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1 見出し1,12ポ,日本語ゴシック,英語Arial,段落後は6ポの設定です
ホスフルコナゾール
Page1
8. 添付文書(案)
添付文書(案)
8. 添付文書
添付文書
(案)
ホスフルコナゾールはフルコナゾール投与時の液量負担を軽減するために開発された。ホスフ
ルコナゾールはフルコナゾールをリン酸エステル化したプロドラッグであり,生体内ではフルコ
ナゾールとして作用する。
フルコナゾールは発売後,本邦を含め諸外国において広く用いられてきた。特に外国では,本
邦では実施が難しいアムホテリシン B との比較試験参考文献
1∼5)
やフルコナゾール高用量投与時の
安全性の検討参考文献 6)などが行われてきた。本邦では上市後,直ちにフルコナゾール静注液の使用
成績調査を開始し,その成績を再審査申請概要としてまとめた。使用成績調査結果には,有効性
集計対象症例として 2099 例の成績が,安全性集計対象症例として 2370 例の成績が集積され,深
在性真菌症に対するフルコナゾール 50∼400 mg 投与時の有効性及び安全性が確認されており,
19
年 月に再審査結果が通知された。
ホスフルコナゾールの申請効能・効果及び用法・用量は,ホスフルコナゾールの非臨床試験成
績及び国内第Ⅲ相試験成績に基づいて以下の通り設定した。なお,フルコナゾール静注液の使用
成績調査結果及び外国で得られたフルコナゾールの各種臨床成績も参考にした。
本項の記載はまず国内外で得られているフルコナゾールの効能・効果及び用量・用法に関する
情報について整理し,その後ホスフルコナゾールの成績についてまとめた。
(1) 効能・効果の設定根拠
1) フルコナゾールの成績
(a) 承認効能・効果
本邦におけるフルコナゾールの効能・効果はカンジダ属,クリプトコッカス属及びアスペルギ
ルス属による深在性真菌症である。フルコナゾール承認時の有効率は,カンジダ症に対しては
78.9%(30/38)
,クリプトコックス症に対しては 4 例中 3 例有効,アスペルギルス症に対しては
35.7%(5/14)であった。また真菌血症,呼吸器真菌症,消化管真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜
炎に対し,それぞれ 71.4%(10/14)
,85.7%(12/14),2 例中 1 例有効,83.3%(5/6)
,3 例中 2 例
有効であり,これらの成績に基づき表 1 に示す効能・効果を取得した。
外国における効能・効果(表 1)はカンジダ症とクリプトコックス症が対象であり,診断別効
能・効果としては,全身性の真菌症ではカンジダ血症,播種性カンジダ症,気管支・肺カンジダ
症,その他の侵襲性カンジダ症及びクリプトコックス髄膜炎が,その他の真菌症では口腔内カン
ジダ症,食道カンジダ症,腟カンジダ症及び尿路カンジダ症などが認められている。外国の効
能・効果は,アスペルギルス症を効能・効果として有していないことと一部の局所性真菌症(腟
カンジダ症,口腔内カンジダ症など)が認められていることの他,本邦における効能・効果とほ
ぼ同様である。
表 1 諸外国における主なフルコナゾールの効能・効果
米国
効能・効果
・腟カンジダ症
・口腔内及び食道カンジダ症
・尿路カンジダ症,カンジダ腹膜炎,全身性カンジダ感染症(カンジダ血症,播
種性カンジダ症,カンジダ肺炎)
・クリプトコックス髄膜炎
他
ホスフルコナゾール
英国
ドイツ
日本
8. 添付文書(案)
Page2
効能・効果
・生殖器カンジダ症:急性又は難治性腟カンジダ症又はカンジダ亀頭炎
・粘膜カンジダ症:口腔内カンジダ症,食道カンジダ症,非侵襲性気管支肺カン
ジダ症,尿路カンジダ症,皮膚粘膜カンジダ症及び慢性口腔内萎縮性カンジダ症
・全身性カンジダ症:カンジダ血症,播種性カンジダ症,その他の侵襲性カンジ
ダ感染症(腹膜,心内膜,肺又は尿路感染症)
・クリプトコックス症:クリプトコックス髄膜炎,その他の部位のクリプトコッ
クス感染症(肺,皮膚)
他
・全身性カンジダ症:
カンジダ血症,尿路カンジダ症,播種性カンジダ症,その他の侵襲性カンジダ感
染症(カンジダ腹膜炎,カンジダ肺炎,尿路カンジダ症などの生命を脅かす可能
性のあるカンジダ感染症)
・表在性カンジダ症:
重症,特に難治性の口腔内及び食道カンジダ症
重症,非侵襲性気管支肺カンジダ症(上気道粘膜)
・クリプトコックス髄膜炎
他
カンジダ属,クリプトコッカス属及びアスペルギルス属による下記感染症
真菌血症,呼吸器真菌症,消化管真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜炎
(b) 使用成績調査結果
有効性集計対象症例 2099 例のうち,承認申請時の選択基準及び採用基準に合致する 1897 例に
お け る 有 効 率 は 82.4% ( 1562/1897 ) で あ っ た ( 表 2 )。 カ ン ジ ダ 症 に 対 し て は 84.0%
(1298/1545)注であり,クリプトコックス症に対しては 3 例中 2 例注有効であった。また感染症
別有効率は,全身性の真菌症である真菌血症,呼吸器真菌症及び真菌髄膜炎に対しては,それぞ
れ 80.4%(472/587)
,79.0%(592/749),85.7%(6/7)であり,侵襲部位が局所性である消化管真
菌症及び尿路真菌症に対しては 85.3%(81/95)及び 89.5%(411/459)であった。これら使用成績
調査時の有効率は承認申請時の有効率とほぼ同様であった。
表 2 フルコナゾールの感染症別有効率
フルコナゾール
使用成績調査時 b)
承認申請時
10/14(71.4%)
472/587(80.4%)
12/14(85.7%)
592/749(79.0%)
1/2
81/95(85.3%)
5/6(83.3%)
411/459(89.5%)
2/3
6/7(85.7%)
3/3
-/33/42
1562/1897
(78.6%)
(82.4%)
a)
真菌血症
呼吸器真菌症
消化管真菌症
尿路真菌症
真菌髄膜炎
その他の真菌症
合計
a) カンジダ症及びクリプトコックス症のみ集計した。
b) 使用成績調査結果にはアスペルギルス症が 37 例(うち有効例は 21 例)が含まれ
ているが,アスペルギルス症の組み入れ率は 2.3%(37/1585)であり,ほとんど
がカンジダ症及びクリプトコックス症であり,使用成績調査結果に及ぼすアスペ
ルギルス症における有効例の影響は少ないと判断し,これをカンジダ症及びクリ
プトコックス症に対するフルコナゾールの有効率とみなした。
このように,フルコナゾールはカンジダ属及びクリプトコックス属による深在性真菌症(真菌
血症,呼吸器真菌症,消化管真菌症,尿路真菌症及び真菌髄膜炎)に対して有効であることが確
注
フルコナゾール静注液投与前及び投与開始 2 週間以内に承認真菌が検出された 1585 例を対象とした。
ホスフルコナゾール
Page3
8. 添付文書(案)
認されている。
2) ホスフルコナゾールの成績
(a) 対象菌種の設定
ホスフルコナゾールは生体内ではフルコナゾールに変換され,C. albicans(MIC90=0.5 µg/mL)
だけでなく,C. parapsilosis(MIC90=4 µg/mL),C. tropicalis(MIC90=1 µg/mL),C. guillermondii
(MIC=2 µg/mL)
,C. glabrata(MIC80=8 µg/mL)などの non-albicans Candida spp.や Cryptococcus
neoformans(MIC90=16 µg/mL)に対しても抗真菌活性を示した(2.6.2.2(1)2)(b)臨床分離保存株に
対する抗真菌活性)
。
国内第Ⅲ相試験におけるホスフルコナゾールの Candida spp.に対する消失率は 75.0%(24/32)
であった(2.7.3.3.2(2)診断別真菌学的効果)
。
クリプトコックス症は通常,血清抗原検査によって確定診断されることが多いことから,血清
学的効果を指標として評価した。ホスフルコナゾールの Cryptococcus spp.に対する血清学的効果
は 66.7%(4/6)であった(2.7.6 治験 No. UK-292,663-JP- -601 概要補遺 6)(d)血清学的効果)。
臨床分離株におけるフルコナゾールの MIC は C. albicans に対しては 0.51 µg/mL,non-albicans
Candida spp.に対しては 1.49 µg/mL,Cryptococcus spp.に対しては 5.28 µg/mL であり(表 3)
,フ
ルコナゾールは C. albicans だけでなく,non-albicans Candida spp.や Cryptococcus neoformans に対
しても,抗真菌活性を示すことが確認された。
表 3 国内第Ⅲ相試験の臨床分離株における MIC
臨床分離株
例数
C. albicans
Non-albicans Candida spp.
