから認知症を疑ったことが気づきへの一歩となっている。
○例えば、上述の⑤⑥の例を挙げると、行政窓口担当職員が苦情相談に対応する中で、言
動から認知症を疑い、センターに連絡が入ったケース(Eセンター№1)や、認知症以
外の理由で受診した高齢者について医師が認知症の疑いを持ち、ケアマネを経由してセ
ンターにつながったケース(Eセンター№2)などがある。
○閉じこもりがちな在宅高齢者の認知症に気づくためには、外部の人の関与が必要であ
る。事例では、介護未利用者調査や障害者手帳所持者の実態調査など行政による各種訪
問調査時に発見されたり(Aセンター№5、Fセンター№2)
、二次予防事業対象者を
把握するための基本チェックリストの実施時に高齢者本人が気づくケース(Dセンター
№5)もあった。
○b)センターと相談者(発見者)とのつながり(ルート)では、事例により、様々なし
くみが見られた。例えば、
①センターと民生委員との関係が密で、日常的に情報提供がされている。
②地域住民の集まる「地区サロン」
(月1回開催)にセンター職員が参加し、地域住民
126
との接点を定期的に持っている。
(Bセンター№1)
③地域住民を対象とした「もの忘れ相談会」をセンターが主催し(年2回開催)
、気軽
な相談の機会を提供している。
(Fセンター№1)
④区内の複数のセンターが集まる連絡会(年1回開催)に、警察や消防署がメンバーと
して参加し情報交換をしている。
(Fセンター№3)
⑤患者に気になる人がいればセンターに連絡をもらえるよう、医師との関係づくりがで
きている。
(Fセンター№1)
⑥民生委員児童委員協議会の会議(月1回開催)にセンター職員が出席し、情報交換を
行っている。
(Eセンター№4)
等があった。
○センターだけで相談者(発見者)とつながるには限界がある。相談者(発見者)とつな
がりを持っている様々な関係者とセンターがいかに連携するか、も重要なポイントであ
る。特に、行政、警察、消防署、民生委員など、個人情報保護の取扱いを考慮し、支援
体制を構築していくことが求められる。
○認知症に気づく際の症状としては、記憶障害、同じことを繰り返す、同じものを何度も
買う、おつりの計算ができない、会話の不成立、火の不始末や鍋焦がし、季節はずれの
身だしなみ、閉じこもり、部屋のちらかり、幻覚・妄想、徘徊、暴言・暴力等といった
内容が多くあげられる。
○できるだけ早い段階で、周囲がこれらの症状に気づき、適切な相談窓口につながってい
くために、センターは関係者や住民に対し、認知症についての情報提供を行い、気づき
を促すことが必要である。
○独居の認知症高齢者の早期発見については、日頃からの見守りが重要で、本人と定期的
に接している関係者が、本人のちょっとした変化に気づくといった対人センサーが機能
するか否かがポイントと思われる。
事例では、不安から本人がたびたび民生委員に連絡を入れること(Aセンター№02)
や、郵便物が届く度に友人宅を訪ねて代読を頼むこと(Eセンター№02)により、ある
いは民生委員の定期訪問時(Cセンター№01)などで、ある程度頻繁に接している関係
者が本人の変化に気づいている。
○同居の場合は、
(同居)家族の気づきがポイントとなる。事例では、2~3年前から本
人の物忘れが気になっていたが、それが目立ってきて相談にいくケース(Bセンター№
01)、2年前から物忘れがおかしいと思いはじめていたが、知り合いの指摘をきっかけ
127
に相談にいくケース(Bセンター№04)
、本人の暴言・暴力行為が高じて相談にいくケ
ース(Dセンター№02)
、4~5年前からの物忘れがいよいよひどくなり、生活面でも
支援が必要になって相談に行くケース(Dセンター№03)があった。
「何か変だな」という段階を過ぎて、
「明らかに変だ」という段階になってから相談に至
る現状がある。本人の気になる症状が出始めたとき、家族ができるだけ早く相談機関に
つながるよう、認知症に関する知識を深め、気づきを早めることがポイントである。
○変化に気づいた相談者(発見者)が、気軽に相談できる機会と場が求められる。地域住
