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都市生活者のレジャーの足 【横須賀港久里浜地区・浜金谷港】

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都市生活者のレジャーの足 【横須賀港久里浜地区・浜金谷港】
都市生活者のレジャーの足
【横須賀港久里浜地区・浜金谷港】
(神奈川県横須賀市) (千葉県富津市)
として人々に親しまれている。
「休日はレジャーの人々で賑わいます。
神奈川県
特にゴールデンウィークはかなりの混
千葉県
●●
浜金谷港
雑です」と東京湾フェリー株式会社営
業部課長代理の高澤佳昭さんは言う。
横須賀港久里浜地区
「年間の利用客数は約 150 万人、その半
広々とした客室内に入ると、座席の
分以上がレジャー目的です。最近では、
大きさとも相まって、ゆったりとした
行きは陸路で帰りはフェリーという方
気分になる。すぐ側の席では、持参した
も見受けられます」
弁当を広げた家族連れが楽しげな会話
何泊もする旅行とまではいかなくて
を弾ませていた。
も、休日に日帰りもしくは一泊程度の
航路の名称は東京湾フェリー。東京
レジャーを楽しむライフスタイルは、
湾を横断する約 11.5 キロの距離を、お
今やすっかり定着した。神奈川からわ
よそ 35 分で結んでいる。
ずか 35 分で自然豊かな南房総に足を運
東京港、川崎港、横浜港、千葉港とい
ぶことのできるこの航路は、陸路の発
う、日本経済の中枢を担う特定重要港
達した地域に暮らす首都圏の人々に
湾が取り囲む東京湾。その背後に控え
とって、むしろ新鮮に映るのかもしれ
る首都圏では、鉄道網や道路網が高度
ない。
に発達し、人々の日常の移動手段は陸
しかし、東京湾横断道路であるアク
上交通が大部分を占める。
アラインの完成により、利用者数が
そうしたなかにあって、神奈川県横
減ったことも事実だ。そのため同社で
須賀市の横須賀港久里浜地区と千葉県
は、夏場のサンセットクルーズや南房
富津市の浜金谷港を行き来するこの航
総の豊かな自然を背景にしたレジャー
路は、今も地域の生活に密着した航路
パック商品を積極的に企画し、船なら
ではの楽しみ方を訴える。
「実は、この航路の存在自体を知らない
人が、案外多いのではと考えるように
なりました。全体的に厳しい状況にあ
ることは否定できませんが、今後もア
ピールする努力は続けていきます」と
高澤さんは話す。
久里浜では、このほど新ふ頭が完成。
平成 13 年から先行して供用開始してい
た東京湾フェリーのターミナルなどを
含め、水産・物流面での総合的な港湾機
能の強化が期待されている。
休日にはレジャーの足として、また
日常生活を物流で支える生活路線とし
て、同航路は人々の生活をこれからも
船内の広々とした客室は、
ちょっとした豪華客船のようだ。東京湾を横断する約35分の船旅は、
ゆったりとした心地よさがある。
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支えていく。
南房総への玄関口、浜金谷港。東京湾を横断すると、風景も雰囲気もガラリと変わる。東京湾フェリーは、
レジャーの足であるとともに神奈川と千葉を結ぶ生活路線の役割を果たしている。
浜金谷港のフェリー乗り場にある土産売り場は、出航直前まで買い物をする客で
いっぱいだった。写真は、千葉の名産品落花生のコーナー。
久里浜のフェリー乗り場で、乗船を待つ車の列。休日は自家用車の利用が多い
が、平日は物品輸送などの営業車両が多い。
(取材・文/太田昌宏 写真/相澤正)
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