C. glabrata
C. guilliermondii
C. lusitaniae
C. parapsilosis
C. tropicalis
Cryptococcus neoformans
31
28
8
2
2
13
3
5
MIC 幾何平均(µg/mL)
(MIC 範囲)
0.51(0.125∼>64)
1.49(0.25∼4)
3.36(1∼4)
2.83(2∼4)
1.00(1)
1.00(0.5∼4)
0.79(0.25∼2)
5.28(4∼16)
国内第Ⅲ相試験におけるホスフルコナゾールのカンジダ症に対する有効率は 71.1%(27/38)で
あり,クリプトコックス症に対しては 4 例中 4 例有効であり,ホスフルナゾールはカンジダ症及
びクリプトコックス症に対し有効であると考えられた(2.7.3.3.2(1)総合効果)。
外国第Ⅲ相試験における判定不能例及び評価対象外と判定された症例を除いた有効率は 91.7%
(33/36)
,カンジダ症及びクリプトコックス症に対する有効率はそれぞれ 90.3%(28/31),100%
(5/5)であり(2.7.3.3.2(1)総合効果),ホスフルコナゾールのカンジダ症及びクリプトコックス
症に対する有効性が確認されている。
一方,アスペルギルス症に対しては近年,フルコナゾールに比べ有効性に優れるアムホテリシ
ン B やイトラコナゾールが用いられており,国内第Ⅲ相試験においてアスペルギルス属を対象菌
種から除いたことから,本薬の対象菌種からアスペルギルス属は除いた。
ホスフルコナゾール
Page4
8. 添付文書(案)
これらの成績から,ホスフルコナゾールの対象菌種を「カンジダ属及びクリプトコックス属」
とした。
(b) 対象疾患の設定
ホスフルコナゾールの感染症別有効率は,真菌血症,呼吸器真菌症,真菌腹膜炎,消化管真菌
症,尿路真菌症でそれぞれ 50.0%(6/12),75.0%(6/8),100%(7/7),100%(8/8),57.1%
(4/7)であった(2.7.3.3.2(3)1)感染症別有効率)
。
外国(米国,英国,ドイツ)ではフルコナゾールの効能として「カンジダ腹膜炎」が認められ
ている。一方,本邦ではフルコナゾール承認申請時にカンジダ腹膜炎の有効例(1 例中 1 例有
効)が得られ,「真菌腹膜炎」を効能として申請したが,十分な評価ができないことから,最終
的には申請を取り下げた。一方,ホスフルコナゾールは真菌腹膜炎に対し,7 例中 7 例有効
(100%)であり,ホスフルコナゾールの効能・効果に「真菌腹膜炎」を加えることは妥当であ
ると考えられた。
フルコナゾールは髄液移行性が高く(59∼96%)
,真菌髄膜炎に対する有効性は承認申請時(3
例中 2 例有効)
,使用成績調査結果(85.7%,6/7)とも確認されており,クリプトコックス髄膜
炎に対する標準治療薬としての立場を確保している 参 考 文 献
7, 8)
。クリプトコックス髄膜炎は
Cryptococcus neoformans がその高い中枢親和性のため,脳髄膜に移行することにより発症する。
Cryptococcus neoformans に対する生体防御は主として細胞性免疫により調節されていることから,
AIDS 発症はクリプトコックス症の最大危険因子となる参考文献 9)。本邦では,外国に比べ AIDS 患
者の発症頻度が低いことから,クリプトコックス髄膜炎の症例は極めて少ない(人口 100 万当た
り 10 例以下)参考文献 9)。フルコナゾール使用成績調査時の真菌髄膜炎の組み入れ率は,静注液使
用症例 2099 例のうち 10 例(0.48%)であった。上述のような現状の中,国内第Ⅲ相試験で 95 例
の治験薬投与例が得られたが,クリプトコックス髄膜炎の評価可能症例を得ることはできなかっ
た。ホスフルコナゾールはフルコナゾールのプロドラッグであり,フルコナゾールと同様の有効
性が期待される。フルコナゾール静注液はカプセル剤とともに「真菌髄膜炎」の効能・効果を取
得しており,本薬の効能・効果にも「真菌髄膜炎」は必要であると判断した。なお,本薬の外国
第Ⅲ相試験では
クリプトコックス髄膜炎は 5 例組み入れられ,その有効率は 100%(5/5)であった。
3) 効能・効果設定根拠のまとめ
ホスフルコナゾールはフルコナゾールのプロドラッグ製剤であり,その活性本体はフルコナゾ
ールである。そこで,本薬の効能・効果の設定に際しては国内外で承認されているフルコナゾー
ルの効能・効果を参考にした。
専門協議後,「本薬の有効性はフルコナゾール製剤と大きく異なるとは思われないため,安全
性に大きな問題がなければ適応を限定する必要はないと思われる。効能・効果の設定について,
「重症又は難治性」と記載する妥当性について検討すること」との照会事項があった。
ホスフルコナゾール静注液は,注射液量の少量化により,高用量のフルコナゾールによる治療
を容易にし,さらに負荷投与を可能にするといった特長を有する。重症又は難治性真菌症患者は
ホスフルコナゾール
8. 添付文書(案)
Page5
これらの特長を最も活かすことのできる対象であり,国内第Ⅲ相試験では,重症又は難治性真菌
症患者における本薬の有効性はフルコナゾールと大きく異なることはなく,またその安全性もフ
ルコナゾールとほぼ同様であることが確認された。そこで,当初は効能・効果を「重症又は難治
性真菌感染症患者」に限定した。しかし,本照会内容について検討した結果,効能・効果を“重
症又は難治性“と限定することにより,本薬の特長は活かされるものの,同一の活性本体を有す
る二つの医薬品の一方にのみ限定を付すことになり,医療現場での混乱を招くおそれがあると考
えられた。また,本薬の臨床試験では,軽症∼中等症の真菌症患者を対象とはしなかったが,す
でに得られている臨床成績から,軽症∼中等症患者においてもフルコナゾールとほぼ同等の有効
性及び安全性が得られるものと考えられ,臨床的にはフルコナゾール静注液と同様に使いうるも
のと判断された。
以上のことから,ホスフルコナゾールの対象疾患を真菌血症,呼吸器真菌症,真菌腹膜炎,消
化管真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜炎とした。
以上,ホスフルコナゾールの効能・効果を以下のように設定した。
効能・効果
効能・効果(案)
・効果(案)
カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症