民が集まるサロンやたまり場に専門職が参加したり、認知症に関わる相談会を身近な地
域で開催して住民の参加を募るなど、できるだけ近い場所で頻繁に相談できる機会があ
れば、早期発見につながるものと思われる。
⑵ 医療機関へのつなぎと受診への支援(いかに認知症の診断につなげるか)
センター
医師
a)つながり
b)つながり(往診or通院)
本人
○センターが本人と医療機関をつなぐには、a)センターと医師のつながり、b)本人と
医師のつながり(往診、通院)という2つの視点が必要である。
○a)センターと医師のつながりでは、センターから認知症の相談や受診依頼ができる医
師の有無がポイントとなる。事例では、医療と介護のネットワーク会議(医師会・歯科
医師会・薬剤師会などの医療関係者とケアマネジャーなどの介護関係者からなる会議
体)を定期的に実施し、医師との顔の見える関係をつくっているケース(Bセンター№
1)、自治体の事業としてセンターのサポート医が配置※されることにより、センター
と医師とのスムーズな連携を図っているケース(Fセンター№2)
、在宅療養に取り組
んでいる診療所の看護師と協力体制をつくっているケース(Eセンター№4)などがあ
った。
※センターを医療面から支援するサポート医を圏域単位に設置。センターの要請によ
り、サポート医が本人宅を訪問する(初回訪問に利用者負担がない)
。
○医療機関へつなぐ第一歩として、本人から受診の同意を得る必要がある。これは本人の
権利尊重と、受診費用の負担の合意という意味あいがある。事例では、対人拒否や病院
嫌いといった個別の課題により、初診までに相当な時間と労力を要したケースがある
128
(Bセンター№1)
。センターの近くに認知症専門医がいる環境でも、本人が拒否して、
受診に結びついていないケースもあった(Cセンター№1)
。
○医療機関との情報のやりとりは、事例では、口頭で伝えているケースが多々あった。セ
ンターから医療機関に対しては、本人や介護者の状況や経緯等を、医療機関からセンタ
ーに対しては、既往歴や治療内容などの確認がなされている。
○センターと医療機関との間の本人情報の共有として、認知症のケースに限らないが、シ
ートを活用しているところもあった(医療機関・居宅介護支援事業所・地域包括支援セ
ンター間の連絡シート、受診時情報提供書など)
。関係者が共通の土台に立って、その
人の自立生活と治療の両面から支援を考えていく上で、本人情報の共有は非常に重要な
ポイントである。
○病院の地域連携室を介して、センターと本人情報をやりとりしているケースもあった
(Bセンター№3)
。
○事例では、医療機関につなぐところで苦労しているセンターが多く見受けられた。自治
体の認知症施策や医療・介護連携施策による温度差もあり、支援環境の違いも大きい。
認知症高齢者本人の性格もあり、信頼関係の構築に時間がかかる場合もある。センター
では認知症の症状がその人の自立生活に支障をきたしているかどうかが、早急に対応す
べきか否かの一つの判断基準と見ていることが多い。
⑶ 具体的支援内容(生活支援+介護支援+介護者支援+医療ケア+見守り体制+権利擁護
の6要素で整理)
○具体的な支援内容として、事例から、本人に対する支援(医療面、生活・介護面、権利
擁護面の支援)
、家族等介護者に対する支援(認知症の理解促進、介護負担の軽減)
、地
域からの支援(見守り・声かけ体制、認知症の理解促進)という3つの視点で整理し
た。
本人
地域
介護
家族等介護者
センター
129
≪本人に対する支援≫
○医療面の支援については、介護保険の申請に向けた主治医意見書の作成、内科的医療管
理、認知症の診断及び服薬の処方並びに専門的治療といった内容があげられる。受診を
拒否する高齢者が、通所介護サービスの利用をきっかけに、事業所の同一敷地内にある
病院で専門医に受診できたケース(Bセンター№1)があった。また、包括の相談援助
業務を通じて、医療診断→要介護認定→ケアマネ(居宅介護支援事業所)とつなげ、必
要な介護サービスや医療が受けられるようになったケース(Eセンター№4)がある。