真菌血症,呼吸器真菌症,真菌腹膜炎,消化管真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜炎
(2) 用法・用量設定根拠
1) フルコナゾールの成績
(a) 承認用法・用量
本邦におけるフルコナゾールの承認用量は,カンジダ症に対しては 50∼100 mg,クリプトコ
ックス症では 50∼200 mg であり,重症又は難治性真菌感染症に限って 1 日用量として 400 mg ま
で増量できる。
外国における承認用量は,カンジダ症に対しては米国及び英国では 50∼200 mg,ドイツでは
50∼400 mg,クリプトコックス症に対しては米国では 200 mg,英国及びドイツでは 200∼400 mg
がそれぞれ認められている。また重症又は難治性真菌症の場合,米国及び英国では 400 mg まで,
ドイツでは 800 mg までの増量が可能である(表 4)
。従って,外国における重症又は難治性真菌
症患者治療時のフルコナゾール上限用量は 400∼800 mg である。
なお,カンジダ血症や播種性カンジダ症などの全身性の真菌症の治療に際しては,治療開始時
から可能な限り速やかに抗真菌薬の血中濃度を高くする必要があり,外国では投与初日に維持量
の倍量を投与する負荷投与法が認められている。
ホスフルコナゾール
Page6
8. 添付文書(案)
表 4 フルコナゾールの承認用法・用量
カンジダ症
クリプトコックス症
重症又は難治性の場合
負荷投与量
(投与初日のみ)
米国
英国
ドイツ
日本
50∼200 mg
200 mg
400 mg
50∼200 mg
200∼400 mg
400 mg
50∼400 mg
200∼400 mg
800 mg
50∼100 mg
50∼200 mg
400 mg
400 mg まで
400 mg まで
800 mg まで
不可
(b) 使用成績調査結果
有効性集計対象症例 2099 例におけるフルコナゾール使用用量は,真菌血症,呼吸器真菌症及
び真菌髄膜炎などの全身性の真菌症においては,1 日量が 200 mg 以上の投与例(重症又は難治
性真菌感染症)は 1491 例中 1121 例(75.2%)であり,侵襲部位が局在性である消化管真菌症及
び尿路真菌症では 608 例中 424 例(69.7%)であった。
有効率は 81.0%(1700/2099)であり,承認申請時 67.9%(38/56)注)とほぼ同様であった。
有効性集計対象症例では,1 日投与量が 200 mg 以上の診断別有効率は,真菌血症,呼吸器真
菌症及び真菌髄膜炎では 77.2%(865/1121)
,消化管真菌症又は尿路真菌症では 89.4%(379/424)
であり(表 5),重症又は難治性真菌感染症に対するフルコナゾールの有効性は確認されている
ものと考えられた。
表 5 フルコナゾール使用成績調査における投与量別有効率 a)
1日投与量
400 mg以上
真菌血症
呼吸器真菌症
真菌髄膜炎
小計
消化管真菌症
尿路真菌症
小計
合計
200∼400 mg未満 100∼200 mg未満
170/217
233/301
(78.3%)
(77.4%)
104/162
351/433
(64.2%)
(81.1%)
5/6
2/2
(83.3%)
279/385
586/736
(72.5%)
(79.6%)
865/1121
(77.2%)
23/28
35/42
(82.1%)
(83.3%)
47/53
274/301
(88.7%)
(91.0%)
70/81
309/343
(86.4%)
(90.1%)
379/424
(89.4%)
349/466
(74.9%)
895/1079
(82.9%)
100 mg未満
117/138
(84.8%)
168/214
(78.5%)
4/6
(66.7%)
8/10
(80.0%)
1/1
1/1
286/353
(81.0%)
13/17
(76.5%)
299/370
(80.8%)
30/32
(93.8%)
115/133
(86.5%)
145/165
(87.9%)
524/662
(79.2%)
631/819
(77.0%)
9/10
(90.0%)
1164/1491
(78.1%)
4/9
(44.4%)
8/10
(80.0%)
12/19
(63.2%)
92/111
(82.9%)
444/497
(89.3%)
25/36
(69.4%)
1700/2099
(81.0%)
157/184
(85.3%)
431/518
(83.2%)
合計
536/608
(88.2%)
a) 投与量別有効率は有効性集計対象症例 2099 例を対象とした。
投与量別副作用発現率は 100 mg 未満の投与例で 17.0%(8/47),100∼200 mg 未満で 11.1%
(64/578),200∼400 mg 未満で 10.9%(134/1226),400 mg 以上で 9.2%(48/519)であり(表
注)
アスペルギルス症を含む
ホスフルコナゾール
Page7
8. 添付文書(案)
6)
,投与量に依存した増加はみられなかった。
表 6 フルコナゾール使用成績調査における投与量別副作用発現率
副作用発現率
(%)
400 mg以上
48/519
(9.2%)
1日投与量
200∼400 mg未満 100∼200 mg未満
134/1226
64/578
(10.9%)
(11.1%)
100 mg未満
8/47
(17.0%)
合計
254/2370
(10.7%)
これらの成績から,日本人の深在性真菌症患者におけるフルコナゾール 400 mg までの投与時
の有効性及び安全性は確認されていると考えられた。
(c) 公表文献成績
深在性真菌症治療において,アムホテリシン B は標準治療薬として位置づけられており,外国
ではフルコナゾールとアムホテリシン B との比較試験が数試験実施されている参考文献
1∼5)
。その
結果,フルコナゾール 200∼400 mg 投与時の有効性(77%, 367/476)はアムホテリシン B 0.5∼
0.6 mg/kg 投与時(71%, 249/350)と同様であるが,安全性はアムホテリシン B に比べて優れてお
り,副作用発現率はアムホテリシン B 投与時には 45%(145/322)であったのに対し,フルコナ
ゾール投与時には 8%(15/181)と少ないことが報告されている(表 7)参考文献 10)。
表 7 フルコナゾールとアムホテリシン B の比較試験成績の併合解析結果参考文献 10)
有効性
安全性
アムホテリシン B
0.5∼0.6 mg/kg/日
77%(367/476)
45%(145/322)
フルコナゾール
200∼400 mg
71%(249/350)
8%(15/181)
外国で実施されたカンジダ血症を対象とした無作為化非盲検比較試験(アムホテリ
シン B との比較)6 試験の併合解析成績
その他の臨床試験として,1 日量が 400 mg を超える用量を投与した際の有効性及び安全性の
検討参考文献 6)も行われており,1 日 1600 mg までの忍容性は良好であることが報告されている。な
お 2000 mg を投与した場合には,中枢神経系の有害事象(錯乱,嗜眠,失見当識,不眠,悪夢,
幻覚)がみられたが,いずれもフルコナゾールの投与中止後,回復することが報告されている。
また本邦でも 1 日用量として 800 mg を用いた使用実績が報告参考文献 11)されており,安全性に問
題は認められなかったことが報告されている。
以上のように,フルコナゾール 400 mg までの有効性及び安全性は本邦及び外国において公知
であり,またフルコナゾール高用量投与例として,外国人では 2000 mg まで,日本人では 800
mg までの使用実績があり,外国では 1600 mg まで,日本人では 800 mg まで忍容性があると考え
られた。
2) ホスフルコナゾールの成績
(a) 薬物動態及び抗真菌活性の観点から
ホスフルコナゾールの薬物動態及び抗真菌活性成績はホスフルコナゾール量で示した。
ホスフルコナゾール
8. 添付文書(案)
Page8
ホスフルコナゾールは体内でほぼ完全にフルコナゾールに加水分解され,その活性本体である
フルコナゾールの血漿中濃度推移は,フルコナゾール投与後のものと近似していた(2.7.1.2(1)フ
ルコナゾール投与時に対する相対バイオアベイラビリティ)。従って,ホスフルコナゾールは等
価のフルコナゾールを投与した場合と同等の薬理学的効果が期待される。
ホスフルコナゾールをヒトに静脈内投与(初日及び 2 日目に 1000 mg:フルコナゾール 793 mg
相当を負荷投与後,500 mg:フルコナゾール 397 mg 相当を 8 日間投与)したときの 10 日目の平
均血漿中フルコナゾール濃度は 14.7 µg/mL であり,組織への移行率(髄液:59∼96%,肺病
巣:54.9%)を考慮すると,髄液及び肺病巣中のフルコナゾール濃度は約 8∼14 µg/mL と推定さ
れる(2.7.2.2(2)(b)d)負荷投与を用いた反復投与試験,2.7.2.2 (2)(b)d)表 15,2.7.2.2(2)3)(a)フルコナ
ゾールの分布)
。
一方,第Ⅲ相試験で分離された Candida spp.に対するフルコナゾールの幾何平均 MIC は C.
albicans に対しては 0.83 µg/mL,non-albicans Candida spp.に対しては 2.0 µg/mL であった(2.7.3.2
(1)6)(e)検出真菌別 MIC 値)
。また非臨床試験成績から C. glabrata 及び Crypcococcus neoformans
臨床分離保存株に対するフルコナゾールの MIC80 はいずれも 8 µg/mL であった(2.6.2.2(1)2)b) 臨
床分離保存株に対する抗真菌活性)。
ポピュレーション PK 解析から,400/200 mg
注)
投与時の患者における推定血中濃度はこれらの
MIC を十分上回ることが示唆された(2.7.2.3.4)(3)ポピュレーション PK 解析)
。
これら MIC 及びホスフルコナゾール投与時のフルコナゾール血中濃度推移を考慮すると,ホ
スフルコナゾール 1000 mg を 2 日間負荷投与した場合,C. albicans だけでなく,その他の酵母様
真菌による深在性真菌症に対しても投与早期から臨床効果を示すと考えられた。
(b) 有効性の観点から
ホスフルコナゾールの有効性成績はホスフルコナゾール量をフルコナゾール換算量で示した。
国内第Ⅲ相試験におけるホスフルコナゾールの用量は,全身性の真菌症である真菌血症,呼吸
器真菌症,真菌腹膜炎に対しては 200,400 mg(維持投与量)とし,侵襲部位が局在性である消
化管真菌症及び尿路真菌症に対しては 100,200 mg(維持投与量)とした。
有効率は 73.8%(31/42)であった(表 8)
。ホスフルコナゾールの投与量別有効率は,800 mg
を 2 日間負荷投与後,400 mg を維持投与した群(800/400 mg)では 81.8%(9/11),400/200 mg
投与群では 76.2%(16/21)
,200/100 mg 投与群では 62.5%(5/8)であり,400/200 mg 以上を投与
した場合の有効率 78.1%(25/32)は,200/100 mg を投与した場合の 62.5%(5/8)に比べ高い有
効率を示した(表 8)。真菌血症,呼吸器真菌症及び真菌腹膜炎に対する有効率は,800/400 mg
投与群では 81.8%(9/11)
,400/200 mg 投与群では 64.3%(9/14)であった。一方,重症又は難治
性の消化管真菌症及び尿路真菌症に対し,ホスフルコナゾールは 400/200 mg 投与群には 100%
(7/7)
,200/100 mg 投与群には 62.5%(5/8)の有効率を示した。
これらの成績から,真菌血症,呼吸器真菌症,真菌腹膜炎に対して 800/400 mg 及び 400/200
mg 投与が,消化管真菌症,尿路真菌症に対しては 400/200 mg 投与が妥当であると考えられた。
注)
ホスフルコナゾール 504.5 mg(フルコナゾールとして 400 mg)を 2 日間負荷投与後,252.3 mg(フルコナゾールとして
200 mg)を維持投与した。
ホスフルコナゾール
Page9
8. 添付文書(案)
表 8 国内第Ⅲ相試験における投与量別総合効果
投与量(負荷投与量/維持投与量)
感染症名
合計
800/400 mg
真菌血症
呼吸器真菌症
真菌腹膜炎
小計
消化器真菌症
尿路真菌症
小計
合計
a)
b)
2/3
3/4
4/4
9/11
(81.8%)
-/-/-
400/200 mg
4/8
2/3
3/3
9/14
(64.3%)
4/4
3/3
7/7
-/(100%)
9/11
16/21
(81.8%)
(76.2%)
25/32(78.1%)
200/100 mg
その他
-/-/-/-
0/1a)
1/1b)
-/-
-/-
1/2
4/4
1/4
5/8
(62.5%)