○継続的受診に向けては、医療の必要性についての同居家族の理解など、各種関係者の理
解や協力が大切であるとともに、通院での対応か、訪問診療かといったアプローチ方
法、さらに通院の場合、通院介助の必要性、薬の管理や診察費の支払をどうするかとい
った個別課題への対応も必要となってくる。
○本人が受診を拒否するため、介護認定の申請ができず、在宅生活の継続が困難になって
いるケース(Bセンター№1)について、本人の意思を尊重しながらも、認知症に理解
のある医師に往診してもらったり、関係者による会議の場で検討を重ねながら、在宅生
活の安定・継続に必要なサービス利用につながるよう、センターが支援している。
○内科と精神科など複数の医療機関が関与したケース(Fセンター№3)では、介護保険
サービスの訪問看護が、医療機関相互の情報提供や橋渡しを行うとともに、センターへ
の状況報告も行っている。
○生活・介護面の支援について。施設から在宅へ移行する際、介護保険の訪問介護サービ
スを利用することで、本人の食事、入浴、掃除など、日常生活で支障をきたしている部
分に支援が入り、在宅生活の安定や継続につながっているケース(Bセンター№2)が
ある。身の回りのこと(掃除、家事等)に対するニーズへの対応は、在宅生活の安定・
継続における重要なポイントである。
○通所介護サービスを利用することで、保清や他者との交流、家族等介護者の負担軽減な
どに効果があがっている。通所介護サービスは、入浴や外出機会の提供、他者との交流
といったニーズに対応しており、配偶者の介護負担軽減と暴力行為が減ったケース(A
センター№4)
、配偶者の趣味活動の時間確保と、本人の他者との交流に効果があった
ケース(Bセンター№4)
、閉じこもりによる気分の落ち込みの解消や、筋力低下の予
防等生活のハリビリにつながったケース(Dセンター№3)がある。本人に対する効果
とともに、家族等介護者に対する効果も得られている。
130
○権利擁護面の支援については、判断能力の低下に伴い、通帳や印鑑などの金銭管理やサ
ービス利用、銀行等での手続きについての支援といったニーズが生じている。社協の日
常生活自立支援事業の利用で通帳や実印管理が可能になったケース(Aセンター№2)
、
独居で家族がおらず、センターが親戚に緊急連絡先や身元受取人などを依頼できたこと
で、金銭管理や介護保険サービスの利用に至ったケース(Cセンター№1)がある。
○認知症状が原因となって発生した、家族・親族、近隣住民等とのいざこざの解消に、セ
ンター職員が尽力しているケースもある。本人の妄想により親族との関係が悪化した
が、成年後見制度の利用を支援することで、支援者の役割を明確化し関係の修復に至っ
ている(Eセンター№2)
。
○成年後見などの司法的な支援が必要となる場合、独居か同居かという世帯の状況や、本
人の将来のニーズを見据えて、後見人の選定をどうするかといった課題が生じている。
自己決定を支援する家族等がいない場合、任意後見に向けてセンターが対応に苦慮して
いるケース(Fセンター№1)がある。
○虐待について、事例では、介護者から認知症の本人への暴言・暴力(Aセンター№05)
、認
知症の本人による配偶者への暴言・暴力(Dセンター№02)がある。それぞれのケースに
ついて対応方法は異なり、前者は行動障害に対する理解とその対応を介護者に理解しても
らい、後者は医療機関につなぎ、適切な対処(服薬など)を行った。認知症の高齢者を継
続的に支援していくためには、家族や親族など身内の存在が大きく、本人と介護者双方へ
の支援を行い、人間関係の改善や介護負担の軽減につなげていくことが求められる。
≪地域からの支援≫
○民生委員に、定期訪問や見守り・声かけをお願いしているケースが多くみられる。その
他、老人会やサロン等への参加促進(Aセンター№2、Eセンター№6)など、閉じこ
もりの防止に向けた働きかけを行っている。民生委員以外にも、大家さんや牛乳配達員
に高齢者の生活状況を情報提供してもらったり、見守りを依頼しているケースもあった
(Eセンター№5)
。
○介護保険サービスを中心に、その他のインフォーマルサービスが利用されている。事例