-/-/-
5/8
(62.5%)
-/1/2
6/12(50.0%)
6/8(75.0%)
7/7(100%)
19/27
(70.4%)
8/8(100%)
4/7(57.1%)
12/15
(80.0%)
31/42
(73.8%)
負荷投与量 800 mg,維持投与量 400 mg が投与されたが,CLCr 低下のため維持投与中に 200 mg に減量された。
負荷投与量 400 mg,維持投与量 200 mg が投与されたが,血清抗原量が増加したため維持投与中に 400 mg に増量さ
れた。
(c) 安全性の観点から
本項ではホスフルコナゾール量は,毒性試験及び第Ⅰ相試験ではホスフルコナゾール量として,
第Ⅲ相試験ではフルコナゾール換算量として示した。
①毒性試験成績
ホスフルコナゾールの臨床使用期間は概ね 4 週間未満と考えられることから,ラット,イヌの
1 ヵ月毒性試験における無毒性量(最大耐量)より,臨床用量設定の妥当性を以下に考察した。
ラットにホスフルコナゾール 40,80,160 mg/kg を 1 ヵ月間連日静脈内投与した結果,死亡例
はみられず,肝酵素誘導に伴う適応性変化(肝臓重量の増加,小葉中心性肝細胞肥大,滑面小胞
体の増生)及びその二次的変化(甲状腺ろ胞肥大),軽度な肝細胞の脂肪沈着(雄)が中・高用
量で認められた。いずれの変化にも毒性学的意義はないと判断され,無毒性量は 160 mg/kg/日と
みなされた(2.6.6.3(1)ラット静脈内 1 ヵ月毒性試験)
。
イヌに 7.5,36,90 mg/kg を 1 ヵ月間連日静脈内投与した結果,死亡例はみられず,毒性徴候
として,90 mg/kg 群で体重及び摂餌量の減少が認められた。肝臓に適応性変化がみられたが,毒
性学的意義はないと判断され,無毒性量は 36 mg/kg/日とみなされた(2.6.6.3(3)イヌ静脈内 1 ヵ
月毒性試験)。
以上より,1 ヵ月毒性試験における無毒性量はラットで 160 mg/kg 以上,イヌで 36 mg/kg とみ
なされた(2.6.6.2(1)マウス,ラット静脈内単回投与毒性試験)。無毒性量におけるフルコナゾー
ルの AUC(ラット:1007 µg・h/mL, イヌ:748 µg・h/mL)は最高臨床推奨用量での AUC
注
(357
µg・h/mL)と比較して,ラットで約 3 倍,イヌで約 2 倍高い値であった。
なお,マウス及びラットに 1500,2000 mg/kg を単回静脈内投与した結果,死亡例はみられず,
単回投与における無毒性量はマウス,ラットともに 2000 mg/kg を超える量とみなされた。
注)
初日,2 日目にホスフルコナゾールとして 1,000 mg(フルコナゾール 793 mg 相当)
,3 日目以降 500 mg(フルコナゾー
ル 397 mg 相当)を投与したときの最終投与後の値
ホスフルコナゾール
8. 添付文書(案)
Page10
これらの成績から,最高臨床推奨用量は,ラット,イヌの無毒性量における曝露量を超えない
ことが確認された。
② 臨床試験における安全性成績
第Ⅰ相試験では,単回投与では 2000 mg(フルコナゾールとして 1600 mg)まで,反復投与で
は 1000 mg(フルコナゾールとして 800 mg)
,14 日間まで投与され,安全性に臨床上大きな問題
はないことが確認された(2.7.4.2.1(1)健康被験者における安全性評価)
。
国内第Ⅲ相試験で見られた重篤な有害事象はいずれも治験薬との因果関係は否定された。治験
薬との因果関係を否定できない有害事象の発現率は 23.2%(22/95)であり,投与開始 2 日間(負
荷投与期間)の発現率は 5.3%(5/95)であった(2.7.4.2.1(2)深在性カンジダ症及びクリプトコッ
クス症患者に対する安全性評価)
。
治験薬との因果関係を否定できない有害事象の投与量別発現頻度は,800/400 mg 投与群の
27.8%(10/36)及び 400/200 mg 投与群の 23.5%(8/34)は,200/100 mg 投与群の 6.7%(1/15)に
比べ高い発現率であったが(2.7.4.2.1.1(2)1)(b)投与期間別,投与量別及び総投与量別の因果関係
を否定できない主な有害事象),フルコナゾール開発時の副作用及び臨床検査値異常の発現率
(24.3%, 25/103)とほぼ同程度であった。
外国第Ⅲ相試験では重篤な有害事象は 35 例みられたが,いずれも治験薬との因果関係は否定
された。治験薬との因果関係が否定できない有害事象の発現率は 800/400 mg 投与群で 18.5%
(5/27)であったが,国内試験に比べ低い値であった。さらに 800/400 mg 投与時においてもホス
フルコナゾールに特有の因果関係を否定できない有害事象はみられなかった(2.7.4.2.1.1(2)2)(b)
投与期間別,投与量別及び総投与量別の因果関係を否定できない主な有害事象)
。
3) 用法・用量設定根拠のまとめ
ホスフルコナゾールは溶解性を高めた結果,投与液量をフルコナゾールの 1/40 にでき,負荷
投与が容易になった。ホスフルコナゾールを 2 日間負荷投与した場合,投与 3 日目には血中フル
コナゾール濃度は定常状態に到達することが確認され,負荷投与しなかった場合及び初日のみ負
荷投与した場合に比べ,到達に要する時間が短縮された。
前述のとおり,ホスフルコナゾールの国内第Ⅲ相試験ではフルコナゾール 200∼400 mg による
治療が必要な重症又は難治性真菌症患者を対象として,その有効性及び安全性を検証した。その
結果,ホスフルコナゾールの有効率は 73.8%(31/42),フルコナゾール静注液の承認申請時の有
効率は 78.6%(33/42)であった。フルコナゾールの臨床試験では他の抗真菌薬の併用が認められ
ており,抗真菌薬を併用した例を除いた場合の有効率は 72.7%(24/33)であり,ホスフルコナゾ
ールはほぼ同様の有効率を示すと考えられた。また,ホスフルコナゾールの投与量別有効率は,
真菌血症,呼吸器真菌症及び真菌腹膜炎に対し,800/400 mg 又は 400/200 mg 投与時では 72.0%
(18/25)
,消化管真菌症及び尿路真菌症に対し,400/200 mg 投与時では 100%(7/7)であった。
一方,フルコナゾール静注液の使用成績調査結果における 200 mg 以上を投与した時の有効率は,
真菌血症,呼吸器真菌症及び真菌髄膜炎では 77.2%(865/1121)
,消化管真菌症及び尿路真菌症で