では、介護保険の居宅サービス(通所介護、訪問介護、訪問看護、ショートステイ)の
他に、緊急通報システムの設置(Cセンター№1、2)
、社協の送迎サービス(Cセン
ター№2)
・安否確認訪問(Cセンター№1)
、宅配サービス(Eセンター№1、2)な
どが提供されている。在宅生活の安定・継続に向けて、介護と生活支援双方のニーズへ
の対応が必要となっている。
131
○町内会・近隣住民に対しては、状況に応じて協力を求めている。近隣との人間関係が悪く
なければ、家族から近隣住民に認知症の理解と声かけのお願いをして、近所の見守り体制
を整えているケース(Bセンター№1、Cセンター№2)がある。一方、近隣と揉めていた
り、マンションなどであえて隣近所に声かけをしないケース(Fセンター№3)もあった。
≪家族等介護者に対する支援≫
○介護者支援の課題として、介護者の認知症に対する理解不足や精神的ストレスがある。
訪問介護や通所介護、ショートステイといった介護保険サービスによる支援は、本人の
在宅生活の継続支援のほかに、介護者にとっての在宅介護の継続支援という側面もあ
る。家族等介護者は一番身近な支援者であり、継続的な支援体制に向けた課題への対応
が必要である。
○介護者である妻をセンター職員がこまめに訪問して、認知症に関する理解や本人への対
応に関する話をしたり、認知症の人を抱える家族の会への参加を促し、悩みを話したり
情報交換することで、精神的ストレスが軽減したケース(Bセンター№1)がある。家
族等介護者に対し、認知症についての理解を深め、悩みの相談先を広げていくことが求
められている。
○認知症高齢者の家族等介護者に障害がある、要介護状態である、健康でない、虐待があ
る、本人と仲が悪いなどの課題がある場合、その解決のために、多方面からの支援が必
要である。本人が自立した生活を送れるよう、自立支援のスタンスに立ち、かつ、本人
の年齢が若ければ若いほど、将来を見据えた長期的な支援が必要である。
≪支援につながっていないケースについて≫
○結果として、支援に結びついていない、あるいは時間がかかったケースもある。訪問し
ても本人に直接会って話ができない(Aセンター№1)
、介護保険サービスは利用する
もののそれ以上の介入を拒否する(Aセンター№6)
、本人が病院に行きたがらず、定
期通院できない(Cセンター№1、2)
、本人がサービス利用や服薬を拒否する(Dセ
ンター№2)
、通所介護サービスに通っても他者と会話せず閉じこもりがちな状況が続
く(Dセンター№4)
、息子が介護保険サービスの利用を拒み、本人も特に人と関わろ
うとしない(Dセンター№6)などがある。
○一方、本人や家族等介護者とセンター等関係者が継続的に関わり信頼関係を築くことに
よって、拒否的な反応が減り、必要なサービスの利用につながったケースもある(Eセ
ンター№4)
。
132
⑷ 地域の支援体制に向けた取り組み
○介護保険制度施行前から、要援護者の実態に関する共通認識の場、各機関の情報交換の
場として地区ごとのケース検討会議を行ってきたが、制度の施行に伴い、会議の名称を
改め、地域課題に関する協議や検討の場として、在宅介護支援センターごとに継続的に
開催している(Bセンター№1)
。必要に応じて、地域包括支援センターの主催する会
議において報告・検討するようになっており、地域包括支援センターと在宅介護支援セ
ンターとの連携が取れている。
○高齢者の集いの場として、毎月1回開催されるサロンに、センターが共催という形で関
わっている。そのサロンで認知症についての講座を開き、講座終了後に家族から認知症
に関する相談をうけたケース(Bセンター№1)がある。センターが、住民の集う場に
定期的に出向き、啓発活動を進めるとともに、その場に相談機能を設けることで早期発
見につながっている。
○医師会・歯科医師会・薬剤師会などの医療関係者とケアマネジャーなどの介護関係者か
らなる医療と介護のネットワーク会議を立ち上げ、医療と介護の連携による支援体制づ
くりを進めているケースがある(Bセンター№1)
。交流の場をつくることで、医療関