は 89.4%(379/424)であった。ホスフルコナゾールの投与量別有効率は,このフルコナゾールの
有効率と近似しており,ホスフルコナゾールは上記の真菌症に対し有効であると考えられた。
ホスフルコナゾール
8. 添付文書(案)
Page11
安全性では,国内及び外国試験において 800/400 mg 投与及び 400/200 mg 投与でホスフルコナ
ゾールに特有の有害事象は見られなかった。フルコナゾールの使用成績調査結果において,投与
量別副作用発現頻度は 100∼200 mg 未満投与時では 11.1%(64/578),200∼400 mg 未満投与時で
は 10.9%(134/1226)
,400 mg 以上投与時では 9.2%(48/519)であった。これらのことから,フ
ルコナゾール 400 mg を維持用量として投与した場合の安全性は確認されていると判断した。ま
た本邦及び外国での 800 mg を超える使用経験から,800 mg 投与時の忍容性に問題はないと考え
られた。これらの成績から,ホスフルコナゾールの維持用量として 200∼400 mg の安全性に問題
はないと考えられた。
従って,フルコナゾールの通常用量(カンジダ症:50∼100 mg,クリプトコックス症:50∼
200 mg)を超える投与量を必要とする重症又は難治性真菌症に対し,ホスフルコナゾールは
400/200 mg 投与で有効であると考えられ,真菌血症,呼吸器真菌症及び真菌腹膜炎に対しては
800/400 mg まで増量可能であると考えられた。
なお,外国第Ⅲ相試験において全身性真菌症であるカンジダ血症,気管支・肺カンジダ症,カ
ンジダ腹膜炎及びクリプトコックス髄膜炎などに対して 800/400 mg 投与時の有効率は 100%
(21/21)であり,また安全性に問題がなかったことを確認している。
効能・効果設定根拠のまとめの項(p.4)でも記載した通り,専門協議後に,本薬の効能・効
果の設定に関する照会,“本剤の有効性はフルコナゾール製剤と大きく異なるとは思われないた
め,安全性に大きな問題がなければ適応を限定する必要はない”を受け,検討した結果,国内外
第Ⅲ相試験では「フルコナゾール 50∼200 mg で治療される軽症∼中等症の真菌感染症患者」を
対象とはしなかったが,軽症∼中等症患者においてもフルコナゾールとほぼ同様の有効性及び安
全性が得られるものと考えられ,臨床的にはフルコナゾール静注液と同様に使いうるものと判断
された。
これらのことから,ホスフルコナゾールの用量は,カンジダ症に対しては,維持用量としてホ
スフルコナゾール 63.1∼126.1 mg(フルコナゾールとして 50∼100 mg)
,クリプトコックス症に
対しては,63.1∼252.3 mg(フルコナゾールとして 50∼200 mg)とした。いずれの場合において
も,投与初日及び 2 日目に,維持用量の倍量を投与することとした。また,重症又は難治性真菌
症の場合に限り,1 日量としてホスフルコナゾール 504.5 mg(フルコナゾールとして 400 mg)ま
で維持用量を増量できることとし,投与初日及び 2 日目に維持用量の倍量を投与できることとし
た。
以上,(1),(2)をふまえて,ホスフルコナゾールの効能・効果及び用法・用量を以下のよ
うに設定した。
効能・効果
効能・効果(案)
・効果(案)
カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症
真菌血症,呼吸器真菌症,真菌腹膜炎,消化管真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜炎
ホスフルコナゾール
Page12
8. 添付文書(案)
用法・用量
用法・用量(案)
・用量(案)
カンジダ症:
通常,成人にはホスフルコナゾール 63.1∼126.1 mg(フルコナゾールとして 50∼100 mg)を維
持用量として 1 日 1 回静脈内に投与する。ただし,初日,2 日目は維持用量の倍量として,ホ
スフルコナゾール 126.1∼252.3 mg(フルコナゾールとして 100∼200 mg)を投与する。
クリプトコッカス症:
通常,成人にはホスフルコナゾール 63.1∼252.3 mg(フルコナゾールとして 50∼200 mg)を維
持用量として 1 日 1 回静脈内に投与する。ただし,初日,2 日目は維持用量の倍量として,ホ
スフルコナゾール 126.1∼504.5 mg(フルコナゾールとして 100∼400 mg)を投与する。
なお,重症又は難治性真菌感染症の場合には,ホスフルコナゾール 504.5 mg(フルコナゾール
として 400 mg)まで維持用量を増量できる。ただし,初日,2 日目は維持用量の倍量として,
ホスフルコナゾール 1009 mg(フルコナゾールとして 800 mg)まで投与できる。
(参考)フルコナゾールによる深在性真菌症治療のガイドライン
近年公表された米国感染症学会(Infectious Diseases Society of America, Alexandria, VA)のカン
ジダ症のガイドライン(2000 年)参考文献
12)
に基づくと,カンジダ血症や急性播種性カンジダ症の
推奨治療薬としてフルコナゾール 6 mg/kg/日(体重 70 kg の患者の場合 400 mg)が推奨されてい
る。また本邦においても,「深在性真菌症の経験的治療及び治療に関する検討」が行われ,白血
病治療時に合併する真菌感染症の経験的治療(日本血液学会,1997 年)参考文献
13)
及び好中球非減
少患者に発症する深在性カンジダ症の治療(日本感染症学会,1998 年)参考文献
14)
時の第一選択薬
はフルコナゾールであり,その推奨用量は 200∼400 mg である。
従って,今回推奨するホスフルコナゾールの用法・用量は,現在諸外国で用いられている深在
性真菌症ガイドラインのフルコナゾールの推奨用量範囲内であり,ホスフルコナゾールは重症又
は難治性真菌感染症の治療に際し,十分な治療効果が期待される。
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白血病治療に合併する真菌感染症の Empiric Therapy ―日本におけるコンセ
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症の診断と治療 ―日本におけるコンセンサスを求めて― Jap J Antibio 1998; 51: 721-734.