係者と顔の見える関係づくりが進んでいる。
○センターに認知症のサポート医を配置する事業を実施している自治体がある。センター
からの医療に関する相談対応、医療・介護につながらない一人暮らし高齢者や認知症高
齢者の往診、介護保険認定のための主治医意見書の作成、成年後見制度審判請求のため
の診断書及び鑑定書の作成、訪問看護ステーション及び在宅療養支援診療所との連携、
在宅療養者に関する介護保険サービスの調整指導、退院支援のアドバイス等を行ってい
る。この事業により、医療的な判断や医療機関への受診が容易になり、早期対応が可能
となっている。
○認知症高齢者の地域の見守りネットワークシステムとして、ある自治体では、徘徊によ
る行方不明者が発生したときに早期発見・保護することを目的に、行方不明者の情報を
携帯電話に配信するしくみを構築している。協力者は、行方不明者の情報を受診した
ら、まわりに該当する人がいないか注意し、もし該当する人を見つけたら、警察署か役
所の担当課へ連絡することになっている。地域の見守り体制のシステム化の一例であ
る。
133
2 提案
認知症の高齢者は予想以上に増加してきた。2002年の推計では、日常生活自立度Ⅱ以上の
認知症の人は2025年には323万人としていたが、昨年再推計され、470万人になると修正され
た。現状の2010年でも日常生活自立度Ⅱ以上の認知症の高齢者は280万人にのぼっている。
そうしたこともあり、国は昨年9月に認知症施策5か年計画(オレンジプラン)を策定し
た。その中では、早期診断・早期対応が1つの柱となっており、そこには地域包括支援セン
ター等に「認知症初期集中支援チーム」を設置・配置し、認知症の高齢者の家庭を訪問し、
アセスメント、家庭訪問をすることが計画されている。
こうした認知症の初期に発見し、診断・治療を受け、地域で支えていくためには、MCI
(軽度認知障害)についての理解も必要である。MCIの基準はMCIコンセンサス会議(1999
年,Chicago)で提案された健忘型軽度認知機能障害の操作的診断基準では、⑴本人または
家族による物忘れの訴えがある、⑵全般的な認知機能は正常、⑶日常生活動作は自立してい
る、⑷痴呆ではない、⑸年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在す
る、の5項目全てが該当する者となっている。⑸の記憶障害については4年後の認知症への
移行率は24%であり、それに言語・注意・視空間認知の障害のいずれかを併せ持っている場
合の移行率は77%といわれている。そのため、初期に発見するためには、これら5項目の基
準が基本となる。
こうしたMCIの基準も考慮し、認知症を初期に発見し、適切な対応をするためには、セン
ターで早期に認知症やその恐れのある人の相談にのり、医師の受診を促進し、地域の中で支
えていくことが必要である。そのためには、以下の3点がポイントとなる。
⑴ 地域の人が認知症の人に気づき、センターに連絡してくれるようにする
地域の人々に認知症の人を気づいてもらうためには、認知症についての理解が必要であ
る。そのため、同居者はもちろん、地域の民生委員、自治会、行政職員等に対して、認知症
についての理解を深める研修の提供が大切である。気づく根拠として、認知症の中核症状で
ある記憶障害、実行機能障害、判断力・抽象思考の欠如、失語・失行・失認や、暴力や徘徊
等のBPSDが生じていることが多い。さらに、早期に発見するためには、物忘れの訴えや一
定の水準を超える記憶障害があるようなMCIの人についても、地域の人々が理解できるよう
な研修も求められる。
さらに、認知症のおそれのある人が発見された時に、センターに連絡がくるための仕組み
づくりも必要である。そのためには、多くの事例でも示されているように、地域に出向いて
いく活動がポイントであるといえる。具体的には、地域の活動や会合に参加したり、相談会
を主催したりといった活動が不可欠である。他方、センターが主催する地域ケア会議等で顔
合わせをすることで、地域の人々から連絡が入ってくる仕組みが必要である。
134
⑵ 被相談者を、センターが医師とつなげる
センターと医師との連携が出来ていないと医師にはつなぐことが出来ない。そのため、セ
ンターは医師会等の医療関係団体もメンバーとなるネットワークづくりの会議を常設し、医
療機関との関わりを密にしておく。ここでは、医師との関わりだけでなく、看護師や医療機
関のソーシャルワーカーとの関わりも重要である。また、センターを支援してくれる医師と
して認知症サポート医を位置づけ、日ごろから関わりをもっておくことが必要である。受診
にあたっては、受診者の状況について、センターから医師に情報を伝えることで、より適切
な医療を受けられるような対応が求められる。
同時に、認知症のおそれのある人が医療につながりにくい場合は、家族や医師の協力を得
て、通院という形態だけでなく、訪問診療などにも対応できるような体制を確保しておく。
⑶ 被相談者を多様な社会資源とつなげる
被相談者を医療につなげるだけでなく、地域の多様な社会資源と結び付けていくことも必
要になる。この被相談者が要介護者であれば、介護支援専門員と一緒になり、支援していく
ことになる。さらには、要支援者の場合や自立ということであれば、センターが中心になっ
て支援していくことになる。
そこで活用される社会資源は介護保険や医療保険のサービスだけでなく、市町村が実施す
る保健福祉サービス、さらには、有償ボランティアや配食サービス、地域の民生委員や自治
会の活動といったインフォーマルケアも活用されることになる。
以上、認知症の人の初期発見・初期対応に対して、センターは上記のような支援を実施す
ることで、役割を十分果たしていくことが出来る。但し、これら3つのポイントを機能させ
ていくために、センターは、以下のような地域の機関・団体との連携を常日頃から図ってい
くことが大切である。
① 医療と介護の機関間の連携の推進
地域の団体や機関との連携を深める必要がある。特に医療と介護の機関の連絡会を設置
し、認知症の人に対する円滑な支援内容について検討し合い、決定した支援内容を実現し
ていくことである。結果として、認知症の人を地域で支えていく仕組みができたり、認知
症の人に対する医療と介護の連絡体制が確立することにもつながっていく。
② インフォーマルな団体との連携の推進
センターは地域のインフォーマルな団体である民生委員児童委員協議会や自治会などと
の連携を深めておく必要がある。こうした団体の活動は認知症の人の早期発見という観点
からも、認知症の人を地域で支えていくうえでも重要である。そのために、センターは地
域に出向き、団体の活動を支援したり、団体の集まりに出席し、自らの活動を紹介してい
くことも必要である。
③ 広範な機関との連携
さらに、連携していくフォーマルな機関としては、介護や医療だけでなく、広く警察署
や消防署といった行政機関や行政の防災課があり、こうした機関との連携が重要となる。
135
6
参考〈本人情報の共有のためのシート(例)〉
○受診時情報提供書(センター記入)
受信時情報提供書
作成日 平成 年 月 日
病院 様
基本情報
ふりがな
性別
生年月日
本人
男・女
年 月 日
住所
歳
自宅
性別
ふりがな
主介護者
男・女
世帯状況
続柄
連絡先
住環境等
生活状況
介護保険
要介護度
有効期限
被保険者番号
サービス
利用状況
障害高齢者
の日常生活
自立度
既往歴
現病歴
食事
排泄
ADL等状況
着脱
移動
認知症の症状
食事
形態
方法
オムツ
上着
ズボン
歩行
移乗
認知症高齢
者の日常生
活自立度
自立・一部介助・全介助(はし・スプーン)(義歯有・無)
普通・お粥・軟食・刻み・ミキサー
自立・一部介助・全介助
布下着・紙パンツ・紙オムツ・パット
自立・一部介助・全介助・不可能(協力動作有・無)
自立・一部介助・全介助・不可能(協力動作有・無)
自立・一部介助・全介助・不可能
自立・一部介助・全介助・不可能
事業所名●●●●●●センター ●●●
担当者名●●●●
電話番号●●● ●●● ●●●●
FAX番号●●● ●●● ●●●●
※在宅介護支援センター八郷プロバンス作成
136
137
デイサービス
サービス名