ホスフルコナゾール
Page14
8. 添付文書(案)
(3) 使用上の注意(案)およびその設定根拠
プロジフ静注液 100/200/400 の使用上の注意(案)の作成にあたっては,本薬の非臨床並びに
臨床試験成績に基づき,「医療用医薬品添付文書の記載要項について」(薬発第 606 号,平成 9 年
4 月 25 日)および「医療用医薬品の使用上の注意記載要項について」
(薬発第 607 号,平成 9 年
4 月 25 日)に準拠し,国内の深在性真菌症治療薬フルコナゾールの使用上の注意を参考に設定
した。
使用上の注意
設定根拠
【禁 忌】(次の患者には投与しないこと)
(1) 次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム、シサプリド、
テルフェナジン[
「相互作用」(1)の項参照]
(2) 本剤の成分又はフルコナゾールに対して過敏症の既往歴
のある患者
(3) 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「妊婦,産
婦,授乳婦等への投与」(1)の項参照]
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
本剤の薬物動態試験の結果及びフ
腎障害のある患者においては、フルコナゾールのクリアランス
ルコナゾール添付文書の記載を参
がクレアチニン・クリアランスとともに低下し、フルコナゾー
考にして設定した。
ルの血中濃度が持続するので、下表に示すクレアチニン・クリ
アランス値を参考に用量を調節すること。[「薬物動態」6.の
項参照]
クレアチニン・クリアランス
(mL/min)
>50
≦50(透析患者を除く)
透析患者
用量の目安
通常用量
半 量
透析終了後に通常用量
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 薬物過敏症の既往歴のある患者
(2) 腎障害のある患者[血中フルコナゾール濃度が持続するの
で、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること
(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「薬物動
態」6.の項参照)
。]
(3) 肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]
2.重要な基本的注意
(1) 腎障害のある患者に投与する場合は、投与前にクレアチニ
ン・クリアランス試験を行い、投与量及び投与間隔に十分
注意すること[<用法・用量に関連する使用上の注意>及
び「薬物動態」6.の項参照]
。
(2) 本剤の投与に際しては適宜、血液検査、腎機能・肝機能検
査、血中電解質検査等を行うことが望ましい。
(3) 本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等
について十分な問診を行うこと。
3.相互作用
ホスフルコナゾールは in vitro 試験において、チトクロ
ム P450 分子種を阻害しないことが確認されたが、活性本体
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。(フルコナ
ゾール添付文書には、アステミゾ
ールに関する記載があるが、現在
アステミゾールは本邦において流
通していないことから、本項には
記載しなかった。)
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。(「(2)併用
ホスフルコナゾール
8. 添付文書(案)
使用上の注意
であるフルコナゾールは、CYP2C9、2C19 及び 3A4 を阻害す
る。
フルコナゾールとの併用により、次の報告がある。
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
フルコナゾールは
トリアゾラム トリアゾラムの代謝遅滞
(ハルシオン による血中濃度の上昇、作 これらの薬剤の肝臓
等)
用の増強及び作用時間延 における主たる代謝
酵素であるチトクロ
長の報告がある。
シサプリド
QT 延 長 、 心 室 性 不 整 脈 ームP450 3A4を阻害
(アセナリン (torsades de pointesを するので、併用によ
等)
含む)等の報告がある。 りこれらの薬剤の血
テルフェナジ フルコナゾール400mg/日 中濃度が上昇するこ
ン
以上とテルフェナジンと とがある。
(トリルダン) の併用により、テルフェナ
ジンの血中濃度上昇の報
告がある。
また、他のアゾール系抗真
菌剤(イトラコナゾール、
ミコナゾール)との併用に
より、QT延長、心室性不整
脈(torsades de pointes
を含む)、あるいは外国で
は心停止(死亡を含む)等
の心血管系副作用の報告
がある。
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
ワルファリン
タクロリムス
水和物、 シ ク
ロスポリン
フェニトイン
臨床症状・
機序・危険因子
措置方法
プロトロンビン
フルコナゾールはワルファ
時 間 の 延 長 及 び リンの肝臓における主たる代
出血傾向(挫傷、 謝 酵素 で あ るチ トク ロ ー ム
鼻出血、消化管出 P450 2C9を阻害するので、併
血、血尿、下血等) 用によりワルファリンの血中
の報告がある。 濃度が上昇することがある。
これらの薬剤の
フルコナゾールはこれらの
血 中 濃 度 上 昇 の 薬剤の肝臓における主たる代
報告がある。
謝 酵素 で あ るチ トク ロ ー ム
また、フルコナゾ P450 3A4を阻害するので、併
ー ル と の 併 用 に 用によりこれらの薬剤の血中
よ り 腎 障 害 の 報 濃度が上昇することがある。
告がある。
フ ェ ニ ト イ ン の フルコナゾールはフェニトイ
血 中 濃 度 上 昇 の ンの肝臓における主たる代謝
報告がある。
酵素であるチトクロームP450
2C9を阻害するので、併用によ
りフェニトインの血中濃度が
上昇することがある。
Page15
設定根拠
注意」の項:フルコナゾール添付
文書には、アステミゾールに関す
る記載があるが、現在アステミゾ
ールは本邦において流通していな
いことから、本項には記載しなか
った。)
ホスフルコナゾール
Page16
8. 添付文書(案)
使用上の注意
設定根拠
薬剤名等
臨床症状・
機序・危険因子
措置方法
ス ル ホ ニ ル 尿 スルホ ニ ル尿素 フルコナゾールはスルホニ
素 系 血 糖 降 下 系血糖 降 下薬の ル尿素系血糖降下薬の肝臓
薬(クロルプロ 血中濃 度 上昇の における主たる代謝酵素で
パミド、グリベ 報 告が あ る。ま あるチトクロームP450を阻
ンクラミド、ト た、フルコナゾー 害するので、併用によりス
ルブタミド等) ルとの 併 用によ ルホニル尿素系血糖降下薬
り低血 糖 の報告 の血中濃度が上昇すること
がある。
がある。
リトナビル
リトナビ ルの 血 フルコナゾールはリトナビ
中濃度・時間曲線 ルの肝臓における主たる代
下面積(AUC)上 謝酵素であるチトクローム
昇の報告がある。 P450 3A4を阻害するので、
併用によりリトナビルの血
中濃度が上昇することがあ
る。
ミダゾラム
ミダゾラ ムの 血 フルコナゾールはミダゾラ
中濃度上 昇の 報 ムの肝臓における主たる代
告がある。
謝酵素であるチトクローム
P450 3A4を阻害するので、
併用によりミダゾラムの血
中濃度が上昇することがあ
る。
テオフィリン テオフィ リン の フルコナゾールはこれらの
血中濃度 上昇 の 薬剤の肝臓における主たる
報告がある。
代謝酵素であるチトクロー
経口避妊薬
エチニル エス ト ムP450を阻害するので、併
ラジオール、レボ 用によりこれらの薬剤の血
ノルゲス トレ ル 中濃度が上昇することがあ
の血中濃 度上 昇 る。
の報告がある。
ジドブジン
ジドブジ ンの 血 フルコナゾールはジドブジ
中濃度上 昇の 報 ンの代謝を阻害するので、
告がある。
ジドブジンの血中濃度が上
昇することがある。
リ フ ァ ン ピ シ フルコナゾー ル リファンピシンは代謝酵素
ン
の血中濃度の 低 であるチトクロームP450を
下及び血中濃 度 誘導する。その結果、フル
半減期の減少 の コナゾールの肝代謝が増加
報告がある 11)。 すると考えられる。
4.副作用
深在性真菌症を対象とした国内及び海外臨床試験における副作
用発現率は、総症例数 160 例中 31 例(19.4%)であった。主
な副作用は発疹(3.1%)、肝機能検査異常(2.5%)、嘔気
(1.9%)、浮動性めまい(1.9%)等であった。
(1)重大な副作用
フルコナゾールにおいて以下の重大な副作用が報告されてい
る。
1) ショック:アナフィラ キシー反応(血管浮 腫、顔面浮
腫、①痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行
い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処
置を行うこと(フルコナゾールでの自発報告のため頻度
不明)。
国内及び海外で実施された深在性
真菌症を対象とした臨床試験で報
告された治験薬との因果関係が否
定できない有害事象の発現状況に
基づき設定した。
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。(本剤の臨
床試験においては、本項に該当す
る副作用は報告されなかった。)
ホスフルコナゾール
Page17
8. 添付文書(案)
使用上の注意
2) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、中毒性表
皮壊死症(Lyell 症候群):皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson 症候群)(0.04%)、中毒性表皮壊死症(Lyell
症候群)があらわれることがあるので、このような症状
があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行う
こと(Lyell 症候群はフルコナゾールでの自発報告のため
頻度不明)。
3) 血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白
血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることが
あるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を
行うこと(フルコナゾ ールでの自発報告の ため頻度不
明)。
4) 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害が報告されて
いるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を
行うこと(フルコナゾ ールでの自発報告の ため頻度不
明)。
5) 肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不
全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死
亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投
与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らか
ではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回
復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異
常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行
うこと(フルコナゾールでの自発報告のため頻度不
明)。
6) 意識障害:錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれる
ことがあるので、このような症状が認められた場合には
投与を中止するなど、適切な処置を行うこと(フルコナ
ゾールでの自発報告のため頻度不明)。
7) 痙攣:痙攣等の神経障害があらわれることがあるので、
このような症状が認められた場合には投与を中止するな
ど、適切な処置を行うこと(フルコナゾールでの自発報
告のため頻度不明)。
8) 高カリウム血症:高カリウム血症があらわれることがあ
るので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解
質補正等の適切な処置を行うこと(フルコナゾールでの
自発報告のため頻度不明)。
9) 心 室 頻 拍 、 QT 延 長、 不 整 脈 : 心室 頻拍 ( torsades de
pointes を含む)、QT 延長、心室細動、房室ブロック、
徐脈等があらわれることがあるので、定期的に心電図検
査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合
には投与を中止し、適切な処置を行うこと(フルコナゾ
ールでの自発報告のため頻度不明)。
10)間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、発
熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認めら
れた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本
剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投
与等の適切な処置を行うこと(フルコナゾールでの自発
報告のため頻度不明)。
11)偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症
設定根拠
ホスフルコナゾール
使用上の注意
状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがある
ので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと(フルコナゾールでの
自発報告のため頻度不明)。
(2)その他の副作用
次の副作用が認められた場合は、必要に応じ、減量、投与
中止等の適切な処置を行うこと。
頻度
種類
1%以上
Page18
8. 添付文書(案)
1%未満
頻度不明
ALP 増加、AST(GOT)ALT(GPT) 増加*、ビリ
肝臓
増加、γ-GTP 増加、ルビン増加*、黄疸*
LDH 増加
皮膚
剥脱性皮膚炎
脱毛*
胃 腸 出 血 、 口 内 乾 しゃっくり* 、腹部不
快感*、消化不良*、鼓
燥、粘膜疹
消化器
腸放屁* 、食欲不振*、
腹痛*
精神・ 浮 動 性 め 不眠症、錯感覚
頭痛 * 、手指のこわば
神経系 まい
り*
腎機能障害、急性腎
不全悪化、腎クレア BUN 増加*、クレアチニ
腎臓
チニン・クリアラン ン増加*、乏尿*
ス減少
低カリウム血症、低 高コレス テロール血
代謝異常
カルシウム血症
症* 、高トリグリセリ
ド血症*、高血糖*
貧血
好酸球数増加 * 、好中
血液
球数減少*
高血圧
静脈炎、心雑音、低
循環器
血圧、左心室不全
呼吸器
鼻炎、鼻出血
筋・
関節痛、筋痛、背部
骨格系
痛
血管痛
末梢性浮腫、細菌感 熱感*、味覚倒錯*、発
その他
染、頭痛、投与部位 熱*、浮腫*、倦怠感*
感染/炎症、結膜炎
肝機能検
査異常、肝
障害
発疹
嘔気、嘔
吐、下痢
設定根拠
(2)その他の副作用
国内及び海外で実施された深在性
真菌症を対象とした臨床試験で報
告された治験薬との因果関係が否
定できない有害事象の発現状況、
及びフルコナゾール添付文書に基
づき設定した。
*:フルコナゾールで認められた副作用
5.高齢者への投与
本剤は体内でほぼ完全にフルコナゾールに加水分解され、
大部分はフルコナゾールとして腎臓から排泄される(「薬
物動態」2.の項参照)が、高齢者では腎機能が低下して
いることが多いため高い血中フルコナゾール濃度が持続す
るおそれがある。従って、高齢者に投与する場合は、クレ
アチニン・クリアランス値を参考に投与量及び投与間隔に
十分注意すること。(<用法・用量に関連する使用上の注
意>及び「薬物動態」6.の項参照)
6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
(1) 動物実験(ラット)において,着床前胚死亡率及び着床後
胚死亡率の上昇,分娩障害,催奇形性が認められている。
また,フルコナゾール投与により催奇形性を疑う症例報告
があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には
投与しないこと。
本剤の薬物動態試験の結果及びフ
ルコナゾール添付文書の記載を参
考にして設定した。
本剤の生殖発生毒性試験の結果及
びフルコナゾール添付文書の記載
を参考にして設定した。
ホスフルコナゾール
Page19
8. 添付文書(案)
使用上の注意
(2) フルコナゾールは母乳中に移行することが認められている
ので、授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせるこ
と。
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性
は確立していない(使用経験がない)。
8.過量投与
症状:
(1) 外 国 の 癌 患 者 で の 過 量 投 与 ( フ ル コ ナ ゾ − ル 1200 ∼
2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾ−ル
1600mg/日投与 例にお いて、 肝機能 検査値上昇が みられ
た。また 、2000mg/日 投与例 におい て、中枢神経 系障害
(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形紅
斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告
がある 18)。
(2) フルコナゾール 8200mg 経口摂取後、幻覚、妄想行動の症
状があらわれ、48 時間の経過観察が行われた結果、症状は
回復したとの報告がある(自殺企図例)
。
処置:
(1)、(2)とも対症療法を行う。フルコナゾ−ルは、大部分が腎
から排泄される。3時間の血液透析により、約 50%が血清よ
り除去される。。
9.適用上の注意
(1) 他の薬剤及び輸液との混合は避けること。[配合変化試験は
実施していない。]
(2) 本剤は 10mL/分を超えない速度で投与することが望まし
い。
10.その他の注意
28 日を超える投与の有効性及び安全性は検討されていない。
設定根拠
小児等を対象とした臨床試験を実
施していないことから設定した。
フルコナゾール添付文書の記載を
参考にして設定した。
1)他の薬剤との配合試験を実施し
ていないことから設定した。
2)国内で実施された臨床試験での
投与方法に準じて設定した。
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