週に3日(月・水・金)
利用回数
介護サービス利用状況
□前述と同じ
事業所名
サービス名
利用回数
※サービス内容や要介護度に変化があれば加筆してください
( 年 月 日変更)
・要支援(1・2) 要介護(1・2・3・4・5)
有効期限 年 月 日~ 年 月 日
(例)火の国デイサービスセンター
介護サービス利用状況
事業所名
現在の要介護度
・未申請
・申請中
・要支援(1・2) 要介護(1・2・3・4・5)
有効期限 年 月 日~ 年 月 日
介護保険の情報
ケアマネジャー氏名: 事業所名
ご家族かケアマネジャーの方が記入してください
連絡先
(役割が変わったら加筆してください)
※主にかかわっている人をはじめに書いてください
名 前
職種または続柄 所属または居住地
関わっている人一覧(家族)
ご家族かケアマネジャーの方が記入してください
○医療機関・介護サービス事業所等への情報提供(家族またはケアマネジャー記入)
※熊本県認知症疾患医療センター作成『火の国あんしん受診手帳』より
138
主治医
(新しい医療機関を受診したら加筆してください)
※主にかかわっている人をはじめに書いてください
医療機関名
診療科
住所
電話番号
かかりつけの医療機関
ご家族かケアマネジャーの方が記入してください
連絡先
(担当が変わったら加筆してください)
※主にかかわっている人をはじめに書いてください
名 前
職種または続柄 所属または居住地
関わっている人一覧(地域や介護担当者)
ご家族かケアマネジャーの方が記入してください
「地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける認知症の人に対する
相談支援の手法に関する調査研究事業」
検討委員会開催状況・委員名簿
検討委員会 開催状況
第1回 平成24年9月3日㈪
第2回 平成24年10月5日㈮
第3回 平成25年2月1日㈮
第4回 平成25年2月22日㈮
検討委員会 委員名簿(敬称略)
○ 桜美林大学大学院教授 白澤 政和
福井県医師会副会長 池端 幸彦
医療法人あづま会 大井戸診療所 理事長・院長 高齢者地域支援センターおおいど 施設長 大澤 誠
熊本市東1地域包括支援センター代表・医師 堀尾 愼彌
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会会長 青木 佳之
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会副会長 熊谷 和正
〃 〃 西元 幸雄
〃 〃 凌 文子
○ 検討委員会 委員長
139
本研究は、厚生労働省補助事業「老人保健健康増進等事業」により実施されたものです。
平成24年度「地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける
認知症の人に対する相談支援の手法に関する調査研究事業」
報 告 書
平成25年3月
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル
全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部内
℡03-3581-6502 Fax03-3581-2428
平成24年度厚生労働省補助事業
「老人保健健康増進等事業」
報告書
平成25年3月
地域包括支援センターや在宅介護支援センターにおける認知症の人に対する相談支援の手法に関する調査研究事業
地域包括支援センターや
在宅介護支援センターにおける
認知症の人に対する
相談支援の手法に関する
調査研究事業 地域包括支援センターや
在宅介護支援センターにおける
認知症の人に対する
相談支援の手法に関する
調査研究事業 平成24年度厚生労働省補助事業
「老人保健健康増進等事業」
報告書
平成25年3月
報告書
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
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